BBCもCNNも、大掛かりな虐殺疑惑について、依拠しているのはたった一つの情報源だ。
BBCもCNNも、大掛かりな疑惑について、依拠しているのはたった一つの情報源だ。
ペトル・アンドリュシチェンコ(Petr Andryushchenko)はマリウポリ市長の顧問という肩書きを持っている。最近ネオナチのアゾフ軍団を勇気ある「防衛者」として称えたいわくつきの人物だ。
そのアンドリュシチェンコの提出した証拠とはなにか?
BBCによると、「当局は死者数を確認することができたはずだ。なぜならミサイル攻撃の前に劇場内にいた人の数が記録されており、生存者にも話を聞いたからだ」
この頃すでに、アンドリュシチェンコはマリウポリから遠く離れていた可能性が高い。彼は最近、「情報網を維持するため市外に移動せざるを得なかった」と認めている。彼の上司であるヴァディム・ボイチェンコ市長は、それより数日前に市から逃亡したと伝えられている。
西側メディアは、そのことを表明するのを慎重に避けている。
ウクライナの “愛国的な記者” (下の図のポノマレンコ)たちは、「攻撃の翌日、劇場の地下に避難していた全員が奇跡的に助かった」と主張した。まことに不思議なことである。
3月17日、ウクライナ政府のオンブズマンであるルドミラ・デニソヴァは、次のように述べている。
"(劇場の)建物は大型爆弾による空爆の衝撃に耐え、防空壕に隠れていた人々の命を守った"
ロシア側からの発信
この事件についてはロシア側からの発信もある。事件の4日前、マリウポリの地元の人々は、ロシアのメディアに向けて証言していた。
この事件についてはロシア側からの発信もある。事件の4日前、マリウポリの地元の人々は、ロシアのメディアに向けて証言していた。
マリウポリは西側の怒りをあおる「偽旗作戦」(false flag operation)の実験場にされました。劇場はNATOの介入を誘発するためのターゲットに選ばれたのです。
事件発生から1日後、マリウポリからロシア側に避難してきた市民がドンバスのメディアに詳しい経過を語った。
アゾフ軍団の戦闘員は退却する際に劇場を爆破しました。彼らは戦闘の間、自分たちを人間の盾として使い、逃げようとする人々を狙撃したのです。
Tweet
マルチェロ・フェラーダ・デ・ノリ教授によるマリウポリ難民からのインタビュー。
ドラマシアターで何が起こったか知っていますか?
-彼らは劇場を爆破した。
では、爆撃ではなく、爆発だったのですね?
-何も落ちていない、内側から爆発したのだ。
アゾフは人々を街から脱出させたのか?
この劇場の事件で最も不思議だったのは、爆発が起こる数時間前に、建物前の駐車場からすべての車両が消えていたことである。どうやら、予想される爆風による被害を避けるために撤去されたようだ。

駐車場の写真。左は直後の現場写真、右は数時間前に撮影された衛星写真。
BBCの世話役となったウクライナの工作員が、現地の情報源から入手
この際、「アゾフ軍団の兵が撤退する前に劇場を破壊した」と言っている避難民の証言は保留し、BBCの取材の話に戻ろう。
BBCのベチャガ特派員とヒミアックは、まずウクライナの公式筋に取材し、ついである住民と接触した。その人物は攻撃当日には劇場にいなかった。
劇場事件の翌日、3月17日にベチャガとヒミヤクが報じた。その内容は以下の通り。
「ウクライナ当局によると、(劇場は)ロシアによって爆撃された......」
そして彼らの唯一の現地情報源が一人の住民だった。
彼女は、建物が破壊される1日前、ほとんどの人が立ち去ったあとに劇場を出たという。 「何か恐ろしいことがすぐに起こるだろうから、逃げなければならないと思った」と彼女はBBCに語っている。
ベチャガとヒミヤクは3月22日に、BBCで共同署名の続報記事を発表している。そこでは、大規模な爆発が起こったときに劇場の近くにいたという地元の目撃者2人の言葉を引用している。
この記事について、オープンソースの情報アナリストであるマイケル・コブス氏はいう。
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Michael Kobs
@MichaKobs
BBCは、目撃者の話を紹介しているが、その話もまた、映画的である。それはストーリーテリングにおいて常に選択される手段である。しかし、それはあくまで副次的なものだ。
コブス氏のTwitterは相当長いもので、内容も多岐にわたっており、随所に鋭い指摘がある。ぜひ直接あたってほしい(訳者)
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一方、CNNは、劇場襲撃の目撃者を自称するウクライナ人のマリア・クトニャコワという人物にインタビューを行った。
この女はプロの広報活動家でもあった。クトニャコワは、マリウポリにあるUSAID(United State Agency for International Development)支局のデジタル・コミュニケーション・マネージャーだったのだ。

