The Cradle
APR 10, 2025
湾岸諸国は大量虐殺を支援する
アラブの君主国はいかにしてイスラエルに燃料を供給するか
Gulf-backed genocide:
How Arab monarchies fuel Israel’s war machine
By Mawadda Iskandar
*はじめに
ペルシャ湾岸諸国が、イスラエルによるガザ侵攻作戦の間、沈黙を守ってきたこと、そして多くの場合、それに加担してきたことは、決して衝撃的なことではない。パレスチナの闘争から長い間遠ざかっていたこれらの政府は、目立たないながらもテルアビブとの温かい関係を長年培ってきた。
ネタニヤフと湾岸諸国の君主たち
バーレーンとアラブ首長国連邦は、米国が仲介した2020年のアブラハム合意を通じてテルアビブとの関係正常化を公式化したが、サウジアラビアやカタールといった他の国も、静かではあるが同様に極めて重要な役割を果たしてきた。
リヤドはしばしば国交正常化の立役者と評され、ドーハは「仲介者」というレッテルの陰に隠れて、それぞれ重要な形で占領国を支援してきた。この援助の多くは舞台裏にとどまっているが、米国とイスラエルの政府高官によって繰り返し認められてきた。
ドナルド・トランプ米大統領は第1期政権時代に、次のように警告したことがある。
「イスラエルはサウジアラビアなしでは大変なことになる」
一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は次のように語っている。
「アラブの指導者たちは現在、イスラエルを敵ではなく、最大の同盟国と見ている。そして、心中ひそかにハマス打倒を望んでいる」
このような発言によって、占領国家の戦争マシーンを支える広大な砂塵の中に、地域協力のネットワークを垣間見ることができる。
*経済的共犯関係
ペルシャ湾岸諸国とイスラエルの貿易はひたすら急増している。アラブ世界全体でパレスチナに対する圧倒的な民衆の支持があり、草の根のボイコットを求める声が高まっているにもかかわらず…
アラブ首長国連邦(UAE)は現在、イスラエルのアラブ貿易相手国のトップにランクされている。バーレーンの対テルアビブ貿易は、ガザ戦争後の10ヵ月間に950%という驚異的な伸び(許せない伸びでもある)を記録した。
戦争とボイコットの努力の中でも、アラブ諸国からの「ユダヤ教徒(kosher)認証」商品はイスラエル市場に入り続けている。アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とするアル・バラカ・デーツやハンター・フーズといったブランドや、サウジアラビアのドゥラ(砂糖サプライヤー)は、商品流通ルートを維持している。
カタールはイスラエルの産業で使用されるプラスチックの原料を輸出している。バーレーンは、ヨルダン川西岸の違法入植地で生産された商品を “真正なイスラエル産” として公認している。
さらに狡猾なことに、ペルシャ湾岸の投資はイスラエルの入植地拡大を直接煽っている。
サウジアラビア、UAE、カタールは、トランプの娘婿ジャレッド・クシュナーが会長を務めるアヴェニュー・パートナーズに資金を流している。その資金は、入植地建設に関わる主要銀行に融資するフェニックス・ホールディングスに流れ込む。その傘下となるのが、レウミ銀行、ハポアリム銀行、ディスカウント銀行などだ。
また、セルコムやパートナーのような通信会社、エレクトラやシャピールのような建設会社など、パレスチナ占領地内で活動する企業にも資金が流れている。
イエメンの封鎖によって紅海のイスラエル関連貨物の航路が寸断され、テルアビブの食料輸入の70%が途絶えた。その時、その修復を急いだのがペルシャ湾岸諸国だ。
UAEはドバイからサウジアラビアとヨルダンを経由してテルアビブまでの陸路物流回廊を作った。バーレーンは自国の港を利用し、インドや中国から到着するイスラエル向け製品の代替輸送ハブとして使用させた。
*水面下の軍事的つながり
イスラエルがガザを猛攻撃した初期から、UAEは占領国家との戦略的軍事関係を強化してきた。
2024年、バルカン・インサイトは次のことを明らかにした。UAEの政府関連企業であるYugoimport-SDPRは、イスラエルに1710万ドル相当の武器を輸出した。ガザ空爆に直接関与した軍用機が輸送に用いられた。
しかし、武器取引はこの地獄絵の一部にすぎない。UAEの国営防衛大手EDGEは、ラファエル&イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)といったイスラエルの軍事請負会社の株式を保有しており、それらの会社を通じて飛行機を軍用貨物機に改装している。
アブダビはまた、ベイト・システムズやサードアイ・システムズといったイスラエルの兵器メーカーの支店開設も歓迎している。IDEX 2025展ではイスラエルの防衛関連企業34社を公然と招待した。
サウジアラビアは正式にはイスラエルと国交正常化していないが、間接的なルートを通じて軍事的関係を強化している。
その方法のひとつが、エルビット・システムズの米国子会社を通じてTOWミサイルのようなイスラエル製システムを購入すること。
