15日、月曜に白内障の手術やったのですが、4日目の本日も視界不良で、目前は輝く霧が立ち込めています。そんな中で盲打ちしたのが下記の記事。そのうち治すので、察してください。

19日 相変わらず視界不良ですが、なんとか少しづつ見えるようになっています。字句の誤りだけ直すつもりがどんどん膨らんでいます。

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前回の記事で、スイッチバック方式のことを書いたが、それはトランプの「焦らし戦術」に隠された恐ろしい狙いを指して言ったことである。
その間イランは一貫して正攻法で押していた。その結果2つの側のシナジー効果によって徐々に戦争派(帝国主義者)の反対の声を抑え、停戦合意に到達したのではなないか?と言いたかったのである。ある意味でトランプとイランの”出来レース”ではなかったのか。
つまり我々は、この闘いが誰と誰との戦いであったのか、この戦いの直接の敗者が誰であったのかを見損なっているのではないかということだ。トランプが自分を敗者だと思っていないのは半分は彼の性格によるものだが、半分は本当に勝者だと思っているのではないのだろうか

トランプは帝国主義相手に得点をもぎ取った。「帝国主義グループ」とは狭義に言えば新旧の超党的軍事ロビーのと軍産複合体である。広義にはこれに連なるNATO/G7の親米右派、中東権益に結びついた石油メジャー、そして巨万の富に物言わせるIPAC(ユダヤロビー)である。


もともとイラン戦争などやりたくなかったトランプ

とりあえず、イラン戦争に限って言えば、トランプはあまり戦いたくはなかったのではないかと思う。それは昨年5月、リャドでの演説で明らかに示されていた。それをちゃぶ台返しをするようにイスラエルが暴投した。それが第一次イラン戦争だ。この戦争にすべての要素は凝縮されていて、この戦争を分析しただけで、今回の戦争の構図は見て取れる。

いきなり頭越しの開戦を迫られたトランプは、しかしながらこの手を予想していたと思われる。帝国主義者の我慢には限度があって、それを越えればトランプごときの好きにはさせないという凄みを、感じ取ったのではないか。

彼は突如手のひら返しをして、帝国主義者の意向に沿った施策を次々に打ち出した。その最後がB2爆撃機による渡洋爆撃というど派手な打ち上げ花火だった。おそらくかねてから用意したものであったのだろう。

このようなドサクサに紛れてイスラエルの奇襲を支持し、イラン攻撃に同調した。それで戦闘に一応のピリオドを打つことに”成功”した。当初目標としてのリヤド発言からは逆噴射としか言いようのない方向であるが…

ただしこの小芝居というか大芝居に乗って、イスラエルがいったん矛を収めたのは、別の事情があった。14日戦争の後半に入って、イランがロケットとドローンによる飽和攻撃をかけ、これが予想外の被害をもたらしたのである。(予想外とは言っても、イラク駐在のイラン軍幹部の暗殺に対しイランが仕掛けた飽和攻撃で “オヤッ?” と思わせるだけの前兆はあったのだが…)

イスラエルは防空装備を費消してしまったために、“玉切れ休戦” を迫られた。

この話はグレン・ディーセンの対談番組に出演したラリー・ジョンソンがぶちまけて、知る人ぞ知る伝説になっている。彼は元CIA捜査官、派手なアロハシャツでyoutubeに出演するから、あまり信用されなかったが、今日では、どうも本物らしいということになった。

こうして戦争は三方一両損みたいなかたちで一旦は収まった。これが第一次イラン戦争だ。トランプの怒りは、直接にはネタニヤフに向けられたものではあるが、その裏で手綱を握る国内のユダヤロビー、それを包摂する好戦的帝国主義に向けられている。


トランプの側には深い恨みが蓄積されていた

元を糺せば、世界のメディアの前で恥をかかされた、北朝鮮国交回復協議の土壇場での惨敗である。交渉も終盤に入った頃合いに、突如ナマズ髭の男が飛び出してきて、これがどうも帝国主義の刺客だったらしい。今回で言えばネタニヤフの役回りだ。それが「交渉内容は話にならない」とケツをまくり話をぶち壊した。トランプの憮然とした表情が記憶に残っている。

他にも理由はある。それがMAGAの主張だ。MAGAの中東政策はウクライナ政策と同じで、不干渉政策だ。「介入やめろ、国益重視で」ということだ。第2期トランプもこの流れを受け継いだ。それが端的に示されたのが第一次イラン戦争の直前の「中東ドクトリン」(リャド演説)である。

もう一つの理由はガザでのジェノサイド作戦の悲惨さにより、ホロコーストへの反省⇒ユダヤ・イスラエルへの同情という世間の雰囲気に逆風が立ち始めたことである。超党派保守本流と固く結びついたユダヤ潮流にも、流石にほころびが目立ち始めた、

ところが保守本流はそれに対応策を取るのではなく、正面型の強行突破を試みた。大学や知的エリートを敵視し、それでも有り余る資金力で圧倒できると信じ切っていた。

1月、ベネズエラで米軍の大国らしからぬ機敏な行動が成功し、大統領の防衛隊数十名を殺害した後、政府を占拠した。彼らは大統領府の残存者に組閣を委ね、マドゥーロ大統領夫妻を米国に連れ去った。

