「倒立振子」というのをテレビでやっていて、要するに腰高な物体をいかにして自力直立させるか、そのための制御系は以下にあるべきかという研究分野だ。

つまり私たちがホウキやモノサシを手のひらで立たせ続けるための「運動法則」だ。
常識的に考えて、これは知覚系と計算系と運動系の3つのモジュールからなるだろうとわかる。

そしてこの計算系が、「ミクロ経済学」の範疇と一致することがわかる。

わかると同時に、「これを経済学の肝だ」と合弁することがいかにバカバカしいものであるかということがわかる。

根本的には、「バランスをとることになんの意味があるか」という話だ。それはバランスよく経済が成長していくための制御系に過ぎない。

根本的なことは成長することだ。人間にも自然にも無限の可能性があると信じることだ。

乗り物を展示した設計者が、「この乗り物の胆はここにあります」といってオートジャイロのところに連れて行ったら、発狂したのではないかと思われるだろう。

もちろん部品やエレメントには重要性において差があることも間違いない。

しかし、それを認めたとしても、オートジャイロの重要性を認めたとしても、そのことでエンジンや翼の重要性を軽んじる発想にはやばいものを感じる。少なくともこのようなバランス感覚の欠けた設計者の作った乗り物には乗りたくはない。