Black Agenda Report
16 Apr 2025
NATOは世界の社会主義、反植民地運動を粉砕するための組織だ
NATO Was Founded to Crush Communist, Socialist, and Anti-colonial Movements Worldwide
https://www.blackagendareport.com/nato-was-founded-crush-communist-socialist-and-anti-colonial-movements-worldwide
by Ann Garrison
以下本文
NATOは決して “間違った名案” ではなかった。最初から、NATOは、ヨーロッパをはじめ世界中の共産主義運動、社会主義運動、反植民地運動を粉砕するために、設立された組織である。
メデア・ベンジャミン(コードピンク代表)とデイヴィッド・スワンソン(反戦活動家)は、共著『あなたが知っておくべきこと』の中で、NATOの暴力的な歴史を説明している。
1949年4月4日、12カ国の外相が米国の首都ワシントンに集まり、1100ページに及ぶ北大西洋条約に署名した。そのとき、NATOは誕生した。
当初の加盟国は、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、アイスランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、イギリス、アメリカだった。
条約は、平和と国連憲章の原則への服従を宣言したが、NATO諸国を結びつける真の接着剤は、共産主義と社会主義への反対だった。
それはソ連に対抗することを標榜していた。しかし真の狙いは、ヨーロッパの共産主義運動や社会主義運動を打ち負かし、反植民地闘争を鎮圧することだった。
設立当時、イギリス、フランス、ベルギー、ポルトガルは、自らが闘っていた。彼らは植民地の人々の自由と民主主義に対して闘っていた。彼らはアジア・アフリカ・ラテンアメリカの植民地を維持しようと悪辣なキャンペーンを展開していたのだ。
ソ連がNATOに対抗してワルシャワ条約を結んだのは、それから6年もたった1955年5月のことだった。
すでにスターリンが死亡し、クレムリンの中で政変が発生し、忠実なスターリンの後継者は権力の座から外されつつあった。
1954年には、西ドイツにおける軍の復活の動きが始まった。これを恐れたロシアは、なんとNATOへの参加を打診していたのである。第2次世界大戦で2000万から3000万人のロシア人の命を奪ったドイツ軍国主義の復活の動きはロシアにとって脅威だった。
これは何を意味するか、それはイデオロギーの違いにかかわらず、ヨーロッパで再び戦争を起こさないという共通の意志が存在していたということだろう。その力がもっと大きければ、もちろん歴史を変え、核軍拡競争を回避することができただろう、
しかし、それではNATOにとって不都合極まりない。それではNATOの基本的な目的が損なわれてしまう。
「NATOには経済的な目的もあった」とベンジャミンとスワンソンは書いている。NATOはその創設時の『戦略構想』文書で、加盟国の統合を「軍事的なものだけでなく、政治的、経済的、心理的なもの」と考えていた。
NATO諸国は反共産主義の世界観を広めるだけではなく、親資本主義、自由貿易経済を促進することも期待されていた」
経済の民営化なしにNATOに加盟できる国はない。1997年、ジョー・バイデン上院議員(当時)はポーランドにこう言った。
「ポーランドは、銀行、エネルギー部門、国営航空会社、国営銅生産会社、国営電気通信独占企業などの大規模な国営企業を民営化しなければならないだろう」
ドナルド・トランプ以前のアメリカの政治指導者たちは、NATO加盟国が財政的に自重していないことに不満を抱いていた。しかし同盟は、民営化、ドル覇権、加盟国とソ連、そしてロシアとの二国間貿易協定の阻止を好むアメリカの経済的利益を強化してきた。
それゆえヨーロッパは、米国によるパイプライン「ノルドストリーム2」の破壊を容認した。NATO諸国、とりわけアメリカの兵器メーカーも、イスラエルと同様、他のNATO加盟国への販売によって大きな利益を得ている。
