鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

カテゴリ: 33 原発(エネルギー・環境ふくむ)

福井地裁判決 要旨の要旨

1.はじめに

組織の責務: 一度深刻な事故が起きれば多くの人の声明、身体やその生活基盤に重大な被害を及ぼす事業には、その程度に応じた行動の信頼性がもとめられる。これは当然の社会的要請である。

生存を基礎とする人格権: 生存を基礎とする人格権は公法、私法を問わず、すべての法分野において、最高の価値を持っている。
それは裁判においても依拠すべき解釈上の指針である。

人格権と憲法: 人格権は憲法上の権利であり、13条、25条に規定されている。それは我が国の法制下において唯一、最高の価値を有している。

人格権そのものにもとづく訴訟の妥当性: とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、人格権そのものに基づいて差止めを請求できる。
なぜなら、
人格権は各個人に由来するものであるが、それが多数の人格権を同時に侵害するときは、差し止めの要請が強く働くのは理の当然
だからである。

2.福島原発事故について

3.原発に求められる安全性

原発に「万が一」は許されない

「組織の責務」に鑑み、原発に求められるべき信頼性はきわめて高度なものでなければならない。

大きな自然災害や戦争以外で、憲法の人格権がきわめて広範に奪われる可能性は、原発事故のほかは想定しがたい。

かような事態を招く具体的危険性が万が一でもあれば、その差し止めが認められるのは当然である。

安全性判断は裁判所の最重要な責務

福島原発事故の後において、この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しい。

原発の新規性基準があったとしても、その事項について裁判所の判断が及ぼされるべきである。

原子力規制委員会は「錦の御旗」ではない

原子力規制委員会が新規制基準への適合性の審査を行っているが、適合性という観点からではなく、安全性にもとづく裁判所の判断が及ぼされるべきである。

4.原発の特性

5.冷却機能の欠陥

6.閉じ込め構造の欠陥

世論の動きから見て、いずれこういう形の判決が出てくるだろうとは思っていたが、ここまで踏み込んで思いっきり腰を入れた判決が出るとは予想外であった。

1.人格権擁護の視点

判決は、人格権が侵害される恐れがあるときは、その侵害行為の差し止めを請求できる としている。これは憲法解釈をふくむ判断だ。

「国民の生存を基礎とする人格権」という考えは、私にとって斬新なものだ。少し勉強しなければならない。

この考えを基本に据えると、次のようなセリフが吐けることになる。

極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と、電気代の高い低いの問題等を並べて論じることは…法的には許されない

2.裁判所の責務の提起

もう一つは、裁判所の責務にかかわる提起である。

「原発の危険性およびそのもたらす被害の大きさ」を認識したいま、司法が逡巡することは許されないという強い意思表示である。

判決は、こうした具体的な危険性が万が一でもあるかどうかの判断を避ける事は「裁判所に課されたもっとも重要な責務を放棄するに等しいもの」と言い切っています

この判断は、これからの各地で起こされるであろう裁判に与える、もっとも深刻な提起となっているであろう

どうも赤旗の見出しはミスリードのようだ。

最初に記事を読んだ時、日本の軽水炉型原発は欧州の加圧水型に比べ4つの欠点があるというふうに読んだのだが、そうではなかった。

どういう比較をしているのかと思って舩橋さんの参考人発言を聞いてみたら、「脱原子力大綱を読め」ということだったのは前報のとおり。

面倒なのでそのままにしようかと思ったが、やはり気になる。

そこで、その「脱原子力大綱」に行ってみた。

原子力市民委員会のホームページに「原発ゼロ社会への道――市民がつくる脱原子力政策大綱」(5.72MB)のPDF版が載せられている。その160ページが該当する部分だ。

taikou


4-7 新規制基準は「世界最高水準」には程遠い

福島原発事故の教訓と反省をもとに策定された新規制基準において初めて過酷事故が規制の対象になった。

その新規制基準について、「世界最高水準である」あるいは「世界一厳しい基準ができた」と田中俊一原子力規制委員長は公言しているが、それが事実かどうかを検証した。

福島原発事故が生じる以前の段階から安全性を高めた原発として設置が承認された欧州加圧水型炉(EPR)の安全対策に照らし合わせると、いくつかの重要な設備が新規制基準には入っていない。

これらの事実から、新規制基準が「世界最高水準」でないことは明らかである。

表4.3 安全設備に関するEPR と新規制基準の相違点

安全設備

EPR

新規制基準

安全上重要な系統設備の多重性

独立4系統

独立2系統

コアキャッチャー

設置

要求なし

格納容器熱除去設備

設置

要求なし

頑健な原子炉格納容器

大型ジェット旅客機の衝突に耐える二重構造

要求なし

(コアキャッチャーというのは、原子炉圧力容器外に流出した溶融炉心を格納容器内に貯留する設備のことで、そのものずばりである。格納容器の熱除去設備というのは、コアキャッチャーを水で循環冷却する装置で、さらに原子炉を水棺にできる機能も併せ持っている設備のことで、要するに溶けた炉心の二重の受け皿ということになる)

4-7-3 原子力規制委員長自ら安全文化を軽視

田中俊一原子力規制委員長が「新規制基準は世界最高水準である」と公言すること自体に、安全文化(セイフティー・カルチャー)に関わる大きな問題点が含まれている。

IAEA が注意を促す「安全文化が劣化する典型的なパターン」の第1項に「過信:良好な過去の実績、他からの評価、根拠のない自己満足」が挙げられている。

原子力規制委員長が「新規制基準は世界最高水準である」と公言することは、前節で明らかにしたように、この「根拠のない自己満足」に当たると言わざるをえない。


ということで、要するに日本の安全基準が緩いと言っているだけの話だ。軽水炉か加圧水型かはこの際関係ない。

大変お騒がせしました。

なおこの「脱原子力大綱」、題名とその厚さに怖気を振るってしまうのだが、中身は案外読みやすく、寝転んでも読める。

だいじな知識がぎっしり詰まっているので、ぜひご一読を。

 

 

 

赤旗の国会ニュースで、参議院外交防衛委員会での参考人発言があった。その見出しに、「世界最高水準安全は“錯覚かウソ”」とあった。

「うーむ、そういう切り口もあるなぁ」と感心して記事を読んだが、さわりだけで前後関係がはっきりしない。

もう少し詳しく知りたいと思ったら、「避難の権利」ブログ というサイトに発言の要約が載せられていた。その一部を紹介する


舩橋参考人(法政大学教授・原子力市民委員会座長)

1.原則的視点

原発輸出問題について考慮するべき論点として大局的原則的視点が必要。

まず、原発を輸出の是非、ついで国内の原発政策だ。

我が国の規範・原則である「平和・民主・自主」に立脚しなければならない。またそれが検証できなければならない。

2.エネルギー政策のありかた

エネルギー基本計画が閣議決定されたが、妥当とは思えない。

我々の「脱原子力大綱」と比較して、どちらが包括的かを検証してほしい。

3.原発の安全性と規制基準

原発に関わる危険は技術でコントロールできない。

「新規制基準」は安全基準ではない。過酷事故のリスクをゼロにすることはできない。

新規制基準は「世界最高水準」ではない。過酷事故対策についても欧州加圧水型基準にくらべても4つの点で劣っている。

4.原発輸出に伴う問題

日本が輸出した原発の放射性廃棄物をどうするのか? 日本が引き取るのか?。 他国に押し付けるのか?


ということで、肝心の「4つの点」が書かれていない。

仕方ないので審議中継を閲覧することにする。

苦労してやっと頭出しに成功して聞いていたら、「4つの点の内容については我々の大綱を参照してほしい」ときたもんだ。30分時間を無駄にした。

赤旗もまじめに報道してほしいものだ。

内閣の閣議決定したエネルギー基本計画の骨子


energy


ようするに、原発は続ける。再稼働はやる。核燃料サイクルも続ける。もんじゅはやめないということだ。
もし電源各社や経団連は押さえられたとしても、原発を隠れ蓑にしたプルトニウムの生産はやめられないということなのだろう。
日米同盟という錦の御旗を前にしては、豪腕安部首相といえども楯突くことは許されないだろう。まぁ最初からその気などないのだろうが。
ただ、それを良いことにして図に乗る経済団体の冷血・厚顔ぶりも頭にくるが。


中国に初めてマルクス主義思想を紹介したのは淵泉という人である。

淵泉は筆名で本名は陳溥賢。早稲田の政経を出た後、北京の新聞社に勤務し、特派員として東京在留中に社会主義思想に触れた。

以下は石川禎浩「マルクス主義の伝播と中国共産党の結成」からの引用である。                          

淵泉こと陳溥賢の日本についての考察の対象が、当初の軍部、政党、議会といった統治機構から次第に労働運動、社会運動へと推移していったことにはかれなりの必然性があった。

一九一九年、かれの最大の関心は当然のように山東権益をめぐる日中関係にあったが、かれは日本の軍部、大政党、実業家の中国政策を通観したうえで、日中の「真の親善」は日本の労働階級が政治の主導権を握ったあとでなければ実現されえないと断言するのである。

かれはいう。

わたしの観察によれば、中日両国がもし真の親善を増進し、互助の精神を発揚せんとするならば、軍閥の時代では絶望的であるし、資本家の時代でもさらに望みはない。
日本の労働階級が台頭し、主人公となることができた時、はじめて中日両国の関係は我々が理想とする境地に達することができる。
ゆえに我々は日本労働階級に無窮の期待を抱くのである。

それから100年、前途未だ遠しですな

原発をなくす運動と再生エネとは直線的に結びつくものではない。むしろ温暖化効果と、輸入コストの増大を覚悟のうえで、火発に戻るかどうかという決断である。

原発がコスト的に見て論外であることは言うまでもないが、反原発イコール再生エネとはならないのである。

オイルシェールなども目下は夢物語と考えるべきである。

伝統的火発時代に戻ると決断した上で、

1.火発の技術革新が必要である。

おそらくこの半世紀、火発は過去のものと見られ技術革新や設備の更新は行われてきていないだろうと思う。

逆に言えば10%を超えるレベルで効率化、低公害化は可能と思う。マスコミもあぶくみたいな再生エネを追いかけるより、そちらの報道に力を入れるべきではないか。

2.電力価格が安価であり続けると、省エネへの意欲も薄れる。

こちらも現在の日本の技術力をもってすれば十分改善可能と思う。

また自然エネルギーは、省エネルギー・省電力の手段としてとらえればはるかに多様で柔軟な発想が出ると思う。

その上で、政策課題として

3.原発地域の振興

4.自然エネルギーやエネルギー転換技術の研究

という感じになるか。

日本のマス・メディアはまったくこのニュースを報道していない。

WSJの日本語版がかろうじて扱っている。

1.RWEというのはドイツの公益大手電力会社である。

2.13年度の通期純損益は28億ユーロの赤字(前年は13億ユーロの黒字)となった。(営業利益は59億ユーロの黒字)

