鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

カテゴリ: 71 音楽(クラシック以外)

(49)白い小鳩 (Palomita blanca)

HP: 出だしはなんということのないポルカ調のバンドネオン演奏ですが、中間部から突如として乗りの良いワルツに代わっていって、最後には結構盛り上がるという演奏です。

"Palomita blanca" Alberto Marino y Floreal Ruìz (imàgenes)

トロイロ楽団の演奏で、男性歌手二人の重唱です。とりあえず定番です。HPのお勧めのセステート・マヨールはありません。

Palomita Blanca - Ignacio Corsini (1929)

イグナシオ・コルシーニの歌はたいてい駄作ですが、時々特大のホームランをかっ飛ばします。これがそのひとつです。

Horacio Salgan y Ubaldo De Lio. Palomita blanca.

とても定番とはいえませんが、サルガンはいつもスリリングです。

Palomita Blanca - Daniel Adaro (2007)

いつもはギター独奏というとそれだけでパスするのですが、これは良いです。リズムの崩れがない。音がしっかり出ている。ファンホ・ドミンゲスだけがギターではないということがわかります。

PALOMITA BLANCA / CARLOS GARDEL

ガルデルの歌です。それなりの水準でしょうが、セステート・マヨールの演奏を聞いた後ではつまらない曲に聞こえてしまいます。

Palomita Blanca

なにやら良くわからない演奏ですが、不思議に説得力があります。Maria Estela Monti という歌手のようです。

Bachata - "Palomita Blanca" - Juan Luis Guerra

同名異曲です。フアン・ルイス・ゲーラがバチャータのリズムに乗せて歌います。雰囲気は出ていますが、名曲かと言われると…

(50)ブエノスアイレスの夏 (Verano porteno)

ついに半分まで来ました。

「夏」はさまざまな演奏が流布し、あたかもピアソラの代表曲かのように取り上げられています。セステート・マヨールは、最近の流行からするとやや遅めのテンポで、じっくりと内声部も聞かせています。派手ではありませんが、飽きの来ない演奏といえるでしょう。

Christiaan van Hemert with strings - Verano Porteño

これはクラシック風ですがすごい迫力です。音が厚いし録音もそれを捕まえています。

Bandoneon Tango "Verano Porteño" Piazzolla & Jaurena

これもすごい演奏です。ラウル・フアレーナというバンドネオン奏者を中心とするカルテートですが、9分30秒という長さを感じさせません。バンドネオンからこれだけ表現力を引き出した演奏はそうはないでしょう。音も盗み撮りライブにしては上等です。

Astor Piazzolla - Verano Porteno

72年、ピアソラのイタリアでのライブ録音版です。ライブと言っても隠し撮りではなくしっかりとした音源です。しかしながら、まだ磨かれた演奏とはいえません。

Astor Piazzolla "Verano Porteño" en el Teatro Colón.

これはすごい演奏です。Grabado en vivo el 11 de junio de 1983. とありますから、軍政末期のライブ録音です。まるで弾圧犠牲者への鎮魂歌のようです。

Verano Porteño - Astor Piazzolla - Tango

東京でのライブです。どうもタンゴバンドは日本にくると俄然張り切るようです。スアレス・パスのバイオリンにパブロ・シーグレルのピアノですから、組み合わせも最高です。
いっちゃぁ悪いんでしょうけど、これでバンドネオンがピアソラでなければもっと良かったな。

VERANO PORTEÑO

Baires Quinteto というグループの演奏ですが、これがうまい。すでにピアソラを古典として受け入れた世代の演奏でしょう。

Verano Porteño by Astor Piazzolla

これも名演でしょうね。しかしやはりピアニストの衣装にどうしても目が行ってしまいます。

Verano Porteño (Piazzolla) - Ryota Komatsu

これは明らかにやりすぎです。とくにバイオリンの姉さん、はしゃぎすぎ。これはロックの世界です。

Osvaldo Pugliese y su Orquesta Típica - Verano Porteño

御大プグリエセがどうこの曲を料理するか見ものでしたが、案の定もてあましているようです。


(45)酒宴の一夜 (Una Noche De Garufa)

HPでは「知らない曲だったのですが、録音が余りにも良いのでつい聞いてしまいます」と書いています。これはキンテート・ピリンチョの演奏のことです。

UNA NOCHE DE GARUFA

こちらはサッソーネ楽団の演奏。親父ギャクではないが颯爽としています。

una noche de garufa-carlos di sarli


録音が悪いせいもあって、ちょっと冴えませんね。

youtubeにはこれしかありません。ピリンチョもありません。さびしい限りです。

(46)ミロンガのすすり泣くとき (Cuando Llora La Milonga)

HP: この演奏(ロドルフォ・ビアジ楽団)は、まさに掘り出し物です。「すすり泣き」といっても日本人の泣き方とはぜんぜん違います。この演奏については、石川さんの紹介にも載っていないし、「めったに歌われないが歌詞もある」というその歌がついているのも価値があります。

Bandoneon Homenaje al Maestro Marcos Madrigal "Cuando llora la milonga" Tango

ビアジ楽団の演奏はありませんが、代わりにこれがよい演奏です。楽団名は良くわかりません。

CUANDO LLORA LA MILONGA

サッソーネ楽団の演奏で、無難な演奏で音もそれなりに良くて、一応お勧め版です。

CUANDO LLORA LA MILONGA

と言いつつ、ガルデルも歌っています。

Bandoneon Tango "Cuando LLora la Milonga" Hugo del Carril

くせがあってあまり好きになれない演奏です。

Francisco Lomuto - Cuando Llora La Milonga - Tango

古い録音で、あえて取り上げるほどの演奏ではなさそうです。



(43)ラ・ジュンバ  (La Yumba)

石川さんによると、ラ・ジュンバとは「タンゴのリズムの擬声語」のことだそうです。これだけバイオリンを打楽器扱いされると、バイオリニストは腹が立ってくるのではないでしょうか。レコードで聞くのと実際に生で聞く印象は相当違うかも知れません。

Osvaldo Pugliese - La Yumba

120番目でようやく見つけました。プグリエセのLP版の音源です。他のプグリエセはひどい録音か、“らくだのかんかんのう”で聞くに堪えません。コロール・タンゴの盗み撮りもありますが、手抜き演奏です。

Orquesta Escuela de Tango Emilio Balcarce en Chaillot-Paris 2008 "La Y

パリでのライブ演奏です。大規模な編成ですが、プグリエセ張りのスタッカートが効いています。

La yumba

これはしっとりとした演奏で意外と掘り出し物です。Denis Plante plays Pugliese's Yumba with a string quartet というクレジットが入っています。

La yumba - Ernesto Baffa.wmv

これも掘り出し物、といっては天下のバッファに対して失礼か。古きよき時代のタンゴのにおいがする。プグリエセやピアソラなんてタンゴじゃないよ、とつぶやいているのが聞こえるようだ。

"la yumba" por Quinteto Bordonero

バンドネオン、バイオリン、コントラバスにギター二挺という変わった編成のグループだ。ピアノは無しで、ちょっと古風な響きがする。腕は一流だ。コントラバス叩きの名人技もしっかりとやっている。

(44)エントレリオスの人 (El Entrerriano)

HP: エントレリアーノといえばアニバル・トロイロが定番だが、ピリンチョの演奏は、さまざまな旋律をくっきりと浮かび上がらせ、この曲の隠れた良さを引き出していると思います。トロイロの演奏ももう少し録音が良いと対旋律や低音部の流れが分かるのでしょうが。

EL ENTRERRIANO.wmv

これがカナロのキンテート・ピリンチョによる演奏。トロイロ楽団の演奏はアップロードされていない。

Beltango & Carlos Buono - El Entrerriano

カルロス・ブオノの演奏だが、えらく端折った演奏だ。

ORQUESTA OSVALDO FRESEDO - EL ENTRERIANO - TANGO

悪くはないが、なにせ1927年の録音で標準的音源とはいえない。

(41)メクラの雄鶏 (Gallo Ciego)

HP: 石川さんの曲目紹介から引用すると、「昔の子供の遊びの名前らしい。なんでも生きた鶏を首だけ出して地面に埋め、目隠しをしてそれを棒で叩くスイカ割りのようなものだという」というコワい遊びです。

Forever Tango Gallo Ciego 01 Argentine TangoDance

さすがフォアレバータンゴ、youtubeでは最良の演奏と思います。

TANGO ARGENTINO GALLO CIEGO COLOR TANGO TOLOSA

ところがご本尊のコロ-ルタンゴまでお出ましです。

Orquesta Tipica del Maestro Leopoldo Federico - Gallo Ciego

実はこの演奏に意外に感動したのです。真昼間、野外、観衆は数千というタンゴに最も似つかわしくない環境で、バイオリン・バンドネオンなど十数人の演奏です。にもかかわらず演奏は、間違いなくタンゴしています。

Juan Manuel Silveyra en Cuarteto: "Gallo Ciego"

好きな演奏ではないが、変に納得させられる。アコースティックギター2本に電気ギターのバス。なのにシルベイラのバンドネオンが他を圧倒する音量で、いかにも作り物の印象。名のに変に納得させられる。そういう迫力のある演奏。

(47)ラ・カチーラ (La Cachila)

石川さんによると「題意は不明だが女性のあだ名だとされている」そうです。

LA CACHILA

ディサルリの演奏。これがカチーラなんです。最近の演奏は、聞いていてこれって何の曲? と思ってしまいます。セステートがキンテートになりカルテートになりトリオになりデュオになりと減らして行くたびに指の間から抜けていくものがあるっていうことに気づいてくださいよ。

12 Tangos - La Cachila performed by Libertella, Borda, Giunta, Schissi


ホセ・リベルテーラらのキンテートによる演奏です。たしかに名演なのでしょうが、正直あまり面白くありません。

Cuarteto SolTango - La Cachila (Carlos Di Sarli)

これも水準の高い演奏です。しかしクラシック音楽みたいで、ディサルリの「泣き」が入りません。

Nada Mas Trio - La Cachila by Eduardo Arolas

これはフランスのグル-プでしょうか。上と同じ感想です。

Milonga La Cachila

絵は素人のタンゴで、クレジットには誰の演奏かも示されませんが、良い演奏です。プグリエセでしょうか。かなり盛大な針音です。




(39)チケ (Chique)

LAS ESTRELLAS DE BUENOS AIRES - CHIQUE - TANGO

実はここまで、ホームページのタンゴ百選に載せながらジャンプした曲がいくつかある。つまりはyoutubeにまともな音源がないからだ。チケも跳ばそうと思ったが辛うじてこの音源が聞ける。プグリエセの音源は音が聞くに堪えないのと、85年のライブということで、衰えがひどいので、とても採用できない。
ちなみにチケはフランス語のシック(上品)のスペイン語読み。“お高くとまったやつ”みたいにも使われるよう。

(40)別れ (El Adios)

el adios.avi

Ivana Fortunati という女性歌手、情感をこめて、しかし過剰にならず歌いこんでいる。絵は見ないほうが良い。

RUBEN JUAREZ "EL ADIOS"

くどいのは嫌いだが、このくらいは味付けしないとタンゴ・カンシオンにはならない。

El Adios- Edgardo Donato y sus Muchachos

きわめておとなしい演奏で、味も素っ気もない。ドナートには新録音もあって、そちらはもっと情感があるはずだが、どうしてこれをアップしたのかわからない。ほかにイグナシオ・コルシーニの歌もあるが、どうしてレコーディングしたのかわからない。

EL ADIOS - TANGO - A.VARGAS.wmv

ダゴスティーニョ=バルガスのおしゃれな演奏。しかしあまり迫力はない。

Bandoneon Solo Tango Estudio "El Adios".

