国連憲章のVer 2.0を目指した、きわめて格調の高い文章だが、全編が法律・政治・外交用語で散りばめられている。グーグルの自動翻訳では意味不明になってしまう。30年前、非同盟運動首脳会議(南ア・ダーバン)の基調報告を訳したときと同じ感覚だ。
自分との対談の合間に、このような文章が準備されていたことを知ったトランプは、さぞ愕然としたことであろう。
構文や文体に注意しつつ、時間をかけて翻訳した。しかしいつもながらの悪癖として、明瞭化を図るため、表現が過度にいじられていると、我ながら思う。

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Consortium News
Volume 31, Number 151 — Thursday, June 5, 2026

ロシア・中国共同声明

The Russian-Chinese Communiqué

2026年5月20日

北京で行われた首脳会談の後、ロシアと中国の両大統領は共同声明を発表した。そこでは新植民地主義的覇権の終焉と、国際関係における新時代の到来が宣言された。

Putin_and_Xi_Jinping_May_2026



以下本文

ロシア連邦および中華人民共和国(以下「両当事国」という)は、
(ともに)悠久の歴史を有する文明国であり、
国際連合(国連)の創設国であり、その安全保障理事会の常任理事国であり、
世界の多極化が進むなかで、その世界の重要な勢力の中枢を占め、
世界各国の勢力均衡を積極的に維持し、
国際関係の改善において建設的な役割を果たしており、それは下記の文書に足跡として総括されている。

1997年4月23日の「多極世界と新たな国際秩序の形成に関する中露共同宣言」、
2005年7月1日の「21世紀の国際秩序に関するロシア連邦と中華人民共和国の共同宣言」、
2017年7月4日の「世界情勢および主要な国際問題に関するロシア連邦と中華人民共和国の共同声明」、
2022年2月4日の「国際関係の新時代と地球規模の持続可能な開発に関するロシア連邦と中華人民共和国の共同声明」、

それらはおおむね、以下の通り述べている:


<1. 第二次世界大戦の終結以来、国際情勢や世界の勢力均衡の変化は加速している>

脱植民地化の波と冷戦の終結により、世界の主権国家の数は大幅に増加した。これが一方における特徴である。

世界社会はより多様かつ複雑なものとなっている。 アジア、アフリカ、中東、ラテンアメリカ、カリブ海地域に於いて、構成国の力は発展し、国際的影響力は高まった。

政治・安全保障から経済・人道問題に至るまで、国際関係のあらゆる分野にまたがって、地域協力機構と地域間協力機構の数は増加し、それらの世界的役割は着実に拡大している。そしてそれらを通じて、世界の相互連結と相互依存は、人類史上かつてない水準に達している。

この間、いくつかの主要国による試みは失敗に終わりました。彼らは植民地時代の横暴な態度を受け継ぎ、国際社会の仕組みを一方的に捻じ曲げ、自らの利益を全世界に押し付け、他国の主権に基づく発展を制限しようとしましたが、それらは結局失敗に終わった。

21世紀の国際関係システムは根本的な変革を遂げている。長期にわたり多極化の局面が進展している。これに伴い新たな形態の国際関係が出現しつつある。大多数の国々は、新たな時代の幕開けを深く認識し、歴史的経験に学び、国際社会を形成する道を歩んでいる。

彼らは、基本的利益の相互尊重、平等、正義、互恵的な協力を旨とし、世界を対立する地域やブロックに分断することなく、結束した国際社会を形成する道を歩んでいる。


他方で、世界情勢はますます複雑化する局面も示している。一方的な強硬な手法、覇権主義、ブロック間の対立といった、新植民地主義的な傾向も一部では強まっている。

国際法や国際関係における、普遍的に認められた基本的な規範が頻繁に踏みにじられており、国家が行動を調整し、グローバル・ガバナンスの枠組みの中で紛争を解決することがますます困難になっている。

従来型の国際規制の多くは、その有効性を失いつつある。世界の平和的発展と持続的開発の課題は、いまや新たなリスクと課題に直面している。そこには国際社会の分断や「ジャングルの掟」の復活を目指す危険な傾向が生じている。


<2. 平等かつ秩序ある多極世界と新たな国際関係の構築>

両国は、平等かつ秩序ある多極世界と新たな国際関係の構築をめざす。そこには公正かつ合理的なグローバル・ガバナンス体制の実現がもとめられる。

そのために以下の基本原則が必要と考える。両国はこれらの基本原則を相互に遵守するとともに、国際社会に対し、これらを遵守するよう呼びかける:


