鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

カテゴリ: 15 国際政治/アメリカ(カナダ含む)

演題 「サンダース・コービンのめざす社会主義」

はじめに
今サンダース議員の唱える「民主的社会主義」が話題になっている。
サンダースの「社会主義」は「社会第一主義」である。「個人第一主義」はやめようということだ。
むかし「健全なる心は健全なる身体に宿る」と言われたが、本当はこう言うべきであろう。
健全なる心は健全なる社会に宿る
この「健全なる社会」を築き上げることを政治の第一目標にしようというのが社会主義である。

格差社会と対決する社会主義
世の中、人の能力や仕事の性質で収入が異なってもおかしくはない。しかし1%の人が99%の富を独占するのは、能力社会ではなく格差社会だ。99%の人がそれなりに暮らしていればいいが、貧困がもたらすさまざまな問題に苦しんでいるのであれば、それは間違った不正な社会だ。
それを治すことから始めようという運動が社会主義だ。

格差社会がもたらしたトランプ現象
世の中は景気が悪くなるとギスギスしてくる。利己的になって、些細なことで喧嘩を始める。それが集団化すると「いじめ」も出現する。トランプ現象はそれが原因だ。ただしトランプは大金持ちであり、貧しい人の心の歪みを利用しているだけだ。
トランプ現象にはもう一つの側面がある。貧しいがまともな人達は、「みんながまとまって格差社会に立ち向かわなければならない」と思うようになる。富裕層は、その人たちの声が大きくならないように、貧しい人の心の歪みを増幅するのだ。そしてこう叫ばせる「社会主義者は出てゆけ!」

格差社会と戦い続けたサンダース
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63年にシカゴ南部の黒人地区で公民権を要求して座り込み、警官に排除される髪ふさふさのバーニー

彼はルーズベルトの崇拝者だ。ルーズベルトが勤労者・中間層を擁護し、大企業と対決したことに共感している。いわば「遅れてきたニューディーラー」だ

サンダース派を支える若者たち
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 私は裕福な家庭ではなく、自宅の郵便番号で運命が決まるような場所に生まれた

28歳のヒスパニック系女性で、タコスの屋台の売り子をしていた。その彼女が民主党のニューヨーク選出下院議員の候補になった。
こんな話が沢山飛び交っている。サンダースブームがふたたびやってきたのだ。
追加: その後マサチューセッツ州でもカシオ・コルテスと同じ傾向の若い黒人女性アヤンナ・プレスリーさんが民主党の予備選に勝利しました。この選挙区では共和党が立候補していないので。自動的に下院議員に当選です。

レクサンドリア・オカシオコルテス
Alexandria Ocasio-Cortez

ジャパン・フォーブスに彼女の記事が掲載されている。

選挙活動の映像からの引用。
https://www.youtube.com/watch?v=h-0Tn2cpAH8
“私のような女性は、選挙に出るべきではないとされている。私は裕福な家庭や有力者の家庭ではなく、自宅の郵便番号で運命が決まるような場所に生まれた”
ブロンクスの高校を卒業した後ボストン大学で学ぶが、卒業後はブロンクスでタコスの屋台のウェートレスなどで暮らしていた。(ウィキペディア参照のこと)
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     当選後NBCニュースに出演したオカシオコルテス
オカシオコルテスは若者、有色人種、英語が第2言語の人、労働者階級の人、2つの仕事を掛け持ちしているため忙し過ぎて投票できない人を対象として働きかけを強めた。
資金はたったの30万ドル。対するクローリーは、335万4370ドルを集めた。
ニューヨーク・タイムズは、オカシオコルテスの選挙活動を報じなかった。
投票が終わる8分前、彼女は次のようにツイートした。
“20歳の有色男性2人がさっき私に近づいてきて、投票したばかりだと教えてくれた”
 勝利演説で彼女はこう語った。
今日、証明されたのは、真夜中の暗闇のような政治の支配する中でも、この国にはまだ希望があるということだ。
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一方で、共和党の予備選ではトランプ派の優勢が目立ち、両極化とエスタブリッシュメントに対する嫌悪感が広がっていることが示唆される。

なお、Single-payer healthcare という言葉が彼女の主張の中に出てくるが、これは全国単一医療保険制度を指すらしい。
Healthcare system financed by taxes that covers the costs of essential healthcare for all residents, with costs covered by a single public system Wikipedia

もご参照ください。

久しぶりに小気味よいニュース
本日の赤旗国際面にワシントンの遠藤特派員がレポートしている。
見出しが正直のところ散漫で、それだけではよくわからないが、「躍進するサンダース派」ということで、11月中間選挙前の民主党予備選挙でサンダースを支持する進歩派の健闘ぶりを報道したものだ。
① 下院ニューヨーク選挙区
28歳の女性新人候補が、民主党全国幹部の大物候補に勝利した。
彼女の名はアレクサンドリア・オカシオコルテス、28歳のヒスパニック系女性である。
彼女はサンダース旋風のときの運動員で、弱者優先の「民主的社会主義」を標榜する。またトランプの「不寛容」政策に反対し、移民関税捜査局(ICE)の解体を訴えた。
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② メリーランド州知事選
安保世代にはなつかしい全米有色人地位向上協会(NAACP)の元会長、ベン・ジュラス(Benjamin Jealous)さんが予備選に勝利した。彼も進歩派候補としてサンダースが押す候補の一人だった。

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彼の選挙スローガンは「公的医療保険制度の維持拡充」、「最低賃金を15ドルに引き上げ」、「大学学費の無料化」などであった。
ジェラスさんは母親が黒人だが、本人は黒くない。おそらくマライア・キャリーと同じクオーターなのだろう。こちらはオクスフォードとコロンビア大を出た秀才。
③ ジョージア州知事選
アトランタを擁する南部の大州だが、ここでも黒人女性のステイシー・エイブラム(Stacey Abrams)さんが予備選に勝利した。
最終学歴はエール大学の法学校、ウィキペディアによれば肩書きは lawyer, romance novelist, and businesswoman となっている。
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米国の知事選で主要政党の候補者に指名された黒人女性は初めて。しかしそれ以上に重要なのは、当選すれば南北戦争後の再建期以来ディープサウスで生まれた、初のアフリカ系米国人知事となることだ。
彼女は「有権者に進歩的な政策を正面から訴えた」ことが勝利につながったと語る。逆に言うと正面から訴えても受け止めるだけの有権者の構えが作られているということだろう。
④ ニューヨーク州知事選
進歩派は大物を担いだ。人気テレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』に出演した俳優のシンシア・ニクソンさんだ。日本語のウィキペディアにまで記事があるのでかなり有名なのだろう。とはいっても、私はまったく知らない。
投票日は9月に入ってからなので、まだだいぶ先ではあるが、今後の躍進が期待される。
Cynthia Nixon
ということで、ちょっとこれらの情報は深追いする必要がありそうだ。

ペンタゴン・ペーパーズ事件そのものは、1~2ヶ月で終わり、その後はウォーター事件に移っていく。
この事件そのものは主として政府とニューヨーク・タイムズ(NYT)の間で争われたのであり、ワシントン・ポスト(WP)に関する経緯はサイドストーリーと言える。
しかし前後の経過から見て、WPがNYTとタッグを組んで政府・権力と対抗したことの意味はきわめて大きい。そういう点でスピルバーグがこのエピソードをあえて取り上げた意味は決して小さくない。
ただそれだからこそ、そういう取り上げ方に留意しつつ、その基本的枠組みを政府権力との言論の自由をめぐる戦いととらえ、NYTの戦いを深く知って思いを致すことを訴えたいと思う。


64年 エルズバーグ、ランド研究所を経て国防総省に移り、国防次官補補佐官となる。核兵器、核戦争計画などを専門に扱う。
ダニエル エルズバーグ: 1931/4/7シカゴ生。ハーバード大学経営学部卒。ケンブリッジ大学に留学後、1954年海兵隊に志願、57年中尉で退役後にハーバード大学に戻る。59年、ランド・コーポレーションの戦略アナリストに就職。
65年 エルズバーグ、サイゴン米大使館に勤務。ゲリラ対策顧問として実戦も経験する。
65年9月 日本テレビ「ベトナム海兵大隊戦記」放送。第二部第三部の放送は中止。
65年 NYTのサイゴン支局にはニール・シーハンなど3人の優秀な記者を配置。シーハンはエルズバーグとも知り合っていた。一方、当時のWPは戦争支持で、反対の姿勢を打ち出したのは69年半ばであった(Newsweek)。
66年ころ 国防総省内でペンタゴン・ペーパースの作成開始(ニッポニカ
マクナマラ国防長官らが戦争に疑問を持ち始め、将来二度と同じ失敗を繰り返さぬ教訓とするため、客観的な分析記録をつくるように命じた。執筆者の多くは政策に携わって失敗を認めた学者グループであった。しかし何度も執筆者がかわり、最後は未完成に終わった。

なおこのマクナマラとペンタゴン・ペーパーズの関係については、エルズバーグが自著『ベトナム戦争報告』で描くもう一つの説がある。
67年初め、エルズバーグはサイゴンに向かうマクナマラに同乗し、みずからの意見を具申した。マクナマラはこの報告を聞いてペンタゴン・ペーパーズの作成を決断した。
というのが大意である。ただ、ニッポニカではすでに66年には、作業が始まっていたとされる。正直の話、この頃の彼にはちょっと、焦りがもたらす大言壮語があるかも知れない。
1967年
1月 エルズバーグ、ポーター次席大使の補佐官として、平定計画を担当する。この頃からベトナム戦争に批判的になったという。
7月 エルズバーグ、ベトナムから戻り、国防総省からランド研究所に復帰する。
7月 ペンタゴン・ペーパーズの作成開始時期についてはニッポニカ説に対し異論がある。隅井孝雄さんによれば「1年半かけて作成された」とあり、逆算すると67年7月となる。これはエルズバーグがランド研究所に戻った時期と一致する。(国家とメディアその1 ベトナム戦争の場合 隅井孝雄
10月30日 TBSの社長ら幹部が自民党に呼ばれる。翌年3月には田英夫キャスターが解任される。
1968年
1月 ケサンの包囲戦、フエ占拠、続いてテト攻勢が始まる。
2月 マクナマラ国防長官がジョンソンと衝突し辞任。後任はクラーク・クリフォード。
2月 CBSテレビの名物キャスター、クロンカイトがベトナムを訪問しレポート。
海兵隊と行動をともにしました。現地の海兵隊やヘリの中に,この戦争の現実を見たのです。血が流れるベトナム戦争はいまや終わりに近づき、袋小路にはまっています。
私はベトナムの真実を私の見たまま率直に語りました。ベトナム戦争から手を引いて,アメリカはベトナムから出て行くべきだと。交渉をはじめることです。怪物や妖怪とではなく、自らの祖国を守ろうとしている尊敬しうる相手との交渉です。
これを聞いたLBJは “I lost Cronkite , I lost the war” と語った。
5月 2年前におこなわれたミライ村虐殺事件がフランスのジャーナリズムにより暴露.米兵が子供を含む非戦闘員567人を殺害.
6.05 ロバート・ケネディ,ロサンゼルスで銃撃される.
1969年
1月15日 7000ページに及ぶペンタゴン・ペーパーズが作成される。レポートは退陣直前のクリフォード国防長官に提出される(提出者はレスリー・ゲルブ)。これにて全作業が終了。
正式名称は「ベトナムにおける政策決定の歴史、1945年-1968年」国防総省内部で作成された非公開の報告書。3000ページの本文と4000ページの資料47巻からなる。
戦争目的に対する批判はないが、戦争遂行時の判断基準がないままに逐次投入していた経過が明らかにされている。
1月 クリフォードは「米国はもはや戦争を拡大するべきでない」とジョンソンに報告するもジョンソンは対応せず。これを知った作成者の一人エルズバーグは、ペンタゴン・ペーパーズのコピーを上院外交委員会に手渡している。またフルブライト上院外交委員長、マクガバン上院議員、キッシンジャー補佐官とも接触し説得を試みている(これもエルズバーグの自著による)。
1月20日 ニクソンが大統領に就任。我々は“名誉ある平和”を達成する」と演説。
5月 アシャウ渓谷の戦い。米軍は600名の兵の内46人が死亡、400人が負傷した。激戦が人間の肉をミンチにしたことから、ハンバーガーヒルと呼ばれる。10日間の激戦の末に勝利するが、司令部は確保困難と見て放棄。
5月末 NYT、カンボジアにおける秘密爆撃を暴露報道する。ニクソンはFBIにジャーナリストの電話盗聴を命じる。またニュース漏洩の源を知るため、政府幹部職員13人の盗聴も開始。
6月 現平成天皇の教師を勤めたバイニング夫人が逮捕される。ベトナム戦争に反対する彼女は、ワシントンの国会議事堂階段で、ベトナム戦争の戦死者の名前を読み上げていた。
6月 ライフ誌、最近の週にベトナムで戦死した242人の兵士の生前写真を掲載。死者たちの微笑んでいる若い顔は、全アメリカ人へ衝撃的な影響を与える。
8月 ウッドストック音楽祭、少なくとも40万人を動員。
10月 全米で反ベトナム戦争の大デモ展開,2百万人が参加.
12月 セイモア・ハーシュ記者、雑誌『ニューヨーカー』にミライの虐殺の真相を掲載。ピューリッア賞を受賞。
1970年
1月 ベトナム米軍放送局のニュースキャスターをつとめるロバート・ローレンス、検閲の廃止・言論の自由を主張。米軍はローレンスを告発。映画「グッドモーニング・ベトナム」のモデルとなる。
1.10 ニューヨーク・タイムズ紙,韓国軍がベトナムで数百人の民間人を虐殺したと報道。

4.30 ニクソン、カンボジアへの越境攻撃を開始。
5.04 オハイオ州のケント大学でベトナム反戦デモ。学内に侵入した州兵の発砲により、4人が射殺され9人が負傷する。
5.16 クリフォード前米国防長官。ライフ誌上でカンボジア進攻を批判。
70年 エルズバーグ、ランド研究所在籍のまま、マサチューセッツ工科大学の研究員となる。