これはカナロの演奏。

それにしても、チケといい、エル・アディオスといい、youtubeではプグリエセは不遇だ。ピアソラばかりがなぜもてる。

Quiero emborrachar mi corazón (私の心を酔わせたい)
para apagar un loco amor (馬鹿な恋を消し去るために)
que más que amor es un sufrir... (それは恋というより苦しみ)


Y aquí vengo para eso, (だからここに来たの)
a borrar antiguos besos (キスの跡を消すために)
en los besos de otras bocas... (何処かの誰かのキスの跡)


Si su amor fue "flor de un día" (彼の愛が“一夜だけの花”なら)
¿porqué causa es siempre mía (私はどうしていつまでも)
esa cruel preocupación? (辛くて怖くているの)


Quiero por los dos mi copa alzar (二人のために乾杯したい)
para olvidar mi obstinación (こだわりを忘れるために)
y más la vuelvo a recordar. (でも、もっと記憶がよみがえる)



Nostalgias (思い出す)
de escuchar su risa loca (彼の狂ったような笑いを)
y sentir junto a mi boca (そして彼の吐息で)
como un fuego su respiración. (私の唇に火を点けて)


Angustia (辛いわ)
de sentirme abandonado (捨てられたと感じて)
y pensar que otro a su lado (誰かのことを思っていると知って)
pronto... pronto le hablará de amor... (愛を語ってすぐに、すぐに)


¡Hermano! (お兄さん)
Yo no quiero rebajarme, (私は自分を惨めにしたくはないわ)
ni pedirle, ni llorarle, (聞きたくもない、わめきたくもない)
ni decirle que no puedo más vivir... (だから彼に、もうこれっきりだって言ったの)


Desde mi triste soledad veré caer (悲しくてさびしくて)
las rosas muertas de mi juventud. (私の青春は“死んだバラ”になったの)



Gime, bandoneón, tu tango gris, (泣いてよバンドネオン、あんたの悲しいタンゴ)
quizá a ti te hiera igual (あんたも悲しいだろう)
algún amor sentimental... (それも悲しい恋だろう)


Llora mi alma de fantoche (気取り屋の私の心が泣いている)
sola y triste en esta noche, (一人ぼっちの寂しい今夜)
noche negra y sin estrellas... (星も見えない暗い夜)


Si las copas traen consuelo (飲んで気持ちが晴れるなら)
aquí estoy con mi desvelo (眠れない夜は、また来るわ)
para ahogarlos de una vez... (悲しみをみんな背負い込んで)


Quiero emborrachar mi corazón (私の心を酔わせたい)
para después poder brindar (だから乾杯するの)
"por los fracasos del amor"... (“私の失恋万歳”って) 


英語からの重訳のため、かなり誤りがあるかと思います。

それにしてもポルテーニョというのは我々とは異質の人種です。自己チュウののめり込みというか、良く言えば芸術家タイプというか、感性がまったく異なる。これはラテンアメリカのほかの国の人にとっても同じようです。メキシコの唐辛子料理と並んでラテンアメリカ七不思議です。

(37)ラ・クンパルシータ (La Cumparsita)

HP: ラジオ・タンゴにはこの曲だけで40種類ほどの演奏があります。しかし同工異曲の感を免れません。この曲は率直に言ってそれほどの曲ではないのではと思えます。何かひとつ足りない、そこをミゲル・モンテーロは懸命に模索しています。そこに共感しました。

…と書きましたが、ミゲル・モンテロは歌手で、楽団のリーダーではありません。クンパルシータをどこの楽団と歌ったのかは不明です。ずいぶん人気があったようで、プグリエセ、ホセ・バッソなど一流どころを網羅しています。

Orquesta Matos Rodríguez - La Cumparsita

これは素晴らしいクンパルシータです。モンテビデオでのライブの録音でやや音質は悪いのですが演奏には熱気があります。こんな立派な演奏でいいのかなと、恐れ入ってしまいます。

Tango Uruguayo - La Cumparsita

これも良い演奏です。遅いテンポで一つ一つの音に陰影をつけながらロマンチックなクンパルシータに仕上げています。どうもこの曲、ウルグアイ人には特別な思いがあるようです。

TANGO FIRE - La Cumparsita

これも演奏、音質とも良い。タンゴ舞踊団のツァーに随行した5重奏団です。臨時編成のようでグループ名はないようですが、かなりの腕っこきです。チューリッヒでのスタジオライブで、ライセンスをとったきちっとした映像です。
それにしても、前でうろちょろする連中、うざったいですね。

ラ・クンパルシータ La Cumparsita - Ryota Komatsu

普通は日本人の演奏というとそれだけで敬遠するのですが、どうもこの人のコンフントはケタが違うようで、間違いなく世界一流です。バイオリンの出来にはムラがあるようですが。

Juan D'Arienzo - La Cumparsita

これがクンパルシータの定番でしょう。歌つきもありますが、この曲には歌はいらないような気がします。

Tangos Argentinos Famosos : "LA CUMPARSITA" J. Basso y "QUEJAS

ホセ・バッソの上品でちょっとセンチメンタルな演奏。ダリエンソよりお勧め。なおこのファイルにはトロイロのケハス・デ・バンドネオンがカプリングされており、非常に高音質。この曲のトップに薦めたい。

Carlos Gardel - La Cumparsita - Tango

歌入り演奏としては定番です。

Tango uruguayo: 'La Cumparsita'

ダゴスティーニョ楽団の演奏、アンヘル・バルガスの歌ということで、ごく普通なのだが、うp主のコメント(英語)が面白い。We should be just and fair という書き出しで、実はこれがウルグアイ・タンゴなのだということを力説している。そしてここで歌っているのが最初のクンパルシータにつけられた歌詞なのだと説明し、これはウルグアイ・タンゴのハイムンなのだと結んで居る。

Julio Sosa - La Cumparsita

何とすべて語り、一節も歌わないという“演奏”。さすがにうっとうしい。

La Cumparsita Pugliese (Cantado y Recitado).mpg

これもフリオ・ソーサと五十歩百歩。プグリエセの演奏は良いのだが。

La Cumparsita Carlos Lázzari en el Cafe de los Maestros Juán D'Arien

大楽団による演奏ですが、どことなく緊張が感じられません。現役引退組の同窓会のようです。

Horacio Salgán - La Cumparsita

オラシオ・サルガンのお宝映像。相当大がかりなオルケスタだが、サルガンは楽団員には目もくれずひたすらピアノに没頭している。しかもモダンジャズでも演奏しているようにリズムは崩すはアドリブは入れるはで大変。団員はしらけて見るからにおざなりの演奏。かわいそうなのがダンサーで、まったくのれないままに「あんたがた何してるの」といわんばかりの視線を浴びてカーテンの奥にひっこむというしだい。
これではいかに才能あるピアニストといっても持ちませんね。

Becho Eizmendi - La Cumparsita

ベチョというバイオリン弾きが実在していたとは知らなかった。これはベチョの演奏したクンパルシータ。腕のほうは、まぁこんなものでしょう。Carlos Julio Eizmendi, conocido como "Becho", eximio violinista uruguayo で、 Alfredo Zitarrosa の canción "El violín de Becho" のモデルだ。
El violín de Becho は Mercedes Sosa - El violín de becho でお聞きください。

(42)郷愁 (Nostalgias)

HP: もう10年も前にキューバのエレーナ・ブルケという歌手が来ました。出不精の私が滝川まで車を飛ばし「追っかけ」をやりました。その数年前、ハバナで買ったCDで、「ノスタルヒア」を聞いたのが忘れられなかったのです。これがフィーリンでなくタンゴだと知ったときは驚きました。

Nostalgia - Elena Burke

これがそのエレーナ・ブルケの歌。

Nostalgias - Tango Loco - Katie Viqueira

聞き終わって、思わず拍手してしまいました。たぶん会場の雰囲気が良かったんでしょうね。ノスタルヒアスは郷愁と訳すのはピンと来ません。メランコリアというか、Blue_s に近いと思います。ビケリアはそういう感じで歌っています。

NOSTALGIA VALERIA LYNCH TANGO ARGENTINO

女声ではこれも良い。というよりこちらが楷書の正統派だろう。マリア・グラーニャは期待はずれ。

Pasion Vega- Nostalgia

激しく胃もたれのする歌唱。たしかに歌詞からするとこれもありだが、浪華ド演歌の世界だ。

Hugo del Carril - Nostalgias (tango)

演奏も良いし音も良い。この歌で大事なのは、タンゴはみなそうなのかもしれないが、凛とした雰囲気だ。

Nostalgias - Tango - Charlo

…といったら、凛としたところなどひとつもない、小粋なだけがとりえの演奏で、これがまた、案外良い。前言は撤回せねばなるまい。まぁいろいろあらぁな。

NOSTALGIAS. (tango en piano)

ピアノ独奏でいい感じだが、演奏者の名がない。前後の関係から言うとリチャード・クレイダーマンかも知れない。

Graciela Susana グラシエラスサーナ Nostalgias ノスタルジア Tango

これもお宝映像だろう。グラシエラ・スサーナが姉のクリスティーナとデュエットしている。グラシエラがギターを弾きながらメロディーラインを、クリスティーナがなんと三度下で合わしている。ただし録音はひどい。


(35)タンゲーラ (Tanguera)

HP: 日本語題の「タンゴの好きなお嬢さん」は間違いで、「タンゴ的なもの」という抽象名詞なんだそうです。そのように石川さんがモレスの意向を伝えています。コンチネンタル・タンゴのような曲です。作曲者による演奏ですが、もっと良い演奏・録音があるかもしれません。

TANGUERA-Sexteto Mayor

なんだかんだと言いつつも、やはりセステート・マヨールはタンゴのひとつの規範です。本物の音を聞かせてくれます。

Tanguera. Mariano Mores. 1957

これが作者自身の演奏です。57年の録音というとこんなものでしょうか。リマスターすればもう少し良くなるかもしれません。

Tanguera

若手の演奏だ。ものすごい迫力だが抵抗感も強い。とにかく録音は抜群だ。

Orquesta Tipica Carlos Figari - Tanguera - Tango.

標準的な演奏ですが、うp主のかなり使い込んだLP盤を再生した音源なのかノイズは相当気になります

Zoe Tiganouria - Tanguera

ムード音楽風に聞くなら、こちらのほうが音が良いだけましでしょう。バンドネオンがないのが寂しい感じですが。

Forever Tango - Tanguera

フォーレバータンゴの演奏は少し期待はずれでした。

Apología Tanguera - Edmundo Rivero

タンゲーラとはまったく関係ない曲だが、たまたまひっかかって、すごくいい。タンゴではなくミロンガ風のフォルクローレという感じ。昔の録音だが音質は信じられないほど良い。

(36)ブエノスアイレスの喫茶店 (Cafetin De Buenos Aires)

カフェティンというと小さな喫茶店だが、歌詞を見ると、どうも喫茶店というよりは酒場です。そこが青春のたまり場で、昔の仲間の名前が思い出されて… これは男にしか歌えない歌のようです。

Cafetin de Buenos Aires - Edmundo Rivero

これが歌の演奏としては定番。ただしこの曲はみんな歌っている。

cafetin de buenos aires

ゴジェネチェも良い。ただしもうひとつの音源は音割れがひどい。

SARITA MONTIEL - CAFETIN DE BUENOS AIRES - TANGO.wmv

お気に入りのサリータ・モンティエルも不発だ。どうも女性に向いてない曲のようだ。ネリ・オマールの歌は盛りを過ぎている。スサナ・リナルディの音源は二種類あるが、いずれも臭い。ビルヒニア・ルケは論外、ということで女声はみんなペケ。

Pepe Guerra - Cafetin De Buenos Aires - Tango

これが思わぬ拾いもの。フォルクローレのようだ。シタローサに似ている。

CAFETIN DE BUENOS AIRES

コロール・タンゴの演奏にアベル・コルドバの歌ということだが、期待はずれ。音も割れている。いっそ歌などないほうが良かった。




(33)狂った女 (Loca)

HP: ダリエンソはよほど録音に恵まれませんでした。ステレオ初期の録音ですら、間の抜けた干からびた音しかとれていません。ところがどういうわけか、この録音だけがダイナミックレンジもしっかりとれたハイファイ録音です。モノーラルですが、ダリエンソただひとつのお勧め曲です

"Loca" par "Ojos de Tango de Analía Goldberg

ダリエンソの音源もあるのだが、音がひどく悪い。これは若手グループのライブ録音。さほどのものではないが、ほかにめぼしいものもないので。

Quinteto Don Pancho - Carlos Gardel - Loca - Tango

ドン・パンチョはカナロの編成した五重奏団。ピリンチョの前の名前のようだ。この演奏とガルデルの歌がセットで聞けるファイルだ。どちらも悪くはないが、ちょっと物足りない。。

Bandoneon Tango "Loca" Libertad Lamarque

ラマルケのロカならそのまんまだろうと思ったが、意外と上品で迫力に乏しい。

Bandoneon Tango Loca - Juancito Diaz piano.avi


番外という扱いになるが、映画の一こまで、いかにもという雰囲気は出ている。

Lina Avellaneda-Comparsa Loca-

これはまったく別の曲。歌がうまいから載せておくだけ。どうでも良いが、この人、ルックスはいただけない。

(34)人は (Uno)

HP: 良い曲で好きな曲でもありますが、大声張り上げて朗々とやられると、結構うっとうしい曲でもあります。マリア・グラーナも声は張り上げていますが、あと一歩で下品になる寸前のところで立ち止まっています。伴奏もなかなか良いです。

"Uno" - Martirio.