3.再生可能エネルギーの過剰供給状態が、火力発電事業や卸売り電力価格を圧迫したためとされる。

4.欧州各地の石炭・ガス火力発電所から48億ユーロの減損損失が生じ、10億ユーロ前後のコスト削減にも関わらず減損分を吸収できなかった

5.減損は主として電力余剰から生まれている。RWEは赤字火発を整理し発電量を6.6ギガワットまで減らす方針。(2.3ギガワットの削減)


原発がコスト的に見て論外であることは言うまでもないが、反原発イコール再生エネとはならない。

安定供給をめぐる最大の問題は、再生エネ補助金が20年の時限付きであることだ。

補助金が切れたとき、再生エネ生産者は生産を続けるだろうか。それは可能だろうか、この辺りは今後突きつけられてくるだろう。

火発は原発廃止の受け皿としてはかなり長期に存続するであろうし、その経営がリーゾナブルな水準で維持できるような仕掛けが必要だろうと思う。


ベタの記事だが、注目すべき内容と思う。

ドイツの電力大手のRWE社が13年通期決算を発表。純損益が約4千億円の赤字となった。

これは1949年の西ドイツ建国以来初の通期決算赤字だとされる。

理由としてあげられているのが、再生エネによる電力が普及したための電力市価の下落だ。

ちょっと補助金のからくりがあって、市価の下落イコール電力コストの低下という訳にはいかないが、販売価格が下がったことは事実。

これにより、政府の補助金を受けられない火力発電所では投資額に見合う収益があげられなくなったそうだ。

おそらく電力各社が恐れているのもこういう状況であろう。

長期的な方針は別として、再生エネへの補助金をとりあえず調整する必要があるだろう。

価格、安全性、と並んで安定性は電力の必須条件である。そのために一定の火発の存在は不可欠である。

この辺りは発送電分離を前提にしないと話がややこしくなる。

いづれにせよ温暖化の問題も相まって再生エネへの転化は避けられない方向であろう。

まさにエネルギー革命だ。

電力各社も、ハラを決めるべきだ。

雲仙でバイナリー発電。

雲仙の小浜温泉で、バイナリー発電の実験が行われている。

この温泉は湯温が高く105度と煮えたぎっている。湧出量も一日1万5千トンという膨大なもの。その7割が海に流されているという。

ここで去年の4月からバイナリー発電の実用試験が行われている。

バイナリーというのは、このお湯で直接タービンを回すのではなく、沸点の低い「代替フロン」を沸騰させてタービンを回して沸騰させるというもの。

正確にはこの間に「真水」の加温という過程が挿入されるようだ。

なかなか良さそうに聞こえるが、実際の発電量は840~1680KW時程度、出力は低く、ばらつきは大きい。

さらにお湯を送るのに管を通すのだが、「湯の花」のせいですぐに詰まってしまう。このためにお湯の量は想定より少ないという。

おそらく発電計画が率直に言ってずさんだったと思う。いったん真水を沸騰させるのなら、真水を送るべきであったろう。

さらに、3つの泉源の湯を1箇所に集めているというが、金額によってはむしろ泉源に1つづつ発電機を備え付けたほうが良いかもしれない。

地熱発電が環境問題をはらんでいる以上、このような「廃物利用」的な利用もありと思うが、レベルからすれば節電程度であろう。

むしろ本格的な地熱発電をした時に、その効率をさらに上げる技術として組み合わせるべきかもしれない。

 

 

本当かどうか知らないが、紹介はしておいたほうが良いだろう。
週刊朝日のコピペ。


 福島第一原発が全電源喪失で冷却機能を失った際、東京消防庁による注水によって破局的事故が回避された。

 このとき、作業実施までの間、東電と消防庁に“攻防”があった。

 東京消防庁は原発内部の図面を手に入れようとしたが、東電は「テロ対策に関わる最高機密」という理由で提出を渋った。

 予防部職員の機転で何とか図面が手に入り、消防庁の注水が成功した。これにより壊滅的事態が避けられた。

 もし秘密保護法が成立すれば、この職員は秘密漏示罪に問われるだろう。

週刊朝日 2013年11月22日号

赤旗の一面トップは原子力規制委員会の第28回定例会(23日)の報道。

いくつかの発言を取り上げている。

「柏崎の刈羽原発が(再稼働を申請するくらい)万全だというなら、その(スタッフを含めた)リソースを福島原発に投入できないのか」という意見が3人の委員から出されている。

原文を見てみようと思ったら、まだ文書化はされておらず、会議映像がそのままYouTubeにアップされている。

全1時間45分、とても長くて付き合いきれない。と言いつつ流していたら、1時間10分過ぎにやっと報告が終わって、議論が始まった。

先ほどの発言は、まぁもののついでみたいな発言だが、全体の議論は極めて悲観的なムードで展開されている。

その理由はいくつかある。

まず第一が、現場の消耗だ。委員が一様に強調するのがここ。

現場は疲弊しているだけでなく、線量が限界に達するスタッフが続出し、人的に現在の力量を維持できなくなっている。

第二に、次から次へと難題が出てきて、今後も止まりそうにないこと、しかも対応能力が落ちていく危険性が高いことだ。

「人は石垣、人は城」というが、予期せぬ事態が続出する状況にあって、最大の防壁は技能・経験も含めた人の力だ。その防壁が脆弱になっていることに最大の危機がある。

第三に、東電トップの誠実さに疑問があり、抜本的な対策が確立されないままになっていること(ケチっている可能性がある)

第四に、東電が誠実であったとしても、そこには限界があり、政府の関与が不可欠だということ。しかし安倍首相は政府が責任を持つといったのに、いまだに具体的な動きが見られないことだ。

会議の最後は、委員長が東電社長と会って、きちっと話し合いを持ち、とりわけ現場スタッフの確保と配慮について対策を促すことになったが、「きっとのらりくらりと逃げまわるだろうな」という表情が田中委員長の顔には浮かんでいる。

これは実写ならではの情報だ。

御用とお急ぎの方も、最後の5分だけでも良いから、見てやってください(とくに1:14頃からの中村委員の発言)


この会議がいいのは現場主義を強く押し出していることだ。現場主義の視点から問題を捉え直していることだ。

現場には答えがある

この点についてはルネサス山形工場の関連記事でも触れた。

ウンザリさせられるありきたりの案から離れて、現場レベルの深い情報を賢く活用し、現場の士気を鼓舞するような、力強い産業政策を打ち出すならば、日本国内にも、まだまだ収益化できる半導体の工場と設計部隊がある。(DIAMOND online より引用)


安倍首相は「港湾内への流出は完全にブロックされている」と豪語した。それ自体もウソであることは確かだが、主たる流出ルートは港湾外から直接外洋に向けて出来上がっていることが分かった。
漏洩した汚染水の主流が港湾内には行かないのだから、むしろより危険である。そこにはカーテンも、いちじくの葉一枚もない。場末のストリップ小屋のごとく全スト状況である。
安倍首相は「漏れていない」といったわけではなく、漏れてはいるが「完全にブロックされている」といったのである。しかし事態は、「漏れていて、ブロックもされていない」のである。
これが世界に知られれば、三つ目の事実が衆目のもとに晒されることになる。「この国の首相は、この国の政府は嘘つきだ」
安倍首相は「右翼で、軍国主義者で、しかも嘘つきだ」という烙印を押されることになるのである。

同時に、そういう人物を首相に仰ぎ、「ウソ」で五輪招致を実現し浮かれている極楽とんびにも厳しい目が注がれることになる。

天皇家がこのスキャンダルに紙一重で巻き込まれなくてすんだのが、唯一の救いと呼べるかもしれない。

17日付の共産党の提案

1.放射能で海を汚さない
汚染水を希釈して海に流せというのは、決して国内外から理解されない
2.非常事態の認識
現状把握、危険性に関する情報の遅滞なき公開、国際協力
3.人的・物的資源の集中
再稼働・原発輸出は問題外
5.東電の破綻処理
国が事故収束と賠償・除染に全面的責任を持つ

4点目については、破産処理自体は当然だが、緊急かどうかは分からない。国が全面責任を負うことについてはそのとおり。


数字というのはどんどん変わっていくものなので、適宜修正していかなければならない。
16日付の赤旗8面より

1.4月に地下貯水槽からの汚染水漏れが明らかになる。6月に建屋海側の地下水が汚染されていることが明らかになる。7月汚染水の海水内流出が明らかになる。

2.8月に汚染水貯蔵タンクからの漏洩が多発していることが明らかになる。漏洩タンク近くの地下水で汚染が明らかになる。

3.現在の汚染水の量は、地下貯水槽で9万トン、汚染水貯蔵タンクで34万トン。

4.汚染水は、現在なお一日あたり400トン増えている。これはメルトダウンした核燃料を隔離できるまで続く。

5.現在貯蔵タンクは80万トンまで増設する計画だが、これは3年しか持たない。(80万-34万)÷400÷365日=3.15









これは決定的な発言だ。
当事者(技術トップ)が、首相の全世界に向けての発言を「全面否定」したに等しい。
世論調査でも、日本人の半分以上が「安倍首相は嘘をついた」と認識しているとの結果が出ている。
それでも安倍首相を嘘つきと非難する声がサッパリ聞こえてこないのも不思議な話だが、これでは「日本人は目的のためには嘘をつくことに平気だ」と思われても仕方ない。

慰安婦問題がまじめに受け止められないことも含めて、当節、かなり日本人であることが恥ずかしくなる。

ところで東電本社の対応が面白い。

1.安倍首相の「コントロール発言」は正しい。なぜなら放射性物質は発電所の港湾内にとどまっているからだ。

2.しかし、タンクからの漏洩・汚染水の港湾内流出はコントロール出来ていない。山下フェローの発言はこのことを指している。

と、なんとかギリギリ安倍首相の顔を立てた。

しかし、1.そのものもきわめて怪しい。もしこれも嘘だということになると、恥の上塗りになる。刺を抜こうとして、かえって深く差し込んでしまった可能性がある。

「ネイチャー」誌といえば、泣く子も黙る自然科学分野の最高権威だ。

ノーベル賞の登竜門とも言われる。

その「ネーチャー」が、このところ福島原発への関与を強めている。

8月13日号ではFukushima: 'Ecolab' branding insensitive

8月29日号ではFukushima leaks 18 times worse than first thought

そして9月3日号では Nuclear error

とまで書いた。副題は

Japan should bring in international help to study and mitigate the Fukushima crisis.

