ブリタニカ国際大百科事典 の解説を読む

「コトバンク」というサイトがあって、とても便利なものだ。例えば「脳」と入れると、各種事典の「脳」の項目の記事が併載されている。この中でブリタニカの記事が出色である。以下抜粋・紹介する。
無脊椎動物では一般に頭神経節が脳にあたる

ヤツメウナギなどの下等脊椎動物では脳は管状で,菱脳,中脳,前脳の3つの領域から成る。高等脊椎動物では変形するが,3つの領域は残される。

菱脳は後脳と延髄から成る。延髄は自律神経の中枢である。後脳は構造的に小脳と橋に分れる。小脳は筋肉の動きを円滑にし,体の平衡を保つ。橋は情報伝達の役割のみである。

中脳は視葉と呼ばれ,魚類と両生類では知覚統合の中枢として働く。爬虫類と鳥類でも,知覚統合に大きな役割を果している。しかし哺乳類では、何の積極的役割も果たしていない。

前脳は間脳と終脳から成る。間脳はさらに視床と視床下部に分れる。視床は延髄と大脳の中継地である。視床下部は性衝動,喜び,痛み,飢え,喉の渇き,血圧,体温,その他の内臓機能の重要な司令中枢である。

終脳,すなわち大脳半球は下等脊椎動物では嗅葉の一部である。高等脊椎動物では大きく発達し,脳の複雑な機能に関与する。
この解説は三脳説を柱とし、脳の構造・機能が過不足なく単純明快に示されている。大脳辺縁系の概念を排除しているのも痛快である。
一方、やや進化史的叙述が後景に退いており、三脳がたんなる連絡通路とされているのは賛成できない。大脳と小脳のあつかいについても不満が残る。