1971年
1月 最後の大規模作戦となるラオス侵攻作戦が始まる。B52爆撃機400機の支援を受けた米・南兵2万9千人がケサンから越境攻撃。2ヶ月後に壊滅的打撃を受け撤退。
3月8日 反戦活動家がFBI庁舎に潜入。左翼運動に対する秘密調査文書を盗み出し、報道各社にリーク。FBIは情報活動を公式に中止。
3月 WP紙のアンダーソン記者,カンボジアの秘密爆撃を指示した国防総省の秘密文書を暴露.
3月 執筆者の1人であるダニエル・エルズバーグがコピーを作成し、NYTのニール・シーハン記者に手渡す。その後ワシントンポストにも同コピーが持ち込まれる。
タイムズ紙面
5月2日 ワシントンの反戦行動が激化。復員軍人が闘いの先頭に立つ。数日間に1万人以上が逮捕される。
6月1日 ニクソン米大統領が記者会見。「南ベトナムを共産主義者に引渡すようなやり方で戦争を終結させてはならない」と言明。
6月13日(日曜日朝) ニューヨーク・タイムズが連載記事として報道を開始。ワシントン・ポストなど他紙も文書の掲載をもとめ情報源探しに動く。
6月14日月曜日 NYTの長い1日
朝 ニクソン政権は司法長官名で記事差し止めを要求した。以後の司法関連の動きは隅井さんの記事が詳しい。
要請内容: 資料には合衆国の極秘扱の国防情報が含まれている。この情報の掲載は憲法793章、スパイ防止法第18章により禁じられている。今後掲載せず、文書を国防省に返還するよう要請する。
昼 NYT編集長のエイブ・ローゼンタール、印刷中の紙面を一旦止める。ロンドン出張中の社主ザルツバーガーとの協議に入る。
夜9時 NYTの社主と編集長は政府の要望を拒否すると発表した。
NYT声明: この記事はアメリカ国民の利益になる記事である。したがって司法長官の要請は拒否する。裁判になれば争う。しかし最高裁の最終決定が出ればそれに従う。
6月15日 連邦地裁で掲載停止の仮処分(手続上の処置)が出される。NYTは16日水曜日の掲載を見合わせることを決定。
6月16日 WPが株式を公開。資金導入による経営拡大に動く。
6月17日金曜日 WPの長い1日
朝 WPのバグディキアン編集次長がエルズバーグとの接触に成功。ケンブリッジの隠れ家でエルズバーグから報告書のコピーを入手。この時点でNYTの掲載は止まったままであった。
昼 WP、幹部会で18日からの掲載開始を決定。経営幹部からは強い難色が示される。
裁判で政府と争うことになれば公開直後の株式が動揺し、下落の程度によっては株主に違約金を払う必要が出る。また傘下のテレビ局の免許更新が直近に迫っており、政府が更新を認めない危険性もあった。
午後3時 政府はWPの秘密報告掲載の停止を求め、ワシントン連邦地裁に申立てする。
午後8時 ワシントン連邦地裁、1.政府の申立ては却下。2.最高裁決定が出るまでは掲載禁止の仮処分。3.すでに刷りあがっている18日付の紙面は発行を認める、との判断を示す。
ワシントン連邦地裁の踏み込んだ判断: 国の安全は自由主義体制によって守られる。国民の知る権利は報道機関によって守られている。憲法修正一条によって保護されるのは論説委員やコラムニストの意見ばかりではない。国民が政府の活動について十分知らされるようにするための情報収集の自由も含まれる。
6月 アラスカ選出のマイク・グラベル上院議員、徴兵制に反対してフィリバスター(議事妨害)の戦術を取る。このとき演説で「ペンタゴン・ペーパーズ」を読み上げる。
6月22日 米上院、政府に対する拘束力を持たない決議(マンスフィールド議員)を採択。年末までにすべての米兵部隊のベトナムからの撤退をもとめる。下院はこれを否決。
6月26日 NYTとWPを併合した最高裁での審理が始まる。ここまで連邦地裁は政府側の訴えを却下したが、連邦高裁は逆転し差し止めを認定した。
6月28日 エルズバークが、連邦調査局に出頭。記者会見で「裁判で闘う」と宣言する。
6月29日 最高裁は「政府は証明責任を果たしていない」として却下する。
最高裁の判断: いかなる表現の自由もそれを事前に制限することは憲法に反する。制限を正当化する理由を政府は明示しなければならないが政府はその義務を果たしていない。
7月 アーリックマン首席補佐官とチャールズ・コルソンが「鉛管工」部隊を組織。エルズバーグの監視とリーク防止を目的とする。コルソンはさらに反ニクソンの著名人200人を「政敵リスト」に載せ、監視を開始する。
7 NYT紙,SALT交渉に関する情報を暴露.政府の抗議に対し,最高裁は6対3で,「ジャーナリズムが事実を公表する権利を持っている」との判断を示す.
8月15日 ニクソン,国家非常事態宣言.金ドル交換を停止.ドル防衛策をうち出す.
8月 世論調査。大多数のアメリカ人は戦争が「不道徳である」と感じ、61%が全面撤退を支持。
9月 ニクソン政権はエルズバーグに対する信頼性低下に攻撃目標を転換。鉛管工グループのハントとリディー,エルズバーグのかかりつけの精神科医ルイス・フィールディングのオフィスに侵入.
後にこの鉛管工グループがウォーターゲート・ビルへの潜入にも流用された。この差右旋が露見したことがニクソン政権の命取りとなる。

この後、話題の中心はニクソン政権の方に移っていく。これについてはウォーターゲート事件関連年表
、またベトナム戦争全般については、米国年表 その3ベトナム戦争 その1 ベトナム戦争 その2を参照していただきたい。 

無罪判決
                告訴の棄却

1973年 エルズバーグは、「政府による盗聴」が判明したことから、告訴は棄却される。
エルズバーグは窃盗、情報漏洩など12件の重罪に問われ、115年の刑期の可能性も あった
7月 ビーコン・プレス、全文の出版に踏み切る。ユニテリアン協会の非営利小出版社。
72年 ニューヨーク・タイムズの記者デイヴィッド・ハルバースタム、『ベスト&ブライテスト』を発表。マクナマラを中心とした「最良の、最も聡明なはずの人々」が、いかにして政策を過まったかの過程を明らかにする。
ラスク国務長官、マクナマラ国防長官、バンディ兄弟、ロストウ、ガルブレイズ、カッツェンバックらが相当する。
2011年6月13日 「ペンタゴン・ペーパーズ」の機密指定が解除され、全文が閲覧可能となる。

『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』という映画を見てきた。
うーむ、これほどまでに真相は明らかになってきたのかと感動を覚えた。
じつは1990年ころにウォーターゲート事件については勉強したことがあって、その成果がウォータゲート事件関連年表になっている。

帰ってきてから、その年表を読み返してみたが、今日の映画が与えてくれた情報のほとんどは90年ころには明らかになっていなかった。
どちらかといえば鉛管工グループの民主党本部忍び込み事件のほうが本流で、たしかにニクソンを追い込んだのはそちらの方なのだが、この一大スキャンダルの本流はトルーマンからアイク、ケネディ、ジョンソンへと至る、ベトナム干渉の歴史なのだ。

当時なぜ私がウォーターゲート事件にここまで首を突っ込んだかというと、鉛管工グループがそっくりそのままケネディ暗殺グループであり、もっとさかのぼるとキューバ反革命グループであるからだ。

この視点は当時としては斬新であったから、それなりにネット社会での注目を集めたものだ。

しかし本日スピルバーグの映画を見ると、それは「やり口」の卑劣さであって、15年にわたり米国国民に隠し世界の人々を欺いたベトナム侵攻作戦の本質的な汚さに比べれは、枝葉末節のことだったのである。
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     ワシントン・ポストの記者を相手に演説するグラハム

スピルバーグの映画は、いつものことだが、掘り下げは浅く技術的な巧みさと制作予算の豪華さだけが浮き上がる。レッドフォードの「大統領の陰謀」のかっこよさには到底及ばない。

そういうわけで見終わった後の感想は正直すごいというほどのものではなかった。

しかしちょっと感想文を書いておこうと思って、自分の年表を開いた途端、それはまったくの間違いだということが分かった。

この映画のエピソードのほとんどは1971年の前半の期間に集中する。それらの話はウォーターゲート事件の始まる前のものと認識されてきた。しかしそれは前奏曲ではなく、第一楽章そのものであった。
私の年表に記載されているのは以下の行である。

1971年
3 ワシントン・ポスト紙のアンダーソン記者,カンボジアの秘密爆撃を指示した国防総省の秘密文書を暴露.国防総省はドナルド・スチュアート首席捜査官を中心に漏洩元の調査に乗り出す.
6.13 ニューヨーク・タイムズ,ランドコーポレーションの職員でキッシンジャーの元同僚ダニエル・エルズバーグの漏洩した,国防総省の秘密調査の内容を暴露した「ペンタゴン・ペーパーズ」の掲載を開始.
7 アーリックマン首席補佐官,エルズバーグに関する特別調査班を編成.責任者としてヤング補佐官とエージル・クローグ補佐官を任命.ヤングとクローグは行政府ビル地下に本部を設営.オフィスのドアに「鉛管工」の看板を掲げる.元CIA諜報員でチャック・コルソン補佐官の部下ハワード・ハントと元FBI捜査官のゴードン・リディーがスタッフとして参加.
7 ニューヨーク・タイムス紙,SALT交渉に関する米国側の譲歩の内容を暴露.情報源はデジタル情報中継センターに勤務する陸軍下士官スティーブン・リンガー.
9 鉛管工グループのハントとリディー,エルズバーグのかかりつけの精神科医ルイス・フィールディングのオフィスに侵入.実行犯はピッグス湾参加者のフェリペ・デ・ディエゴ,CIAの航海士として350回以上もキューバに侵入したエウヘニオ・マルティネス,元CIA職員のバーナード・バーカーの三人組で,いずれもハントのマイアミにおける手下.
というレベルの情報しか流布されていなかった。

このときはまだボブ・ウッドワードもディープスロートもまだ登場していない。

事件はまだウォーターゲート事件ではなく、エルズバーグ事件であったのだ。

とりあえず、もう一回ウォーターゲート事件を勉強する必要がある。それも一連の流れを、権力による盗聴事件として捉えるのではなく、ベトナム戦争の本質暴露事件として把握する必要があるようだ。

メリル・ストリープは名演だ。一人の英雄のエピソードを、一人の女性のエピソードとしても演じきっている。

女性も土俵に上げろと主張した宝塚の女性市長と相通じるものがあるが、それよりはるかに強い。厳しいリスクテイクをしている。周りもしっかりと支えている。

そう簡単に比べる訳にはいかないが、とにかく宝塚市長さんにはぜひこの映画を見て、じっくりと考え込んでほしいと思う。


伊藤大一さんによる「アメリカ労働運動の新潮流とサンダース現象」という講演の要旨が紹介されていて、面白い。
http://www.minpokyo.org/journal/2017/03/5060/

2 大統領選挙が示したもの
新自由主義路線に対抗する道は、サンダースの社会民主主義路線か、トランプの「ネオ・ナショナリズム」かのふたつの道しかないことが示された。

3 アメリカの労働運動の新潮流
労働組合の組織率は、全体で11%、民間部門は6%で、長期衰退傾向は変わらない。
しかしその内容は大きく変わっている。1980年代に始まり、1995年にAFL―CIOが採択した社会運動的労働運動(Social Movement Unionism:SMU)がその中心となっている。
SMUは、労働組合の目的を、組織維持でなく、「社会正義の実現」とそのための組織の拡大におく。
そのため、組織化の対象を従来顧みられなかった女性、マイノリティ、低賃金労働者などに拡大し、企業だけでなく、NGO、地域コミュニティ、宗教コミュニティとの連帯を重視する。
その先進的な取り組みとして、農業労働組合、ビル清掃労働者の組織化、訪問介護ヘルパーの組織化、ホテル・レストラン従業員国際組合、ファストフード労働者の最低賃金獲得要求などの運動がある。
最低賃金要求のたたかいは、過大な生活負担に苦しむ労働者・国民の切実な要求として多くの支持を得ている。そして多くの州・都市において実現を見つつある。

4 アメリカの労働者の窮状
アメリカの労働者の生活は本当に厳しい。都会のアパートの家賃は1LDKで月額3500ドル(約35万円)である。ほかに過大な学費もある。公立であるニューヨーク州立大学でさえ年間学費約180万円、私立の名門スタンフォード大学では約480万円に達する。また過大な医療保険代・医療費はよく知られている。

5 SMUとサンダース
SMUが掲げる要求はサンダースの政策とよく一致している。

*我々はすでにオキュパイ運動の影にその片鱗を垣間見ている。以下の記事を参照されたい。

「トランプ減税」という赤旗記事が要領よく内容をまとめてくれている。

合田寛さんの談話によるもので、見出しは「財政基盤の掘り崩し」となっている。

まずは中身の紹介。読み込んでいくと、

1.巨大多国籍企業への優遇

2.富裕層への優遇

3.法人税概念の放棄

の3つに分かれるようだ。

1.巨大多国籍企業への優遇

まず、巨大多国籍企業への優遇としては、

A) タックスホリデー構想

タックスヘブンには現在2兆ドルが溜め込まれていると言われる。これを国内に還流させるために、1回限りの低率課税を行うというもの。

税金泥棒に恩赦を与えて、返さなくてもいいよという仕掛けだ。

法の意味は根本的に失われる。

合田さんは、

資金は還流しても、それは自己株の買い取りに向かい、国内投資には向かわない。したがって経済効果はない。

としている。

B) 国外所得免除方式

現在は「全世界所得課税」と言って、会社の全利益に対する課税方式になっているが、この内、海外子会社からの配当には課税しないようにするというもの。

ちょっとややこしいが、海外の子会社の利益をそのまま送金すれば税金を取られるが、タックスヘブンのダミーに送金して、親会社はダミーからの配当を受ける、と言うかたちにすれば税金はかからないということだ。

企業がどうするか、猿でもわかる。これは「国外所得への課税免除」そのものだ。

その結果どうなるか、ますますタックスヘブンに所得を留保することになる。

2.富裕層への優遇

大企業の利益は最終的には個人=富裕層に還元される。直接税中心主義の思想からすれば、そこからしっかり取ればいいという理屈も成り立つ。

しかしトランプ減税はここにもしっかり手を打っている。

A) 個人所得税

個人所得税の税率は、最高税率39%を35%に引き下げる。税率7段階を3段階に「簡素化」するというもの。

「代替ミニマム税」の廃止についても書かれているが、内容がわからないので省略。

B) 遺産税の廃止

日本でいう相続税だ。

これは大きい。直接税思想の根幹に触れるものだ。世襲制が公認され、社会が固定化される。これは社会の自殺行為だ。

アメリカの遺産税の税率は最高で40%、これでも低すぎると思うが…。

3.法人税概念の放棄

トランプは法人税を現在の35%から15%に引き下げると言っている。半分以下だ。これは引き下げというより、そもそも法人税という概念の放棄を意味する。

率直に言って、これは国際問題だ。世界各国が法人税の引き下げ競争をやっている。行き着く先は全世界のタックスヘブン化だ。

もちろん各国は法人税減税以外にも各種の優遇策により企業の税率を抑えている。

トヨタの社長が告白したように、5年間1文の税金も払わないで済ましている会社もある。

それはそれで大問題だが、法人税減税という正面からの攻撃は、税制の根幹に関わってくる大問題だ。

いったい、国家の財政基盤はそれで成り立つのか、国家というものを「夜警国家」に変質させるのか、という根本的な疑問がある。


テレビを見ていたら、「なんとか先生の熱烈討論」とかいうアメリカの討論番組をやっていて、トランプ支持派の人が一生懸命に「アメリカ・ファースト」論を擁護する論陣を張っていた。

司会者のなんとか先生は、かなり意図的にトランプ支持派の意見を引き出し、「アメリカ・ファーストで何が悪い?」みたいな雰囲気を作り出そうとしていた。

不愉快で途中でやめてしまったが、「アメリカ・ファースト」論の擁護者は一つも間違っていないのである。だからそこを論点にしてもしょうがないのだ。

問題は、①アメリカ・ファーストが、アメリカン・ピープル・ファーストにはなっていないことだ。②それはアメリカン・エンタープライズ・ファーストであり、③いますでに世界はアメリカン・エンタープライズ・ファーストであり、そのためにアメリカン・ピープルが苦しめられていることだ。

そしてトランプがやろうとしていることは、アメリカン・ピープルの犠牲の上にアメリカン・エンタープライズ・ファーストの世界をさらに広げようとしていることだ。

ということを、事実を持って具体的に明らかにしていくことだ。おそらくアメリカ・ファーストを支持している人たちは、「99%の人たち」であり、本来我々のもっとも心強い味方の人たちのはずだ。