本書のNATOとイスラエルに関するセクションでは、軍事技術の交換について詳述している。ルーマニアのような国々は、米国の兵器を大量に購入して初めて加盟できることを理解させられた。
ソ連崩壊後のNATO拡大
1991年、ソ連崩壊後、NATO諸国の国民は皆、平和の配当を期待していたが、もちろんそれは訪れなかった。
NATOは解散する代わりに、加盟国を当初の12カ国から32カ国に増やした。加盟希望国には、建立の理念に従い、自由民主主義と市場経済を実践し、NATOの軍事作戦に貢献することを求めている。
この野放図な拡大は、アメリカの外交当局の抵抗にあった。軍事費コスト増、海外への過剰な軍事進出、旧ソ連諸国を加えることによるロシアとの関係悪化など、さまざまな懸念があったからだ。
しかし、拡張主義者は常に優勢だった。ソ連の解体によってイデオロギー的な競争はなくなった。しかし世界的な覇権を求めるアメリカの動きは、以前にもまして加速した。
NATOは、「国際社会 」という一見道徳的な名目でそれを隠蔽した。ヨーロッパのジュニア・パートナーとともに作り上げた社会こそが、守るべき「国際社会」というわけだ。
ロシアはさらに何度かNATOへの加盟を求めたが、アメリカのヨーロッパのパートナーが従順に従ったように、ロシアがアメリカの軍事指揮下に入ることは期待できなかったからだ。
「すべてのNATO加盟国は、NATOの戦争中、米国の指揮下に入ることを義務づけられている」
ロシアの国境に向かって拡大しないという約束は、正式な軍事条約に成文化されてはいない。しかし、機密解除された米、ソ、独、英、仏の文書によれば、西側諸国の指導者たちは、ロシアと国境を接しないことを何度も約束している。例えば1990年と1991年のドイツ統一の過程を通じて、ソ連のゴルバチョフ大統領や他のソ連政府高官たちに、ソ連の国境まで拡大しないという保証を何度も与えた。
こうした約束はもちろんすべて破られ、著名な外交専門家の忠告にもかかわらず、ビル・クリントンはNATOの拡大と拡張を積極的に進めた。1999年にポーランド、ハンガリー、チェコ共和国が加盟すると、NATOはロシアの国境まで接近した。
2004年にはさらに7カ国が加盟した: ブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロバキア、スロベニアである。
2009年にはアルバニアとクロアチア、2017年にはモンテネグロ、2020年には北マケドニアが加盟した。
プーチンだけではなく、米国の著名な政府高官も皆、これは最終的にロシアとの対立につながると警告していた。ウクライナでの代理戦争が最終的にそうなってしまった。
ウクライナ戦争はヨーロッパの多くの国々をNATOに統合し、以前は中立だったフィンランドは2023年に、スウェーデンは2024年に加盟した。
フィンランドはすでにアフガニスタンのNATOに部隊を派遣しており、スウェーデンはボスニア、コソボ、アフガニスタンでのNATOミッションに参加していた。スウェーデンの戦闘機と支援機は、2011年のリビア空爆と秘密侵攻にも参加した。
ウラジーミル・プーチンは尋ねた。
「この拡大は誰に対するものなのか?」
「ワルシャワ条約解体後に西側諸国が約束したことはどうなったのか?」
その答えは、やはり同じだった。「ロシアが自国の軍隊をアメリカの指揮下に入ることは、到底期待できない」ということだった。
口には出さなかったが、NATOと軍需産業には、敵も必要だった。ロシアと中国のように…
NATOの侵略の歴史
NATOは自らを防衛同盟であると呼称する。しかしそれは常に嘘であった。
ベンジャミンとスワンソンは、こう書いている、
「NATOはつねに米国の侵略のジュニアパートナーとして行動する準備をしている。 米国や他のNATO諸国との国際紛争に巻き込まれた国々に対して“民主主義の敵”と判定し、もしそうなれば、壊滅的な軍事的暴力をふるうという暗黙の脅しをかけている」
アメリカ/NATOとそのパートナーたちは、1990年代の後半、ユーゴスラビアに戦争を仕掛けた。あの頃、ベルリンの壁が崩壊したあとも、ユーゴは依然名目上は「社会主義国家」であった。祖国解放の英雄チトー亡き後も、ユーゴスラビアは非同盟運動のリーダーであった。
当時NATOが掲げた「民族迫害を食い止めるための人道的介入」という宣伝キャンペーンは、リビアやシリアのような将来の違法な空爆作戦の青写真となった。
