Democrcy Now

August 18, 2025



平和は可能か?トランプ大統領とプーチン大統領、ゼレンスキー大統領との首脳会談について:

Nation 紙ヒューベル主幹が語る


Is Peace Possible? Nation Publisher Katrina vanden Heuvel on Trump Summits with Putin, Zelensky


introduction: 

トランプ大統領は、本日ホワイトハウスで、ウクライナのゼレンスキー大統領およびその他のヨーロッパの指導者たちと会談を行います。

トランプ大統領は本日、ホワイトハウスでゼレンスキー大統領と他の欧州諸国の首脳数名と会談を行っています。


これは、トランプ大統領がアラスカでプーチン大統領と会談し、和平合意の前提条件を話し合った3日後のことです。


アラスカでの会談に先立ち、トランプ氏はプーチン氏が戦争を停止しない場合、ロシアは「非常に厳しい制裁」に直面すると誓っていました。 しかし、トランプ氏は会談後、停戦を強要する呼びかけを撤回しました。 


『デモクラシー・ナウ!』は、ロシア専門家で『ザ・ネイション』誌の発行人であるカトリーナ・ヴァンデン・ヒューベル氏と、和平交渉が続く中での今後の展開について話をしています。


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グッドマン 

トランプ大統領は本日、ホワイトハウスでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と、イギリス、フランス、フィンランド、イタリア、ドイツを含む少なくとも5カ国の欧州諸国の首脳と会談しています。


これは、トランプ大統領がアラスカでロシアのウラジーミル・プーチン大統領との会談で和平合意を成立させられなかった3日後のことです。


アラスカ首脳会談に先立ち、トランプ氏はプーチン氏が戦争を停止しない場合、ロシアは「非常に厳しい制裁」に直面すると誓っていました。  


しかし、トランプ氏はその後、停戦要求を撤回しました。  


プーチン氏は、戦争終結の条件としてウクライナが東部ドンバス地域を放棄することを要求しています。プーチン氏は金曜日にトランプ氏と共に発言しました。

プーチン大統領: しかし同時に、ウクライナ問題の解決が持続可能で長期的なものとなるためには、危機の根本原因をすべて排除する必要があると考えています。それについてはこれまで繰り返し議論されてきました。

ロシアの正当な懸念はすべて考慮され、ヨーロッパおよび世界全体における安全保障分野での公正なバランスが回復されなければなりません。私はトランプ大統領の意見に同意しました。そして今日、この点について言及しました、停戦のためには、当然ながら、ウクライナの安全保障も確保されなければなりません。


ふたたびグッドマン 

日曜日の夜、トランプはオンラインでメッセージを投稿し、次のように述べた。

「ウクライナのゼレンスキーは、もし望めばロシアとの戦争をほぼ即座に終結させることができるか、または戦い続けることもできる」

トランプは、ゼレンスキーがNATO加盟やクリミアの返還を断念すべきだと述べた。クリミアは2014年にロシアが併合した地域だ。

トランプ政権の当局者は、米国がウクライナに何らかの “安全保障の保証を提示する可能性を提示している。  

一方、ゼレンスキーはプーチンがウクライナへの攻撃を継続することで「外交努力を侮辱しようとしている」と非難した。ロシアの攻撃により、過去24時間でハルキウとザポリージャで少なくとも10人(うち3人は子供)が死亡した。


今回の交渉経過とその背景について、より詳しく知るため、本日は、ロシア専門家で『ザ・ネイション』誌の編集長兼発行人であるカトリーナ・ヴァンデン・ヒューベルさんに来ていただいた。


カトリーナ、デモクラシー・ナウ!へようこそ。まず、現在の状況を評価していただけますか?


ヒューベル: Thank you, Amy.


グッドマン :

私たちにとって、15日に何が起こったのでしょうか?そして、この件について話しましょう。

ホワイトハウスでゼレンスキーはともかく欧州の指導者たち、大統領、NATOと欧州委員会の首脳たちとの会合が、どうしてこれほど大規模に集まるのか、本当に驚くべきことです。


ヒューベル: 

戦場だけでなく各国の首都で、一種の代理戦争が繰り広げられています。

グッドマンさん、聞いてください。トランプ政権は国内政策と外交政策の両面で、目が回るほどたくさんの重大な措置を講じてました。そのため、その全てをいま説明するわけには行きません。解明し説明するためには、何ヶ月もかかるでしょう。

