1.放射能で海を汚さない
汚染水を希釈して海に流せというのは、決して国内外から理解されない
2.非常事態の認識
現状把握、危険性に関する情報の遅滞なき公開、国際協力
3.人的・物的資源の集中
再稼働・原発輸出は問題外
5.東電の破綻処理
国が事故収束と賠償・除染に全面的責任を持つ
4点目については、破産処理自体は当然だが、緊急かどうかは分からない。国が全面責任を負うことについてはそのとおり。
AALA関連記事は「aala_newsの編集日記」http://blog.livedoor.jp/aala_news/ に移りました(6Nov.2023) 中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 「ラテンアメリカの政治」(http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ )がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。
「ネイチャー」誌といえば、泣く子も黙る自然科学分野の最高権威だ。
ノーベル賞の登竜門とも言われる。
その「ネーチャー」が、このところ福島原発への関与を強めている。
8月13日号ではFukushima: 'Ecolab' branding insensitive
8月29日号ではFukushima leaks 18 times worse than first thought
そして9月3日号では Nuclear error
とまで書いた。副題は
Japan should bring in international help to study and mitigate the Fukushima crisis.となっている。福島の「危機」と、それをもたらした「エラー」は科学界のお墨付きをもらったことになる。その直後に、安倍首相の発言が飛び出したわけだ。
1.原子力事故から2年半、TEPCO(東電)は、三機の破壊された原子炉での核燃料の貯蔵タンクで起こる問題の原因とその深刻さを、認識できていない
2.今回の漏洩で、この貯蔵システムは、管理の行き届いていない時限爆弾のようなものだ、ということがわかってきた。
3.日本政府の今までの対応や情報公開(のお粗末さ)の前例から考えると、日本政府がこの事態の収拾を、TEPCOよりも上手くやっていけるのか、疑問として残る。
4.漏洩しているタンクの周囲の放射線量は、当初の報告よりも18倍高かった。単なる「異常事態」として始まったはずの漏洩が、結果的には本物の危機となってしまった。
5.日本は、ここで海外の専門家に助けを求めるべきだ。世界中からの研究者がデータを集め、解析し、シェアできるように、サポート体制をととのえるべきだ。
少なくとも福島では、まだ遅くはありません。韓国の中央日報日本語版が、抑制された、しかし真相をしっかりと衝いた良い記事を掲載している。 (2013年09月10日)
しかし一部の報道機関と専門家からは「果たしてそう断 定できる状況か」という疑問の声が出ている。
毎日新聞は「こうした無責任な発言をしてもよいのか」「閉炉までこれから数十年かかるはずだが、安倍首相の発言には違和 感を感じる」という福島原発勤労者の反応を紹介している。
共同通信も、京都大学の小出裕章氏の「何を根拠にコントロールされているというのか分からない。あきれる」という発言を紹介した。
最も大きな問題は「汚染水は0.3平方キロメートルの港湾内部で完全に遮断され ている」という発言だ。
1.8月8日 東京大学と日本海上技術安全研究所は「福島原発20キロ内の海底で40カ所にのぼるセシウム ホットスポットが発見された」と発表した。
2.8月末 東京電力は汚染水タンクから300トンの高濃度汚染水が流出したと明らかにした。汚染水は0.3平方キロメートルの広さの港湾ではなく、太平洋と直結する排水口を通じて外洋に流れた。
日本国内のすべての主要新聞もこれを1面に大々的に報じた。
法政大の水島宏氏は「港湾外20キロのアイナメから、基準値の258倍のセシウムが検出されている。それでも笑顔を浮かべて『私が安全を保証する』と断言した安倍首相の厚顔はなかなかのものだ」と述べている。
以下は中央日報独自の鋭い視点。
安倍首相が8日、IOC委員の質問を受けて発言した内容も注目される。安倍首相は「新聞のヘッドラインではなく“事実”を見てほしい」と述べた。日本メディアの報道は事実でない、という論調だった。
自国の首相によって“国際的な恥”をかかされた日本メディアが今後どのような“真実” を暴き出すかも注目される。
メディアの皆さん、注目されていますよ!
