2026/06/13
Glenn Diesen's Site:

Larry Johnson: End of War? U.S. & Iran Close to a Deal?

GLENN DIESEN: さて、どこから話を始めればいいのか分からないんですが、今回はちょっと違うようです。何が起こっているのか?


事情理解のために

ラリー・ジョンソン:トランプは『イランを徹底的に爆撃する』って言ったかと思えば、次の瞬間には『平和にチャンスを与えよう』なんて言うんだ。ドクター・ストレンジラブからジョン・レノンになるみたいにね。
ペペと僕に与えられた情報は、どうやら本当だということが分かってきた。

(ぺぺ・エスコバル: ブラジル人ジャーナリスト。自由言論界のスター記者。Eurasia-wide nomad geopolitical analystを自称する。L.ジョンソンとはその世界の道連れ)

それは、4月8日にイランが提出した14項目案に基づいて覚書(MOU)を作り上げたみたいだ。このプロセスはパキスタンが主導してきた。どうやら信頼醸成の重要なきっかけはUAEで、彼らは先日30億ドルを提供したらしい。合計で200億ドルを渡す予定で、その30億ドルはその第一弾だったらしい。
イランはお金を手にし始めた。彼らのレッドラインの要求の一つは『資産凍結を解除しろ』だったからね。

イランが絶対に譲れない要求は、*制裁の解除、*ホルムズ海峡に対するイランの主権、*アメリカの封鎖の解除、 *レバノンでの恒久的な停戦とイスラエル軍の撤退、そして *ガザからもイスラエル軍を引き上げさせることだ。イランがそれを引っ込めた兆しは全くない。

イランは少しずつお金を手にし始めている。金銭の問題が前面に出てくるのは、最初のプロセスが峠を越えたことを意味するのではないか。


イラン側の条件が提示されつつある

グレン・ディーセン:そうですね。まず第一ステップとしてこれを行い、それが達成されたら次のステップに進む、ということです。このステップが完了すれば、イランの全資産が解放され、再び凍結されることはないということです。多くの「ノー」があった中での善意の表れです。

制裁を解除することは、他の課題に比べれば最も難しいことではないが、善意のあかしにはなる。アメリカ側にとっても約束を破ることは事実上コストになる。だから、良い最初の一手だ。

ラリー・ジョンソン:まあ、やっぱり肝心なのは制裁を全部解除するって話ですね。もちろん、石油への制裁を解除することはトランプにもメリットがあるし、市場にもっと石油を出す助けにもなる。でも結局のところ、それでは誠意にならない。全ての制裁を解除して、アメリカの封鎖も解除することが重要なんだ。

実際の大きな障害になるのはイスラエルだ。イスラエルはレバノンとガザを離れなきゃいけない。もし彼らに任せておけば、そんなことは絶対にしない。でも今なら、トランプには「支援を止めるぞ、あとは自力でやれ」って言える取引材料がある。それでイスラエルも動くはずだ。
正直に言うと、トランプがそこまで強硬に出る気はないと思うんだよね。トランプは結局踏ん張れなくなると思う。

核関連のその他の問題は将来的な話だ。  イスラエルはこれが弾道ミサイルの問題に触れていないと文句を言っているが、イランは議題に載せることすら許さないだろう。それはホルムズ海峡の支配と並ぶもう一つの切り札だ。


核問題とイスラエルの立場

グレン・ディーセン:  アラグチ外相は、『国際水域じゃないのだから、提供したサービス(レント)に対して料金を請求する権利を保持する』と言ってた。ホルムズ海峡はイランかオマーンの領海に入るはずだ。

ラリー・ジョンソン: その通りだ

グレン・ディーセン: いっぽう、核合意については、イランが核兵器を持てないようにすることが目的だから、必ずしも悪い話ではない。イラン自身、核兵器は必要ないってはっきりしてるからだ。
もしこの問題を核兵器の開発ではなく、『必要なら核兵器を入手する』権利とするなら、取引は可能になる。(編者: このあたり、国際法上の適否と倫理的な正邪との間でディーセンの論理は揺らいでいる)