となっている。福島の「危機」と、それをもたらした「エラー」は科学界のお墨付きをもらったことになる。その直後に、安倍首相の発言が飛び出したわけだ。


@yoko71さんによる日本語訳が読める
http://yokofurukawa.tumblr.com/post/60466011377/9-5-nuclear-error

1.原子力事故から2年半、TEPCO(東電)は、三機の破壊された原子炉での核燃料の貯蔵タンクで起こる問題の原因とその深刻さを、認識できていない

2.今回の漏洩で、この貯蔵システムは、管理の行き届いていない時限爆弾のようなものだ、ということがわかってきた。

3.日本政府の今までの対応や情報公開(のお粗末さ)の前例から考えると、日本政府がこの事態の収拾を、TEPCOよりも上手くやっていけるのか、疑問として残る。

4.漏洩しているタンクの周囲の放射線量は、当初の報告よりも18倍高かった。単なる「異常事態」として始まったはずの漏洩が、結果的には本物の危機となってしまった。

5.日本は、ここで海外の専門家に助けを求めるべきだ。世界中からの研究者がデータを集め、解析し、シェアできるように、サポート体制をととのえるべきだ。

少なくとも福島では、まだ遅くはありません。

韓国の中央日報日本語版が、抑制された、しかし真相をしっかりと衝いた良い記事を掲載している。  (2013年09月10日)


安倍晋三首相の“放射能汚染水完全統制”発言はオリンピックの東京招致に決定的な役割をはたした。

しかし一部の報道機関と専門家からは「果たしてそう断 定できる状況か」という疑問の声が出ている。

毎日新聞は「こうした無責任な発言をしてもよいのか」「閉炉までこれから数十年かかるはずだが、安倍首相の発言には違和 感を感じる」という福島原発勤労者の反応を紹介している。

共同通信も、京都大学の小出裕章氏の「何を根拠にコントロールされているというのか分からない。あきれる」という発言を紹介した。

最も大きな問題は「汚染水は0.3平方キロメートルの港湾内部で完全に遮断され ている」という発言だ。

1.8月8日 東京大学と日本海上技術安全研究所は「福島原発20キロ内の海底で40カ所にのぼるセシウム ホットスポットが発見された」と発表した。

2.8月末 東京電力は汚染水タンクから300トンの高濃度汚染水が流出したと明らかにした。汚染水は0.3平方キロメートルの広さの港湾ではなく、太平洋と直結する排水口を通じて外洋に流れた。
日本国内のすべての主要新聞もこれを1面に大々的に報じた。

法政大の水島宏氏は「港湾外20キロのアイナメから、基準値の258倍のセシウムが検出されている。それでも笑顔を浮かべて『私が安全を保証する』と断言した安倍首相の厚顔はなかなかのものだ」と述べている。

以下は中央日報独自の鋭い視点。

  安倍首相が8日、IOC委員の質問を受けて発言した内容も注目される。安倍首相は「新聞のヘッドラインではなく“事実”を見てほしい」と述べた。日本メディアの報道は事実でない、という論調だった。

自国の首相によって“国際的な恥”をかかされた日本メディアが今後どのような“真実” を暴き出すかも注目される。

メディアの皆さん、注目されていますよ!

安倍首相のディナー攻勢がこれほど霊験あらたかなものとは知らなかった。
グーグル検索したら、12時の時点で国内大手メディアの報道はこれだけだ。

1.安倍首相:汚染水「完全にブロック」発言、東電と食い違い
毎日新聞 - 1 日前

2.原発の汚染水 “完全ブロック”発言の真相
テレビ東京 - 4 時間前


テレビ東京のニュースはビデオで見ることができる。いい内容だ。

朝日、読売、日経、産経 一切報道していない。

ウォールストリート・ジャーナルとニューズウィークはしっかりと報道している。

要は、安倍首相と晩飯を食ったか食わなかったかが勝負の分かれ目だ。


これは相当深刻な問題だ。

本日の赤旗二面の囲み記事。菅官房長官の10日の記者会見

安倍首相の「汚染水は港湾内0.3キロの範囲で完全にブロックされている」発言について質問された。

菅官房長官は「水は当然、行き来している」と答えた。どことどこを? 当然0.3キロ以遠の外洋と汚染水だ。

これは単純な三段論法だ。

A 港湾内外の水の放射性物質濃度は国際基準を下回っている。(菅長官の言明)

B 港湾内に流れ出た汚染水は、ストロンチウムで10兆ベクレル、セシウムで20兆ベクレルにのぼる。(東電発表)

C ゆえに流出した汚染水の殆どは港湾外に拡散したと考えられる。

これで「完全にブロックされている」というのが嘘だということがはっきりした。

もう一つ、完全にブロックされているというのは、誰かが何らかの方法で完全にブロックしている からこそブロックされているということだろうが、誰がどんな方法でブロックしているのかが分らない。

菅長官の話だと「水は当然、行き来している」とうことだから、実のところ何もブロックしていないのではないか。

記者会見では東電の張った「水中カーテン」(シルトフェンス)完全ブロックの手段だと示唆されているようだが、その有効性の評価はさておくとしても、すくなくとも原理的には「完全なブロッケード」とは言えない。

言ってみれば、網戸で雨風を遮るようなものだ。

もし安倍首相が水中カーテンをさして「完全ブロッケード」と言っているのなら、怒りを通り越して、「完全な物笑い」の種だ。安倍首相は「お笑い」も輸出しようとしているのだろうか。

安倍首相の「コントロール発言」は憶えておいた方がいい

9月7日に安倍首相が IOC総会で行った原発発言は、思わず耳を疑うものだった。

お互い健忘症の気味があるので、しっかりメモしておいたほうが良い。この言葉にウソがあったら、我々はオリンピックを返上しなければならなくなる。

1.状況はコントロールされている。

2.健康問題については、今も将来もまったく問題ない。

3.すでに、わたしが責任をもって抜本的解決のプログラムを決定した。

とし、「コントロール」の技術的内容として、

汚染水は港湾内0.3平方キロの範囲内で完全にブロックされている

と断言した。


この3つとも、控えめに見て不正確、きつく言えば嘘っぱちだ。

1.水素爆発やメルトダウンの可能性は今のところ低いが、ゼロとはいえない。汚染水はまったくコントロールされていない。

2.A 健康問題は、住民が避難生活を続ける限り、今のところ深刻な問題ではない。しかし内部被曝による遅発性障害の危険は除去されたとはいえない。

B 事故処理に当たる作業員の被曝の可能性は依然高いままである。

C 汚染地域に将来とも人間が住む可能性が否定されている。

3.たしかに政府は責任を持つと言明したが、その内容は明らかではない

A これまで東電任せにしてきたのが、やっと政府が出てきたに過ぎず、それは事態の深刻さの表現でしかない。

とくに最後のIOC委員の質問に対する答え「0.3平方キロ」の数字は、かぎりなく虚偽に近い。一国の首相としてこのような数字を示すのは致命的となる可能性がある。

実際に汚染水はブロックはされていないし、そもそもブロックしていない。完全もヘチマもない。

外国のメディアは甘くはない。ディナーにお呼ばれもしていない。

汚染水が0.3キロを越えて確認されれば、「完全なブロック」が事実でないことがはっきりすれば(いずれはっきりするだろうが)、安倍首相と日本政府は世界中から嘘つき呼ばわりされることになる。東京五輪は「嘘つき五輪」と呼ばれるようになる。

共産党は書記局長談話を発表している。

国際的な場で述べた以上、それは国際公約になる。

“問題ない”というなら、その根拠を国際的にも、国民と国会の前にも明らかにして、責任を果たす必要がある。

たしかにそれが明らかにされるなら、オリンピックが決まったことよりもはるかに嬉しいニュースだ。


そのアメリカの原発賠償だが、3日付の「ビジネス・ジャーナル」に続報が出た。
事態はますます深刻化している。

6月の時点でSCEの親会社は、三菱重工に1億3900万ドルを請求している。さらに7月18日、SCEのロン・リッチンガー社長は「全面的な損害賠償 を求める」という声明を出した。

「全面的な損害賠償」の中身だが、米メディアによると、

原発の停止に伴う代替燃料費や、発電できないままになっている原発の維持費用などは数十億ドルに上る。
さらに廃炉に伴う経費の賠償を求めるとすると、天文学的な数字になる。
日本の原子力プラントメーカーの技術者は「請求額がどこまで膨らむか想像もつかない」と語る。
廃炉の経費の中には不要となったウラン燃料のコストも含まれることになりそうだ。

と、とんでもない話。
そもそも三菱重工は原子炉を作ったわけではない。蒸気発生器に関わっただけだ。
アメリカは日本をなめている。どんな無理難題をふっかけても、かならずイエスと答えてきたからだ。

原発の売り込みは、とりあえずこの紛争の行く末を見てからにしてはどうだろう、安倍さん。

それでも原子力の海外進出を目指す三菱重工

2012年度の三菱重工の原子力関係受注額は1700億円。
前年度の2500億円から800億円も減少した。
それでもめげることなく、今年4月には中長期で受注額5千億円を目指す計画を立てた。
狂気の沙汰という他ない。

国内での増収見込みは限りなくゼロに近い。とすれば海外進出しかないということになるが、正直、海外進出のリスクははるかに高い。はたしてリスクを肩代わりしてくれる保険会社があるだろうか。

アメリカでの賠償騒ぎのようなことが容易に予想される。しかしさすがにそこまで日本政府におねだりする訳にはいかない。

安倍首相は原発売り込みにやっきのようだが、はたして三菱の「5千億円受注計画」を知っているのだろうか。知っていれば、その無謀さに恐怖を覚えるはずだ。

売却先のほとんどは途上国だ。メジャーアクシデントの可能性は高い。人材、周辺のインフラは脆弱であり、資材の欠乏、停電など日常茶飯事だ。軽微な事故でも重大化する危険がある。

これらの国は日本と日本の首相を信用するから導入することになる。そうでなければ韓国製のほうがはるかに安い。

事故発生時、彼らは当然のように、売り込みの先頭に立った日本政府に賠償をもとめるだろう。それをいいコトに三菱重工は頬っかぶりするだろう。

途方に暮れる日本政府関係者の顔が目に浮かぶようだ。

それにしても、東電は東芝とGEに損害賠償をもとめないのだろうか?

政府はみずから汚染水対策に乗り出すのなら、その費用負担をもとめないのだろうか?

