鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

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カテゴリ: 16 国際政治/ラテンアメリカ

以下の文章は「USAトゥデイ」の論説(Feb. 18, 2019)です。筆者はベネズエラ人のようです。

題名は
ベネズエラは私の家でした、そして社会主義はそれを破壊しました。 それはアメリカもゆっくりと破壊するでしょう


副題もけっこう長い
万人のためのメディケア」も富裕税もアメリカを一晩でベネズエラに変えることはありませんが、こういう一連の壊滅的な政策がベネズエラ化をもたらすでしょう

以下は要約なので、ご不明な箇所は本文を読んでください。

1.ベネズエラの戦いを妨害する米国リベラリスト

私たちベネズエラ人の多くは社会主義の破壊的な結果から逃れるためにアメリカへ逃げてきました。

しかし、アメリカの自由主義者はベネズエラが失敗した社会政策をまたも受け入れようとしています。
それはベネズエラで飢饉、大量流出および高騰のインフレを引き起こしました。

バーニー・サンダース上院議員やホセ・セラノ上院議員のようなリベラルな政治家は、マドゥーロと同じ種類の政策を称賛しています。
さらに悪いことに、最近の数週間で、Ilhan Omar、Ro KhannaおよびTulsi Gabbardの民主党代表は、ベネズエラ人のマドゥーロに対する抗議行動を歪めて伝えています。
加えて、多くの議会民主党員がメディケア・フォー・オールとグリーンニューディールの提案を支持しています。

そして、マドゥーロの独裁政権を終わらせるためにドナルド・トランプ大統領が広く支持している動きを非難しています。

2.医療・社会保障がベネズエラをだめにした

医療・社会保障政策は、キューバとベネズエラなどいくつかの国が行った重点政策です。
それは、健康保険業界を国有化し、それを仕事にしたいと思うすべての人を保証し、そして大幅に増税し、経済への政府の介入を増やしました。

米国の提案者たちは、彼らがすべてのアメリカ人に質の高い医療、住居、その他すべてを無料で提供できると考えています
そしてどういうわけか、政治家は事業主自身よりもうまく事業を運営できると考えています。

これらの提案は、米国の財政赤字と国家債務を急増させるでしょう。すでに債務は記録的な22兆ドルに達しています。

アレクサンドリア・オカシオ - コルテス議員は、「それでも十分でない場合は、連邦準備理事会に金を印刷させ」て、支払うようもとめました。
まさにこのような医療・社会保障こそがベネズエラの悪夢を引き起こしたものです。

3.医療・社会保障は国家を滅ぼす

リベラル経済学者のPaul Krugmanは最近コラムで論じました。
誰かが進歩的な政策思想に反対するとき、その理由としてベネズエラを引き合いに出します。その人は知らないか、嘘をついているか、またはその両方です。
私は知らないわけでも不正直でもないことをKrugman氏に保証することができます。

もちろん国民皆保険も富裕税だけでも、米国を一晩でベネズエラに変えることはできません。
しかし、これらの対策の全部または大部分が実施されれば、それらはベネズエラにもたらしたのと同じ壊滅的な結果をアメリカの人々にもたらす可能性があります。

トランプ大統領は、最近の州の演説で次のように述べています。
  アメリカは社会主義国になることは決してありません
私は大統領が正しいことを心から願っています、

すべてのアメリカ人は、かならず誤った約束の誘惑に抵抗することができるでしょう。
だからこの偉大な国は社会主義の暗い雲の上に常に輝き、そしてベネズエラの運命を避けることができるのです。


この文章からはいくつかのことが読み取れる。
1.ベネズエラ野党の反対理由は、反民主主義や独裁よりも医療・社会保障政策への反対にある。
2.米国の民主党やリベラル派も、医療・社会保障政策を強調するが、これは「社会主義」であり許されない。
3.民主党やリベラル派を支持すると、米国もベネズエラのようになる。
ということで、日本で報道されている論点とはだいぶ違うことが分かる。そもそも、より人道的なのがマドゥーロ政権なので、彼らはそのゆえに非難されているという側面がある。
私達もロイター、BBC、アムネスティなどのヒステリックな人道攻撃に惑わされないようにしなければならない。


How Amnesty International is Reinforcing Trump’s Regime-Change Propaganda Against Venezuela


Joe Emersberger著


イントロ

アムネスティ・インターナショナルは、読者に情報の誠実さと公平性を信頼するようもとめています。
しかし、率直に言ってそれらは信頼できません。

アムネスティはマドゥロ大統領の支持者たちを悪魔のように扱ってきました。そしてその一方で、反政府側の人々による明白な人権侵害を徹底的に無視してきたからです。

グアイドが暫定大統領に就任した直後、アムネスティは「人権」を最大の根拠として、トランプによる軍事的脅迫を「人権」で偽装させたかのように読める報告を出しました。


チームトランプがベネズエラの「唯一の希望」?

この点に関して、アムネスティのエリカ・ゲバラ米州局長はこう語っています。

国際正義はベネズエラの人権侵害を防ぐ唯一の希望です。 さらなる残虐行為を防ぐために、“利用可能なすべてのメカニズムをアクティブにする”時が来ました。

そして報告書でもこう述べています。

ベネズエラの人権状況を本当に心配している国は、“普遍的管轄権の適用”を探るべきである。

“普遍的管轄権の適用”とは、ユーゴ内戦のときのセルビアのように、国家主権を剥奪することです。アムネスティのベネズエラに対する主張は、思いとしては真剣かもしれませんが、誠実さ、公平さに欠けると言わざるを得ません。

ベネズエラへの米国の軍事攻撃の脅威は、「人道援助の提供」を偽装しています。その偽装役をみずから買っているのがアムネスティなのです。
実際には、ベネズエラは外国からの援助を積極的にもとめ、喜んで受けとっています。そのことを忘れてはならないでしょう。


食料・医薬品へのトランプの攻撃を無視するアムネスティ

2017年8月に金融制裁が始まったとき、アムネスティはそれを非難しませんでした。経済全体への影響が深刻ではなかったというのが理由です。

それから現在までに、ベネズエラは1200億ドルを輸入し、制裁措置により60億ドルを超える追加コストを払っています。

国際石油価格が大幅に値下がりし、その安値が続き、持続的な価格崩壊が始まりました。そのあと制裁措置が始まり、設備の修復管理が困難となり石油生産が急減しました。

それまでは、ベネズエラは年間約20億ドルの医薬品を輸入していたのです。

アムネスティはベネズエラの経済問題を、しばしば人権侵害とごたまぜにして指摘しています。このことを覚えておくことは重要です。

 昨年、私はトランプの制裁を非難するよう求める手紙をアムネスティに送りました。これに対しアムネスティは非難を拒否する旨の返答を送ってきました。

そのときアムネスティはこう言っています。
アムネスティは、これらの制裁措置について意見を表明するつもりはありません。
そうではなく、ベネズエラが直面している深刻な危機に対処する、緊急の手当の必要性を強調しているのです。
人権に関しては、これを解決するのがベネズエラ国の責任です。
米国がベネズエラに与えた破滅的な被害を、アムネスティが一貫して認めなかったのは驚くべきことです。

アムネスティはさらに、1月から始まった追加制裁について、その影響を注意深く「監視する」ようにトランプにもとめました。制裁の「効果」と書かなかっただけ偉いのかもしれませんが、中身はまさにそのとおりです。

信頼できる人権団体なら、トランプが課したすべての経済制裁の即時終了を要求するのが筋だろうに。

ベネズエラでの暴力犯罪

アムネスティはまた、最新の報告書で次のように述べています。
カラカスの貧しい地域は特に影響を受け、最も多くの犠牲者を登録した。
当局との衝突で殺害された犠牲者は、「犯罪者」として後に提示された。
ベネズエラの治安部隊が犯罪を犯したことは間違いありません。マドゥーロ政府もそれを認めています。そして2017年の暴力的なデモ事件に関係した警察官は逮捕されました。

2017年6月、ウラジミール・パドリノ国防相は、国営テレビで治安部隊に警告しました。そして「もう国家警備隊が残虐行為を実行するのを見たくはない」と述べました。

ベネズエラの治安部隊は非常に高い殺人率を保持しています。同時に警察官の高い死亡率に直面していることにも留意すべきです。この傾向はチャベス政権よりずっと前からの傾向です。

同時に、この国は何年もの間、米国に支持された暴力的な抗議者に悩まされてきました。その粗暴ぶりは際立っており、アフロ系ベネズエラ人を路上で生きたまま焼いたり、警察官を殺害したりします。

そして今日、米国は野党内で最も暴力的な勢力を権力につかせようとしています。このことが深刻な脅威をもたらしています。

暴力は連鎖します。治安部隊が「犯罪との闘い」として、または自己防衛として法外な処刑を黙認する可能性があります。

それはまた、アムネスティのような党派的グループがトランプの政権転覆計画を、実際上煽るような動きをもたらすかもしれません。


Maduroの支持者たちへの汚い戦争をけしかける宣伝

アムネスティはその報告書で次のように述べています:

カラカス市内のあちこちに、政府を支持する強力な武装グループ「コレクティボ」が存在します。住民が国の配給システムに依存しているところではより強力です。

繰り返しになりますが、「緊急事態計画」は制裁措置が発動されたためのものです。

野党系の世論調査でも、何百万人もの貧しい人々に必需品を配給しています。それは全世帯の最大60%に達します。

そもそも貧困地域で、自分たちを自己防衛のために組織化することは、貧しい人々の歴史となっています。それは別に新しいことでも何でもありません。

そして彼らは貧民街や貧しい農村にいてマドゥーロを支持しています。

だから、武装しているかどうかにかかわらず、米国とつながる勢力が権力を握ると、激しく標的にされるでしょう。特にクーデターや米軍の侵略を通して政権が変わるのならなおさらのことです。

アムネスティは、貧困者を「非難する」ことについてはほとんど懸念を持っていません。
トランプが彼らの「健康と食料への権利」を攻撃することについては、ほとんど気にしてないように見えます。

上記のすべての理由からして、ベネズエラに関するアムネスティの誠実性と客観性には強い疑問を投げかけるほかありません。

平和と正義のために、私たちはアムネスティへの視点をもっと厳しい水準に保つべきです。


リード

クーデターは偶然ではありません。 それはただ空から降ってくるのではありません。
それは特殊な材料と条件でつくりあげるものなのです。それが成功するには準備・計画・宣伝、それに時間とお金が必要です。

国内外の民衆が納得するために、宣伝は重要です。

クーデターとは選挙で選ばれた政府を強制的に辞任させることです。
それを納得してもらえるためには、国家が特殊な状況にあり、クーデターが論理的・必然的な帰結であることを、民衆に確信させることが必要です。

資本主義の下のマスメディアは、国家支配の道具の一部です。そして国家の重要な宣伝要素としての役割を果たすため、「客観的」で「自立的」であるという「名声」をしっかり利用します。

イギリスでは、BBCは人々が帝国主義的なクーデターを受け入れるように仕向けるスキルを完成させました。それが彼らがベネズエラについてしたことです。

BBCは1月16日、「廃墟の中の革命ーウーゴ・チャベス物語」という番組を放送しました。

これはマドゥーロをチャベス神話の後継者とし、彼に対するあらゆる行動を視聴者が受け入れるよう準備されたものでした。
そして一週間以内に、クーデター計画が発動したのです!

正しい一面

BBCはまたベネズエラの直面する問題を、チャベスとマドゥーロによる独裁の結果として描き出そうとしました。

ベネズエラ革命の経済、社会、政治的背景を説明しようとする視点は、まったく見当たりません。
そしてもちろん、アメリカの経済制裁がもたらしたものについては、まったく言及されません。

番組の冒頭から、彼らは「チャベス大統領の14年間は、今日みられる多くのポピュリスト指導者の先駆者だった」と主張しました。

チャベスのもとで、健康と教育におけるいくらかの前進がみられたが、それはごく初期のごく短期間のものだった」。そして同じ時期、「独裁権力のあくなき追求」が強められたと、BBCは主張します。

それが残りのシーンのほとんどです。

世界最大の石油埋蔵量があるにもかかわらず、この国は崩壊しました。
そこには混乱、貧困、暴力だけがあります。いまベネズエラは、世界で最も危険な国です。

チャベスは「力の集中」に夢中でした。民衆は「ただ一人の人物によって惑わされ、支配されていました」。その時、チャベスはその性格の最悪の側面を露わにしていました。

これは「客観的報道」が売りもののBBCが作り出した物語です。

人々は、ベネズエラの災厄は全て独裁者チャベスによって引き起こされたと信じるように導かれます!