Larry-Johnsons-interview


イランの軍事能力と空爆の一時停止

ラリー・ジョンソン: 
今週、イランのあじな攻撃を見るのは興味深かったね。アメリカの空爆を伝えたニュースで、イランの防空システムが一段とバージョンアップしているのが垣間見えた。

バンダル・アッバスへの攻撃の際に、イラン軍が5発のトマホークミサイルを撃墜した。さらにF-16も迎撃視界に入った。防空システムが照準を固定した。F-16は迎撃の危険を察して、急いで脱出した。この地対空の補足システムは、中国とロシアからのFLIR支援でアップグレードされたものだろう。

それからイランからの報復攻撃も注目される。規模は大きくなかったが、それは信じられないほど正確だった。そのうちの一つについて少し情報がある。

バーレーンで破壊されたものは、アメリカの戦略能力にとって非常にダメージが大きかったらしい。ICBMにも用いられる非常に高価で重要な部品だったということだ。アメリカ側は、「狙い撃ちできたのは中国やロシアの支援があったからに違いない」と見ている。

今回の最後の反撃でも、バーレーンにある別のレーダーを狙って破壊した。それから正確な目標を狙って、ヨルダンのムワフィク・アル=サルティ(Muwafiq al-Salti)空軍基地を攻撃して、F-35やF-15、F-16、あと多分E-8プロウラーも損傷させた。(機体名の後ろには‐sがつけられている)
編注(3月22日 アル・マヤディーンより):
2026年2月中旬、基地内の米軍機の数は3倍に膨らんだ。最終的に60機から70機の戦闘機が配備された。68便以上の軍用輸送機が弾薬や支援装備を輸送した。
イランの攻撃により基地のTHAADレーダー(約3億ドル相当)は破壊された。
イランは、ただやられてばかりじゃない。軍事的な観点からかなり自信を持っているはずだ。



標的攻撃作戦に対するイランの懐疑心

グレン・ディーセン:

どちらかというと、報復攻撃はUAEを標的にするだろうと思っていました。でも、UAEは金を送りイランは受け取ったようですね。それが今回の報復攻撃が湾岸各国に散らばった理由でしょうか? イラン側は、もし何らかの相互承認があれば、敵対行為を停止するぞ! と示しているのでしょうか?

トランプは、いま本当に戦争を終わらせたいと思っているのか。未だに疑問はある。過去の欺瞞は、彼らが本心ではイラン人を打ち負かしたいと思ってのことだった。まあ、平和協定を結んで共存したいわけではない。でも、彼らは自分たちの目的を達成できないことに気づきつつある。

彼らはイラン人を打ち負かせない。そして、この事態が長引けば長引くほど、イランは彼らにさらに多くの痛みをもたらすことになる。じゃあ、なぜ最後の最後まで持ち越す必要があるのか?


UAE、カタール、そしてパキスタンの外交的役割

ラリー・ジョンソン:
UAEという国は、テーブルの奥にいる一番うるさい親戚みたいだね。思わず顔を殴りたくなるくらい。最近までずっとイスラエルの味方をしてきたし、イランが報復したときにはすぐに非難の声を上げたんだ。

でも、そのあとUAEの代表団がひそかにテヘランに行った。償いをするということで頭を下げたらしい。これは経済的な打算だね。この戦争が始まってからもう100日、かなり打撃を受けた。ビジネスを再開したがっている。ジェベル・アリもずっと閉鎖されて、この戦争の間ずっと死んでる状態なんだよ。

編注: 凍結資産は米国が塩漬けしているが、その分をUAEが窓口になって返済(事実上の肩代わり)しようという話のようだ。トランプが「資産凍結は解除する」と言いながら、「米国からはビタ一文払わない」というのはこういう仕掛けだ
編注 Jebel Ali: UAEのドバイ首長国にある。中東有数の産業・物流ハブで、観光・居住エリアとしても知られている。