これは相当深刻な問題だ。
本日の赤旗二面の囲み記事。菅官房長官の10日の記者会見
安倍首相の「汚染水は港湾内0.3キロの範囲で完全にブロックされている」発言について質問された。
菅官房長官は「水は当然、行き来している」と答えた。どことどこを? 当然0.3キロ以遠の外洋と汚染水だ。
これは単純な三段論法だ。
A 港湾内外の水の放射性物質濃度は国際基準を下回っている。(菅長官の言明)
B 港湾内に流れ出た汚染水は、ストロンチウムで10兆ベクレル、セシウムで20兆ベクレルにのぼる。(東電発表)
C ゆえに流出した汚染水の殆どは港湾外に拡散したと考えられる。
これで「完全にブロックされている」というのが嘘だということがはっきりした。
もう一つ、完全にブロックされているというのは、誰かが何らかの方法で完全にブロックしている からこそブロックされているということだろうが、誰がどんな方法でブロックしているのかが分らない。
菅長官の話だと「水は当然、行き来している」とうことだから、実のところ何もブロックしていないのではないか。
記者会見では東電の張った「水中カーテン」(シルトフェンス)完全ブロックの手段だと示唆されているようだが、その有効性の評価はさておくとしても、すくなくとも原理的には「完全なブロッケード」とは言えない。
言ってみれば、網戸で雨風を遮るようなものだ。
もし安倍首相が水中カーテンをさして「完全ブロッケード」と言っているのなら、怒りを通り越して、「完全な物笑い」の種だ。安倍首相は「お笑い」も輸出しようとしているのだろうか。
安倍首相の「コントロール発言」は憶えておいた方がいい
9月7日に安倍首相が IOC総会で行った原発発言は、思わず耳を疑うものだった。
お互い健忘症の気味があるので、しっかりメモしておいたほうが良い。この言葉にウソがあったら、我々はオリンピックを返上しなければならなくなる。
1.状況はコントロールされている。
2.健康問題については、今も将来もまったく問題ない。
3.すでに、わたしが責任をもって抜本的解決のプログラムを決定した。
とし、「コントロール」の技術的内容として、
汚染水は港湾内0.3平方キロの範囲内で完全にブロックされている
と断言した。
この3つとも、控えめに見て不正確、きつく言えば嘘っぱちだ。
1.水素爆発やメルトダウンの可能性は今のところ低いが、ゼロとはいえない。汚染水はまったくコントロールされていない。
2.A 健康問題は、住民が避難生活を続ける限り、今のところ深刻な問題ではない。しかし内部被曝による遅発性障害の危険は除去されたとはいえない。
B 事故処理に当たる作業員の被曝の可能性は依然高いままである。
C 汚染地域に将来とも人間が住む可能性が否定されている。
3.たしかに政府は責任を持つと言明したが、その内容は明らかではない
A これまで東電任せにしてきたのが、やっと政府が出てきたに過ぎず、それは事態の深刻さの表現でしかない。
とくに最後のIOC委員の質問に対する答え「0.3平方キロ」の数字は、かぎりなく虚偽に近い。一国の首相としてこのような数字を示すのは致命的となる可能性がある。
実際に汚染水はブロックはされていないし、そもそもブロックしていない。完全もヘチマもない。
外国のメディアは甘くはない。ディナーにお呼ばれもしていない。
汚染水が0.3キロを越えて確認されれば、「完全なブロック」が事実でないことがはっきりすれば(いずれはっきりするだろうが)、安倍首相と日本政府は世界中から嘘つき呼ばわりされることになる。東京五輪は「嘘つき五輪」と呼ばれるようになる。
共産党は書記局長談話を発表している。
国際的な場で述べた以上、それは国際公約になる。
“問題ない”というなら、その根拠を国際的にも、国民と国会の前にも明らかにして、責任を果たす必要がある。
たしかにそれが明らかにされるなら、オリンピックが決まったことよりもはるかに嬉しいニュースだ。
そして再稼働を審査する原子力規制委員会に対し「粛々と迅速に調査をして回答してほし い」と要望した。
これを聞いたJR東海や東レの社長さん方はどう思うだろうか。「裏切り者め」と舌打ちしているかも知れない。6月10日の記事で、原子炉事故を起こしたアメリカの原発会社が三菱重工に賠償請求したと書いたが、話はさらに大きくなっているようだ。
会社側は契約の上限1億4千万ドルを超え、損害全額の責任も負うべきだと主張しているそうだ。その理由は「欠陥があまりにも基本的かつ広範な場合、責任上限は無効」というもの。
これでは原発会社は「善意の第三者」みたいな言い方だ。アメリカの会社はつくづく面の皮が厚く出来ているようだ。「反省だけなら猿にもできる」というが、連中には通じそうもない。
しかしそんなことを言っていても始まらない。振りかかる火の粉は払わなければならない。
ネットでちょっと見ただけでも、この請求に関する大量の記事が発信されている。しばらく大仕事はやりたくないので、突っ込むのはご遠慮させていただく。
それはそれとして、この問題は福島にも飛び火する可能性がある。
共産党の吉井議員は、もしこれが認められるなら、福島の原子炉を製造したGEの製造責任も問われることになると指摘している。
日本政府は知らんぷりするかもしれないが、これをアメリカの裁判所に持ち込めばどうなるか、なかなか面白い話だ。
三菱重工さん、対抗訴訟やってみたらどうだろう。福島は東芝だからちょうどいいんじゃない?
