3月の中旬に私は停戦の道筋をこう描いた。
トランプ・米政府とイランの交渉が先行する。
イスラエルの抵抗を抑え、ネタニヤフを孤立させる。
米国内のイスラエル支持勢力を説得し、ネタニヤフを下ろす。
トランプ政権内でネタニヤフの代理人を排し、中立派を全面に立てる

これはうまくいかなかった。理由は
1️⃣ ネタニヤフはイスラエル内の強硬派ではなく、米帝国主義の代理人であったこと。そこにはモサドも組み込まれていた。
2️⃣ 米帝国主義の重要な一部として、シオニスト勢力も組み込まれていること。とくに、議会対策=裏金面での決定力。

そこでトランプは、イスラエル内での権力移動の方式をやめて、スイッチバック方式でいくことにした。力をためて、一気に叩く⇒叩いた後は直ちに遠のく⇒力を蓄えながら世間の反応(油価・株価・支持率)を伺う。
トランプを支持するつもりは毛頭ない。ただネタニヤフ・シオニストの叩き方は流石なものだ。精神疾患のフリをするなど芯からの役者だ

まっぷる・ウェブより

izumo

目標はアメリカ帝国主義という巨大な山塊のうちの「AIPAC⇒ネタニヤフ」という峰。
ここに登るのに、ホルムズ海峡、湾岸諸国という2つの人質を利用する。
登坂力を構成するのは
1️⃣ 米国内の油価上昇⇒スタグフレーション
2️⃣ ペルシャ湾の原油・LNGに強依存する諸国からの反発
3️⃣ イスラエルへの軍事的圧力
4️⃣ 湾岸諸国の先進諸国からの決定的離反
問題はこれらが単独では登坂力を実現できないこと、
シナジー効果を発揮しないと、アメリカ帝国主義から弾き飛ばされること、

1️⃣2️⃣3️⃣4️⃣の緊張状態は現状変更へのエネルギーを高める。
そこで勢いをつけて斜面を登り、息切れする前に平地に停まること、
そこから水平に逆戻りして、緊張状態(帝国主義者の好む)に回帰すること
この緊張状態は1️⃣2️⃣3️⃣4️⃣のエネルギーを再度高める。

suittibakku
こちらの絵のほうがわかりやすいかも知れない。

これらの繰り返しが、いずれ列車をピークに押し上げるというプランだ。
だから30回でも40回でも、無茶苦茶な口実でも繰り返す他ない。

この試みは、歴代中もっともマシだったオバマさえ到底成し得なかったことだ。だからもしイラン停戦が成功すれば、トランプがノーベル賞をとってもたしかに不思議ではない。
今のところ、イランの対応はきわめて理性的だ。アメリカ帝国主義の目前で、刃の上を渡るようなギリギリの勝負を続けている。
ただし繰り返しになるが、それを実現させる登攀力は、*イラン・武装グループ、*直接、間接に支える中国・ロシアの二大国、*パレスチナ・レバノンの人々を支持する世界の平和勢力、*グローバルサウスとその中核をなす非同盟諸国、*米国内のシオニスト+帝国主義勢力に対抗する社会民主勢力の戦いにかかっている。また米国を除くG7諸国や、ペルシャ湾石油に強依存する東アジア・ASEANの動きも状況を大きく動かす可能性を秘めている。

なお、米帝国主義の実体に関してはなお検討中だが、政治的メッセンジャーとしては連邦議会上院のボス集団の力がかなり大きく、そのバックに国務、国防、財務など各省シニア、軍産複合体、ウォール街トラスト、石油メジャーが絡む。新興AI系はまだ外様の位置に留まる。