一瞬ファドを聞いている気分です。まったく異端の演奏ですが、あまりにも素晴らしいのでトップにあげます。写真を見ると盲目の歌手のようですが、一つ一つの音をいとおしみながら紡ぎ出しています。それにギターがすごい。絶頂期のバーデン・パウエルの泣き節です。así como la guitarra de Raúl Rodriguez どこかにsu hijoと書いてあった気がしましたが、いまは見当たりません。

Edmundo Rivero UNO Tango de Mores y Discépolo

一応これが定番でしょう。バックもトロイロ楽団です。なお同じトロイロ楽団でゴジェネチェの音源もありますが、相当うっとうしいです。

Tangos Argentinos Famosos : "UNO" canta JULIO SOSA


こちらのほうが上品ですが、好みの分かれるところでしょう。

Valeria Lynch - Uno

女声の定番ならこちら。実にうまい。品も良い。しかしこの演奏が240番目に出てくるとは、いったいどうなっているのでしょう。

UNO-CALLEJERA -TANGO-ABEL CORDOBA-OSVALDO PUGLIESE

これはアベル・コルドバというよりプグリエセの名演を聞く演奏でしょう。なんとステレオです。

Sara Montiel - Mi último tango - Uno


映画の一こまで短いショットですが、“タンタ・トライシオン”あたりいい雰囲気です。この歌手良いですね。ふと「黄色いリボン」のモーリン・オハラを思い出します。

"Uno" (Tango) Norma Silva

なんともシンプルな歌いっぷりだが、それなりの味はある。

UNO (Tango) de MARIANO MORES

チェロ(ミゲル・アンヘル・ナバロ)とピアノのデュオ。シンプルだがなかなか良い。この曲は意外とシンプルに行くのがよいのかもしれない。

(31)エル・チョクロ (El Choclo)

HP: もちろんラ・クンパルシータと並ぶ超有名曲で、演奏もピンからキリまでごまんとあります。私はソブラール(Jorge Sobral)という人の歌を初めて聞いたのですが、余りにもうまいので、ついほかの定番演奏を全部捨ててこちらにしてしまいました。

Jorge Sobralで検索をかけたら、それはない。その代わり下り坂(Cuesta Abajo)が大変良い。曲名検索でどうしてこの演奏が引っかからなかったのでしょう?

Su majestad el tango. "El choclo" - 07/09/11
一応これが定盤でしょう。Tita Mercello という歌手のある種の“臭み”がこの曲にぴったりはまって痛快です。


TITA MERELLO - EL CHOCLO
おなじ顔ぶれで、テレビ番組の録画音源のようです。あばずれ女の雰囲気が出ています。

el choclo - juan d'arienzo
しかしこちらも棄てがたい。ただしこちらは歌抜き。

LIBERTAD LAMARQUE " EL CHOCLO "
さすがリベルタ・ラマルケ、見事な歌唱です。しかし Tita Mercello を聴いてしまうと…

El Choclo - Orchestra Ensemble Lalo Schifrin
音は最高です。演奏も水準以上です。


EL CHOCLO
これはピアノ独奏で、MITI DEL TANGOというグループのピアニストが演奏している。クラシック風で気持ちのよい演奏だ。

MARIA GRAÑA- DOMINGO CURA- EL CHOCLO.wmv
マリア・グラーニャの歌で、伴奏は打楽器のみという変わった演奏。けっこう迫力あります。

Violentango - El Choclo (con intro)
バンドネオンとギター二丁の演奏だが、味わい深く聞き応えがある

Tango Project: El Choclo (Villoldo, 1903) - Recorded in 1981
名前からするとアメリカのグループのようだが、端正な演奏だ。


Bandoneon Tango "El Choclo" Raul Jaurena y su orquesta en Montevide
バンドネオンとピアノのデュオ。いい演奏だが、残念ながらライブ版で音が割れている。

Sexteto Mayor - El Choclo
大変立派な演奏ですが、この曲はそんな立派な曲ではありません。料理のしかたを間違えたのでは?


Carlos Di Sarli - El Choclo
ディサルリも悪くありません。しかしどうしてみんなバイア・ブランカに聞こえてしまうのでしょうか。

Tango Argentino - El Choclo, 1929
オルケスタ・ティピカ・ビクトルのおっとりとした上品な演奏です。それ以上のものではありません。

ROBERTO FIRPO - EL CHOCLO
これも似たような演奏です。
結局この曲はティタ・メルセロ以降、性格が変わってしまったのかもしれません。

TANGO入門(2) 4楽団によるエル・チョクロ EL CHOCLO(A ...
例によってISHIZAKI さんのてんこ盛りサービス。ディ・サルリ楽団、ダリエンソ楽団、ピリンチ­ョ五重奏団、サッソーネ楽団の4楽団の演奏が一度に聴けるファイル。


Angel Vargas - Angel D'agostino - El Choclo
チョッと冴えない演奏です。アンヘル・バルガスはちょっと都会的な歌のほうが良いみたいです。自分の楽団をバックにした演奏もありますが、こちらはスカ。

Tango "El Choclo" , por la Orquesta Típica LOS REYES DEL TANGO
この楽団はタンゴからエスプリを抜いた搾りかすみたいな演奏をします。音は良いのですが。

El choclo. Astor Piazzolla.
これも面白くもなんともない演奏です。




EL CHOCLO - VIRGINIA LUQUE
クサい曲ならあうかと思ったが、だめでした。スサナ・リナルディもこの歌にはあいません。

El Choclo
エルチョクロをテーマにしたデスカルガといったところですが、なかなか面白い。ただし音は貧しい。ほかにエル・アランケの演奏もあって期待してみたのですが、会場での盗み撮りで音質は評価以前のものです。

素晴らしい歌手を見つけました。Graciela Figari という名です。今や日本でも珍しいほどの反っ歯。エルチョクロも良いが、音は最悪。名前で検索してひとつだけまともな音源を見つけました。Una làgrima - Graciela Figari ぜひ聞いてやってください。


(32)ナイフで一突き (La Punalada)

HP: もっとも危険な題名のミロンガ。トロイロ楽団のオリジナルだが、どういうわけかダリエンソの十八番。この演奏はホセシート・パセという名前がクレジットされている。ピアノ・バイオリン・バンドネオンの三重奏。ピアノがなかなか良い音を出している。ステレオ初期の録音か、意外に音が悪い。リマスターして欲しい演奏。

La puñalada Sexteto Mayor

セステート・マヨール会心の演奏ではないか。オーソドックスではないが、重くならず、臭くならず、この曲の良さを見事に引き出している。

Tango Uruguayo "la Puñalada" interpreta Carlos lázzari

これも甲乙つけがたい。

Bandoneon Tango "La puñalada" version Uruguaya


ヨウツベではお馴染みのorquesta Matos Rodriguezの演奏。さほど迫力があるわけではないが安心して聞ける。音も良い。

la puñalada - juan d'arienzo

ダリエンソ楽団の演奏。この曲の演奏のスタンダードといえる。

La Punalada - Milonga on EMG gramophone

これはダリエンソを聞くというよりはEMGグラモフォンを聞く音源。高音の伸びには舌を巻く。アナログ録音は無限の可能性を秘めているということがわかる。

La puñalada - C. Angeleri / G. Beytelmann

こいつはすごい。Gustavo Beytelmann : Piano César Angeleri : Guitarra Studio de l´Ermitage, Paris 2010 という説明が着いている。ジャズのインプロヴィゼーションだ。

La Trampera ( Anibal Troilo) - La Puñalada


Tangos Montevideoというトリオの演奏。音は良いがそれなりの演奏。バンドネオンとギターにウッドベースの組み合わせではこんなものでしょう。

Las Guitarras de Oro - La Puñalada (tango milonga)

ギタートリオの演奏。それなりに面白い。






(29)ラ・モローチャ (La Morocha)

HP: 歌入りの演奏もあって、捨てがたいのですが、エクトル・バレーラのバランスのとれた品の良い演奏が光ります。モローチャは褐色の肌の女性のことで、ムラータという表現と近いのかもしれません。

Víctor Lavallén Quinteto.Japón 2010.La Morocha ( Villoldo-Saborido)

エクトル・バレーラの演奏はなさそうです。代わりにこんな音源がありました。日本でのコンサートの録画のようです。この曲は歌なしのほうが良さそうな気がします。

LIBERTAD LAMARQUE " LA MOROCHA "

映画の音しかありませんが、一応これが定番です。

Tango Uruguayan "La Morocha" - Francisco Canaro

カナロ楽団をバックにアダ・ファルコンが歌っています。SP盤をそのまま再生した音源です。

Bandoneon Tango "La Morocha" Virginia Luque

ビルヒニア・ルケ若かりし頃の映画のシーンです。むかしは美人で、歌にもそれほど癖がなかったようです。彼女はこの歌を十八番にしているようで、ほかにもいくつか音源がありますが、いずれも腐臭が漂い聞くに耐えません。なれ鮨がお好きな人にはお勧めです。

SABINA OLMOS ''LA MOROCHA'' orchestra Charlo.wmv

これは案外雰囲気が出ていて良いです。中間のミロンガ調のところがいまひとつ乗りが悪いのが惜しまれます。

Carlos Di Sarli-La Morocha


良くも悪しくもディサルリのラ・モローチャです。

Ranko Fujisawa - La Morocha

ロリータ・トレスの歌もアップされていますが、それくらいならこちらのほうがまだ綺麗で良い。

Voleos e Adornos - La Morocha

番外ですが、変な一人踊りの伴奏にレコードをかけているのですが、この演奏が良い。誰の演奏でしょうか? ダリエンソっぽいのですが…

Fumio Nanri - INDIANA

番外の番外。これは肩の力が抜けて、惚れ惚れするほどうまい(トランペット以外)。ギターの沢田駿吾は、30年前六本木のジャズ酒場で聴いて、あまりのうまさに感動して、楽屋までサインをもらいに行った記憶があります。

(30)淡き光に (A Media Luz)

HP: ちょっとタンゴをかじった人なら、ラ・クンパルシータよりこちらのほうが人気が高いでしょう。「こりえんてー、れくぁとろおーちょ」と聞くと、それだけでゾクッとくるほどです。ホセ・バッソが一番とは思えませんが、とりあえずラジオ・タンゴの録音ではこれくらいしかないので。

LIBERTAD LAMARQUE - A MEDIA LUZ (1925)

このリベルタ・ラマルケは絶品です。地でやってるみたいな雰囲気を漂わせています。

¿Carlos Gardel? - A media luz

不思議な演奏です。クレジットにはガルデルの歌と書いてあって、たしかにガルデルっぽいのですが、ステレオです。おそらく合成したものと思われます。ラテンアメリカではよくある手法です。

Bandoneon Tango "A media luz" version Uruguaya

160番目に登場するファイルですが、演奏、音質ともにトップレベルです。歌詞が出てくるので、カラオケ代わりにもなります。

PEDRO MESIAS " A MEDIA LUZ"

この音源はなんと240番目に出てきました。歌なしですが、よい演奏です。

A Media Luz - Fulvio Salamanca Y Su Orchestra

なんでこれが280番目なんだ? ええかげんにせぇ!

