結局、前項で紹介した文章は、「自然主義論争」という議論を踏まえないとわからないようだ。 まずは、例によって年表化してみる。題して「自然主義論争史 年表」ということになるか。 1880年 ゾラの『実験小説論』が発表される。生理学者ベルナールの『実験医学序説』 ...
もっと読む
2016年07月
「自己主張」の思想としての自然主義
「時代閉塞の現状」を理解するためには、この文章で批評の対象となっている「自己主張の思想としての自然主義」という文章を読まないとならないということがわかった。 このふたつを対にして理解して、なおかつ当時の時代背景を知ることが必要のようだ。 幸いなことに、こち ...
もっと読む
初期マルクスが労働価値論を拒否した理由
「初期マルクスにおける労働価値論の拒否について」 大澤 健 という面白そうな文献があったので読んでみた。 初期マルクスの労働価値論の形成過程を考察する上で最も大きなトピックスは,当初マルクスがこの理論を拒否していた点にある。 のだそうだ。具体的には、「経済 ...
もっと読む
労働価値説 なまかじり
1662年 ウィリアム・ペティ、『租税貢納論』を発表。「すべての物は、二つの自然的単位名称、すなわち土地および労働によって価値づけられなければならない」とする。労働価値説の走りとされる。 アダム・スミス、『国富論』を発表。 ①「労働こそは、すべての物にたいして ...
もっと読む
中国領海法は軍部が外務省をねじ伏せた
ネットを検索していて面白い文章にあたった。 中国領海法制定過程についての再検証 副題が-「尖閣諸島」明記をめぐる内部対立- という論文で、著者は西倉一喜さんという人。当時、共同通信の北京特派員として現地で取材し報道した人である。 「龍法 '15」となっている ...
もっと読む
マルクス 「ミル第一評註」 のお勉強 その6
G 貨幣による人間の支配 第21→25パラでは、「活動の相互補完関係」の国民経済的現れが考察される。 交換の発展に応じて、労働は「営利労働」に転化する。 営利労働は人間の社会性が喪失することを意味する。それは私的所有下における社会的力の増大に比例して進行する。 ...
もっと読む
マルクス 「ミル第一評註」 のお勉強 その5
F 私的所有が交換を生む ①生産物の相互補完行為 「交換」の本質 私的所有(という行為)は、それは人間の(疎外された)類的活動のひとつである。 現実の運動(交換)は私的所有者の私的所有者に対する関係から出発する。 現代社会は私的所有を、所有者の人格のあり方と看 ...
もっと読む
マルクス 「ミル第一評註」 のお勉強 その4
E 共同的存在と、その疎外された形態 第9パラで、マルクスはいったん経済学を離れて原点(人間の哲学)に立ち帰る。そして今の世を人間的本質が疎外された社会だとしたうえで、そこからの克服を「みずからの経済学」の基本任務と定める。 マルクスは言う。 ①人間の本質は ...
もっと読む
マルクス 「ミル第一評註」 のお勉強 その3
C マルクスの考える「貨幣の本質」 その1 マルクスは第2-25パラでミルの「貨幣の本質」規定を批判し、自らの貨幣論を展開するのだが、第2~5パラがその要約に当たる。そして第6パラ以降で詳論に移る。 ここではその「要約」の要約。 ①貨幣の本質: まず、人間が生産 ...
もっと読む
マルクス 「ミル第一評註」 のお勉強 その2
B ミルの貨幣法則把握は抽象的だ ミルの規定: 貨幣量の増減が自由に行われていれば、貨幣量はその金属価値によって規定される。そして貨幣の金属価値は生産費によって規定される。 読解: 貨幣量の増減が自由に行なわれるということは、貨幣、すなわち金の生産が無尽蔵に ...
もっと読む
マルクス 「ミル第一評註」 のお勉強 その1
『ミル第一評註』のお勉強 原著では歯が立ちそうもないので、大石高久さんの紹介文で勉強する。正直、この文章もしっかり難しい。 前に紹介したジェームス・ミル(親父の方)の本「経済学綱要」をマルクスが読んだ時のノートの一部である。 以前勉強した知識によると、ジェ ...
もっと読む
リャプノフを聴きこむ
リャプノフを聴きこんでみた。とても良い。以前にもリャプノフについて書いたことがある。あの時はやや突き放した書き方になってしまったが、聴きこんでみるとなみなみならぬ力量に改めて驚く。作品1の3つの小品(練習曲、間奏曲、ワルツ)がすべて良い。メロディーにあふ ...
もっと読む
ベネズエラの政治危機
ベネズエラの政治危機 これまでのかんたんな経過 2002年のクーデターとその失敗、2003年の資本家スト、2005年のリコール投票と相次ぐ資本家の攻撃に耐え、民主主義を達成したチャベス政権は、その後の原油高を背景に中南米変革の旗頭となった。 南米諸国連合(ウ ...