まずUAEが行って、次の日にカタールの代表団が現れて滞在した。多くの人は彼らが出発したらすぐに、アメリカが攻撃を再開するだろうと思っていた。でも彼らは居残り、夜を越した。だから攻撃の1回の時に彼らはそこにいたんだ、たとえそれがテヘランに直撃したわけじゃなくても。でもかなり近くだった。

カタールはどうやらパキスタンと一緒に、湾岸諸国みんなが納得できる文書を作るのに関わったらしい。パキスタンもアメリカの同盟国で、米軍も駐留している。そういう立場から、カタールやサウジアラビアがアメリカの全面支配下に置かれるのを避けたり、自立する手助けをしているらしいんだ。

これはかなり複雑な外交努力で、パキスタンだけでやっているわけではありません。パキスタンは、中国の完全な支援と奨励を受けつつ、ロシアの後押しもありながらやっているのです。

面白いことに、14項目文書の中で、湾岸諸国の関心はアメリカがイラン周辺から撤退することでした。すでに間違いないことですが、サウジやカタールが自国の基地をアメリカに使わせることには、もはや関心はありません

つまりこれは、結果的により広い「BRICS型決済」システムを作ろうとすることであり、西側の圧力や制裁からはなれて、自由な新しい国際経済秩序を構築しようとしているわけです。

例えば、ベッセント財務長官が、“あなたたちのドルを差し押さえるぞ” と脅したとします。イランはこう答えるでしょう。“私たちは石油を人民元で売っているから、ドルなんてどうでもいい”と言うだけでしょう。


戦争の後、この地域はどうなるのか?

グレン・ディーセン:
この戦争の後、この地域のシステムはどうなるのか。もちろん、これは推測の領域です。
この了解覚書の中身が正確に何かは分かりません。どんなステップがあって、それが実行されるかも分かりません。でも、イランにとって何が重要かは分かります。

イランはホルムズ海峡に関する権利を譲らないとしても、湾岸諸国における米軍の駐留を無害なレベルまで引き下げることで妥協する可能性があります。というのも、ホルムズ海峡を保持すること自体が、実質的に米国を湾岸から切り離すことになるからです。

私は通行料は目的を達成するための手段だと思います。そして目的は、地域の国々に通行の権利と義務、すなわち「アクセス条件」を自覚させることです。そして制裁を解除し、米国基地を平和的に廃棄するよう促すことです。もし彼らがこれに同意すれば… 

ラリー・ジョンソン:
ああ、分かった。はい。答えが見えるよ。わかった。とにかく、君が言ってたのは。

グレン・ディーゼン:
はい。私が言いたかったのは、湾岸諸国がホルムズ海峡を通過する際に、緩やかであっても料金を課す意思があるのなら、それはアメリカに払っていた駐留費用を減らすという結果をもたらすはずです。なぜなら通行料と駐留費用とが持つ意味は同じだからです。

ちょっと考えているんだけど、この戦争の後、中東という地域の形はどういうふうに見えると思う? 
色々なことが変わっていくと、形も変わって行くのではないか。たとえばイランは自国の安全保障枠組み(security guarantees)、もしくは拡張的抑止 (extended deterrence)をレバノンにまで広げている。

アメリカがまたイランを攻撃するなんて、正気の沙汰じゃないだろうね。これは本当に痛い経験だった。でも、この結果でイランの地域での立場はどれくらい変わると思う? 


イランを調整役として、湾岸諸国を新しい地域同盟として…
(Iran as a Moderating Force and a New Regional Alliance)

ラリー・ジョンソン:

湾岸諸国のアラブ人には、イラン人はアラブじゃないから、ちょっと、いやな感じがすると思います。

7年前の話ですが、サウジアラビアとUAEがカタールに対して怒りました。カタールがトルコと一緒になって、ハマスを支援していたからです。それで、カタールに対して経済制裁をしようとした。2年前には突然、今度はサウジがUAEに怒って戦争を仕掛けようとした。

つまり、これらいわゆる湾岸諸国のアラブは全然団結していないんです。くだらないことでお互いにイライラしていたんです。そして皮肉なことに、サウジとUAEがカタールを攻めていたとき、唯一カタールを助けに来た国はイランです。