汚染水流出に関する事実
こういう報道は、ぱっと出てぱっと消える。
しっかり核心的事実を抑えておかないと、後からの情報に流されてしまう。
覚書的に事実を羅列しておく。
最初に結論から言っておくと、今回の事象はこれまでとは性質が違う、本質的な問題をはらんでいる。
一つは根本的な対策を立てない限り解決できない問題だからだ。
もう一つは、これはもろに国際問題になるからだ。太平洋を隔てたアメリカが直接絡んでくる。アメリカ人は日本国民のように優しくはない。メディアは日本のように従順ではない。
ここを周知徹底させる必要がある。
最初は6月19日、東電の発表だ。
1 タービン建屋東側の海岸に掘削された観測用井戸の地下水から、高濃度の放射能が検出された。
2.検出された放射能レベルは、1リットルあたりで、トリチウム(三重水素)が50万ベクレル、ストロンチウム90が1000ベクレルだった。
3.「海洋への流出はない」とされた。
つまり、地下に汚染が拡散している。しかし海には出ていない、ということである。
この第3点目、「海には出ていない」という判断が、その後間違っていたことが証明される。むかしの「メルトダウンはしていない」というセリフが思い出される。
それが6月24日の記者会見だ。
1.港湾で採取された海水から、1リットルあたり1100ベクレルのトリチウムが検出された。
2.「汚染水の海洋流出」かどうかは、「判断する段階にはない」ということで保留された。
これは発表者が、「判断する地位にはないと判断した」と読むべきであろう。
それから、実に1ヶ月もの時間が経った。
そして、ようやく認めた。
それが7月22日の記者会見だ。
1.放射性物質で汚染された地下水が海に流出していると判断される。
2.判断の根拠は、地下水の水位が海岸の潮位に合わせて変動していることが確認されたためである。
この第2点目については説明が必要だろう。
2011年3月の事故直後に大量の放射性物質が海水中に流出した。したがって海水中の放射能が高くても、その時のものなのか、その後漏れ続けているかは判断できない。
地下水の水位と海岸の潮位の関係をある程度の期間、調べてみて、地下水と海がつながっているかどうかが分かる。
地下水の水位を調査し始めたのは今年1月からであった。
ということで、要するに東電は隠していたのではなく、分からなかったのだという言い訳なのだ。
ということで、第一幕が終わる。
しかし、汚染水がどこからどうやって流出したのかが問題だ。
ということで、
それが、7月29日の記者会見だ。
1.建屋と海岸のあいだで地下水の水位が上昇している。
2.遮水壁を乗り越えて汚染水が流出している可能性を「否定出来ない」。
これも少し説明が必要だ。遮水壁というのは地中に水ガラスを打ち込んで作った壁で、海岸線に沿って作られている。おそらく遮水機能は完璧だろうと思われる。
ただ、どういうわけか、壁の高さは地下1.8メートルなのだそうだ。
遮水機能が発揮されるに従い、行き場を失った地下水は推移を上げ始めた。そうするとダムに溜まった水が堰堤を越えるように、溢れてくる可能性がある。
その可能性を「否定出来ない」ということになると、話は深刻だ。
8月2日に規制委員会が動いた。
原子力規制委員会の汚染対策検討会は、地下水の組み上げを急げと、東電にもとめた。
ただねぇ。溢れてくる水を吸い取れというのでは、大変だと思う。
地下水の出処は二つある。
一つは天然のもので山の方から1日1千トン流れてくる。もう一つは原子炉建屋から流れてくる冷却水で、こちらが1日400トンだ。
吸い出しポンプは、1日2千トンくらいの処理能力がなければならない。吸いだしたとしてどこに保管するのか。1400x365=約50万トンだ。
私なら、三島の東レの工場と名古屋のJR東海本社に持って行く。少なくとも社長さんは歓迎してくれるだろう。「少量の放射能は体に良い」そうだから。
さすがは産経新聞。はやくも規制委批判を開始した。
とは言っても、この記事、でっち上げるのに四苦八苦した様子が、ありありと見て取れる。
アップの時間が夜の10時半、最終版ぎりぎりの滑り込みだ。
内部の意思統一もでいないまま、「原子力取材班」なるものの名義で発表している。
他の記事は規制委の発表をほぼそのまま受け入れて報道しているだけに、異色ぶりが際立つ。
