鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

13年4月、ぷらら・Broachより移行しました。 中身が雑多なので、カテゴリー(サイドバー)から入ることをおすめします。 過去記事の一覧表はhttp://www10.plala.or.jp/shosuzki/blogtable001.htm ホームページは http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」です。

カテゴリ:03 日本経済 > A 日本経済/経済統計

第3四半期の経済統計が出揃った。
景気はまったく戻る動きを見せず、金融の緩和にもかかわらず株価だけが好調を維持する傾向がますます顕著になった。
daisansihanki
赤旗で各シンクタンクの評価を紹介しているので、転載しておく。
第一生命経済研究所
GDPが大幅に落ち込んだあとにしては戻りが弱く、物足りなさは否めない。個人消費や設備投資といった内需の持ち直しが緩慢なものにとどまっている。
消費税増税による負担増の悪影響が未だに消費を大きく下押ししていることがうかがえる。
みずほ総合研究所
(増税後の)個人消費の持ち直しが依然として緩慢なペースである。
とくに耐久消費財で反動減の影響が長引いている。
(実質所得の低下は)所定内給与が伸び悩んでいることに加え、年末賞与の伸びが夏季賞与を下回ったためだ。
三菱UFJ R&C
実質雇用者報酬が伸び悩んでいることが、実質個人消費の伸びを抑制している。
企業が潤沢な手元キャッシュ・フローをどの程度、国内の設備投資に振り向けるかがポイントになるだろう。


これらのシンクタンクの評価を見ていると、まさに「四半期資本主義」の発想そのままである。
上の図を見てみれば、第1四半期の駆け込み、第2の暴落、第3~第4の鈍い回復と見て、トータルで消費税がどんな影響を与えたかに思いを致さなければならないはずだ。そして消費税増税など決してやってはならないと決意を新たにすべきなのだ。
ところで、私が考えるには、「キャッシュフローを設備投資に回せ」と主張する三菱UFJ R&C は間違っていると思う。第4四半期ではGDPの伸びが個人消費を上回っている。ということは、企業の個人消費回復に関する見込みが楽観的に過ぎたということだ。それは同時に、これから二番底が来る危険を示唆している。私が経営者なら、この時期、絶対に新規投資はしない。現有勢力で利益の極大化を計る。
要するに個別企業に取って選択はないのだ。これは蟻地獄だろう。資本主義の限界だ。ここから脱出するには政治の力が必要だ。大企業の懐から強引にカネを抜き取って、社会保障と最賃引き上げに回すしかない。労働法規の厳格な適用も必要だ。さらなる改悪などもっての外だ。
ただ、それだけでは行かないことも事実だ。一国で強引に改革を進めれば、産業空洞化、雇用危機、ソブリン危機を招きかねない。まずは多国籍企業の国境なき資金移動と租税回避を国際協調で防がなくてはならない。
両方必要なのだ。しかも遠くない将来にそれを実現しなくてはならない。そうしないと、思わぬ形での第3次世界大戦が来る。


グラフがとんでいました。全部埋めたつもりでしたが、まだ残っていました。本日埋めました。
“数字で嘘をつく”マジックの典型であり、分母を適当に選択することでいかようにでも数字は作れることが分かります。
とにかくできるだけマクロに、一次資料(絶対値)を基本に見ていくことがだいじだ、ということが分かります。

という記事を以前書いた。

これは財政欠陥の内容とその原因を明らかにしたものだったが、

今回は赤旗が法人税にかかわる税収マクロの表を5つまとめて出している。

こちらの方は以前から明らかになっていたものの焼き直しだが、5つまとめるとやはりわかりやすく説得的である。

以下転載する

houjinzei


8月の鉱工業生産指数の確報値が出た。
速報値より0.3%の下方修正だ。
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グラフを見て一番怖いのは、鉱工業生産の低下がどこまで行くのか先が見えない事だ。7月に持ち直したから6月が底だったのかと思ったが、それは奇数月と偶数月の関係でしかなかった。
しかも生産の低下にもかかわらず在庫は112,これはリーマンショック以来の高水準だ。
もうひとつ怖いのは、外的要因がほとんど見当たらないことだ。外的要因の多くは一過性のものであり、いずれ終りが来る。
奈落の底があんぐりと口を開けて待ち構えている、という恐怖心に襲われないエコノミストはいないだろう。
それにもかかわらず財務省と経団連は、消費税の2%引き上げというアクセルを踏み込もうとしている。この狂気にはそれ以上の怖さを感じる。