それはBBCが沈んだ闇の深さを示しています。


チャベスを“批評するものたち

BBCの見解を裏付けるために、語り手に加えて8人がコメントを述べています。
大多数は反Chavezでした。

11年間チャベスの助言者であり支持者であったエヴァ・ゴリンジャーでさえ、チャベスに対する性的性格の非難“Me Too”をしました。(それにしても見事な大脱走だ。CIAが作った筋書きだろう)
彼女が言うような事件が起きたかどうかはわかりません。彼女とチャベスしかいない席での出来事ですし、チャベスは2012年に亡くなったので、自分を弁護することができません。

1998年の大統領選挙で、チャベスは56%の票を獲得しました。

これについてコメンテーターの一人ラウル・ガジェゴスは言います。
「それでチャベスは何を手に入れたか。それは軍事独裁者の地位ではなかったか」
「教養ある」大学教授マルガリータ・ロペスは、「チャベスには政治的経験がなかった」と述べました。

このあとも番組のウソはますますひどくなります。

しかし「客観的なBBC」は完全な嘘をつくことを控えなければなりません。半分の真実で十分です。

石油公社(PdVSA)は、国家によって所有されていました。しかし事実上、それは国家内の国家でした。石油収入の多くは、寡頭支配層に利益をもたらすよう取締役会によって配分されました。

人口の大部分が貧困の中で、飢餓と栄養失調に苦しみながら生活していました。
それでもガジェゴスは「政治はうまくいっていた」と言いはります。しかしチャベスの前に降伏したことは認めざるを得ませんでした。

チャベスは野党指導者が多数を占める石油公社を支配しようとして、「手綱をギュッと引き締めた」。
野党の支持者にとってそれは「共産主義者の乗っ取り」のように見えました。

2002年4月にチャベス政権に対しクーデターがおこされ失敗しました。
番組ではこの件で、チャベスはほとんど非難されているようにさえ見えます。

画面上、デモ参加者は政府側も反政府側も狙撃手によって殺されているように見えます。
これは真っ赤なウソです。当時のテレビの映像が明らかに示しています。狙撃は明確にチャベス支持派を目標としたものでした。

チャベスへの中傷

番組は言います。
チャベスは大統領の任期を経るごとに「力に酔いしれた」ようになった。そして力に身を任せるようになった。

しかし番組は2012年10月に起きた事実を隠すことはできませんでした。

彼の最後の大統領選挙に当たり、「全国の人々は死ぬことが分かっている人物に投票した。そしていまも彼を支持し信頼している」

皆さん、せっかく良い話をしているのに、気に入らない事実がジャマをするけど、気にしないでね。

BBCが知っていながら無視したことは、チャベスと民衆との生き生きとした結びつきです。

なぜ民衆はチャベスを愛したか。なぜならチャベスはベネズエラから貧困、ホームレス、飢餓、文盲を取り除くと宣言し、彼らの願いを代弁したからです。

番組はかくの如くです。それは全体としてチャベスのキャラ抹殺でした。

ついでジェレミー・コービン(英労働党委員長)もまた有罪であることが示されました。彼がチャベスと親しかったからです。
映像ではチャベスがイランのアフマディネジャド、リビアのカダフィ、イラクのフセインと挨拶をしているところが移されました。もちろんその中にコービン!も混じっていました。


帝国主義者の干渉

最後に、番組は3つの分野に言及しました。
それらがもっと展開されれば、チャベス政権下で起こったことがより正しく描かれたかもしれません。

第一がメディアの干渉です。ほとんどのメディアは個人的に所有されています。チャベスが大統領に選出された当初から、その大部分は彼の打倒を求めていました。

チャベスは「伝統的なメディアを迂回して」人々に直接話しました。それには国営放送の「「ハロー大統領」という番組が使われました。

英国のマスコミが、選出された政府の打倒を公然と求めた場合、どうなるでしょうか。
このことについてBBCからの言及はありません。

第二の干渉は「社会的使命」計画の資金を供給するために石油収入を使うことへの非難です。

チャベスはそれを決めました。

社会計画のための伝統的な方法では資金調達はあまりに遅く、あまりに官僚的でした。
そこでかれは国家構造をバイパスしたのです。

社会主義の方向に社会を動かすために、資本主義国家を使うことにはさまざまな困難がつきまといます。
とりわけベネズエラのように国家機構が寡占層の執行部として、寡占層のためにだけ機能してきた国ではそうです。

既存の組織ではほとんど対応できないのです。

第三の問題が、貧しい人々を政治に参加させたことへの非難です。

しかし番組の最後にコメンテーターの一人がこう告白しました。

  「貧しい人々は、これから先もずっと、ベネズエラの政治対話の一翼となるだろう」

何百万もの普通のベネズエラ人が政治生活に目覚めました。これがチャベスとベネズエラ革命の永続的な遺産です。



題名に惹かれて訳したが、あまり水準の高いレポートではない。おそらくトロツキスト系青年のなぐり書きであろう。
“それはBBCが沈んだ闇の深さを示しています”というのがかっこいいが、なぜBBCがその闇に突っ込んだかについては言及されていない。

もう少し探してみる。

ペルー政府、ベネズエラ大使館職員へのビザを取り消す
27.02.2019 AFP

ペルーは、15日以内にベネズエラ国会議長のJuan Guaidoの自称指導部を支持し、15日以内にベネズエラ大使館職員のビザを取り消すと発表した。

私がイシカワ大使にうかがった話では、一昨日深夜、コスタリカの大使館に「グアイド政府の代表」なる人々が乱入し、明渡しを迫ったそうです。コスタリカは忠実なアメリカのしもべですから、これを黙認したようです。

世界中にいま、無法が罷り通っています。

メキシコとウルグアイはグアイドの承認を拒否し、中立を宣言し、対話を通じた危機の解決を促進している。

グアイド国会議長が代表として認められると、外交関係は済し崩しにされる可能性が出てくる。

すでにその兆候は出ている。

2月20日、エクアドル最大の都市グアヤキルで、ベネズエラ総領事館が武装集団に襲撃された。

武装集団は男4人、女3人の7人だった。彼らは領事館が保持する資金をすべて奪った。そして外交員たちの政治的見解を理由に、外交員を嘲笑し殴打した。

エクアドル政府はベネズエラのグアイドを暫定大統領として承認しており、グアイドが指名した代表を承諾している。

ただし、首都キトにあるベネズエラ大使館は、引き続きマドゥロ政府の任命した外交官らによって業務が続けられている。

私はいま行われている「人道援助」の不条理に心痛めている。
以前から指摘しているように、民衆の生活の困難の最大の原因は、非人道的な経済制裁と金融封鎖にあるのだから、それをやめることがもっとも有効なやり方だ。
しかも一文の金もかからない、命の危険もゼロ、明日からでもできる方法なのだ。
その上で、再選挙でも何でもやればよい。それでマドゥーロが敗れてまったく問題ない。
とにかくそれが最初のアプローチではないか。
ところで、一部の人から「ベネズエラの苦境は制裁のせいではなくマドゥーロ政権の失策のためだ」という意見が出ている。「なぜなら失政の影響のほうが早くから出現しているからだ」というのだ。
たしかにその意見には一理あるのかもしれない。しかし、だからといって経済制裁をそのままにしてよいということにはなるまい。
問題は7月7日に蘆溝橋のたもとで、どちらが先に鉄砲を射ったかではあるまい。それが日本軍ではなかったにせよ、それを機に戦争へと持ち込んだのは間違いなく日本軍だ。このことで侵略軍の行動を合理化してはいけないのではないかと思う。

それにしても、グーグルの検索機能は明らかにおかしい。ベネズエラと入れて100件出てくると、「似たような記事はなんとか」といって、検索を打ち切る。
ずっと「メディア」のせいにばかりしてきたが、どうもそればかりではないのかもしれない。
そろそろ意識的にグーグルに頼らない検索エンジンを育てる運動を始めるべきではないか。

すみません
私のベネズエラ関連ファイルは下記のホームページから
サイト内検索でベネズエラと入れると、ズラズラと出てきます。
検索窓1

ホームページ「ラテンアメリカの政治」ではここから
検索窓2


ベネズエラ情勢をウォッチしていて、これだけ系統的な悪意に出会ったことはない。私ごときシロウトが無知に任せて一方的な意見を言うのとは次元が異なる。専門家としての識見が問われる地位にあるのだが、およそそのような節度や公正さが感じられないのである。

2002年の反チャベス・クーデター未遂事件が起こったとき、ベネズエラの高級住宅街から日本語で反チャベスキャンペーンを流し続けた女性がいた。

クーデターが未遂に終わったあと、しばらくネット上では声を潜めていたが、事の真相を知った後もまったく考えを変えることはなかった。

おそらくは駐在員の夫人として上流階級の思考方法にすっかり染め抜かれたのであろう。

それが2010年ころから、別の女性の声がふたたびけたたましくなってきた。それがこの坂口安紀という女性だ。

どうも影としては重なってしまうのだがどうなのだろうか。


ジェトロの紹介ページを見ると1988年にICUを卒業したらしい。計算上は50歳前後ということになる。UCLAで修士をとってアジ研に入ったらしい。

29~31歳でカラカスに研究員として派遣されている。さらに43歳から2年間、調査員としてカラカスに滞在している。

帰ってきてからはラテンアメリカ研究グループ長となり、アジ研を仕切るようになった。

アジ研に入って最初の論文が1993年の『冷戦後ラテンアメリカの再編成』という論文集の中の「ベネズエラの経済改革と民主主義の危機」という論文である。

読んでもらえればわかるように、相当大胆に政治的立場を押し出す人で、その基本は「白い民主主義」である。おそらくはカラカスの高級住宅街のコンセンサスを代表するようなスタンスであろうと思われる。

おそらく1990年前後にUCLA在学中にベネズエラでの生活を体験したものと思われ、まさしくカラカソ(カラカス暴動)やチャベスのクーデター騒ぎと同時代を生きたことになる。そしてその頃日本はバブルの絶頂にあった。
日本が得意絶頂だったときにベネズエラに入った日本人は、雲の上の上流社会で名誉白人としての地位を満喫したのではないか。

彼女の時代にはすでに、我々のになっていたような学生運動は影も形もないから、貧しい人に寄り添うとか社会の進歩に貢献するとかいう考えは希薄なのかもしれない。山裾を埋め尽くすバラック小屋もカラカス固有の光景なのだろう。

ベネズエラの白い人々の差別意識は、石油成金の常としてただならぬものがある。一昔前には日本人もイエローモンキーで、ベネズエラでは差別と侮蔑の対象でしかなかった。だからベネズエラの日系人は数少ないのだということを理解できないのだろう。

たぶん彼女の政治の枠組みは、白いリベラルと白いコンサーバティブの物分りの良い議論に収斂するのだろう。ただ、時々は自分の肌の色、アジア系の顔立ちを鏡で確かめながら議論を組み立ててほしいなと思う。

ベネズエラ ジャーナリズムの“恥ずべき沈黙”

ジャーナリストである以上、ベネズエラ政府にとってどんなに嬉しくないニュースでもどんどん流すべきである。それを流すのがジャーナリストの義務だからだ。

私はそのことを非難しているわけではない。私が非難するのはこのようにベネズエラ政府の失態を激しく非難しながら、世界の平和と民主主義にとって最大の問題、すなわち米国の干渉、経済制裁、民族自決権の侵害、武力介入の脅しについて口をつぐむことだ。

リマグループの動きは逐一報道するが、セラックの動きは報じない。(CELAC: 全ての中南米諸国33カ国が参加し,2011年12月に発足した組織。将来的な中南米統合を長期的な目標に掲げている 日本外務省HP)

ベネズエラカトリックの意見は尊重するが、ローマ法王の平和の呼びかけは無視する。

ベネズエラ国民がいまなぜ苦しんでいるか。それは米国が経済・金融封鎖を行っているからだ。石油生産を妨害し、商品を売り惜しみして価格を吊り上げているからだ。
ベネズエラがいまなぜ内戦の危機にあるのか。それは米国がベネズエラの軍部にクーデターを焚き付けているからだ。

米国は過去100年、そうやってラテンアメリカの数十の政府を潰してきた。どうしてジャーナリズムはその歴史に口をつぐむのか。

ジャーナリズムはチリのクーデターを忘れたのか。合法的な政府が「経済的な失敗」を口実にして踏みにじられた。そのあと数千人の市民・青年・学生が連れ去られ、拷問され、虐殺された。

それがすべて米国の差金だったことは、今では白日のもとに明らかになっている。

その歴史的事実に、どうしてジャーナリズムは口をつぐむのか。

ジャーナリストはいつの日か後悔するだろう。もし市民とともに報道機関の持ち主の横暴に対決しなければ、そのような「騒々しい沈黙」はテロリズムへの加担に等しいからだ。



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ウォールストリートジャーナル

ベネズエラ政権転覆狙う米国、次の矛先はキューバ
中露イランの影響力抑制も視野

By Jessica Donati, Vivian Salama and Ian Talley

2019 年 2 月 1 日 13:56 JST 更新


 【ワシントン】トランプ米政権によるベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領に対する失脚工作は、中南米への米国の影響力拡大に向けた新戦略の幕開けを意味する。米政権当局者が明らかにした。

 その視線の先にいるのはマドゥロ氏だけではない。50年以上も米国が中南米で最も敵視しているキューバのほか、最近同地域に接近しているロシアや中国、イランもだ。

 米政府はチャベス前大統領時代を含め長年ベネズエラを非難してきたが、トランプ政権にはキューバのほうが国家安全保障にとってより深刻な脅威だとみなされている。

以下略

分かることは…
ウォールストリートジャーナルのほうが、ロイターその他の一般メディアよりはるかに正確だ、ということ。

みなさんが、せめてWSJなみの知性をお持ちになるよう望みます。

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1.米国政府はベネズエラ政府転覆策動をやめるべきだ

米国政府は、ベネズエラへの内政干渉、とりわけ政府転覆を目的とした干渉を止めるべきである。 トランプ政権と同盟国にの干渉によって、ベネズエラの状況はさらに悪化した。そこでは不必要な人的被害、暴力、そして政情不安が引き起こされている。


2.親米派野党は選挙を通さない政権排除を狙っている

ベネズエラの政治対立は以前からのものである。ベネズエラは長い間、人種差別や経済格差によって分断されてきた。 
近年、その分断はさらに深まっている。その原因は、選挙以外のやり方でマドウーロ政権を排除しようとする野党の戦略がある。それを米国は支持してきた。