Héctor Varela - Lesica - Ledesma - A Media luz


エクトル・バレラ楽団の演奏で歌手はロドルフォ・レシカ。地味だが飽きの来ない標準的な演奏。

A media luz Nina Miranda.mpg

ラシアッティ楽団の演奏で歌がニニャ・ミランダ。恐ろしく速いテンポだが、さすがに歌い切っている。

Tango Project: A Media Luz (Donato, 1925)

これもクラシック音楽を聞く気分の演奏。しかしもうちょっと艶があってもよいのではと思う。

Pilar Arcos - A media luz

相当物好きの類になるが、この歌手はうまい。さすがにこの録音はひどいが、フマンド・エスペロは聞く価値がある。トド・タンゴによれば、1893年ハバナの生まれでマドリドの音楽院を卒業した後ニューヨークで活躍。フレセド楽団をバックにタンゴも歌った。

Bianco-Bachicha : A Media Luz

「Chanté par César Alberu Orchestre Argentin Bianco-Bachicha 品川さんのレコード棚より」 というクレジットがついています。そうとう崩した歌い方ですが、崩し方がポルテーニョっぽい。品川さん、ビクトローラで再生しているところがにくい。音質もよくおすすめです。

A MEDIA LUZ
Anna Maria Castelli という歌手が歌っています、シャンソンの語法です。ルイス・バカロフというピアノ弾きの爺さんが良い。

Pureza Natural - A Media Luz (Live)

これは同名異曲です。しかしものすごくイイ! リズム的には昔で言うファンキーになるのでしょうか。しかし演奏はクールです。



(27)ブエノスアイレスの冬 (Invierno porteno)

HP: ピアソラにはクラシックの演奏家が多くチャレンジしていますが、その中ではクレーメルが出色です。これはクラシックのアンコール曲といわれてもまったく分かりません。ビバルディ「四季・冬」の一節が織り交ぜられるのは、好みが分かれるでしょう。少し音量を上げて聞いたほうが良いです。

とにかくピアソラはやたらに多いのです。世界中でせっせと演奏してはうpしまくっています。

Invierno Porteño .wmv

ピアソラの自演だけでもいくつかのバージョンがあるようですが、これが一番聴きやすいです。少し編成が大きいようです。

Astor Piazzolla - Invierno Porteno (Buenos Aires Winter) (live)

これはライブ録音でLP盤を再生したファイルです。ジーグラーのピアノに、スアレス・パスのバイオリンですから、比較的最近のものでしょう。演奏は最高、プチ・ノイズはあるものの音質も最高です。(オリジナルのCD版は意外に冴えません。演奏を重ねるうちにだんだんこなれていったのでしょう)

Gidon Kremer - Piazzolla Seasons (Winter)

これがクレーメルの演奏です。ほかに日本でのコンサートをビデオでエアチェックしたものもありますが、音質の劣化がかなり激しい。

Trio Addendum - A.Piazzolla: Invierno Porteño

掘り出し物。横綱審議会ではないが技量・品格ともに素晴らしい。音質も最高だ。

Quartetto Pessoa & Leandro Piccioni - Astor Piazzolla - Invierno Porteñ

これも名演奏。ピアソラの角を取って、とげを抜いて、丸くして、徹底的にカンタービレ。イタリア名画のテーマ曲のように聞こえる。しかしピアソラが聞いたら、これは俺の曲ではないというかもしれない。

Giancarlo Guarino Conductor: Las Cuatro Estaciones Portenas: Invierno

これも絶品。トレントというおそらくは田舎町の室内コンサート。ギターがめちゃうまい。第一バイオリンのパートに美人がいて、バンドネオンのあんちゃんが流し目を送ったりするシーンが良い。せっかくの名演奏なのに女の子は父さんの肩に寄りかかって爆睡。

Invierno Porteno

これも掘り出し物。Trio Siciliano al Teatro Coccia Novara と書いてある。ブエノスアイレスという町はシシリアの先にあるのだなと実感させる。たしかにセステート・マヨールの演奏はまるで曲にあっていない(音があまりにひどいのでリンクはせず)。

Arminda Canteros, pianist, plays Invierno Porteño by Astor Piazzolla

これも掘り出し物。ただしピアノ独奏で独自の編曲、だいぶ短縮されている。英語の解説がついていて、アルゼンチンの田舎で活動するピアニストらしい。いい雰囲気だ。

Astor Piazzolla - Invierno Porteño - Giorgio Zagnoni *** Salvatore Fiume

これも良い。フルートがバイオリンのパートを吹いているのだが、徹底的に低音勝負で、尺八を聴いている気分だ。

Astor Piazzolla - Invierno Porteño - Quartetto Fernando Suarez

若手の腕っこきを集めたのだろうが、スアレスがわがままに弾いてアンザンブルを台無しにしている。

(28)パリのカナロ ( Canaro En Paris)

HP: 名曲・名演・名録音の極致です。わたしはこの曲がアルゼンチンタンゴのベストワンだと思っていますが、それだけに良い演奏もたくさんあって選択に迷います。その中で Gran Quinteto Real の演奏がベストだと思っています。SP盤もなかなか風情はあるのでしょうが、こういう録音を聞いてしまうと…

Quinteto Real / Canaro En París

その演奏がアップされているが、音がひどすぎる。もうひとつの音源もあるが、こちらはピアノが完全にいかれている。

Bandoneon Tango "Canaro en Paris" Vale Tango

とりあえずお勧めとしてはこんなところか、オルケスタ・ミロンガの演奏。胸のすく怪演とは行かないが…

JUAN D ARIENZO CANARO EN PARIS TANGOS EN BS AS


ダリエンソの演奏。標準的なものですが… なお日本でのコンサートのビデオがアップされているが、残念ながら音はお勧めできない。。

El Arranque - Canaro En Paris

と、いささか萎えた気分で聴いてきたら、これにあたりました。4分41秒の熱演。これはとりあえず一番のお勧めです。

Sexteto Mayor - Canaro en Paris

といっているうちに本命盤が出てきた。これで決まり。それにしてもYOUTUBEはデフォルトの「関連度」で検索しているとダメだということが分かってきた。

canaro en paris

Grupo El Caburé という若手グループのデモテープみたいなものだが、なかなかうまい。

Los Hermanos Macana and QuinTango: Canaro en Paris

これは番外。見て楽しむタンゴ。

Canaro en Paris- El turco con Adolfo Beron.avi

ギターのデュオでかなり曲がカットされているが、颯爽とした演奏。

それにしても、キンテート・レアルは抜群です。そのうちホームページのほうにアップしますので乞うご期待。



(25)バンドネオンの嘆き (Quejas De Bandoneon)

アルゼンチン・タンゴ屈指の名曲です。これもカナロが一番とはいえない曲ですが、トロイロ楽団風の演奏に飽きたということですか。あぁ、元はこういう曲だったのか、と納得する演奏です。

YOUTUBEにはトロイロの演奏が2バージョンありますが、音質は似たり寄ったりで、ひどいものです。カナロの演奏はありません。

QUEJAS DE BANDONEON

と、書いたら、カナロがありました。

Quejas de bandoneon - Forever Tango - Yanina y Eric 2009


フォーレバー・タンゴの良い演奏がありました。

Orquesta Típica Sabor A Tango - Quejas De Bandoneón (Juan de Dios F

これも良い演奏ですが、コンサートの非公式録画のようで、残念ながら音質はかなり悪いです。

Esteban Morgado Cuarteto - Quejas de bandoneón

これも掘り出し物のひとつ。「バンドネオンの嘆き」をテーマにジャムセッションを展開している風ですが、大筋は踏み外しません。アコースティック・ギターがロス・プリモス張りの演歌を織り込むのが新鮮です。

Quejas de Bandoneon

これも掘り出し物。sexteto juan carlos sabatino の演奏で、バイオリンが弱いですが、全体としては十分水準を行っています。

Julio de Caro - Quejas de bandoneón

フリオ・デ・カロの演奏もありました。エル・アマネセルを聞いているような雰囲気です。

Carlos Di Sarli - Quejas De Bandoneon

全編見事にディサルリ節。こうまでして聞きたくはない。

ORQUESTA de A. Piazzolla 1946/48 Quejas de Bandoneón


こういう演奏もあるよ、ということであげただけ。オルケスタ時代のピアソラは面白くもなんともない演奏で、採りあげる価値なし。


(26) ガウチョの嘆き (Sentimiento Gaucho)

いろいろな楽団が演奏していますが、遅めのテンポでリズムをしっかり踏んでいくカナロの演奏が一番納得させられます。録音もSPとしては良好で、バイオリンの「さび」が効いています。

Sentimiento Gaucho - Alberto Arenas

これがその演奏ですが、ウP主は手持ちのLPをそのまま再生していて、ディスクの状態がかなり悪い。ほかに誰かウPしてくれていないか探してみます。

SENTIMIENTO GAUCHO,JUAN D'ARIENZO - OSVALDO RAMOS

この演奏を聴いたら、カナロなどどうでもよくなりました。オスバルド・ラモスの美声も冴えています。ただ冒頭のピアノの乱れはどうしてそのままなのか?

TANGO入門(16)ガウチョの嘆きSENTIMIENTO GAUCHO(F.Canaro) ...

これを聞いたら、上記の感想はそのまま取り下げです。カナロがステレオで聴けるというだけでも夢のようなのに、61年の録音というのに音質がすごい。あの当時の日本の録音技術は決してほめられたものではないはず。奇跡としか言いようがない。 ishizakiyoshifumi のお宝音源でしょうか。感謝

SENTIMIENTO GAUCHO


ガルデルの初期の録音のようです。抑えた表現が哀切を浮かび上がらせる名演です。

CARLOS GARDEL - SENTIMIENTO GAUCHO (1925).

こちらが新しいほうの録音です。歌い方の基本は同じですが、音質の違いなのか、前者のほうがしっとりした感じです。

JORGE "CHE" SARELI - SENTIMIENTO GAUCHO

あまり聞いたことのない歌手だが、過不足なく歌い上げていて、安心して聞ける。

LIBERTAD LAMARQUE "SENTIMIENTO GAUCHO"


うまいが品がない、美空ひばりと同じです。曲によっては名唱となるが、これはどちらかと言えばスカ。

SENTIMIENTO GAUCHO

ステレオ録音だが、エコーかかりすぎ。ALBERO BIANCO という歌手が自分のオルケスタ・ティピカを編成して、それをバックにして歌っている。悪くはないが、多少うっとうしい。

sentimiento gaucho


Orquesta Típica Rodolfo Biagi の1942年の録音とあります。歌なしで、編曲勝負。かなりの説得力ですが、ご本家を上回っているとまでは言いがたい。ほかにフロリンド・サッソーネの演奏もあったが、これはひどい。エクトル・バレーラの演奏も「これがステレオだ!」みたいな音でいかにもだ。

Sentimiento gaucho VIRGINIA LUQUE


こういうのを名唱というのでしょうか、どうも私にはやりすぎのようにしか思えませんが。

Pachamama con Centro Gaucho Tradición 2 - Sentimiento criollo

たまたまぶつかったページで、「ガウチョの嘆き」とはまったく関係のない動画だが、「えぇどぉー!」
フフイのフィエスタで地元の人がハンカチを振りながら踊る。タンゴではなくクエンカだ。私たちには耐えられない単調なリフレインが果てしなく続くが、人々は飽きない。その表情には喜びというよりは「苦痛」とも呼ぶべき無表情が見てとれる。
体を動かすことから来る愉悦感ではなく、それは、ゴルゴダの丘にむけ十字架を負い歩むキリストに倣ぶ法悦感にも思える。
バンドネオンとギター二丁、ボンボを叩く若者の取り澄ました表情が「超カワイー」のだ。
それが神聖な任務でもあるかのように、音楽も踊りも完全に無視して、マテ茶を沸かしている女の子も、後姿だけだが、かわいい。
それが年頃になるとぶくぶくとしてくる。せめて結婚するまではスマートでいろよな!と思うが、どうもデブは、牝牛が発情して肥えるのと同様、女性が適齢期に達した証のようだ。



(23)軍靴の響き (Taquito Militar)

HP: 最悪の録音で、音はひしゃげて高音部はまったく聞こえません。それでも打楽器のリズムには度肝を抜かれます。ペレス・プラードがこのようにコンガを叩いても、別になんとも思いませんが、タンゴのレコードからこのような音が飛び出してくることにはびっくりするしかありません。

これはフランチーニ・ポンティエルリ楽団の演奏を指しています。要するに推薦に値するほどの音源がなかったということです。

TAQUITO MILITAR

これが大変な名演です。ルジェロ兄弟というのでしょうか、初耳ですが、とにかくピアノがうまい、バイオリンも良い、とにかく素晴らしい。ブラーヴォ!です。ポルテーニョはこの曲が大好き、ということが良く分かります。

Taquito Militar-Mariano Mores

これがマリアーノ・モレスのオリジナル盤です。正直、どうっていうことはない演奏です。モレスは演奏者というより作曲家なのでしょう。

後は番外シリーズ

Bandoneon Historia del Tango " Taquito Militar" Mariano Mores

映画の一場面ですが、大変素晴らしいものです。音質がどうこう、演奏がどうこうというものではなく、ただ映像として素晴らしい。マリアノ・モレス楽団はよほどの役者ぞろいです。

Horacio Salgan y Ubaldo De Lio.Taquito Militar.

