鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

カテゴリ: 34 日本経済

岩盤規制 言葉を厳密に使わないと議論にならない

1.岩盤規制は下品な言葉だ

「岩盤規制」という言葉が突然流行り始めた。メディアがいっせいに流し始めているようだ。

これまでも進めてきた規制緩和をさらに進めようという狙いのようだ。

だったら、「異次元の規制緩和」と呼べばいいのだが、これを「岩盤規制の打破」と表現するところに、今までにない一種の「敵愾心」とか「憎悪感」を感じるのは私だけではないだろう。「規制緩和に反対するものは敵だ」という心理が、そこにはある。

それは一種の罵り言葉であり、一言で言って下品だ。

2.冷静に議論しよう

ここでは「岩盤規制の撤廃が国民に何をもたらすか」などの話は一切捨象して、「そもそも論」に集中する。

そもそも「規制」というのはシステムの維持のための装置だ。

これはまず確認しよう。

いわば、スポーツやゲームのルールだ。ルールがなくてはゲームは成り立たない。社会もそうだ。犯罪は法に基づいて罰せられる。

もう一つ確認しておきたいこと、ルールは基本的に善なのだ。

色々なルールを作ることによって、人間社会は発展してきた。そして人間社会が発展するにつれて新たなルールが必要になってくる。

ソクラテスは「悪法も法である」と毒を仰いだ。それは法がその根底において「善」であるという信念からである。

3.ルールを変更することはありうる

スポーツの世界でもルールのマイナーチェンジはしばしば行われている。国の政策においても規制改革は必要だ。それは否定しない。

規制を改革する必要は、以下の三つの場合に合わせて主張されうる。

A.規制を隠れ蓑にした特権の横行が目に余る場合、B.システムに照らし合わせて規制が不合理になった場合、C.システムそのものを改編する場合、

今回の場合、そのどれに属するのかを明らかにすべきだろう。

その際、言っておきたいが、B. を除けば、規制改革は目標に照らしてあまり有効な手段とはならないだろう。悪徳役人を懲らしめるために規制緩和がどう役に立つのか…

4.対案なき提案は建設的ではない

今の規制のやりかたが悪いと批判するのはひとつの見識だろう。決して行儀が良いとはいえないが。

しかし「どこがどう悪い」というのなら、そこを「どう直す」かが問われるはずだ。みんな今までこのやり方でやってきたのだから。

しかし彼らには対案がない。ただ壊して取っ払うだけだ。それで良くなるという保障はなにもない。

むかし小学校のホームルームでこういう発言をすると、「もっと建設的に発言しなさい」と叱られたものだ。

5.「規制」は法律だ

「規制撤廃!」というのはスローガンであって、具体的作業としては法律の改正である。

「規制」は法律として裏打ちされている。「規制」の体系は法律の体系なのだ。

法律というのは規制するものなのだ。

「規制一般が悪だといえば、それは法律一般が悪だ」というに等しい。これは無政府主義だ。

6.岩盤は岩盤だ

最後はちょっと左翼的な言い方になるが、「岩盤」は「岩盤」だろうと思う。

既得権層がうるさいからとか、役人が抵抗するから「岩盤」だというが、ルールの中には、たしかに「岩盤」的ルールがある。既得権層が主張しようとしまいと、それは「岩盤」だ。

サッカーで手を使ってはいけないとか、相撲で相手を殴ってはいけないとか、そういうルールは「岩盤」だ。

そういう意味での「岩盤」ではなく、たまたまうるさい人がいるから「岩盤」になってしまっているだけだというのなら、それを証明する責任はあなたがたにある。


コンビニの凋落をどう読むか。
これがリーマン・ショック後の売り上げ推移である。
konbini
あまり実感はないのだが、いまから4年前にコンビニは急成長した。しかしそれはたった1年のこと、後はジリ貧で、スーパーと肩を並べてしまった。
一つは過剰出店から整理期に入っているのかな、という感じ。そういえばタバコの自販機がなくなったのもこの頃だったかな。
もう一つは、主要な顧客層である若者の購買力低下も考えられる。電池と漫画と缶酎ハイを買って、ついでにおつまみも買っていたのが、やめたという感じ。業態そのものに賞味期限が来た可能性もある。
百貨店はいまや富裕層の店だ。富裕層がますます富裕になったから、百貨店は景気が良い。私など何年と百貨店には行ったことがない。ジジイには無用のところだ。
そういえば、このあいだ、駅ビルの屋上展望台にコンサートを聞きに行ったら、65歳以上は1割引きと言われた。一瞬迷ったが、「ハイ」と言ってしまった。情けない、根性なし。
ということで、このグラフから若者の貧困化と、富裕層の富裕化が見て取れそうな気もする。

オックスファムの発表だ。世界の長者番付の1位から80位までの80人が、下位50%人が持つ富と同額の富を有しているという。
これはちょっとややこしい言い方だ。あまりいじりすぎるとかえって分かりにくい。
もう一つの数字がある。1%の富裕層の資産が世界の富の48%に相当するという。そして来年には50%を越えるだろうという。
ただ、こういう数字は確かに多くの人々の怒りを呼ぶだろうが、それが直接に絶対的貧困を生み出すのでない限り、世の中の緊張をもたらすことはないだろう。
戦前(第二次大戦)の貧富の格差は、いまとは比較にならないくらいひどいものだった。大多数の絶対的貧困と飢餓の上に富裕層の権力が君臨していた。そこには身分差別も加乗していた。
問題はそれが慢性的に需要の減退と過剰生産を生み出し、市場の争奪戦を生み出し、ついには二度にわたる世界大戦へとつながっていったことだ。
一番の問題は貧富の格差の拡大がどういう状況のもとで起きるかということにある。上向線上での貧富の差の拡大はさほど大きな問題とはならない。例えば中国がそうである。
しかし下向きになった時の格差の拡大は差別を伴う貧困化の進行だから、大きな社会的矛盾と敵対心を生み出さずには置かないだろう。
それがまさに日本ではないか。


グラフがとんでいました。全部埋めたつもりでしたが、まだ残っていました。本日埋めました。
“数字で嘘をつく”マジックの典型であり、分母を適当に選択することでいかようにでも数字は作れることが分かります。
とにかくできるだけマクロに、一次資料(絶対値)を基本に見ていくことがだいじだ、ということが分かります。

これも社会面の記事。
「カジノ合法化“早く”  露骨な介入の意見書」と題されている。
内容は在日米国商工会議所がカジノ法案の早急な成立をもとめる意見書を出したというもの。
この在日米国商工会議所(ACCJ)は日米経済摩擦でお馴染みの組織。米企業・政府の尖兵として先鋭な要求を突きつけてくることで名を知られている。
まず骨子から。
* カジノの規模について制約を盛り込まない
* カジノ総収入に対する税率は10%を越えないものに
* カジノ・ギャンブルは消費税の対象から外す
* 入場料は課さない
* 24時間、年中無休の営業を認める
* カジノでのクレジットサービスを可能に
これだけでもじゅうぶん頭にくる。
さらに解説を読んでいくと、ますます血が登ってくる。
* (進出するカジノ企業のために)アジア各地のカジノ施設との比較でより利便性の高い法規制の枠組みを構築することが大変重要である
* カジノの規模に関して恣意的な制約を法規制に盛り込んではならない
* 東京、大阪など人口密度の高い地域では複数のカジノ施設の併設も認めるべきである。
* 日本国民は入場料のかからないパチンコ・競馬・競輪など多数の選択肢を有している。したがってカジノの入場料徴収は反対する。
* (ギャンブル依存に対する規制の)法的試みは、ギャンブル依存を撲滅するという政策目標を達成することはできない。無責任なギャンブルに興じる少数者を守るために全訪問者のギャンブルを制限することは、逆効果となりかねない。
中身の酷さもあるのだが、根本的には日本人を対等の人間としてみていない、その横柄で高飛車な態度が胸糞悪い。彼らは故国では、故郷では、このような言葉を絶対口にしないと思う。
思うのだが、彼ら米国人が日本でどんなことを言っているのかを、故国で宣伝してやれないものか。

法人税引き下げを主張する財界の最大の言い分は、「法人税を下げなければ、企業は国を去っていくだろう」という脅しだ。
この脅しのずるいところは、自分は去りますとは言わないところだ。じゃあ誰が去るんだろう。
ここはひとつはっきりさせようではないか。
大企業にアンケートをとろうではないか。
質問はたったひとつ、「もし法人税を下げなければ、あなたは国を去りますか?」というものだ。
「国を去る」と答えた企業には外国企業並みの扱いを与えよう。「たまたま今はいる」だけの企業と心得よう。
「日本に残る」と答えた企業には、国内企業としての認定をし、連結決算、研究開発減税などそれなりの保護を与えよう。
言葉を濁す企業には、今後「法人税を下げなければ、企業は国を去っていくだろう」などという発言をさせないようにしよう。
回答を拒否した企業には、拒否したなりの覚悟はしてもらおう。