だからイランは湾岸諸国とは距離をおいてきた。イランにはロシアと中国の両方からの強い後押しがあるからだ。その後、2年前にサウジアラビアとテヘランは基本的に関係を修復した。ずっと対立していたのを解消した。

イエメンでは代理戦争が続いていて、イランはフーシ派を支援し、サウジは “普通の政府” を支援していた。でもとにかく、その溝を埋めたんだ。違いを解消したんだよ。

ついでだが、パキスタンがやっているのも、中国が後押ししてのことです。 いまや中東では中国の影を無視できない 。それでパキスタンが新しい、言うなら疑似NATOスタイルの軍事イニシアチブを作ろうとしている。


今週、イスラエルがトルコに対して口撃や脅しをかけています。エルドアンと小競り合いを始めると、ますます面白くなってきます。この舞台の登場人物の中で、トランプと同じくらい自己顕示欲が強いのは、エルドアンだけです。

もちろん彼はイスラエルの干渉を歓迎しなかった。この男はイスラエルの石油の供給源を握っています。彼は一瞬でそれを止めることもできるのに、代わりに彼を脅して「攻撃して破壊するぞ」と言っている。驚きですよね。
だからこそ、パキスタンを通じて中国から出たこの提案が、湾岸諸国、サウジ、トルコ共感を呼び始めているのでしょう。

編注:イスラエルの石油の主な輸入先はアゼルバイジャンで、必須の輸送ルートにトルコが入っている。

さらにアメリカの態度変更があります。少なくとも世論の観点から見ると、イスラエルの立場はかなり脆弱になるでしょう。もはや無条件の支持は得られなくなる。こうした動きが一体になって、イスラエルに対抗する防衛同盟を形成する、ということです。

イラン周の国々の間で国家再建の必要性が増している。経済協力の必要も上がっている。正直言って、カタールにはこの戦争の初期に受けた被害のせいで、これから数年の再建が必要だと思う。サウジがどれくらい物理的な被害を受けたかはよくわからない。バーレーンはおそらく再びイランとの関係が増すだろう。そしてクウェートは、イラクに再び組み込まれる可能性が見えている。だから、これらの可能性のうち、いくつかが現実化するかも知れない。


交渉の秘密性と妨害のリスク

グレン・ディーセン:

ええ、私もクウェートの将来を不安に思います。さて、この覚書やその後に続く可能性のある取引について我々はあまり知りません。メディアは明らかに静観の立場を取っています。

これをどう読みますか? これは人々が話を大げさにしないようにするためなのか、それとも間違った期待を作って妨害するためなのか? 正直言って、妨害の懸念はあらゆる側のあらゆる集団にあります。

アメリカ側に目を向けると、このような和平を望んでいない集団がたくさんいるからです。イスラエル人の多くも、このような和平を妨害したがっています。

そしてイラン内部にも、タカ派が多くいます。彼らは、私たちは今強い立場にあると言うんです。今は敢然と闘い、敵をまいらせるときであって、取引をするときではないといいます。これまでの経緯を考えると、彼らが取引を躊躇するのも痛いほど理解できます。

とにかく、至るところに和平を望まない人がおり、破壊工作に勤しむ人員がいるということです。これがメディアの秘密主義の最大の理由なのでしょう。

ラリー・ジョンソン:

そうですね、特にトランプ側では、これ以上の大騒動になるのを抑えようとしています。

イスラエル側のインフルエンサーたちは、もう、本当に猛烈にトランプを攻撃しました。リンジー・グラムとか、シェルドン・アデルソンの未亡人に電話して談話を受けました。そして大いに持ち上げました。

もうひとつ注目されるのは、石油会社の幹部がトランプに事情説明に行ったと報じられていることです。彼らは言いました。「おお神様、これはひどいことになる」と。そしてこの関係者は、報復を恐れて名前を明かすことを拒否している。