この戦略を巡ってベネズエラの野党は対立しているが、米国は強硬派の野党勢力を後押ししている。親米派野党は、暴力的な抗議活動、軍事クーデターなど、選挙を介さずにマドゥーロ政権を追放する目標を追求してきた。


3.経済危機は米国の制裁がもたらした

トランプ政権のベネズエラ政府に対する言葉遣いは、極端に攻撃的になった。今やそれは脅迫的なレベルにまでエスカレートしている。

トランプ政権の高官らは、ベネズエラがキューバ、ニカラグアとともに「暴政のトロイカ」を形成していると非難している。そして公然と「軍事行動」を口にしている。

米国の経済制裁は、米州機構や国連の名を借りて行われている。それと並び、米国の国内法や諸々の国際条約・協定の名の下で行われている。しかしそれらは違法な制裁である。

経済制裁によって、ベネズエラ政府のさまざまな困難は悪化の一途を辿っている。経済制裁は、ベネズエラが景気後退から脱出するための手段を断ち切ってしまった。

石油生産は劇的に減少してしまった。経済危機が悪化して、多くの人が命を救う医薬品を入手できずに死亡した。

にもかかわらず、米国など各国の政府はひたすらベネズエラ政府を非難し続けている。それは経済的なダメージを与える目的でしかない。これらの損害はまさに米国の制裁措置によって引き起こされたのだ。


4.いまや、軍事クーデターが準備されている

米国及びその同盟国は、ベネズエラを危機の瀬戸際に追い詰めた。アルマグロ米州機構事務総長やブラジルの極右のボルソナーロ大統領がマドゥーロ政権打倒を呼号している。

トランプ政権はグァイド国会議長を新大統領として承認した。これは明らかにOAS憲章に違反した行動である。

ベネズエラの政治危機は明らかに加速された。

米政府はベネズエラ軍を分裂させ、民衆を対立させて、否応なく二つの勢力に分断させたがっている。

トランプ政権は軍事クーデターを介して暴力でマドゥーロ大統領を追放しようとしている。彼らはその目標をあからさまに口にしている。


5.このままでは流血と混乱が避けられない

ベネズエラはハイパーインフレ、物資の不足、さらには深刻な不況に追い込まれている。そして政治的に分断された状態が続いている。

米国とその同盟国は、力の行使による超法規的な体制転換を認めてはならない。それを促進するための暴力を奨励してはならない。

トランプ政権と同盟国が見境のない方策を追求し続ければ、その結果として流血と混乱が引き起こされる恐れがきわめて高い。

米国は、イラク、シリア、リビアで行った政権転覆の企てから教訓を学ぶべきだ。さらにラテンアメリカで政権を転覆した長い、暴力の歴史からも学ぶべきだ。


6.最悪の場合は大規模な軍事衝突

ベネズエラの二つの勢力は、いずれも他方を打ち負かすことはできない。

例えば、ベネズエラ軍には少なくとも23万5千人の兵士、少なくとも160万人の民兵がいる。その多くは、米国の介入が拡大すれば、国家主権に対する信念に基づいて戦うだろう。

それだけではない。野党勢力が現政権を転覆するなら、その際に起こり得る弾圧から自身を守るためにも戦うだろう。


7.交渉こそが唯一の解決策

 このような状況において唯一の解決策は、交渉とそれによる平和的合意である。

かつてラテンアメリカ諸国では、社会が政治的に二極化し、内戦化したことがある。相互不信が長く強くなると、選挙を通じて意見の違いが解決できなかった。

このような場合、たとえばバチカンなどの調停役が合意への取り組みを主導した。

だがそのような努力は、体制転覆を望むワシントンとその同盟国からは、まったく無視されてきた。

ベネズエラで現在進行中の危機を解決するためには、その頑なな態度を改め、体制転覆一辺倒の戦略は変更しなければならない。


8.強力な調停団が必要だ

ベネズエラの民衆のために、そして国家主権の原則のために、国際的な行動力を持つ調停組織が結成されるべきだ。

その組織がベネズエラ政府と野党勢力との間の交渉を後押しすべきだ。

これによってのみ、ベネズエラはその政治的、経済的な危機を切り抜けることができるだろう。


すみません。「記事検索」窓に“ベネズエラ”と入れてブログ内検索してください。
などもご参照ください。

グーグルのネグレクト攻撃が始まった。ベネズエラ大使館のホームページが検索候補を外されたようだ。
私自身も一度経験があって、日大アメフト事件の際に日大理事長を辞任させないと問題は片付かないという記事を書いた。そのときに山口組の司組長と理事長の握手する写真を引用掲載した。アップ後2日目にその記事は検索ページの1ページめに掲載された。ところが3日目になるといきなり消えた。なんと記事名をそのまま載せて検索してもヒットしないのだ。
今回、大使館のホームページが消えたのも同様のメカニズムが効いているのではないかと疑ってしまう。
とりあえず下記の記事にリンクを張っておく。なお訳文は大使館訳に一部手を加えている。小見出しは私がつけたもの



以下はバチカン・ニュースの24 January 2019号

日本の新聞記者は突然、みな英語が読めなくなったのか、下記の発言には目もくれないようだ。
“In Panama, the Holy Father has been informed of the news coming from Venezuela and is closely following the situation as it evolves. He is praying for the victims and for all the people of Venezuela. The Holy See supports all efforts that help save the population from further suffering” 
訳すと嫌みになるので、そのまま掲載する。

フランシスコ法王がベネズエラでの与野党和解を調停し、大統領選挙の実現に尽力したことは、ラテンアメリカでは周知の事実である。

ただし、ベネズエラのカトリック教会はむかしから石油寡占層と一心同体で、教会ヒエラルキーは反政府派の最強の牙城の一つである。
バチカン本庁も当初からその線で動いている。フランシスの言動を快くは思っていないかもしれない。

一連の動きは客観的に見て何なのか。

国内的にはクーデターの発動であり、国際的にはアメリカによる政府転覆の企てだ。さらに言えばメディアがそれらに目をつぶり、事実上クーデター派に大義名分を与えようとしていることだ。
核心的事実はそれしかない。ベネズエラ政府側にも落度があるとか、物資が欠乏しているとか、国外難民が多発しているとかは、一国の政府を否定しうるような核心的事実ではない。

ベネズエラ問題で一番大事なことは、ベネズエラ政府及び民衆に加えられた、これら一連の無法で無慈悲な攻撃が、決してベネズエラのみを標的としたものではないことである。
反政府宣伝で根っこを引き剥がし、関係諸国を無理やり動員して、ドルと金融システムを用いた経済制裁で弱らせ、最後に国家主権を無視した暴力的手段で崩壊に追いやる手法が、最大の国際問題なのである。それは100年前からラテンアメリカで繰り返されてきた「CIAマニュアル」の忠実な再現だ。

経済危機というが、それはアメリカの経済・金融封鎖がもたらしているものだ。ベネズエラの医薬品不足・食料不足はベネズエラが買えないからではなく、アメリカが売らない、売らせないからだ。ドルがないのは、アメリカ政府が銀行の支払いを凍結させているからだ。
それはファーウェイを抱えた中国への脅しにもなっている。「次はお前だ!」

いまアメリカは世界の覇者として君臨している。圧倒的な力を持つ国家が、気に入らない国をこのような形で潰していくことが許されるならば、世界のすべての人々にとって「明日は我が身!」だ。

以下、ALBA声明を転載する。

ALBA声明Jan2019

ベネズエラ経済の再活性化のために

Luis Enrique Gavazut との問答
Venezuelanalysis.com Jan 3rd 2019


実態分析の視角は妥当と思える。なぜそうなったか、とくに債務急増の原因はあまり追究されていない。解決の道筋はややヘテロドキシカルである。仮想通貨「ペトロ」の評価については“?”である。

 

質問 1

あなたの研究者としての見解では、ベネズエラの現在の経済危機を引き起こした状況と原因は何か?

答え 1

この数年間のベネズエラの状況は悪化しています。それは部分的には原油価格の下落の素直な反映です。

それは国家の現金収入の減少につながりました。これは、国民のニーズを満たすための鍵となるものです。(現金というのは実際にはドルのことなので以下ドルと訳すことにする)

ベネズエラ経済を理解するためには、ドルへのアクセスは最終的には一つの情報源、すなわち国家からのみ生じることを認識しなければなりません。

この100年というもの、ベネズエラのドル収入の95%は石油公社から来ています。これがこの国の主力企業です。

民間部門はドルを生み出さない。

生産的な装置の私有部分、少なくとも石油や鉱業に基づいていない部門は輸出向けではないからです。

社会のニーズを即座に対応すべき経済部門を見てみると大変な困難があることがわかります。

すでに危機以前の段階で、生産水準は急速に低下していました。 現在、国民経済は設備生産能力の22%で操業しており、輸入額は80%も減少しています。

この数字が私たちが今日直面している不足を説明しています。つまりそこにはひどい不況があることを意味します。

しかし、物事はずっとそうだったわけではありません。

数年前の2013年、チャベスが亡くなりマドゥーロが大統領に就任したとき、経済の状況、すなわち原油価格の動向はいまと変わりませんでした。

そのとき起こったのは、民間部門、特に外資系と国内大企業が、国家との経済戦争を始めるための決断を下したことです。

彼らの目的は何だったでしょうか? それは政府をひっくり返すことです。この国で最も強力な経済主体は、経済的な理由ではなく政治的な論理に従って行動し始めました。

その証しとしたのは、生産遅延と生産放棄の決断でした。2013年以降、彼らはベネズエラの商品供給に影響を与える措置を講じ始めました。それが、我々が「作られたモノ不足」と呼ぶものです。

これはベネズエラで起こった現象の真実です。それは「危機」の重要な要素です。

これに対しベネズエラ政府は給料を増やし、社会プログラムを維持することによって人々の購買力を維持しようとしました。

それは商品とサービスへの強い需要をしばらくの間支えました、しかし民間部門はすでに供給を遮断することを決定しました。

そうなると、需要が堅調にもかかわらず供給が減ることになるので、深刻な不均衡につながり、物価が急激に上昇し始めます。

 

質問 2

原油価格の不安定な中で、ベネズエラは多額の借金を抱えており、支払い負担は重くなっている。資金を借りることが困難になっている。

解決策としては福祉を削って通貨の供給を減らすか、かつてのアルゼンチンやエクアドルのようにデフォールトをかけるかしかないのだろうか。

答え 2

通貨不足は、ベネズエラの現状を理解するための鍵です。

ベネズエラでは国内の「為替市場」(ヤミ)が半ば公然と活動しています。まことに奇妙なのですが、政府がここに外貨を提供できないと、経済全体が暴走してしまいます。

これはベネズエラの経済が1世紀にわたって石油の採掘・販売料によって形作られてきたからです。

それは公共部門だけでなく民間部門もそうです。

石油は消費財だけでなく生産手段・中間財の輸入に影響を与えます。公共目的の配給システムに割り当てられた輸入も石油価格の動向次第で動揺します。

その石油ですが、石油公社(石油公社)の石油生産が急激に落ち込んでいます。これは国際石油業界における一連の悪い流れの結果です。

困ったことに、政府幹部は石油ボナンザがさらに長く続くと予想していました。それを当て込んで、オリノコ川流域の「オイルベルト」に多大な投資が行われました。それはベネズエラの重質油生産のための巨大プロジェクト地帯です。

そのオリノコ・プロジェクトに何が起こったのでしょう?

投資はすべて中途半端なままにとどまっています。目標実現のためには依然として膨大な量の資本投下を必要としています。

その一方でスリア州とアンソアテギ州では軽質油・中質油の維持管理が軽視され続けました。本当はこちらこそ重視されるべきだったのです。なぜならこれらの油は抽出も容易で、国際市場での販売も容易だからです。

石油公社はこの間不安定な状態にありました。原油価格の下落と生産の落ち込みに振り回されたのです。

それなのにオリノコ地帯への投資をするために巨額の借金をしたので、石油公社は借金のために厳しい返済条件を抱えることになりました。

経済的にペイする井戸に、借金を払い戻すための資金がしわ寄せされました。これが私たちを緊急事態に巻き込んだ大きな理由でした。

しかし、信用を拡大しようとしても扉のほとんどは閉鎖されています。業界が現在自覚しているのは、この悪循環です。

oil_graph_venezuela
       原油日産量の月次推移(単位:キロバレル)

 

質問 3

あなたは去年8月に発表されたベネズエラ政府の経済回復計画を批判している。あなたの主な論点はどこにあるのか?

答え 3

景気回復計画(以下プラン)は一連の理論的前提に基づいています。しかしその前提は、私の見地からすると間違っています。だからこそ、うまくいかなかったし、うまくいかなかったのです。

最初の問題は、プランが基づいているマネタリスト理論です。これは少なくとも今のベネズエラには当てはまりません。

基本的に、ベネズエラは経済の深刻な収縮、非常に深刻な不況のもとにあります。

 マネタリスト理論の前提は、通貨供給量を減らすと、消費者が商品やサービスの代金を払うことができず、その結果として価格が下がるという仮定です。

しかしベネズエラの場合は、引き締めがもたらすのは店舗の閉鎖だけです。それはさらなる景気後退を意味するにすぎません!