という記事を以前書いた。

これは財政欠陥の内容とその原因を明らかにしたものだったが、

今回は赤旗が法人税にかかわる税収マクロの表を5つまとめて出している。

こちらの方は以前から明らかになっていたものの焼き直しだが、5つまとめるとやはりわかりやすく説得的である。

以下転載する

houjinzei


日銀の追加緩和が5対4の際どい差で決定されていたことが明らかになった。
これは10月30日の金融政策決定会合の議事要旨が公表されたことで明らかになったもの。
安部首相と「異次元の金融緩和」政策がかなり追い詰められているということが、これからも分かる。
この事について、金子記者の署名入り解説記事。
まず、10月30日の日銀金融政策決定会合で決まったことのおさらい。
1.長期国債の年間買い入れ額を50兆円から80兆円に引き上げる。
2.株式投資信託(ETF)の購入を3倍に増やし、年間3兆円づつ増やす。
3.不動産投資信託(Jリート)の購入も3倍化し、年間900億円づつ増やす。
この方針に対して反対意見が出されたが、金子記者によればそれは二つにまとめられる。
1.金融緩和は円安をもたらし、内需型中小企業に悪影響を与える。
2.実質的な財政ファイナンス(政府予算への財政支援)となってしまう。(正確に言うと、“財政ファイナンスとみなされるリスクが高くなる”という表現)
金子記者はこのうち、2.に焦点をあてて解説している。
金子記者によれば「財政ファイナンス」の問題として下記をあげている。
1.財政ファイナンスは、二重の意味で財政法違反である。ひとつは赤字国債の発効が原則的に禁止されている(財政法第4条)からであり、もう一つは国債の日銀引き受けが原則的に禁止されている(財政法第6条)からである。
2.ただし財政法第4条には抜け穴があり、有名無実化されている。それはひとつは赤字国債発行法であり、条件を決めた上で例外が認められることになった。さらに2012年の公債特例法によって、事実上ザル法となった。
3.財政ファイナンスは、憲法にも違反している。憲法は国の財政処理に国会の議決をもとめている(憲法第83条)が、「異次元の金融緩和」と国債買い入れはこれに違反している。また公債特例法に定められた年度をまたぐ国債の発行は、予算の単年度主義を定めた憲法第86条に違反している。
ということで、今回の解説は「財政ファイナンス」の批判というより公債特例法批判になってしまっている。
この続きがあるかどうか分からないが、この記事だけでは「羊頭を掲げて狗肉を売る」の趣がある、と言わざるをえない。
日銀内部の批判派の趣旨は、「1.内需型中小企業への悪影響」の方にあるのだろうと思うので、そちらをもう少し敷衍してほしいと思う。
内需型中小企業は悪政により三重に痛めつけられている。
長期の不況の中で物が売れない、金融緩和による円安で原料コストが高騰、消費税で利益幅の圧縮だ。
さらにこれで消費税不況が上乗せされれば目も当てられない様となる。
ところで内需型中小企業というのは我が国産業の根幹だ。雇用の9割以上を生み出している。
ここが深刻な打撃を受けるということがどのような意味を持つのか、政府・大企業は考えたことがあるのだろうか。

「別の道」について下記のごとく書いたが、それだけでは不足だ。

A) 応能負担を貫く、富裕層への優遇廃止

B) 法人の実質税率を引き上げる

C) 大企業の内部留保の活用 (法活用で雇用と中小企業への再配分)

D) 浪費型の公共事業の見直し、軍事費削減、原発関連予算の整理など

そのための財源を示さなければならないというので、共産党は財源提案も行っている。

A) 応能負担を貫く、富裕層への優遇廃止

①そもそも消費税で財源はどう変わったか

消費税創設以来26年間で、消費税収入の総額は282兆円。これに対し法人3税は254兆円、所得税・住民税は248兆円減少した。

後者は景気に左右される財源だが、大企業と富裕層への減税も大きく影響している。

これを元に戻すことが根本的な解決策である。

②法人税引き下げの中止

すでに実施した分でなく、今後の予定額が財界の要求に従えば5兆円に達する。消費税2%でも足りない計算だ。

③行き過ぎた大企業優遇税制の是正

トヨタは5年間1円の法人税も払っていなかった。法人税率は実効していない。

優遇税制には次のようなものがある。

研究開発減税(4千億)、連結納税(6千億)、配当益不算入(1兆4千億)、海外子会社益不算入(6千億)、

これらを廃止する。

③所得税、住民税、相続税の最高税率を元に戻す

これで影響をうけるのは、所得税では課税所得3千万円、相続税では一人あたり20億円以上の人たち。

④証券優遇税制をさらに見直す

株式配当については総合課税とする(小額配当は除く)。株式譲渡益の高額部分には30%の税率を適用する。

⑤資産課税の創設

相続税の評価基準で5億円を超える資産の部分に1~3%の累進課税(いわゆる富裕税)。対象となるのは0.1%の大資産家で、8千億の税収となる。

⑥被用者保険の保険料上限の見直し

⑦為替投機課税の新設

東京外為市場の取引額は年間100兆ドル近くに達している。その主要な部分は投機マネーによる取引である。

これに0.01%の課税をすると1兆円の税収となる。

財源

B) 大企業の内部留保の活用 (法活用で雇用と中小企業への再配分)

疲れたので、今日はここまで

共産党の選挙政策はかなり長いので、関係者以外はあまり読まずに終わってしまうかもしれない。

かいつまんで紹介しておこう。

はじめに

今度の選挙の三つの特徴は

1.政治を変えるチャンス

2.主要な争点は憲法9条だ

3.対決、対案、共同がだいじなポイントだ

Ⅰ 消費税はきっぱり中止、「消費税に頼らない別の道」を

A) 応能負担を貫く、富裕層への優遇廃止

B) 法人の実質税率を引き上げる

C) 大企業の内部留保の活用 (法活用で雇用と中小企業への再配分)

D) 浪費型の公共事業の見直し、軍事費削減、原発関連予算の整理など

Ⅱ 大企業応援から暮らし第一に経済政策の軸足を移す

三つの改革(雇用のルール、社会保障、中小企業)で需要を喚起し、経済を底上げ。

震災の復興支援の継続

Ⅲ 憲法9条の精神に基づく外交戦略

1.集団自衛権と9条の実質廃棄は絶対認めない

2.北東アジア平和協力構想を提唱する

①「友好協力条約」で紛争の平和解決のルールづくり、

②6カ国協議で北朝鮮問題の解決

③「行動規範」で領土問題暴走の規制

④河野・村山談話の尊重で友好の土台作り

Ⅳ 原発ゼロの日本を

1.節電・省エネ

なぜ電力不足が起きないのか。最大の理由はこの間の節電・省エネである。それは原発13基分に相当する。

2.自然エネルギーのミックスの比率を増やす

火発から5年~10年で低エネルギー社会と再生可能エネルギー中心へ

山家さんの「アベノミクスがもたらしたもの」という記事から。

安部首相は春闘でベースアップがあり、賃金増の好循環が生まれつつあると主張する。これはごく一部の大企業の、正規職員のアップだ。

日本全体ではどうだ。中小・零細企業も含めた勤労者の、正規職員ばかりでなく非正規、パートも含めた全勤労者の収入はどうなのだ。

2013年(去年)の勤労者家計の収入は名目で前年比1%の増加だった。しかし物価値上げを差し引いた実質増加率は0.5%だった。

今年の7~9月期(直近)では、収入は名目で2.1%、実質で5.9%減となっている。

いっぽう、大企業の経常利益はこの間に前年比6%増となっている。

何の事はない国民と大企業がパイの奪い合いを行い、国民の分を自分の懐にいれているということだ。

これがアベノミクスだ。

赤旗の論題時評で、「アベノミクスはこのままでは崩壊する」と題する対談(文藝春秋)が紹介されている。浜田宏一と本田悦朗という安倍首相のブレーンの対談であり、注目される。

両氏は「大胆な金融緩和」や「機動的な財政対策」を「うまく行った」と自画自賛しつつ、「予想外」の輸出不振などに懸念を示し、消費税が増税されれば需要不足で日本経済は「低成長」に入る危険があると主張している。

評者はこれを、

アベノミクス継続を叫び、17年4月に必ず増税すると訴えた安倍首相の解散表明演説の“ひな形”と言えます。

と観測している。

両者ともに間違っているのだが、結局大企業の輸出の動きを読み間違えたところに最大の問題があることが分かる。

この読み違いは、実は私もふくめてみんな読み違えたと思う。だからこの間違いをいち早く直視して、急速な政策転換を図らなければならないのだろう。

問題は大企業の論理と国家の論理が想像以上に乖離してしまっていることである。「大企業は予想以上に悪い。想像以上に腐っている」ということを肝に銘じなければならない。

ここを改めずにアベノミクスを継続するのは危険きわまりない。取り返しの付かないことになる。

これからはアップルやグーグルを見るのと同じ目線で大企業を見据えていかなければならない。

彼らとの距離感を早く体得することが急務だろう。


共産党の第2回中央委員会総会で、志位さんがこの辺りをうまくまとめている。
…第二に、経済論戦では、消費税増税問題と「アベノミクス」問題を二段構えで訴えることです。
消費税問題は経済問題の一つではなく、それ自身を一大争点として押し出さなければならない。そして8%増税強行で「増税不況」をもたらした自民、公明、民主の責任を厳しく問わなければならない。
そして「消費税10%の“先送り”か、中止をもとめるのか」が鋭い争点となります。
「アベノミクス」問題では、この政策が格差をもたらしたことは誰もが否定出来ない事実となっています。
…その破綻が明瞭になる中で、「大企業応援から暮らし第一へ、経済政策の軸足の転換」を訴えていかなければなりません。
ただ、「二段構え」とは巧いことを言ったものだが、わかりやすく言えば安倍首相を、その無定見において批判しなければならないということだ。
1.安部首相は、消費税引き上げについて主犯でないような顔をしているが、まちがいなく共同正犯だ。
2.しかも消費税引き上げは、アベノミクスという自らの主張に背く法律ではないか。なぜそのような法律の実施の責任をとったのか。
3.その矛盾した行為によって、自らのアベノミクスを破綻させ、内需をさらに冷え込ませた。その責任をどう取るのか。
我々はアベノミクスを認めるわけではないが、アクセルとブレーキを同時に踏むような無定見は、それ以前の問題として許せない。

