- 成均館大学校助教授
- Yesola Kweon
若い世代の有権者は、一般的に平等や多様性に対して肯定的な意見を持っていると考えられている。
しかし韓国で行われた世論調査では、20代から30代の若年男性がジェンダー平等政策に反対する傾向にあることが明らかになった。
これは男女差別観とか家父長制への執着では説明つかない。ジェンダー・クオータ制への反感が根底にあると思われる。経済成長の停滞により若年層のあいだで経済的不安が高まっていることが、クオータ制への反感に向けられているのではないか。
この傾向は韓国に特有のものではない。すでにドイツの総選挙でも明確に示されている。
若年層の教育水準は高まっているにも関わらず、この世代は、高失業率、仕事の不安定さ、高額な住宅価格などに苦しめられている。それが生活の貧困化と地位に対する不安をもたらしているものに向かわないで、目下のライバルへのルサンチマンとなっている。
このような「地位脅威」は、40代以上の男性有権者、そして全ての年齢層の女性有権者には影響を与えていない。
男性は全体にジェンダー平等政策に反対の意見が多いが、高年者と若年者ではその理由が異なる。高齢男性らがジェンダー平等政策に反対する理由は、主に女性が政治リーダーに適していないという思い込みに根ざしている。彼らは、女性が適切なリーダーシップを有しておらず、クオータ制の導入が政治家の質の低下をもたらすことを懸念している。
他方、20代や30代の若年男性参加者の回答では、ジェンダー平等政策が自身の社会的な地位に与えるネガティブな影響を懸念するものであった。多くの被験者が、「逆差別」という言葉を用いていたことに象徴される。
世界各国の政府において、社会的・政治的な多様性の向上を目指し、女性の社会進出を促進しようとする様々な取り組みがなされている。しかし、ジェンダー平等政策が世論の支持を得られないままに実行された場合、むしろ有権者の反感を招く可能性があることを指摘する研究がある。それらの研究は、経済状況とその影響にも目配せすることが重要であるということを示唆している。
以上
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