汚染水発覚の直後に「柏崎原発再開を急げ」と呼号した同友会の長谷川代表だが、直後に福島原発の見学に入った彼がマイクロバスのなかで示した表情は、テレビの画面を通してだが、「さすがに参った」というふうに見えた。
それから1ヶ月を置いて本日の記者会見になるのだが、多少は変化が現れたようだ。こちらの欲目かも知れないが…

経済同友会の長谷川閑史代表幹事は汚染水漏れ対策での国費投入について「この段階に至れば当然」と述べた。
その上で「原発廃炉や除染についても国の全面関与をもう一度真剣に検討する時期に来ている」とし、政府がさらに一歩踏み込んで原発対策に乗り出すべき だとの認識を示した。
一連の汚染水問題に関し長谷川氏は「こういう状況が起きたことは極めて遺憾。監視や(漏水の)早期発見など、より慎重にしていただくべきではなかったか」と東電の対応を批判した。


まぁずいぶん控えめな表現ではあるが、7月初めの記者会見と比べれば同じ人とは思えぬほどの変化である。

東京電力が柏崎刈羽原発の再稼働に向けた安全審査を申請することについは、「至極当然だ。選択の余地はない」と理解を示した。

そして再稼働を審査する原子力規制委員会に対し「粛々と迅速に調査をして回答してほし い」と要望した。

これを聞いたJR東海や東レの社長さん方はどう思うだろうか。「裏切り者め」と舌打ちしているかも知れない。

6月10日の記事で、原子炉事故を起こしたアメリカの原発会社が三菱重工に賠償請求したと書いたが、話はさらに大きくなっているようだ。

会社側は契約の上限1億4千万ドルを超え、損害全額の責任も負うべきだと主張しているそうだ。その理由は「欠陥があまりにも基本的かつ広範な場合、責任上限は無効」というもの。

これでは原発会社は「善意の第三者」みたいな言い方だ。アメリカの会社はつくづく面の皮が厚く出来ているようだ。「反省だけなら猿にもできる」というが、連中には通じそうもない。

しかしそんなことを言っていても始まらない。振りかかる火の粉は払わなければならない。

ネットでちょっと見ただけでも、この請求に関する大量の記事が発信されている。しばらく大仕事はやりたくないので、突っ込むのはご遠慮させていただく。

それはそれとして、この問題は福島にも飛び火する可能性がある。

共産党の吉井議員は、もしこれが認められるなら、福島の原子炉を製造したGEの製造責任も問われることになると指摘している。

日本政府は知らんぷりするかもしれないが、これをアメリカの裁判所に持ち込めばどうなるか、なかなか面白い話だ。

三菱重工さん、対抗訴訟やってみたらどうだろう。福島は東芝だからちょうどいいんじゃない?

汚染水流出に関する事実

こういう報道は、ぱっと出てぱっと消える。

しっかり核心的事実を抑えておかないと、後からの情報に流されてしまう。

覚書的に事実を羅列しておく。

最初に結論から言っておくと、今回の事象はこれまでとは性質が違う、本質的な問題をはらんでいる。

一つは根本的な対策を立てない限り解決できない問題だからだ。

もう一つは、これはもろに国際問題になるからだ。太平洋を隔てたアメリカが直接絡んでくる。アメリカ人は日本国民のように優しくはない。メディアは日本のように従順ではない。

ここを周知徹底させる必要がある。


最初は6月19日、東電の発表だ。

1 タービン建屋東側の海岸に掘削された観測用井戸の地下水から、高濃度の放射能が検出された。

2.検出された放射能レベルは、1リットルあたりで、トリチウム(三重水素)が50万ベクレル、ストロンチウム90が1000ベクレルだった。

3.「海洋への流出はない」とされた。

つまり、地下に汚染が拡散している。しかし海には出ていない、ということである。

この第3点目、「海には出ていない」という判断が、その後間違っていたことが証明される。むかしの「メルトダウンはしていない」というセリフが思い出される。

それが6月24日の記者会見だ。

1.港湾で採取された海水から、1リットルあたり1100ベクレルのトリチウムが検出された。

2.「汚染水の海洋流出」かどうかは、「判断する段階にはない」ということで保留された。

これは発表者が、「判断する地位にはないと判断した」と読むべきであろう。

それから、実に1ヶ月もの時間が経った。

そして、ようやく認めた。

それが7月22日の記者会見だ。

1.放射性物質で汚染された地下水が海に流出していると判断される。

2.判断の根拠は、地下水の水位が海岸の潮位に合わせて変動していることが確認されたためである。

この第2点目については説明が必要だろう。

2011年3月の事故直後に大量の放射性物質が海水中に流出した。したがって海水中の放射能が高くても、その時のものなのか、その後漏れ続けているかは判断できない。

地下水の水位と海岸の潮位の関係をある程度の期間、調べてみて、地下水と海がつながっているかどうかが分かる。

地下水の水位を調査し始めたのは今年1月からであった。

ということで、要するに東電は隠していたのではなく、分からなかったのだという言い訳なのだ。

ということで、第一幕が終わる。

しかし、汚染水がどこからどうやって流出したのかが問題だ。

ということで、

それが、7月29日の記者会見だ。

1.建屋と海岸のあいだで地下水の水位が上昇している。

2.遮水壁を乗り越えて汚染水が流出している可能性を「否定出来ない」。

これも少し説明が必要だ。遮水壁というのは地中に水ガラスを打ち込んで作った壁で、海岸線に沿って作られている。おそらく遮水機能は完璧だろうと思われる。

ただ、どういうわけか、壁の高さは地下1.8メートルなのだそうだ。

遮水機能が発揮されるに従い、行き場を失った地下水は推移を上げ始めた。そうするとダムに溜まった水が堰堤を越えるように、溢れてくる可能性がある。

その可能性を「否定出来ない」ということになると、話は深刻だ。

8月2日に規制委員会が動いた。

原子力規制委員会の汚染対策検討会は、地下水の組み上げを急げと、東電にもとめた。

ただねぇ。溢れてくる水を吸い取れというのでは、大変だと思う。

地下水の出処は二つある。

一つは天然のもので山の方から1日1千トン流れてくる。もう一つは原子炉建屋から流れてくる冷却水で、こちらが1日400トンだ。

吸い出しポンプは、1日2千トンくらいの処理能力がなければならない。吸いだしたとしてどこに保管するのか。1400x365=約50万トンだ。

私なら、三島の東レの工場と名古屋のJR東海本社に持って行く。少なくとも社長さんは歓迎してくれるだろう。「少量の放射能は体に良い」そうだから。

不破さんというのはすごい人で、原発事故からわずか3ヶ月後に、今日の事態を見通している。

11万トンたまった汚染水は、10万トンの大きな集中処理施設を作って、大部分移したはずなんですよ。しかし移しても減らないんですね。ということはそれが地下水とつながってもっと巨大な汚染水となっているのではないかと考えられるんです。
…放射能を原子炉の中に閉じ込められないで、水が担い手になってどんどん外に出つつあるというのが現状なのですね。


今が非常事態の瀬戸際だ 2011.6.29 記事

以前にも原発の閉鎖の記事を書いたことがあったが、今度はかなりの大手だ。

米電力大手のデューク・エナジー社が、フロリダでの原発新設計画を断念すると発表した。

この計画は16年からの稼働を目指して08年に申請されたもの。
当時、中東産原油への依存脱却や地球温暖化対策の一環として、政府が原発を推進していた。

しかし、最近はLNGの火発とのコスト競争に敗れ、既存の原発も稼働停止に追い込まれており、新規の原発も展望がなくなっている。

ということだが、心配なのは核兵器用のプルトニウムの確保だ。
日本が頼りにされる時代になっているのかもしれない。

スイスの首都はベルンです。私はチューリッヒだと思っていた。
その郊外にミューレベルクという原発がある。その排水は、厳しい基準をクリアした後、川に流されるが、その行く先がビール湖という湖。
https://livedoor.blogimg.jp/shosuzki/imgs/3/d/3da9ac7c.jpg

その湖底の堆積物を調べたらセシウム137が検出されたという話だ。
検出されたというのが、そもそも重大な問題だが、どうも原発側がこれを隠していた疑いが浮上してきた。

なぜかというと、この原発、72年の運転開始というロートル。
40年目の去年、連邦行政裁判所はNGOの訴えを受け運用停止を命じた。ところが今年3月、最高裁判所は行政裁の判断を覆し、稼働継続を認めた。

こういうドタバタのあいだ、原発側が垂れ流しを隠していたとすれば、これは一般的な隠蔽ではなく、司法を欺く行為と考えられる。

これはただでは済まない話だ。

原発事故を尻目に海外輸出に血道を上げる原発族に、このニュースは衝撃だろう。
カリフォルニア州サンディエゴ近郊の原発で“微量の放射性物質漏れ”事故が発生した。
運転中の蒸気発生器の配管の一部が損傷したもの。
発電会社は補修費などを考慮すると再稼働は経済的ではないと判断した。
廃炉に伴う損失は税引き前で約500億円とされる。
ここからが問題だ。
発電会社は、事故の原因は蒸気発生器の不良だとし、製造元の三菱重工に損害賠償を求めると発表した。

どうするか、三菱重工。もし払えば、これはグローバル・スタンダードとなる。

これが国内なら、政府におんぶにだっこで何とかなるかもしれないが、海外相手ではさすがにそうはいかないだろう。
おいそれと受けてくれるような保険会社があるとも思えない。
この際、原発輸出はあきらめたほうが良いと思うが…


さすがは産経新聞。はやくも規制委批判を開始した。

とは言っても、この記事、でっち上げるのに四苦八苦した様子が、ありありと見て取れる。

アップの時間が夜の10時半、最終版ぎりぎりの滑り込みだ。

内部の意思統一もでいないまま、「原子力取材班」なるものの名義で発表している。

他の記事は規制委の発表をほぼそのまま受け入れて報道しているだけに、異色ぶりが際立つ。

さらに見出しが羊頭を掲げて狗肉を売る類のものだ。「国際社会から批判も」という見出しだが、どこの国がどう批判したという事実がまったく記載されていない。

わずかに「国際社会から批判されかねない」、「国際社会から懸念を招く可能性がある」というくだりがあるのみだ。

ただ、問わず語りに大事なことを指摘している。

「日本は国内外で核分裂性プルトニウムを約26.5トン保有している。計算上、約4400発分の核兵器が造れる」

これまで「核兵器は作れない」と主張してきたことを思わず忘れてしまったようだ。それにしてもアメリカは喉から手が出るほど欲しいだろう。


文部科学省の原子力教育情報提供サイト「あとみん」は、

核兵器用と原子炉で生まれたプルトニウムには同位体の組成に違いがあります。原子力発電所で生まれたプルトニウムは原子爆弾に利用されることはありません。

と書いている。(手持ちのプルトニウムで原爆は作れる)


赤旗が、規制委での委員の発言を生々しく紹介している。

高速増殖炉「もんじゅ」の点検漏れ問題に対する処分が検討された15日の原子力規制員会では、日本原子力研究開発機構のずさんな対応に、委員から次々と非難の声が上がりました。