経済政策の選択が今回の選挙の最大の争点であることは言うまでもない。
その中でアベノミクスがどう位置づけられ、どう克服されるべきかの方向性が問われている。
民主党政権、とくに最後の野田内閣の政策はまさに大企業の利益をむき出しにしたものであった。
その典型が消費税増税と法人税減税であった。
消費税増税については、世紀の無法であったことがまさに今明らかにされつつあるので、ここでは語らない。法人税減税はそれ自体ではなくこれまでに行われてきた、さまざまな税軽減策とセットにして語られなければならない。つまり実効税率の不当な削減が問われなければならない。
法人税を海外並みに引き下げるのなら、実効税率を海外並みに引き上げなければならない。これで初めて大企業は海外と肩を並べうるのである。

アベノミクスは、彼らなりに、大企業優位の政策一辺倒では内需が先細り経済が行き詰まると意識している。とくに金融の流動性の低下が深刻なデフレをもたらすと意識している。
サプライサイドからこの状況を打開しようという考えはあってしかるべきだし、ひとつの選択ではあろう。しかしそれ開けでは銀行の救済にはなっても、景気の回復にはつながらない。その資金が内需の拡大につながらなければふたたび金庫へと戻っていくだであろう。
アベノミクスの第二の矢は公共事業に向けられた。とくに震災復興関係では膨大な投資が積み上げられている。しかしインフラを中心とする従来型公共投資の有効性はすでに失われている。それは二次需要を喚起しない。

問題は日本がいま使いこなせる資金をどう使えば、有効需要を生み出し、内需を喚起し投資意欲を掻き立てることができるか否かにかかっている。
それには内需の冷え込みが何によってもたらされているかを考えればよい。最大の原因は勤労者の所得の減少である。高齢者、子育て家庭、学生の生活不安である。
だからここにスポットを当てて財政支援をしていくのがもっとも重要な政策となる。

といっても、社会政策を広範に実施してカネをばらまけば良いというのではない。国庫にそれ程の余裕はない。もっとも手っ取り早く有効なのは、現在働いている人々に支給を厚くし、雇用を安定させることである。これは既存の金回り構造を壊すことなく行えるので、新たなルートを作り上げる必要はない。新たな利権も生まれない。

政府としては二つの行動が取りうる。ひとつは、労働法制の厳格な適用である。それをやると企業が人を雇えなくなりますます失業が増えるというが、逆である。労働法制の厳格な適用は人手不足をもたらし、求人市場は活性化せざるをえないのである。
もう一つが最賃の引き上げである。できればユニバーサルであることが望ましいが、できるところから直ちに着手すべきである。できないところでも生保基準以下は憲法違反の犯罪行為であることを明示しなければならない。健保、失保、労災、厚生年金の条件も厳格に適用しなければならない。

これらの観点から見て、消費税増税は論外であり、この際増税論者は徹底的に叩かなければならない。さらに安部首相には、いまさらながらなぜ消費税増税を行ったのかを徹底追求しなければならない。そして実施の先送りではなく撤回をもとめなければならない。なくなぜならそれはそもそも、アベノミクスの発想の対極にある経済観だからである。

日銀の追加緩和 NHK報道がひどい

NHKは本当にひどいことになっている。

きわめて穏健に考えたとしても、量的緩和は諸刃の刃だと分かる。第一、日銀券を大量に発行して何を買おうというのだ。

もう市中に国債や、優良債はない。ハイリスクの物件を買い込めば、日銀そのものの信用が落ちていく。

しかも日銀の経営論理からではなく、消費税再引き上げのための緩和だとすれば、あとはもう底なしである。

現に黒田総裁は「必要があればちゅうちょなく調整する」と言っているから、自分がクビになるまでは垂れ流すつもりだ。

前にも書いたが、今の日本は株高の含み益で成り立っている。1万4千円が生命線だ。もしこれを割るようなことがあれば、ヘッジファンドがなだれ込んで、たちまち相場は崩壊するだろう。9月には1万4千円台まで値を下げた。年金の投信運用を急かすサインだ。

黒田総裁は表向きの理由を「2%物価目標」を達成するためだと言っている。しかしなぜ2%が達成できなかったかの説明はない。

なぜか、

説明できないからである。円安で輸入価格が上昇し、電力各社が相次いで値上げを発表し、さらに消費税関連で物価が押し上げられたにも拘らず2%が達成できないのは、消費の落ち込み以外に説明しようがない。

消費の落ち込みは勤労者所得の低下以外に説明のしようがない。説明のしようがないから説明しないのである。


せめて報道は量的緩和に功罪二面があることを報道すべきだ。2%目標についても、過去の経過を踏まえて報道すべきだ。

これまでNHKニュースを見ていて、安倍首相の顔が出てきたら、その瞬間にチャンネルを切り替えていた。そのためにリモコンを握って離さなかった。

しかしこれからはNHKニュースが流れ始めたら、即チャンネルを切り替えなければならなくなりそうだ。


見出しとリードだけ紹介しておく

日銀 追加の金融緩和を決定

これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがあるとして、追加の金融緩和に踏み切った。

…こうした効果をより強めてデフレからの脱却を進め、2%の物価目標の実現により万全を期す ねらいがあります。

アホか?

8月の鉱工業生産指数の確報値が出た。
速報値より0.3%の下方修正だ。
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グラフを見て一番怖いのは、鉱工業生産の低下がどこまで行くのか先が見えない事だ。7月に持ち直したから6月が底だったのかと思ったが、それは奇数月と偶数月の関係でしかなかった。
しかも生産の低下にもかかわらず在庫は112,これはリーマンショック以来の高水準だ。
もうひとつ怖いのは、外的要因がほとんど見当たらないことだ。外的要因の多くは一過性のものであり、いずれ終りが来る。
奈落の底があんぐりと口を開けて待ち構えている、という恐怖心に襲われないエコノミストはいないだろう。
それにもかかわらず財務省と経団連は、消費税の2%引き上げというアクセルを踏み込もうとしている。この狂気にはそれ以上の怖さを感じる。

ソニーの盛田元会長が1992年2月の『文芸春秋』に発表した「『日本型経営』が危い」という文章がある。当時はずいぶん話題になったものだ。

いまいちど、見なおしてみたい。


盛田提言は次のように要約できる。

日本の企業は、国内で横並び一線の蛾烈な競争(過当競争)を行っている。

そこではシェア拡大が至上命題となり、そのために先ず低販売価格が設定され、その価格でやっていけるように適正な利益や必要なコストが効率の犠牲となって削られている。

効率の犠牲となっているものには、長時間労働、低労働分配率、低配当性向、部品メーカーへのしわ寄せ、地域社会への貢献の消極性、環境保護・省資源対策の不十分さなどがある。

これに対し欧米の企業は、製品市場毎の棲み分けが比較的明確であり、競争もそれほど激しくなく、販売価格には適正な利益や必要なコストが含まれている。

欧米からみれば異質なやり方・経営理念をそのまま海外にも適用し、世界市場で競争を続ける日本企業に対する欧米企業の我慢はもはや限界に近づいている。

日本企業に求められているのは、欧米企業と整合性のあるルールの上でのフェアな競争であり、効率の犠牲となっている諸点を十分に考慮した価格設定である。

ただし、これは理想であり、現在の状況下で敢えでどこか一企業が抜本的改革をすれば、その企業はたちまち経営難に陥る。

当面は各企業が手を付けられることから始めるべきである。たとえば、従業員が自由に連続体暇がとれるフレックス・ホリデー、学歴不問の採用制度、頻繁なモデルチェンジの見直しなどである。

曲がり角に立つ日本的経営より


 その上で盛田氏は、企業人は最初のステップとして次のようなことを考えていくべきだとして6項目(要旨)をあげています。

(1)生活に豊かさとゆとりが得られるように、十分な休暇をとり、労働時間を短縮できるよう配慮すべきではないか?

(2)現在の給与は、企業の運営を担うすべての人達が真の豊かさを実感できるレベルにあるのか。貢献している人々がその働きに応じて十分に報われるシステムになっているか?

(3)欧米並みの配当性向を確保するべきではないか?

(4)資材・部品の購入価格、納期の面で、取引先に不満を持たせているようなことはないか?

(5)企業および個々人が社会やコミュニティーの一員であることを認識し、積極的な社会貢献に務めるべきではないか?

(6)環境保護および省資源対策に十分配慮しているか?

トヨタで生きるより


盛田氏は「そんなこと言ったって無理だよ!」という意見を否定しているわけではない。

もっと長期の視野で、「企業というのはこうあるべきではないか? そういうことを目指すべきでではないか?」と問いかけているのである。

今日から見ると、ある意味懐かしいところもある。会社立国というか、企業が日本を支えるのだという自負が感じられるからである。

現在の企業にそのような意志はまったく感じられない。「企業はグローバルなものであり、日本のために頑張る存在ではない」という風潮と、「企業は株主のためにあるのであり、社員のためにあるのではない」という風潮が押しとどめられることなく拡散しつつある。

「日本型経営」の“長所”は抜き取られ、“短所”のみがますます強められつつある。そんな気がしてならない。

若者に100万円持たせろ
若者が100万円持ったら、たちまち日本は変わるだろう。
日本人の工夫好きはたちまちにしてハイテク製品の革命的変化をもたらすだろう。
アップルなんて、革命的技術はなにもない。既存の技術を組み合わせて一つの商品に仕立てるだけだ。
それこそ日本のお家芸だ。
企業の開発部が売れ筋を一生懸命考えてもたかが知れている。その国の若者の文化そのものが開発力なのだ。
いまの日本は若者を貶めている。成長しようとする力を徹底して無視して、目前の利益に走っている。
若者に100万円を与えろ。彼らはアイフォンをいじくり返し、たちまち新機能を付与するだろう。
電話とカメラと音楽プレーヤーとパソコンを一本化するなど、ものぐさのすることで、ふたたび機能は専門分化するだろう。それぞれの機能にはそれぞれの文化がある。なぜなら文化というものは、刺激を頭頂葉、前頭葉の回路を通して、言語化し価値付けることで生まれてくるものなのだから。
彼らはyoutubeよりはるかに品質の高い動画配信ネットを作り上げるだろう。4畳半をコンサートホールにしてしまうようなオーディオシステムを開発するだろう。もっと簡単な命令で、痒いところに手の届くようなナビを開発するだろう。
何よりも、ものがなくても自由な生き方をしようとする若者が復活するだろう。
それを実現するのは若者の文化力と、ちょっとした小遣いだ。
時給が200円上がれば、200x6x300=36万円だ。これに超勤手当、住宅・交通費、家族手当、各種保険、年金をきちっとつければ、50万円などあっという間だ。あとは企業の業績次第だが、若者は50万円あれば綺麗さっぱり使うはずだから、絶大な波及効果を伴うに違いない。