しかし、ウクライナプロセスが停戦から平和プロセスへと移行する現在、私たちが目撃しているのは、まさに「話し合い、話し合い、話し合い」の連続です。なぜなら平和プロセスに踏み出すためには、この紛争の根本原因をめぐって何らかの合意が必要になるからです。それなしのたんなる停戦は不安定で壊れやすいものになるでしょう。それは多くの人が指摘することです。平和プロセスは、単に停戦ではなく、この紛争の根本原因に沿って解決の道を探る試みです。

私は、ヨーロッパの指導者たちがゼレンスキーを囲むように居並ぶ光景は、壮観だろうと思います、エイミー。対話の余地はあります。この侵略戦争を開始したプーチンが、ウクライナに安全保障の保証を与えるべきだとし、保証の必要性について言及したことは重要だと思います。  

その保証はロシアによるセキュリティー保証ではなく、ウクライナのための国際的なセキュリティーです。このプロセスは進展しています。しかし、アラスカでのサミットのように十分に準備されたものであっても、すべての問題を解決できるわけではありません。


重要なのは、実質的な前進が交渉のあちこちに見られ、武器への投資だけでなく外交への投資が積極的に試みられている点です。なぜなら外交への投資の減少と武器への投資の増加が、多くの命を奪う結果を招いたからです。 

エイミーさん、この戦争を終わらせる時が来たのです。


グッドマン 

これは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が金曜日に述べた発言です。

PRESIDENT VLADIMIR PUTIN:  …しかし同時に、ウクライナ問題の解決は持続可能で長期的なものとならなければなりません。そのためには、繰り返し議論されてきた危機の根本原因をすべて排除する必要があると考えています。  

ロシアの正当な懸念はすべて考慮されなければなりません。根本的には、ヨーロッパにおける安全保障分野での公正なバランスが回復されなければなりません。それは世界全体にも繋がります。この点で、私はトランプ大統領の意見に同意します。 彼は今日この点について言及しました。

もう一つ、これは当然のことですが、ウクライナの安全保障も確保されなければなりません。私たちはこの点について協力する用意があります。私たちの平和への理解そしてウクライナへの理解が、この思考に近づき、ウクライナにおける平和への道を開くことを願っています。

私たちは、キエフと欧州の資本家が平和プロセスを建設的に受け止め、挑発や陰謀をたくらんだりして進展過程を混乱させないことを希望しています。


ふたたびグッドマン 

これがロシアのプーチン発言です。「ウクライナにはセキュリティーの保証が必要だ」というのは興味深い発言です。

では、具体的にはどのような意味なのでしょうか? 彼は実際に、米国がそのような安全保障の保証を提供した場合、米軍がウクライナに駐留する可能性について言及しているのでしょうか?


ヒューベル: 

つまり、それが分水嶺だと思います。それがルビコン川です、エイミー。 

モスクワへ派遣された特使であるウィトコフが、10日の番組で、米軍が現地に展開する可能性について言及しました。しかし私は、それが起こることはないと思います。 プーチンが求めているのは、もしそれが必要なら、米国ではなくヨーロッパが、このての負担をさらに負うことなのです。

ちょっとだけ立ち止まって考えてみましょう。 この戦争は地域的な安全保障と人道をめぐる危機です。ウクライナは米国の核心的な利益ではありません。だから彼らの戦略はピボットできるのです。オバマ大統領がそう言いました。この危機を解決するうえで、軸足移動は重要です—非常に重要です。 

ウクライナ人の69%が和平交渉を求めています。米国はこの戦争で、命と資金を結びつけるのではなく、武器と資金を結びつけてきました。2022年以降、ウクライナに安全保障や武器などへの支援として$175億ドルを投入してきました。 

そして、ニューヨーク・タイムズが数ヶ月前に「パートナーシップ」というタイトルで素晴らしい記事を掲載しましたが、ほとんど注目されませんでした。 この記事では「ウクライナ戦争は身代わり戦争」とされています。ウクライナが身代わりとなって戦っていることを指します。誰の身代わりでしょうか?
米国の身代わりではありません。

一方、ヨーロッパは地域全体の再軍備へとかじを切りました。ヨーロッパ再軍備の主張は、いまのヨーロッパで世代を超えた世論となっています。そしてウクライナがその身代わりとなっています。