さらに見出しが羊頭を掲げて狗肉を売る類のものだ。「国際社会から批判も」という見出しだが、どこの国がどう批判したという事実がまったく記載されていない。
わずかに「国際社会から批判されかねない」、「国際社会から懸念を招く可能性がある」というくだりがあるのみだ。
ただ、問わず語りに大事なことを指摘している。
「日本は国内外で核分裂性プルトニウムを約26.5トン保有している。計算上、約4400発分の核兵器が造れる」
これまで「核兵器は作れない」と主張してきたことを思わず忘れてしまったようだ。それにしてもアメリカは喉から手が出るほど欲しいだろう。
文部科学省の原子力教育情報提供サイト「あとみん」は、
核兵器用と原子炉で生まれたプルトニウムには同位体の組成に違いがあります。原子力発電所で生まれたプルトニウムは原子爆弾に利用されることはありません。
と書いている。(手持ちのプルトニウムで原爆は作れる)
脱原発をめぐる力関係とその変化
脱原発をめぐる力関係を知りたくて年表を作ってみた。
脱原発派は、とりあえずはひとつにまとまっている。それは原発維持派が力で押さえつけようとする姿勢を変えていないからだ。そういう点では未だにがっぷり四つの状況にある。
原発維持派の構造
原発維持派は、階層を成している。
おそらく一番基層をなすのはアメリカの軍産複合体である。歴史的に見れば日本に原発を導入し技術を供与したのはアメリカであり、なかんづく軍産複合体である。
それは今でも原発維持派の最大の動因となっている。これがこの二年間の中のいくつかの場面で露頭している。
財界は、この2年間維持派の主役を務めてきた。経団連会長みずからが維持派の最大の旗振り役となってきた。彼らを駆り立てるのはビジネスへの衝動もあるが、なによりもアメリカの意向である。
第三は、財界の一部でもあるが、いわゆる原子力村の住人たちである。彼らはおおっぴらには発言を控え、もっぱら危機煽りキャンペーンに力を集中している。末端では立地自治体の首長らが未だに忠誠を誓っている。
霞ヶ関、とくに経産省は、大企業の意向を受け入れつつ、再稼働に向けた作業をコーディネートしている。国会の事故調査委員会で指摘された「囚われ」状況はそのまま続いている。
これら4つの層が、さまざまな事態、政府のあれこれの方針提起に際してどう動き、どう揺れたのかを分析することによって、全体の流れがどう動いているのかを明らかにすることができるのではないだろうか。
原発維持派の矛盾
経産省は、原発行政のための最大の武器であった原子力安全・保安院を失った。当面は科学技術庁(外局)で原発の海外売り込みなどに集中することになる。しかし廃炉作業などで出番はあるだろう。もんじゅは文科省の管轄(原子力科学技術委員会)である。この他に内閣府に所属する原子力委員会があるが、ムラ関係者を集めたこの委員会は、去年5月以降、休眠状態に追い込まれている。
財界にも矛盾がある。一生懸命旗を振れば振るほど、国民の目には悪役に映らざるを得なくなるからである。そうでなくても消費税、TPP、非正規切りなど何をとっても財界にたどり着く。東レや武田薬品などはいつ不買運動を起こされてもおかしくない立場に身をおいている。
原子力村は決して諦めていないが、財界の発言力が弱まると、見通しが厳しくなってくる。「狼がやってくる」はもはや通用しない。目下は値上げ申請で攻勢をかけているが、これは自縄自縛のところがあって、発送電分離や買取強化などの動きを招きかねない。
米軍産複合体は国民の前に直接姿を現す訳にはいかない。だから財界や政党を使って闘いを督励することになる。しかし余りゴリ押しすれば、日米同盟そのものに亀裂が入る危険がある。
1.04 安倍首相、原発新設についても「腰を据えて検討していきたい」と表明。
1.30 安倍首相、民主党政権の「原発ゼロ」方針を「ゼロベースで見直す」と表明。
1.30 米国で天然ガス価格急落でコストが逆転したため原発の閉鎖が相次ぐ。
2.28 安倍首相が施政方針演説。日米首脳会談を受け「安全が確認された原発は再稼働する」と明言
3.22 福島第一原発で配電盤にネズミが入り、電源が落ちる。水温が6度上昇し緊急の外部注水を施行。
2.28 ブルガリア議会、原発新設の中止を決定。3.11 パリで「原発ノン」を叫ぶ人間の鎖に2万人が参加する。