9月30日、8月の経済統計が各官庁から一斉発表された。
予想通りというか、悪い。
金融エコノミストが当てにしていた消費税の反動減からの回復は見られない。
まず経産省の鉱工業生産指数
前月よりさらに1.5%の低下だ。出荷が1.9%低下し、在庫が1.0%増加した。
これは駆け込み需要の反動の範囲を通り越している。とくに在庫の増加は、駆け込みで減った在庫率の復旧・積み増しの域を超えている。リーマン・ショック後の在庫率に迫っている。要するに売れないために在庫が増えている状況だ。
次に厚労省の毎月勤労統計
実質賃金指数は前年同月比で2.6%も低下した。名目賃金は下がっていないので、もろに円安・物価上昇の煽りを食らっていることになる。
しかしこれから本格的な物価値上げが始まるので、実質賃金の値下げには一層の拍車がかかることになりそうだ。
総務省の家計調査
こちらでは厚労省よりさらに深刻な数字が出ている。1世帯あたりの実収入は、実質で前年同月比5.4%の減少となっている。
1世帯あたりの消費支出は前年同月比で4.7%の減少。ということは収入の減少に見合って支出が減っていないということだ。これは1.これからさらに支出が減る可能性がある。2.支出の節約が限界に達している、という意味を持つ。いずれにしても深刻だ。
最後が総務省の労働力調査だ
失業率が0.3%減少したと宣伝しているが、増えた雇用は非正規で、正規の職員・従業員は減っている。しかも8月の求人倍率は、東日本震災直後以来の落ち込みを示している。

消費税引き上げ派が主張した論拠は、すべてこれらの統計によって打ち砕かれた。あとは「撃ちてし止まん」の玉砕論のみだ。

「もう10%を織り込んでしまったから、やらないと破産する」というのは、「商品相場」のセールスの手口と同じだ。もう、損を覚悟で手を引いたほうがいい。

昨日の消費支出激減の背景だが、実質賃金が低下し続けていることが大きい。
世の中景気が良くなって賃金が上がっているような宣伝が振りまかれているが、現実はそれとは逆の徴候を示している。
団塊世代の定年退職の影響が大きいのかと思ったが、昨年の4,5月はわずかながら上昇している。
いずれにせよ高齢化社会は貧困化社会、重税社会、低保障社会と裏表になって進行していることが分かる。
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なお、注目すべきは4月5月の下げ幅が一挙に増大していることであるが、この原因については、記事では触れられていない。


いよいよ本格的に消費税の引き上げ効果が現れてきたようだ。
5月消費動向
総務省の家計調査から、前年同月比の推移を見たグラフで、前年パターンが分からないとイマイチピンと来ないが、もしフラットだと仮定すれば、3月の駆け込み支出分は5月1ヶ月で食ってしまったことになる。
企業がどのくらい在庫調整できたかにもよるが、6月以降は深刻な過剰在庫を抱え、生産がストップする事態が予想される。
たとえば自動車生産は5月には前年比+6.1%を記録している。これは受注残効果によるものだ。にもかかわらず全体として-8%なのだ。
住宅着工はすでに5月-15%を記録している。自動車生産がマイナスに転じれば、トータルで-10%を割り込むのは必至と見てよい。
もちろん、いずれ増勢に転じることは明らかであるが、問題はそれまで中小・地場産業が持つかどうかだ。1997年と比べ明らかにこれらの企業の地力は低下している。とくに人件費コストの削減をギリギリまでやって来たため、転嫁先がないことが決定的だ。
いまでさえ、建設特需と公共投資でやっと維持している状況だ。1ヶ所大手が潰れると、たちまち連鎖の波が全土を襲いかねない。