経済回復計画が発表された8月20日以降、まだ営業中だった工場、店舗、供給センターも、その大部分が、いま急激な速さで営業をストップしています。

大事なことは需要を維持することです。

ベネズエラでの経済活動の現状を維持し、現在も活動している企業を保護するためには、何らかの需要があることが不可欠です。

最低賃金が定期的に上がり、社会プログラムとボーナスを通じた労働者階級への直接支援が維持されなければなりません。直接および間接の助成金ももちろん維持されなければなりません。

これを続けることが政府の果たすべき役割です。

財政赤字ゼロを目標とし、裏付けのない「無機質の貨幣」を排除する再建計画は、今のベネズエラにおいては無意味です。

実際にも、国家は給与の引き上げを通じて「再建政策」を調整することを余儀なくされたではありませんか。計画が発表されてからわずか90日後に!

 

質問 4 経済回復計画のもう一つの柱、民間投資への動機づけについてはどうか。それは機能しているだろうか?

答え 4

その部分もまたかなり問題があります。

計画を設計した人は、「民間部門にインセンティブを与えることは、ビジネスマンから好意的な反応を生み出すだろう」と考えているようです。

インセンティブを受けた民間部門は、それをポジティブにとらえ、投資を行い、生産量を増やします。そうすると民間投資は経済の安定につながります。

しかし民間部門にインセンティブを与える根拠となる理論は、他国の経済では機能するかもしれないが、今日のベネズエラではうまくいかないでしょう。

いま、ベネズエラは世界で最も有利な為替レートと、世界で最も安い労働力を持っています。

労働は実質的に無料です。なぜなら、8月20日以降、国家が民間部門の労働者に賃金を払っているからです。

どこかの企業がベネズエラに来て事業を設立するならば、原理的には、国家が労働者の給料を支払うのです。

こんなことは今までになかったことです。ベネズエラは間違いなく経済史の年鑑にランク入ります!

さらに、「景気回復計画」は輸入関税を撤廃しました。

国はこれらすべてを提供しています。これなら多くの民間投資を引き付けるはずです。

それだけではありません。税金は非常に低く、累進性はありません。(莫大な脱税があるという長年の事実は別にして…)。

ベネズエラには、世界で最も安いエネルギー、最も安いガス、最も安い電気、そして最も安い水資源もあります。

それに加えて気候から場所(アメリカ市場に近い)まで、ベネズエラが持つすべての比較優位性を加えることができます。

つまりベネズエラは、インセンティブ理論と比較優位理論に従えば、民間投資にとって夢の楽園なのです。

それでも、民間部門はここに投資していません!

正統派の経済学者はどのようにこの状況を説明しますか?

彼らは、「ベネズエラには法的な保障がない」と言うかもしれません。言い古された議論です。

しかし、マドゥーロ大統領の時代には一つも収用が行われていないのです!

収用と国有化の政治はチャベス大統領で終わったのです。6年間、一度も収用はありませんでした。この政府は二度とやるつもりはないといっています。

1年前、憲法制定議会は外国投資法を可決しました。それは世界で最も外国資本に優しい法律で、「治外法権的」とさえいえる法律です。

さらにベネズエラには、法的安全保障を含む、あらゆる種類の便宜を提供する「経済特区」があります。

したがって問題は明らかです。
事態の解決策は、法的安全保障にも、民間部門にインセンティブを与えることにもありません。

最近、中国のある政府高官が、ベネズエラの公共テレビでマドゥーロ政府の指導部と話をしました。

彼は、中国には堅固な民間部門があると宣言しました。なぜなら中国政府がその分野にインセンティブを与え、育成したからです。 
しかし中国ではうまくいったかもしれませんが、ベネズエラではそのやりかたは当てはまりません。

ベネズエラ経済を刺激するための唯一の方法は、石油の使用料を増やすことです。それが唯一の有効手段です。

これは歴史的に確認でき、正確な相関関係が見られます。石油の賃貸料が増えるほど、そしてそれゆえ私たちの為替市場での通貨の供給は増えます。

それにより設備の生産能力が増加し、国内外の投資が行われます。しかし、これは経済的成長期にのみ起こります!景気後退期には石油収入が縮小し、国家は補助金を提供することができません。

景気後退期、石油収入が縮小すると、国家は補助金を提供することができません。

それがさらに進むと私有企業だけでなく公営企業も、売却したり、工場などを閉鎖したりせざるを得なくなります。これが今起こっていることです。

ところで、よく誤解されている問題があります。公的企業は民間企業より効率が悪いという“常識”です。それは全く間違っています!

例えば、今日のベネズエラでは、公営企業も民間企業も非効率的です。崩壊するかその境界にいます。石油の使用料が入ってこないからです。

それでも、通貨が国家の財源に入った瞬間、経営は再び活性化するでしょう。

このように考えてください。企業にとって最大の非効率性は、企業が業務を停止することなのです。

そう考えると、民間企業も国営企業も同じように非効率的なのです。

 

質問 5 石油生産国としての世界経済におけるベネズエラの役割はなにか。そのことがもたらす問題はなにか。

答え 5

ベネズエラは、賃貸・寄食経済です。自分自身では科学技術を開発しません。この状況は、通貨に過度に依存する経済を余儀なくさせています。

民間部門は、石油使用料収入が減ったときにベネズエラに投資しないのはなぜでしょう? それは、ここでの投資がドルで行われるからです。

民間投資家はドルで彼の収入を得ることを期待しています。彼は以前に技術、機械、その他の投入物をドルで購入したからです。だから彼はドルで投資を回収することを期待しています…

このため、投資家は言います。「まあ、ドルへのアクセスが制限されるようになれば、私はベネズエラに投資するつもりはありません」

投資家が戻ってくるのは、その国でドルがふたたび利用可能にったことを知ったときです。つまり石油の価格が回復し、経済が拡大期にあるとき、石油ブームが起きたときです。

どうして他の国の場合のように、個人投資家がドルを生み出さないのか。それはグローバリゼーションが姿を現したときに、ベネズエラが輸出志向経済を取らなかったからです。

例えば、プロクター・ギャンブル社はメキシコ、ブラジル、アルゼンチンで輸出施設を、コロンビアとパナマではより小さい設備を備えました。しかしベネズエラではそんなことはしませんでした。

なぜなら、ベネズエラは石油以外について、企業の輸出拠点とはみなされていないからです。

中南米には輸出拠点で労働者を搾取するための国もあれば、たんに料金を引き出すだけの国もあります。ベネズエラは後者です。

  

質問 6 ベネズエラの困難に対処するための解決策は何か?

答え 6

取るべき3つのステップがあります。 まず、国家がみずから生産的な投資をしなければなりません。 ベネズエラはこの役割を避けられません。

国家は民間投資を刺激するのではなく、生産手段への投資をしなければなりません。

もう一つの選択肢は、いまのままブルジョアジーと共に歩き続けることです。しかし非効率的なインセンティブで、個人投資家に媚びを売るようなやり方を続ければ、早晩破産してしまうでしょう!

第二段階は、マクロ経済対策の分野です。 私たちはベネズエラの為替レートを安定させる必要があります。 これを行うには、私の視点からは、2つの戦略が必要です。

一つ目は、ベネズエラの為替市場を完全に自由化することです。そうすることのポイントは、ドルの合法的な売却を引き付けるためです。

現在ドルは、送金を通して国に到着しています。あるいは、小規模な商品・サービスの輸出業者の手に渡っています。

これらのドル収入は年間100億ドルを下回る微々たるものですが、私たちの経済にとっては非常に重要です。それは為替規制を排除することによってのみ起こります。

現在ヤミ市場に参入しているこれらのドルを引き出し、合法的、正式、公的、透明な市場で取引できるようにすることは、重要な一歩前進です。

今、私たちはDICOM市場を持っています。それは合法であるが全く役に立たない為替市場です。それはドルを惹きつけることがなく、またそれらを提供することもない、見掛け倒しの市場です。

私の提案は、現在のヤミドル市場を透明な市場に転換することです。それが為替レートを安定させる第一歩です。

もう1つの重要な戦略は、「ペトロ」(仮想通貨)が金融資産として正しく機能するための条件を生成することです。

金融資産とは、市場で代替可能であり、他の通貨と簡単に交換できる資産です。そして取引コストを巡っては激しい競争にさらされています。残念ながら、ペトロはこの仮想通貨の論理には従うことができません。 

通貨ボリーバルと仮想通貨ペトロの交換レート固定が失敗したのはそのためです。最近の150%の切り下げは、その証明です。


質問7 マクロ経済学の分野であなたは為替レートの自由化プラス「ペトロ」を提案する。その際ペトロは交換可能な資産として機能することになっている。
あなたはまた“地域共同体の組織化と共同した生産的プロジェクト”への国家投資も提案している。これがあなたの勧める第1段階と第二段階だ。それでは第3段階とは?

答え 7

それは石油公社の救済です。これは待ったなしの課題です。

石油公社の生産水準の回復は、今や私たちの経済政策の焦点となるはずです。 私は、すべての国家の努力、そのすべての資源が、石油公社に向けられなければならないと思います。

石油公社にドル収入があれば、そのたびに、それが石油公社に再投資された場合と他の分野での使用との効果を比較・評価する必要があります。

国家は、人的な可能性、利用可能なすべての通貨資源を、石油公社の生産レベルを上げるために使用しなければなりません。他の生産資源に分散させてはいけません。

なぜなら、他の生産分野の活動はドルを経済にもたらすことはないからです。目下の状況では、ドルにならない生産は全く役に立たないのです。

私達の主な焦点は石油公社であるべきであり、他に一部として鉱業セクターを含むべきです。

そのセクターは現在の危機において必要かもしれません。たとえ環境への影響が避けられないにせよ、そして先住民コミュニティにもたらす破壊的作用を及ぼす危険を伴うにせよ…

結論

ベネズエラには新しい金融政策が必要です。私たちは生産力の発展をもたらす国家が必要です。組織化された地域共同体の参加がもとめられます。

そして何よりも、すべての努力を集中し石油公社の生産を回復することです。

 

18.11.14 朝日
キューバ大使宿泊、ヒルトン福岡が拒否 米の制裁理由に

在日キューバ大使が10月、米ヒルトングループ系列のホテル「ヒルトン福岡シーホーク」(福岡市中央区)に宿泊しようとしたところ、米国の経済制裁の対象国の外交官であることを理由に、宿泊を拒否されたことが分かった。ヒルトン側は「米国企業として、米国の法律を順守した」と説明しているが、国籍による宿泊拒否は日本の旅館業法に抵触しているとして、福岡市が行政指導をした。

新藤さんからのメールで事件を知りました。

以前にもメキシコのシェラトンで同様の事件が起きており、いわばアメリカ企業としては当然の措置をとったわけです。

問題は日本国憲法に違反した行為を公然と行われたことに対する「日本」の対応です。日本政府というより日本という国家の対応です。

刑法上の罪に問うのは不可能ではありませんが、量刑としてはなかなか難しいでしょう。行政上の不法行為として罰するのもおそらく対応する法律が?でしょう。

結局民法で行くしかありませんが、ここは懲罰的罰金、あるいは慰謝料の請求が可能と思われます。

国家に慰謝料を求める権利はありませんが、最高裁判所の前で立ちションベンを引っ掛けられた屈辱は十分埋め合わせさせるべきです。

メキシコの裁判所は罰金約120万ペソ(約1300万円)の支払いを命じたそうです。その金額を見て「そのくらいなら払ったほうが良い」とホテル側は判断したのでしょう。

したがってこれ以下の額では国際的に許されないでしょう。

多分どのような額が出てもホテル側は争わないでしょうから、最低でも億は行くべきだろうと思います。これで大使館の半年分くらいの運営費にはなるでしょう。

これがうまく行ったら、週に1度位出張して、そのたびにヒルトンとシェラトンに予約すれば良いのです。パソコンのボタンを押すだけでまったく原価はかかりません。

これで日本駐在のキューバ大使館は外貨の稼ぎ頭になれるでしょう。

ベネズエラ大使講演会は大盛況だった。
聴衆が100名を越えた。

最大の成功の理由は、ベネズエラを心配する人が予想以上に世の中にはいるということだ。この講演会はその人達のそういう気分に応える企画になったのではないか、という気がする。

講演の最中に「そのとおり!」という掛け声までかかった。大使も「こんなに反応してもらえるなんて」と感激していた。

覚悟はしていたが、案に相違して、斜に構えた質問とか、メディア報道を鵜呑みにした批判はなかった。

この企画は多くの民主勢力の協力を得て行った。赤旗にもチラシを折り込んでもらった。平和委員会や革新懇にもずいぶんお世話になった。

何よりも私たち連帯委員会には、過去に2度にわたりベネズエラ革命の支援集会を成功させた経験がある。アメリカの覇権主義と闘うキューバ連帯の催しやニカラグア連帯を積み上げてきた伝統がある。

こういう要素がバックにあったから、「北海道AALAがベネズエラ問題を本格的に取り上げるのだから、聞いておかなければ」という雰囲気を生んだのではないだろうかと思っている。

これが「反転攻勢」のきっかけの一つになってくれればと心から願っている。

ベネズエラ大使の講演の抄訳です。日本語訳文章を北海道AALAの責任で要約したものです。



セイコウ・イシカワ大使講演

「ベネズエラのいま~ベネズエラ“危機”の真相と課題~」 
(要約版)

2018年11月10日 札幌

 

ベネズエラ革命への攻撃

親愛なる北海道AALA代表と友人の皆様に心からの連帯の挨拶を送ります。

いまベネズエラ革命への攻撃が続いています。

1998年に公明な選挙によってチャベスが大統領に選ばれてから、革命は絶え間なくさまざまな規模の攻撃にさらされてきました。ベネズエラは米国の干渉の的になってきました。この20年間の米国の政策は、疑いもなく好戦的なものでした。