共和党の上院議員が、今回の合意の性質について批判している。ホワイトハウスに電話をかけて、「一体何を考えてるんだ?何をしようとしてるんだ?」と怒鳴っているのだろう。
この手のプレッシャーにトランプが耐えられるかどうかはまだ分からない。
結局、この合意は崩れるんじゃないか。トランプが激しいプレッシャーに抵抗する強さを持っているとは思えないからね。


メディアの詮索、トランプのイメージ毀損、そして脱線転覆の危険について


GLENN DIESEN: 

アラグチの言いたかったことは、メディアがこの取引の内容について推測すべきではないということだ。それは本質的にこの取引を頓挫させる道になりかねない。

彼は「トランプをメディアから遠ざけろ」と言えたかもしれないけど、言わなくてよかったと思う。

言えることは現実がトランプの言動に追いついてきて、なぜ言う事の振幅がお大きいか気づき始めた。トランプがいま戦っているのはアメリカ国内の反動勢力だと…

私は、トランプがメディアから遠ざかって、交渉への集中を始めるべきだと思います。もしイラン資金を解放するという一歩に進めれば、アメリカが一歩引けば、情勢に大きな変化がもたらされるでしょう。


大きな曲がり角に差し掛かったイスラエル

ラリー・ジョンソン:

イスラエルは、弾け飛んでしまうかも知れない。イスラエルはレバノンから撤退することを拒むだろう。1982年にロナルド・レーガンの対応を経験したことがある。当時はシャロンが将軍で、南レバノンで暴れまわっていた。たしかその時ネタニヤフが首相だったかな? 

レーガンはそいつに電話して「とにかく出て行け、国に帰れ。さもないと援助を打ち切るぞ」って言ったんだ。そして彼らは出て行った。そういう前例はあるんだ。

スエズ危機のときには、アイゼンハワーもイギリス人やイスラエル人にそうやった。だから前例はあるんだ。問題は、トランプがそれをやる覚悟があるかどうか、ってことだね。

トランプにできる命令は、「今すぐ撤退して自分の国境に戻れ」ということです。そうなったらヒズボラも攻撃をやめなければなりません。それは目先の闘いではなく、もっと広い平和協定の一部であり、イランを支援するものでもあるからです。


トランプの立ち位置は難しい

グレン・ディーセン:
まあ、トランプは「アメリカを再び偉大にする」という公約で選ばれたわけですが、それは「ユーラシアの紛争から遠ざかる」ことによって実現しようという立場でした。
ところが、彼はどこかで間違って、戦争反対の立場ではなく、軍事的なアプローチで、「アメリカの偉大な地位を取り戻す」と言ってしまったんです
だから軍事予算を増やして、敵を倒す。そしてその結果、多くの資産や支持者を失ってしまいました。

そして今、敵を打ち負かす強者をめざす彼にとっては、とても痛みを伴う譲歩をしなければならなくなった。

そして絶対的覇者の地位を断念することが、今アメリカに必要なことだと思うんだ。唯一の超大国という立場から降りるのは楽なことじゃない。イランみたいな小国に事実上の敗北を認めて、世界での地位が低下するのを受け入れなきゃならないんだから。
ただ、僕にはそれが通るとは思えないけど。


ウクライナから始まった失敗のパターン

ラリー・ジョンソン:

まあ見てくれ、グレン、問題はアメリカが、この数年、否定され続けていることだ。ウクライナでの特別軍事作戦の始まりに戻ろう。

最初から、あれはロシアとの代理戦争だった。ウクライナを代理として使ってね。そしてアメリカは情報も提供したし、武器も提供した。 HIMARS、ATACMS、F-16から始まった。
それで、何が起こったか?