島崎委員長代理は「経営層と現場のコミュニケーション不足と言っていたのに、実際になされていない。作文をしてその場しのぎをしているとしか言いようがない」と怒りをあらわにし、「こういう組織の存続を許している事自体が問題だ」と切り捨てました。

中村委員も、「何ヶ月か前まで、もんじゅは専門家集団が運営していると信じていた。対応を見ていると、真剣に受け止めていると思えない」と批判。「専門家として恥ずべき行為。プライドにかけてもう一度原点に戻って反省してほしい」と述べました。

田中委員長は、原子力機構が過去にさまざまなトラブルで6回も「根本原因分析」を行ったことに触れ、「結局根本分析になっていない」と体質を問題視。
「工程優先ではなく、安全優先、安全文化を大事にすることを実現しないといけない」と述べました。

これを読んだだけでも、相当ひどいことがわかる。

きのう「もんじゅはアメリカのもの」と書いたばかりなのに、今朝の赤旗一面トップは

「もんじゅ再開中止指示  “違法状態是正せず” 規制委」

だ。

実は昨日テレビで、「敦賀原発、廃炉に」という報道を聞いて、「あぁ、ついに」と思ったばかりだったのだが、こちらのほうがはるかにビッグニュースなのではないか。さすがは赤旗だ、と思った。

ただし、敦賀原発は直接の判断は「活断層」という認定であり、それは廃炉に結びついて行くということで、方向性は明確なのだが、もんじゅの方はそうではない。

現時点での、再開に向けた準備は停止するということであり、再開が否定されたわけではない。今後、原子力機構側の巻き返しも十分予想される。


ということで、以下、記事の抜粋。
原子力規制委員会は、もんじゅの運転再開に向けた「準備の中止指示を命令する」ことを決めました。
①12年11月、もんじゅで、1万件に及ぶ点検期間の超過が発覚しました。
②このため、規制委員会が立入検査を行いました。
③その結果、「点検業務が担当者任せになっていて、現場で不適切な処理による点検の先送りが繰り返されていた」ことが判明しました。
④規制委員会は検査の結果に基づき、改善の指示を発しました。
⑤今回の再検査は改善の状況を点検するためのものでした。

その結果、今回の規制委員会の判断に至った。その判断とは、
「これまでの規制委の指示に対する対応は不十分であり」、「法令違反状態は改善されていない」との判断です。
決定後の記者会見で、田中委員長は「何度も繰り返されており、事態はかなり深刻だ」と述べました。

ついでその要因についての分析。
規制委は原子力機構の経営層、幹部に問題があると指摘する。
「(トップは)安全を最優先とする方針を明確に示していない」、「点検よりも試験工程を優先する考えを有している」と、厳しく批判。
このために組織全体に「安全文化の劣化が認められる」と指摘する。

そして、規制委の当面の対応として、
①原子力機構に対し、「機器の点検」の状況を管理できるシステムの構築を指示。
②原子力機構の対応を逐次報告させる。
③これらの進行状況を最終的に規制委で確認する。
④運転再開に向けた活動は、規制委の最終確認までは禁止する。

④を正確に言うと、
「規制委で確認するまでのあいだ、運転再開に向けた活動は行わないよう命じる」ということになる。

ただこの決定には、
「命令に先立ち、原子力機構には、文章による弁明の機会が与えられる」とされている。
1兆円をドブに捨てることになるかも知れないこの判断、アメリカの虎の尾を踏むことになるかもしれないこの判断、どうなることやら。


私の編集した脱原発年表を見てもらうとよくわかるのだが、アメリカのトップが闇の底から姿を現したところが一瞬あった。それが去年の9月のことである。
政府が「2030年代に原発稼働ゼロ」の方針を閣議決定しようとしたとき、エネルギー省のポネマン副長官が「このような措置をとれば意図せざる影響もありうる」と述べたのだ。これがやくざ並の脅迫でなくてなんだろうか。そして、これこそアメリカ支配層が公然と顔を出した「露頭」であった。
以後、半月のあいだに情勢はころりと変わり、閣議決定は断念されることとなった。方針変更にアメリカの圧力が働いたことは、米倉経団連会長の「日米同盟関係の維持も重要である」という発言に示されている。

と、ここまでが前書き。

それで、そこまでヤバい橋をわたってまで、どうして原発再稼働に固執するのか、という背景の説明が必要だ。

赤旗では概略以下のように説明している

1.日本の原発は米核兵器の生命線だ
アメリカは79年のスリーマイル島原発事故のあと、原発の新規建設ができない状況が続いている。今後老朽化した原発が廃炉になっていけば、アメリカはプルトニウムを生産できない国になってしまう。その際、日本の原発の製造するプルトニウムはアメリカ核戦略の生命線となる。

2.日本の原発技術は核兵器開発に不可欠だ
原発が、35年以上も前のプラントだとすれば、それに伴う技術も35年前から進んでいないことになる。その間にアメリカの核利用技術は致命的に立ち遅れており、日本の技術なしには核戦略は構築し得ない。

3.高純度プルトニウムが必要だ
原発からプルトニウムができても、そのままでは核兵器には使用しにくい(使えないことはない、ということは「手持ちのプルトニウムで原爆は作れる」で既述
高速増殖炉を使えば、きわめて純度の高いプルトニウムが獲得できる。
このためにアメリカは国際協力計画(GNEP)を打ち出し、もんじゅを日本に押し付けた。押し付けられた開発リスクが累計で約1兆円ということになる。
それでも建設をやめられないし、やめられない理由を語ることもできないのだ。
なぜなら、高速増殖炉「もんじゅ」はアメリカのものだからだ。

記事そのものは、ちょっと散漫なところがあるが、ファクツを整理すれば上記のようになる。


川内村の遠藤村長の国会での証言(共産党高橋議員の質問に答えたもの)

代替エネルギーがなければ、再稼働反対と言ってはいけないのか

というもの。
まことに論理を超えた、感情の噴出である。

「とにかく原発やめよう」というところからどうして出発しないんだ、という怒りでもある。

そして、再稼働論者の脳天への一撃でもある。

福島県は県内の原発をなくすと宣言している。人間の気持ちはそうなるものだ。
ならないのは想像力が足りないからだ。事実を見ようとしないし、そのことについて自分の前頭葉を使って考えようとしないからだ。

脱原発をめぐる力関係とその変化

脱原発をめぐる力関係を知りたくて年表を作ってみた。

脱原発派は、とりあえずはひとつにまとまっている。それは原発維持派が力で押さえつけようとする姿勢を変えていないからだ。そういう点では未だにがっぷり四つの状況にある。

原発維持派の構造

原発維持派は、階層を成している。

おそらく一番基層をなすのはアメリカの軍産複合体である。歴史的に見れば日本に原発を導入し技術を供与したのはアメリカであり、なかんづく軍産複合体である。

それは今でも原発維持派の最大の動因となっている。これがこの二年間の中のいくつかの場面で露頭している。

財界は、この2年間維持派の主役を務めてきた。経団連会長みずからが維持派の最大の旗振り役となってきた。彼らを駆り立てるのはビジネスへの衝動もあるが、なによりもアメリカの意向である。

第三は、財界の一部でもあるが、いわゆる原子力村の住人たちである。彼らはおおっぴらには発言を控え、もっぱら危機煽りキャンペーンに力を集中している。末端では立地自治体の首長らが未だに忠誠を誓っている。

霞ヶ関、とくに経産省は、大企業の意向を受け入れつつ、再稼働に向けた作業をコーディネートしている。国会の事故調査委員会で指摘された「囚われ」状況はそのまま続いている。

これら4つの層が、さまざまな事態、政府のあれこれの方針提起に際してどう動き、どう揺れたのかを分析することによって、全体の流れがどう動いているのかを明らかにすることができるのではないだろうか。

原発維持派の矛盾

経産省は、原発行政のための最大の武器であった原子力安全・保安院を失った。当面は科学技術庁(外局)で原発の海外売り込みなどに集中することになる。しかし廃炉作業などで出番はあるだろう。もんじゅは文科省の管轄(原子力科学技術委員会)である。この他に内閣府に所属する原子力委員会があるが、ムラ関係者を集めたこの委員会は、去年5月以降、休眠状態に追い込まれている。

財界にも矛盾がある。一生懸命旗を振れば振るほど、国民の目には悪役に映らざるを得なくなるからである。そうでなくても消費税、TPP、非正規切りなど何をとっても財界にたどり着く。東レや武田薬品などはいつ不買運動を起こされてもおかしくない立場に身をおいている。

原子力村は決して諦めていないが、財界の発言力が弱まると、見通しが厳しくなってくる。「狼がやってくる」はもはや通用しない。目下は値上げ申請で攻勢をかけているが、これは自縄自縛のところがあって、発送電分離や買取強化などの動きを招きかねない。

米軍産複合体は国民の前に直接姿を現す訳にはいかない。だから財界や政党を使って闘いを督励することになる。しかし余りゴリ押しすれば、日米同盟そのものに亀裂が入る危険がある。

2013年

1.04 安倍首相、原発新設についても「腰を据えて検討していきたい」と表明。

1.30 安倍首相、民主党政権の「原発ゼロ」方針を「ゼロベースで見直す」と表明。

1.30 米国で天然ガス価格急落でコストが逆転したため原発の閉鎖が相次ぐ。

2.28 安倍首相が施政方針演説。日米首脳会談を受け「安全が確認された原発は再稼働する」と明言

3.22 福島第一原発で配電盤にネズミが入り、電源が落ちる。水温が6度上昇し緊急の外部注水を施行。

2.28 ブルガリア議会、原発新設の中止を決定

3.11 パリで「原発ノン」を叫ぶ人間の鎖に2万人が参加する。

4.03 ドイツで脱原発が進んだにもかかわらず、電力輸出が前年の4倍に。

4.02 各電力会社が、あいついで米国産LNGの非リンク購入契約を締結。

 

2012年

1月 森本氏(その後防衛大臣)、北海道で講演。「国の基本として、原子力を持つということは、たんにエネルギーの問題ではない。…非常に大事な抑止的機能を果たしている。…(原子力を)決して捨てるべきではない」と発言。

2.27 大阪・京都・神戸の三市長、連名で関西電力に意見書を提出。原子力発電に依存しない電力供給を求める。

3.12 保安院、ストレステストの妥当性を認定。安全評価を勝手に一次と二次に分け、その一次がクリアしたという話。

3.23 原子力安全委員会は、一次評価だけでは不十分と判断。福島事故をふまえた新たな安全基準による審査が必要とする。

3.23 京都府防災会議、SPEEDI による放射性ヨウ素の拡散予想を発表。大飯西方の高浜原発が3月にやられた際は死の灰が京都市内に振り注ぐことが明らかになる。

https://livedoor.blogimg.jp/shosuzki/imgs/4/a/4a8be2f9.jpg

3.28 原子力安全保安院は30項目の安全対策を取りまとめる。安全委員会はこれを妥当と判断。

4.08 政府、関西電力管内の夏の電力不足が需要に対し17%不足と発表。各界から多くの疑問が出され、4月13日に修正案を提示。

4.09 原子力安全委員会の久住静代委員(問題発言を繰り返してきた)が、「保安院は、防災指針見直しについて、財政負担増大が懸念されるといって反対してきた」と批判。