彼らは反ヒラリーであり、反富裕層であった。本来はバーニー・サンダースと心を通わせ合うべき人たちであった。

問題はむしろ、彼らを見る我々の目線の問題にあるのかもしれない。我々はバーニーが彼らを見るように、彼らを見なければならないのだろうと思う。


赤旗のワシントン特派員の遠藤誠二さんが素敵な写真を掲載してくれた。
記事の題は「反トランプで満員」という囲みもの。
週末の午前中、ワシントンに向かう地下鉄はいつもガラガラですが、この日は違いました。
郊外の駅にはピンクのいでたちの人だかりができ、来た電車も満員でした。
利用者はすべて、トランプ政権に抗議して開かれる「女性の行進」参加者。郊外のホテルに宿泊し、「いざ出陣」となった面々です。
…8両編成の車両は「反トランプの貸切列車」といったところか…
女性の行進
クレアモントというネオンがついていますが、これはマンションの広告だと思います。このマンションは市街中心部から北に向かうウェブスター街に沿って散らばっているので、おそらくそちら方面の駅だろうと思います。
間違っていたら教えて下さい。
この集会には50万人が参加して夕方まで続いたといいます。全米では100万人が立ち上がったそうです。ウーマン・パワーはすごいエネルギーですね。男どもは株価の動きにあたふたしているだけです。これからは女性が世界を支えることになるでしょう。(ただし写真を見るとカラード・ピープルの少なさが気になるが)

アントニオ・ネグリ的な「帝国」が姿を現しているのかもしれない。
資本はその本質上祖国を持たない。マルクスは「資本が祖国を持たない以上、労働者も祖国を持たない」と言った。しかし当時は、それは「万国の労働者よ、団結せよ」という呼びかけに終わるしかなかった。
世界資本主義が成立しようとする今、労働者は祖国を失い、砂のように流動化しつつある。それはゴビ砂漠が万里の長城を飲み込むように、いたるところで国境を超え、既成政治を越えて流動化しつつある。これがマルチチュードだ。それはネット世界のヴァーチャルな存在ではない、生贄としての生身のマルチチュードだ。

では国家はそうやって世界資本主義の前に無力化し、消滅し、1%の富裕層による単一市場国家、ネグリのいう「帝国」が誕生するのだろうか。それはありえない。
グローバル資本は、寄生虫が宿主を必要とするように、本質的に国家と国境を必要とするからである。彼らはゲバルトを必要とし、ゲバルトにより囲まれた安全地帯を必要とするからである。
イギリスの移民排斥、その延長線としてのEU離脱は、古き良き時代への懐古に過ぎず、決して庶民本来の要求ではない。
イギリスは移民先進国である。ロンドンの下町に行けば、生粋のイギリス人を探すほうが難しいくらいだ。
イギリスの庶民の苦しみは移民の増加によるものではなく、実体経済の空洞化によるものである。イギリスはあらゆる経済自主権を放棄することによって、「世界一金融資本に優しい国」となり、金融マーケットとしての地位を確保した。
その過程で庶民の暮らしは無視され、その多くが無為徒食の民となることを強いられた。
今そうやって獲得した金融マーケットとしての地位がEUによって侵食されようとしたから、金融資本家は離脱の動きを煽った。彼らには彼らの意のままになる「国家」が必要だったのである。
貧富の差の拡大を基盤として、この金融資本家たちの相矛盾した行動が、社会の混乱を煽っているのである。
トランプには国内産業の保護と、みずからもその一員である金融資本やグローバル企業の保護という政策矛盾がある。同じようにヒラリーについた金融資本家にも矛盾がある。
いま世の中はこうした矛盾に満ち溢れているが、それは1%の超富裕層対99%の貧民という構図がもたらしたものだ。そしてその構図がいまだ多くの人に明示されていないという過渡的状況がもたらしたものだ。
しかし多くの人々がエスタブリッシュメントの支配に耐えきれず、行動に移り始めたという根本的な流れを、我々は見落としてはならない。
「民」を先進国に移転するのではなく、「富」を途上国に移転すべきだ。劣悪な労働条件を先進国に持ち込むのではなく、ディーセントな労働条件を途上国に広げるべきだ。
世界中に膨大な貧困があり、有り余るほどの欲求があり、世界中に未開拓の労働力があるのだから、社会の生産力はまだまだ大幅に向上できるはずだ。
そのために諸国家にはまだし残したことが莫大にあるはずだ。EUの積極的側面を無視するわけではないが、その前に国家が資本から自立し、庶民政治の拠点として再活性化されるべきだ。「死滅する」には早すぎる。
これが2016年から17年にかけての流れだ。たしかに物騒な局面を含んではいるが、この庶民の動きの底流を信じよう。

ネグリ自身について書いた記事もあったはずだが、目下見当たらない。


トランプを押し上げたティーパーティー

トランプとティーパーティーの関係を取り上げた記事は意外に少ない。

中では

2016/09/23 米保守派ティーパーティー、トランプ氏支持を表明 - WSJ を紹介する。

ティーパーティー運動の有力団体である「ティーパーティー・パトリオッツ」が、トランプのために、激戦州に資源を投入すると発表した。

団体代表の発言

ヒラリー・クリントンはティーパーティーが象徴する全てのことと対立している。一方、ドナルド・トランプはわれわれが核としている価値観を守るために戦うと約束した。われわれはトランプを選ぶ。

上下院で共和党が多数派を占め、トランプがホワイトハウスに入れば、ティーパーティーの政策が法制化される可能性がはるかに高まる。

ただしWSJは「今年5月までは、ティーパーティー系はトランプを冷ややかに受け止めていた」とあるが、地下ではいくつかのティーパーティー系組織が動いていたとの報道もある。いずれにしても9月の正式見解発表よりはるかに前からトランプ支持で動いていたことは確実である。


ところで、日本ではティーパーティーは既に過去のものという見方が広がっていた。冷泉彰彦 トランプ「大統領選撤退」に見るティーパーティーの凋落

しかしブームとしてのティーパーティーは終わっても、思想としてのティーパーティーはその勢力を拡大させていた。

思想としてのティーパーティー

ウィキによればTEA は「もう税金はたくさんだ」(Taxed Enough Already)の頭文字だそうだ。彼らの旗には「俺を踏みつけるな」と書かれてる。

ペイリンをアイドルとする組織から、今ではさまざまな潮流に分かれ、それぞれが運動を積み上げている。ただそれが地方で草の根で展開されていたために見逃されていただけだ。

中西部の町はどこも日本の地方都市と同じだ。職がない。商店街はシャッター通りだ。

労働者はいまやいない。残るのは公務員ばかりだ。だから公務員に非難の眼差しが注がれる。

教師、看護婦、警官、消防士エトセトラだ。

彼らは税金泥棒だ。給料を下げろ、年金を下げろ、組合も政治活動も禁止しろ、病院も学校も民営化しろ、黒人やヒスパニックに対する援助などまっぴらだ…という具合に話は進んでいく。

火事や泥棒などは自分で自衛する。スラムは放っとけばよい。当然、社会保障や医療保険など問題外ということになる。

これは本来大金持ちのリバタリアンの主張だ。弱者は共同体の中で助け合わなければならないのだ。

こうやって金持ちにうまいこと乗せられて、自分で自分の首を絞めているということがわからない、自分が弱者だということがわからなくなってしまっているのだ。

一通り、ニュースとしては出回った。
抜けているのは、トランプ当選を支えた地方の保守原理主義運動の実態である。この運動がかつて基幹産業で栄えた北部にも拡大し、力関係を逆転させてきたという経過だ。
これからいろいろ評価が出てくるだろう。
全体としてトランプ見直し色が強まるだろう。
庶民の声を反映しているのだという捉え方も、運動の視点としてはだいじだと思う。
そこまで切羽詰まってしまった世の中の矛盾の表現だ、という見方も出るかもしれない。
経済、外交、軍事では、公約そのままでは到底やっていけないから、何らかの手直しはされるだろう。
それを見て「トランプも案外常識人だ」などと考える向きも出てくるかもしれない。
しかしそれで評価を見誤ってはいけないと思う。
だからこれからの新政権を見ていく上で、評価の基準をはっきりと定めて置かなければならない。
① 白人優位主義と異人種排斥→民族浄化の動き
② 医療保険と最低賃金制度への攻撃→新自由主義のさらなる徹底
③ 反対派への逆襲→言論の自由への攻撃
とくに③については、地方でこれまでもティーパーティにより反リベラル・反労働者行動が展開されてきた。これがオハイオやウィスコンシンなどから全国に拡大し、一層強化される危険がある。国際ニュースにはなかなか載らないので、注意深く見守る必要がある。

下記の記事をご参照ください
2011年11月14日

2011年11月11日

2011年11月10日


トイレの男女別がなくなる?

別に差別主義者ではないと思っている私だが、流石にこのニュースには驚いた。

単独のトイレ、男女の区別は禁止-NYが制度化 2016 年 6 月 22 日のWSJ

というもの。

ニューヨーク市では来年1月1日から、共有スペースのないトイレはすべて「ジェンダーニュートラル(性別不問)」にすることが義務づけられることになった。市議会が21日、共有スペースのないトイレに男女別の表示を禁止する条例を47対2の賛成多数で可決したためだ。

デブラシオ市長は“自己の性認識に基づいた公衆トイレ利用”のため、2200カ所の公衆トイレに対して必要な対応を行うことを義務付けた。

「からだと心の性が一致しないトランスジェンダーの人たちにとって好ましい環境を作る簡単な方法だ」とされているが、ポリティカル・コレクトネス(政治的・社会的に差別や偏見がないこと)が度を超した一例だとの批判の声も出ている。

これだけでは良く分からないが、WSJは相当気合を入れてこの問題を報道している。

例えばノースカロライナ州では、出生証明書に記載された性別に応じて公衆トイレを使うよう義務付けるという「反動」的な法律が、成立している。

何故この法律が成立したかというと、この州法に先立って、同州最大の都市シャーロットの議会が、男性用あるいは女性用を自己の性認識に基づいて利用できるとする条例を可決したからである。

一方で明らかに憲法に違反すると思われるような例も出てきた。

テキサス州ヒューストン市の住民投票では、性別による差別の禁止をゲイ(同性愛者)やトランスジェンダーにも広げる条例を圧倒的多数の反対で否決している。

言い方はややこしいが、つまるところ、ゲイやトランスジェンダーに対する差別は許される、差別しても構わないということだ。この論理を拡大していけばリベラルもムスリムにも差別が許されることになる。

しかしこれは、そもそも住民投票にかけること自身がおかしいので、これでは下からの民主主義破壊になってしまう。

また、いくつかの州では「宗教の自由」法の制定が検討されている。これは宗教の自由を口実にして、企業が宗教上の観点から同性愛者と働くのを拒否することを可能にしようというもので、もはや憲法もへったくれもない。

学生の頃、学校には女子トイレが圧倒的に少なく、女子トイレを作れという女子学生の運動が盛んだった。

トランスジェンダーの選択の自由は、その先の段階にある話なのだろうが、やはりピンと来ないところはある。

むくつけき男が「私は女よ」と言って女子トイレに入ってきたとき、他の女性にはそれを拒む権利はないのか。

答えは「ない」ということだ。そもそも女子トイレという概念がなくなってしまうからだ(ただし共有スペースのないトイレの場合)。

こういう独善と押し付け倫理の傾向はアングロサクソンに特有なもので、かつての禁酒法、いまが盛りの禁煙運動などと軌を一にするものだ。(と、密かに私は思う)


ニューディールの経過を勉強しようと思って、ネットを探したが、まともに取り上げた文章はほぼ皆無である。そのあまりの徹底ぶりに思わず苦笑してしまうほどだ。

ブログ記事はほとんどがフリードマンもどきの懐疑的な見解で埋め尽くされている。学術記事もケインズの業績と関連して刺し身のつま的に扱うだけだ。要するに批判はするが知ろうとはしない。これにはかなり愕然と来た。

国際的には依然ニューディール神話は健在だし、オバマもニューディールを標榜した。安倍首相お気に入りのスティグリッツも現代版のケインズと目されている。

強調しておきたい。ニューディールはあれこれの政策選択ではない。それは大衆運動の圧力のもたらしたものであり、大衆の呻吟を受け止めるポジティブな姿勢の反映である。

大恐慌のときニューディール批判派は何をしていたか。何のオプションも提起せず、大衆を弾圧し、大衆の苦労については、ただ手をこまねいて見ていただけだ。だから、そもそも批判する資格はない。

ニューディール評価をケインズに収れんさせるのは、政策イシューにことを矮小化するためのレトリックに過ぎない。

フリードマンの批判は、50年も経ってからの後付け批判に過ぎない。しかもそのフリードマン理論の下で展開された新自由主義は、世界経済を目茶苦茶にした。その経過を我々はリアルタイムで見つめてきた。

何よりも、ニューディールはファシズムが世界を支配しようとする瀬戸際に、それと真正面から立ち向かう姿勢を貫いた。戦後世界の民主的立場を代表した。たとえその政策に瑕疵があったとしても、この歴史的役割を我々はしっかり評価しなければならない。

現在、ニューディール本流の伝統は赤狩りの中で途絶えてしまって久しい。リーマンショック後の世界経済が世界大恐慌と通底している以上、我々はその積極的側面を大いに引き出し、その教訓を改めて確認しなければならないと思う。

サンダースとニューディール政策

サンダースのルーズベルトに寄せる強い親近感については、ピケティも注目している。

朝日新聞の「ピケティコラム@ルモンド」という記事にそのことが触れられている。いずれ消える可能性がある記事なので、要点だけ紹介しておく。

1.ルーズベルトのやったこと

ルーズベルトの時代、米国は不平等の是正のため、野心的な政策を進めた。

高い累進性を兼ね備えた所得税と相続税とを生みだした。

また米国は、30年代にはすでに最低賃金を定めている。現在のドルに換算すると、その額は60年代末に時給10ドルを超えていた。

2.戦後のアメリカ

年収100万ドルを超える層に課された最高税率は、ケネディ大統領までの時代は91%だった。相続税にも70~80%の高い累進税率が課された。

ドイツやフランスで最高税率が30~40%を超えたことはほとんどない。

高い生産性と教育体制のおかげで、失業はほとんど生まれなかった。

南部でまだ合法的に続いていた人種差別に終止符を打ち、新しい社会政策を打ち出したのもこの時期だ。

3.レーガンのやったこと

この一連の政策は白人有権者のうち少数の反動的な人たちと、金融エリートの間で大きな反発を生んだ。

レーガンは、こうしたあらゆる不満の波に乗り、当時すでに神話と化していた原初の資本主義を復活させた。

86年の税制改革では最高税率を28%まで引き下げた。

クリントンやオバマも本当の意味でこの決定を見直さなかった。

格差は爆発的に拡大した。しかも経済成長は低調で、大多数の人たちの所得は停滞した。

レーガンはまた、最低賃金の水準を抑え続けた。80年代以降、最低賃金はゆっくりと、しかし確実に、インフレによって目減りした。69年は時給11ドル近かったが、2016年は7ドル程度だ。

その後の民主党政権も、レーガンのイデオロギー(レーガノミクス)を根本的に変えることはなかった。

4.ピケティの結論

現在のサンダース氏の成功から分かるのは、米国のかなりの数の人たちが、不平等の増大と見せかけの政権交代とにうんざりし、革新的な政策で平等を目指す米国の伝統 と和解しようとしているということだ。


正直のところ、ピケティの上げた数字については、別の資料での確認が必要かと考えている。

また、コラムという性格上踏み込んでいないのだが、何故そのような改革が可能だったのかという背景には踏み込んでいない。しかしそれがないと、何故アメリカ国民はやすやすとレーガノミクスを受け入れてしまったのか、ということも見えてこない。