4.03 ドイツで脱原発が進んだにもかかわらず、電力輸出が前年の4倍に。
4.02 各電力会社が、あいついで米国産LNGの非リンク購入契約を締結。
1月 森本氏(その後防衛大臣)、北海道で講演。「国の基本として、原子力を持つということは、たんにエネルギーの問題ではない。…非常に大事な抑止的機能を果たしている。…(原子力を)決して捨てるべきではない」と発言。
2.27 大阪・京都・神戸の三市長、連名で関西電力に意見書を提出。原子力発電に依存しない電力供給を求める。
3.12 保安院、ストレステストの妥当性を認定。安全評価を勝手に一次と二次に分け、その一次がクリアしたという話。
3.23 原子力安全委員会は、一次評価だけでは不十分と判断。福島事故をふまえた新たな安全基準による審査が必要とする。
3.23 京都府防災会議、SPEEDI による放射性ヨウ素の拡散予想を発表。大飯西方の高浜原発が3月にやられた際は死の灰が京都市内に振り注ぐことが明らかになる。
3.28 原子力安全保安院は30項目の安全対策を取りまとめる。安全委員会はこれを妥当と判断。
4.08 政府、関西電力管内の夏の電力不足が需要に対し17%不足と発表。各界から多くの疑問が出され、4月13日に修正案を提示。
4.09 原子力安全委員会の久住静代委員(問題発言を繰り返してきた)が、「保安院は、防災指針見直しについて、財政負担増大が懸念されるといって反対してきた」と批判。
4.13 橋下市長、大飯の再稼働反対と倒閣運動を宣言。
4.13 関係閣僚会合、大飯原発の安全性を最終確認し、「再稼働することが妥当」と判断。
4.14 枝野幸男経済産業相が福井県を訪問し、再稼働を要請。
4.17 滋賀・京都知事が大飯原発再稼働への国民的理解のための7項目提言。
4.27 首相官邸前で 1100人が大飯原発再稼働に反対する行動。
5.05 泊原発3号機が定期検査に入る。国内50基の全原発が停止する。
5.11 三井物産の槍田会長、日本中の原発をすべて再稼働させないといけない、と発言。
5.24 毎日新聞、原子力委員会が事業者を含めた会議を開き、再処理に有利に報告書原案を書き換えたと報道。原子力委員会は「事業者を含めた会議」を開いたことは認めるが、「報告書を書き換えた」というのは事実無根と反論。(委員全員が原子力村の住民であり、書き換えの必要などなかった)
5.31 橋下市長、再稼働を容認。5.31 ヨルダン議会、原発事業一時停止を議決 安全性など懸念
6.10 野田首相が記者会見で原発再稼働を宣言。「福島を襲ったような地震・津波が怒っても、自己を防止できる対策と体制は整った」と豪語する。
6.18 野田政権は、法的根拠も議事録もない四大臣会合で大飯原発再稼働を図る。
6月 「さようなら原発1000万人署名」運動が754万人分の署名を集め政府に提出。
7.01 関西電力の大飯原発が再稼働。代わりに燃料費が高い火力発電所を8基止める。
7.05 国会事故調査委員会が報告書を発表。「根源的な原因は、規制当局と東電が、意図的な先送り、不作為、自分に都合の良い判断により安全対策を怠ったことにある」とする。さらに、原子力を扱うものに許されない無知と慢心であり、世界の潮流を無視し、国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先とする思い込み を糾弾。
7.17 「2030年の電源構成に占める原子力の割合」について国民から9万の意見が寄せられる。「原発ゼロ」が7割以上をしめる。15%を軸に検討していた政府は厳しい対応を迫られる。
7.23 政府の事故調査・検証委員会が最終報告書。「国と東電が安全神話にとらわれたことが「根源的問題」とする
7.24 野田首相、「脱原発依存」の立場は維持しながら、海外での原発売り込み推進という奇怪な態度を表明。
7.25 関西電力の八木社長、高浜原発の再稼働を求める。電力供給の安定性の回復など、一般的理由を強調。
7.27 米国での天然ガスの販売価格が100万BTU当たり3.07ドルまで低下。08年ピーク時の4分の1となる。
7.29 首都圏反原発連合が主催する「7.29脱原発国会大包囲」、主催者発表で約20万人が参加。