雪崩を打つような海外進出が続いている。いまは自動車だけでなく一般製造業まで裾野が広がっている。さらに、これはうまくいくかどうか分からないが、第三次産業やサービス産業まで浮き足立っている。
最初は、ジャパン・バッシングの中アメリカへの輸出が厳しく規制されて、迂回輸出の形で始まった。それが安い人件費を求めての海外進出となり、さらに最近では市場を求めての海外進出となっている。
ただその先に何があるかというと、リスクは少なくない。かつて追い風となった円高は、いまや逆に吹いている。労働力の価格は高騰し、労働運動などの洗礼も始まっている。肝心の市場も、分野によっては、現地の新興産業に追いつき追い越されかねない。
海外進出一本槍で行った場合、本体もろとも転覆する可能性は格段に高くなっている。
その典型がソニーであろう。
かつては「さすがはソニー」、いまや「やっぱりソニー・タイマー」である。

海外比率
08年からのものでスパンは短いが、各産業別の特徴がよく現れている。自動車が典型で、リーマンショック、東北大震災、タイの水害などで上がり下がりはあるが、ものすごい勢いで海外生産化が進んでいる。ホンダ・日産は完全に海外志向、トヨタが大きく海外に軸足を移したのが大きい。
注目すべきは電気・電子の伸び悩みである。海外生産が行き着くところまで行くとどうなるか、その未来図を提示しているようだ。次の大波が来たら、産業全体が持たなくなるのではないかと危惧される。かつての繊維業界と同じコースをたどっているようだ。
そして自動車もそのコースに入りつつあるように見える。
長期的に見ると、国内拠点を貫くシャープ、マツダ、ダイハツあたりの業績がどういう方向に動くかが注目される。








その後も各方面の数字が発表されている。
内閣府の景気動向指数(一般指数)は12年以降一本調子に登り基調を示していたが、ついに低下に向きを変えた。基調判断は「足踏み」から「下方への局面変化」に変わった。

これは速報だが、中小企業の9月業況判断指数(日商)はマイナス24%で、8月よりさらに4%低下している。とくにひどいのが中小小売で、マイナス42%まで達している。

国際的にも消費税反動減への警戒感が出ている。IMF は7日の最新世界経済見通しの中で、「消費税増税後の国内需要の落ち込みは予想以上に大きい。低成長が長期化すると思われ、下振れリスクは春に比べ高まっている」と警告した。

8月統計が出揃ったところで、赤旗がコラム「危険水域 日本経済」で論評した。
論評はまず個人消費に眼をあてる。
総務省家計調査で、消費支出が5ヶ月連続のマイナス、8月でなおマイナス4.7%というのは、97年の0.5%と比べ格段に深刻だ。
「反動減が収束していない」というのは政府も認めている。
赤旗は、消費税にとどまらない、中長期的要因があるとみる。それは第一に国民所得の長期減少傾向、第二に円安に伴う物価の上昇傾向だ。
8月実質賃金指数は14ヶ月連続の低下を示した(毎月勤労統計)。名目は若干上がったが、それを物価上昇率が上回ったためだ。消費者物価指数(総合指数)は前年同月比3.1%に達している。
この所得低下は平均値でみるだけではダメだ。貧困層の増加と一層の貧困化に特徴があるからだ。年収200万以下のワーキング・プアーは1100万人、全労働者の24%に達している。また非正規が増え正規が減っていることも変わらない。

生産・貿易面はこれまですでに触れているので省略する。


9月30日、8月の経済統計が各官庁から一斉発表された。
予想通りというか、悪い。
金融エコノミストが当てにしていた消費税の反動減からの回復は見られない。
まず経産省の鉱工業生産指数
前月よりさらに1.5%の低下だ。出荷が1.9%低下し、在庫が1.0%増加した。
これは駆け込み需要の反動の範囲を通り越している。とくに在庫の増加は、駆け込みで減った在庫率の復旧・積み増しの域を超えている。リーマン・ショック後の在庫率に迫っている。要するに売れないために在庫が増えている状況だ。
次に厚労省の毎月勤労統計
実質賃金指数は前年同月比で2.6%も低下した。名目賃金は下がっていないので、もろに円安・物価上昇の煽りを食らっていることになる。
しかしこれから本格的な物価値上げが始まるので、実質賃金の値下げには一層の拍車がかかることになりそうだ。
総務省の家計調査
こちらでは厚労省よりさらに深刻な数字が出ている。1世帯あたりの実収入は、実質で前年同月比5.4%の減少となっている。
1世帯あたりの消費支出は前年同月比で4.7%の減少。ということは収入の減少に見合って支出が減っていないということだ。これは1.これからさらに支出が減る可能性がある。2.支出の節約が限界に達している、という意味を持つ。いずれにしても深刻だ。
最後が総務省の労働力調査だ
失業率が0.3%減少したと宣伝しているが、増えた雇用は非正規で、正規の職員・従業員は減っている。しかも8月の求人倍率は、東日本震災直後以来の落ち込みを示している。

消費税引き上げ派が主張した論拠は、すべてこれらの統計によって打ち砕かれた。あとは「撃ちてし止まん」の玉砕論のみだ。

「もう10%を織り込んでしまったから、やらないと破産する」というのは、「商品相場」のセールスの手口と同じだ。もう、損を覚悟で手を引いたほうがいい。

大和の想定グラフはなかなか面白いので別掲する。

空洞化と原発停止


空洞化と原発停止が貿易収支に与える影響を見たものである。2013 年時点で 11.5兆円ある貿易赤字のうち、約 7 兆円が空洞化、約 4 兆円が原発停止に伴う輸入増の影響によるものである。


というのが説明。「原発停止による」というのはちょっと不正確で、「原発停止に伴う石油・液化ガスの輸入増による」である。

絵の作り方も若干意図的で、空洞化の影響を下線にすれば、空洞化に比べ影響は少ないことが分かる。

つまり原発再開を願って作ったグラフが、はからずも空洞化の影響をさらけ出したことになる。

さらに言えば「円安」の影響というのも、円安にもかかわらず輸出が伸びないがための“影響”であり、広義の空洞化である。

結論から言えば、財政赤字の原因の殆どは大企業の海外逃避に伴うものなのだ、といえる。


政府の経済見通しが発表され、金融系の各シンクタンクがコメントを発表している。

まずは「みずほ」(9月9日)の見解

7~9月期には駆け込み需要の反動が徐々に薄れる、公共事業の執行が進む、ということで前期比年率+4.7%と強気の読み。

さらに年度後半は個人消費の持ち直しや設備投資の増加が続く、とし、通年で実質GDP成長率は+0.5%と予測する。

要するに政府見通しそのままだ。率直にいって、「みずほ」はやばいと見るべきだろう。

三菱UFJも同じ日に見解を発表

基調は同じだが、もう少し慎重な読みとなっている。

4~6月期の特徴を設備投資の下方修正と、在庫の増加とし、マイナス要因を先送りしていると指摘する。

いっぽう7~9月期についてはかなり大胆に予想しており、景気が後退期に入ることは回避できる、消費税率の10%への引き上げを決定する障害にはならないと断言する。

通年の実質GDP成長率は+0.2%と予測。下振れ要因として夏場の天候不順の影響、在庫を急速に調整する動き、海外経済の悪化により輸出が低迷する場合を上げている。

ただ両者ともに7,8月の動向を織り込んでいない。消費税増税に伴う悪影響がおおむね一巡し設備投資が増加に転しる、在庫整理にメトがつく、という織り込みはかなり狂っているはず。

さらに、実質賃金の低下や、空洞化と輸出の停滞という構造要因も織り込まれていない。

大和総研はもう少し踏み込んで分析している。

1.設備投資の減少は前期比▲5.1%と想定以上である。政府見通しは大きく下方修正された。

2.在庫の増加は、駆け込み需要によって減少した在庫の復元ということになっているが、内需の低迷に起因した部分もあるとみられる。

3.個人消費の5.1%減がどこまで駆け込みの反動か、どこまで実質所得の目減りによるものか。実質所得減による消費減は回復することはない。4~6月期では判断がつかない。

4.貿易赤字の二大要因は続いている。円安効果を空洞化が相殺している。貿易赤字11.5兆円のうち、約7兆円が空洞化、約4兆円が原発停止に伴う輸入増によるとされる。

第一生命は7月以降の動向も読み込んで、より厳しく見ている。

7月の個人消費関連指標や鉱工業指数は低調さが目立つ。とくに個人消費については予想以上に回復が鈍い。

4-6月期に積みあがった在庫を抑制する動きも下振れ要素だ。

7~9月GDPは前期比年率+4.0%と予想されているが、9月初め時点での感触ではそれを下回る可能性が高い。

道東地方の酪農経営について、赤旗によくまとまった記事がある。独断で編集して紹介する。

1.酪農家の離農が加速している。
「JA道東あさひ」という大規模農協があり、根室管内の別海町を中心に583戸の酪農家を組織している。この農協で昨年だけで22戸が離農した。
最近の特徴は、後継者の候補がいる農家、働き盛りの農家の脱落だ。「あさひ」の組合長は、「団塊の世代が高齢化する、これからの10年がヤマだ。109戸が離農する可能性がある」と語る。