いずれにしても、時代背景をも踏まえたニューディールの全面的な検討(ケインジアンとの交錯もふくめ)が必要だろう。

それは日本の戦後改革や日本国憲法の形成過程とも関わっているはずだ。従って、日本国民が直面する民主主義と国民生活防衛の運動とも根っこを一つにしているはずだ。

バーニー・サンダースの闘いは我々(日米両国人民)の闘いなのかもしれない。


ということで、ネットでサンダースの演説を探したが、日本語ではろくな記事はない。

仕方ないので赤旗の記事を要約紹介する。これは去年11月19日、ワシントンDCのジョージタウン大学での演説だ。この演説はルモンド・ディプロマティークでも重要演説として引用されている。

1.ルーズベルトの思想と行動

* ルーズベルトの就任演説(1937年1月20日)

ルーズベルトは米国を見渡し、目にしたものを語った。それは国民の悲惨な生活である。

ルーズベルトは行動した。数百万人を職場に戻し、民衆を貧困から救いた。そして政府への信頼を確立した。

当時の支配階級はこれに激しく抵抗した。ルーズベルトは彼らを「経済反動主義」と糾弾した。

それが今日、我々のやらなければならないことだ。

これは彼の2期目の就任演説だ。この時米国は依然として大恐慌の余波の中にあった。しかも欧州ではナチスがひたひたと侵略の歩みを始めていた。

すでに前年7月からスペイン内戦が始まっている。この演説からまもなくの4月にはゲルニカ爆撃が行われている。7月には第二次上海事変が始まり、そのまま泥沼の日中戦争へと移行する。

* ルーズベルトの「社会主義」

その頃、ルーズベルトの提案したことのほとんどは「社会主義的」と非難された。

社会保障年金、最低賃金制、失業保険、児童労働の廃止、週40時間労働、団体交渉権、強力な金融規制、預金保証などはすべて「社会主義的」と称された。

しかしこれらの事業こそが米国を形作り、中産階級の基礎となっている。

2.支配階級に挑む運動を

* 「覚悟のある運動」が生み出されなければならない

いま、現実の米国は過去40年の間に偉大な中産階級は没落した。そして政治制度への信頼はきわめて低い。

米国を本気で変えようと思うなら、政治活動を生み出す必要がある。私たちの国を破壊する貪欲な支配階級に挑み、打ち負かす覚悟のある運動だ。

* 不平等を維持する権力構造

今日、米国には巨大な富と所得の不平等がある。しかし肝心なことは、それだけではない。米国にはその不平等を維持する権力構造があるということだ。

だから我々は、今の政府を変えるだけではなくこの国の階級制度を変えなければならない。それが民主的社会主義だ。

3.民主的社会主義とは何か

* 新たな経済の仕組みを生み出すこと、そのために政治制度そのものを変えること

民主的社会主義とは何か。それは富裕者だけではなく、全ての人に役立つ経済の仕組みを生み出すということだ。

ウォール街や億万長者、大企業だけでなく、労働者世帯のために民主的社会主義を実現すべき時だ。

第二に、そのためには今日の米国の政治制度そのものを改革せねばならないということだ。

それは全体として不公平なだけでなく、多くの面で腐敗している。

* 社会主義者は国営化も私企業の収奪もしない

私は政府が生産手段を所有すべきだとは考えていない。しかし米国の富を生み出す中産階級と労働者には相応の配分をすべきだ。

私は私企業を収奪するつもりはない。しかし雇用を海外に移出し利益を上げる企業は信じない。米国内で努力し、投資し、成長するような私企業を信じる。

私が大統領に立候補しているのは、一部の人ではなくなく、すべての人に希望とチャンスがある、そういう国に住む私たちすべての出番だからだ。


この主張は、この間勉強したばかりのジェームズ・ミルの主張と瓜二つです。これは社会主義どころか、ベンサム、ジェームズ・ミル、リカードウと続く初期資本主義の本流の考えでしょう。

赤旗にバーニー・サンダースの演説の要旨が掲載されていて、いくつか分かったことがあった。
とくに、彼がなぜあえて、自らを民主的社会主義者と呼び、その立場を貫いて来たかという理由が見えてきた。
彼はフランクリン・D・ルーズベルト(以下FDR)の崇拝者だ。FDRの採用した個々の施策というより、FDRが勤労者・中間層を擁護すべく、大企業やそのイデオローグと対決する姿勢を貫いたことに共感している。
いわば、「遅れてきたニューディーラー」なのだ。
FDRは最低賃金制や、独占資本の規制策により「社会主義」のレッテルを貼られ攻撃された。しかし今ではその基本構想は米国社会に根付いている。それをもう一度無きものにしようとするのが今の支配層だ。
であれば、今あえて、自らを社会主義者と呼ぼうではないか、というのが彼の一貫した思いだ。
別に旧ソ連や中国型の国家づくりを目指すわけではない。むしろFDRとニューディーラーが思い描いた「良き社会」を取り戻そうと言うのが、彼の目指す方向だ。それが資本主義であるか否かは問わない。
彼が社会主義者を標榜するのは、それによって退路を自ら絶とうという決意の現れなのだろう。
かつてFDRが社会主義者呼ばわりにひるまずに、改革を成し遂げたように、バーニーも社会改革を目指す。
「それを社会主義というなら、よかろう。俺はまぎれもなく社会主義者だ!」

BuzzFeed News というサイトに

「社会主義者がアメリカ大統領候補に? バーニー・サンダースってこんな人――大統領選の注目は、ドナルド・トランプだけじゃない」

という記事があった。溝呂木佐季さんという方が書いたものだ。

非常に親切な記事なので一読をおすすめする。

そこにリンクされたChicago Tribuneをたどると、下記の写真(63年)があった。直接あたってもらえれば良いと思うが、著作権を無視して転載する。クレームあればただちに消します。

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63年にシカゴ南部の黒人地区で公民権を要求して座り込み、警官に排除される髪ふさふさのバーニー。


ルモンド・ディプロマティーク国際版に簡単なバイオがある。

1941年 ブルックリンの生まれ。両親はポーランドからのユダヤ系移民。

1960年ころ、バーニーはシカゴ大学で社会主義青年同盟(YPSL)に参加し、公民権運動、ベトナム反戦運動を担っている。

その後バーモント州で小さな政治結社「自由統一党」の候補として活動を続け、80年に州都バーリントンの市長に当選。市街地の再開発に敏腕を発揮した。

地元週刊紙ヴァーモント・ヴァンガー ド・プレスは、「バーリントン人民共和国」という特別号を発行して敬意を表した。

90年に連邦下院議員に当選。唯一の無所属議員として活動。2006年には上院議員に当選。2010年には高所得者層への減税措置に反対し、8時間にわたるフィリバスター演説を敢行した。

1年前に民主党に入党。大統領候補になるためだ。気楽に受けた民主党幹部はさぞかし臍を噛んでいることだろう。

ルモンドによれば、彼は革命の信奉者ではないし、英国労働党左派のジェレミー・コービンのような急進派でもない。サンダースが重視しているのは、所有と支配ではなく、再分配をめぐる闘いだ。



日航争議団長の山口宏弥さんには申し訳ないが、やはりパンナムは潰れるべくして潰れたと思う。
反論するからには、財務内容の経過とか示さないとダメなのだろうが、そこまでやらなくともパンナムの経営悪化の原因は明らかである。パイロットやスチュワーデスはハリウッド・スターではないのだ。
パンナムを狙い撃ちしたテロは確かにあったし、そのためにパンナムが大きな被害を被ったことも間違いない。しかしそれがなくてもパンナムはダメだっただろう。テロは崖っぷちに立ったパンナムの背中をひと押ししたにすぎない。かつてパンナムに乗った乗客の一人としてそう思う。
航空業界の競争はたしかに熾烈だ。しかしそれは、業界全体としては空前の規模拡大を遂げていることと表裏一体だ。平たく言えば、儲かるからどんどん新規参入があるし、そのために競争が厳しくなるのだ。
パンナムという偉大なノレンがあるのだから、棲み分けして、ニッチ化すれば生きる道はある。帝国ホテルになるかビジネスホテルに徹するかだ。
日航争議団としては、パンナムと串刺しにされて議論されては困るだろう。それは分かる。だからといってパンナムを弁護する必要はない。日航はちゃんと黒字を出し優良経営に転化している。パンナムとは違うのだ。
その辺は、乗っている客にはちゃんと分かるのだ。
ただ住み分けは必ず必要だ。高価格路線を取るなら、それなりの根拠を示さなければならない。有機野菜と同じで、納得すれば乗客は必ず日航を選ぶはずだ。

本日の赤旗に日航争議団長の山口宏弥さんが談話を寄せている。
見出しは「航空機がテロの対象に」というのだが、パンナム破産についての話が面白い。というより、初めて知った。
そのまま引用させてもらう。
米国のパンアメリカン航空(通称・パンナム)はかつて世界の航空界のリーダーとして、世界中に路線網を巡らせていました。
しかし、1991年に運航停止。その後、98年にふたたび経営破綻をして、会社そのものが消滅してしまいました。
米国の象徴として、軍事報復テロの標的となったことが原因の一つです。
82年、パンナム機内で爆弾が爆発する事件がありました。86年にはテログループにハイジャックされ、機内で銃撃戦となり、乗員乗客20人が死亡しました。
88年、イギリスのスコットランド上空でリビアのテロに爆破されて、乗客乗員259人が死亡し、墜落現場の住民11人も巻き添えとなりました。
パンナムは「テロの標的」というイメージが定着しました。利用客が激減し、遺族への補償金支払いなど致命的な打撃を受けました。
(以下略)
まあ、それだけではないのだろうが、少し調べてみるか。

共和党は長期低落しつつある。
赤旗に掲載された米国の政党支持率の推移。
ピューリッツァー・リサーチ・センターの調査を元に赤旗がグラフ化したもの。
米世論調査
共和党、民主党、無党派が1/3づつという構成、それがえんえん4半世紀にわたり続くという事実は、想像の範囲を超えるが、そうなんだから受け入れるしかない。
このなかで共和党のアップダウンが目につく。ブッシュ二世の時は景気はいいし対テロで狂っていた時代だから共和党が伸びた。それがブッシュ政権の末期から落ち始め、91年に比べ8%も支持を落としている。
だとすると、威勢のよいティーパーティー組はどうなっているのだ。選挙では常に共和党の圧勝だが理由は一体何なのか。この投票行動の乖離は民主党支持者の選挙離れということになるが、どんな理由なのか。
民主党はオバマ人気で浮かび上がったものの、その後は漸減状態だ。
面白いのは無党派の内訳で、どちらかと言えば民主党というのが48%で、どちらかといえば共和党というのは35%を占める。
だから純粋な無党派ではない。
グラフを見ると、共和党の減少に合わせて無党派が増えているように見えるが、実は民主党から無党派への移動が多いわけだ。
そうなると結論は二段構えになる。共和党支持者が民主党にシフトし、民主党支持者が無党派にシフトしていることになる。その結果民主党はプラマイゼロとなる。
ただこの長期傾向は投票行動と結びついていない。いつそれが明らかになるのか、もうしばらく辛抱が必要なようだ。


2月19日、ウォルマート・ストアーズが、時間給の従業員約50万人に賃上げを約束した。しかもかなりの引き上げ幅である。

時給を年内に少なくとも9ドル(約1070円)、来年2月1日までに10ドルに引き上げると言うのだ。このために新たに10億ドルを投資するそうだ.

対象は、ウォルマートとサムズクラブ(会員制倉庫型店舗)の約50万人の従業員。米国で雇用する140万人の従業員の約3分の1に相当する。

波及効果は少なくないと予想される。最低賃金に近い水準で労働者を雇用している小売業や外食業などが対応を迫られるだろう。

とくに最賃が低い地方では一般企業との格差が広がる。

ウォルマートは業績好調

ウォルマートの米国内従業員は約130万人にのぼり、民間企業としては全米最大の雇用主だが、これまで従業員の賃金水準をめぐり長らく批判されてきていた。従業員の調査によれば、その多くが公的支援に頼らなければ生活できない状況だったという。

第4四半期ではガソリン価格安を追い風に消費が拡大し、利益が予算に対し12%上回った。

しかし賃上げを発表した日、年間配当を1株当たり4セント引き上げたにもかかわらず、ウォルマートの株価は約2.7%下落した。

浅野秀二のアメリカ寄稿」にはこう書かれている。
 ウォルマートの年間利益は1兆6000億円。そのほとんどは株主配当されている。創業者であるサム・ウォルトンの富は、アメリカの労働者すべての富を上回っている。赤旗報道では、創業者一族の総資産は18兆円に達しているという。利率2%として、利子だけで年間3600億円だ。どうやっても使い切れない。

米国の最賃事情

この1年間で小売業の労働者の平均時給はすでに3%上昇している。同じく低賃金セクターである介護・外食業では3.4%上昇した。

とは言うものの、民間セクターの労働者の平均時給が24.75ドルなのにたいし、小売業の労働者は17.29ドルにとどまっている。

背景にあるのは労働力不足だ。1月の失業率は5.7%で前年同月比マイナス0.9%となっている。このため企業間の労働者獲得競争は厳しさを増している。スターバックスは、全従業員の賃金が最低水準を上回ることを宣伝している。

アパレル大手ギャップは勤務開始時の時給を10ドルに引き上げた。一方で通常店舗を200店閉鎖するなど、人件費高騰に対応し戦線整理を図っている。

「アパレル大手ギャップ」の画像検索結果

政府・自治体の対応

連邦法の下での最低賃金は時給7.25ドル。これは2009年以降、変わっていない。

しかし半数を超える州政府が、独自に最賃水準を定めている。カリフォルニアやコネティカット、マサチューセッツを含む7州の最低賃金が時給9ドルを越えている。

オバマ米大統領はこの動きを歓迎しさらに加速せようと動いている.