これに味をしめたトランプは、「イランでもうまくゆきまっせ」というネタニヤフの誘いにまんまと乗ってしまった。イランで政府に対する大規模な市民の抗議が広がったとき、トランプには“魔が差した” ようだ。しかしその際も第一次イラン戦争の暴発、トランプ流中東政策の転覆に続く暴走路線だから、心のなかには相反する感情が渦巻いていた可能性がある。


ノリエガからマドゥーロへ

ベネズエラでの作戦を、「大国らしからぬ機敏な行動」と書いたが、実はこの手のコマンド作戦はアメリカ軍のお家芸のひとつなのだ。

そっくりの「ノリエガ誘拐事件」というのがあった。1990年の年末のことだったと思う。ニカラグアでコントラという反革命ゲリラによる策動があり数万人が犠牲になった。アメリカがパトロンとなって起こした卑劣な作戦だった。どういうことかというと、軍資金にことかいたアメリカの国家安全保障会議が麻薬の密売に手を染め、その利益でイランから武器を買い、それをコントラに与えたというのだ。それが議会にバレて大変なことになった。
当時のレーガン政権は、その罪(麻薬密売)をパナマ政府の指導者ノリエガに押し付けた。軍の参謀本部自らが作戦を担い、ノリエガ捕縛作戦を繰り広げた。特殊部隊が侵入し数日のうちにノリエガを捕らえ、米本国に輸送した。ノリエガは当時ニカラグア革命政権の支持を呼びかけていたが、一夜にして麻薬カルテルの帝王に仕立て上げられた。顔が悪かった。夏みかんの皮みたいなアバタヅラで、典型的な「中米の独裁者」だった。その御蔭で彼は残りの人生の大半を米国内の刑務所で暮らすはめになった。


閑話休題


こうして第二次イラン戦争(テヘラン暴動)が始まった。最初の一撃のみは鮮やかな成功であった。ただし軍事的には鮮やかであっても、政治的には明らかにやりすぎであった。しかも証文の出し遅れで、国内には反政府暴動を起こすほどの実力部隊は残されていなかった。



戦線の混乱とトランプの思い切り

トランプの思い切りは早かった。最初の1ヶ月の動きを見て、制圧は無理と判断した。3月末には第一次停戦に持ち込んだ。いやがるネタニヤフの首根っこを押さえつけての停戦だ。

ネタニヤフは “戦争いのち” だから、トランプを差し置いて、アメリカ帝国主義の本拠に具申する。「イスラエルの命がかかっている。イランとの勝手な馴れ合い行動をやめさせてくれ!」

これを受けた米国内の帝国主義勢力は、トランプに強い圧力をかけ、戦争継続を迫る。イランが潰れるまで戦えと圧力をかける。ここから4月、5月とおしくらまんじゅうが続くことになる。

敵と味方こそ違え、この構図はウクライナ戦争と同じだ。
ウクライナ戦争において、トランプは停戦を強制させ、そのことで活路を開こうとしたが、うまくいかなかった。少なくとも今のところ、うまくは行っていない。EUに巣食う(従属的)帝国主義者は戦争の継続と究極的勝利への道を捨てようとはしなかった。米国内の帝国主義者は以前ほどウクライナ戦争の勝利に熱心ではなくなったが、それでも以前戦争継続の道を捨てようとしていない。軍産複合体にとっては戦争が続くことは安定した収入の道が保証されるからだ。最後のウクライナ人が息絶えるまで…

イラン戦争において、ウクライナの役目を果たすのはイスラエルだ。こういう喩えを嫌う人はたくさんいるだろうが、アメリカ帝国主義やその目下の帝国主義勢力が応援するのは、ウクライナでありイスラエルだ。応援というより「けしかける」と言うほうがピッタリの、この主従関係はびくともしない。そして2つの国とも闘犬のように死ぬまで闘わされる。


中国の勝利をとくB.サックスは間違っている

それと同じことを今度はイランでやろうというのだ、
こうしておしくらまんじゅうが始まり、トランプは上昇⇒後戻り⇒上昇を繰り返しながら、油価と株価の変動を注意深く観察し、経済不安と市民の不満が沸騰するのを待った。帝国主義陣営は原油備蓄の調整を行いながら、危機をしのごうとした。
それはなかなかに見事なものであったが、しかしそこには展望がない。ついに国内政治情勢は手に負えなくなった。共和党内に地すべりの兆候が走り始めた。

つまり、トランプは戦いに負けたように見えるが、実はそうではない。負けたのはイスラエルであり、打つ手を打ち尽くし、結局強硬路線をを支えきれなかった帝国主義陣営である。

中国の勝利をとくB.サックスは間違っている。中国は勝利していない。なぜなら戦っていないからだ。アメリカ帝国主義は敗北した。なぜならイスラエルを応援して、トランプを巻き込んで、イランと戦ったからだ。そして負けたのだ。

いま眼前にあるのは、中東で軍事的・政治的痛手を負った米国帝国主義である。トランプはシテではなかったが、一級の相場師として相場に加わり深い手傷を負った。この後、立ち直れるのか、このまま息絶えるかは彼次第であり、世界の歴史には関係ない。

5月25日の中ロ共同声明が言う、政治の多極化が訪れるのは間違いない。ただそれが非同盟主義と多国間主義の側に進んでいくのか、ウエストファリア型の動乱政治へと突入していくのかは未定と言わざるを得ない。


下記終わる頃、ようやっと視力が作業に耐えられるほどに回復してきました。術前と同じく1.0くらいの老眼で、ちょうど良さそうです。視野が明るくなったのは、実用的にはさほど役には立たないが、気分的には明るいです。