もっと読む
アルゼンチン マクリ政権のやったこと
アルゼンチン マクリ政権のやったこと これまでのかんたんな経過 2002年、アルゼンチンは奈落の底に沈んだ。国家として破産してしまったのだ。人々は食べるものさえなくなり、ネズミまで食べたという。 この時登場したのがキルチネルだ。彼は国際債務の支払を拒否し、最 ...
もっと読む
ラテンアメリカ人民の闘い ブラジル編
ラテンアメリカ人民の闘い ハイライト編 前の記事 2016年07月21日 ラテンアメリカ人民の闘い: この間の動向 は、とりあえず記事をざっとめくったが、少しトピックスを絞って深読み。ブラジル これまでのザットしたあらすじ ブラジルが60年代から70年代にか ...
もっと読む
ラテンアメリカ人民の闘い: この間の動向
ラテンアメリカ人民の闘い 「ラテンアメリカの政治経済」現代ラテンアメリカ情勢 (伊高浩昭さん)というサイトがあって、新しい情報を提供してくれている。すこし、今回は日本語でお勉強。はじめにエクアドルのコレア大統領は経済不況の原因について、①原油の持続的な価格低 ...
もっと読む
ラテンアメリカの方向は人民の戦闘性により規定される
やや古いが、昨年10月の世銀報告ではラテンアメリカ経済の全体傾向が示されている。 これによれば 商品相場の上昇と対中国貿易の伸びを基礎に順調な成長を遂げていたラテンアメリカ経済は、08年のリーマン・ショック、その後の中国経済の原則、原油価格など一次産品の暴 ...
もっと読む
中国の鉄鋼ダンピング輸出
中国の南沙問題、尖閣問題は軍隊まで繰り出しての衝突のためにメディアにも大々的に扱われているが、基本的にはローカルな問題である。 しかし鉄鋼のダンピング輸出は、世界経済を撹乱しかねない由々しい問題となっており、世界各国が批判を繰り返すなど国際問題に発展して ...
もっと読む
スクリアビンのピアノ曲
スクリアビンというのはとんでもない野郎で、とてつもない量のピアノ曲を書き記している。とてもすべてを聞くことなどできない。 と言いつつ、作品48までは来た。 といっても、スカルラッティはもっとたくさん書いている。 K: Ralph Kirkpatrick (1953; sometimes Kk.) で 5 ...
もっと読む
クレナフィンは何故滲み込みやすいのか
エフィナコナゾールは何故滲み込みやすいのか 日薬理誌の145号(2015)に巽さん(科研製薬株式会社 新薬創生センター 薬理部)という人の書いた総説がある。その下の本文PDF [944K] というところにリンクすると文章が読める。 その説明に従ってチェックしていこう ...
もっと読む
水虫の薬はどのようにして効くのか
ここまでの話では、爪白癬に効くツケ薬だということ、かなりお高い薬だということがわかった。 しかしなぜ効くのかの説明はない。 なぜ効くのかを説明するためには、 1.一般的な抗白癬薬の作用機序。 2.従来型の抗白癬薬ではなぜ経皮的使用が無効なのか、その理由。 3. ...
もっと読む
爪白癬の付け薬 ほんとうに効くのか
クレナフィンは何故滲み込みやすいのか水虫の薬はどのようにして効くのか爪白癬の付け薬 ほんとうに効くのかニキビをやったので、次は水虫、とくに爪白癬。ニキビの薬はベピオゲル 老健や特養では白くカサカサと盛り上がった爪白癬をよく見かける。 実際上何もしていない。 ...
もっと読む
選挙は人を変える 参議院選挙福島選挙区
選挙は人を変える 参議院選挙福島選挙区 1.福島選挙区というところ 福島選挙区というのはずっと二人区であったが、3年前から一人区になった。それまでは自民・民主で議席を分けあってきたが、民主は議席を失った。 今回の選挙では民進党が議席回復を狙う形になった。そ ...
もっと読む
「市民との共同」は嘘っぱちか?
赤旗に、大阪維新の幹部(足立政調会長代行)の発言が載っていた。 ネット番組「アベマプライム」で政党討論の中で飛び出したもの。 市民との共同というが、市民団体じゃない。野党4党が市民と言っているのは3分の1だ。“市民の力を集めて”とか言っているが、全部嘘っぱ ...
もっと読む
ここまで来た「連合」
07/13-18:55 の時事通信の記事には流石に驚いた。連合は自主投票=民進と対応分かれる【都知事選】 民進党最大の支援団体である連合は、13日の執行委員会で、東京都知事選で特定候補を支援せず、自主投票で臨む方針を正式決定した。連合東京の岡田啓会長は記者会見で、 ...
もっと読む
大阪人のアホぶりは異常だ
大阪人のアホぶりは異常だ 大阪における改憲派の4議席独占という結果にはさすがに衝撃を受ける。我々の若いころは自民党が4議席独占というと九州の南部や西部くらいだった。これに対して京都は革新を代表し、大阪は多様性を代表した。 いまや大阪は日本における政治反動の ...