7.30 東京電力が、LNGを対米販売価格の8~9倍の高値で購入していることが共産党の質問で暴露される。
7.30 米GEのCEOが「原発の正当化は難しい」と発言。ガスと風力・ソーラーのコンビネーションに移行すると予測。
8.29 内閣府が、「南海トラフの連動型巨大地震」の被害想定を発表。神奈川から宮崎にかけて、20メートルから30メートルの津波が押し寄せ、静岡県だけで11万人の死者が予想される。
8月 西本願寺の大谷門主、「処理方法がない廃棄物を残していくのは、倫理的・宗教的に問題がある」と発言(非公式)。
9.13 政府の国家戦略会議、発電コストの試算上、原発とLNGに差がないことを明らかにする。これはシェールガスの本格開発以前のもの。
9.13 経団連の米倉会長が“緊急”記者会見。野田首相に電話で直接「原発ゼロは承服しかねる」と伝えたことを明らかにする。「日米同盟関係の維持も重要である」ことを強調。
9.19 保安院が廃止され、環境省の外局である原子力規制委員会へ移行。通産省は資源エネルギー庁内の日本原子力研究開発機構を中心に原発の海外売り込みに集中することとなる。
9.24 原子力規制委員会の田中俊一委員長、電力会社による安全評価(ストレステスト)について判断の根拠としない方針を明らかにした。既に30基の1次評価が提出されているが、手続きは白紙に戻ることになる。
9.25 枝野幸男経済産業相、未着工の原子力発電所の新設計画について、電力会社に計画の自主的な撤回を促す考えを明らかにする。また原発の再稼働については政府が関与しない考えを示した。敦賀市の河瀬市長は、「地域の実情を踏まえ、個別に判断していただきたい」とクレーム。
9.30 政府が「30年代原発ゼロ」を掲げた「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定を断念。米政府に対して「安全が確認された原子力発電所は引き続き重要な電源として再稼働させていく」方針を伝える。
9月 武田製薬の長谷川社長(同友会代表幹事)、「原発をゼロにするのであれば企業は事業会計の見直しをしなくてはならない。政府は無責任と言わざるを得ない」と意味不明の発言。
10.01 Jパワー(電源開発)の大間原発、建設作業を再開。
10.01 リトアニアで、原発の建設をめぐる国民投票が行われ反対票が6割を超えた。この原発は日立製作所が受注したもの。
10.02 北海道の主要経済3団体の首脳が、自民党本部で安倍晋三総裁らと会談し、泊原子力発電所の再稼働を求める緊急要望書を手渡す。
10.02 世界の風力発電10年で6倍超 中国が4割、日本出遅れ。
10.04 経団連の米倉会長が、浜岡原発を視察。視察後の会見で、「どうしても原発をゼロにするわけにはいかない。再稼動に持って行けたら、世界的な模範になる事例だ」と述べた。
10.04 福島第一原発事故に伴い、各市町村にごみの焼却灰がたまり続け「このままでは数年で満杯になる」ことが明らかになる。
10.13 全国で反原発集会。サッポロ反原発集会は70年安保以来の1万数千人が結集。
10.24 NHK道内ニュース、「この冬、最悪で7.7%の電力不足に陥る可能性がある」と報道。その後毎日「でんき予報」なる情報を流し始める。読売新聞は「北海道の停電は命にかかわる」と脅迫。泊原発を再稼働すれば電力不足を解消できると主張。
12.07 三菱重工と日立製作所が火力発電事業を統合することで合意(すでに水力発電事業は統合済み)。原発維持で統一戦線をはる一方、ポスト原発も視野に入れる。
12.08 衆院選前の世論調査(日経新聞)、「脱原発を目指すが、当面は必要」が61%、「今後も必要」が13%だった。日経は「原発の現実的必要性を認める声が4分の3を占めた」と評価。
12.19 13年から、原油価格とリンクしたLNG長期契約が更新を迎える。2011年
3月11日 福島第一原発、東北地方太平洋沖地震とその後の大津波で、外部からの電源と、何らかのトラブルにより稼動しなかったとされる非常用ディーゼル発電機を失い、「全交流電源喪失」状態に陥った。(その後の一連の経過については別途当たってください)
3.30 政府は全国の原発を対象に「緊急安全対策」を指示。津波による事故発生を防ぐ当面の手立てを整え、原発の安全性を確保する。