土曜日の赤旗経済面。結構読みでがある。

1.まず日銀の昨年度企業物価指数。
全体として1.9%の上昇だが、濃淡がある。
石油・炭化製品が9.3%も上がっている。これに応じて電力・ガス・水道などが10.2%上がった。つまり川上が上がっているわけで、これは放っておいてもいずれ産業全体に波及するだろう。
それにもかかわらず情報通信機器は4.8%も下がっている。これはコスト削減のレベルを超しており、価格崩壊に近い状況だろう。業績向上を背景にした値下げではない。現に消費税後の1周間で家電販売は2割も減少している。
価格崩壊はいずれ産業崩壊につながる。消費税増税を機に、日本の高度成長を支えた柱の一つが消滅する日がやってきたのかもしれない。

2.日銀の昨年度通貨供給量が3.1%増加
通貨供給量はマネーストック。紛らわしいのだが、むかしのマネーサプライに通貨性の高い証券を加えたM3残高というものだ。
これが3.1%増えているのだが、おそらく消費税前の駆け込み消費によるものだろう。(日銀自身がそう言っている)
ということは、その反動がこれからどう出てくるかということだ。

3.株の急落
11日の終値が1万4千円を割ったという。こちらは博打みたいのものだから分からないが、1万4千円を割るというのは、一つの危険ラインではある。
円は国際情勢に応じて他動的に動くことがはっきりしており、中国の先行き次第ではふたたび円高に振れるリスクを内包している。
これまでのアベノミクス景気の大半は円安、株高によるものだっただけに、円高・株安が再現すると、今度は逆に命取りとなる危険がある。

雇用状況を調べるためにグーグルしていたら、面白い記事にぶつかった。

BLOGOS というサイトで 竹中正治 さんの記事(2014年02月06日

竹中さんは 1979 年東京大学経済学部卒、同年東京銀行入行。現在は龍谷大学経済学部教授(米国経済論、国際金融論)という華々しい経歴の持ち主だ。

「非正規雇用は増えたけど、正規雇用は減っていない」

というもの。

論点は

1.日本の正規雇用者数(正規職員・従業員)は数でも比率でも1990年以降安定していて、決して減少していない

2.非正規雇用者増加の源泉は、自営業者と家族従業員の減少分である。

3.雇用者数における非正規比率の上昇は90年代から2000年代初頭の時期に主に起こっており、2000年代後半からは横ばいになっている。

以下に根拠となるデータを示す。

1392897785

「厚生労働省データで私が作成したものです(単位:万人)」と記されている。

ご苦労様でした。良いデータが出来ました。

竹中さんはこのグラフから上の3つの結論を導き出している。

一つはあたっている。この傾向が長期的で構造的なものだということだ。資本主義の高度化が進むなかで、個人営業や家内労働が減っているということだ。しかもそれが正規労働者化に結びつかず、非正規労働者となって社会の底辺に沈殿していかざるをえないというトレンドだ。