プーチンもそうですが、特にトランプは、ヨーロッパに安全保障の国際的議論でより大きな役割を果たすことを望んでいます。たとえば国連平和維持軍(PKO)のような役割です。その場合、アメリカ軍のようなゴリゴリの武力ではなく、もう少し違った形での役割をしているのだろうと思います。

しかし、その議論が現在ある程度中心となっていることは重要なことです。なぜなら、それは、ミンスク I、ミンスク II など以前の欧州中心の外交交渉を再現するかも知れないからです。欧州主導の平和づくりが失敗したのは、ロシアと米国の両方によって平和への動きが中止圧力を受け、妨害され、最後には骨抜き化され、その結果ウクライナ戦争が勃発したという見方もできるからです。


ついでながら、キューバなどラテンアメリカにおけるマルコ・ルビオの犯罪的役割を考えると、彼がロシアに対する制裁、さらなる制裁に反対していることはめまいがするほど奇妙なことです。


しかし現在は、これまでの十年間とは異なる要素が交錯する不思議な局面に移行しています。 


A トランプ政権は案外戦争好きではない


トランプ政権内には——ここまでにしておくが——ウクライナ戦争を終了させて中国へのシフトを図りたいと考えているMAGAの人たちがいる。その中には、「米軍が外国に駐留するのはやめるべき」と思うひとたち(リバタリアニスト)もいる。


B ヨーロッパ人の「ロシア嫌い」は強まっている


ヨーロッパでは、大きな異様な勢力が強まっている。ロシアが本質的に拡張主義的な勢力であるという神話的信念に基づき、自らのアイデンティティを構築しようとしている。この神話的信念は、欧州の外交政策を歪めてきたと私は考えます。

私は「ロシア嫌い」が愚かな迷信だと知っています。ロシアはバルト諸国で「年金を支給したい」(再併合)とは思っていないと思います。


C ロシア軍は案外弱体化していないが、思ったほど強くない

ロシアは、「案外弱小な国」として暴露されてしまいました。 プーチンはウクライナを3日で制圧できると考えていました。これまで3年半かけても「制圧できない」のです。ロシア人からもウクライナ人からも、軍隊が思われていたほど強くないことが明らかになりました。 

私はこれらの要素の掛け算が、戦争が長引く原因であり、戦争が終結に向かう道筋にある方程式であると考えます。根本原因の解決に焦点を当てることが望ましいと考えています。


グッドマン


それではここで、17日にフランスのマクロン大統領が行った演説を聞きたい思います。これはゼレンスキーがトランプ大統領と会談する直前に行われたものです。

PRESIDENT EMMANUEL MACRON: 私たちは新たな外交段階へと移行する必要があります。その段階では、ヨーロッパの利益を擁護し、その責任を負うことが求められます。私たちは明日、ウクライナ大統領ゼレンスキーをエスコートするためだけでなく、ヨーロッパの利益を擁護するためにそこへ向かいます。

ヨーロッパはいまだに、自らが主要な議論の議題として扱われることを望んでいません。ヨーロッパのあり方を探るために、テーブルに着くことを望んでいません。ヨーロッパは、自身と未来について議論するためにテーブルに着く必要があります。それが私の願いです。

ふたたびグッドマン 

これがいまのマクロン大統領です。

ワシントンでの会議には、彼と、ドイツのメルツ首相、イタリアのメローニ、EUのフォン・デア・ライエン、フィンランドのストゥブ首相、NATO のルッテ事務総長、そして英国のスターマー首相が参加します。

彼らのそれぞれの関心事は何でしょうか?それとも、皆同じでしょうか、カトリーナ?


ヒューベル: 

ルッテはNATOのトップです。NATOは単なるコーヒーブレイクのための機関ではありません しかも近年、その役割を急速に拡大してきました。そこは軍事企業にとっての避難所となっています。

しかしもともとの役割、ドイツを抑え、ロシアを排除し、アメリカの威信を保持する、という役割も担っています。これは第二次世界大戦後のスローガンでした。NATOは、アメリカとロシアの間の多くの紛争の根本原因となって来ました。

しかし、再び、ヨーロッパは現在、ロシア、あるいはプーチン政権下のロシアを、蹄で砂塵を蹴立て、角を突き立てて突進してくる野牛と見ている。彼らは本質的に拡張主義的なロシアを見ており、現在はそのロシアに対抗して一致団結し身構えている。