前に、赤旗の記事を転載したが、詳細が不明だった(2014年09月08日)。本日の記事でグラフが載せられ一目瞭然なので再掲する。


FRBの「消費者の所得・資産・債務などに関する調査」の結果である。
beikakusa

真ん中のカラムの「階層」というのが所得階層別の人口分布だろう。
1.年間所得の推移
これが左の「所得」カラムだ。総所得の分け前別分布だ。
トップ3%の高所得世帯の年間所得は、13年度で30.5%(2.8%増)に達した。
2.「富」の推移
これが右側の「資産」カラムだ
トップ3%の保有する「富」は、54.4%(9.6%増)に達した。
これと逆に、低位90%の「富」は24.7%(9.5%減)に低下した。
図で示されると、あらためて90%の人々の没落ぶりが実感される。
3.平均所得と中央値の乖離
平均所得は4%増加したが、所得中央値は5%減少した。

これは経済面ではなく、外信面の記事。
FRBの「消費者の所得・資産・債務などに関する調査」の結果である。
きじをそのまま書くと、
1.年間所得の推移
トップ3%の高所得世帯の年間所得は、13年度で30.5%(2.8%増)に達した。
2.「富」の推移
トップ3%の保有する「富」は、54.4%(9.6%増)に達した。
これと逆に、低位90%の「富」は24.7%(9.5%減)に低下した。
3.平均所得と中央値の乖離
平均所得は4%増加したが、所得中央値は5%減少した。
ただし
1.2.3.はそれぞれ比較対象が異なっている。
1.と3.は3年前との比較、2.は14年前との比較となっている。
「富」の中身が分からないが、おそらく「資産」をベースとした数字であろう。

ただし、この「富」というのは、そのほとんどが商品流通や生産的投資に回されないデッド・ストックであろう。大幅金融緩和で発行されたマネーが、そのままデッドストックとなって積み上がっていく構造は、いかなる観点から見ても健全とはいえない。
ここまで行くと、直接税の捕捉もさることながら、資産課税の議論が避けて通れなくなるのではないだろうか。

国際政治/アメリカ のアーカイブ 一覧表 (全42本)

米マックは賃金泥棒 2014-04-04 10:50:15

エドワード・スノーデンからみなさんへ 2013-11-29 00:01:47

失業率より就労率 2013-09-17 11:25:19

ガーディアン紙のハードディスクを破壊 2013-08-26 11:28:11

米国人は議会を信じない 2013-06-18 14:27:29

米多国籍企業は自国経済の足を引っ張っている 2013-06-05 17:53:15

シティズンズ・ユナイテッド判決を打破せよ 2012-11-14 15:46:21

財政の崖は富裕層の崖 2012-11-12 16:51:10

シティズンズ・ユナイテッド判決への反撃が始まった 2012-11-12 13:36:03

「接戦」はマスコミの陰謀 2012-11-07 09:07:04

共和党大会はどんな会議だったのか 2012-09-03 13:48:38

CNN黒人女性カメラマンのコメント 2012-09-01 12:18:06

共和党大会での黒人女性侮辱事件 2012-09-01 11:38:48

9.11ヒステリーは依然残っている 2012-07-27 10:21:51

米兵が毎日1人自殺 2012-06-25 11:14:06

モンローとエラ・フィッツジェラルド 2012-05-14 16:45:58

胸のすくオバマ演説 2012-01-26 10:57:37

キリスト教国アメリカ 2011-11-22 17:38:45

"occupy"は「乗っ取る」こと 2011-11-15 09:59:02

オハイオ: 現場の教師たちの勝利 2011-11-14 17:43:58

オハイオ州公務員法の要点 2011-11-14 15:07:04

大阪はオハイオに学べ 2011-11-11 12:18:01

オハイオ州民投票で労働者の勝利 2011-11-10 12:28:16

オークランド、市民ゼネストの詳報 2011-11-07 22:41:45

オークランドで1万人デモ 2011-11-04 17:43:52

米下院への支持が失われつつある 2011-11-04 16:08:25

占拠運動の最初の成果 2011-11-04 13:40:54

ロスの労・青連帯がすごい 2011-10-27 10:15:17

ウォール街行動1ヶ月 2011-10-21 10:37:58

ウォール街占拠闘争を考える 2011-10-13 23:09:13

ウォール街占拠闘争 その3 2011-10-13 17:11:42

ウォール街占拠闘争 その2 2011-10-13 17:10:23

ウォール街占拠闘争 その1 2011-10-13 17:07:49

「階級闘争」って素敵だ 2011-10-05 13:00:02

垣内亮さんの計算 2011-09-24 11:44:12

オバマが「階級闘争」を始めた 2011-09-21 17:41:46

バフェット発言の背景 2011-09-18 20:56:25

アメリカの飢餓社会化が進む 2011-09-16 10:41:12

9月8日 オバマ大統領の議会演説 2011-09-10 11:49:12

ウォールストリート・ジャーナルがオバマ非難 2011-08-11 17:21:54

フードスタンプ受給者が15%に達した 2011-08-09 16:49:31

アメリカは未だやれる。しかし… 2011-08-03 12:40:02


米政府は大学卒業後の奨学金返済軽減策を打ち出した。
具体的には、月々の返済額の上限を収入の10%以下とするということで、これまではかなり制限されていた枠を拡大するということだ。これで500万人が対象になる。

話はそこではなく、署名後の演説でオバマが語った言葉だ。
中間層は身動きがとれない。貧困層は多くの困難に直面している。一部の大金持ちは“税の抜け穴”の恩恵に浴している。
なぜみなさんはもっと憤慨しないのか。


オーディエンスの多くが学生であったこともあるのだろうが、米国大統領としては信じられない激しい口調だ。ほとんどアジ演説だ。
あと人気の残りが2年半ということで、焦りもあるのだろうが、彼がますます旗幟を鮮明にしていることも間違いないようだ。

「リーマン・ブラザーズ」という会社

もう潰れた会社だし、悪いことばかりした会社だから、別に憶えておかなくてもいいのだが、メモ程度に説明しておこう。と言っても、ウィキペディアの抜き書きみたいなものだが。

1.この企業かなりデカイ

ウィキペディアによれば

資本金 224億9000万ドル
売上高 590億0300万ドル
総資産 6910億6300万ドル

倒産時の負債総額

6,130億ドル

円に換算すると、総資産70兆円ということになる。

銀行の信用というと総資産勝負みたいなところがある。日本の銀行は無理やり3つに統合したが、リーマンはその三大銀行に次ぐ位置に来る。

三菱UFJフィナンシャル・グループ 218.8兆円
みずほフィナンシャルグループ 160.8兆円
三井住友フィナンシャルグループ 143兆円
りそなホールディングス 42.7兆円
三井住友トラスト・ホールディングス 34.3兆円
ふくおかフィナンシャルグループ 12.9兆円
横浜銀行 12.8兆円
千葉銀行 10.9兆円
ほくほくフィナンシャルグループ 10.5兆円
静岡銀行 9.6兆円

ちなみに日本の大企業の総資産は、トップのトヨタ自動車で35兆円だから半分にすぎない。

会社名 総資産額
(百万円)
業種
1 トヨタ 35,483,317 自動車
2 NTT 19,653,689 通信
3 東電 14,989,130 電力
4 三菱商 14,410,665 商社
5 ソニー 14,206,292 電気機器
6 ホンダ 13,635,357 自動車
7 日産自 12,805,170 自動車
8 三井物 10,324,581 商社
9 日立 9,809,230 電気機器
10 オリックス 8,439,710

一企業の倒産にすぎないと書いたが、。それだけでも相当の余波があって当然なくらいの巨大さではある。

創業からの経過

1850年、ドイツ南部からアラバマ州モンゴメリーに移住したヘンリー、エマニュエル、マイヤーのリーマン3兄弟が店を開いたのが始まりだ。リーマン3兄弟は“Lehman”という名の通りユダヤ系だ。

2月革命の直後だから、ドイツでは住みにくかったのだろう。マルクスもこの頃亡命し、パリ、ベルギー、ロンドンと転々としている。その後ドイツには帰っていない。

その頃のアラバマといったらど田舎だ。北部では工業が発展し、黒船に乗って日本まで出向いていたが、南部は辺境地帯で、インディアン刈りで名を馳せた「将軍」たちが綿花農場主とグルになってボス支配していた時代だ。

彼らの開いた日用品店「H.リーマン商店」は農場主たちの御用達となった。彼らは現金で払う代わりに綿花を持ち込んだ。リーマン兄弟は綿花取引に経営の重点を移し大成功した。南北戦争を経て、1870年にはニューヨーク綿花取引所が開設された。リーマンもニューヨークに拠点を移した。何かと人種差別のある南部よりユダヤ人の一大集積地であるニューヨークのほうがはるかに商売はしやすかっただろう。

リーマン兄弟社はゴールドマン・サックスの支援を受けてニューヨーク証券取引所の会員にまで上りつめる。ここまでが成功のレジェンドだ。

リーマン兄弟社は綿花取引ばかりしていたわけではない。第一次大戦後のブームに乗って信用取引や投資コンサルティングにも進出していった。そして29年、大恐慌のさなかに投資業務を分社化し、リーマン・コーポレーションを設立した。後にこれが斜陽の綿花取引に代わりリーマン・ブラザーズ本体を担うようになる。

1984年になって、リーマン・ブラザーズに試練の時が訪れる。会社の内紛から営業不振に陥り、アメリカン・エキスプレスに吸収合併されてしまった。その後の10年間、アメリカン・エキスプレスの一部として存続したが、94年にふたたびリーマン・ブラザーズ・ホールディングスとして独立をはたした。

サブプライムローンの大ヒット

とはいうものの営業基盤は脆弱で、放置すればいずれふたたびM&Aの荒波に飲み込まれてしまう。そこで社運をかけたのがサブプライム・ローンの証券化だ。

ここがミソなので少し詳しく説明する。少し面倒くさいので、順番に説明していく。

アメリカでの住宅ローンは住宅ローン会社が行う。住宅ローン会社には二種類あって、ひとつは純民間、もう一つは政府が援助するローン会社だ。民間会社には違いないが住宅金融公庫と多少似ているところもある。

民間の住宅ローン会社は、日本のように銀行ローンを又貸しするだけの存在ではない。独自に融資資金を集めてくる。それが「モーゲージ証券」というものだ。住宅ローン会社が優良なローンから怪しげなローンまで多数のローンを束ねて、「証券」という形で商品化する。投資家は一定のリスクを取る形でその証券を購入することになる。もちろんその「投資家」の中に銀行もふくまれる。

 「モーゲージ証券」を組織したのは住宅ローン会社だが、機関投資家やヘッジファンドなども、その高い利回りを求めて、その「モーゲージ証券市場」に参加してきた。ここまではわかりやすい話で、リーマンに限らずどの銀行もやっていたことだ。

リーマンのすごいところは2つある。一つは一般の投資信託の中に 「モーゲージ証券」を混ぜあわせた金融商品を開発したことだ。「モーゲージ証券」は別名「ジャンク(屑)債」といって素人は決して手を出さない仕掛けのものだ。それを混ぜた上で「多少リスクが高い投資信託」のような装いを凝らして発売したわけで、これだけでも立派な詐欺だ。

(ジャンク債を利用したもう一つの利殖手段が、97年にLMTCの編み出した方法だ。これは高度な知的技術を駆使した本格派だが、リーマンの方は知性などおよそ感じられないチンピラ詐欺師の手法である。案外そちらのほうが騙しやすいのかもしれない)

もう一つ、さらにすごいのは、「モーゲージ証券」でもとびっきり危険なサブプライム層へのローンまでも組み込んだことだ。「サブプライム」という言葉自体が詐欺的な用語である。サブというのは、ふつうは“副”とか“準じる”とかいう意味だ。プライムというのは“優良”ということだから、すごく優良ではなないが、まずまずという意味にしか採れない。

ところがサブプライムの定義を具体的に見てみると

①所得に対する借り入れが50パーセント以上、

②過去1年間に30日間の延滞が2回以上、

③過去5年以内に破産経験

となっている。「準優良」どころではない、「最悪」だ。日本なら間違いなく自己破産だ。まさにJunkyとしか言いようがない。これならサラ金会社に投資したほうがまだましだ。

こんな連中にカネを貸したらどうなるか。それが下の表だ。

サブプライムローンの延滞率

04年第4Q

05年第4Q

06年第4Q

07年第1Q

08年第2Q

9.83%

11.61%

14.44%

15.75%

18.67%

そんなもの要らないという人の口にドル札を突っ込めば、結果はこうなる。

リーマンはこのような毒饅頭を混ぜ込んだ金融商品をハイリターン商品として売りだしたわけだ。それをスタンダード&プアーズやムーディーズが優良商品として保証したから、全世界で売れまくった。

破産の道へまっしぐら

起死回生を狙った詐欺まがいの戦略は大成功。リーマンは全米屈指の大銀行へと成長をとげる。しかしそれもつかの間、住宅需要がしぼむとあっという間に坂道を転げ落ちていく。

08年の第二Qには純損失が39億ドルに上った。株価は4ドル台にまで急落した。最後は韓国政府系の韓国産業銀行に身売りしようとしたがそれもかなわず、15日の破産・解体へと突き進んでいく。誰もそれを止めることは出来なかった。

最後にファルドCEOは個人のリーマン株をすべて売り抜けて逃げ去った。160年の歴史を持つ巨大金融機関がこの世から姿を消した。

この間米国のマックの話が載っていたが、本日はそのフォロー記事が掲載されている。

これは元店長(複数)の告白記事で、「賃金窃盗」と非難している。

これによると、手口は以下のとおり。

1.勤務記録の改ざん
 実際には取っていない休憩時間を勤務時間に書き込む。コンピュータ操作によって可能なんだということで、そのやり方は上の人から店長に教えられるそうだ。

2.出勤前や退勤後だったとして、ただ働きにする。
 実際には勤務であるにもかかわらず、「自発的に行ったお手伝いだった」と解釈し、足切する手口。
 1時間以上に及ぶ場合もあったという。

元店長によると、マクドナルド社からフランチャイズ加盟店に対し、絶え間ない人件費抑制の圧力があり、それは労働法を守りながらでは不可能なレベルだそうだ。

シンクタンクの「経済政策研究所」の試算では、雇用主による「賃金窃盗」額は2億8千万ドル(取り返した分のみ)、低賃金労働者の3分の2以上が被害にあっているという。


まだ実物には当たっていないが、赤旗の紹介の紹介。
ブルームバーグの9月9日付電子版。

8月の米国内失業率は7.3%となり、前月よりわずかに下がった。
しかし失業率が下がっても実際の就労者は増えていない。就労率はさらに低下し、63.2%となっている。これは1978年以来の水準である。

就労率は正確にいうと、“実際の就労者+求職中の人” の “就労可能人口” に占める比率。

「失業率の低下は、労働人口の収縮の結果であり、より多くの人が職を得たからではない」

「重要問題は、就労率の低下の原因が構造的で長期にわたるものなのか、循環的あるいは一時的なものなのかを見極めることだ」


なんという時代錯誤

英当局がガーディアン紙のハードディスクを破壊したそうだ。

ガーディアンの編集長がコラムで明らかにしている。

これによると、英情報機関・政府通信本部(GCHQ)の専門家2人が、同新聞社を訪れ、地下室で関連資料をふくむハードディスクが壊されるのを見届けたそうだ。

編集長は「デジタル時代を理解しない無意味な行為」と皮肉っている。

まぁ、英当局も米当局の意向を汲んでやった象徴的な行為と思うが、わざわざ地下でやるところなど、考えようによってはイギリス人らしいブラック・ユーモアでもある。

この表は今月ギャラップが行った世論調査で、公的機関16機関について「あなたは信頼しますか?」という質問の答だ。
1371564879


議会はケタ違いの信頼度、ほとんどクソだ。
やらずぶったくりの保険会社のさらに半分だから、いかにひどいか分かる。

それでも73年(ウォーターゲート事件の頃)には42%あったのだが、この10年間でガタ落ちしたのだそうだ。

古金さんという方の書いた「企業の海外進出が雇用に及ぼす影響について~米国の経験からみた空洞化問題の一考察~」という論文(共済総合研究 第64号)からの転載です。

1370454599

米国は海外移転の先進国である。国内の製造業雇用者数は、79年の1,943万人をピークに減少傾向を辿っている。とくに00年以降は急減し、10年間で3分の2まで減っている。

実は製造業はそれよりはるかに先んじて減少している。製造業GDPが米国の全GDPに占める比率は60年には約30%だった。それが現在では半分以下の13%へと低落している。

この時期に製造業雇用者の比率は28%から9%にまで低下している。雇用者数はGDP減少に応じて減ったのではなく、それ以上に減らされたのである。(無論、一定の技術革新はあるのだろうが)

2.多国籍企業は成長にも雇用にも貢献しない

1370454654

多国籍企業の米国内親会社は01年以降減少を続け、10年間で3.5%減少している。同期間で米国全体の雇用は1.4%増加しており、雇用への影響はマイナスとなっている。

一方、在外子会社の雇用は36.2%増加した。労働力の投入は海外子会社中心になされていることが明らかである。

設備投資についても同様の傾向が示されている。米国内親会社の設備投資は0.9

%減少した。同時期の米国全体の設備投資は17%増加しており、多国籍企業が足を引っ張っていることは明らかである。一方、海外子会社への設備投資は49%の増となっている。