これはできればカラムの順序を変えて、黄色の上に赤色が来るようにすればよかったかもしれない。

当たっていない点は二つある。

一つは、非正規の増加と正規労働者の減少が98年を期に一気に進行したことだ。そして00年代の前半は比較的に安定して推移したことだ。

これは経済の動向を反映している。97年不況と大規模なリストラ、日米構造協議を受けた労働力流動化政策などで説明できる。

2002年以降は長期の好況局面が続いた。むしろこの間に正規比率の改善が進まなかったことが問題であろう。

もう一つは、リーマン・ショック後の201年以降にふたたび正規労働者の減少が加速していることだ。

この内容については、団塊世代の定年退職と再雇用という事情があり、少し詳しい分析が必要であろう。

この二つの特徴を読み取らないと、せっかくグラフを作った努力が無駄になる。

そしてもうひとつ追加しておきたいのが、他ならぬ2013年における空前の労働市場の変化だ。私の目下の問題意識だ。

この文章をアップロードした直後に厚労省統計が発表されているから、竹中さんも内心「しまった!」と思っているかもしれない。

同じ経済面でもむしろ気になるのがこちらの記事だ。

2013年平均の労働力調査詳細集計という難しい名前の調査で、総務省の発表したもの。

これによると、

① 正規の職員・従業員数は3294万人。これは前年比46万人減で、減り幅は過去最大。
② 非正規は1906万人。これは前年比93万人増で、これも過去最大。

ということで、これまでの傾向を踏襲しているにしても、明らかに質的変化を予感させる変化だ。

2013年に労働市場でなにが起きたのか、なにがそれをもたらしたのか、について早急な分析が必要だろう。

46万人の正規労働者がどこで減ったのか、93万人の非正規がどこで増えたのか。
男女別、年齢別、学歴別、業種別、地方別ではどうなのか、そこに新たな質の違いはあるのか、調べて報道してほしい。


 雇用 どの数字を見ればよいのか

去年12月の労働力調査が発表され、各紙は完全失業率が低下し、求人倍率が上昇したと報じている。

いよいよアベノミクスの効果が現れたとでも言いたいようだ。

たしかに身の回りを見ても、建築・建設関係は景気がいいようだ。人手が足りなくて工事が発注できないという話も聞く。

しかしこれは、東北の復興景気のおこぼれで、北海道の景気が上向いたからではない。おまけに消費税間近の駆け込みも乗っかっているから、4月以降の見通しはとても読めるものではない。

人手が足りないのも、長期の不況で建設関連企業がバタバタ倒産したためもある。

ということで、雇用の状況を見るのに失業率や有効求人倍率が有効かという塗装ばかりとも言えないのがご時世である。

何度もグラフを出すのも鬱陶しいので、計算だけしてみる。

1.完全失業率

これは3.7%で前月比0.3%の低下である。これはリーマン・ショック後最低の数字だ。

実数で言うと20万人減の241万人となる。この20万人減が問題だ。同じ統計で、非労働力人口が22万人増加しているのである。

この非労働力人口というのは仕事もせず求職活動もしていない人間のことである。つまりハローワークに登録していない「もぐりの失業者」のことだ。

差し引き2万人、「失業者」は増加していることになる。実際に就業者数は4万人減の6346万人となっている。実数とのズレは、在職死などがカウントされるためだろう。

だから、雇用の実態を見るには就業率で見ていかなければならないのである。そして失業率は下がってはいないのである。

2.有効求人倍率

12月の有効求人倍率は1.03倍となった。実に久しぶりに1以上の数字を記録したことになる。

ただしこれも統計上のマジックで、(求人件数)/(求職者)であり、この分母が問題になる。

求職者というのは完全失業者に新規求職者を加えたものであり、学校卒業予定のものも含まれる。これも7万人減少している。

完全失業者、新規就職希望者と減ったものだけを分母に加え、増えている「もぐり失業者」を排除すれば、この求人倍率も上昇することになる。

これも倍率で見るよりは求人実数で見たほうが状況を正確に反映するだろう。

倍率の地域差も相変わらずで、東京で1.48倍、東北各県で1.3倍であるのに対し、北海道、九州、沖縄では大幅に割り込んだままである。

3.雇用の質

非正規雇用者数は1967万人、雇用者全体の37.5%という数は過去最高だ。

そもそも求人が非正規中心となっているから、今後も非正規が増えていくことは間違いないだろう。

正規雇用だけに絞った有効求人倍率は0.66倍にとどまっている。

つまり求人と求職が1対1でマッチしたとしても、非正規雇用者は4割になる。そして正規雇用に紛れ込んだブラック企業が3年で労働者を食いつぶしていけば、非正規率はさらに上がることになる。

類似の統計は前にもあったが、今度はかなりきれいなグラフだ。
1381142534

1997年から2007年までの変化についてはこれまでも見てきた。
「実感なき好景気」の時代、二極分化が進行したことをあらためて確認しておこう。

ただしそのスピードは比較的緩慢で、年収400万を境としてそれ以下の層が増加し、それ以上の階層が減少した。
ただ200万以下の貧民と、2000万以上の富裕層はともに激増し、社会の分裂の兆しが現れていた。