ここで多くの人に疑問が浮かぶでしょう。なぜベネズエラが攻撃されるのか。

ベネズエラが他国の脅威になっているというのでしょうか。米国のような超大国を脅かしているというのでしょうか。

ベネズエラには大量破壊兵器はありません。他国に軍事基地を持ってもいません。他国を爆撃したことも、侵略したこともありません。ベネズエラは平和主義の国です。憲法には国家間の平和的協力を促進することが明示されています。また原水爆もたらす危機に対する防御法は、唯一つ核兵器撤廃のみという立場に立っています。


ベネズエラ革命とはなにか

ベネズエラ革命は、「ベネズエラ住居計画」を通じて200万以上の家族に家財道具つきの家を提供しました。

ベネズエラ革命は、例外なく全ての国民に初等・中等・大学教育を無償で提供しています。学生を対象に研究を後押しする奨学金を出しています。医療は無料ですし、高齢者への年金額も増額しています。

食料供給と生産を充足させるため、地域共同体が運営する地方評議会がつくられています。政府はこれを強力に支援しています。文化的グループを支援するネットワークが全土に作られ、広がっています。

これがわたしたちのベネズエラ革命です。


チャベスとラテンアメリカの共同体

ウゴ・チャベスは、長い間の夢「私たちのアメリカの統合」のために、文字通り種を蒔きました。

そうして、米州ボリバル同盟(ALBA)やペトロカリベ、南米諸国連合(UNASUR)やラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)が生まれたのです。これらは一極集中ではなく多中心性の世界の実現に資するものです。


米国のベネズエラ攻撃

米国はベネズエラを攻撃してどんな利益があるのでしょう。それはとりわけ、ベネズエラが世界最大の石油埋蔵量を有しているということと、(米国に近いという)地政学的な位置づけに意味があるのです。この二つの要素をあわせもつ国が、「社会主義」を意識的にめざす愛国的政府に率いられているということが、米国の心配の種となっているのです。

米国はベネズエラを「西半球における主要な敵」と断定し、宣戦布告もなしに我が国に戦争を仕掛けています。

その目的は、ベネズエラ型の民主主義モデルを破壊することであり、国民運動における革命政府の指導的役割を根絶することであります。そして最終的に、ベネズエラの豊かな資源を再び私物化しコントロールしようとすることです。


報道機関が報道しないもの

世界の報道機関は、主に新聞の見出しや社説欄で、競い合うように広い紙面を割いて、日々ベネズエラ国民が直面している困難を書き立てています。記者やコメンテーター、歌手や俳優、有識者や政治家は喜んで、世界の主要メディアでベネズエラについて意見を述べます。そしていつも、それをマドゥロ大統領の責任にしています。

しかし、メディアがどんなに妄想を作り上げ、どんなに厳密性を欠く分析をしても、真実を知るための必要な鍵となる事実を隠しています。それは「封鎖」です。


封鎖の歴史的背景

20年前、チャベスが大統領に就任して間もなくから、米国はベネズエラの「政権交代」を目指し続けています。それは米国の帝国主義的な人々とベネズエラの国民民主主義との共存が不可能であるということを裏付けています。

ベネズエラの国民民主主義は主権・独立・社会正義の考えを包含しています。米国はそこに脅威を見出しているのです。なぜならそれは米国による南米地域の支配と統制の図式と正反対のものだからです。

ブッシュ政権は、2002年の反チャベスのクーデターを支援しました。2015年には、オバマ前大統領が、ベネズエラを「異常で並外れた脅威」と規定した大統領令を出しました。それ以来「政権交代」の政策が加速しました。

米政権はそれまで非公式だった政策を合法化しました。それは財政的、政治的、メディア、軍事的な秘密作戦を柱とするものでした。トランプは「どのような手段を使ってでもベネズエラの合法的政府を打倒したい」と公言しています。

2017年8月には、トランプ自身が、ベネズエラに対して軍事作戦の可能性も含めた「全ての選択肢」を持っていると言明しました。ほかにもポンペオ国務長官、ペンス副大統領、マティス国防長官、ヘイリー国連大使、ジョン・ボルトン大統領補佐官といったトランプ政権の高官たちがベネズエラの政権を引きずり下ろすという言明を繰り返しています。

直近では、ワシントンで最も影響力のあるロビイストの一人ルビオ上院議員が、「ベネズエラに対して軍事的行動を起こす時が来た」と主張しました。これはまったく由々しい発言です。ベネズエラのような小国を米国の軍事攻撃の目標とすることは、明らかに西半球の平和への深刻な脅しです。


経済と金融の分野における攻撃

経済と金融の分野における攻撃は、制裁から封鎖へとエスカレートしてきました。それは一方的な抑圧手段を通じて行われています。

資本主義体制を批判し、国内政策や対外政策を自主的に進めようとする政府がどこかに出現した時、それらの国が乱暴な手段で封鎖されるのは、今に始まったことではありません。それはキューバに対して50年以上前からおこなわれています。チリのアジェンデ政権も同じ目にあっています。

アジェンデ大統領は政権に就いた当初から、米国による金融的・経済的封鎖とたたかわなければなりませんでした。マドゥロ大統領も同じことを迫られています。経済封鎖は国際法に違反する不当で不法なものです。それはベネズエラ政府と提携しているとみなされた個人や企業に対しても適応されます。

トランプ政権はこのような手段はこの国の情勢を改善して「民主主義への回帰」を促進するための措置であると強弁しています。そしてベネズエラ国民に悪影響を及ぼすものではないと主張しています。


経済封鎖は一種の軍事行動だ

いま制裁は、金融管理、石油産業や国際貿易まで、その範囲を広げています。それは米国の敵視政策がエスカレートしているからです。この異常な事態は経済侵犯、経済戦争とも呼ばれるべきものです。

戦争において一番はじめにやるべき軍事的任務は「敵の供給路を遮断する」ことだといわれます。つまりいまの米国の敵視政策は、軍事的観念に完全に当てはまっているということです。このようにして米国は、ベネズエラ経済を行き詰まらせ、大規模な不安定化と国内対立を引き起こそうとしています。そしてその結果、「国際社会が解決策を見出ださ」ざるをえなくなり、力を合わせて「人道的」な行動を起こす、ことを目論んでいるのです。

制裁の目的は、ベネズエラ経済へ打撃を与え、国際貿易の崩壊を引き起こすことです。それはベネズエラの金融活動を妨害し、投資へのアクセスを邪魔し、食料品や医薬品、生活必需品の購入を妨げています。それは国民生活に、とりわけ経済的分野において深刻な混乱をもたらしています。

こうした全てのことは、ベネズエラに経済危機を引き起こす目的でおこなわれています。もし経済危機が起これば、それはベネズエラを政治的に不安定化させる口実に使えるのです。


ベネズエラ政府打倒戦略と「転換期」

トランプ政権は、両国間の緊張をさらにエスカレートさせています。それと並行してベネズエラに対する制裁をこれまでに4度も実施しています。この2つはどういう関係にあるのでしょうか。

それは米国政府にとって受け入れ可能な方針がただひとつ、マドゥロ大統領の解任だということを示しています。米国は「民主主義の回復」を目指しているのではないのです。かれらは合憲的、民主的、選挙に基づく解決の道を正統なものと認めず、「チャベス主義」の降伏のみを求めています。

2017年、ベネズエラ野党は政権交代を目論見ましたが失敗に終わります。米国は野党勢力に「政権交代」を実現させる力がないと判断し、制裁措置を適用しました。これが、米国が言うところの「民主主義への回帰」への「転換期」が意味しているものです。

2017年から2018年にかけてのドミニカ共和国での与野党協議は、ローマ法王などのイニシアチブで政治的正常化への道を開こうとするものでした。米国はこの会談をサボタージュしつつ、大規模な人口移動や市民対立というかたちでベネズエラ国民の対立を煽っています。そうして「人道的介入」に都合のいい状況を生み出そうとしています。

米国政府は制裁は「個人への制裁」であると主張しています。しかし制裁によって引き起こされたすさまじい影響に照らして見ると、「ベネズエラ国民の幸福を気にかけている」という米国の主張は悪意に満ちたものです。

「転換期」の柱は、①外国の銀行にベネズエラが保有する資産の凍結 ②ベネズエラ国債の取引禁止 ③世界的金融システムにおけるベネズエラ口座の閉鎖 ④食糧や医薬品の輸入への妨害 などです。これらの事実から、米国がベネズエラ国民の暮らしなどどうでも良いと考えていることがわかります。

「転換期」は混沌と暴力の状況を推し進めています。ベネズエラの状況に対する憲法に則った平和的な解決の道は、米国により閉ざされています。


ベネズエラを孤立化させる工作

米国政府は米州機構を利用してベネズエラに攻撃を仕掛けました。トランプ大統領は中南米各国に、ベネズエラに対する封鎖と制裁政策への絶対服従を迫ったのです。今年4月にペルーのリマで開かれた米州首脳会議において、その策略は明確に示されました。

ベネズエラ経済を崩壊させる一方的な措置には、カナダのような国も加わっています。さらに米国は、欧州議会も反ベネズエラの国際的同盟に取り込むことに成功しました。欧州議会の圧力のもと、EUは一方的な制裁を採択しました。

これらの措置は、「独裁的で破産した国家」が引き起こした困窮から、ベネズエラを救うための措置であるかのように見えています。しかし実のところ、ベネズエラを「罰する」という名目の下に、その合法的政府を崩壊させるという、トランプの圧力に屈したのです。

これは、“国家同士の共存を支配する原理”への新たな攻撃でもあります。

これは、ベネズエラ国民への犯罪行為であり、人類に対する重罪です。


難民キャンペーンに関して

難民キャンペーンはベネズエラに対するもう一つの「厚かましい攻撃戦略」です。

こうした状況は、国際社会においてベネズエラの状況を「人道的危機」とする根拠になるからです。「人道的危機」と判断されれば、結果として国際社会が「人道的」介入を「せざるをえなくなる」ように仕向けることができるのです。多くのメディアが、人口流出の危機と決めつけられた現象を広めています。それは人道的危機と言われています。たくさんの人がおそらく善意から、この事象に関する懸念を口にしています。

国際移住機関(IOM)の統計で見てみましょう。ベネズエラは絶対数においても人口比率においても移民が多い国ではありませんが、傾向としては移民や難民の受け入れ国であり続けています。最も現状がよく分かるデータは、国内在住外国人の数です。ベネズエラの人口は3千万人ですが、これに加えて510万人のコロンビア人が住んでいます。この比率はコロンビアでの比率の9倍です。

これは中長期の傾向ですが、短期的にはどうでしょうか。

おそらく国際移住機関が出したデータのなかで最も事実を明示するものは、コロンビア外務省の国境における調査結果でしょう。このモニター調査によると、コロンビア方向へ国境を越えた人は224,804人で、ベネズエラ方向へ向かった人は252,565人でした。コロンビアからベネズエラに向かった人の方が多かったのです。

もう一つの項目、コロンビアに向けて国境を越えた人の52%は買い物をするためであり、14%はコロンビアで働いている人たちでした。また69%が、その日のうちにベネズエラに戻ると答えています。

なぜメディアの報道と実態の間にこれほどの格差があるのでしょう。米国とリマ・グループ、国際的マスメディアが、ベネズエラ問題を「人道上の問題」に仕立て上げようとしているからと言わざるをえません、


メディアに溢れる反ベネズエラ報道

報道機関はベネズエラにおける「食糧難と人道上の危機」を報道し、国民の国外流出を驚き嘆いてみせます。一方で、米国などの国や機関が医薬品や食料のベネズエラへの輸入を阻んでいることを無視します。

反ベネズエラの制裁と封鎖作戦は、恥知らずで矛盾に満ちているにも拘らず、思想的には持ちこたえています。それは封鎖作戦のもう一つのオプション、メディアによる封鎖のおかげです。この封鎖もまた、矛盾に満ちています。

メディアは中央アメリカやメキシコから米国への膨大な数の移民を過小評価しながら、ベネズエラの移民問題は大げさに、そして逐一報道するのです。しかし、制裁や封鎖が、ベネズエラの現状の主要な原因となっていることには触れません。