これは番外。アンコールピースだったのか、短くて曲の形になっていない。しかしオラシオ・サルガンというのが、ジャズの語法をとり入れた感性の高いピアノ弾きだということが分かる。

Taquito militar

これも摩訶不思議な映像。太目のおばさんがいかにも素人っぽく体をくねらしながら歌う。しかも盗み撮りでカメラが揺れる。見ているほうが恥ずかしくなるぐらい下品だが、歌は半端でなくうまい。Victoriangeles canta y baila "Taquito militar"  en el Teatro Lope de Vega de Pilar, Prov. de Buenos Aires とクレジットがあるがそれ以上は不明。謎のおばさんである。

taquito militar (milonga) de Mariano Mores

これも謎の演奏。乗りが何なのか、居心地が悪いが乗りはよい。裏打ちなのか表打ちなのか、ボサノバにもサルサにも聞こえるが、何かといわれるとミロンガだ。映像はセクシーだ。このコンビの演奏は他にもあるが、ほぼ同じ趣向。なかでもはPor Una Cabeza(首の差)というガルデルの曲が良い。(後で出てきます)

Arturo Nieto-Dorantes

クラシック畑のピアニストがコンサートをやって、おそらくはアンコールでこの曲を弾いているようだ。講釈が長い。チョッとルバートをかけるだけで、ミロンガがアバネーラに早代わり、アルベニスの一曲を聞いたような気分。

(24)さらば草原よ (Adios Pampa Mia)

HPより: 大草原を渡るそよ風を感じさせる、なんとも気分の良い曲です。

カナロは,「オルケスタ(オーケストラ)」という10人程度の楽団によって演奏させることで,タンゴの楽曲としての 厚みを増すことに成功した。これをよりシンフォニックかつ大編成にしたものは,後に「コンチネンタル・タンゴ」として分かれていくことになるが,あくまで もカナロの音楽は,歯切れの良い鋭さを失わなかった(石川さんの解説より)。

Adiós, pampa mía (Francisco Canaro y su orquesta típica)

これがその演奏です。歌はアルベルト・アレナス。45年の録音といいますが、すばらしい音です。この頃は日本の数歩先を行っています。

adios pampa mia

同じカナロですが、こちらはネリ・オマールが歌っています。録音はちょっと古いかもしれませんが、演奏は甲乙つけがたいものがあります。

Libertad Lamarque "Adiós pampa mía"

これは名唱です。その声の伸びはパンパをわたる風のようです。映画のサウンドトラックからのものですが、音質も良好です。

年取ってからの歌もウpされていますが、「風とともに去りぬ」です。同じような映像で、アルベルト・カスティージョのものもありますが、絶対に見ないように。耳が腐ります。

ADIOS PAMPA MIA VIRGINIA LUQUE

歌のタンゴですから、いろんな歌手が取り上げています。中では音が良い分、この演奏でしょうか。しかし少々味付け過剰でもたれます。日本人向けではないでしょう

ADIOS PAMPA MIA

YOUTUBEの怖いのは、上から300番目くらいの順番でとんでもない演奏が出てくることです。これもそのひとつ。GRACIELA REYという歌手がピアノの伴奏で歌っていますが、美声です。最後にチョッと乱れますが、ライブ録音のようです。

Carlos Di Sarli & Mercedes Simone INÉDITO Adiós Pampa Mía


これも顔ぶれからいえば外せません。ただメルセデス・シモーネの声は朗々とした歌唱には向いていないようです。

この曲はヨーロッパ系の楽団がずいぶん取り上げています。アルフレッド・ハウゼ、スタンリー・ブラック、マランドなどいずれも水準以上のものですが、違う曲のようです。


タンゴ名曲百選 その8で Volver を歌う hECTOR iSLAS を紹介した。
気になるので少し検索してみた。
 http://www.aztlan.be/islas.htm

Héctor Islas (México DF, 1963) estudió economía y fue profesor en el CIDE (Centro de Investigación y Docencia Económica), pero pronto la literatura y la música se harían más importantes para él.

要するに名のある経済学者だが、それ以上に文学や音楽のほうで有名らしい。

Ha grabado varios exitosos CD’s y en Europa es uno de los artistas latinos más famosos por lo cual le invitan cada año a participar en festivales internacionales. Los Hits: “Margarita” y “Mi Corazón” de estos álbumes son de Héctor Islas.

けっこうな掘り出し物をしたようだ。それではその“島先生”のマルガリータとミ・コラソンを探してみるとするか。

そろそろ皆さん、「しつこい」とか「もううんざり」とか言われるかもしれません。堪忍してください。未だ1/5です。

(21)台風 (El Huracan)

HP: エドガルト・ドナートは何回かこの曲を録音しているようですが、中でも一番わざとらしい演奏です。擬音から歌まで入っています。この曲にはそのほうがあっているようです。

EDGARDO DONATO - EL HURACAN

というわけで、これがその音源です。

EL HURACAN - Los Reyes del Tango.wmv

YOUTUBEには踊りの映像がたくさんありますが、意外と使われているのがこちらの音源。それほど良いとは思わないが、リズムの刻みがはっきりしていて踊るには良いのかもしれない。

El Huracan Donato Raciatti.wmv

これも悪くない。奇をてらわず、曲本来の良さを引き出している。…とも言えるかな。

そもそも、選んだ自分で言うのもなんだが、こんな曲、ベスト100に入るのかいな。

(22)リベルタンゴ (Libertango)

テレビ・コマーシャルではヨーヨー・マの演奏が流れ、人気を博しました。この曲の良さは「疾走感」につきます。多くの演奏がピアノのリズム、弦のメロディーと仕事分けするのに対し、フォアレバー・タンゴは逆を行って「疾走感」を表すのに成功しました。

しかしYOUTUBEにはこの演奏はない。(ひとつだけダンスの伴奏に使われていた)
セステート・マヨールのライブ録音はいくつかあるが、衰えを感じるのみである。

Astor Piazzolla-Libertango

ピアソラ自身の演奏である。Álbum: Libertango (1974)とある。たぶんいくつも音源があると思うが、これはあまりさえない部類。

Astor Piazzolla Libertango (versión original)

こちらが初演時のヴァージョンで、こちらのほうが良い。

Astor Piazzolla - Libertango

なんだかんだといいつつ、ヨーヨーマの演奏はすごい。彼だけでなくほかのメンバーもいい音を出しているから、ハーモニーが分厚くて迫力がある。「葉加瀬太郎氏と小松亮太氏による共演」という演奏もアップロードされているが、小松はさすがと思うが、葉加瀬はもう少しタンゴの語法を勉強するべきだ。これではジプシーバイオリンだ。

Libertango - Astor Piazzolla : Ryota Komatsu

と書いたらその下に小松のバンドによる演奏があって、こちらのバイオリン(女性)はめっぽううまい。この曲は名演奏が多いが、その中でも屈指の演奏だと思う。

Libertango - Carlos Buono y Orquesta

これは良い。オルケスタという割りにバンドネオン、エレキギター、ピアノ、ウッドベースという地味な編成だが迫力はある。狭いスタジオでの録音で、ガラスの向こうの調整室では何と技師がタバコを吸っている。ふざけた野郎だが、録音の腕はさすが一流だ。

ASTOR PIAZZOLLA LIBERTANGO QUINTETO SUAREZ PAZ

いまやタンゴ・バイオリンの第一人者スアレス・パスがオルケスタを編成したライブ録音。少々ゲテモノだが、歌まで飛び出すサプライズ。見ていた人には楽しかっただろう。

以下は番外という感じ

"Libertango", Las Rositas


きれいな姉ちゃん方のビジュアル系演奏と思ったら、なんのなんの。しっかり、ねっとり、タンゴの乗りだ。

Anderson & Roe Piano Duo play "LIBERTANGO" (Piazzolla)

なんか分からないが、めちゃくちゃ楽しい映像だ。

Libertango

Bond というニューヨークのバンドだそうだが、なかなかいけてる。 Bond have continued to perfect their fusion of pop, worldbeat, and classical instrumentation と紹介されている。

The Swingle Singers Music Video Piazzolla 'Libertango'

スィングル・シンガーズが未だ健在とは知らなかった。相変わらずの腕前だが、アレンジはピントが狂っている。

(19)思い出 (Recuerdo)
この曲は、演奏によって好きか嫌いかがかなりはっきり分かれる曲です。オラシオ・サルガン楽団で聞いたとき、あまりの素晴らしさに「えっ」とびっくりしたことを覚えています。
HPではオラシオ・サルガンがラジオタンゴになかったこともあってコロール・タンゴの演奏を選びました。

Bandoneon Tango "Recuerdo" Pugliese - Color Tango

これはライブ版です。正直言って、音盤でコロール・タンゴを聴いたときの印象とはだいぶ違います。もちろんこれはこれで素晴らしいのですが。

COLOR TANGO al Rio - Recuerdo" Pugliese

苦労してこの演奏を突き止めました。素晴らしい演奏で、これで決まりといってよいでしょう。

Recuerdo - Tango

本家プグリエセの演奏で歌手はホルヘ・マシェルです。1968年の録音と記されています。これだけ音が良いとこちらを本命盤にしたくなります。

"Recuerdo" - Osvaldo Pugliese

普通プグリエセのレクエルドというとこの録音が頭に浮かびます。この音だとやはり推薦しかねます。

Sexteto Mayor - Recuerdo

どういわけかレクエルドで検索して200番目を超えてからこの演奏が出てきます。演奏、音質ともに立派なものです。

Orquesta Típica Fulvio Salamanca - A. Guerrico - L. Correa - Recuerdo

編曲が異なるとまったく別の曲のように聞こえます。しかし男声のデュオはそれなりに心地よいものです。

Sexteto Julio De Caro - Recuerdo

フリオ・で・カロも録音しているんだ、という程度のものです。

Ismael Serrano - Recuerdo

同じ題名でまったく別の曲ですが、実にしみじみと来る素晴らしい曲です。イスマエル・セラーノという人、要注意です。

Tamara Castro - Recuerdo

これも同じ題名の異曲です。タマラ・カストロという歌手、初めて聞きましたが、なかなかのものです。

Te Recuerdo Amanda
レクエルドで検索しているとこんな曲まで引っかかってきます。チリのビクトル・ハラの名曲です。

(20)フェリシア (Felicia)

フェリシアというのはカッタルイ曲だと思っていましたが、Cuidadanos Del Tango の演奏で聞くともっと軽やかで生き生きとしています。どちらが良いかと一概には言えませんが、演奏次第でさまざまな顔を見せてくれる可能性があるという意味では、ニュアンスに富んだ曲といえるでしょう。

と書きましたが、Cuidadanos Del Tango の演奏はYOUTUBEでは聴けません。

TANGO入門(13) フェリシア FELICIA(E.Saborido) Quinteto Pirincho, ...

さんという方がうpしてくれた音源で、なんと「ピリンチョ五重奏団、フアン・ダリエンソ楽団­、キンテート・レアルの3楽団の演奏を収録」というお徳版。

Felicia - Tango - por la Orquesta "La Mínima Mina"

ピアノにバンドネオン2丁というまさにミニマルな編成だが、意外に面白い。

FELICIA

デ・アンヘリスの演奏はとてもフェリシアには聞こえない。

felicia - djdom.mp4

カラベリの演奏。かったるい演奏の代表である。

というわけで、いまは百選からはずしたいくらいの思いです。いつかは良い演奏が出てくれることを期待します。

今回は二つともガルデルの十八番で、ほかに選択の余地はないから短く行きます

(15)我々が悲しみの夜 (Mi noche triste)

ガルデルが世に出た出世作です。ガルデルは男っぽい歌い手ですが、それはマッチョとしての男らしさではなく、もっと素直に自然ににじみ出た人間臭さだと思います。だから女性が歌っても全然違和感がないし、外国人が歌っても素直に曲の良さがしみじみと伝わってくるのです。

Mi Noche Triste - Carlos Gardel - Tango

初めて聞きましたが、旧盤です。すごい音です。

The tango I love (1): "Mi Noche Triste", Carlos ...