4.13 橋下市長、大飯の再稼働反対と倒閣運動を宣言。

4.13 関係閣僚会合、大飯原発の安全性を最終確認し、「再稼働することが妥当」と判断。

4.14 枝野幸男経済産業相が福井県を訪問し、再稼働を要請。

4.17 滋賀・京都知事が大飯原発再稼働への国民的理解のための7項目提言。

4.27 首相官邸前で 1100人が大飯原発再稼働に反対する行動。

5.05 泊原発3号機が定期検査に入る。国内50基の全原発が停止する。

5.11 三井物産の槍田会長、日本中の原発をすべて再稼働させないといけない、と発言。

5.24 毎日新聞、原子力委員会が事業者を含めた会議を開き、再処理に有利に報告書原案を書き換えたと報道。原子力委員会は「事業者を含めた会議」を開いたことは認めるが、「報告書を書き換えた」というのは事実無根と反論。(委員全員が原子力村の住民であり、書き換えの必要などなかった)

5.31 橋下市長、再稼働を容認。

5.31 ヨルダン議会、原発事業一時停止を議決 安全性など懸念

6.10 野田首相が記者会見で原発再稼働を宣言。「福島を襲ったような地震・津波が怒っても、自己を防止できる対策と体制は整った」と豪語する。

6.18 野田政権は、法的根拠も議事録もない四大臣会合で大飯原発再稼働を図る。

6月 「さようなら原発1000万人署名」運動が754万人分の署名を集め政府に提出。

7.01 関西電力の大飯原発が再稼働。代わりに燃料費が高い火力発電所を8基止める。

7.05 国会事故調査委員会が報告書を発表。「根源的な原因は、規制当局と東電が、意図的な先送り、不作為、自分に都合の良い判断により安全対策を怠ったことにある」とする。さらに、原子力を扱うものに許されない無知と慢心であり、世界の潮流を無視し、国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先とする思い込み を糾弾。

7.17 「2030年の電源構成に占める原子力の割合」について国民から9万の意見が寄せられる。「原発ゼロ」が7割以上をしめる。15%を軸に検討していた政府は厳しい対応を迫られる。

7.23 政府の事故調査・検証委員会が最終報告書。「国と東電が安全神話にとらわれたことが「根源的問題」とする

7.24 野田首相、「脱原発依存」の立場は維持しながら、海外での原発売り込み推進という奇怪な態度を表明。

7.25 関西電力の八木社長、高浜原発の再稼働を求める。電力供給の安定性の回復など、一般的理由を強調。

7.27 米国での天然ガスの販売価格が100万BTU当たり3.07ドルまで低下。08年ピーク時の4分の1となる。

7.29 首都圏反原発連合が主催する「7.29脱原発国会大包囲」、主催者発表で約20万人が参加。

7.30 東京電力が、LNGを対米販売価格の8~9倍の高値で購入していることが共産党の質問で暴露される。

7.30 米GEのCEOが「原発の正当化は難しい」と発言。ガスと風力・ソーラーのコンビネーションに移行すると予測。

8.29 内閣府が、「南海トラフの連動型巨大地震」の被害想定を発表。神奈川から宮崎にかけて、20メートルから30メートルの津波が押し寄せ、静岡県だけで11万人の死者が予想される。

8月 西本願寺の大谷門主、「処理方法がない廃棄物を残していくのは、倫理的・宗教的に問題がある」と発言(非公式)。

9.13 政府の国家戦略会議、発電コストの試算上、原発とLNGに差がないことを明らかにする。これはシェールガスの本格開発以前のもの。

https://livedoor.blogimg.jp/shosuzki/imgs/2/a/2abe1ab0.jpg

9.10 野田内閣がエネルギー戦略策定。「2030年代に原発稼働ゼロ」とする。米側から懸念が強まる。米エネルギー省のポネマン副長官、前原政調会長に「このような措置を実際に取れば、意図せざる影響もありうる」と恫喝。

9.13 経団連の米倉会長が“緊急”記者会見。野田首相に電話で直接「原発ゼロは承服しかねる」と伝えたことを明らかにする。「日米同盟関係の維持も重要である」ことを強調。

9.19 保安院が廃止され、環境省の外局である原子力規制委員会へ移行。通産省は資源エネルギー庁内の日本原子力研究開発機構を中心に原発の海外売り込みに集中することとなる。


9.24 原子力規制委員会の田中俊一委員長、電力会社による安全評価(ストレステスト)について判断の根拠としない方針を明らかにした。既に30基の1次評価が提出されているが、手続きは白紙に戻ることになる。

9.25 枝野幸男経済産業相、未着工の原子力発電所の新設計画について、電力会社に計画の自主的な撤回を促す考えを明らかにする。また原発の再稼働については政府が関与しない考えを示した。敦賀市の河瀬市長は、「地域の実情を踏まえ、個別に判断していただきたい」とクレーム。

9.30 政府が「30年代原発ゼロ」を掲げた「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定を断念。米政府に対して「安全が確認された原子力発電所は引き続き重要な電源として再稼働させていく」方針を伝える。

9月 武田製薬の長谷川社長(同友会代表幹事)、「原発をゼロにするのであれば企業は事業会計の見直しをしなくてはならない。政府は無責任と言わざるを得ない」と意味不明の発言。

10.01 Jパワー(電源開発)の大間原発、建設作業を再開。

10.01 リトアニアで、原発の建設をめぐる国民投票が行われ反対票が6割を超えた。この原発は日立製作所が受注したもの。

10.02 北海道の主要経済3団体の首脳が、自民党本部で安倍晋三総裁らと会談し、泊原子力発電所の再稼働を求める緊急要望書を手渡す。

10.02 世界の風力発電10年で6倍超 中国が4割、日本出遅れ

10.04 経団連の米倉会長が、浜岡原発を視察。視察後の会見で、「どうしても原発をゼロにするわけにはいかない。再稼動に持って行けたら、世界的な模範になる事例だ」と述べた。

10.04 福島第一原発事故に伴い、各市町村にごみの焼却灰がたまり続け「このままでは数年で満杯になる」ことが明らかになる。

10.13 全国で反原発集会。サッポロ反原発集会は70年安保以来の1万数千人が結集。

10.24 NHK道内ニュース、「この冬、最悪で7.7%の電力不足に陥る可能性がある」と報道。その後毎日「でんき予報」なる情報を流し始める。読売新聞は「北海道の停電は命にかかわる」と脅迫。泊原発を再稼働すれば電力不足を解消できると主張。

12.07 三菱重工と日立製作所が火力発電事業を統合することで合意(すでに水力発電事業は統合済み)。原発維持で統一戦線をはる一方、ポスト原発も視野に入れる。

12.08 衆院選前の世論調査(日経新聞)、「脱原発を目指すが、当面は必要」が61%、「今後も必要」が13%だった。日経は「原発の現実的必要性を認める声が4分の3を占めた」と評価。

12.19 13年から、原油価格とリンクしたLNG長期契約が更新を迎える。

12.25 安倍政権、「原発再稼働は原子力規制委員会の判断による」ことを確認。

12.29 安倍首相、民主党政権の「原発ゼロ」方針の見直しを示唆。

2011年

3月11日 福島第一原発、東北地方太平洋沖地震とその後の大津波で、外部からの電源と、何らかのトラブルにより稼動しなかったとされる非常用ディーゼル発電機を失い、「全交流電源喪失」状態に陥った。(その後の一連の経過については別途当たってください)

3.30 政府は全国の原発を対象に「緊急安全対策」を指示。津波による事故発生を防ぐ当面の手立てを整え、原発の安全性を確保する。

4.11 福島第一原発事故の評価をチェルノブイリ並みのレベル7に引き上げ

4.13 松本内閣官房参与「原発周辺には10~20年住めない」という首相発言を紹介。すぐに撤回。

5.06 菅直人首相が緊急記者会見。浜岡原発全原子炉の停止を中部電力に要求。

5.03 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の事故当時の予測値が公開される。公開された理由も、公開されなかった理由も不明。

5.09 中電、浜岡原発の停止要請を受諾。水野社長は「追加対策の実施後に速やかに再稼動する」と述べ、「原発は電力供給の基幹だ」と言い切る。

5.10 経団連の米倉会長、「政府は安全基準をもっと強化しておくべきだった。政府は何をしていたのか」と非難する。

5.12 福島第一原発1号機が、実はメルトダウンしていたと発表。

5.17 平田内閣官房参与、福島原発からの汚染水海洋放出について、「米国からの強い要請があった」と発言。

5.20 福島第一原発、1~4号機について廃止措置を進めること、及び建設計画を進めていた7、8号機について計画を中止。

5.27 菅直人首相がG8サミットで発言。自然エネルギーの増加と脱原発について言及する。

5.28 俳優の山本太郎さん、原発をめぐる発言のためにテレビドラマ出演ができなくなったことを明らかにする。

5月 スイス政府、福島第一原子力発電所における事故を受けて、2034年までに、「脱原発」を実現することを決定。

6.07 首相官邸で「新成長戦略実現会議」、「原発の早期稼働は国の責任」との声が相次ぐ。主な発言者は日商の岡村(東芝会長)、同友会の長谷川(武田薬品社長)