世界中の世論は、多くがこれらのメディアからベネズエラについての情報を得るので、事実に対してバイアスのかかった見方が形成されてしまいます。


まとめ

1.アメリカ帝国主義
帝国主義者たちが、ベネズエラ干渉を強化し、ボリバル革命転覆の条件を作り出そうとしていることは明らかです。 彼らは選挙で選ばれたマドゥロ大統領の正統な政府を揺るがせ、「政権 交代」を狙っています。
2.無慈悲なキャンペーン
政府転覆の手段には、国際世論の前にベネズエラを否定する情報を流すメディア戦略が含まれています。それは帝国主義戦略を正当化するための、まことに無慈悲なキャンペーンでした 。 人道危機のもう一つのシナリオは、ベネズエラ人の近隣諸国への「大規模かつ永続的な移住」の情報宣伝でした。政府転覆の口実はこれによってさらに強化されています。
3.複合的な攻撃
ベネズエラに対する反政府攻撃は、干渉の仕組みが複合的であるという特徴を持っています。そこには政治的、外交的、メディア的、経済的な圧力が組み合わされています。そしてさらに 憂慮されるのは、そこに軍事的選択肢もふくまれつつあることです。
4.いのちの恐怖をともなう攻撃
軍事介入の脅しは、革命を「罰する」という一般的圧力だけにとどまりません。それに加えて、国民の間に生命と安全に関する不安をもたらします。
5.ワシントンは犠牲を恐れない
ワシントンにとって唯一受け入れられる解決策は、ニコラス・マドゥロの解任と「政権交代」しかありません。このオプションは内戦の危険や人的および経済的に大きな犠牲を伴うかもしれま せん。たとえそうであっても米政府の結論は変わりません。イラク、リビア、シリアでも同じ惨事のモデルが適用されました。おなじ悲劇が繰り返されました。そのことを私たちは知っています 。
6.野党強硬派は軍事解決派
ベネズエラの野党の強硬派は軍事的選択肢に固執しています。彼らはマドゥロ大統領が繰り返し述べた対話の呼びかけに応えず、選挙プロセスへの参加を拒否しました。
7.ベネズエラは政治的・思想的回転軸
帝国主義者がベネズエラを攻撃するのは、ベネズエラをアメリカ大陸の政治的・思想的回転軸として捉えているからです。「それは打ち倒すべきものだ -できるだけ速やかに」 なぜなら、彼らは「ベネズエラが新興国や多極共同体などが相互に結びつくためのブリッジとなる存在だ」と考えているからです。 一方トランプ政権は中南米支配の新しい青写真を描き、その中でモンロー・ドクトリンを甦らせ、その思想をベネズエラの紛争につなげようとしています。だからベネズエラは思想と思想の 衝突点となっているのです。
8.中南米右翼政権の“悲しい役割”
脚本家と俳優の間に危険な共鳴作用が起きています。それは右翼政権がこの地域で果たしている“悲しい役” に代表されます。かれらは米国の干渉行為を正当化し支持しようとしていま す。 その戦略はあのときと同じです。彼らは帝国主義に反対する国を政治的かつ経済的に封鎖するのを手助けします。その役割は、封鎖という卑劣な手段とその悲惨な結果をおおい隠し、国 際世論の非難から守ることです。 それはキューバに始まりました。それはチリに続きました。そしてそれはいまベネズエラに起こっているのです。
9.ベネズエラ革命は続く
ベネズエラ革命は帝国主義の攻撃強化と向き合い、社会的挑戦を続けます。「国民が主人公の民主主義」を完成させ、共同体を通じて社会運動の組織を拡大し、変革の道すじで一致した 政治勢力を統一する。そしてそのなかで人々の意識変革を目指します。それはフィデル・カストロが「思想の戦い」と呼んでいた運動です。
10.民族自決と諸国民の連帯
いまベネズエラでは、平和と民主主義、独立、諸民族の主権と自決をめざす戦いが進められています。戦いは決定的な段階を迎えています。 この戦いにおいて、諸国民の連帯は、ベネズエラとボリバル革命が覇権勢力に抵抗できる最強の手段です。いま必要なこと、それは私たちの間で努力を結び合わせることです。独立・主 権・自決の原則を守り、互いの団結を固めましょう。
11.チャベスは予測していた
最後に「我々の永遠の司令官」であるウーゴ・チャベスが私たちに残した言葉をお伝えしたいと思います。
"帝国主義が存在する限り、ずっとボリバル革命は危険にさらされ、脅かされ続けるだろう。なぜなら、もしそれが成功すれば, 帝国主義は溶け去ってしまうからだ"
最後に、みなさんのボリバル革命への一貫した連帯に感謝いたします。

ベネズエラが米国の中間選挙をどう見ているか。それを示す解説記事だ。著者はベネズエラ問題を専門とするジャーナリストという肩書きになっているが、ベネズエラ政府筋の人と見て間違いないだろう。

トランプの中南米いじめは中間選挙の政治戦術だ
by Paul Dobson  
Nov 4th 2018  venezuelanalysis  

1.ボルトンのマイアミでの発言
ジョン・ボルトン米国務次官補は、最近、キューバ、ニカラグア、ベネズエラに対する新たな制裁に関する発表を行った。
これは彼らを米国の敵国として描き出す試みに過ぎない
ボルトン氏は、マイケル・デイド・カレッジのフリーダム・タワーで語った。「ベネズエラ、キューバ、ニカラグアに対し、新たな制裁措置を開始する」と発表した。
そこには米国市民がベネズエラの地金との取引に参加することの禁止を含む。
ボルトンはマイアミの聴衆に語った。
ハバナからカラカス、マナグアに至るこの“暴虐の三角”は、人間の深刻な苦しみの原因であり、地域に巨大な不安定さを引き起こす原動力であり、西半球の共産主義の醜悪な発祥地である。
米国は、トランプ大統領のもとで、3つの政権に対して直接行動を起こしている。それは地域の公正、自由、基本的な人間の尊厳を守るためだ.
ボルトン議長の発言は、米国の中間選挙に向けての共和党の支援キャンペーンで、アメリカ人に恐怖を植え付けようとする“トランプ節”Trumpesqueのひとつである。

2.“暴虐の三角”
ボルトンが使用しているレトリックは、中間選挙の文脈で見ていかなければならない。
ボルトンはアメリカの人々に恐怖を抱かせるために“外部の敵”を描こうとしている。そのために“暴虐の三角”などのフレーズを使っている。
キューバに関する米国の政策は、これまで行われてきた金融制裁の継続に加え、ハバナの米国大使館からの外交官の撤去に焦点を当てている。米国がニカラグアにどのような計画を持っているかは今のところ不明だ。
ボルトン議長は30分間の演説でこう述べた。
ベネズエラが何百人もの政治犯を解放し、自由な選挙を認めない限り、米国は「腐敗したベネズエラ経済を支配するネットワークをターゲットにし、彼らが奪った富へのアクセスを拒否する。
3.米国のベネズエラ制裁は手詰まりになっている
ベネズエラに対する最近の動きは、具体的にはニコラ・マドゥロ大統領に対する動きである。それは9月に中米国家に課されたトランプ政権の制裁措置への追加措置である。
しかしそれはボルトンが信じるほど厳しいものではないし、ベネズエラ社会に大きな影響を与えるものでもない。
それは何らかの厳しい新制裁といったものではない。
もし厳しい新制裁というなら、それは石油禁輸措置とか旅行制限などになるはずだ。しかしそれらは明らかにされていない。
なぜか。それはアメリカの支配階級やビジネス界に本格的な石油輸出禁止令を受け入れる準備ができていないからだ。
アメリカ経済は依然として石油を始めとするベネズエラの産品に大きく依存している。
ボルトンが使用している言葉を見ると、制裁自体の実際の内容よりも、選挙運動で有権者に訴えようとしているようだ。

4.移民キャラバンをどう見るか
話は変わるが、貧困と暴力から逃れようとする移民キャラバンの問題がある。トランプ大統領は彼らを「侵略者」と呼んでいる。
このキャラバンはホンジュラスから米国とメキシコの国境へと移動している。留意すべきは、これらの大半は米国がこの地域に繰り返し介入した結果もたらされたことである。
木曜日にトランプは語った。
私たちは亡命制度の誤った乱用を終わらせる。そのための計画を確定する。
そして、移民キャラバンのメンバーによる暴力行為は軍事的に対応すると誓った。すなわち石が投げられれば銃で応えるということだ。
ボルトンの発言は、フロリダ州の選挙戦「戦場」でのものであり、トランプの反移民の立場に沿ったものだだということに留意する必要がある。
それは、すでにアメリカに拠点を置く移民に対して、さらなる人種的憎悪を煽る手段として働いている。

5.ラテンアメリカの民衆に対する“人種的憎しみ”
ホンジュラスの移民行進と、ニカラグア・ベネズエラ・キューバについての声明の間にははっきりとしたつながりがある。それは“人種的憎しみ”というつながりである。
これらの声明はボルトンとトランプがゲームを再評価し、新たな攻め口を準備していることを示唆する。
それは3つの政府、とりわけベネズエラを、病気や失業や医薬品の不足や、その他もろもろの口実で攻め立てようとするものだ。
そのことは、この間の選挙キャンペーンを通じて、明白な政治戦術として浮かび上がっている。

チャベス政府の経済・社会的成果
ベネズエラ経済の悪いところばかり取り上げられるが、チャベスが政権についたときのベネズエラの状況がどうだったのかを知ってもらいたい。プログラムの要旨に少し余裕があるというので書き込ませてもらった。
そして、チャベス政権の10年余りの間に、それらのパフォーマンスがいかに改善したかを知ってほしい。そのうえでここ数年間に途上国が負わされた経済的重荷をベネズエラも背負わざるを得なかったことに思いを致してほしい。
出所はすべて下記による
The Chávez Administration at 10 Years: The Economy and Social Indicators
February 2009
Center for Economic and Policy Research
ヨーロッパの中立的シンクタンクということである。

1 GDPは実質成長で2倍となった
現在の経済の拡大は、チャベス政権が2003年の第1四半期に国営石油会社の統制権を獲得したときに始まった 。それ以来、実質GDP(物価上昇補正後)はほぼ2倍となっている。すなわち5年余りで94.7パーセント、年間で13.5パーセント成長したことになる。
この経済成長を牽引したのは非石油セクターだった。また、民間部門は公共部門より速く成長した。

2 貧困率は半分以下に低下した
経済成長の成果は一般大衆にもたらされた。貧困率は54%から26%に、すなわち半分以下に低下した。極貧層の減少は72%に達し、さらに著明である。これらの貧困率は、医療や教育へのアクセスの増加は計算に入れられていない。
実質社会消費(Real social spending)は3倍以上に増加している。

3 失業率は低下し、社会格差も低下した
労働市場は著明に改善した。失業率は11%から8%に低下した。労働需要は拡大しており失業率は半分以下になっている。労働環境を示す他の指標でも相当の改善が示されている。
これに伴いジニ・インデックスも48%から41%に低下している。これは社会格差の著しい縮小を意味する。

4 教育・医療・社会福祉の改善
幼児死亡率はこの間に30%以上の減少を示している。特に医療へのアクセスの改善が特記される。公的機関におけるプライマリーケア医師は12倍に増えている。これまで医療を受けることのなかった何百万人もの民衆が医療を受けることが可能となった。これは多くのキューバ人医師の活躍によるものである。
社会保障の受益者の数は2倍以上になっている。
教育の分野でも顕著な前進があった。とくに高等教育の就学率は2倍以上になっている。

5 経済パフォーマンス
GDPが成長しているため、対外債務の対GDP比は半分以下となった。政府の対外累積債務も30%から14%まで低下した。
インフレ率は顕著に抑制されている。物価上昇率は31%で、10年前の水準に復帰した。これは一面では、世界的な通貨収縮の圧力によるものである。



「超インフレ」が非難されていますが、固定相場制でドルの流通が厳しく制限されていることを抑えて置かなければなりません。日本でもむかしは1ドル360円でした。今で言えば300%も割高でしたがそれで困ったことはありません。
為替相場といいますが、ドルの相場は本来存在しません。もしあるとすればそれはヤミ相場であり、IMFが為替価格のように語るのは失礼です。流通量が少なければ高値がつくのは当たり前。アムロの入場券に20万円のプレミアがついても市民生活とは無縁です。
大量の札束で買い物しているのは、高額紙幣を誰かが回収してしまったからです。これはデノミで解決します。通貨は一旦信用を回復すると狂気のように回り始めます。買い占めた人は相当被害を被っているでしょう。


札幌での講演会が4日後に迫りました。
もう一度、お知らせいたします。
当日は、エル・システマの少年交響楽団や、聴覚障害者による「白い手袋」のパフォーマンス、コロンえりか(大使夫人)さん、ベネズエラ音楽などのビデオ紹介も行います。
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Ⅰ.最近のベネズエラ

ここ2,3年のベネズエラ関連記事です。「もう一つのベネズエラ」の本体部分です。

A.2018年前半

2018年01月18日 ベネズエラ共産党の現状分析

2018年01月11日 2017年、ベネズエラ人民はどう闘ったのか ③

2018年01月10日 2017年、ベネズエラ人民はどう闘ったのか ②

2018年01月10日 2017年、ベネズエラ人民はどう闘ったのか ①

2018年01月05日 ベネズエラ記事の紹介

2018年01月05日  ベネズエラの「ある左翼」

B.2017年後半

①2017年12月25日 ベネズエラ:国連人権専門家の最新報告

②2017年12月25日 大統領選への道は開かれている。

③2017年12月25日 変動相場制が絶対ではない

④2017年12月24日 封鎖されつつあるベネズエラ

2017年12月24日 ベネズエラ ハイパーインフレの原因

2017年12月23日 ベネズエラ側の言い分

2017年12月23日 ベネズエラ経済分析はとりあえず保留 

2017年12月22日 ベネズエラのカトリック教会は恐ろしく下品

2017年12月21日 ニューズウィークのほうがまだマシ

2017年12月21日 ある進歩的な新聞の「反ベネズエラ」報道

C.2017年前半

2017年05月25日 ベネズエラ 野党の行動をどう見るか

2017年05月25日 ベネズエラ 野党の行動記録

2017年05月22日  ベネズエラ野党の大統領辞任要求に道理はない

2017年05月17日 カラカス情報 心得るべきこと

D.2014~2016年

2016年07月21日 ラテンアメリカ人民の闘い: この間の動向

2016年07月20日 ラテンアメリカの方向は人民の戦闘性により規定される

2016年07月23日 ベネズエラの政治危機

2015年12月18日 ベネズエラの選挙結果についての見解 

2015年12月17日 ベネズエラ国会選挙 第二報

2015年12月17日 ベネズエラ国会選挙 第一報

2015年02月04日 原油安 誰が敗者となるか

2014年12月26日 OPEC決定の画期性

2014年11月26日 ラテンアメリカ、最近の動き(2014) その2

2014年11月26日 ラテンアメリカ、最近の動き(2014) その1

2014年06月16日 ラテンアメリカ左翼政権一覧表


Ⅱ.チャベスのベネズエラ

1990年のカラカソ(首都カラカスでの暴動)から、チャベスのクーデター。98年のチャベス当選から、反チャベスのクーデター、ゼネストやリコール作戦の失敗、チャベス改革の開始までがふくまれます。