それがリーマン・ショック後の5年間で、一気に分裂に拍車がかかった。激減したのが800万から2千万円の「小金持ち」で、400万から800万の「普通のひと」は減少傾向は続いているものの、特に激減したわけではない。
つまり「小金持ち」が転落し「普通のひと」になった分が足し前され、相殺されていることになる。その分余計に、「普通のひと」が下層階級に、下層階級が貧民に転落していることになる。

これには団塊の世代が一斉に定年退職し、「第二の人生」に入ったことも反映しているかもしれない。

貧困化の問題は、所得だけではなく保有資産からも見ていかなければならないので、これだけでは語れないが、長期的には規定要因となることは確かである。

なお、富裕層も激減しているが、これは金融バブルがはじけてすってんてんになったひとがかなりいるということでだ。その後も減少しているというのは、富裕層が節税対策で、年収を株式配当や債券に切り替えているためであろう。
この表には、今年初めの円安バブルで大儲けした人々は反映されていないようだ。

これは初めて見るグラフ。相当苦労して作ったものと思う。海外店の貸出残高だけでは、タックスヘイブンへの資金移動の実体はつかめないので、これに特別国際金融勘定を載せた。これを各銀行の決算資料から合算している。
まあこれは氷山の一角であり、絶対額にはあまり意味が無い。ということで伸び率をグラフ化したわけだ。ご苦労さんでした。

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おそらく円換算の残高であると思われ、為替の動向をもろにかぶっているが、海外貸出残高はおそらく2倍程度には伸びてきていると思われる。
比較的慎重な態度をとっている印象ではあるが、国内貸出との比較で見るとやはり海外志向が強いことがうかがわれる。
それにしてもこの1年の伸びはものすごい。円安で凄まじい利益を上げたことが容易に予想される。

製造業の従業員というのは、昔でいう工員さんである。それに対して商業の従業員は店員さんだ。あるいは職人さんだ。店員さんも職人さんも、いつまでも店員さんではない。いつかは店を持って店主となるのがコースだった。

http://livedoor.blogimg.jp/shosuzki/imgs/7/a/7af7b368.jpg
それはどうでもいいのだが、この図で分かるのは日本から工員さんが消えていくということだ。
この20年で、ちょうど500万人が消えた。実に1/3だ。計算で行けば40年後には1人もいなくなる。それが店員さんや派遣や臨時やアルバイトや失業者になったわけだ。
500万人の働き口が消えたのは大企業が海外に行ってしまったり、中小企業が潰れてしまったからだ。

そのうちどれが主な原因か?
それを下の折れ線グラフが示している。これは海外現地法人の従業員で、同じ期間に300万人増えている。
つまり減った理由の3/5は大企業のせいだということだ。海外の子会社でなく、どこかに下請けに出している数が同じくらいいるだろうから、もっと比率は高くなる。

「不景気で会社が人を雇えなくなった」というのは、口実であることが分かる。

うちにお金を入れなくなったのは、よそに愛人ができたからで、大企業の実入りが減ったからではない。


「データで見る日本経済」という特集で5つの図表を作成・掲載している。
図4を除けば既出だが、これだけ並べられるとさすがに「放棄」ぶりが明らかだ。
そのうちの3つを転載する。
http://livedoor.blogimg.jp/shosuzki/imgs/8/8/883cdae7.jpg
97年が日本の転換点だというのは何回も強調してきたが、もうひとつの転換点が明らかになってきた。それが08年である。
国内生産はバブルの時期からすでに頭打ちとなっており、97年においても目立った変化はない。
これに対し海外生産は97年を期に急速に増加している。そして05年にはすでに国内生産を肩を並べるに至っている。
両者ともにリーマン・ショックで大幅減となるが、その後海外生産は直ちに回復し、さらに急激な増大を遂げているのに対し、国内生産はエコカー減税などにもかかわらず減少したままである。
おそらく13年には国内生産は海外生産の半分にまで落ち込むであろう。