2.牛乳生産が減少に向かいはじめた
離農者はこれまでもたくさんいた。それを周辺農家が吸収し大規模化することで生産は維持されてきた。つまりそれは酪農業の集積過程でもあった。しかし最近では離農者の生産を吸収できなくなっている。
「JA道東あさひ」の牛乳生産量は前年に比べ3.7%減少した。搾乳頭数は年間1千頭のペースで減少している。

3.離農を加速する3つの理由
ひとつはエサ代の高騰や燃油価格の上昇に伴う経営悪化、ひとつは過重労働、そしてもう一つが将来不安の深刻化だ。
*道東の酪農は巨額のインフラ整備を始め、いわば国策として展開してきた。酪農家には多額の補助金が投入されてきた。「借金も実力のうち」というが、さすがに、それは酪農家に重い負担としてのしかかっている。
*酪農家の長時間・重労働は以前から知られているが、かなり機械化により改善はされてきた。しかしそれを上回るテンポで大規模化が進んだということか。「朝夕の搾乳に10時間、家族3人で年間8千時間という長時間労働になっている」というのが組合長の話。
*酪農の施設整備には1億から1億5千万が必要だという。つまり酪農経営は拡大しなければアウト という世界だ。しかしTPPや日豪EPAなどの外圧は、新規投資をためらわせる に十分なものだ。

いまや海外進出が当たり前となった日本企業だが、通信関連はダメなようだ。

NTTドコモがインド進出を断念し、推定1300億円の損失を計上することになった。一番の打撃はインド政府の政策変更。2012年に時の政府が122件の周波数免許を取り消したことから、経営困難をきたした。

10年前にはアメリカ、ヨーロッパへの進出が失敗し1兆円規模の損失を計上している。

docomo

通信は安全保障と密接に関わっており、各国政府の意向に左右される。インドでも「政府の壁」に阻まれたのは想像に難くない。

米国制覇を狙うソフトバンクは、米携帯3位のスプリントを買収し、同4位のTモバイルとの統合を目指しているが、米司法省幹部が現行4社体制の変更に否定的な見方を示すなど、早くも「壁」に直面しているようだ。

(以上、日経新聞からの転載)

長期金利の低下について、山田記者が要領よく解説してくれている。
1.長期金利が0.9495%まで低下した。これは1年4ヶ月ぶりの低水準だ。
2.これは日銀の国債買いにより、国債価格が上昇しているためだ。
3.現在の国債高は、株価が高いままで国債価格が上昇するという異例の展開だ。普通なら資金が株に向かえば国債の人気は落ち、したがって利率(額面に対する割引率)は上昇するはず。この金融市場バランスが働かないのは異常だ。
4.これは金融市場で金がジャブジャブになっていることの現れだ。麻生財務相も「増えた預金が国債に回っている。明らかにお金が余っている」と述べている。
いわば「異次元の金融緩和」という禁じ手に手を出したことの結果だ。いわば、宇宙飛行士が長期間無重力状態にいて、動けなくなってしまうのと同じ状況が、いずれ発生することになるだろう。
それにしても年金資金による株価維持といい、いまの政府には財政ガバナンスに関する最低限のモラルさえ失せてしまったようだ。

厚労省の勤労統計の6月分が発表になった。
実質賃金は前年同月比マイナス3.2%となった。賃金低下に歯止めが掛からない。
4月、5月より若干持ち直したが、きわめて悪い状況に変わりはない。年収400万の家庭で15万円ほどの減収になる。旦那の小遣い分が消えることになる。
とくに基本賃金と残業代を合わせた「決まって支給する賃金」がマイナス3.8%と著しく低下している。賃金が減っただけではなく、不安定さが増しているわけだ。
名目賃金は1%増だから、物価上昇が効いていることになる。言うまでもなく消費税の直接効果だ。
14salary

GDPイコール国力なのか?

おそらくそう言っていいのだろうし、あえてそれを否定しようとは思わないが、そこにはいくつか国力以外の要素が加味されていることを見ておくべきだろう。

1.国民からの収奪率 2.国民総資産との乖離、過剰投資 3.海外からの所得増による国民総所得との乖離、 4.国内総需要との乖離 5.“侵略”的貿易構造

これらの要因はGDPが成長するときに「負の要素」として増大する。したがってさらなる経済成長にとってのリスク(脆弱性)として作用する。

このリスクは現実の数字ではなく、確率的なものであり、評価は難しい。

本来ならこれらを織り込んだ国民総生産の数字的指標があればよいのだが。

これらは後ほど考察してみたい。

なぜこういうことを考えたかというと下の表である

実質GDP(億ドル)

1930年

1935年

1940年

1945年

日本

1142

1412

2017

987

アメリカ

7692

6998

9308

16466

ドイツ

1652

1746

2428

1946

ソ連

2523

3348

4200

3336

何よりも驚異的なのがアメリカの戦中のGDP成長である。つまりアメリカにはGDPに示されない潜在的な“伸びしろ”があったのだ。

逆の典型が日本で、たしかに空襲で日本全土が廃墟と化した以上、ここまで下がっても良いのだが、実は空襲以前から急収縮していたのである。

1940年

1941年

1942年

1943年

1944年

1945年

2017

2045

2034

2063

1974

987

ドイツはどうか。敗戦前年にピークの2737億ドルを記録しているのである。全土が戦場となった1945年ですら1946億ドルのGDPを維持しているのだ。

いかに日本のGDPが上げ底であったかがわかる。「逆さにしても鼻血も出ない」というのはこういうことを言うのだろう。

衆目の一致するところ、株価は1万4千円が危機ラインだ。
株は、そもそも企業が設備投資のために株式市場から借り入れるための道具だ。
企業の設備投資の裏打ちがあっての高株価には意味がある。それがなければバブルだ。
第2四半期の設備投資は急減している。みんな「消費税は織り込み済み」と強気を装っているが、円安→インフレがそれに乗っかっている。賃金は低下傾向を脱していない。頼みの輸出も伸びない…、となれば後はマインド勝負でしかない。
そのマインドを支えているのが年金運用だ。年金は打ち出の小槌だからいくらでも突っ込める。そこで株価が1万5千円を切ると、口先介入してくる。
このへんの仕組みを赤旗が要領よく説明してくれている。佐久間亮記者の執筆だ。

1.年金運用の仕組み

年金積立金を運用するのは「年金積立金管理運用独立行政法人」という。長ったらしいので英語名の頭文字をとってGPIFと呼ばれる。
GPIFの運用額は130兆円で、世界最大の金融投資家と呼ばれる。
現在は運用額の約6割が国内債(国際と財投債)、残りを国内株、外国債、外国株に当てている。
2.GPIFが運用するようになった経緯
元々、年金積立金は厚生省が集め、大蔵省に運用が委託されていた。大蔵省はこれを財投債を購入するという形で財政投融資に回してきた。
これはアメリカも同じで、公的年j金はすべて財務省証券で運用している。
しかし日本では、2000年に大蔵省委託が廃止され、全面的な市場運用へ転換した。
佐久間記者によれば「信用力を持つ財投債から、元本割れの危険がある株式運用へと道が開かれた」ことになる。
3.GPIFの運用実績
ネットでの実績は、この記事では示されていない。問題は株式導入に伴うリスクの強まりである。
08年のリーマン・ショック時には18兆円の損失を計上している。130兆円の原資に対して14%の損失である。ほかにアジア通貨危機、ITバブル崩壊時にも巨額の損失を出している。
これは保険料引き上げや給付減となって、国民にしわ寄せされている。
4.年金資金の高株価維持への利用
世界最大の金融投資家がシテを勤めれば株価は安定するし、高値維持も可能となる。
アベノミクスはこれを利用し、株価の維持を図ろうとしている。それが、GPIF資金の株式運用比率の増大だ。
現在は国内株の運用比率は12%を基本としている。これを引き上げようというのだ。
やり方は二つある。
一つは運用幅の柔軟化である。12%を基本にプラマイ6%の運用幅が認められているが、これがそろそろ限界に達しつつある。現在の国内株の構成比は16.47%だから、あと1%ちょっとしかない。これでは株価急落時の手当はできない。
もう一つは基本比率そのものを引き上げる方法だ。そこで6月、GPIFの運用委員長が「国内株式の比率は20%でも高すぎない」とアドバルーンをあげた。
さらに今月の10日には、「GPIFが国内株式の保有上限を撤廃した」との報道(日経)が流れた。
5.安倍内閣の政治的利用
安倍内閣は明らかにこの変化を後押ししている。と言うより、阿部内閣そのものが推進役となっているようにみえる。
安部首相は当初年末としていた見直し時期を秋口に前倒しするよう指示した。これにより消費税10%や集団的自衛権関連法案を推進しようとする狙いだという。

人のカネ使って火遊びするとはとんでもない魂胆だ。
個人が401Kに投資するのは自己責任だが、政府は別だ。国家が博打に手を出してどうしようというのだ。
このままでは、いずれ年金はパアになる。なにせ我々が相手にしているのは名にし負う外国ファンドだ。勝てるわけがない。
株価が1万4千円を切れば、ヘッジファンドは一斉に売り浴びせる。円安のもとで7千円くらいまで下げるのは容易なことだ。リーマン・ショックで18兆円の損失、それを上回る損失が出る可能性は十分ある。

本日の赤旗は1,3,5面を使ってGDP大幅減の報道を行っている。
ソースは13日に発表された第2四半期のGDP速報値。
これが実質GDPで前年比マイナス1.7%減となっている。年率換算6.8%減だ。
この“消費税効果”が想定以上であることは内閣府も認めている。
問題はその中身だ。
個人消費は5.0%減、住宅投資が10.3%減、設備投資が2.5%減、この辺りは先日の報道とほぼ同様。
輸出が0.4%減、雇用者報酬が実質1.8%減とこれが最大の問題。
理由はきわめて単純明快だ。
これは1.海外移転路線、2.利益最大化路線、3.内部留保極大化路線のなせる業だ。さらに安倍内閣の国粋主義路線が中国シェアの減少に拍車をかけている。
そしてトドメの一発が消費税増税だ。
結局大企業に首を染め上げられる格好で、日本経済が失速し墜落局面に入りつつあることが示されている。
短期的には、個人消費と設備投資の乖離が今後在庫調整局面に入ることで、9月以降に不況が深刻化していく可能性がある。これは97年の引き上げ時の経過が示している。

マクドナルドは大丈夫か

8月5日の最新発表で、恐ろしい数字が並んだ(赤旗)。

7月度の売上高が前年同月比17.4%の減。これは2002年以来の数字だそうだ。(2002年に何があったかな?)