Maria Kutnyakova
BBCは、爆弾がロシア製であると主張するためにマッケンジー・インテリジェンス社に写真の解析を依頼した。
元英国軍情報将校が設立したこの民間企業は、ロシアの500ポンドレーザー誘導ミサイルが劇場の破壊に使われたという仮説を提出した。BBCは、いまでもこの劇場事件に関するウクライナの公式見解を正当化することに熱心なようだ。
しかし、コブス氏はこの仮説を真っ向から否定する。"破壊の中心は舞台のちょうど真ん中に位置しており、2つのダム爆弾が原因となることはありえない"。
が、他の主流メディアは静かに次のステップへと進んでいる。3月21日付のNYタイムズ紙は、「現在でも、(劇場内にいた)ほとんどの人々の運命は不明のままだ」と皮肉り、「事件」をスルーしている。
BBCの連絡員/通信員は「ウクライナ戦争広報組織」を開発した会社に勤務していた。
BBCが、露骨な民族主義者の広報担当者を戦争報道の要職に選んだことは、BBCの報道目的がNATOのそれと完全に合致していることを浮き彫りにしている。
イギリスの国営放送で働く前、ヒミアックはキエフに拠点を置くスタートアップ企業で広報を担当していた。彼女はそこで、ユーザーが有名人の体に自分の顔をコラージュできるAIアプリを開発した。
このアプリは「リフェイス」と名付けられた。ワシントンポストによれば、それは数百万人のユーザーに反ロシアのプッシュ・メールを送りつける「一種のウクライナ戦争広報ツール」になっている。
ポスト紙によると、「リフェイスのような現実を歪めるアプリは、ユーザーにとって、他の方法では聞き流してしまうようなメッセージを吸収させてしまう」という。
人々は、政治的なニュースには意識的にガードを上げて防衛している。しかし、顔スワッピングのような没入型体験アプリだと、思わずガードを下げてしまう"のだ。

Reface社は現在、"#russianterroristsに対する情報戦 "に従事していると称している。
ロシアに対する取り組みの一環として、リフェイスはロシアのユーザーがアプリにアクセスするのをブロックした。 さらに、"アプリを開いた人には皆、ウクライナを支援するメッセージが見える"。また"ロシア軍の消耗に関する情報"も表示される。

アプリに表示される各動画には、ウクライナの国旗とハッシュタグが入ったウォーターマークが重ねられている。
リフェイスの社員は領土防衛部隊と義勇軍に参加している。一部はロシアのプロパガンダと戦う情報戰部隊にも参加している。
ヒミアックの告白
ヒミアックの告白
Refaceの元社員で、BBCの特派員兼フィクサーに転身したヒミアックは、ウクライナの敵であるロシアについて遠慮はしない。
「ロシア人すべてが悪いわけではない、という意見はどうしても受け入れられません。私が感じるのは痛みと憎しみだけです。なぜなら、彼らの沈黙がこの戦争をもたらしたからです。
最後に BBCは中立でも公正でもない
BBCは自らのマニフェスト(基本的価値観の声明)で宣言している。
「信頼はBBCの基本です。 私たちは独立し、公平で、誠実です」
しかし現実には、ロシア人嫌いを公言しているウクライナの広報専門家を雇って、同国の戦争報道を編成している。
それは驚くほどのことではない。
2021年2月にThe Grayzoneが報じたように、英国放送局の非営利部門であるBBCメディア・アクションは、英国対外英連邦開発局(FCDO)の秘密計画に参加しているのである。その計画は明確に、 "ロシアを弱体化させる "ために設計されている。
この記載は次のページにリンクされている。
Reuters, BBC, and Bellingcat participated in covert UK Foreign Office-funded programs to “weaken Russia,” leaked docs reveal
MAX BLUMENTHAL
FEBRUARY 20, 2021
英国FCDOの文書により、以下のことが明らかになった。
BBCメディアアクションは、Aktisというイギリスの民間請負業者をフィクサーとして隠密裏に活動する。Aktisは、例えばウクライナ東部のドンバス地域のような紛争地域で、親NATOメディアを育成し、成長させることになっている。
まさに今、そこが親ロシア派とウクライナ軍との戦闘の中心地となっているのだ。
BBCの秘密情報戦構想は、自らの構築した組織を英国諜報機関の一部門に変えてしまった。
今やBBCは外国の紛争における主体者として活動する。その放送メディア部門が、「客観的な方法で事実をカバーする」といまだに主張するにも関わらず…
今、BBCはあからさまに民族主義的なウクライナの広報スタッフを雇うことで、客観性の建前を捨て去った。
その結果、マリウポリという、最も大きな争点であり、シニカルな欺瞞に満ちている事件に深く関わることになってしまった。
了
了






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