7月4日に、国民生活基礎調査が発表された。
貧困層が増大している。そのスピードは著しく早い。
赤旗では所得中央値に焦点を合わせた報道をしている。
たとえば人口が1億人として、上からでも下からでも5千万人目の人の所得だ。
貧富の差が増すと平均所得との差が拡大する。
これまでも国民総所得や平均所得とジニ係数の二つを並べることでおおかたの傾向は分かる。しかしジニ係数は間接指標であり実感として掴みづらいうえに、いくつかの因子により修飾を受ける。
その点で行くと中央値はまじりっけのない実数であり、実感としても分かりやすい。

それで2011年度(最新)の平均所得は548万円。これに対し中央値は432万円となっている。116万円の開きがある。20年前の中央値はちょうど今の平均所得である549万円だった。

平均所得が20年前にどのくらいだったかは記事にはない。

赤旗はその要因を分析し、貧困層の激増が主たる要因だとしている。
ここで貧困層というのは年間所得200万円以下の世帯である。これが14%から20%に増えた。



本日の赤旗一面トップ。
赤旗の独自データなので、調査方法を示しておく。
2012年度の3月期決算が出揃った所で、
①連結決算データから、内部留保額を計算した。
(内部留保=利益剰余金+資本剰余金+負債性引当金)
②11年度の内部留保額を差し引き、増加分を算出した。
③対象は11年度末内部留保額上位1200社
ということで、内部留保の該当費目をふくめ、主観の入る余地はない。
http://livedoor.blogimg.jp/shosuzki/imgs/3/2/32593be6.jpg

内部留保の総額については触れられていないが、1200社の総増加額は10兆円を超える。
もちろん1200社のすべてが順調というわけではなく、190社は内部留保を減らしている。
ベストテンの顔ぶれを見ると、トヨタは別格として銀行の躍進ぶりが目立つ。これは国債を日銀に売った分が、日銀への当座預金として積み上がっていることの反映であろう。
これは「儲けているのに国民に還元しない」という批判の論拠にはならないかもしれない。
もう一つは、円安にあわせて企業が手持ちのドルを売って、利益を確定した可能性もある。
今年の内部留保積み増しについては、アベノミックスという竜巻の中での評価だけになかなか難しいところもあるが、企業がひたすら利益を抱え込んで離さない状況には変わりはない。
このままではミニバブルがはじけた時に、さらに悲惨な状況が現出することになるだろう。

海外進出とか直接投資とか言うけど、あまり知らないで使っていた。
海外直接投資を厳密に言うと下記の通りとなる。

①海外の投資先企業の経営を支配するか、または企業経営へ参加する目的を持った投資。

②投資先企業の経営権を握るためには、企業の株式所有比率が一定以上でなければならない。通常、株式所有比率が10%以上となる場合に直接投資と呼ばれる。それ以外の投資(たとえば金利目的)は間接投資とされる。

③投資先や投資内容の如何は問わない。国境を超えて日本から相手国に資金が移動することが肝腎で、国際収支統計に反映される。海外で資金調達を行った場合は直接投資とはならない。

ということだ。

すると、新たに海外子会社や工場を立ち上げたときは確かに資金が移動するが、それが一定の軌道に乗ってきて、剰余金を生み出すようになれば、拡大再生産のための資金は投資先企業で自己調達できるようになるから、直接投資額は、相対的には減少してくることになるのだろうか。

もうひとつ、大企業が節税等の目的もあり海外での利益をタックスヘイブンなどに預金した場合、そこから資金を拠出するのは直接投資とはならないのか。

だとすると国際収支統計で捕捉される海外投資というのは、ますます氷山の一角に過ぎなくなる。

「こちら経済部」のコラムで、大企業の海外株主の保有割合を出している。
日立製作所 38%
ソニー 37%
武田薬品 25%
三井不動産 48%
日産自動車 68%

無国籍化は安い労働力確保に始まり、コストダウン、マーケット拡大と進み、最後に自己資本の無国籍化により完成しようとしている。

武田薬品が、なぜ開放路線に狂奔するかも見えてきた。長谷川社長は海外株主が送り込んだエージェントなのだ。

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