しかもこれは中国肉の問題だけではない。その前6ヶ月間にわたり前年同期割れが続いている。

客数は9.6%の減。これも15ヶ月連続の減少だ。

客単価は15ヶ月ぶりにマイナスとなった。その額も8.6%減という大幅なものだ。

つまり三大指標のうち売上、客数は中国肉以前からの持ち越しで、かろうじて客単価のアップ経営を支えてきたのが、今回は客単価の大幅ダウンとして影響が出ているということだ。要するに三方ふさがりだ。

客単価の激減は、具体的にはこういうことらしい。ハンバーガーだけでは売上・利益が維持できなくなったマクドナルドの打開策は、ハンバーガーを食べに来た客に「サイドメニューとして「チキン・ナゲット」を提供することだった。

ここにモロに中国肉の影響が来たから、客は来店してもハンバーガーだけ食べて帰ってしまうということだ。

以下が日経(7月29日)のまとめ。

日本マクドナルドの経営環境は厳しい。直近12カ月で既存店売上高が前年実績を上回ったのは今年1月だけ。来店客は14カ月連続のマイナスを記録している。他の外食店やコンビニエンスストアなどに顧客が流れているとみられ、長いトンネルを抜け出せずにいる。

(今度の事件で)が顧客離れや減収が「いつまで続くのか読めない」(今村執行役員)という状況に陥った。

マックといえば米国におけるブラック企業の代表だ。つまり人件費コストはどうやっても削りようがない。

「泥沼がいつまで続くかわからない」のではなく、「会社がいつまで続くかわからない」状況に入ったといえるだろう。

kasanoba

日本マクドナルドホールディングスのカサノバ社長兼CEO

中国肉の不正発覚に際してマクドナルドのカサノバCEOは「悪意を持った数人の従業員によるものだ。だまされたと思うし大変な憤りを感じる」と語ったが、どうせやばいのを承知で使ったに違いない。憤るのなら自らに憤るべきだ。


ところであの勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論 でお馴染みの原田社長はどこへ行ったのか。

この人、巷間では

「60秒ルール」(60秒で商品を提供できなかったら、次回は無料)で現場を混乱の渦に突き落とし、「名ばかり管理職」という流行語を生みだし、マクドナルドの売り上げをどんどん低落させ続けてるにもかかわららず、1億円以上の報酬をぼったくる社長

として有名なようだ。

ウィキペディアで調べると、3月に更迭されたようだ。そして、今度は6月に、今をときめくベネッセホールディングスの代表取締役会長兼社長に就任している。

マクドナルドをやめた理由

行きすぎたFC化が弊害も生み、訴訟に発展した。
幹部級の人材の流出も相次いだ。同社が強みとしていた現場力も低下した。
2013年1-9月累計の利益は前年同期比39.1%減の108億円に落ち込んだ。

時期的に見れば、中国肉購入の責任はモロに原田氏にあるといえるようだ。

大きな組織というのは何事もコストとして切り詰め、絞りに絞ればそれなりに「成果」は出るものだ。それが絞り尽くされた時、「最期の日」がやってくる。

原田氏の名が「A級戦犯」として関係者の記憶に留められることは間違いがなさそうだ。

日産自動車の見通しが暗い

「変貌する経済」という連載記事で、日産自動車の苦境が明らかにされている。

目下、日産は「日産パワー88」なる目標を掲げている。営業利益率8%、ターゲット市場占有率8%を達成するというものだが、実際には2期連続で中間決算を下方修正している。13年度決算はかろうじて増収増益は保ったものの、円安効果を除けば実質減益だった。

円安効果は一過性のものであり、このままではそのツケが14年度決算に持ち越されることになる。

理由ははっきりしていて「技術の日産」が技術を失ったからだ。ゴーン社長が技術スタッフまで大規模削減をおこない、大量の人材が流出した。

「テクニカル・センターのスタッフ1万人のうち3千人が派遣社員。開発部門の中枢に派遣を入れているのは日産だけ」という証言がある。

しかも09年、日産はその技術派遣3千人をいっせいに契約解除した。

もはや日産にヒット商品を生み出す力はない。日産の首脳は株価の維持しか念頭になく、そのつけを払わされる日は近いという。

民主党政権時代に、消費税引き上げを無理やり押し通したのだが、その時の最大のお題目が財政再建だった。
これは財務省サイドからの圧力だったようで、議論はある意味で消費税増税による歳入増加と、内需の冷え込みによる歳入減のどちらが効いてくるかというところに集中していたように思う。
一方で、財界の要求を飲んで法人税の減税をやるということの矛盾も、激しく衝かれたところだ。
ただ与謝野にしても、曲がりなりにも財政再建を錦の御旗に掲げていたから、それなりに真面目な政策論争ではあった。
それが、どういうことだ。
内閣府の試算は、「20年度にプライマリー・バランスを黒字化する」目標を投げ捨ててしまったようだ。
ということで、赤旗の主張が厳しく非難している。

とりあえずそこに示されたファクツをいくつかあげておく。

1.日本の財政の現状
歳入の4割が借入金。つまりプライマリーバランスはマイナス40%ということになる。
公債の発行残高は1千兆円。これはGDPの2倍。
2.中期財政計画
安倍政権発足時に策定されたもので、事実上の国際公約。
「20年度に国と地方の基礎的財政収支:プライマリー・バランスを黒字化する」ことを目標に掲げる。
3.内閣府の試算
今月、内閣府が経済財政諮問会議に示した中長期の経済財政試算。
20年度で財政赤字は11兆円残る。これはGDPの1.8%に相当。
4.さらなる消費税引き上げしかない
11兆円をすべて消費税で穴埋めし、かつ法人税をこれ以上引き下げない場合、税率アップは4%となる。

ということで、これ以上については勉強してみないとわからない。
ただ、論建ては多少おかしなところがある。
まず、現在の数字からどうやってマイナス11兆円のレベルまで持って行こうとするのか、そこが見えない。その際に公債の発行残高がどうなるのかもわからない。
いろんなレベルの数字がごっちゃになって提示されているため、どこがどうひどいのかが見えてこない。
私のような素人にも分かるよう、もう少し整理した提示をすべきだろう。

日銀短観に関する報道では、赤旗はWSJに大きく水を開けられた。

赤旗の見出しは「景況感6期ぶり悪化  消費税増税の反動減響く」となっており、いささか緊迫感に乏しい。

記事もまとまりなく数字が並ぶだけで、インパクトは感じられない。

たしかに日銀短観というのはただのアンケート調査で企業マインドを知るだけのものだ.おそらく赤旗はあまりこのデータを重視していないのかもしれない。

以下は、日本版WSJ記事の要約

1.全国企業短期経済観測調査(短観)は、消費税引き上げを受けて日本企業が感じている逆風を最もよく示す調査とみられる。

2.6月の短観は、増税により企業の見通しが急激に悪化したことを示唆した。駆け込み需要の恩恵を最も受けた自動車メーカーの業況判断は特に大きく低下した。

3.増税で消費が抑制され、政府支出にも一服感が出てきており、輸出が低調ななか、設備投資は日本経済の数少ない好調な分野だった。大企業の設備投資計画は7.4%増に達した。この数字は2007年の6月調査以来の高さだ。

4.6月短観の数字は、増税にもかかわらず景気は総じて堅調との見方に疑問を投げかけた。今後、設備投資や雇用の改善の持続性に対する疑問が浮上する可能性がある。


ということで、経済成長のカギを握るのが、外需、内需、公共投資、設備投資の4本柱とすれば、目下唯一の頼みの綱が設備投資であるということだ。

そして、設備投資額を支配する「企業マインド」が、消費税増税後の個人消費の冷え込みをどう見るかということだ。

そして、それ次第では経済収縮に向かいかねないという状況になっているということだ。

それらを見ているからこそ、WSJは日銀短観の動向にきわめて神経質になっている。この辺りの感覚が赤旗の経済部には不足しているのかもしれない。

昨日の消費支出激減の背景だが、実質賃金が低下し続けていることが大きい。
世の中景気が良くなって賃金が上がっているような宣伝が振りまかれているが、現実はそれとは逆の徴候を示している。
団塊世代の定年退職の影響が大きいのかと思ったが、昨年の4,5月はわずかながら上昇している。
いずれにせよ高齢化社会は貧困化社会、重税社会、低保障社会と裏表になって進行していることが分かる。
jissitutinginnsuii
なお、注目すべきは4月5月の下げ幅が一挙に増大していることであるが、この原因については、記事では触れられていない。


いよいよ本格的に消費税の引き上げ効果が現れてきたようだ。
5月消費動向
総務省の家計調査から、前年同月比の推移を見たグラフで、前年パターンが分からないとイマイチピンと来ないが、もしフラットだと仮定すれば、3月の駆け込み支出分は5月1ヶ月で食ってしまったことになる。
企業がどのくらい在庫調整できたかにもよるが、6月以降は深刻な過剰在庫を抱え、生産がストップする事態が予想される。
たとえば自動車生産は5月には前年比+6.1%を記録している。これは受注残効果によるものだ。にもかかわらず全体として-8%なのだ。
住宅着工はすでに5月-15%を記録している。自動車生産がマイナスに転じれば、トータルで-10%を割り込むのは必至と見てよい。
もちろん、いずれ増勢に転じることは明らかであるが、問題はそれまで中小・地場産業が持つかどうかだ。1997年と比べ明らかにこれらの企業の地力は低下している。とくに人件費コストの削減をギリギリまでやって来たため、転嫁先がないことが決定的だ。
いまでさえ、建設特需と公共投資でやっと維持している状況だ。1ヶ所大手が潰れると、たちまち連鎖の波が全土を襲いかねない。

こんなブログがありました。皆さんどう思いますか?