第一の原則=「開放性」の原則  包括的かつ互恵的な協力のための、基本となる原則

世界の分断を乗り越えることが必要である。あらゆる分野において、「国境の撤廃」を推進するべきである。その際留意すべき大事なことは、民族の主権、領土保全、文化的独自性が尊重されなければならないということだ。

世界の発展には普遍的な道など存在せず、「一級」の国や民族など存在しない。世界はこれほど多様で複雑なのだから、国家間の自然な違いはあって当然である。問題は、国家間の平等で、互いを尊重し、互恵的な関係の発展にとって障害となるべきではない。各主権国家が選択した発展モデルを尊重することが不可欠である。

国際政治関係の民主化と、より開かれた世界経済の構築は、すべての国の根本的な利益にかなうものである。問題解決にあたって一方的なアプローチ、覇権主義、強制的な政策も容認できない。


第二の原則=「分かちがたく平等な安全保障」(indivisible and equal security)の原則

人類が直面する共通のリスクや課題が増大する中、より結束の固い国際社会の形成がもとめられる。それは、ある国家の安全保障が、他の国家を犠牲にして達成されることはあり得ないことを意味する。

すべての主権国家は、平等に安全保障を受ける権利を有する。それには以下のことが必要である。

*すべての国の合理的な安全保障上の懸念に十分な配慮を払う
*安全保障問題における協力体制づくりに力を注ぐ
*ブロック間の対立やゼロサムゲーム的な戦略を拒否し排除する
*軍事同盟の拡大に反対し、ハイブリッド戦争や代理戦争などに反対し、
*革新的な、均衡の取れた、有益な、持続可能な施策を追求し、

これらの条件を備えた安全保障体制を全地球的にも、地域関係に於いても、構築していく必要がある。

意見の相違や紛争は、紛争の根本原因に対処しつつ、平和的に解決されるべきである。主権国家に対し、(軍事的)中立性を放棄するよう強要することは容認できない。


第三の原則=国際関係の民主化という原則。およびグローバル・ガバナンス体制の改善

すべての国家およびその連合体は、国際的なパートナーや国際的な関与の在り方を自由に選択する権利を有する。

世界的な覇権は容認できず、禁止されなければならない。いかなる国家または国家の集団も、国際情勢を支配したり、他者の運命を決定づけたり、開発の機会を独占したりしてはならない。

グローバル・ガバナンスおよび規制のシステムは、すべての国家が政治的意思決定プロセスに平等に参加し、その恩恵を享受できる条件を保障しなければならない。また、そのシステムは継続的に改善されなければならない。

国際関係を規制する重要な手段であるグローバル・ガバナンスは、主権平等、国際法の支配、多国間主義、人間中心主義、および成果重視のアプローチを遵守しなければならない。

この目標に向け、多面的かつ複雑な地球規模の問題を解決していかなければならない。その際の主要な手段として、多国間主義の役割を強化する必要がある。とりわけ注意すべきは国連機能の形骸化であり、あらゆる面から支える必要がある。

国連やその他の多国間機関の改革は、全人類の利益に資するものでなければならず、国際システムにおける開発途上国の代表性と発言力を着実に高めるものでなければならない。

国連憲章は国際関係の根本的な規範であり、その原則はたんなる逐条的な理解にとどまらず、全体として、また相互の関連性において遵守されなければならない。

少数の国々によって策定された規則が、広く認められた国際法に取って代わるべきではない。大国は特別な責任と使命を担い、自らをさらに戒め、その優位性を濫用してはならない。


第四の原則=「世界の文明と価値観の多様性」(world civilizational and value diversity)の原則

あらゆる人類の文明は、それ自体として価値があり、対等である。文明は、高度に発達したものと未発達なもの、強いものと弱いものに分かれるものではない。いかなる文明の精神的・道徳的体系も、他より排他的であるとか、優れているとは見なすことはできない。

すべての国は、平等、経験の相互交流、そして対話に基づく文明観を提唱しなければならない。各国は、異なる民族や文明間の相互尊重、理解、信頼、交流を強化し、すべての国の国民間の相互理解と友好を促進し、文化と文明の多様性を保護しなければならない。

他国の内政に干渉する口実として人権が利用されること、また人権問題が政治化され、利用されることに対しては、断固として反対しなければならない。

宗教は人類文化の重要な伝達手段であり、人々の絆を築く上で特別な役割を果たしている。すべての国は、宗教間の対話と交流のための好ましい環境を整えなければならない。


<3. 中ロ両国は、多極的な世界の形成と、より公平な新しいタイプの国際関係に向けた共同ビジョンを、引き続き共同の努力で策定していく>


以上