こちらが世間に流布する定番です。

mi noche triste - julio sosa

フリオ・ソーサはポスト・ガルデル世代の代表の一人で。ほとんどの曲をカバーしています。決してたんなるコピーではなく、独自の世界を築き上げています。(エドムンド・リベロの歌もありましたが、ひどいのでリンクしません)

Buenas Noches Bs.As. 2 ANIBAL TROILO HUGO DEL CARRIL

映画の演奏をアップロードしています。映像が見られることもさることながら、緊張感のある素晴らしい演奏です。トロイロ自身がバンドネオンの名手だということもわかるし、バンドマスターとしてはけっこう怖い人だということも感じられます。

VIRGINIA LUQUE - MI NOCHE TRISTE

これはすごい演奏です。テレビの録画映像で、すでにカラーの時代です。年は50歳前後でしょうか、完全にはまっています。この人はおそらく人格乖離(ヒステリー)で歌うときにはヒョウエ(憑き物つき)しているようです。それが当たればすごいし、外れてもすごくなりそうです。

Bandoneon Tango "Mi Noche Triste" V.Luque/orq.Firpo

前項の記載がこの映像でも確認されます。音はひどいが迫力はあります。

ZITARROSA-MI NOCHE TRISTE (TANGO)

まさかここにシタローサがあるとは思いませんでした。シタローサはウルグアイのフォルクローレ運動の旗頭で、軍事政権に国を追われ、メキシコで病死しました。この演奏けっこう味があります。

ORQUESTA JOSE BASSO - FIORENTINO - MI NOCHE TRISTE - TANG

フィオレンティーノは好きではないが、ホセ・バッソ楽団に敬意をはらって記載。

そのほか、リストに載せるほどではないが、サビナ・オルモスという馬面の歌手がいて、この曲はひどいが、「三つの思い出」という曲はうまく歌っている。

(16)帰郷 (Volver)

もうひとつガルデルの歌です。短いけどとても印象的な曲です。ちょっとハリウッド的な匂いがしますが、考えてみると、この時期ハリウッドはとても良かったのです。1930年代の後半に「ハリウッド的だ」というのは、ある意味で最高のほめ言葉かもしれません。

CARLOS GARDEL VOLVER

これが標準の演奏です。

CARLOS GARDEL VOLVER

これが映画のほうのファイルです。

hECTOR iSLAS - vOLVER / tANGO

YOUTUBEで名演奏を探すのは大変です。聞き逃しはつきものです。この演奏も検索順位は100番以下でした。

PORTOTANGO - Sin esquinas 2010 - Volver

現代的な演奏の代表です。これを聴くとあらためて、ガルデルを乗り越える難しさを感じずにはいられません。

Volver - Estrella Morente [Soundtrack "Volver" Pedro Almodovar]

なかには勇敢な人もいます。しかし…

Eliades Ochoa - Volver

これは「やったぜ」という感じ。見事にボレロに変身しました。冒涜ともいえますが。

Chano Lobato - Cancion por Bulerias - Volver

これも見事にフラメンコに変身。




(13)下り坂 (Cuesta Abajo)

HP: 私の記憶では、「下り坂」はスサーナ・リナルディのほうが良いのですが、とりあえずそれがラジオタンゴでとった音源の中にはないので、ガルデルにしておきます。

YOUTUBEでも、やはりなかった。スサーナ・リナルディはすべてに贅肉がついて醜くなった。一番悪いのは前頭葉の贅肉だ。

Carlos Gardel - Cuesta Abajo

こちらは映画からのアップ。画面にそこはかとなく色がついています。まさか1枚1枚色を塗ったわけではないのでしょうが、テクニカラーというんでしょうか。音も音盤と比べそん色ないものです。

Carlos Gardel - Cuesta Abajo

こちらが音盤からのもの。

Elio Roca cuesta abajo.wmv

これは思わぬ拾い物。美声で声に色気があり、張上げず(多少は張上げていますが、まぁタンゴですから)、癖がなく、聞きやすい。聞いた範囲では最高だと思う。

CUESTA ABAJO por Claudio Rojas Tango y Rolando Garcia Gomez.wmv

テレビのチェックだが、最近のものでハイビジョン。音もハイファイだ。演奏はガルデル時代を踏襲してギター1本のシンプルなバックで、語りかけるように歌う。これは良い。表情がきめ細やかな分、流れにやや欠けるが、立派なもの。

HUGO MARCEL - CUESTA ABAJO

カラーテレビの番組をビデオに落としたものだが、意外に音はよい。バックはピアノでもちろんモノ。ウーゴ・マルセルという人初耳だが、表情に過不足ない。

JERONIMO - Cuesta Abajo

ちょっとオーバーだが、色気のある声だ。ギターがバック、音はよい。

Libertad Lamarque "Cuesta abajo"

こちらも映画から落としたもの。熱演ですが、もう少し淋しい歌なのでは?

Roberto ''Polaco'' Goyeneche - Cuesta Abajo

「私にも歌えますよ」という程度。歌う必然性が感じられない。

ここまでやってきて思うのだが、良い女性歌手がいないですね。最近は…

(14)我がなつかしのブエノスアイレス (Mi Buenos Aires Querido)

HP: まさに名曲・名演。極めつけというのはこういうのを指して言うのでしょう。この歌を歌うのに、ガルデル以外の余人をもっては代えがたいという実感がつくづくします。「余人」が手を出さないという事情もたしかにありますが。

Carlos Gardel - Mi Buenos Aires querido - Tango

これが音盤からのアップです。映画からのものもありますが、リンクは省略します。

SEXTETO MAYOR " Mi Buenos Aires Querido" - "Onda 9"

セステート・タンゴの演奏です。曲そのものを聴くにはこちらのほうが良いかもしれません。

Omar Torres - Mi Buenos Aires querido

これは掘り出し物の演奏です。歌なしですが、ホンワカとしていい雰囲気です。Omar Torres y su Gran Orquesta de Cuerdas.の1982年の録音ということですが、ずいぶん古臭い音です。

MI BUENOS AIRES QUERIDO

こちらはMIGUEL CALO楽団に、MARGA FONTANAという歌手。古い録音ですが、悪くありません。

MI BUENOS AIRES QUERIDO

新しい録音で、ということになると、このくらいしか見当たりません。SEXTETO TANGOの伴奏で RAUL FUNES という歌手が歌っています。可もなく不可もなし。

Lucía D'Agostino canta Mi Buenos Aires querido (Gardel - Le Pera)

ルシア・ダゴスティーノという若手女性歌手が挑戦しています。結果は?

mi buenos aires querido Por Roberto Goyeneche

ゴジェネチェも当然カバーしていますが…

cantora SIMONE MI BUENOS AIRES QUERIDO

かえってシモーネのほうが良かったりして…


(11)黄昏のオルガニート (Organito De La Tarde)

HP: これもディサルリ楽団の十八番です。ディサルリでなければならないわけではないが、たしかにほかにこれといった演奏があるわけではありません。このマロ~ンとした雰囲気は(歌詞の中身は結構切羽詰っているが)、次の世代が受け継ぎにくいものなのでしょう。

CARLOS DI SARLI Y SU ORQ. TIPICA - ORGANITO DE LA TARDE

他に対抗馬もなく、ガチガチの本命です。音もディサルリとしては最上の部類に入ります。

Organito de la Tarde Francisco Canaro.wmv

カナロとしてもかなり古い録音ですが、それだけにカナロのひなたい音楽が心を和ませます。

ORGANITO DE LA TARDE (CATULO CASTILLO - Arreglo musical RUDY

メロディーラインをいじることなく、見事にマンボの名演奏に仕立てています。むかしレクォーナ・キューバン・ボーイズがこの曲を編曲したときは相当いじられていました。

ORGANITO DE LA TARDE

ガルデルの歌唱です。かなり古いものです。あえて聞くほどのものではありません。

Rodolfo Biagi - Organito de la Tarde

名演奏といっていいのでしょうが、いまひとつ迫力がありません。

Mercedes Sosa - El día que me quieras

すみません。この曲は後で採りあげる予定ですが、上記の演奏があまりにすごかったので、予定外にあげておきます。(ただし音は最悪)

(12)カミニート (Caminito)

HPでは一応、ホルヘ・マシェルを推していますが、消去法です。民主党の党首選びと同じです。

ホルヘ・マシェルは声の良さからすればタンゴ界最高ですが、その下品さには「どうして?」と戸惑います。

CARLOS GARDEL - CAMINITO

普通に選ぶならこっちでしょうね。たぶんホルヘ・マシェルを選んだときは気が動転していたのでしょう。彼のカミニートはYOUTUBEにはアップされていないようです。

Orquesta Miguel Caló - Lucho Gatica - Caminito - Tango

ミゲル・カロはいまどき一番の楽団だと思います。歌手はいまいちですが、この曲のトップといっても良さそうです。良い音で聞いてはいけないということもないでしょう。

Caminito (Tango) - Coro Polifónico de José C. Paz

混声合唱だが、残響が半端でない。どこかの教会で採ったのだろうか。複雑なことはせず、生地の良さで勝負している。

ESTELA URIARTE-Tango "Caminito"

ついに見つけた、という感じ。HPで「むしろフォルクローレ畑の歌手のほうが雰囲気が出るかもしれません」と書いたが、なかなかそのような音源には出会えずに来た。
これがそれだ。

一度に二曲づつではとうてい終わらない。少しがんばろう。

(09)夜明け(El Amanecer)

HPではディサルリを推した。
アマネセ-ルをどうしてロベルト・フィルポの自演盤にしないか、それはこのディサルリ盤を
聞いてもらえば分かってもらえるでしょう。まったく別の曲のようにも聞こえます。タンゴはこう
でなくっちゃというディサルリの強情さが伝わってきます。

と書いたが、YOUTUBEではディサルリ盤は聞けない。

Roberto Firpo - EL AMANECER

これが針音もゆかしい、ロベルト・フィルポの正調盤。

Juan D'arienzo - El amanecer.
聞いてみたらディサルリよりこちらのほうがよい。音質はきわめて良好、演奏も力強い。

El Amanecer Neotango Tango Passion

セステート・ネオタンゴの颯爽とした演奏。おそらくもとの音質は素晴らしいのだろうが、Up時に音割れしてしまったのが残念。と思ったら、別の人が同じ音源をあげてくれていた。この曲の最上の演奏といえる。

El Amanecer Alberti Teatro Maccio Octubre 2008

大編成の豪華なサウンドだが、へたくそでいやみ。 Orquesta Típica "Nelson Alberti"a lo D'Arienzo.5 de Octubre de 2008 とのクレジットあり。

El Amanecer.wmv
プグリエセの演奏。初めて聞いた。基本的にはスカ。

Tango Grill Live - El Amanecer
Pablo Agri, violin; Nicolas Ledesma, pianoと書いてある。あのアグリの息子なのだろうか。乗りはよいとはいえない。

Florindo Sassone y su orquesta típica (El Amanecer)
テレビのエアチェック。バンドネオン3つに対しバイオリンが6丁もある。これがサッソーネ・サウンドなのだろう。

Vale Tango En El Palais Chaillot - (París) - El Amanecer

シャイヨー宮殿のライブ。ドラマチックな演奏で、迫力満点。ただし音質はいまいち。

Juan Sánchez Gorio - El Amanecer

いやみのない素直できれいな演奏。それ以上を求める人には不向き。

(10)君を待つあいだ (Fumando Espero)

この曲は実はスペイン生まれの歌なんだそうです。訳には入っていませんが、“Fumando”という言葉がだいじです。ただ待っているのではなく、タバコを吸いながら待っていることがこの情景には必須なのです。

HPではディサルリ楽団を選びました。デアンヘリスの演奏もなかなか良いのですが、はかなさの感じられるところが他にない魅力です。

fumando espero-carlos di sarli

あまり音質が良くなくて、この録音だったかな? と思ってしまいます。

CARLOS DANTE ''FUMANDO ESPERO''.wmv

これは次点にしたデ・アンヘリス楽団の演奏です。歌手がカルロス・ダンテという人のようです。これでも十分と思いますが。

Fumando Espero ~ Tango

エクトル・バレラの歌で、録音が新しい点では、こちらのほうが良いかもしれません。

ARGENTINO LEDEZMA - FUMANDO ESPERO

どんな人か分かりません。歌手の名前なのか楽団の名前なのかも分かりません。しかしなかなか良いです。

ORQUESTA DONATO RACCIATTI - NINA MIRANDA - FUMANDO ESPER

早目のテンポで颯爽と歌いきっています。

SARITA MONTIEL ''FUMANDO ESPERO'' by J. Viladomat-Masanas. ...
ウームと唸ってしまいます。やはり男歌ではないでしょうか。それと、それなりに品格が必要ではないでしょうか。チンピラやあばずれではなく、貧しくともけなげに働く労働者という感じが欲しいです。

Fumando espero - Carlos Gardel.