著者の結論

(非常にスッキリした良い文章なので、長めに引用させて頂きます)

企業の海外進出が加速しても、高付加価値産業の住み分けにより国内は空洞化しない。国民所得は投資収益増加によって増加し、本社機能の拡充などによって雇用も増加するといった見方があるが、楽観的すぎるように思われる。

今や状況は一変している。アジア経済が急速に発展し、日本との格差が縮小している。このため、企業も従来のようなすみ分けを行う意味がなくなっている。実際、研究開発など高付加価値部門の海外進出も増えている。

海外投資による収益増加が国民所得を増加させ、それがサービス業の雇用を増加させるいわれるが、実際には、多くの仕事が海外にアウトソーシングされ、国内に残るのは生産性上昇の見込みにくい、対人サービスが中心になるであろう。

最近の米多国籍企業の活動は、在外子会社において雇用や設備投資を増やす一方で、米国内親会社の雇用や設備投資は削減した。その活動は米国経済の足を引っ張っている。

比較優位部門を含めた最近の企業の海外進出増加は、国内の雇用などにも大きな悪影響を及ぼしかねないと思われる


どこかで雇用の崖がある。それを最初の図のリーマン・ショック後の急低下が示しています。それがいつ来るか、その時国民はいかに対応するだろうか。事態はきわめて深刻です。

医療保険がいかにおいしい商売か

損保ジャパン総研クォータリーの2007年版に
米国における健康保険市場と保険会社のヘルスケア事業」というレポートがあって

その中に表があるのだが、ちょっと細かすぎてこのブログにそのまま載せられない。
興味のある人は、そちらに直接当たって欲しい。

アメリカの営利保険会社はメジャー12社がある。
その12社の合計額で示しておくと、

加入者総数は1億1600万人、保険料収入は2,227億ドルとなっている。

注目すべきなのは純利益が130億ドルに達してるということ、もう一つは損害率が81.6%にとどまるということである。掛け金の2割近くが会社の懐に入るというのは、日本ならパチンコ業界並みで、公取法違反の捜査対象だ。

メジャー12社と書いたが、実は上位4社の比重がきわめて高く、とくに純利益総額130億ドルのうち108億ドルを4社が占めている。
つまりこの業界は完全な寡占状態に入っており、自由主義経済の信奉者が説く“市場原理”は働く余地がない。自由競争とは正反対のものに変質してしまっている。

要するに、国民が医療費と考えて出した金の2割は保険会社の儲けになって消えてしまうのだ。シッコの世界は本当だった。「市場原理に基づく効率的な運営」というのは嘘だ。“独占企業の利益原理に基づく、やらずぼったくりの運営”が実態だ。



以下に紹介するのは、メイン州選出の下院議員で女性のChellie Pingree さんという人が、地元紙の Huffington Post に寄稿したものである。

題名は“Recovering democracy after Citizens United”となっている。連邦最高裁判決で壊された民主主義をどう回復して行くのかという意味であろう。

1352908510

憲法がこのように修正されるのはクレイジーだ。つまり、アメリカ人の大多数にとってあまりにも明白な意見、「企業は人民ではない」という見解を明らかにする条項を付け加えることである。

しかし、そういうクレイジーな状況を、今日我々は眼のあたりにしている。

連邦最高裁が「シティズンズ・ユナイテッド」を支持する判決を下してからたった2年だというのに、我々はすでに破壊的な影響をひしひしと感じている。それは財政改革計画の深刻な後退となって現れている。

2010年の中間選挙は、これまでの歴史において最も高価な選挙であった。企業はありあまる利益を数億ドルも費やし、彼らを利するような人々を当選させようとした。そして大企業の懐をさらに膨らまそうとした。

「市民連合」はドアを開けた。さらにビッグ・マネーをつぎ込むことが許された。そこには企業の政治への影響力を強める目論見がある。いまや企業は豊富な選挙資金を無制限に寄付できるようになった。顧客や株主の金を同意なしに、制限なしに使うことが許されることになったからである。

私の故郷のメイン州では、匿名のドナーに支えられた州外のグループが、何百万ドルもの政治資金を使ってキャンペーンを行ってきた。そうやって連中の目論見に反対する動きを潰そうとした。我々はそれを見てきた。

メイン州では我々は幸運にも Clean Elections システムを持っていた。それは(最高裁判決に逆らって)、議員が企業の特別利益金を拒否することを認めるものだ。国家のレベルでもメイン州のやり方に従うべきだと思う。議会は小額のドナーの声を勇気づけるべきだ。

私は法案を作成した。超党派で提案することになる。その「Fair Elections Now Act」は、メイン州で行っているシステムを全国レベルで実施しようというものだ。

このシステムは少額ドナーを優遇した政治資金計画だ。これによって市民が選挙に主体的に参加できるようになる。「少額ドナー」システムは、それだけで全国レベルのすべての問題を解決するわけではないが、大きな力にはなるだろう。

すでにワシントンはビッグビジネスによって支配されているが、シティズンズ・ユナイテッド判決はさらに市民の敷居を高くした。普通の人々が声を上げても、その声はいくつものハードルによってさえぎられている。

我々の民主主義の中核は、誰でも平等に声を上げることだ。語り、聞くことだ。シティズンズ・ユナイテッド判決はその鍵となる価値を蝕んでいる。それは企業がたっぷりと金を使って彼らのスピーチを行ない、他のすべての人々の声を掻き消すのを認めている。

企業はそれなりに重要な目的をもって活動している。しかし人々に投票の仕方を教えることは企業の目的ではない。

私は彼らとともに働きたい。経済成長を維持し、社会の健康を増進させたい。だから私の政策について彼らの考えを聞きたい。そうすればもっとよくなるだろう。

しかし、彼らのものの見かたは労働者や雇用者のそれとバランスをとらなくてはいけない。彼らの顧客ともバランスがとれていなければならない。そして、彼らの決定が良かれ悪しかれ影響を与えるであろう多くの人々と、考えをすり合わせなければならない。

我々はこれ以上彼らに金を使わせてはならない。それは政策を彼らに都合の良いようにゆがめさせる為の金だ。

ミット・ロムニーは会社が人民であると思っている。私はそうは思わない。会社に人権手続きを行うといったって、第一、“straight-face test”にパスできないではないか。

悲しいことに、我々は憲法修正第一条を書き直さなければならないようである。すなわち「憲法により保護される権利とは人間の権利であって、企業の権利ではない」と。

これまでにも増して、ワシントンは政治活動へのビッグ・マネーの流れを止める必要に迫られている。強力なロビイストの地位を揺るがす必要がある。しかし「市民連合」はそうするための我々の能力を著しく弱めた。

下院議員の一人としての私の視線は、厳しい経済の時代に何とか生活を持ちこたえようとしている家族に注がれている。大企業ではない。彼らは議員に影響力を行使し、より多くの利益を搾り取ろうとしているだけだ。

我々は「市民連合」判決を無力化させる必要がある。そうすることで、ふたたび本業に戻ることができるのだ。

「財政の崖」はたしかに存在する。しかしその崖は富裕層が作り上げているものだ。
それは、大統領選挙でオバマが勝利したことで、基本的には解決された。
一つは、歳出の自動削減を唱える共和党右派の敗北である。もちろん民主党が勝利したわけではないから、下院の壁は依然として残っている。しかし鉄壁ではなくなった。
もう一つは、今回の選挙が残した置き土産が、富裕層に対するいっそうの不信感だということである。4年前、自らの招いたリーマン・ショックで破産の危機に陥ったのを、オバマの財政出動で救われた。そのことを忘れて、極右の尻馬に乗って、ありあまる金を使って、ネガティブ・キャンペーンに奔走した富裕層の姿は、国民の目に焼き付けられた。

選挙後、これまで減税について中立的だった議会事務局(CBO)が、減税延長の経済効果について新たな試算を発表した。

赤旗の報道によると以下の通り。
①富裕層を含めて減税を延長した場合のGDP押し上げ効果は1.5%弱
②世帯年収25万ドル(2千万円)以上の層への減税を打ち切った場合の、押し上げ効果は1.25%
ということで、差し引き0.25%にしかならない。

歳出の自動削減が不可能となれば、共和党の矛先は医療保険に向かうことになるだろう。医療保険に対する国民の反感はたしかに根強い。日本における生活保護への反感と同じである。

富裕層から金を取るだけではダメだ。それが貧困層、社会的弱者に回されて初めてチェンジのうねりが始まる。ここが踏ん張りどころであろう。


以前にも、法人と個人の本質的な違いについて言及したが、法人の選挙運動を容認することがいかなる結果をもたらすかは、今回の大統領選挙を通じて明らかになった。
これを容認した連邦最高裁の「シティズンズ・ユナイテッド判決」への批判も強まりつつある。
アメリカが違うのは、ダメとなったら専門家や知識人の批判を待たずに住民が直接立ち上がることだ。
今度の大統領選挙で、コロラド州とモンタナ州ではこの判決の是非を問う住民投票が行われ、両州とも勝利した。

法律の話なので、少し解説を加えておかないと分かりにくい。

2010年1月に、シティズンズ・ユナイテッド(NPO)が選挙資金の企業献金の自由化を求めて裁判を起こした。
これに対し連邦最高裁は次のような判断を示した。
①政治献金に対する規制は、言論の自由を保障する憲法修正第1条に違反する。
②企業・団体も「自由人」として選挙への参加を認められるべきだ。

この辺の経過は英語版Wikipediaを参照のこと。

これに対してモンタナ州の住民投票は、「企業に自由人の資格はない」という主張をめぐり行われた。この主張は75%の支持を得て可決された。

コロラド州では、選挙への献金は制限されるべきだ。それは集や連邦の憲法に盛り込まれるべきだ。という主張が住民投票にかけられた。ここでも74%の支持で可決された。

カリフォルニア州では企業や労組の政治献金を禁止するという主張が住民投票にかけられた。さすがにこれは、正しくはあるが多少過激だったようで、55%が反対に回り否決された。

ということで、今回の大統領選挙は、企業の野放図の活動が許された最初で最後の選挙になるだろう(と期待する)。

カリフォルニアではこの投票は敗北したが、州知事の提案した富裕層の増税提案が住民投票にかけられ成立している。
州財務省によれば、これにより今後4年間で140億ドル(約1兆円)の増収が見込まれ、その全額が教育関連にまわされるという。
1兆円というのはすごいですね。これで富裕層がカリフォルニア州から逃げ出すか、そこが最大の見ものになりそうだ。


大統領選の投票が始まった。
おおかたの報道では、まれに見る接戦で、勝負の行方は混沌としているという。
しかし記事の中身を見れば、オバマ優位は明白である。
「大接戦」にして面白おかしく報道して、視聴率を稼ごうというのがマスコミの手口ではないか。
もう一つは両陣営の中傷合戦で、選挙民はうんざりしているという報道。これも選挙戦終盤にはよくある切り口だ。
本質的には中傷合戦ではなく、ロムニーが一方的にオバマを中傷しているに過ぎない。
我々もかつて威勢のいいときは経験したものだ。都庁に赤旗が立つ、とかソ連が攻め込んでくるとか、中国から金をもらっているとか、自由が失われるとか、半端でないアカ攻撃である。
これに対して必要な反論をすれば、マスコミは「みにくい中傷合戦」といって革新勢力を叩くのである。

今回の選挙の特徴は、ティーパーティーなど超保守白人勢力と、大富豪層が連合を組んだことにある。世界を牛耳るアメリカの金融独占は、自らの権利を守るためには悪魔とさえ手を組むことを示した。“Anyone but Obama”である。

彼らのオバマ攻撃は狂信的な右翼の主張と機を一にしている。そして前代未聞の選挙資金をもって、非常識なデマを大量に垂れ流していることにある。それが、本来であればゴールドウォーター並みの泡沫候補であるロムニーを押し上げている。

それはある意味で、彼らが追い詰められていることの裏返しでもある。世界的に投機資本の妄動に対する批判が高まり、規制の動きが強まっている。これは歴史の流れである。

選挙の結果如何にかかわらず、この大企業=狂信右翼連合がどういう方向に動いていくのか、これがアメリカの政治動向を決めるだろう。といってもこの連合が持続するとは思えないが。

共和党大会というのがどういうものか、日本にいるとなかなか雰囲気が伝わってこない。幸いなことに、デモクラシー・ナウの日本語版が、(見出しだけだが)様子を伝えてくれる。

この1週間の見出しから、共和党大会関係のものを書き出してみた。


2012/8/27(月)

共和党全国大会からのけ者に リバタリアンのロン・ポール議員、共和党全国大会での存在感と党の長期的な方向性への影響力確保をめざす

共和党全国大会の周辺でデモ開催へ  熱帯低気圧「アイザック」と厳重警備の中

 「本当のロムニー」: 共和党の右傾化を受け入れるミット・ロムニーについて

労組に非難され共和党で人気、組合つぶしのウィスコンシン州知事スコット・ウォーカーにタンパで抗議

ニュート・ギングリッチ元下院議長、エイキンの「本当のレイプ」発言にコメント拒否

共和党有力者ら、宗教票獲得ねらい原理主義者の世界観を称える

* ロン・ポールは変わり者の議員で、徹底した自由主義と不干渉(リバタリアニズム)を説く。イラク戦争にも反対した。

*エイキン議員は「本当のレイプなら女性の体に防御機能が働き妊娠しない」と発言し、大問題になった。

*大会を機に、一気に共和党が右傾化・人種差別化・狂信化していることが分かる。


2012/8/28(火)

パーティータイム:  企業とロビイストが資金援助したイベントであふれるかえる共和党全国大会

投票時ID提示法で懸念される選挙権喪失とティーパーティーによる「投票監視人」で高まる圧力。

マルコ・ルビオの台頭: ティーパーティー期待のラティーノの星

熱帯低気圧「アイザック」ニューオリンズ接近 「カトリーナ」から7年、再建された堤防に与えられた最大の試練

投票抑圧とロムニー候補へのアフリカ系アメリカ人の支持ゼロについて 

台風で延期された共和党大会1日目 タンパの雨風にも負けず共和党の公約に抗議した数百人

ベインキャピタル社の工場作業員 共和党全国大会に対し、アウトソーシングによる失業回避闘争を展開

*投票時ID提示法は共和党が各州議会で推進する法律。非白人系の投票参加を妨げる目的。実際は、このような不正投票の件数は極めて少数である。

*一般に非白人系は民主党の地盤となっている。マイノリティーの増加により、すでにコロラド州、ネバダ州、およびアリゾナ州が拮抗州に代わった。


2012/8/29(水)

共和党全国大会 ティーパーティのテッド・クルーズが演説。 カール・ローブが仕組んだ「We Built It」スキームを誇示

ロムニー夫妻 共和党極右へアピールするため 中絶や社会問題に関する過去の「穏健」業績には触れず

大統領候補ロッキー・アンダーソン:米国の第3党からの候補者への妨害で手を組む民主党と共和党

大会会議場に視線が集まる中 共和党の重要な決定は密室で裕福な資金提供者たちが決める

ハリケーン「アイザック」ルイジアナに上陸 ニューオリンズで大洪水の恐れ

共和党全国大会場内での混乱 座席規則を変更してまでロン・ポール代表団を妨害

共和党トップへ駆け上がったポール・ライアン議員 「金と迎合」で対キューバ通商禁止令反対を翻す

*ロッキー・アンダーソンは元ソルトレイクシティ市長。イラク反戦運動の支持、持続可能な環境・経済を訴えるなど、進歩的な市長として知られてきた。半年前に正義党を結成し、大統領選出馬を表明している。

*共和党は大企業と大金持ちが牛耳る政党であることも明らかになった。活動家の多くは金儲けの機会を狙うオポチュニストでもある。


2012/8/30(木)

共和党を支援する億万長者の娘 党全国大会でデモクラシー・ナウ!のスタッフのカメラ奪取

マット・タイビ 「ミット・ロムニーの蓄財の秘密は強欲、借金、責任転嫁」

リンカーンに扮したミズーリ州共和党代表:「暴力的なレイプ」と「酩酊した女性のレイプ」

ニューヨーク選出下院議員ピーター・キング「中絶手術を行う医師らは犯罪者」

共和党副大統領指名候補のポール・ライアン、親しみやすさ演出 自己の経歴や故郷の町については嘘

ウィスコンシン州知事、妊娠中絶問題の重要性を否定。会場周辺で数百人が性と生殖に関する権利を求めてデモ

ロサンゼルス市長のアントニオ・ビラライゴサと共和党ラティーノ・リーダーのマリオ・ロぺスが語る  2012選挙戦における移民法改革問題

*たしかにデモクラシー・ナウ!の取材は相当しつこい。

*経歴詐称はネガティブ・キャンペーンの最大の武器。オバマもコロンビア大学卒業の学歴を疑われている。

*キリスト教原理派にみんなが媚を売っている。

*アントニオ・ビラライゴサはマイノリティーの代表として、民主党からロス市長に当選した。マリオ・ロペスとは正反対の政策を実行している。


2012/8/31(金)

共和党全国大会 ロムニーが大統領選候補指名受諾演説。記録的な軍資金をバックに勝利を狙う。

共和党の筆頭軍師カール・ローブ 『ローブ親分』の著者クレイグ・アンガーの質問に冷静さを失う

クリント・イーストウッド 空席の「透明人間オバマ」を相手にとりとめのない一人芝居披露

「民主主義はビジネスじゃない」 コードピンクがロムニー演説の最中に届けた進歩的な声

共和党の最大の資金提供者デイビッド・コークに直撃:富の集中は民主主義を損なわないか?