6.13 イタリア国民投票で脱原発へ。投票率は57%。原発再開反対が94%を占める。ベルルスコーニ首相が敗北宣言。

6.15 「さようなら原発1000万人アクション」が署名行動を開始する。

6.18 海江田経産相、「過酷事故対策は完了し、安全性が確認された。原発が稼働できなければ産業が停滞し国民生活への不安が生じる」と発言。

6.19 原発再稼働の動きが開始される。玄海原発がそのターゲットとなる。古川佐賀県知事や玄海町の岸本町長が暗躍する。

6.29 菅首相、経産相主導で進行する玄海原発の再稼働にストップを掛ける。

6.29 経団連会長の米倉会長、「企業の努力が否定されている。これでは海外移転がますます加速する」と脅迫発言。

6.30 独下院が脱原発法案を可決、2022年末までに全17基閉鎖

7.06 共産党が国会質問で九電やらせメール事件を暴露。

7.07 菅首相、定期点検中の原発について、ストレステスト抜きの再稼働はおこわないと答弁。

7.13 議会解散を狙う菅首相が、記者会見で「脱原発」を打ち出す。与野党から猛反発。自民党の谷垣総裁も「縮原発」を唱えたが腰砕けに終わる。

7.13 朝日新聞が一面に社説。「いまこそ 政策の大転換を」とし、原発ゼロ社会を提言。同社の世論調査(7.17)では、77%が原発を将来やめることに賛成。

7.16 大飯原発の冷却系統に事故が発生、緊急手動停止に至る。

9.11 小泉元首相が厚かましく「脱原発」講演。「政府は原発が最もコストが安いとして原発建設を進めてきたが、国民は原発 が安全だとは信用しなくなった」と述べる。

9.14 経済同友会の行った電力制限に関する経営者アンケートで、「生産量や売り上げへの影響はなし」とした回答が69.3%。

9.29 政府の原子力委員会が「国民の意見」の集計結果を発表。意見書約1万件のうち原子力発電を廃止すべきだという意見が98%を占める。

10.15 モンゴル政府、日本の核廃棄物の処分場建設計画を断念。

10.28 独シーメンス社が「原発ルネッサンス」計画を放棄。原子力発電からの完全撤退を決定。格付会社はこれをポジティブと評価。

10月 原子力安全委員会、廃炉を含め、福島原発事故によって発生した損害は5兆円に達すると発表(かなり内輪の数字だが)。

11.17 関西電力が大飯原発の ストレステストの結果を経産省に報告。原子力安全保安院は再稼働に向けて手順を積み重ねる。

11.21 地震予知連の島崎会長、「震災前に、福島での津波地震を予測していたが無視された。背景には、原子力業界の力が働いていた と感じている」と発言。

12.07 小林よしのりが、雑誌に「脱原発論」の連載を開始。 西尾幹二、竹田恒泰や勝谷誠彦らも「山河を守れ」「国土を汚すな」と呼号。

12.21 福島第一原発1〜4号機の廃炉に向けた工程表が発表される。

12.28 東レの榊原会長(エネルギー基本計画策定会議メンバー)、「原発の順次再開、原子力発電の推進、国家の研究・開発予算の思い切った傾斜配分」を主張。

これはかなりのビッグニュースと思うが。
4月2日にドイツ連邦統計庁が発表したものによれば、

12年のドイツの電力輸出は大幅に増加し、11年の4倍に達した。

というもの。

同庁によると12年の輸出は666億KWで、輸入の438KWを差し引いた超過分は228億KW。これは11年の60億KWの約4倍。

事故直後の頃は、みんなが知らないのを良いことに、
欧州が地域ごとに電力を融通しあっていることを隠して、輸入額だけを取り出して、ドイツは電力輸入国だとデマを飛ばしていた人たちもいた。

もちろん、ドイツはまだ原発を使っている。やめることは決めたが、まだやめたわけではない。

しかしこの2年間で8基の原発が止まった。残りの11基もあと10年で稼働を止めるよていだ。つまり原発を減らしても電力生産は減らないどころか増えていることになる。

片岡記者は
①原発を廃止し再生可能エネルギーに切り替える政策の実効性が証明された。
②「原発をやめると電力輸入国になり、他国に電力を依存することになる」という議論の根拠の無さが証明された。
と書いています。
賛成です。ただ②についてはLNGの安定供給に見通しがつかないと、断言には至りません。

ちょっと古いが

2012年7月27日付 英フィナンシャル・タイムズ

米国での天然ガスの販売価格は1年前より52%低下した。価格は現在、100万BTU当たり3.07ドルで、08年ピーク時の4分の1にも満たない。

シェルは今年第2四半期の利益が1年前の66億ドルから13%減少した。エネルギー価格の下落が大きな減益要因とされる。

エクソンモービルも、石油の販売価格と米国での天然ガス販売価格の下落が、9億ドル近い減益をもたらした。


こちらはあたらしいところで
2013/04/02 電気新聞

関西電力が、住友商事との間で、米国産LNG購入に関する基本合意書を締結した。

米国メリーランド州でのガス田から住商子会社が購入することになる。2017年後半以降生産開始見通しで、約20年間にわたって年間約80万トンを調達する計画。

注目はヘンリーハブ価格指標での購入という点で、これまでの原油価格リンケージからは解放されることになる。


2012年12月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙

この背景は、フィナンシャル・タイムズ紙に詳しい。(何故だ!)

1970~80年代から続く現行のLNG契約の多くが今後10年で切れ、供給の条件を再交渉する時期に入っている。

日本のLNG業界は、原油と連動する契約から脱して米国のガス価格と連動する価格協定にシフトを始めている。(ヘンリーハブBTU:英国熱量単位)

ロシアのガス大手ガスプロムは、販売価格を原油市場から切り離すことを余儀なくされた。

これらの動きはLNGの輸入価格を30%下げる可能性がある(たった30%?)。

すでに東京ガスや大阪ガス、中部電力などの日本のガス・電力会社や三井物産、三菱商事、住友商事が先行している。

米国はシェールガスブームで供給に余裕が生じている。現在、政府は限定的なLNG輸出を認めるべきかどうかを検討している。(と書いているが、アメリカにそのような余裕はないはずだ)

要するに、LNGは深刻な生産能力過剰に陥っているのだ。当初、アメリカ政府はFTAやTTPなどの貿易交渉の切り札に使おうとしていた。しかし今やそのような余裕はなくなっている。

膨大な先行投資をして能力過剰になっているから、これを販売しなければ倒産が相次ぐことになる。

ただ、LNGはあくまでつなぎであり、最終的にはあらゆるエネルギーを液体水素に転換して蓄える方式の確立がもとめられていくのではないだろうか。


ネットを見ていると、そんなに見通しは甘くないぞと力説している人がいた。たしかにそうだなと思って読んでいたら、結局原発再開論につながっていた。

しかし、その人さえ最終的には5,6ドルに落ち着くと見ている。これで現在の1/3だ。ランニングコストとしても原発と同等である。

問題はここ4,5年の過渡期をどう凌ぐかであるが、それには無理にインフレターゲット政策をとるより円高で推移してもらったほうがありがたい。

 

米シェールガス会社が倒産…生産過剰で値崩れ

時事通信の配信ですごいニュースだ。

シェールガスなどを生産する米エネルギー会社のGMXリソーシズは、1日、オクラホマ州の連邦破産裁判所に対して破産法の適用を申請した。

「シェール革命」による生産過剰で、米国では天然ガス価格が08年のピーク時から3分の1程度に値崩れしており、GMXの経営も行き詰まりました。

同社の昨年12月時点の負債総額は4億6千万ドル。同社は最大5千万ドルのつなぎ融資を受けて事業を継続し、並行して資産売却を進める。

話はもうそこまで来ているのだ。電力各社がいまだに20ドルも出してLNGを買う理由が分からない。

三菱商事が間に入ってネコババしているのか。電力各社が原価高として国民に転嫁しようとしているのか。

それとも貿易赤字をふくらませて、原発再開のネタにしようとしているのか。あるいはアメリカが原発再開のために、シェールガスを売らないよう圧力をかけているのか。

もう2年も過ぎているから、いろいろな憶測が出てくるだろう。

スターリンとヒットラーが流血の20世紀を作り上げた二大巨悪だということは、いまや我々の目にも明らかになってきた。
そして、ヒットラーを敵とし、その背後にいる世界独占資本と帝国主義を敵とする闘いのなかで、結果的に我々はもう一人の巨悪を支持するという過ちを犯してきた。そのことも明確になってきた。
この巨大な過ちにもかかわらず、我々は相対的に正しかったと言わざるをえないアイロニーに直面している。
歴史の中の立ち位置に基本的なブレはなかった。さまざまな困難があったとしても、人民の立場(Pro Popolo)に立って帝国主義に立ち向かう(Anti Imprialism)という道を選んだことに間違いはない。
しかし特殊状況のなかで、世紀の巨悪を自らの指導者に据えたという“あほらしさ”は、ほかの全場面での頑張りを持ってしても合理化はできない。「アホだけど頑張った」というのと、「頑張ったけどアホだった」ということの違いをあげつらうのは、それ自体がアホらしい行為である。

少し内向きの議論になるが、我々は誠実な批判者に対して誠実に対応してきたとはいえない。スターリン信仰の残滓を多少なりとも引きずりながら、我々は歩んできた。

それは原発信仰とも似ている。
原子力は未来のエネルギーだろうか? 違う!
原発にもいいところはあるだろうか? ない!
原子力の平和的利用は推進すべきだろうか? だめ!

これは東日本大震災から2年で、急速に作り上げられた固められた私たちの信念である。

アベノミクスがもてはやされ、普通の庶民まで何かしら期待感が広がっている。
それは、大企業が儲かれば、景気が良くなる。景気が良くなればおすそわけが回ってくる、という期待感だ。
これは、昔ながらのトリクルダウンの理論の焼き直しだ。
しかしそれが幻想にすぎないことは、この15年間で痛いほど経験してきたではないか。
トリクルダウンの蛇口は97年以来閉められたままだ。リーマンショック前のいわゆる“好況期”に於いてさえそうだった。
それでは大企業は蛇口を緩めるだろうか。大企業はもっと締めると宣言しているではないか。
正社員にボーナスを多少多く払ったといって、それで何になるだろうか。
労働規制をさらに緩和して解雇も自由にする、派遣ももっと拡大する、ということになれば、労働者の生活はさらに悪化する。
これが蛇口を締めるということだ。

インフレというのはそもそも、貧乏人いじめのもっとも有効は方法だ。物価が2%上昇するということは給料が2%減少するということだ。
そうなればどうなる。貧乏人はますますモノを買わなくなるし、内需は冷え込む。これがスタグフレーションというやつで、不況と物価高のダブルパンチだ。

民衆はその時になってやっと、円高とデフレは関係ないということに気づくがもう遅い。アベノミクスは参議院選挙まで持てばいいという打ち上げ花火だ。参議院で多数を確保すれば、反動立法を次々に成立させ、国内の不満を抑えこみ、ファシズムにまっしぐらだ。

3月14日の記事で、「放射性物質は不発弾のまま残っている。脆弱性はそのままに残されているから、わずかの自然災害でも大事故に結びつく恐れはある」と書いたが、それがほとんどお笑いのような形で実現した。
「泰山鳴動して鼠一匹」というが、鼠一匹が泰山を鳴動させたのである。

事故の概要は以下のとおり
①停電事故が起きたのは3,4号機共用のプール冷却システム回路。工事の都合で1号機の回路にも電源を供給していたため、1号機にも影響が広がった。
②とくに大量の核燃料が貯蔵された4号機(震災時定期点検にて停止中)では,水温が6度上昇し、緊急に外部注水を行った。
③1,3号機では高放射線量のため、くわしい実態は把握されていない。