4.11 福島第一原発事故の評価をチェルノブイリ並みのレベル7に引き上げ
4.13 松本内閣官房参与「原発周辺には10~20年住めない」という首相発言を紹介。すぐに撤回。
5.06 菅直人首相が緊急記者会見。浜岡原発全原子炉の停止を中部電力に要求。
5.03 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の事故当時の予測値が公開される。公開された理由も、公開されなかった理由も不明。
5.09 中電、浜岡原発の停止要請を受諾。水野社長は「追加対策の実施後に速やかに再稼動する」と述べ、「原発は電力供給の基幹だ」と言い切る。
5.10 経団連の米倉会長、「政府は安全基準をもっと強化しておくべきだった。政府は何をしていたのか」と非難する。
5.12 福島第一原発1号機が、実はメルトダウンしていたと発表。
5.17 平田内閣官房参与、福島原発からの汚染水海洋放出について、「米国からの強い要請があった」と発言。
5.20 福島第一原発、1~4号機について廃止措置を進めること、及び建設計画を進めていた7、8号機について計画を中止。
5.27 菅直人首相がG8サミットで発言。自然エネルギーの増加と脱原発について言及する。
5.28 俳優の山本太郎さん、原発をめぐる発言のためにテレビドラマ出演ができなくなったことを明らかにする。
5月 スイス政府、福島第一原子力発電所における事故を受けて、2034年までに、「脱原発」を実現することを決定。
6.07 首相官邸で「新成長戦略実現会議」、「原発の早期稼働は国の責任」との声が相次ぐ。主な発言者は日商の岡村(東芝会長)、同友会の長谷川(武田薬品社長)6.13 イタリア国民投票で脱原発へ。投票率は57%。原発再開反対が94%を占める。ベルルスコーニ首相が敗北宣言。
6.15 「さようなら原発1000万人アクション」が署名行動を開始する。
6.18 海江田経産相、「過酷事故対策は完了し、安全性が確認された。原発が稼働できなければ産業が停滞し国民生活への不安が生じる」と発言。
6.19 原発再稼働の動きが開始される。玄海原発がそのターゲットとなる。古川佐賀県知事や玄海町の岸本町長が暗躍する。
6.29 菅首相、経産相主導で進行する玄海原発の再稼働にストップを掛ける。
6.29 経団連会長の米倉会長、「企業の努力が否定されている。これでは海外移転がますます加速する」と脅迫発言。
6.30 独下院が脱原発法案を可決、2022年末までに全17基閉鎖
7.07 菅首相、定期点検中の原発について、ストレステスト抜きの再稼働はおこわないと答弁。
7.13 議会解散を狙う菅首相が、記者会見で「脱原発」を打ち出す。与野党から猛反発。自民党の谷垣総裁も「縮原発」を唱えたが腰砕けに終わる。
7.13 朝日新聞が一面に社説。「いまこそ 政策の大転換を」とし、原発ゼロ社会を提言。同社の世論調査(7.17)では、77%が原発を将来やめることに賛成。
7.16 大飯原発の冷却系統に事故が発生、緊急手動停止に至る。
9.11 小泉元首相が厚かましく「脱原発」講演。「政府は原発が最もコストが安いとして原発建設を進めてきたが、国民は原発 が安全だとは信用しなくなった」と述べる。
9.14 経済同友会の行った電力制限に関する経営者アンケートで、「生産量や売り上げへの影響はなし」とした回答が69.3%。
9.29 政府の原子力委員会が「国民の意見」の集計結果を発表。意見書約1万件のうち原子力発電を廃止すべきだという意見が98%を占める。
10.15 モンゴル政府、日本の核廃棄物の処分場建設計画を断念。
10.28 独シーメンス社が「原発ルネッサンス」計画を放棄。原子力発電からの完全撤退を決定。格付会社はこれをポジティブと評価。
10月 原子力安全委員会、廃炉を含め、福島原発事故によって発生した損害は5兆円に達すると発表(かなり内輪の数字だが)。
11.17 関西電力が大飯原発の ストレステストの結果を経産省に報告。原子力安全保安院は再稼働に向けて手順を積み重ねる。
11.21 地震予知連の島崎会長、「震災前に、福島での津波地震を予測していたが無視された。背景には、原子力業界の力が働いていた と感じている」と発言。
