イランの核問題
反核医療者の会での発言
2026年7月4日
(A)「核ヘッジング」政策が最大の争点: さまざまなオプションがあり、「核ヘッジング」と総称する。現状はこうである。
1️⃣ イランはイスラム最高指導者の言明という形で、核兵器を持たないと宣言している。同時に核の平和利用(通常原子力発電)実施している
2️⃣ イランはNPT(核不拡散条約)に加盟し、IAEAの管理下で非保有国と認定されている。現実にはイランは平和利用の限度を超えて比較的高濃度ウランを生産・保有している。これはかつて国際的に容認されていた(JCPOA)(現在はイラン自身も協定を離脱している)
3️⃣ イランは核兵器禁止条約には加盟していない。核ヘッジングは本条約上は準保有とみなされる可能性が高い。
3️⃣ イランは核兵器禁止条約には加盟していない。核ヘッジングは本条約上は準保有とみなされる可能性が高い。
(B)「核ヘッジング」政策をめぐる議論
1️⃣ ヘッジング(保留)は三段階に分かれ、ハード・ヘッジングは最強のもの。アクセルとブレーキを目一杯踏み込んだ状態。イランはもう少し緩くて相手次第では冬眠状態に入ってもいいくらい。
2️⃣ NPTではセーフ、核兵器禁止条約ではアウト。多くの国が米国の「核の傘」に入って「準保有国」となることで、核の危険をヘッジしているが、論理は同じ。
3️⃣ ヘッジング論は、四面楚歌状態や大国による強力な圧力状態など特殊状況への適応として語られる。このため核武装合理化論につながりやすい。
(C)トランプとイランのやり取り
1️⃣ イランは一時ハード・ヘッジングを目指したが、国際社会の反発を受け非核原則を再確認した。米国+西欧はこれを受けイランの核ヘッジング(JCPOA)を認めた。
2️⃣ その後大統領となったトランプは、JCPOAを核保有と同等にみなし、制裁を課した。その背景にはイスラエルの強力なプッシュがあった。バイデンはこれを引き継ぎ、各国はこれに追随した。
3️⃣ 昨年5月、トランプはJCPOA容認の動きを見せた。しかしそのあと、イスラエルの示唆を受け、予告なしの攻撃を断行した。
3️⃣ 昨年5月、トランプはJCPOA容認の動きを見せた。しかしそのあと、イスラエルの示唆を受け、予告なしの攻撃を断行した。
4️⃣ イランは米国との交渉中、高濃度ウランの破棄・希釈も含めて柔軟に検討している。
(D) 事態は複雑であるが、私見、
おおむね次のように総括される。
おおむね次のように総括される。
1️⃣ イランは80年のイラン革命以来、苦難の経過を辿ってきた。その間、イスラム国として非核・非同盟の立場を貫いて来たことは是とすべきだ。
2️⃣ しかしさまざまな地政学的困難があるとは言え、核開発の権利をヘッジ(保留)することは正確な立場とは言えない。“純粋な平和利用” の範囲に留めるべきである。
3️⃣ 今回の二次にわたる不当攻撃とその撃退は、“核なしで平和を守る” 可能性を切り開いた。これを機に全面的な非核の方向、非核中東地域構想(1974年にイランとエジプトが国連総会に提案)に踏み出すべきだと思う。
4️⃣ 世界と米国は、このような非人道攻撃でイランの生存を脅かすのではなく、これからの非核の世界の見本として育ててほしいと思う。
以上
以上
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