ロムニーと大物寄付者 握手の瞬間:大統領候補と億万長者の興味深い瞬間を大手テレビ局は放送せず

フロリダ州の正当防衛法の大物支持者ビル・バンティングに トレイボン・マーティン殺害について質問

共和党全国大会参加者がCNN女性カメラマンへ嫌がらせ

テキサス州投票者ID提示法 を連邦裁判所が差し止め

*カール・ローブはブッシュ政権の高官時代に「影の大統領」、「カール国王」などと呼ばれていた。

*コードピンクはイラク侵攻に反対して結成されたおばさんグループ。ピンクの服を着てアピール活動を行なっている。抗議の歌がハモッていたり、賛美歌ぽかったりするのが評判らしい(労働相談・労働組合日記というブログより拝借)

*コーク兄弟は年収215億ドルの富豪。フォーブス番付では5位と6位を占める。ティーパーティー運動と他の何ダースもの右翼運動に資金を提供している。たこ足にひっかけてコクトパス(コークとオクトパス)と呼ばれる。(見つけた 犬としあわせより)

* トレイボン・マーティン殺害事件は今年2月にフロリダで起きた事件。黒人少年(17歳)が徒歩で帰宅途中、自警団のジョージ・ジマーマンに射殺された。オバマは「自分に息子がいたらトレイボンと似ていただろう」と哀悼の意を表した。当局は、正当防衛を主張するジマーマンを釈放した。


ということで、黒人女性侮辱は起こるべくして起きたということがわかる。

へんな言い方だが、これだけ偏った政党が、いまだに大統領選をたたかう大衆的基盤を保持しているということは、まさに白人政党に徹しているからではないか。キリスト教原理主義も、医療保険制度反対も、根っこはそこにあるのではないか。

共和党を支持する国民は、結局のところ、それが人種主義政党であるがゆえに共和党を支持しているのではないか。

そんな気もする今日この頃である。


black-voices

の31日の紙面ではA 'Wake-Up Call'という記事が載った。

この黒人女性カメラマンは Patricia Carrollという名前で、アラバマ生まれの芳紀34歳。本紙の質問に、「この行為は心痛めるものであると同時に、ブラック・ピープルに“目覚めよ”と呼びかけるものだ」と応えている。

事件は、まず二人の大会参加者が女性にピーナッツを投げつけ、係員に連れ出される際に、アニマル云々の捨て台詞をはいたようだ。大会事務局も、「許しがたく受け入れがたい行為」とするコメントを発している。

下記は、彼女の談話だが、公民権運動の時代を髣髴とさせる、土姓ッポネの座ったコメントだ。

かなりの意訳ですが…

私は起きてしまったことを憎む。しかし少しも驚かない。ここはフロリダだ。そして私はディープ・サウスの生まれだ。こんな場所に来たら、どうしなければならないかは分かっている。私は黒人がするべきでないことをした。連中は黒人がCNNのカメラマンなどするはずがないと思っていた。しかし連中は見てしまったのだ。

連中の心を変えることは、私には出来ない。気分は良いとはいえない。

しかし私は、私が誰かは分かっている。私は誇り高きブラック・ウーマン。たくさんのブラック・ピープルが立ち上がっている。これはブラック・ピープルにとって目覚めの呼びかけなのだ。人々はしばしの楽天にあるけど、「私たちはこれまでよりさらに進まなければならない」と考えるだろう。


記事の最後に訂正があった。シャスターはCNNではなくCurrent TVのアンカーで、たまたま事件を目撃したということのようだ。これでCNNの対応の異様なまでのちぐはぐさが理解できる。トゥイッターでばれなければ、ほおっ被りしていた可能性もある。

テークアクション・ニュースというリベラル系のサイトにさらに詳しい情報が載っている。
http://takeactionnews.com/2012/08/29/the-cnn-camera-woman-incident/
参照してください。

この手の話、写真があるないのでは大違い。探しました。
http://jeffwinbush.files.wordpress.com/2012/08/patricia-carroll.jpeg

CNN’s Patricia Carroll became the story instead of filming it.

と、気の利いたコメントが着けられています。
想像通り、たくましそうです。


David Shuster @DavidShuster

GOP attendee ejected for throwing nuts at African American CNN camera woman + saying "This is how we feed animals." 

とのトィッターが発端。シャスターという人はCNNの花形キャスターのようだ。このトゥイッターをKyle Leighton

この記事によると、
*この人物はその後、会場から連れ出された。
*CNN責任者は、取材に対してこの事件を確認したが、詳細については触れなかった。
*犯人が大会代議員なのか、一般参加者なのかは不明である。
*CNNはこの事件に関してコメントを発表したが、ほとんど詳細を明かしていない。
*共和党大会事務局はいまだ見解を明らかにしていない。

ということで、どうもうやむやにするつもりのようだ。
しかし、それではたして済むかな?

原田靖博の内外金融雑感 から

ボルカールールをめぐる米国内の論争の状況がまとめられているブログを見つけたので紹介する。かなり話は難しい。

ボルカールールの概要 

公的支援により経営が支えられている金融機関においては、「投機的取引」を禁止させることを骨子とする。

公的支援とは

①中央銀行から与信を受けている状況、②預金保険が不十分な状況、③経済困難のため公的資金を注入されている状況、などをさす。

投機的取引とは

①自己勘定での有価証券トレーディング(ただし連邦国債、米国内の公債は除く)、

②ヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドへの出資(スポンサー行為をふくむ)、

ただし②については三つの例外が設けられる。

a.本来のヘッジのための取引 

b.引受と値付けは短期間で、代行取引であれば認められる。

c.中核自己資本の3%までは少額取引として認める。

 

ボルカーの思い

ボルカー元連銀議長は金融事情に精通しているにもかかわらず、何故、金融界の大勢に抗して、ボルカールールの適用を主張するのであろうか。

ボルカーは1979年から新金融調整方式による金融引締政策を断行した。これはマネーサプライ指標を基準にドル発行高を決めるオーソドックスなドル本位制で、その際短期市場金利の上昇は無視された。

その結果、短期市場金利は、1979年の平均11.2%から、1981年には20%に達した。これにより米国のインフレ率は、1981年の13.5%から1983年には3.2%まで低下し、相当の出血を伴いつつもスタグフレーションは解決された。これが彼の確信となっている。

 

ボルカールール適用を巡る争点

ボルカールールに関して4つの反対意見が提起されている。

①商業銀行による自己勘定取引は、金融システムにとって重要なリスクではない

②自己勘定取引を制限すると、トレーディング市場での必要な流動性が損なわれる

③自己勘定取引を制限すると、米国を本拠とする商業銀行の競争上の地位に悪影響を及ぼす

④規制案はあまりに複雑で遵守のためのコストが大きい

金融界からは

①ボルカールールを厳しく運用すると、市場の流動性が低下し、資本コストが上昇するなど、資源配分が非効率化する。

② 規制の少ない市場(ファンド・ノンバンク等のシャドーバンキング)への資金が流出する。

③海外資本市場との競争が不利となる

④個別金融機関のリスク管理行動に制約を加えることになる。

⑤ボルカールール遵守のために、膨大な報告の作成および対応要員の確保等コスト負担が大きくなる。

 

金融庁および日銀の批判(カナダ、英国、および欧州委員会もほぼ同様の懸念を表明)

①ボルカールールの適用は、グローバルな金融市場の流動性に影響を与える

②外国債の取引が規制されるため、日本国債の市場に対して深刻な悪影響が生じ得る。

③短期の為替スワップ取引が規制されるため、米ドルの資金調達が困難になる惧れがある。

 

ボルカーの反論

「規制当局に対するコメントレター」(2012年2月13日付)ではこのような批判に対してボルカー自身の反論が展開されている。

①に対しては、

自己勘定取引は本質的に投機であり、重大なリスクを伴うことは明らかである。自己勘定取引だけが危機の原因ではないが、重要な金融機関の自己勘定取引における損失発生が要因の一つであることは事実である。

②に対して

トレーディング市場での流動性は必要を大幅に上回っており、高い流動性自体が投機的な取引を促進している可能性がある。過剰な流動性は抑制されるべきである。

③に対して、

自己勘定取引の制限は、利益相反のない体制を構築することとなる。そして銀行の目を本来の目的である顧客のニーズの方に向けさせる。このことにより米国の商業銀行の競争力はむしろ向上するだろう。

④に対して

複雑さと潜在的なコストの高さはボルカールールの責任ではない。それは現代の金融界における大きな課題である。ただし、大規模金融機関の既存のリスク管理実務には根本的な欠陥があることも間違いない。これらのコストはいずれにしても必要だ。

金融規制に際しては単純・明快であることが重要だ。そのためには、銀行業界の前向きな努力が必要だ。そもそも隠そうとするから複雑になるのではないか。具体的には、これまで以上の広範な内部管理と報告制度の整備が求められる。

カリフォルニア州でフォアグラが禁止されたと聞いても、別に痛痒は感じない。
しかしこれがTPPにまでおよんでくると話は違う。

禁止の理由は動物虐待の禁止であり、健康上の問題ではない。だからニューヨークのポテトチップス禁止とはニュアンスが異なっている。

しかし、家畜というのはある意味で虐待され、奇形化されながら出来上がった生物である。そもそも殺して食うというのは最大の虐待だし、生きている間も何らかの拘束をし続けるわけで、これも虐待だ。

和牛や養殖マグロは屠殺する前に「肥育」と呼ばれる過食を強いて、霜降りとか大トロを作らせる。これなぞ、フォアグラとまったく同じだ。鶏の飼い方などはまさに虐待そのものだ。

そうなると、誰かが虐待といえば、明日にはシーシェパードがやってきてもおかしくはない。

ところで、これはTPPに違反している疑いが濃厚だ。フォアグラ生産・販売業者はWTOに提訴することが可能だ。御本家フランスはいまのところ静観の構えだが…

逆切れの場合もある。アメリカはかつて、国内法のスーパー301条を日本の輸出に適用した。フォアグラ禁止が貿易にまで適用される可能性もある。

こういうダブルスタンダードが拡大していくとどうなるだろうか。

アメリカ大統領選が接戦だという。わたしは50年近く前、反共の狂信者ゴールドウォーターが惨敗を喫したように、ロムニーが候補になった時点で共和党は惨敗するだろうと踏んでいたが、どっこいそうは行かぬようだ。

あのアホのブッシュが圧倒的な大差で勝利したときと同じ極右ヒステリーが、米国民のあいだには抜きがたく残存しているようだ。

これはかなり恐ろしいことで、24日のロムニー演説をみると、憂慮すべき事態と考えなければならない。(ただ歴代大統領は実際に就任すると選挙中の論調をかなり緩めるのではあるが…)

1.世界情勢の認識
世界は危険であり、破壊的であり、混沌としている。

2.対ロシア政策
東欧へのミサイル基地建設を断念したことは、ロシアへの一方的な譲歩であり、「同盟国を突然に見捨てた」行為だ。

3.中東政策
イランによる核保有は「世界にこれ以上の危険はない」とし、うらん濃縮活動の停止のために「すべての必要な手段を行使する」と強調。
また、イスラエルを軽く扱ってはならないとし、現政策を破棄する方向を示す。

4.中国政策
「当局が許す自由も選択的で、自由の圧迫には容赦がない。米国との貿易では、特許や知的所有権の恥知らずな違反を行っており、通貨を操作している」
と口を極めて非難するが、具体的な対応には触れず。

5.南北アメリカ
チャベスの脅威を軽く見てはならない。「独裁者チャベスはヒズボラを西半球に招いている」

6.軍事力増強を主張
軍事費の抑制政策をやめると表明。
「私は米国の指導力を明け渡すようなことはしない」
「21世紀は米国の世紀となるべきだ」

これは相当ショッキングなニュースだ。

イラク戦争は終わったもののアフガン戦争は続いている。9.11から2ヵ月後にアフガン侵攻が始まった。すでに10年以上続いている戦争だ。
おそらく戦闘の激しさというより、この長さと永遠の繰り返しが絶望感をもたらしているのだろう。
それが10年を経て、ついに精神の限界に達したということだ。

赤旗によると

米兵の自殺は、今年に入って5ヶ月間ですでに130人を上回り、1日に1人のペースとなっています。
バネッタ国防長官は「繰り返される戦地派遣、絶えず戦闘にさらされること、戦争の悲劇などが軍にストレスをもたらしている」と述べました。

自殺の決行というのは精神の究極の爆発である。これは恐るべき数だ。少なくともその背後に10倍の重症のうつ状態(自傷・他傷をふくむ)、さらにその100倍の精神・神経障害がいると予想される。つまり派遣兵士全員である。

兵士というのは、少なくともリクルートされた時点では、大多数が「健康な青年男子」である。一般社会に比べれば、はるかに対応力の高い集団である。

このままでは米軍は崩壊する。もうアフガンでの戦争は続けられない。大統領選を控えてなかなか身動きが取れないかもしれないが、どんな形であろうと、一刻も早くやめるべきだ。
少なくともやめるという選択肢が残されているだけ米国は恵まれている。アフガンの人々にはそういう選択肢は残されていない。闘って死ぬか、黙って殺されるかの選択しかない。

http://smokingsection.uproxx.com/TSS/2012/01/how-marilyn-monroe-stood-up-for-ella-fitzgerald-civil-rights

マリリン・モンローは公民権を守った

デジタル・ニュース

By J. Tinsley on January 12, 2012

題名が Marilyn Monroe, The Civil Rights Movement Supporter とすごいもので、読まされたが、騙された気もする。要するに、まだ黒人差別の激しかった50年代、ロスの一流クラブでの公演を拒否されたエラ・フィッツジェラルドを、マリリン・モンローが助けてやって、出演できるようにしてあげたという美談。それを後年エラが思い出として語っているという寸法である。

実はトレイシー・チャップマンの文章を書いていて、進歩的黒人歌手の系譜にエラの名も載せたのだが、ネットで出典を固めようとしたら、そのような記載はどこにもない。うろうろしているうちにこの小コラムにたどり着いたというしだいである。たしか矢沢潔の書いた「ピート・シーガー」という本にエラのことが載っていた記憶があるのだが、記憶違いかもしれない。第一そんな本は本棚にはない。


もし誰かにマリリン・モンローを知っているかと聞いたら、ほとんどの人は彼女のセックス・シンボルとしてのイメージを答えるだろう。ジョー・ディマジオとの短い結婚生活、アメリカ史上で伝説となっている、ケネディ大統領誕生日パーティーでのパフォーマンス。あるいはスカートが突風に捲くれた不滅の写真。

しかし彼女が市民権運動を支援したことを誰か知っていただろうか?