 

2013年03月12日 石油生産、いらぬ心配はご無用

2013年03月12日 WSJはチャベス革命の死を願う

2013年03月12日 チャベスの死と資本家の大はしゃぎ

2013年03月10日  チャベス革命の道筋 その3

2013年03月10日 チャベス革命の道筋 その2

2013年03月10日 チャベス革命の道筋 その1

2013年03月07日 チャベスに関する私の過去発言

2013年03月06日 チャベス、3つの功績

2013年02月22日 日本はマクロ指標が狂っている

2012年10月06日 ベネズエラ 最終盤の状況

2012年08月18日 チャベス政権の十年: 経済・社会指標の検討

2012年08月15日 ベネズエラ 世論調査の動向

2012年08月13日 赤旗「ベネズエラはいま」を読む

2012年08月13日 チャベスの対抗馬ラドンスキー

2012年08月12日 エコノミストはベネズエラを評価している

2012年08月11日 赤旗の「ベネズエラ特集」について

2012年05月25日 「これが世界だ」2012年版 その6 ラテンアメリカ: リーマンショックからの回復

2011年09月26日 南米を変えたこの十年 その5

2011年09月26日 南米を変えたこの十年 その4

2011年09月23日 ベネズエラ もう少し考えた

2011年09月22日 ベネズエラ経済: 立ち止まって考えた

2011年09月22日  ベネズエラ経済を、ふと考える

2011年05月11日 アメリカとベネズエラ、国民が感じる「幸福感」

今のところはっきりしたことは言えない。しかしホンジュラス難民の情報は気がかりである。
あまりにもタイミングがどんぴしゃりだ。
それに取り立てて今、ホンジュラスが人道的危機にあるとは言えない。厳密な意味での“難民”は存在していないとおもう。

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第一、こんな難民行列ありえない。こんな集団を米国が受け入れるわけがない。その前に、そもそもメキシコが国境を開放するなどというのも信じがたい。
トランプであろうとなかろうと、だれもこのような行動を支持するわけがない。これを信じてしまうメディアの素直さが信じられない。
メディアではニカラグアやベネズエラの人道危機を書き立てるが、ホンジュラスはそのような「反米」国家ではなく、紛れもない親米反共(…にさせられた)国家だ。なのに、このことにメディアが口を噤んでいるのも頷けない。

以下の動画はMatt Gaetz下院議員の10月17日付の投稿によるものだ。なんと221万回も再生されている。(これはYouTubeでも閲覧できます)
‏この議員が実在かどうかも知らないし、動画そのものの真偽も不明だ。(調べました。この人はフロリダ1区選出の下院議員です。共和党員で、"one of the most pro-gun members“ だそうです
gaetz
gun
Gaetz議員は、民主党系有力者のヤラセだと主張している。しかし状況は「むしろ彼のお仲間ではないか」と思わせる。推理小説ではないが「この報道の最大の受益者は誰か」ということだ。
左翼系のNPOという報道もあるが、ベルトにピストル刺してカネ配りする左翼はあまり見たことはない。
いくつかの人権団体がこのニュースに肯定的なコメントをしているのも気になる(たとえば国連難民高等弁務官事務所)
ただ紹介しておく価値はあると考える。メディアが現地謀略組織をふくめて、ことの真偽を明らかにしてくれることを(かすかに)期待する。

我々にとって、いちばん大事なポイントは、彼らはいつでも好きなところに難民の大群を作り上げることができるということだ。同じやり方で、ピストルとドルの札束で、“ベネズエラの人道危機”も作り上げることができるのだ。

ベネズエラの前国連大使が政府批判を始めたそうだ。
赤旗で大々的に取り上げている。
思い出すのは1984年のニカラグア、私がニカラグアを訪問していた間に、ニカラグアの国連大使クルースが辞任した。
その男はニカラグア革命が成功したときに、3人の最高指導者の一人だった。
彼は大使をやめて政府批判をはじめた。そしてレーガンが作った反革命ゲリラ「コントラ」の政治代表となった。
コントラが10年の内戦の間に7万人の国民を殺し、経済を荒廃させたのは記憶に新しい。あのときのニカラグアも5千%の超インフレだった。しかし多くの国民はそれでもサンディニスタを支持した。
だから20年後に、サンディニスタは選挙を通じて、平和的に政権を取り戻したのだ。

ところで、最近もテレビに筆坂という人物が出演してデマを撒き散らしているようだが、ベネズエラの新聞が彼の言い分を報道したら、礼儀上はあまりいい気分ではないだろう。

下記の記事は、先月9月20日に発表されたものであり、駐日ベネズエラ大使館の紹介を通じて入手したものである。筆者の責任で内容を要約してあるため、正確には原文をご参照願いたい(同大使館ホームページにて閲覧可能 20180920 PUNTOS INFORME EXPERTO ALFRED DE ZAYAS)

国連人権委員会  独立専門官・アルフレド・デ・サヤス
「ベネズエラにおける人権状況についての報告」  

1.ベネズエラに対する非人道的制裁

ベネズエラでは経済制裁により、経済危機が深刻化し、食料や医薬品の生産と分配を歪め、死者が発生し、大量の移民が生まれています。
またこのような状況のもとで、人権侵害も発生しています。
とくに2017年11月に、注文された抗マラリア薬の発送・供給をコロンビアが拒んだこと、国際社会がこれを容認したことは危機の深刻さを示しています。
(代替抗マラリア薬はインドから輸入され事なきを得ました)

2.その他の薬剤不足

米国、カナダ、EUはベネズエラに一方的制裁を課しています。その結果、インスリンや抗レトロウイルス薬といった薬剤の不足が直接的・間接的に深刻化しました。

3.新たな追加制裁の動き

米国はベネズエラを締め上げるために、新たな制裁の法令を考えています。そして準備を始めています。

4.一方的制裁が深刻な経済的影響をもたらしている

ベネズエラでは多くの失業が生まれ、その結果、隣国への移民が発生しています。
その主な理由は一方的制裁や金融封鎖にあること、それらが経済危機を深刻にしたためです。このことは十分な証拠を持って証明できます。

5.経済制裁はこれまでも行われてきた

このような一方的制裁は、チリのアジェンデ政権、ニカラグアのサンディニスタ政権などに対して行われてきました。
今回の制裁はそれらに匹敵するものになっています。

6.メディアは慎重でなければならない

メディアは不安を煽るようなキャンペーンを繰り返しています。それを通じて、ベネズエラには「人道危機」が存在するとの先入観が植え付けられています。

このような誇張表現には慎重でなければなリません。

なぜなら「人道危機」は、軍事介入の口実として不適切に使用され得る専門用語だからです。

7.ベネズエラ国民への国際的な連帯

ベネズエラにおける現在の物資不足を軽減するためには、自由な食料品・医薬品の流通が必要です。

そのためには国際的な連帯が必要です。それは人道的な連帯です。政治的なものである必要はありません。

8.ベネズエラ危機は人道危機ではない

ベネズエラは経済的危機にありますが、中東やアフリカ諸国とは異なり人道危機にあるわけではありません。

国連食糧農業機関(FAO)の報告では、世界37カ国で食糧危機が列挙されていますが、ベネズエラは含まれていません。

9.政府は頑張っているが、制裁が足を引っ張っている

ベネズエラ政府は重大な経済危機に立ち向かっています。

国際的な援助を求め、経済を多様化し、負債の再編を試みています。

しかし、一方的制裁はこれを妨げています。医薬品や種子の輸入を妨げるなど、状況を悪化させるのみです。

10.独立専門家サヤスの国連総会への勧告
 
国連総会の名において、キューバ決議とほぼ同様の意味付けで「ベネズエラ制裁は国際法及び人権法に反する」と宣言することを勧告します。



この半年間のベネズエラ関係記事

ペレイラ・キューバ大使の連帯挨拶(要旨)

ちょっと古い発言(17年10月「私たちは皆ベネズエラ-連帯の集い-」)だが、要点がはっきりしているので、学習会のレジメには使えると思う。
1.マスコミの報道について
マスコミの編集方針は大企業と支配層によって決められる。そのため、概して我々の諸国の政治的社会的現実を操作したり隠したりする傾向がある。

2.富裕層と米国が攻撃を仕掛けている
この間、進歩的政府が社会プログラムや富の再分配をおこなった。これによって富裕層の特権が脅かされた。
この勢力は、正規に樹立された政府を倒し、我々の国々を不安定化させ、内部危機を作り出そうとしている。

3.攻撃の実験場:ベネズエラ
その攻撃の主要な実験場となったのがベネズエラである。ニカラグアもまた、攻撃の的となっている。
キューバにも6月、経済・貿易・金融封鎖を強化することが決定された。

4.真実を知らせる必要がある
国際的な情報封鎖が打開されなければならない。
我々は今後とも引き続き、地域の出来事について真実を語り、知らせる必要がある。

エル・システマの国ベネズエラ なぜ“人権抑圧”と非難されるのか

ある新聞ではベネズエラは人権を抑圧し、表現の自由を認めず、医薬品も与えない。そのために多くの人々がいのちの危険にさらされ、国を逃げ出している…と書き立てています。
果たしてそうでしょうか。
私達は文章やデータでも、それらが根拠のないデマだと証明できます。
しかしそれより前に、私達はベネズエラの人たちの真心を示すことで、「そんなことはありえない」と証明することができます。

それがエル・システマの活動です。

これまでずっとベネズエラでは貧しい人たちは教育や医療、文化や芸術から遠ざけられきました。
20年前、「それは間違いだ。貧しい人たちにも文字や薬やバイオリンが必要なんだ」と叫んで大統領になった人がいます。それがチャベスという人です。

彼は石油のバルブを左に、民衆の側に開きました。こうしてエル・システマという音楽教育のシステムが花咲きました。
そして貧しい子どもたちによる世界的なオーケストラが出来上がりました。

お金持ちは、「そんなことはバラマキだ」といって民衆の側にたった政治、教育、医療をやめさせようとしました。そんなことをするから経済がおかしくなるのだと言うのです。
そしてお金持ちの意見を聞かない政治は民主主義ではないと批判し、暴力的な攻撃を繰り返しました。

考えてみてください。“お金持ちの意見を聞かない政治は民主主義ではない”のでしょうか。
それは逆でしょう。
お金持ちの意見を聞かない政治こそ民主主義でしょう。強いものに味方はいらない、弱いものにこそ政治は寄り添わなくてはいけないのです。

あなたはエル・システマを支持しますか? そして「そんなことはバラマキだ」という意見をきっぱりと拒否できますか?

ぜひそうしてください。私達はお金持ちがお金持ちであることに別にこだわりませんが、貧しい人が惨めであることは許せません。なぜなら私達がお金持ちになる確率は1億分の1ですが、貧乏になる確率はいつも2分の1だからです。



1975年 経済学者で音楽家のホセ・アントニオ・アブレウが「音楽の社会運動」をはじめた。
最初の活動はカラカス市街の地下駐車場スペースに集まり共にアンサンブルを演奏することだった。
その時に運動を支えるボランティア・システムとして、エル・システマが創設された。

「音楽の社会運動」というのは、平ったく言えば「音楽で子どもたちを貧困と犯罪から救う」こと、そのために「エル・システマを暴力から隔絶されたサンクチュアリーにする」ことである。
アブレウの考え: 音楽は最も高度な価値、連帯、調和、相互の思いやりと言ったものをもたらす。それは全共同体を統一させる能力と、崇高な感情を表現する能力を持つ。
だから音楽は、社会の発展の要因として認識されなければならない。
1979年 日本人ヴァイオリニスト小林武史がスズキ・メソードに基づいて指導を開始する。
現在は国家が支援する財団であり、正式名称は「ベネズエラの児童及び青少年オーケストラの国民的システムのための国家財団」と呼ばれる。
200のユース・オーケストラと、それらに演奏技術を身につけされる器楽練習プログラムを担っている。
過去 30 年で100 万人の子供たちが活動に加わった。いまも30万人の子どもたちが練習に参加しているが、その70%は貧困層の出身である。
2007年 チャベス大統領は参加者を100万人に増やすプログラム「音楽の使命(Misión Música)」を発表した。
彼はエル・システマを監督するのではなく、貧困層への補助とサービスの拡大と並行させるようにした。
2007年 米州開発銀行(IDB)はベネズエラの音楽教育システムを経済的に評価した。
エル・システマが教育してきた200万人以上の若者の調査を実施し、学校での落ちこぼれと犯罪による経済的損失とを秤にかけた。
エル・システマへの投資は、1ドルあたり1.68ドルも社会に還元されているという結果が導き出された。
エル・システマの成功は世界に広がり、60以上の国・地域で音楽による地域青少年活動が取り組まれている。

シモン・ボリバル・オーケストラ
話はやや複雑である。
最初に作られた選抜メンバーによるオーケストラは「国立青少年オーケストラ」である。
しかしここを卒業した音楽家が成長してきたとき、「シモン・ボリバル・オーケストラ」が結成された。これは現在も活動しているが、最近になって国立青少年オーケストラから移った年少のメンバーが、もう一つのオーケストラを結成した。
このために、従来からのシニアオーケストラは「シモン・ボリバルA」と呼ばれるようになり、ジュニアのほうが「シモン・ボリバルB」と呼ばれるようになった。
つまり125のユース・オーケストラの上に、全国規模の選抜オーケストラが、3つあるのである。
2007年に世界ツアーをおこない、センセーショナルな歓迎を受けたのは「シモン・ボリバルB」である。

