年末に各社が2014年十大ニュースを特集している。

この内読売は

エボラ、「セウォル」号沈没、マララさんのノーベル賞、ウクライナ(これは4位にマレーシア機撃墜、5位にクリミア編入が入っているから、合わせれば1位となるかもしれない)、以下イスラム国、米中間選挙、マレーシア機失踪、香港デモ、スコットランドと続く。

さらに番外としてパキスタンの学童虐殺、キューバ国交正常化へ、北朝鮮のサイバー攻撃が入る。

この時点ではロシア経済危機や原油暴落はまだ入ってこない。慰安婦は国内に行っているかもしれない。ガザへの認識は薄い。アフリカ(サブサハラ)は視野に入っていない。

ル・モンド日本語版の見出しを見ると、

ロシアのウクライナ侵略と西側との対決、チュニジア・リビア・エジプトの混乱、安倍政権の本質、租税回避などがあげられている。

ニューズウィークでは

南シナ海問題、アフガン撤退後問題、イラン核協議、第2ラウンドに入った中南米革新政権も取り上げられているが、一つの事件とするにはスパンが長過ぎるかも知れない。

いくつかのカテゴリーにくくってみると、

中東問題:

もっとも問題が山積している。イスラエルはガザで虐殺を行い入植地を拡大しつつある。シリア内戦、リビアの混乱はまだ収拾がついていない。アフガンのめども立っていない。そのなかで米国の庇護を受けた超封建的システムがのうのうと生き続けている。

イスラム国はそこから生まれたあぶくのようなものだ。

私は、80年代はじめからの経過のなかで、政治原理としてのイスラミズムの無力さが証明されたのだろうと思う。やはり諸国家が民族自決を確立するところから出発する以外にないと思っている。

その上で、諸国家が連帯してイスラエルを外交的に包囲していく以外にないだろう。すなわち国家原理としてのイスラミズムの放棄だ。

ロシア問題:

今世紀に入ってからのロシアの好況は原油と天然ガスによるものだった。OPECの寡占体制に楔を打ち込むことによって、アウトサイダーとしての優位性を利用してシェアを拡大した。

天然資源に頼る経済発展は、国内産業構造を著しく脆弱にする。農業は競争力を失い、第二次産業も基幹部分は外国資本に握られるようになる。それが資源に頼る経済構造のツケだ。

おそらくその焦りが無理な膨張政策となって暴発したのだろうが、それはかなり高いツケを払わされることになるだろう。

これまで外貨をしっかり溜め込んでいたから、しばらくは持つかもしれないが、原油安とルーブル安が続けば、いずれは困難に直面することになる。悪夢の1998年が再現しない保障はない。

EU経済:

ツィプラスの言うごとく、ユーロ圏は貧しい南部と豊かな北部の対抗という図式から、ドイツ対それ以外すべての国の対立という構図に変わりつつある。

2年前にはユーロ圏からの脱退の脅しで抑えこみに成功したが、状況は改善するどころか、ますます悪化しつつある。今度はユーロシステムそのものの危機となるであろう。

12年にはフランスがドイツと妥協する形で事態が収拾されたが、もはやフランスにそのような選択肢は残されていないだろう。ドイツにもそこまで面倒見る余力はない。

経済の悪化の直接の影響は青年層を直撃している。これが極右やテロリストなど社会不安となり、いまや時限爆弾と化しつつある。

2年前にスティグリッツが提起した欧州債などのプランが、今度は本気で検討されなければならなくなるだろう。

さらに、事実上金融市場を支配するユーロダラーとの真正面からの対決も視野に入れなければならなくなるだろう。