普通なら視野に入らないような逸話を、私はインターネットの中の美しいスポットとして、そのことを書き記しておこうと思う。

1950年代、黒人の歴史上の日々への関心、あるいはアメリカ文化への本で読んだ知識というのはいったん脇におこう。

このころエラ・フィッツジェラルドの名声はすでに響き渡っていた。

彼女の才能がどれくらい優れていたかには関係なく、依然としてフィッツジェラルドは不正義に苦しめられていた。その不正義は、その時代に多くの少数民族がこうむったものと同じだった。

「Mocambo」はウェストハリウッドの最初のナイトクラブであった。そこは彼女の人種を問題にして公演を拒否した。

興奮して打ち明けるような口調でエラは語っている。

モンローは凄まじかった。彼女は本当に芯が強い。ついにクラブもそういうやり方が間違いだと認めたのよ。私は掛け値なくマリリン・モンローに借りがあると思っている。「Mocambo」は50年代の人気最高のナイトクラブだったし、そこに出られたのは彼女のおかげだわ。

モンローはモカンボのオーナーに直接電話したわ。そして「エラとすぐに契約してちょうだい」と話したの。「もしそうしてくれたら、私は毎晩正面のテーブルを予約するわ」

そしてそれは本当だった。マリリンはスーパースターだったから、メディアも本気になった。

「オーナーは言ったわ、イエスって。そしてマリリンはそれから毎晩、正面テーブルに座ったの」

それをプレスが追っかけた。

「だから、それからというもの、わたしはもう二度と小さいジャズ・クラブで歌わなくても良くなったの」

エラはこう結んでいる。

「彼女はただの普通の人じゃない。彼女の時代より少し先んじていたの。そして、彼女はそのことに気づかなかった」

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24日のオバマの一般教書演説が赤旗で紹介されている。

国内経済に関する部分は、読んでいて胸がすく思いがする。どこかの国の首相の胸くそが悪くなるような美辞麗句とはえらい違いだ。

「少数が豊かで多くの国民が生活苦を強いられる国を選ぶのか、全国民が公平な機会を得て、公平な負担を背負い、同じルールに従う経済に復活させるかの選択だ。問われているのは民主党か共和党かではなく、アメリカの価値観だ」

そのとおり~

「アメリカ自らの製造業、技術力を持った労働者、アメリカの国に基盤を置いた持続可能な経済の構築へ向けた青写真を示す」

ええどお~

「海外に労働力を求める企業に税優遇は行わない。減税は国内にとどまり、国内で雇用を生む企業を対象とする。大企業の税金逃れを防止するため、多国籍企業に一定の税を課す」

しびれますねぇ

「国防費5千億ドルを節減する。戦費縮小で浮いた財源の半分は債務返済に、残りは国家建設のために使う」

かっこいい~

「大富豪の4分の1が中間層家庭よりも税率が低い。公正な税負担のため税制改革が必要だ。100万ドル以上の所得があるのなら、最低でも30%以上の税金は払うべきだ。減税措置の撤廃も必要だ」

30%ねぇ、あほブッシュの前は最高70%なんだけど…

「経済回復への動きがまだ弱いのに、1億6千万人の勤労者への増税を避けることこそ、最も差し迫った優先課題だ。アメリカ国民の98%をしめる年収25万ドル以下の家計の増税をしてはならない」

25万ドル=1900万円? ちょっと高過ぎ?

「こうした政策を“階級闘争”だと呼びたいのであれば、そう呼べばいい。億万長者に、少なくとも自分の秘書と同じ程度の税率で納税してもらう。ほとんどのアメリカ人はそれを“階級闘争”ではなく常識と呼ぶだろう」

わお~、言っちゃった。

「金融危機の引き金になった住宅担保証券に対し、不正調査にむけた特別チームを立ち上げる。庶民の金で危ない賭け事をすることはもう許さない」

日本でこれだけ啖呵切ったら、支持率80%だよね。

一部が下記で見られる。

http://www.cnn.co.jp/usa/30005397.html

日本語訳(抄訳)は下記で見られる。

必読!オバマ演説

英語全文はここで見られる。

http://jp.wsj.com/US/Politics/node_380666

アメリカのこれまでの訴訟では、普通なら、これで幕が引かれることになるようだ。現に最大手ゴールドマン・サックスも今月、5億5000万ドルの和解金の支払いで合意している。

赤旗では、「大手金融機関がかかわる同様の裁判では、事実関係の究明をせず、企業側が法律違反を認めることもなく、SEC側と和解に至ることが通例となってきました」と書かれている。

これは、法律違反が認められると金融機関が株主からの損害賠償請求を拒否できなくなるからという理由のようだ。つまりは一般投資家に泣き寝入りさせるための裏取引ということになる。

スロウ忍ブログ ではこう書かれている。

シティからすれば此の程度の和解金なら安いものである。
此の事件でシティグループは以前、最大40億ドル程度の損失を負う可能性があると云われていたわけだが、今回の和解でSEC側がかなり譲歩した様である。シティ側と米SEC側とで裏取引があったのではないかという疑念すら抱かせる幕引きである。

ところが今回の訴訟は、ここからどんでん返しが始まる。

この事例の担当判事となったニューヨーク南部地区連邦地裁のジェッド・ラコフ(Jed Rakoff)という判事が、シティが提訴内容の認否をしないまま合意した和解案の承認を拒否し、裁判での決着をもとめたのだ。

ラコフ判事は、「承認するための十分な事実が提供されていない」と主張している。つまり、法律違反・不正行為があったのか、あったとすればそれは犯罪行為と認定されるべきものなのかどうか、白黒はっきりさせよう、ということだ。

そのために双方が裁判所に十分な情報を提供すべきだ、ということである。

赤旗にラコフ知事の"強烈な批判”が掲載されている。

和解案は公正でも、合理的でも、適切でも、公衆の利益でもない"neither fair, nor reasonable, nor adequate, nor in the public interest.”
3億足らずの和解金は、シティグループのような巨大企業にとってはポケットの中の小銭同様だ。

ブルームバーグによれば、ラコフ判事はこれまでも、金融機関に責任を認めさせることなく和解を容認したとしてSECの慣行を批判してきたという。

 


こうして筋書きにはなかった第三幕が始まった。

赤旗ではワシントンポストとNYタイムズの記事を紹介している。両紙ともにラコフ支持だ。

ワシントンポスト: SECは米金融界と「近すぎる関係」にある。その背景にはSECから金融界への「天下り」がある。現に今回の裁判でも、SECの元高官がシティグループの弁護団に参加している。

NYタイムズ: ラコフ判事は激怒している。我々すべても激怒すべきだ。法律違反を認めない和解では、米金融界の将来の悪行を抑止する真の力にはなり得ない。

もちろんウォール街占拠運動の連中は大歓迎だ。これこそ彼らがほしがっていたものだ。

Independent Politicol News というブログには、ラコフのせりふが掲載されている。

His full statement is here:

もちろん、いかなる事実も認めずに和解を受け入れるという方針は、当事者間の狭い利害には合致しているのでしょう。

たとえばこのケースでは、まったく何も認めることなく、シティグループは和解について交渉できたのです。

彼らは不注意(negligence)だけを受け入れました。そして非常に軽い罰だけを受け入れました。そして法による救済(injunctive relief)の適用を強く求めました。

なぜならシティグループはこの手の常習犯(recidivist)であり、SECがこの10年間、どんな金融機関に対しても強制力を発揮したことがないと知っていたからです。

SECは、これから3年間、予防措置を講ずることを命じました。それと交換に、シティグループはSECの調査を逃れることができました。これはシティグループの経費をかなり軽減することにつながります。なぜならそれはシティグループの抵当証券の発行業務を4年間にわたり広範囲に調査することになっていたからです

それだけではありません。シティグループは、いかなる投資家がSECに損失の返済を求める仲裁裁定(Consent Judgment)を提訴しても、それを忌避できることになります。

原告の提訴理由が真実だとしたら、この合意はシティグループにとって非常に良い取引です。提訴理由が間違っていたとしたら、それでもこの合意はビジネスをするための軽度でささやかなコストにすぎないでしょう。

結構むずかしい英語です。たぶん、かなり誤訳があると思います。


大変良く出来た記事だが、まだ第一報であり、続報・詳報が期待される。

 

シティグループとSEC、和解は違法

NY連邦地裁が、サブプライムローンに関する損害賠償で、シティグループとSECとの和解案の承認を拒否した。

これだけでは、かなり分かりにくいので少し解説する。


サブプライム: サブプライムとは銀行のつけた呼称で、収入が少なく返済能力の低い階層の人々のこと。

サブプライム・ローン: 銀行はこの人たちに住宅ローンを貸し出した。これをサブプライムローンという。当然、貸し倒れリスクが高い分だけ利息も高くなる。

投資銀行の犯罪: 投資銀行は住宅ローンの債権を証券化し、「債務担保証券」(CDO)という紛らわしい名前で売り出した。このような"金融商品”はジャンク債(劣後債)と呼ばれ、普通は素人は手を出さないものである。

格付け会社の犯罪: しかし、投資銀行はこれを隠して優良債に紛れ込ませ、"利回りの良い優良債”として売り出した。一種の金融詐欺である。そして大手格付け会社はそれと知りつつ"毒入り債”に高格付けを与えた。これも一種の金融詐欺である。

その結果、世界中の投資家がこれを優良債として売買した。

しかしアメリカの住宅市場が低迷するとサブプライム層は次々と住宅を手放した。アメリカでは住宅を手放せば、住宅ローンは解消されるので、膨大な貸し倒れが出現した。

サブプライム・ローンを購入した投資家は膨大な損金を計上し、連鎖倒産することになった。

しかし投資銀行(リーマン・ブラザース以外)は政府資金の投入を受け、命をつないだ。格付け会社には何のお咎めもなかった。信用したほうが悪いのである。

米国政府は銀行を救済するためにドルの大量発行を行った。それは国債の発行と連銀による買い取り(QE2)を通して行われたが、それは膨大な債務として積み上がった。

アメリカ以外の国では、財務内容の悪化は国債の格付け低下と国債利回り上昇をもたらした。資金確保のためには外貨建て国債を発行するほかないので、対外債務の増加となり、債務危機を招いた。


事件がいったん落着した時点で、投資銀行の犯罪行為は追及されなければならない。

ということで、ここからが第二幕

アメリカでは証券取引委員会(SEC)が検事役となった。相手は米銀第3位のシティグループ。シティグループは巨額のサブプライム ローン関連の評価損を計上。3回に分けて総額450億ドルの公的資金の注入を受けている。

まずはSECが行政訴訟を起こした。訴えの内容は次のようなもの。

*シティグループは10億ドル相当のサブプライムローン関連証券を販売した。

*その際、投資家に開示すべきエクスポ-ジャに関する情報を開示しなかった。

*その結果7億ドルの損失を与えた。

しかしその後の交渉の結果、両者は和解案について合意した。そしてこの和解案の承認を裁判所に求めた。

和解案の内容は次のごとくである。

*シティグループはSECに対し2億8500万ドルを和解金として支払う。

*しかし法律違反を犯したことは認めない。ロイターによれば「投資家に誤解を与えたとの訴えの内容を否定も肯定もしない」ということだ。


to be continued

古屋安雄 「キリスト教国アメリカ再訪」 新教出版社 2005年
より抜書き

国民の大多数がキリスト教と自称する国を「キリスト教国」と定義するとすれば、アメリカは、いまなおキリスト教国である。
アメリカ人の85%はキリスト教の信者である。ヨーロッパ諸国と比べても、ずば抜けて教会員が多く65%を占める。さらに、毎日曜日の礼拝に出席する「信心深い」信者が40%に達する。
これに対しドイツ(旧西独)の信者は44%、イギリスは37%、フランスは35%、スエーデンは27%である。

アメリカのキリスト教は第二次大戦後に隆盛を迎え、ベトナム戦争で衰退し、レーガンの時代に保守化した。
保守化とは主流派の衰退と保守派の台頭の合成像である。

79年にJerry Falwell がモラル・マジョリティを創設。「国民道徳を守る上で、離婚、崩壊過程、妊娠中絶、青少年犯罪、乱交、麻薬中毒の罪を弾劾しなければならない」と宣言した。
これらのキリスト教右翼は、レーガン政権と結びながら勢力を拡大した。


これだけ"occupy"運動が拡大すると、訳語が欲しくなる。
お散歩英語」というページを見ると、以下のように説明されている。

”占有する,占める”という意味の英単語で、
語源はラテン語の ”oc(の方へ、上に),capere(つかむ,取る)”。
”空間や時間をがばっと取ってしまう”ってイメージでしょうか、
そこに他のものが入る余地があまりない感じ?
占有する,占領する という訳からも想像出来るように
、 本来自分のものではないこと、或いは一時的なことに対して
使われることが多いようです。

上述の説明からは、"乗っ取る"という言葉が一番近いようです。
be occupied という言葉も、自分自身が乗っ取られるという感じだとぴったり来るようです。


オハイオ教育協会のホームページが、闘いの内容を詳しく伝えている。訴えの力点は、「これは予算の問題ではない。オハイオ州民の権利に対する攻撃な のだ」という点にあった。

そして攻撃の対象となっている“公務員”が公務員一般ではなく、まして高級官僚や月給泥棒でもないこと。地域でともに暮らす「普通の人」(ミドル・クラス)であると同時に、現場の教師であり、消防士であり、看護婦であり、巡査であり、公共生活の担い手であり守り手である、という当たり前の事実を前面に押し出したことである。

そして、公務員法は「普通の人」の権利を侵害するものであり、公務員法を廃止する闘いは「普通の人」の権利を守る闘いなのだと訴えることで、「普通の人」支持を獲得したことだった。

闘いにこれといった秘訣はない。主戦場は州民投票(イシュー2)ではなく、州民投票を要求する署名行動だった。ボランティアが総がかりで戸別訪問を繰り広げ、130万の署名を集めた。1100万の人口の1割以上に署名させたのである。

署名行動は選挙と同じ位置づけで行われた。カンパも選挙並みに集められ、事務所が設置され、テレビでのスポット宣伝も有効に行われた。このCMは教職者協会のホームページで見ることが出来るが、きわめて印象的なものである。

これでもう州民投票は勝ったようなものだった。

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Pat Frost-Brooks, right, president of the Ohio Education Association, hugs Sue Taylor, of the Ohio Federation of Teachers, after Issue 2 was defeated handily Tuesday, Nov. 8, 2011. The two were at a We Are Ohio victory party at the Hyatt in Columbus.

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