随分前に下記の記事を書いた。書いたことも忘れていて、なんのことかと読み直してみた。
2012年12月30日 A型は「エデンの東」を目指す
言いたいことは「日本人に特異的にA型が多いのは、A型だから日本に集まったのではないかと思ったのである」ということで、なかなかの着想だ。
ただ、変なのは、「縄文人はA型は少なかったようだから、A型頻度を上げているのはもっぱら弥生人である」と書いているところだ。
わざわざ古畑の「A型」分布説を取り上げているが、この調査でA型が多いのは東北地方だ。つまり縄文色の強いところだ。
これだけで、この「大胆な仮説」は自己破産する。
しかし、事実として、日本人にA型が多いことも事実で、地域分布としては東北に偏っている(古畑による)とされる。
とすれば「縄文人はA型は少なかった」というのが怪しいことになる。
調べれば分かることなのだから調べてみよう。
キラリというページに親切に数字が取り上げられている。
予想はかなり違っていた。というより真逆だった。
血液型 弥生人はA、縄文人はB
血液型 弥生人はA、縄文人はB
まず事実として、日本人にA型の頻度が高いことは確認できた。しかしそれほどではない。
世界での比率は、O型が約45%、A型が40%、B型が11%、AB型が4%である。日本では、A型の割合が約4割、O型の割合が約3割、B型の割合が約2割、AB型の割合が約1割である。
結論として日本はA型特異国ではない。ポルトガル、フランスは半分がA型である。
ただし、最大の特徴はA型ではなく、B型が多いことである。それに引きずられる形でAB型の頻度も高くなっている。
ただしB型の頻度にだけ注目すれば、もっと高い国もたくさんある。インドは4割がB型だ。ハンガリーやイラン、パキスタンも日本と同じ3割を占める。
次に血液型の国内分布である。
A型の人口が多い都道府県は、徳島、福岡、愛媛、島根、鳥取である。それに対して、青森、岩手、沖縄は、A型の割合が少ない。
つまり間違っていたのは古畑の報告で、私の記事が正しかったのだ。
むしろ注目すべきは、国際平均の2倍に達するB型頻度で、いったい誰がBを押し上げているかというと、秋田、青森、長野、岩手、栃木で、特に秋田がすごい。