もうひとつは、南アフリカをトンネルにして偵察用ドローンを購入し、イスラエル製であることを隠すために、自国で再組み立てを行うことだ。
最近の対ドローンシステムは、キング・ファイサル空軍基地近くのタブークにあるサウジアラビア王立防空基地で発見された。イスラエル企業RADAが設計した疑いが持たれている。
一方、カタールはテルアビブとの軍事連携をひそかに強化している。ドーハは戦車や装甲車、空中給油機のスペアパーツをイスラエルのサプライヤーから調達し続けている。カタールの軍隊は、イスラエルと他のペルシャ湾諸国が参加する合同訓練に参加している。
* テルアビブへの物流ライフライン
軍事的、経済的な結びつきにとどまらず、ペルシャ湾諸国は後方支援ルートを通じてイスラエルへの武器の流入を促進してきた。米国が何万発ものミサイル、軍需品、アイアンドームの部品を送り込むため、「前例のない 空輸」作戦を強化するにつれ、湾岸諸国の領空と基地が重要な意味を持つようになった。
米国の武器輸送は、サウジアラビア、バーレーン、ヨルダン、そして特にカタールを経由した。カタールでは、アル・ウデイド空軍基地(米中央軍の本拠地)が、少なくとも18件の輸送作戦のハブとして機能した。そのうちのいくつかは、直接のフライト追跡を避けるためにキプロスを経由していた。
アラブ首長国連邦(UAE)では、アジアから飛来するイスラエル予備役の輸送のために、ドバイ国際空港が中継地点となった。ドバイのイスラエル領事館を通じて日程調整されたこれらの便は、ガザでの戦争に兵士を送り込んだ。
首長国当局はまた、イスラエル軍兵士の出動と出動の間の保養を手配し、ドバイのユダヤ人組織がガザ占領部隊に慰問袋を送ることを許可した。
* パイプライン外交とエネルギー正常化
今月(2025年4月)初め、トランプ大統領は米国のインフラ投資を求めてサウジアラビアを訪問する準備を進めていた。これに合わせて、イスラエルのエリ・コーエン・エネルギー相が、アシュケロンからエイラートを経由してサウジアラビアに至るローカル石油パイプラインの計画を発表した。
このプロジェクトは、中国の「ベルト・アンド・ロード・イニシアティブ(BRI)」に代わるものとしてアメリカが支援する「インド・中東・ヨーロッパ経済回廊」(IMEC)の一部に該当し、UAE、ヨルダン、パレスチナ占領地を経由する。
関連した動きとして、ナセル・ビン・ハマド・アル・ハリファ(人名)は、パイプラインの株式をブラックロックに売却すると発表した。ナセル・ビン・ハマド・アル・ハリファはバーレーン国王の息子であり、バプコ・エナジーの会長である。ブラックロックは、イスラエルの西岸入植地との金融関係で悪名高い米投資大手だ。
この取引は、より広範な国交正常化アジェンダと切り離すことはできない。
* スパイと監視
安全保障協力の深化を示す最も明確な兆候のひとつがある、
『Axios』誌は、2024年にバーレーンで行われたイスラエル陸軍のハレヴィ陸軍参謀長とバーレーン、サウジアラビア、UAE、ヨルダン、エジプトの軍高官との極秘会談の内容を明らかにした。
米中央軍の監督下で行われたこのサミットは、イランの報復行動に備え、イラクやイエメンの現地抵抗勢力からガザへの武器の流入を阻止することに、焦点が当てられていた。
バーレーンの役割は特にあからさまだった。ナセル・ビン・ハマドは、マナマに駐留するアメリカの第5艦隊と連携して、イランの対応作戦を妨害することを公然と宣言した。アナリストたちは現在、湾岸戦略水域への永続的な海軍アクセス権が、テルアビブに与えられるのではないかと推測している。
このような安全保障の融合が進むことで、イスラエルの技術がペルシャ湾の軍事インフラに侵入する道も開かれた。バーレーンは現在、対ドローンシステム、衛星監視、サイバーセキュリティーをイスラエル企業に依存している。バーレーンの企業クレセント・テクノロジーズとイスラエルのサイバー防衛大国サイバーアークとの注目すべき協力関係もある。
UAEはその限界をさらに押し広げようとしている。首長国連邦の企業は、国家エネルギーインフラを保護するためにXM Cyberと契約を結んだ。
XMサイバーは、元モサド長官によって共同設立された情報機関だ。石油、エネルギー、データなど、湾岸諸国の機密市場をターゲットとするコンソーシアムの一員として、ラファエルや他のエリートイスラエル軍事企業と連携している。
一方、もうひとつのイスラエル企業であるオルパック・システムズは、アラブの石油部門に目立たないブランドでひっそりと参入し、発覚を回避している。
ペルシャ湾岸諸国は、公的な姿勢や定期的なパレスチナ支援の表明にもかかわらず、イスラエルの戦争行為に静かに身を委ねている。投資の流れ、武器取引、情報協力、エネルギーインフラを通じて、彼らはガザでの大量虐殺に不可欠な存在となっている。
この同盟関係によって、イスラエルは後方支援や資金援助のあらゆる場面で湾岸諸国の支援を受けながら、ガザに対する戦争を遂行できるようになった。湾岸諸国は、イスラエルと経済的な利害で結ばれ、裏工作を行なっている。
これらの国々は、仕方なく参加した受動的な行為者どころか、今や国民全体を荒廃させた紛争における能動的なパートナーなのだ。
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