1. 日本の財政が危機的な状態になったら、IMFが入ってくる。IMFが入ってくれば、「日本は48兆円の歳入しかないのだから、48兆円し か使ってはいけない」というのが最初の指導だと思います。

2.収入に見合った、身の丈に合った生活しかできないのは、家庭では当たり前のことです。

3.年金や健康 保険などの社会保障費は、全部カットされてしまうかもしれません。そうなると国民は苦しい生活を強いられます。

格差是正を旗印にする分配システムが成り立っていたのは、48兆円の歳入に対して92兆円も使っていたからです。年金や国家公務員の 給料、子ども手当や健康保険、介護保険等々、手厚く政府が金をばら撒いていたからできたことなのです。

4.年金や健康保険等がすべてなくなった時、きっと国民 全体が「平等に貧乏になった」ことには耐えられないと気づくのだと思う。

5.そこで日本人は社会主義的国家では駄目だと気がつくと思います。

ここで初めて資本主義的国家の重要性に気づくと思う。IMFの手助けがあって、初 めて日本は「規制がなく、小さな政府、機会平等の税制」の資本主義国家に変わると思う。

6.その結果、競争も激しくなるでしょうし、終身雇用制も崩壊するで しょう。しかしながら、市場原理が働くようになり、日本は実体経済に合った為替レベルになる。

7.こうなると、企業は欧米並みの純利益をあげることができ、法人税収も増える。日本は財政破綻した結果、「創造的破壊」を経て、回復する。


結局トリクルダウン理論のネガティブ版なのですね。

高度成長の時は「もっと働け、そうすれば企業は儲かり、それがみんなにも滴り落ちてくるのだ」といって労働を煽ったわけです。それが「明るい未来」を提示できなくなったために、「働かないと恐ろしい地獄が待っているぞ」と脅かすわけです。

結局本音は最後の「企業は欧米並みの純利益をあげることができ」というあたりに集約するのですが、「法人税収も増える」というのは、言っている本人がかなり苦しいのではないでしょうか。

1~7は企業性善説と庶民性悪説を前提にしているわけですが、今や企業性善説を前提にすること自体、ほとんど漫画の世界でしょう。

いっぽう、庶民性悪説については今後とも繰り返し現れてくる可能性があり、これへの切り返し論理は絶えず研ぎ澄ましていかなければならないでしょう。

生活保護を悪人にしたり、朝鮮人をいじめたり、年寄りを年金泥棒と呼んだり、とにかく形を変えていろいろ出てきます。

「狼生きろ、豚は死ね」と叫ぶ「豚」がこれ以上増えないように祈るばかりです。


ところで「狼生きろ、豚は死ね」というのは石原慎太郎の書いた芝居です。この「豚」は一切を頬被りして青畳の上で往生するつもりのようです。


もう一つ、大変気分の悪いニュース。
トヨタが5年間のあいだ1文の法人税も払っていないという話。社長が自ら喋ったんだからこれ以上確かなことはない。
5年前にゼロになったのはリーマンショックのため。たしかに大幅な赤字を計上した。だから利益に課せられる法人税型だというのは納得できる。
しかしその後の業績は殆ど奇跡的と言っていいくらいで、世界で1千万台を売り上げるところまで伸ばしているのは周知の通り。
5年間の累積利益は2兆円(連結)に達している。
そこで腹が立つのが株主配当だ。なんと1兆円を超えているのだ。これは泥棒ではないか。税金逃れのからくりは別に考えるとして、これが税金泥棒でなくてなんなのだ。
計算してみよう。
1兆円の配当を受取る富裕層は、普通なら所得税で40%を超える税額になる。ところが配当でもらえば20%だ。つまり富裕層は1兆円の4割4千億円を支払うべきところ2割の2千億円で済ましていることになる。トヨタだけでこれだけなら、おそらくこの「合法的な脱税」額は1兆円を降らないだろう。

こういうどろぼう連中が日本の政治を握って、若者に「国のためだ、死んでこい」という政治をつくろうと企んでいると思うと、なおさらに腹が立つ。
「国民のためなら、考えなくもないが、お前らのために死ぬのはまっぴらだ。お前らが死んでくれれば、いっそそのほうがスッキリする」


収入源、物価上昇(消費税分も含めた)と並んでもう一つの重要な数字が4.6%である。
これは、97年の消費税引き上げ時と比べることで意味を持ってくる。ここは“あのNHK”がしっかりチェックしていた。
増税後の落ち込みとしては、消費税率が5%に引き上げられた平成9年4月のマイナス1%を大きく上回っていますNHK ニュースWEB)

同じ30日に同じ総務省が発表した4月の全国消費者物価指数


 総務省が30日発表した4月の全国消費者物価指数(2010年=100)は、値動きの大きい「生鮮食品を除く総合」が103・0と、前年同月に比べ3・2%上昇した。

 消費税率引き上げの影響が反映されており、上昇率はバブル経済期の1991年2月(3・2%)以来、23年2か月ぶりの高さとなった。

 消費者物価指数の上昇は11か月連続だ。日本銀行は消費税率引 き上げによる消費者物価指数への影響を1・7ポイントと試算している。この増税分を除くと、上昇率は1・5%程度となり、3月(1・3%上昇)より0・2 ポイント程度拡大したとみられる。増税分の価格転嫁に加え、物価の上昇基調も続いていることを示した形だ。

 3月に比べて上昇率が大きかったのは、ペットフードや冷蔵庫、チーズなど。燃料価格の上昇により、ガソリンや電気代の上昇も目立った。

 家計の実感に近い「生鮮食品を含む総合」は3・4%の上昇。物価の基調を見る上で重要な「食料・エネルギーを除く総合」は2・3%の上昇だった。(読売新聞)

阿修羅にはこんな投稿があった。「遂にスタグフレーション突入へ!

これがマイナス7.1%の根拠。


総務省は30日、4月の家計調査報告を発表した。2人以上の勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり46万3964円で、前年の同じ月と比べ、マイナス7.1%。昨年10月以来、7か月連続の実質減少となった。

同省の発表によると、勤労者世帯の収入は、昨年10月〜今年2月まで、前年同月比でマイナス1%程度で推移。しかし、3月は3.3%、4月は7.1%となり、減少率が拡大している。

一方、同じく2人以上の勤労者世帯の消費支出をみると、 4月は1世帯当たり30万2141円。3月と比べ実質13.3%も減少し、消費税率の引き上げで消費を控えた様子がうかがえた。


ウーム、何が起きているのだろう。

収入が7%減って消費税が3%増えれば、なんと1割も減ったことになる。正社員の給料がまさか1年で7%も減ることはないし、非正規の人の収入はこれ以上減らせないほど少ないのだから、正社員が減ったこと以外には考えられない。

解説したものを少し探してみよう。


とグーグルしてみたが、まったくない。これだけ衝撃的な数字なのに、何故1本もないのだ。






待っていた消費税アップ後の数字が出てきた。
本日の経済面から。
appugo
前年同期との比較なので、他の要素もかなり加わっている。ちょっと解釈が難しいところがあるが、存外に消費が落ち込んでいないことが分かる。鉱工業生産指数が落ちていないのは公共投資による建設景気と輸出産業の堅調によるものであろう。
この表は消費税引き上げの影響調査というよりは、むしろこの1年間のマクロの変化として読んだほうが良いのかもしれない。
もっとも顕著なのは、勤労者世帯の実収入の低下である。顕著すぎる!
団塊の世代が65歳を過ぎていよいよ年金生活に入ったということなのだろうか。
どこから持ってきた数字か分からないが、もし本当ならもう少しパニックになっても良いのでは、と思う。




「ポジションをとる」ってどういう意味?

