法の支配や言論の自由は…誰かが守ってくれるわけではない。未来を守るカギは私たち一人ひとりの手にある。
ということで、それなりに真面目なのだが、肝心のことはスルーしている。
「民主主義を揺らすのは低成長と富の集中」と書いたが、低成長は富の集中の結果だということが明らかにされない。つまり「不平等が経済を窒息させ、民主主義を危機に追い込んでいる」というアタリマエのことがスルーされている。
不平等は民主主義の責任ではない。不平等そのものが罪なのだ。そして資本主義の原罪なのだ。
不平等は富の独占を生じる。
法のもとでの平等は、経済的不平等が進めば進むほど、格差が拡大すればするほど、富の独占が進めば進むほど、毀損されていく。
格差は最初は相対的増大として現れるが、あるところから絶対的増大に転化する。富裕層が貪ることをやめない限り、世界に絶対的貧困、経済的貧困、社会的貧困、文化的貧困が現れる。
貧困状況の遷延と深刻化は、経済の起動力である欲望の減退をもたらす。それは市場の収縮をもたらし、さらなる生産の減退とGDPの減少をもたらす。それはさらに貨幣的富の一方的増大をもたらす。
不況下のバブルこそが資本主義の未来像である。
このサイクルをどこかで絶たなければならない。
それには個々人の社会的人権を最大の目標とした正義の政策体系、すなわち社会主義が必要なのだ。
サンダースの提唱したこの「新しい社会主義」は、いますでにアメリカの若者の心をとらえ始めている。それは資本主義を排除するのではなく、その上に拠って立つ新しい社会経済モデルとして受け入れられなければならない。
これはアタリマエのことなのだ。