もっと読む
「野党共闘選挙」は効果を発揮した
毎度のことだが、選挙の評価は一般紙を読んでも分からない(いまだに「商業紙」と書いてしまうスターリン主義が抜けない)。ということで、火曜日の赤旗を見てから考えることにしている。一般紙は書かないが、今回の最大のサプライズは、東北地方における野党共闘の圧勝だ。 ...
もっと読む
自衛隊、どうする? 不破演説を読んで
7月7日の赤旗に注目すべき記事が掲載された。 見出しはこうなっている。 反共・反野党の攻撃に答える甲府・横浜 不破前議長の街頭演説(要旨) 藤野発言で逆ねじを食らって、自衛隊をどうするのかの議論が避けて通れなくなった時点で、発表されたものだ。 この記事のリー ...
もっと読む
ラフマニノフの才能は前奏曲7番でプッツンした
ラフマニノフのピアノ曲を流して聞いてみた。ラフマニノフの後半はまことにつまらないのだが、一体なぜなのかを知ろうと思ったわけだ。感じたのは作品23の「10の前奏曲」の7番までは、良い悪いは別にして感じは出ているのだが、8番から後にはまったく歌がないというこ ...
もっと読む
バングラデシュにおける「野合」 その結果としてのテロ
年表づくりという形でバングラデシュの状況を整理してみて、あらためて佐藤宏さんの見解に深く頷くものがある。 とにかく、たった40年前に数百万の人々が殺されたのである。この事実をまずもって私達は深く認識しなければならないだろう。 関係者がまだ生きているから、1 ...
もっと読む
バングラデシュ 年表
バングラのかんたんな経過 バングラデシュ 年表 バングラデシュにおける「野合」 その結果としてのテロ一つのベンガルの時代 8世紀 中葉にパーラ朝がなり、仏教王朝が繁栄した。 12世紀 ヒンドゥー教のセーナ朝にとってかわられた。 16世紀 イスラムが多数派となる。ム ...
もっと読む
バングラのかんたんな経過
引かなければよかった。とんでもないものを引いてしまった。 グーグルで “佐藤宏+バングラデシュ”で検索したら、こんなものが引っかかってしまった。 アジ研(今はJetroの部局)の研究双書のNo.393「バングラデシュ:低開発の政治構造」の編者が佐藤さんなのだ。しかも全 ...
もっと読む
梅川勉さんと昭和20年代の大阪市大
梅川勉さんがなくなった。まぁ私には縁がなかった理論家だが、すこしグーグルをあたってみることにした。 最初に出てくるのが佐久間昇二さんという方のエッセイで、「研究者志望からビジネス界へ」という題。副題は「1950年代前半の経済学部・経営学研究科」となっている ...
もっと読む
バングラデシュ テロの背景
バングラデシュのテロはその後の情報で、ISとかアルカイダというより、国内の従前型テロ組織の犯行であることが明らかになってきた。 この点について、本日の赤旗に『南アジア研究者』という怪しげな肩書の佐藤宏さんが解説してる。 肩書は怪しいが、内容は的確で、たしかに ...
もっと読む
馬韓が天孫族の源流か
どうも頭のなかがパンク状態になっていて、文章が書けない。 とにかく骨組みだけ書いておく。 1.馬韓が天孫族の源流 いまの結論は、天孫系というのは馬韓そのものではないかということだ。 そして馬韓というクニの権力は、弥生式生産様式を受け容れた北方系種族ではないか ...
もっと読む
小麦のほうが優れているのかも
小麦を知る わたしの勤務する「はるにれ」は、ロケーションとしてはまことにいいところである。 札幌に隣接する江別の高台にある。札幌市内の自宅から車で20分足らずの場所だが、何よりも良いのは見晴らしである。眼前に札幌の街が広がる。JRホテルをはじめとする高層ビル ...
もっと読む
箕氏朝鮮の馬韓占領がもたらしたもの
前の記事(衛氏朝鮮の歴史)を見ると、我が日本にとって衛氏朝鮮の滅亡(BC100頃)より遥かにインパクトが強いのが箕氏朝鮮の馬韓占領(BC190頃)だ。 これに関してはほとんど資料がなく、漢書のみと言って良い。ビリーブ・オア・ノットの世界だ。 この時期、北九州で ...
もっと読む
衛氏朝鮮は天孫系の源流ではなさそう
衛氏朝鮮(衛満朝鮮)は天孫系の源流か件のごとく年表形式で なお 2013年01月03日 三韓時代以前の朝鮮半島南部 及び 2013年01月19日 日本書紀抜きの日本史年表 は不十分であるため、こちらに含ませることにする。 BC1046年 周が殷を滅ぼす。 ...
もっと読む
自民・公明連合こそ「野合」の名にふさわしい
自民党と公明党は、理念で結び付いたわけではないのです。笑止なことに野党共闘は野合だと自民党と公明党が言っていますが、自民党と公明党以上の野合はありません。1994年の自民党の公明党批判を読み返してみれば、「自民党と公明党以上の野合はない」ことがよく分かり ...
もっと読む