3月にイギリス、フランス、ドイツを訪問した際、私が目にしたのは、分裂した中道と左派、それに対して台頭する右派の動向でした。それはまだ方向性を模索中ですが、 ヨーロッパを再軍備しロシアに対抗しようとする世代的な姿勢が感じられます。

いま、私たちの安全保障危機の最前線にあるものを考えてみてください。 ロシアは既に十分弱体化しています。しかし多くの人が望むほどには弱体化していません。

この間、安全保障危機があり、パンデミックがありました。そして多くの問題の根底には、エスカレーションの危険、特に核エスカレーションへの懸念があります。この点について、より多くの注目が必要です。 ちなみに、西半球では現在、軍備管理のインフラの完全な解体への注目がほとんどありません。ウクライナが多くの変革へのエネルギーを吸収しているためです。


START IIは、米国とロシアの間で残る唯一の核軍縮協定であるが、来年2月には期限切れとなります。いまテレビ番組でトランプを非難し、踊り回るジョン・ボルトンは、息子ブッシュ政権下で、軍縮運動の柱であるABMを廃止した人物であることを思い出すべきです。

平和維持機構の再建には多くの作業が残されています。 そして、確かに—ここで止めますが—ウクライナの再建、ロシアが再建費用に参画すべき損害や破壊の規模は膨大です。 ウクライナ軍からは現在40%の行方不明者率が報告されており、ロシアは一時的に1日あたり1,000人、1,500人の兵士を失っていたようです。 こんな戦争は持続不可能です。


このような戦場の現実が、一定程度、停戦から和平解決への圧力を生み出していると考えます。


グッドマン 

さてそろそろ終わりにしたい。最後にゼレンスキーが、ブリュッセルに滞在中、フォン・デア・ライエンとの共同記者会見中に、プーチン・トランプ首脳会談について感想を聞かれたときの発言を紹介する。

PRESIDENT VOLODYMYR ZELENSKY: プーチン大統領とトランプ大統領が実際に何について話したのかは分かりません。私はトランプ大統領に多くの詳細を教えてほしいです。その後、欧州の指導者たちにも伝えてほしいと考えています。

そして、トランプ大統領が安全保障の保証に関するシグナルを発したことは、プーチン大統領の考えよりも私にとってはるかに重要です。なぜなら、プーチンは安全保障の保証を一切与えないからです。安全保障の保証とは、強力な軍隊です。そのような軍隊の母体となれるのはウクライナ軍だけです。

ふたたびグッドマン 

では、ヒューベルさん、現在の最終的なご見解と、この状況がどのように進展していくとお考えですか?  ゼレンスキー、プーチン、トランプの3者首脳会談の可能性はどのように見ておられますか?


ヒューベル: 

私にはわかりません。でもこれが最善の方法だとは思いません。  
ゼレンスキーが、トランプだけでなく欧州の指導者たちと一堂で会談していることは重要だと思います。もう一つ、このサミットにおける関係がプーチンにとっての勝利と解釈されている点は誤りです。これは戦争の破壊から離れるための、そのためだけの勝利です。 しかし、そこからプロセスが進展していくことは確実です。

私はウクライナとロシアの刑務所にいる人々が解放され、国々が再建される中で正常な状態が戻ることを願っています。

「ヨーロッパの安全保障」とは何かを再考する

ヨーロッパは「ヨーロッパの安全保障」とは何かを再考する必要があります。ヨーロッパの現状は、ヨーロッパで100年ぶりに戦争が再燃することを示唆しているのでしょうか?  

ウクライナを私たちほど注目していない人でも、それが第一次世界大戦の塹壕戦のように、21世紀の兵器を使った、一歩ずつ進むしかない絶望的な戦いであることに気づくでしょう。

繰り返します。武器を置き、話し合い、話し合い、話し合い、真の、本物のセキュリティーの保証を見つけましょう。それはロシアが進駐して提供するようなものでは決してありません。

本物のセキュリティーの保証とは、武装中立、国連平和維持軍ではないと思います。ましてモスクワへの特別大使であるウィトコフが口走ったような、米軍部隊でもありません。本物の保証においては、それらすべてが存在を拒否されます。

それらすべてが存在しない真正中立の境界線となるです。


グッドマン 

ヒューベルさん 『ザ・ネイション』誌の編集長兼発行人であり、ロシアの専門家であるヒューベルさん、ご出演いただき誠にありがとうございます。


fin