12.07 小林よしのりが、雑誌に「脱原発論」の連載を開始。 西尾幹二、竹田恒泰や勝谷誠彦らも「山河を守れ」「国土を汚すな」と呼号。
12.21 福島第一原発1〜4号機の廃炉に向けた工程表が発表される。
12.28 東レの榊原会長(エネルギー基本計画策定会議メンバー)、「原発の順次再開、原子力発電の推進、国家の研究・開発予算の思い切った傾斜配分」を主張。
ちょっと古いが
2012年7月27日付 英フィナンシャル・タイムズ
米国での天然ガスの販売価格は1年前より52%低下した。価格は現在、100万BTU当たり3.07ドルで、08年ピーク時の4分の1にも満たない。シェルは今年第2四半期の利益が1年前の66億ドルから13%減少した。エネルギー価格の下落が大きな減益要因とされる。
エクソンモービルも、石油の販売価格と米国での天然ガス販売価格の下落が、9億ドル近い減益をもたらした。関西電力が、住友商事との間で、米国産LNG購入に関する基本合意書を締結した。
米国メリーランド州でのガス田から住商子会社が購入することになる。2017年後半以降生産開始見通しで、約20年間にわたって年間約80万トンを調達する計画。注目はヘンリーハブ価格指標での購入という点で、これまでの原油価格リンケージからは解放されることになる。
この背景は、フィナンシャル・タイムズ紙に詳しい。(何故だ!)
1970~80年代から続く現行のLNG契約の多くが今後10年で切れ、供給の条件を再交渉する時期に入っている。日本のLNG業界は、原油と連動する契約から脱して米国のガス価格と連動する価格協定にシフトを始めている。(ヘンリーハブBTU:英国熱量単位)
ロシアのガス大手ガスプロムは、販売価格を原油市場から切り離すことを余儀なくされた。これらの動きはLNGの輸入価格を30%下げる可能性がある(たった30%?)。
すでに東京ガスや大阪ガス、中部電力などの日本のガス・電力会社や三井物産、三菱商事、住友商事が先行している。
米国はシェールガスブームで供給に余裕が生じている。現在、政府は限定的なLNG輸出を認めるべきかどうかを検討している。(と書いているが、アメリカにそのような余裕はないはずだ)要するに、LNGは深刻な生産能力過剰に陥っているのだ。当初、アメリカ政府はFTAやTTPなどの貿易交渉の切り札に使おうとしていた。しかし今やそのような余裕はなくなっている。
膨大な先行投資をして能力過剰になっているから、これを販売しなければ倒産が相次ぐことになる。
ただ、LNGはあくまでつなぎであり、最終的にはあらゆるエネルギーを液体水素に転換して蓄える方式の確立がもとめられていくのではないだろうか。
ネットを見ていると、そんなに見通しは甘くないぞと力説している人がいた。たしかにそうだなと思って読んでいたら、結局原発再開論につながっていた。
しかし、その人さえ最終的には5,6ドルに落ち着くと見ている。これで現在の1/3だ。ランニングコストとしても原発と同等である。
問題はここ4,5年の過渡期をどう凌ぐかであるが、それには無理にインフレターゲット政策をとるより円高で推移してもらったほうがありがたい。
米シェールガス会社が倒産…生産過剰で値崩れ
時事通信の配信ですごいニュースだ。
シェールガスなどを生産する米エネルギー会社のGMXリソーシズは、1日、オクラホマ州の連邦破産裁判所に対して破産法の適用を申請した。
「シェール革命」による生産過剰で、米国では天然ガス価格が08年のピーク時から3分の1程度に値崩れしており、GMXの経営も行き詰まりました。
同社の昨年12月時点の負債総額は4億6千万ドル。同社は最大5千万ドルのつなぎ融資を受けて事業を継続し、並行して資産売却を進める。
話はもうそこまで来ているのだ。電力各社がいまだに20ドルも出してLNGを買う理由が分からない。
三菱商事が間に入ってネコババしているのか。電力各社が原価高として国民に転嫁しようとしているのか。
それとも貿易赤字をふくらませて、原発再開のネタにしようとしているのか。あるいはアメリカが原発再開のために、シェールガスを売らないよう圧力をかけているのか。
もう2年も過ぎているから、いろいろな憶測が出てくるだろう。
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