米国の指導者たちがコソボでの 「成功 」から得たものは、次のようなものだった。合法性、人道性、真実などという価値は、CIAが従順なNATOとともに作り出した混乱と嘘にはかなわないということ。
アメリカの対イラク戦争をめぐっては分裂もあったが、石油資源を国有化していたリビアを破壊することでは結束が生まれた。
石油資源を国有化していたのはイラク、シリア、イランも同様だった。リビアを破壊する背後には、反国有化という利害に基づいて結束が生まれた。
対リビア戦争には、スウェーデン、ヨルダン、カタール、アラブ首長国連邦とともに、14のNATO諸国が参加した。リビアを破壊することは、反植民地運動を鎮圧するというNATOの創設目的に沿ったものだった。
なぜなら、カダフィは石油の富を利用して、国民に無料で医療と教育を提供し、アフリカ諸国に天然資源の管理を強化するプロジェクトに資金を提供し、アフリカ連合を共同設立し、軍事同盟と単一通貨による共同市場を構想していたからだ。
NATOは有色人種の同盟者を従えた白人組織
北大西洋条約第10条は、NATOの新加盟国をNATOの招待を受けた欧州諸国に限定しているが、NATOには有色人種のジュニア・パートナーがいる。
例えば地中海対話 Mediterranean Dialogue にはアルジェリア、エジプト、イスラエル、ヨルダン、モーリタニア、モロッコ、チュニジアが参加している。 またイスタンブール協力構想 Istanbul Cooperation Initiative にはバーレーン、クウェート、カタール、アラブ首長国連邦が含まれている。
そして地球上のパートナー“Partners Across the Globe” には、イラク、パキスタン、アフガニスタンが含まれる。
これらには、地球上で最も残忍で、権威主義的で、抑圧的で、独裁的な政権が含まれている。世界中の民主主義と人権を守るというNATOの主張はまやかしにすぎない。
NATOと国際法に関する章で、ベンジャミンとスワンソンは明らかにしている。
「NATO、とりわけアメリカは、国際法を尊重したことは一度もない。しかし“連合”、つまりギャング集団として行動することで、自分たちが世界市民であるかのように装っている:
「ユーゴスラビアやアフガニスタンやリビアを攻撃することが違法であるならば、それを行うために大きな国家連合を集めたとしても、その規模が大きくなるばかりで、違法であることに変わりはない」
NATOと核兵器に関する章では、NATOが、やはりアメリカを筆頭に、核軍縮と核不拡散のあらゆる試みを徹底的に無視してきたことを明らかにしている。彼らは本書を通して、NATOは、地球上の生命を脅かすアメリカ主導の軍事同盟であると指摘した。
彼らは国際機関から選ばれたわけでもないし、誰に対しても説明責任を負わない。その活動や決定は透明性を欠いている。まさに独裁組織であると断罪している。
我々には別の選択肢がある
ベンジャミンとスワンソンは言う。
「ウクライナはNATO勝利のための生け贄として扱われている」
長年にわたり平和活動に携わってきた彼らは、別の選択肢を提示する。それは世界的な条約の順守、軍事路線からの撤退、核兵器の廃絶、非暴力による市民の抵抗などである。
たとえばモンテネグロ政府は、モンテネグロ兵力のすべてが使用するとしても広すぎるほどの、巨大なNATO訓練場の建設に着手した。しかし、地元住民は人間の盾となり、体を張ってそれを阻止した。
彼らはイベントを企画し、嘆願書を提出し、看板を立て、政府高官と会い、デモ行進をし、抗議した。そして今この瞬間、ついに、NATOのために自分たちの山と高原を破壊する計画を排除したのだ。
この戦いは環境的、文化的根拠に基づいて行われたものであり、NATOに対して行われるべきこのような戦いは数多くある、と彼らは指摘する。
気候変動との戦いの最前線に立つというNATO加盟国は主張する。しかし戦争の炭素コストを考えれば、これ以上の偽善はないだろう。
終末時計はかつてないほど真夜中に近づいている。だからNATOの存在そのものに対する戦いは、生命そのものに対する戦いなのである。
end
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