今日の赤旗では、間宮記者が背景を解説している。
これによると問題点は以下のようなものである。

①配電盤は建屋付近に止めたトラックの荷台に載せられていた。これは事故後2ヶ月目に設置されて以来、そのまま使用されていた。
②配電盤にはケーブルを引き込むための隙間があった。ネズミや鳥などの侵入予防はこの種設備では常識。
③ほぼ同時期に免震重要棟で瞬間停電があり、現場点検に入ったとき冷却停止が発見された。点検がなければ、発見は遅れていた可能性がある。
④冷却再開には29時間を要した。これは代替電源が用意されていなかったためである。
(なお「雑草で排水パイプに穴」というのは、これはこれで重大な問題ではあるが、“周辺的”事実である)

千年に一度の大津波なら“想定外”と言い抜けることも出来るが、鼠一匹を“想定外”とするようでは終わっている。笑って済ませる話ではない。

明らかになったのは、笹子トンネル並みのずさんな安全管理体制である。笹子トンネルでも多くの人命が失われているが、事故が起きたときの影響は比較にならないほど深刻である。

原発のようなトップリスク設備での安全設計は、教科書的に考えればより強力なものでなくてはいけないはずだ。そもそも安全設計が存在していない可能性すら想起させる。最低でも第三者のスーパーヴァイジングが必要ではないだろうか。

それにしても、関東大震災の避難訓練などではなく、福島の大量放射能流出を想定した首都避難訓練が必要だ。松代大本営でも再建するか。





全量買取制度が発足して1年近く経った。資源エネルギー庁の発表によると、稼働済みの設備が120万KW、稼動予定が500万KWということだ。12月末での集計ということで、9ヶ月でここまで達したのがすごいとも言えるし、こんなものかとも言える。

しかし日本の総発電量は30億KWだ。再生可能エネルギー発電設備の9割強が住宅用ソーラーというから、「発電しました」というより「節電しました」という方が似合いそうだ

当分はLNGをどれだけ安く仕入れられるかが工夫のしどころだろうが、このままの輸入超過が続くと、いつまでも持つわけではない。

12日に京都で起きた風力発電の倒壊は、その画像とともにかなりの衝撃を与えた。
以前にも書いたが、日本における風力発電の実績はあまり芳しいものではない。
いくつもの風力発電が作られたが、それと同じくらいのテンポで、作られた風力発電が運転休止に追い込まれている。
結局、もうけたのはヨーロッパの製造メーカーと日本の建設会社だけということだ。

日本に風がないわけではない。問題は強すぎるか変動が大きすぎるということだ。だから作りはさらに頑丈にし、蓄電設備の併設が不可欠となる。さらに人口が密集する平地では低周波の問題が避けて通れないから、どうしても人里離れた山の上ということになる。送電設備も含めると、とてもコスト的には引き合わないと思う。

だいたい風車といえばドン・キホーテのスペインか、チューリップのオランダかという具合で、例えば日本と同じ島国のイギリスではあまり見かけない。
代替エネルギーの主流として風力にこだわるか、それとも他の資源に行くかは、もうそろそろ結論を出さないといけない。

ドイツでは風力発電で電力需要の大半をまかなえるという見通しがあるから原発廃止に踏み切った。
日本では、そういうそろばんの前に、とにかくだめだという倫理的なところから議論が出発している。代替エネルギーとしてこれで行くんだという見通しが持てていないことが原発廃止論の弱点となっている。

私としては、風力には見切りをつけるべきかと思う。こんな事故で再生エネルギー推進の流れに水をさされてはかなわない。
ただ、原発跡地に風力発電というのなら、政治的な意義もふくめて有りうると思うが。

では、国民の電力需要をまかなえる可能性のある自然エネルギーは何なのか、あれこれのアイデアではなく、もう少ししっかりした計算の上に立った説得力のある計画が必要だろう。

住宅用ソーラーは発電と言うよりは節電の一環と考えたほうが良い。設置したパネルが耐用年数に達したとき、どのくらいの人が交換するだろうか、いささか不安ではある。

私としては、パタゴニアの風力発電を液体水素に転換して輸入するという案が魅力的なのだが、LNGの価格がさらに下がった時にペイできるかどうか不透明である。

アルゼンチン政府の意向次第では、高値をふっかけられる可能性もある。

「福島第一原発 廃炉への険しい道」と題して、神田康子記者がレポートしている。

1.使用済み燃料の取り出しが最重要課題

主要な課題として、次の3つがある。
①使用済み燃料の取り出し
②「燃料デブリ」の取り出し
③汚染水の処理

この内、戦略的にもっとも重要なのは、核燃料の処理である。なぜならそれは、ほとんど不発弾を野積みにしているようなものだからである。

今の状態で同じような地震があれば、再び大事故を起こす危険があるからだ。それどころか落雷、突風、豪雨などあらゆる災害に対して脆弱な状況にある。

ほかの二つは、影響の深刻さは別にして、どちらかと言えば後片付け的作業になる。

神田記者はこの3つをベタで扱っているが、現場の重点は明らかに燃料棒の取り出しにある。


2.収束宣言が出せるような状況ではない

おそらく、使用済み燃料のプールがそれなりに安定して、何かの事故が起きない限り、臨界には入らないと確認された時点で、国は収束宣言を出したのであろう。

それはそれとして、間違いであったとはいえない。しかしそれは仮の安全である。

棚から半分ずれ出して、今にも落ちそう担っていた爆弾をとりあえず棚の上に置き直したという状況であり、それが信管付きの不発弾であるという状況に変わりはない。

ここに事態の本質がある。汚染水が最大の問題と書いたが、事態はもっと切迫している。ただ幸運(ツキ)が今までの安静を担保していただけなのだ。

昨年9月、3号機の使用済燃料プールでは、地上のクレーンに吊り下げられた重さ500キロの鉄骨がプールに落下しました。
プール内の使用済み燃料を傷つけるだけでなく、プール自体に穴が開いてしまう危険もありました。そうすれば使用済み燃料を冷やしている水が抜けてしまいます。



3.ロボットは役に立たなかった

この処理過程が難航している最大の技術的問題は、抑えのエースとして登場したロボットが、次々と炎上、何の役にも立たなかったということだ。

階段で転んだり、通信が切れて制御不能になったり、帰還できなくなるロボットが続出。中には炉内の細かな部分まで調査するための子機を置き去りにしてきたロボットもいます。


と、記事は伝えている。

その理由として、神田記者は①安全神話によりかかり、ロボットの開発が遅れていたこと、②築40年の建造物で、修復・改造を重ねているために設計図が役に立たないことを上げている。(②の話は身につまされる思いがする)

そこで現在は、炉全体をカバーするようなレールとクレーンでアプローチする戦術に切り替えているようだ。

というわけで、結局最後は人力。テレビに出てくるようなクレーン車運転の名人が出番となるのではないだろうか。


4.使用済み核燃料の処理は国家的プロジェクト

使用済み核燃料の処理といっても、燃料棒を今にも壊れそうな建屋の内部から取り出して、敷地内に設けた仮置き場に入れるだけの話で、本当の処理には程遠い。

とりあえず、ご遺体を収容して死体置き場に納めるだけの話で、通夜も葬式もそれからだ。だいいちまだ死んでいない。死んだふりしているだけだ。

東電が責任をもってやるにせよ、事の本質は日本の未来がかかる国家的プロジェクトだ。人も金も出し惜しんではならない。いわんや収束宣言であとは知らんぷりというのはありえないと思う。


志位さんに言われて納得した。
汚染水がもっとも重大な問題だということ。
たしかにそうだ。
以前、本願寺の貫主に言われた時にも納得したのだが、原発は事故を起こそうが起こすまいが、放射性廃棄物を必ず発生する。
これをそのままためておいて、それが際限なく続くということはありえない。いつかは終りが来る
我々は未来を先食いしていることになる。

その放射性廃棄物は、いったん事故を起こすと、凄まじい速度で増え続ける。それが未だに止まっていないというのは恐ろしいことなのだ。核の暴走が止まっていないということだ。
このことは以前、不破さんも指摘していた。

問題はまさにここにある。
長期に見ても短期に見ても、放射性廃棄物が人類を滅ぼす危険は、ますます明らかになっている。


東京都民に避難勧告を出すべきだったか、否か

究極的にはこの問題が問われていると思う。みんなこの問い掛けを恐れている。

アメリカ政府は東京からの避難を指令した。多くのアメリカ人が西へ向かった。彼らの情勢判断はシビアーだった。

かつて朝鮮戦争が始まった時、ソウルを防衛する韓国軍は雪崩を打って潰走した。李承晩大統領は市民を置き去りにして漢江の橋を落とした。アメリカ大使館は取り残された。
これに懲りたアメリカは、94年に南北朝鮮が開戦の危機に直面した時、いち早くソウルを離脱した。


幸いなことに、原子炉のメルトダウン直後の風向きは海側に向かっていた。その後風は東北方面に向かい、いくつかの街が廃墟と化した。

まったく状況は風まかせだった。

私が首相であっても、とても東京都民への避難勧告を出す自信はない。おそらくとんでもないパニックになるだろう。

そうでなくても、都内の主要駅には帰宅難民が溢れかえっていた。

結局避難区域は半径10キロそこそこにとどまった。明らかに避難すべきだった県都福島にも避難命令も勧告も出なかった。

おそらく、政府首脳はどこかの時点で東京は避難しないという決断を行ったのだろう。

それから情報統制が始まっている。マスコミ情報に関する限り、完全な報道管制だ。


アメリカからの情報提供はあっただろうから、知らなかったのではなく無視したのだろう。

「どうせ東京がダメなら、日本は全滅だ」という判断が働いたのだろうと思う。

現に東京でも放射能は観測されたし、静岡まで放射能が到達したことも確認されている。

通常考えれば、半径100キロは避難区域とするのが科学的常識だろう。放射能の人体影響に閾値はないのである。

ただ放射能(I131)は急速に減衰するので、あとはセシウムで判断すれば良くなる。だいたい10ないし15キロまで避難区域は縮小できる。

放射能が現に観測されているのに、「直ちに人体に影響はない」などというセリフでごまかそうとするのは、ほとんどデマに近い。放射線は直ちに人体に影響するのであって、ただそれが病気として直ちに出現しないだけの話である。

しゃべっている人も、おそらく嘘と知りつつ喋っていたのではないか。

ただし、今でも原発推進を説く人たちは、この問い掛けを完全にスルーしているとしか思えない。

自民党の石破幹事長が、震災2周年にあたり、「緊急時には国民の権利を制限する非常事態法が必要」と語ったそうだが、あのとき国民の権利、とりわけ知る権利は大幅に制限されていたのである。


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