さすがにガルデルは品がありますが、そこまでドラマチックに歌う歌なのでしょうか。

LIBERTAD LAMARQUE - FUMANDO ESPERO

ラマルケも歌っています。この人にしては珍しく素直に歌っていて、けっこう沁みてきます。

FUMANDO ESPERO IGNACIO CORSINI

この人はアディオス・ムチャーチョスの人でしょう。

Tango: Fumando espero por Dalva de Oliveira ("a Rainha da Voz" ...

カナロはここでは女性を起用していますが、凡庸です。音もさすがに古過ぎます。

Tango español: „Fumando espero" - Francisco Lomuto, 1927 !

良い演奏ですが、歌なしです。やはりこの曲は歌が欲しい。

ORQUESTA SUPER COLOSAL Fumando Espero.wmv
キューバのチャランガ・バージョンで、ゲテモノと言えばゲテモノですが、意外に面白い。エンリケ・ホリンの曲だといっても通用します。



(07)大きな人形 (A La Gran Muneca)

ホームページではカルロス・ディサルリ楽団を推しています。以下はその説明。

ディサルリというのは「泣かせ」の芸を会得した手練れという感じです。弦を叩くようなスタッカートと、思いっきりレガートを利かせたポルタメントを交互に繰り返し、たたみ掛けていきます。あざといといえばあざといのですが、それだけではない何かプラスアルファがあるのでしょう。

A LA GRAN MUNECA/carlos dis sarli

YOUTUBEでもディサルリ楽団の音源が手に入ります。

A la gran muñeca-Juan D'Arienzo

さすがダリエンソという感じ。しかし最初から勝負はあきらめた感じの演奏。

Orquesta JUAN D'ARIENZO . 78 Video CLUB - " A LA GRAN MUÑECA ...
と思ったら、さにあらず。すごい演奏があった。テレビ放送のエアチェック。当然モノだが意外に音はよい。擬似ステ化しているのか? grabacion del 17 de Diciembre de 1963 -とのコメントがある。全盛期は過ぎているのかもしれないが熱演だ。

A LA GRAN MUÑECA

デ・アンヘリス楽団の演奏。これも音に厚みがあって、良い演奏だ。もうひとつこれは昔のラジオ番組のエアチェックらしい。これが意外に良い。ただしかなり音飛びしている。

A la gran muñeca, tango, Florindo Sassone y su orquestra típica

この演奏は最近のもので、音は一番よい。弦を重視したコンチネンタル風に仕上げている。きれい過ぎるともいえる。しかし間違いなく一流だ。

Orquesta Héctor Varela - A La Gran Muñeca - Tango

あざとさが売りのエクトル・バレラ楽団の演奏。お勧めはしない。

Recordando a Libertad Lamarque... A LA GRAN MUÑECA

よくこんな音源を捜してきたね、というくらいひどい音だ。「耐えがたきを耐え…」レベルだ。

(08)バイア・ブランカ ( Bahia Blanca)

おそらく誰がタンゴの名曲を選んでも5本の指に入るディサルリの名曲です。

TANGO(17)入門 バイア・ブランカ BAHIA BLANCA(Di Sarli) Carlos ...

欲深ですが、この演奏のままで、もう少し良い録音で聴きたいものです。と書いたあと、これを見つけました。音源は同じはずですが、高音が補償され、ビビリが減少するなど音質が改善しています。ありがとうございます。

TANGOS Carlos Di Sarli Bahia Blanca

クレジットで見る限りはっきりしないのですが、ディサルリの新盤のようです。確かに音は良いのですが旧盤の下品なほどのすすり泣きはなくなっています。

それにしても、これほどの名曲、YOUTUBEでは誰もカバーしていない!

(05)動機 (El Motivo)

この曲もHPではアニバル・トロイロを推しています。

"El Motivo" - Anibal Troilo y Astor Piazzolla

という音源があって、バンドネオンのデュエット、1970年の録音だそうです。好事家にはたまらないでしょうが、私のごとき素人にはちょっと…

Tango El Motivo por Roberto Goyeneche y Aníbal Troilo

テレビからの録画で、「ゴジェネチェというのがこういう顔でこう歌っていたんだな」というのが分かります。

Polaco Goyeneche - El Motivo

ゴジェネチェがorquesta de Raúl Garelloというバンドをバックにうたった録音。とりあえずYOUTUBE上の標準音源としておきます。このねっとり感はいささかもたれますが…

CARLOS GARDEL - POBRE PAICA (EL MOTIVO)-(1920).

こんな音源があるとは知りませんでした。声は若々しいが荒削り、うまいとは言えない。

ORQUESTA ALBERTO MANCIONE - FIORENTINO - EL MOTIVO

フィオレンティーノの歌にはインスピレーションがない。どうして有名なのか分からない。

Susana Rinaldi sings "El Motivo" with the Seleccion Nacional de Tango

レオポルド・フェデリコのバンドネオンにMario Abramovich、Nicolas Ledesmaというすごい顔ぶれのオルケスタ。歌手はお気に入りのスサナ・リナルディとくればさぞやと期待したが、見事にはずれ。トリオをバックの歌唱エステバン・モルガド四重奏の伴奏もあるが、リズム感の欠如はいかんともしがたい。スサナは名を惜しむべきであった。(ちなみにスサナ・リナルディの最高の演奏はガルデルのカバーの「下り坂」)

ALFREDO BELUSI - El Motivo

VÍCTOR RUIZ EN "EL MOTIVO" (Pascual Contursi y Juan Carlos Cobián,

以上の二つ、あえてお勧めはしない。好き嫌いはあるだろうが…

(06)アディオス・ノニーノ (Adios Nonino)

お勧めはピアソラの自演版。

Adios Nonino - Astor Piazzolla

これは74年のスタジオ録音。現在の演奏よりはだいぶシンプルでごつごつした感じ。

ASTOR PIAZZOLLA "ADIOS NONINO" [HQ]「「

これが定番と呼ばれる9分にわたる演奏。Concert in Utrecht, Netherlands.1985.と書いてある。

sexteto mayor adios nonino

実は私が好きなのはこちらの方。まずバンドネオンがはるかにうまい。ピアノが変にムード音楽っぽくない。というか、プグリエセっぽい。

クラシック畑の人がずいぶん手出しをしていて、もはやレパートリーの一つとさえなっているようだ。しかし私にはいまひとつピンと来ない。ピアソラはふつうのタンゴではないが、やはりタンゴなのであって、クラシックなのではない。
そこにはまなじりを決した「疾走感」が必要なのだ。

Ensemble Contraste - Adios Nonino - Snook (By: Thomas_AV)

タンゴは港町の生まれ、貧民街の夜の喧騒から生まれた剣呑な音楽だ。その雰囲気がこの演奏には出ている。

Editus - Adios Nonino

この曲に必要なのはもうひとつ、パンパの草いきれだ。大都会のブエノスアイレスも、町を一歩出れば見渡す限りの大草原。その雰囲気がこの演奏には出ている。

Michel Camilo & Tomatito - Adios Nonino

ギター弾きにはリズム音痴が多くて好きになれないのだが、このトマティートの演奏は良い。トマティートはフラメンコ・ギターの名手で、本名をJosé Fernández Torres Tomatitoというらしい。

ほかにも良い演奏がたくさんある。

Adios Nonino (Astor Piazzolla) - Tango For Four

「1999年、フィンランドでタンゴを演奏するために創設された楽団。豊かなタンゴ文化を誇るアルゼンチンと、フィンランド国内のタンゴを融合させて、新しいタンゴを生み出そうと試みている」そうだ。

Esteban Morgado-Adiós nonino

最近売り出し中の4重奏団。モルガドのギターにバイオリン、バンドネオン、ベースの編成。小編成だけに曲により向き不向きがある。

JOSE LIBERTELLA - ROBERTO GRELA - ADIOS NONINO - TANGO

リベルテラのバンドネオンとギターのデュオという簡素な組み合わせ。しかし色彩は豊かだ。

(03)三つ角(Tres Esquinas)

ホームページではアンヘル・ダゴスティーニョ楽団を推しています。

D AGOSTINO ANGEL VARGAS TRES ESQUINAS TANGO
それが画像つきでありました。映画の1シーンのようです。歌うのはやはりアンヘル・バルガスでした。

Tres esquinas (Tango)
ダゴスティーニョにはもうひとつあって、こちらはAlfredo Attadíaという人が歌っています。音盤のアップですから音は断然良いです。

Ariel Ardit - Tres esquinas (video oficial)
音質・画像ともに素晴らしい。正直、これを聞いて初めてこの曲が名曲だと分かりました。

Sexteto Milonguero-Tres esquinas
踊るときにかけるレコードの定番みたいです。たしかにバイオリンがバンドネオンの股下に突っ込んでくる雰囲気です。

Quinteto lo que vendrà: Tres esquinas
音質は最高。演奏はあまりエスプリを感じないが。

(04)踊り子(Danzarin)

ホームページではアニバル・トロイロ楽団を推しています。

Anibal Troilo "Danzarín"

歌はないけど咽ぶようなメロディーがタンゴの真髄を満喫させてくれます。アニバル・トロイロの分厚い弦の響きがこれほど生かされた演奏も、そうないでしょう。もう少し録音がよければと、残念に思いますが、トロイロの録音としては最上級の部類に入るものです。

ANIBAL TROILO "Danzarin "

これは実写版です。バイオリンだけで9人もいる超豪華な編成で、会場の興奮が伝わってきます。

LEO SUJATOVICH Y LUCHO GONZALEZ "Danzarin"

みな遠慮しているのか、ほかに良い演奏がありません。これはピアノとギターの二重奏という超シンプルな演奏。

DANZARIN

これはラジオタンゴ・ロサリオというところでアップロードしてくれた音源ですが、クレジット一切なしというもの。小規模演奏で内容はしっかりしています。…すみません。書いてありました。フリアン・プラサ楽団です。



以前、私のサイトで「ラジオ・タンゴで聞くタンゴの名曲・名演」という文章をアップしました。
そのとき曲も実際にアップしようとしたのですが、べらぼうに容量を食うのと、著作権の問題があって断念しました。
その後YOUTUBEでどんどん名曲・名演がアップされて、音質も当初とは比べ物にならないほど改善されました。そこで改めて、YOUTUBEタンゴの名曲百選を組んでみることにしました。

01 Corazon de Oro (黄金の心)
この曲はホームページではアダ・ファルコンの演奏を推しています。しかしYOUTUBEでは次のような演奏が聴けます。

23 tango dance orchestras : Francisco Canaro
定番中の定番です。途中で団員が胴間声を張り上げていますが、カナロ楽団では良くやっています。

Corazon de oro - Nelly Omar y Francisco Canaro
ネリ・オマールはお気に入りの歌手です。この演奏は出ない低音を一生懸命出しているが、理由が分かりません。音質は信じられないほど良好です。

Cecilia Rossetto - Corazón de oro
これは掘り出し物です。ただし音は最初のほうがつぶれています。コメントには以下のように紹介されています。今年60歳にしては色っぽい。ほかにもいくつか演奏がありますが、曲によっては少々鼻につくところもあります。
Cecilia Rossetto (16 de julio de 1950, Nueve de Julio, provincia de Buenos Aires, Argentina) es una cantante, y actriz argentina de teatro, cine y televisión


(02)ジーラ、ジーラ (Yira! Yira!)