むかしは株屋とか相場師なんて言うものは、縁なき衆生であった。もちろん主要な理由はこちらにカネがないからであるが、証券市場などというものは鉄火場の如きものであり、そこで金の遣り取りをするのは命の遣り取りをするようなもので、素人が手を出してはいけないものと考えられていた。

まぁヤクザの親戚筋みたいなものである。堅気のお金持ちは信託銀行で国債とか社債を買うか、貯蓄型の生命保険を積み増すかという具合だった。

あとは飛行機の優待券が欲しくてJALの株をもったり、映画の優待券が欲しくて映画会社の株をもったりという話はあった。

おやじが死んだときに、製鉄会社や自動車会社の株が出てきて驚いた憶えがある。多少は上がっていたようだ。

しかし最近ではそうも行かなくなってきた。株屋が世界を動かすような時勢になってきたからである。

リーマンが良い例で、大げさに言えば株屋が一つ倒産しただけで、世界がひっくり返って、ギリシャやスペインでは若者の半分が失業という状態になってしまった。

だから自分で株をやらなくても、経済学の一分野として、イロイロと勉強しなければならない。


前置きが長くなったが、リーマン・ブラザーズという会社を調べるうちに、「ポジションをとる」という言葉が頻出する。これが良くわからない。

[i Finance」というサイトに「金融用語集」というページがあって、そこではこう書いてある。

ポジションは、マーケット取引において、投資家やディーラーなどがどのような「買い建て(買い越し)」または「売り建て(売り越し)」を行っているかという持ち高状況のことをいう。

さて分からない。

ポジションには3つあるそうで

・買い越し状態:買いポジション(ロングポジション)
・売り越し状態:売りポジション(ショートポジション)
・ポジションを取っていない状態:スクエア

なのだそうだ。

つまり、これは相場師にしか意味のない言葉だと分かる。普通の人は空売りなどに手を出さないからである。

それで、“ポジションをとる”というのは、新しく売り買いをすることなのだそうだ。つまり鉄火場に足を踏み入れて、どこに座るかという話だ。

大体が証券市場なんていうものは鉄火場みたいなものだから、博打に比べてみると分かりやすいのかもしれない。

「輸出価格が下がらない」というのは、「エコノミスト」の受け売りのようだ。

週刊「エコノミスト」の4月1日号「特集:景気大失速 輸出」で日鉄住金総研チーフエコノミストの北井さんという人が、「景気の牽引役はもはや無理 円安が進んでも輸出は増えない」というレポートを書いている。

そのなかで、

円安が進んだわりになぜ輸出が増えていないのか。その理由は三つ指摘できる。①輸出価格の設定方法の変化、②製造業の海外生産シフト、③新興国を中心とした外需の低迷──だ。

と書いてある。(以下お読みになりたい方はご購読を)ということで、中身はわからない。阿修羅あたりでコピペしてくれないかな。

これは、日銀の石田審議委員も指摘している。

輸出物価の変動幅が円相場の変動幅に比べ、小さい。円安に振れた割には価格が下がっていない。…一部の企業においてマージンを第1で、数量を第2にしている

内閣府が発表した「日本の活力の発揮に向けて」というレポートでは、

(3)企業の価格設定行動(輸出品を例に)

付加価値生産性を高めるには、販売価格の設定も重要である。

我が国企業の輸出については、これまで、為替が円安方向に変化した際に、現地販売価格(ドル建価格)を引き下げて、販売数量を拡大しようとする価格設定行動がみられた。

しかし、2012年11月以降の輸出価格の動きをみると、現地価格の引下げは抑え(円建輸出価格を引き上げて)、収益を拡大する傾向が出てきている。

下の図は財務省「貿易統計」、内閣府「景気動向指数」「企業行動に関するアンケート調査」、日本銀行、IMF、OECDにより作成したもの

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以前であれば5%程度を戻しても、残りは価格引き下げに回し、シェア拡大を計った。しかし今回は15%を利益確定してしまっている。

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しかし実績の輸出数量は、価格設定要因だけでは説明出来ない伸び悩みを示している。これは海外需要の弱さ等を示唆している。


といったあたりが、輸出価格の高止まりをしめすデータ。ただこういった企業行動の背景に踏み込んで、データで示した資料はなく、ブログ主の推量のみ。

私が想像するには、たとえば自動車だったら、現地生産の自社製品とのバッティングを恐れているのではないだろうかということだ。念頭にあるのは日本のことより我が社のことだ。だとすればずいぶんケツの穴の小さい話ということになるが…

赤旗で「なるほどけいざい」というシリーズが始まったが、出だしから不調だ。
今回は貿易赤字についてだが、雑然としていて、締りがない。
とにかく貿易赤字をバフラっと考えてもしかたがないわけで、原油問題、円安問題、構造問題と最低でも3つに分けて考えなければならない。さらに中国問題は特別に章立てして論じなければならない。
とりわけ問題となるのが構造問題であろう。円安でも輸出が伸びない問題と、国内産業の空洞化をもっと有機的に関連付けなければならない。それでないと説得力をもって政策転換を迫る材料とはならない。

本日の記事では、工藤昌宏さんという経済学者が「輸出の弱まり」の4つの要因を上げている。
1.大企業による生産拠点の海外移転。
2.大企業の利益優先体質で円安でも輸出価格が下がらないこと。
3.日本企業の技術競争力・コスト競争力の低下
4.海外市場の停滞
を上げている。
このなかで2.項が初耳だが、具体的にわからない。少し根拠になる数字を上げてもらいたい。
ドル表示価格が下がっていないということだろうが、どの産業分野で、なぜ下げないのか、下げないでもやっていけるのか、なぜそれが利益優先体質に基づいているといえるのか、などがわからない。



日商の早期景観調査がかなりやばい

消費税引き上げの影響がどう出てきたか、ひとつの結果が発表された。

日本商工会議所の4月早期景気観測調査というもので、3千あまりの企業にイエスかノーかの回答を求めるもの。調査機関は4月第三週の1週間。

ここで出てきた数字は「業況DI」というもので、「良くなった」企業と「悪くなった」企業の割合の差し引きである。

ということで結果を見ると、マイナス14%と出ている。

「そんなものかね」と思ったが、業種別に見ると小売業がマイナス38%だ。最終消費場面ががくんと下がったことになる。

中間消費は、これを見越して2月辺りから減らしているから、これで川下まで達したことになる。

それで、今度はこれが川上に遡って行くわけだが、最終消費の4割減が生産活動にどれだけの影響をあたえるのか、検討もつかない。

企業にとっては生産の落ち込みもさることながら、仕入れコストの上昇が響いてくるだろう。

ということで、5~7月見通しでは「業況DI」はマイナス28%と大幅な低下が予想されている。

そこで日商の評価だが、

1.負担増加分の価格転嫁が進んでいない

2.受注減少や消費意欲の低下は長期化する可能性がある

3.取引先からのコストダウン要請がさらに強まる

と、きわめてシビアーだ。

それにしても経団連ならともかく、中小企業団体である日商がどうして消費税に賛成したのかが良くわからない。

そもそも東芝の社長がどうして会長を勤めるのかもわからない。

中小企業こそ最大の被害者なのだが。

本日の赤旗で、資本金の規模別に見た実効法人税率(12年度)を報道している。

共産党佐々木議員の要請に応じて国税庁が試算したものだから、権威のあるデータだ。おそらく赤旗しか載らないデータであろう。

houjinzeiritu


資本金10億円を境にして明らかに税率が低減する。

とくに連結法人の合法的“税金逃れ”が著しい。

赤旗では、この節税手口が二つあるとしている。

一つは研究開発減税。12年度の研究開発減税が2650億円、その81%が資本金10億円以上の大企業を対象としている。

そしてもうひとつは海外子会社配当益金の不算入。これは外国子会社から受け取る配当などの95%を非課税とするもので、空洞化を促進するばかりで、優遇そのものが不当なものだ。

これが総額3兆5千億円。その95%が資本金10億円以上の大企業に適用されている。


ちょっと計算してみよう。

10億円以上の企業は約5800社ある。これは全法人企業の0.3%に相当する。

この会社に研究開発減税と海外配当益金の不算入がどのくらい恩恵を及ばすかだ。

<(2650 x 0.81)+(35000 x 0.95)>/ 5800 = 6.1億円だ。

資本金10億以上の会社には、国が毎年6億円づつくれてやっていることになる。確かに企業にフレンドリーな国だ。

つぎに連結法人だが、12年度末で443社ある。そのうち370社が売り上げ100億以上である。

この連中が定率だとしても半分、累進性を念頭に置けば、2/3の税金を「節税」という名の合法的猫ばばしていることになる。

ただそれが幾らかを計算できるデータはない。

本日の一面トップがこのグラフ

このグラフ自体は現在の年齢別賃金格差を並べただけのもの。これを一生涯の賃金カーブと仮定した上で、以下の見出しをつけている。

正規と比較 生涯賃金(本紙試算)

非正規雇用は1億円以上低い

派遣法大改悪で貧困拡大

ネタはお馴染みの「賃金構造基本統計調査」


tinginkakusa

この試算では、フルタイムに当たる「一般労働者」について、年齢ごとの平均年収を比較し、「生涯賃金」として集計している。

一つのモデルとして考えておくべきだろうが、これで固定されていくとなると、たしかにえらいことになる。

試算では正規雇用の生涯賃金が2億2千万円、非正規では1億2千万円となる。要するに半分ということだ。

しかも現役時代の賃金は年金給付額に反映されるため、格差はさらに拡大する。

これが政府が若者に提示する日本の未来像だ。若者はこれを受け入れるのだろうか。


これはグーグル・パブリック・データからとったもの。

こういうサイトがあったのだ。信用という点では問題ないだろうと思う。後で詳しく見ることにしよう。とりあえず、


meimokugdp


GDP


国債取引不成立に関する日経の報道。

日銀が国債の発行額の約7割を買いまくった。その結果、市場参加者同士の売買が細り、流動性が低下している。

ある大手証券のディーラーは「取引しようにも上司の決裁がもらえない状態」と打ち明けた。

「表面的には金利は低位安定して見えるが、市場機能は弱っていて、ショックがあれば金利は急騰しかねない」との懸念が示されている。

ということで、どうも日銀にとては想定内の経過といえるようだ。

バキュームカーで国債を吸い取れば、国内に国債は存在しなくなる。そうすれば国債市場も消失する。

ひとつは、財務省の国債発行権限が無力化する。国債発行を通じて日本経済の調整を図ろうとする財務省のアイテムは失われたに等しい。

もうひとつは、国債を買い取っては日銀に売り利ざやを稼ぐという、民間銀行の安易な手段はもはや使えないということだ。

そうすると、日銀に積み上げられた膨大な当座預金をどう運用するかという決断が迫られることになる。「いつまでも左うちわでは暮らせないよ」ということだ。

そこでいよいよ当座預金を動かす。投資先はおおまかに言って3つある。国内の生産的投資、不動産等の投機的投資、そして外債買いだ。最初の二つの可能性は低い。したがってその多くが外債買いに回ることになる。

それが日本経済にとってどういう意味を持つのかがよく分からない。はっきりしているのは、決して良いことにはならないということだろう。

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