アメリカは直接には、ロシアに何も打撃を加えなかった。ロシアは着実にウクライナを打ちのめしていった。

「繁栄の守護作戦」は2023年12月にジョー・バイデン政権の下で始まり、結局うまくいきませんでした。

Operation Prosperity Guardian(繁栄の守護者作戦): イエメンのフーシ派が、ガザでのジェノサイドに抗議して、紅海でイスラエル船を標的に海賊行為を繰り返した。トランプは殲滅を指示したが、有効な打撃を与えることなく、停戦に至った。2023年12月18日 – 2025年5月6日


その後トランプは、2隻の空母を出した。フーシ派の拠点を積極的に爆撃した。

そこで彼らは2隻の空母を出したんだ — 結局は紅海に2隻の航空母艦があって — フーシ派の拠点を積極的に無人機攻撃していたんだ。やがてフーシ派は週に1機撃ち落とすようになった。1機あたり最低でも約6000万ドル(100億円)だよ。

そしてトランプは結局こう宣言したんだ。「おお、彼らは降伏した、我々は撤退する」 どこかで聞いたセリフでしょう。


米軍の軍備充足の限界

そしてそれは単に武器の有効性だけの問題ではありません。

パトリオットミサイルでは、今年の最初の5か月間生産を維持できたと仮定しても、約6,500発しか生産していません。

しかし、弾道ミサイル1発を撃墜するには2発撃たなければならないと理解すると、6,400発あるなら簡単に言えば、3,200発を撃ち落とせるということです。

なんてことだ、ロシアはウクライナとの戦争中に14,000発以上のミサイルを発射している。そして、イランがイスラエルに対して発砲した数はおそらく3,000発程度に及ぶでしょう。

ですから、もしアメリカが実際にそれらすべての資産を動員していたなら、彼らはそれらをとっくに使い果たしているでしょう。

量だけの問題ではない。それはものすごく高価だ。パトリオットPAC-3は、400万ドルから600万ドルくらいする。

さらに問題を複雑にしているのは、供給チェーンが中国原産なのだ。例えばトマホーク巡航ミサイルには、中国から来る18種類の希少金属とタングステンが必要なんだ。だからアメリカは、基本的に中国やロシアの供給チェーンに依存している攻撃兵器を持っているってことになる。

これを全部まとめて考えると、アメリカは思っていたほどスーパーな超大国じゃないのだ。


どういう取引が世界を変えるか

グレン・ディーセン:

そうだね、アメリカがやりすぎなのは誰が見ても判る。言いたいのは、アメリカにとってベターなのは、ちょっと縮小して、やりたいことに優先順位をつけることだ。

でも、最後にもう一つだけ質問させてください。もしこの覚書が成立したら、これが世界全体にどんな影響を与えると思いますか?

中国やロシアの立場にはどんな影響がありますか?

ラリー・ジョンソン:

まず彼らの威信は高まるでしょう。二番目に、中国はお金の一部を取り戻したいと思うでしょう。
というのは、中国はおそらく、ホルムズ海峡の封鎖で一番大きな打撃を受けました。実際にサウジアラビアやアラブ首長国連邦にかなりの額の投資をしていたからです。

でも、一番良いニュースとしては、お互いに撃ち合わないですんだということです。

ホルムズ海峡を完全に開く唯一の方法は、イランが『わかった、開放するよ。船を撃ったりしない』と言うことだからです。通行料や利用料は支払う必要がありますが、撃たれることはありません。

そうなれば、保険会社も『よし、再開できる』と言えるでしょう。でも、軍事的にこじあけることは絶対にできません。イラン軍は強力なだけでなく頑固さにおいても最高です。これは、過去2週間の様々な空爆で示された教訓です。

だから、もし彼らが交渉の道に入ったら、イスラエルからも、そしてアメリカ国内のキリスト教シオニストやユダヤ系シオニストからも、ものすごい圧力を受けることになるだろうね。


慎重な楽観論と最後の感想

グレン・ディーセン:
そうですね、それが私の望んでいることです。イランの凍結資金を開放することは、イランの実際的な動機になります。

グレン・ディーセン:ウクライナのメディアで、マルコ・ルビオがロシアの人々にロシアの日おめでとうと言ったと読んだところです。これ、自体はニュースになるほどじゃないはずなんですけど、最近ではニュースになっちゃいますね。

ラリー・ジョンソン:うん、まあいい方向への一歩ですね。引き続き頑張って人々に情報を伝えることが大事です。みんな君のこと見てるからね。

グレン・ディーセン:ありがとう、ラリー。