これも私の推薦はアダ・ファルコンです。この演奏は山ほどあって、一番有名なのはガルデル、次いでゴジネチェといったところでしょうか。

Carlos Gardel - Yira Yira -Tango

これが極めつけの定番です。YOUTUBEには別に映画のサウンドトラックからの音源もありますが、音質は最低です。

Francisco Canaro - Yira Yira (Tango)
これも定番のひとつです。例によって団員の「コーラス」が入っています。

Hugo del Carril - Yira Yira
ウーゴ・デ・カリルという歌手が良い。二種類アップされているが、こちらが文句なしに良い。

Rudy Alagna - Yira yira
シーラ、シーラとしか聞こえない。ルディ・アラーニャという名前は初耳だが元ヤサグレという感じがあって、雰囲気は出ている。

Típica Víctor - Alberto Gómez /Alberto Vila - Don Juan/Yira Yira
オルケスタ・ティピカ・ビクトルの音はどうしてこんなに鮮明なのだろう。1930年にこんなにきれいの音がとれて、どうしてダリエンソの音があんなに惨めなのだろう。


Orquesta Carlos VG Flores - Yira Yira - Tango
とは言え歌抜き演奏ではこれが群を抜いてすごい。こんな楽団があったんだと感心する。

Toquinho y Maria Creuza en Buenos Aires, 2010
ジーラジーラで検索していたら、この画像を掘り当てた。マリア・クレウーザが生きていて現役で歌ってるというだけでうれしくなってしまう。ブエノスアイレスでの公演の隠しどり動画で、音質も何もあったものではないが…
そもそもクレウーザはブエノスアイレスでの大ヒットがスタートだ。もう40年も前の話。この二人にビニシウス・ジ・モラエスが組んで、次々にヒットを飛ばした。でも最初はトッキーニョじゃなくてバーデン・パウエルだったかな。それでモラエスにかなわぬ恋をして、モラエスが死んでからはすっかり落ち目だと聞いていたが、なかなかどっこい、体はぶくぶくに太ったが、奇跡ののどは健在のようだ。

前の記事でエレーナ・ブルケの絶唱として「ノスタルヒア」を紹介した。
そのときにこの曲はアルゼンチンタンゴの18番のひとつだと書いて、そこにタンゴの典型的な演奏をリンクさせようと思って、YOUTUBE漁りをしていた。
そのときに日本人の歌う「ノスタルヒア」がヒットしたのである。
アンナ・サエキさんという方のようだが、まぁ見てもらえば分かるが熱演である。
見ていて「これは石川さゆりの津軽海峡冬景色だ」と思った。年恰好も振袖を着るにはちょっと年を過ぎたくらいの方で、振りも大げさなわりには単調で、都はるみが「あんこ椿は…」と手をかざして唸るときのしぐさの繰り返しである。肝心な歌もムムである。発音もルビについたカタカナを読んでいる程度だ。正直言って顔と度胸がいいだけの素人だ。
私に責任はないのに、なぜか見ていて恥ずかしい(サエキさん、ごめんなさい。すこしアルコールが回っている)
この動画に40もコメントがついていて、そのほとんどがスペイン語、アルゼンチンからのリスポンスも多い。
スペイン語はテンで読めないが、みんなびっくりしている様子はうかがえる。それも中身よりも発音が素晴らしいとほめている。
なかには、最後のフーベーントゥー(Juventud)の「ウ」が「オ」に聞こえるから、もっと下唇を突き出せなどという指導もある。考えてみると、これらの意見は、カタカナをそのまま読めばスペイン語になるほど母音構造が似ていることの証明かもしれない。
50年前のポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)は世界一流の国民として、他国民を見下していた。落魄したいまのアルゼンチン人にとっては、巧拙は別として、日本人がこんなにタンゴを好いてくれるというのはとてもうれしいのだろうと思った。


Malena Burke という歌手がいる。キューバ人歌手だった。現在はキューバ系アメリカ人歌手というべきか。
素晴らしい声の持ち主である。とくに低音の響きがすごい。母親がエレナ・ブルケ。この人は黒人系の強い混血だった。これは実物を見ているから間違いない。マレナも母親とのデュエットの画像を見ると黒人の混じった容貌だ。深みのある低音は白人には出ない声質だろう。
歌は母親よりはるかにうまい。母親はドスを利かせた歌い方が売りの人で、テンポもけっこう美空ひばり並みに崩して歌う人だった。「センティミエントの女王」と言えば聞こえはよいが、センティミエントしか歌えない人だったかもしれない。率直に言ってオマーラ・ポルトゥオンドよりは一段格下の歌手である。95年にグルポ・ライソンと来たときはまったくさえなかったが、帰って間もなく亡くなった。
マレーナはディーバである。2千人入るコンサートホールで隅々まで歌声を響き渡らせ、聴衆を感動させる力を持っている。歌唱にも微塵の狂いもない。
それはベネズエラのテレビ局の録画が見事に示している。これは面白い録画で2000年のミスベネズエラ・コンテストのエギジビションの模様らしい。観客のほとんどが十代の白人姉ちゃんばかりというのも異様である。(余談だが、10年余り前に病院でサルサ教室を開いたときの講師はベネズエラ人、ミスコンに出れば入賞間違いなしという美人だった。しかしミスではなかった。手を合わせるだけで胸が痛いほどに高鳴ったが、懐にも痛かった)
マレーナはマイアミに亡命したあとマイケル・ジャクソン並みの美容整形をやったらしく、鼻筋が異様にすっきりしている。ライザミネリ張りのバリバリ化粧で登場するが、歌のほうはライザミネリも真っ青のできばえである。容貌・スタイルは比較以前の問題だが、こちらは画面は消して聴くだけだからどうでもよい。
YOUTUBEで聴けるのは次の三つ。

Opening Miss Venezuela 2000.

De Ti Depende

Yo Soy

この動画をアップしてくれた人は、なかなかのマレーナ・フリークらしく、母エレナとのデュエットなど貴重な映像も含まれている。この絵では、エレナがテンポを崩して歌うのに少々もてあまし気味のマレナも映されていてほほえましい。
ほかにもYOUTUBEにはいくつかの映像がある。「絵」的に面白いのはワイドニュースに刺身のツマ的に出て来て、最初はおざなりに聞いていたキャスターが途中から表情が変わっていくのが見ものの1本。
当たり前だろう、世が世なればキューバを代表する最高の歌手なので、ワイドショーの時間つなぎに使うような玉じゃないぞ、と叫びたくなる。
しかしYOUTUBEで見る限りは、テレビでは色物扱い、ライブではフィーリン歌いとして枠嵌めされてしまっているようだ。資本主義の世界の独特の厳しさだろう。これでセリア・クルスのように反共・反カストロの旗でも振ればもうちょっとしっかりした仕事が回ってくるのだろうが。
ライブスポットでの隠し撮り的映像がいくつかアップされている。そのなかに、母エレナの絶唱とも言うべき「ノスタルヒア」のカバーがある。正直がっかりだ。
この曲はもともとアルゼンチンタンゴの定番曲だ。エレナはCDでこの曲を、彼女としては珍しいほど「端正」に歌いきっている。
しかしエレナよりはるかに「端正」なはずのマレーナがこの曲をド演歌にしてしまった。マイアミという町がそうさせてしまったのだろうと思うが、こちらとしてはかなり複雑な思いである。
80年代にアメリカに渡ったミルトン・ナシメントも、ジャヴァンもずたずたになって故国へと戻っていった。マレナの素質が摘み取られないように祈るばかりだ。(余談だが、30年代にハリウッドに行ったガルデルは、そこで彼の最高の仕事を成し遂げた。その頃のアメリカはよかったのだ)

その1でシルビオのCDに触れたが、シルビオ・ロドリゲスはキューバを代表する歌手で、国際的にも高い評価を受けている。その最初のコンピレーション・アルバムが日本で発売されたのがその頃だった。
なかで圧倒的によかったのが「プラヤ・ヒロン号を知っていますか」という歌だ。http://www.youtube.com/watch?v=pqkd9aIubY0 には歌詞もギターコードも全部載っているので、腕に自身のある方はお試しいただきたい。
この曲を93年の秋、サンチアゴ・デクーバで聞いた。今でもあると思うが、プラサの一角に外人観光客相手の民謡酒場がある。専属バンドはマタモロスの歌を中心にやるのだが、「何かリクエストはないか」と聞くのでこの曲をたのんでみた。とたんにリーダーは渋い顔をした。そのときバンドの一員で後ろでギター伴奏をしていた若者が、「何とか弾ける」といってくれた。
リーダーに遠慮してのセリフだったのだろう、演奏し始めたらべらぼうにうまい。開け放たれた窓の外には子供や若者が群がってきた。
当時は物資欠乏の時期、酒場と広場の街頭以外は停電で真っ暗だ。そんな暗闇に向かってこの歌が流れて行ったらどんな感じか、想像してほしい。私にとっては一生の思い出のひとつだ。

ついでにパブロ・ミラネスのEl Breve Espacio の元歌も紹介しておく。なおパブロの最高の歌 Yo pisare las calles nuevamente というチリのクーに抗議する歌。このサイトでは英語の訳詩がついている。

メルセデス・ソーサの「開かれた血管」でバック・コーラスを勤めるクアルテート・スーパイは、フォルクローレに留まらない高い水準のグループだ。5年ほど前にアマゾンでCDを注文したが品切れだった。しかたがないのでyoutubeで音源を集めている。Te Queiro  El Viejo Matias  などがよい。

まったく無思想だがOjos de brujo の Todos Mortalesは気持ちよい。シャキーラ以来だ。ホアキン・サビナのCORRE DIJO LA TORTUGA も良い。

暑くて考え事はできません。 今日はラテンアメリカ音楽を紹介してお茶を濁します。

 最初は Nostalgia Cubana - Carlos Embale - Echale salsita

Descarga del Carlos Embale con Aymee Nuviola, Omara Portuondo, Panche Amat, y los musicos de Sierra Maestra というクレジットが入っている。
やはり文句なし、グルポ・シェラマエストラは良い。

キューバものをもうひとつ。ブロウエルの「Un Dia de Noviembre」、今月の名曲でも紹介した。映画のテーマ曲らしい。ギタリストにとっては定番曲のようでたくさんアップロードされているが、音だけなら文句なしCecilio Perera

次は、前に「今月の名曲」(Origem Da Feclicidade)でも紹介したセルソ・フォンセカ。ボサノバ歌手でジョアン・ジルベルトよりもうまいと思う。
Queda Sem Resposta

次は Vânia Bastos いつも「今月の名曲」に入れようとして入れそびれた曲が
Vania Bastos - Cidade Oculta で聞けるが、CDに比べると少し崩れている。ほかにジョビンの Canta, Canta Mais も良い。

タニア・リベルターがパブロ・ミラネスの El Breve Espacio を歌っている。無知な私はこの曲が「トダビア」というのだと思っていた。パブロのコンサートのエンディングの曲で、みんなで歌う。
タニアは最近は聞きたいとは思わないが、昔の録音がないかなと思ってYOUTUBEをあたっている。アルフォンシーナと海があったが、むかし聴いた演奏とはだいぶ違う。崩しがひどい、ギターも凡庸。こちらが「正統」版。

フォルクローレはボリビアとアルゼンチンではぜんぜん違ってて、片や先住民系で、アルゼンチンは白人牧童の歌である。どちらかというとベネスエラ民謡に近い。

こちらは有名曲で もう30年も前のメルセデス・ソーサの演奏。 懐かしいCDを誰かさんがアップしてくれた。
コンフント・スーパイとの共演で「開かれた血管」、美しいタンゴ「南への心」 軍事独裁を逃れ亡命中のソーサが切々と歌う。ただし「生きる理由」はビクトル・エレディアのほうが良い。

20年ほど前になるか、那覇にフォルクローレの飲み屋があって、亡命してきたポルテーニョのおじさんがやっていた。あまり客も来なくて、マテ茶を啜りながら分厚い詩集を読んでいて、たまに気が向くとギターを弾いて歌も歌った。あまりうまくはなかった。
学会で行ったのだが、3日間通いつめた。11月の初めで、毎日雨だった。乗り合いバスの冷房が2日目から切れた。雨宿りに入ったレコード屋でシルビオ・ロドリゲスのCDを買ったのだが、欲しそうにしていたので、あげたら喜んだ。
そのときにビクトル・エレディアを勧められた。彼の友達で、アルゼンチンを代表する抵抗の歌手だといっていた。

↑このページのトップヘ