追加 ちょっと嫌なこと
オーケストラの指揮者だったドゥダメルがベネズエラ国籍を捨てスペイン人女性と結婚したと言う。人間誰でも豊かになりたいし、その権利はある。
彼はエル・システマを擁護することで国際メディアの十字砲火を浴びていた。そのことは十分同情に値する。しかし貧しい人たちを足蹴にする権利はないだろうと思う。
とにかく世の中ひっくり返っている。


対中制裁もイランやトルコの制裁もベネズエラ制裁も根は一つだ。
アメリカの野蛮な世界制覇の試みに対して、断固として反対しなければならない。
アメリカが新興国をやっつけるときに「民主主義」を持ち出すのは常套手段だ。
しかしアメリカは決して民主的な国ではない。
平等の国でもないし、平和の国でもないし、寛容な国でもないし、進歩的な国でもない。
さらにあえて言うなら、知性的な国でもない。

世界の人々にとって、アメリカの一国主義こそが最も主要な危険になっている。アメリカの一国主義を許さなず、多国間主義にもとづき、正義の共同・統一を目指すことが、最も差し迫った課題となっている。

自由と平等、平和と民主主義、格差の解消という目標に向けて何が必要かを考えよう。その観点からさまざまな国の政策や姿勢を判断しよう。
メディアがある国の「民主主義」について度外れのキャンペーンを始めたとき、その背景に何があるかを冷静に考えることが必要だ。我々はそれで何度も痛い目にあってきた。
ルムンバ、キューバ、ベトコン、ジャカルタ、チリ、コントラ…
アメリカの仕掛けた「民主主義」キャンペーンに、決して踊らされるな!
最小抵抗線で逃げようとするな。正義と真実、民族自決の精神にもとづいて連帯しよう。
これが、現在最も大事な視点である。

最近のニューヨークタイムスに、トランプ政権がベネズエラのクーデター計画に関わっているという記事が掲載されました。
新藤さんのブログで読めますが、機械翻訳のせいかかなり読みにくいようです。
こちらは 9月10日の「TeleSur」の記事です。

これが見出し
ベネズエラ、ニューヨークタイムズ報道を受け米国のクーデター陰謀を非難
これがリードです
ニューヨークタイムズ(以下NYT)の報道によると、米国の当局者はベネズエラのクーデター陰謀者と1年以上にわたり会っている。

ここからが本文です。

NYTは、「米国政府のメンバーが、2017年中頃からベネズエラ軍将校と会合を持っている。これらの軍将校は民主的に選出されたニコラス・マドゥーロ大統領を追放しようと活発に動いている」と報道した。
NYTのロンドーニョとケーシーによれば、陰謀は1年前、2017年8月に始まった。それはトランプが「米国にはベネズエラに対し軍事オプションが有る」と宣言した後に始まった。
それは「クーデターを狙うベネズエラ軍将校たちを励まし、ワシントンと手を結ぶよう促す」ものであった。
米国の当局者との最初の会合で、ベネズエラ側参加者の1人は「マドゥロ政権を打倒するためにベネズエラ軍のグループを説得できる」と伝えた。

報道された内容の多くは、ベネズエラ政府がこれまで繰り返し警告してきたことの確認である。
すなわち、軍事行動に「政治的野党」の活動と米国の関与を統合したマドゥロ政府に対する包括的行動計画である。
米国は一人の職業外交官を指名し会談に出席させた。この外交官は彼らの話を聞き、それについて報告している。
米国の高官は匿名を条件にNYT記者に話した。
  トランプ政権は当初、ベテランのCIA職員、フアン・クルスを派遣することを検討した。 後で「CIAではなく職業外交官を送るのが賢明だろう」と決めた。
 NY Timesの記事は次のように述べている
"2017年の秋の米政府内報告では、「ベネズエラ人は詳細な政打倒計画を持っていないようだ」と報告されている。
彼らはアメリカ人が指導やアイデアを提供してくれることを期待していた。 軍関係者は「暗号化された無線機」を米国に提供するよう頼んだ。その理由として、「選挙実施までの間の暫定政府を設置する計画を策定したので、安全なコミュニケーションの手段を必要としている」と述べた。

ところで、
NYTは「米国の関係者は物質的支援を行っていない」と書いているが、実際には軍事援助も行っていると思われる。
8月4日、国軍81周年記念式典でC4を積んだ2機のドローンが、マドゥロ大統領、いくつかの他の政府関係者、およびゲストを暗殺しようとして爆発した。 その後の一掃作戦の結果、計画の全体像が発覚した。
それは数十人の陰謀参加者の逮捕につながった。 野党のフリオ・ボルヘス議員とオスワルド・ガルシア退役大佐を含む40人以上がこの攻撃に関連している。
これらの装備は高度な準備と能力を要求するもので、大きな軍事組織の存在なしには実行し得ないものであった。
米軍とベネズエラ軍内の関係者がマドゥロを転覆させるために関係結んでいるかどうかは今のところ不明である。 ベネズエラ政府のアレアサ外相は、NYTの報道にもとづき、干渉を続け、軍事的な政府転覆の陰謀を支持する米国をあらためて非難した。



トランプ政権がベネズエラのクーデターを企て、国内のクーデター派を組織しているとのニューヨーク・タイムズの報道は、日本国内でもかなりの反響を呼んでいるようです。

あの「産経ニュース」でさえ、取り上げています。ただみな共同通信の配信なのでそれだけです。


ニューヨーク・タイムズは、トランプ政権当局者が昨年秋から、ベネズエラの反米政権を転覆するクーデターを計画していた軍不満分子の将校らと、数回の秘密会合を持っていたと報じた。

複数の米政府高官と元ベネズエラ軍将校によると、ベネズエラ軍内のクーデター勢力は数百人。
トランプ政権側は「話を聞くだけ聞こう」と考え、複数回極秘に将校らと面会した。しかし、クーデターの具体的な計画はないようだった。

AFPはもう少し率直に書いている。しかし日本AFP以外は無視。

ニューヨーク・タイムズは以下のように報じた。
元ベネズエラ国軍司令官とトランプ政権の当局者が、マドゥロ大統領に対するクーデター計画について秘密裡に協議した。最終的に米国は支援を行わないことになった。
補足報道として、
① 17年8月には、トランプ大統領が米国によるベネズエラ進攻の可能性について側近に尋ねた。
② トランプは、ベネズエラの混乱の収拾のためには「軍事的選択肢」も排除しないと公言している。
というコメントを付加している。


この文章は、下記の文章を私なりに解説したものです。
Mar 15th 2018 ベネズエラ・アナリシス
ベネズエラの「亡命」についての誤解と歪曲

Fallacies and Inaccuracies About Venezuelan Migration

ベネズエラのいわゆる「亡命」について多くの見解がぶつかりあっている。
誰を信じるべきだろうか?


というのですが、日本においてはぶつかりあうどころか一方的に反ベネズエラ情報が垂れ流されています。この文章も蟷螂の斧にすぎませんが、出しておく価値はあるでしょう。

はじめに
この1年あまり、ベネズエラの危機に関する物語がますます強烈に印象付けられている。
最初は警察による野蛮なデモ隊弾圧で多くの死者が出て、ベネズエラが内戦状態に陥っていると報道された。ついでマドゥーロ政権が反民主的な言論弾圧を行い、国内は戒厳令状態に陥っているとされた。そして医薬品がなくなってインシュリンも打てなくなり医療が崩壊していると報道された。その後は、5万%にも上る超インフレで、人々の生活は崩壊していると報道された。最近では難民が大量発生し近隣諸国は大混乱に陥っていると報道されている。
我が国の報道機関は左右を問わずこれらの報道を無批判に受け入れ垂れ流している。しかしこれらがすべて真実であるなら、ベネズエラという国家はとうの昔に消失していなくてはならないだろう。
そろそろこれらの国際報道に疑いの目を向け、常識を働かせて判断すべきときに来ているのではないだろうか。とくに世界のメディアは2002年反チャベスのクーデターに際して、白を黒と言いふくめる重大な間違いを犯している。そのことの反省を忘れないでいただきたいと思う。

「難民」に関するいくつかの信じられない数字
国際メディアの主流と世界的機構によると、200万人以上のベネズエラ人が故国を離れたという。
率直に言えば、まず数字そのものが信じられない。
国連難民委員会の発表(2017)では以下の国が御三家である。
シリア:550万人
アフガニスタン:250万人
南スーダン:140万人
これだとベネズエラは一気に堂々の銅メダルということになる。普通の報道関係者なら、内戦国でもないところで、しかも突然に説明不可能な難民が出現したというのなら、まず情報源を疑うべきであろう。
この200万人という数字は、「ベネズエラ亡命者観測機構」というNGOが提出した報告にもとづいている。ベネズエラはいかなる周囲国とも正常な国交を維持している。したがってこれが出入国管理当局の数字ではないことに十分留意すべきである。
反チャベスの新聞「タル・クアル」は、2017年11月17日から12月4日までのあいだに409万人のベネズエラ人が出国したと報道している。それは“Consultores 21”が組織した2千人のスタッフの調査に基づいているという。
同紙によれば、ベネズエラの家族のうち3割で、少なくとも誰か1人、平均すれば1.97人が国境を越えて生活しているという。
ここまで書きたてると、流石に欧米メディアも手を出さなくなるようだ。ただこの報道から明らかなことは、「亡命」が一種のキャンペーンとして計画的に行われているということだ。

コロンビへの亡命という矛盾
米南部軍司令部のカルト提督は、米上院軍事委員会でベネズエラの亡命の動きについて証言した。証言によると、コロンビアへのベネズエラ移民は50万人に達した。さらにブラジルに40,000人、エクアドルに93,000人が向かっていると述べた。
しかしコロンビアの上げている数字はこれよりはるかに低い。
コロンビア外務省と国際移住機関(IOM)が発表した報告によると、コロンビアとの国境を越えた人の69%は、日常的に国境地域を往来する地域住民、労働者、研究者であった。
残り30%のうち23%は、数ヶ月間コロンビアにとどまる予定と申告、ベネズエラを恒久的に離れるとした人はわずか5%に過ぎなかった。
コロンビアの統計によれば、153,443人のベネズエラ人が法的に許可された滞在を超え、ビザなしで滞在している。彼らは「不法移民」ということになる。社会保障制度の裏付けなしに雇用され、搾取される可能性がある。
この他に合法的に移住手続きを行った人が47,305人いる。あわせて約20万人がベネズエラを離れ、コロンビアに移ったことになる。
これは決して少ない数ではない。
しかし少し長い目で見ると、これはきわめて奇妙な現象であることが分かる。
第一にコロンビアこそ世界有数の難民国である。先ほどの国連難民局の統計でそれより1年前の数字を見ると、2016年末時点でコロンビアでは730万人が難民登録されている。これは世界最多である。これに続くのがシリア(630万人)、スーダン(330万人)、イラク(300万人)、コンゴ民主共和国(220万人)である。銅メダルどころか国歌付きの金メダルなのだ。
和平が実現した後、この難民数は大幅に減少し圏外へと去るのだが、このような国に避難するいわれなどない。
第二に、過去においてコロンビア人の避難先は圧倒的にベネズエラだったのである。国連の難民局の公式発表では、ベネズエラ在住のコロンビア難民数は172,000人に達している。難民だけでなく経済移民や出稼ぎをあわせ、ベネズエラのコロンビア人は約100万人を数える。
ベネズエラは豊かで雇用(下働き)があるからだ。そのかわり、コロンビア人はベネズエラにおいて差別と偏見の対象となってきた。
ベネズエラ人の生活が苦しくなったとき、そのしわ寄せをまっさきに受けるのはコロンビア人のはずだ。おそらく大量にコロンビアに脱出しているのはこういう人々ではないだろうか。

以下は「思想運動」からの引用
ベネズエラ国内には隣国コロンビアからこの20年間に600万人の人びとがベネズエラの出生を差別しない社会保障を求め移住している。
また、コロンビアの法律では国外で生まれたコロンビア人の子どもは自分の意志を法的に宣言すればすぐにコロンビア人として認められる権利を持っている。
コロンビア・ベネズエラ国境を越える人びとの70%はこのコロンビア人のベネズエラ生まれの子どもたちで、残り30%の大半がベネズエラ居住のコロンビア人である。また、その人たちの大半が富裕層に属している

出る人も入る人もいるが…
マイアミのメディアは「150万人以上のベネズエラ人が国外居住しているが、その90%はこの16年間に祖国を去った」と報道する。
下の図は国連の人口統計である。ベネスエラ生まれで外国居住の流出者と、外国生まれでベネズエラ居住の流入者を対照したものだ。
nanmin
イミグレは入国者、エミグレは出国者である。ともに累計である。ざっと倍以上の入超である。
これがまず1つ、もう一つは出国者は16年間の累計で65万人。国外居住者が150万人とすれば43%にすぎない。
国連のデータによれば、このように移入が一貫して移出よりも高くなっている。ただしCIAの発表した世界ファクトブックは異なる状況を示している。「世界各国の移民率」の表では、ベネズエラはー1.2パーミリとなっている。これは僅かな出国過剰を表している。
国連のデータが嘘で、CIAのデータが真実を述べているというのではなく、統計のとり方によるのだろう。
ではこのCIAのランキングををラテンアメリカの他の国と比較してみよう。リマ・グループ諸国(親米諸国)の12カ国のうち9カ国で、ベネズエラと同じマイナスの移民率となっている。
例えばメキシコがー1.80、グアテマラ ー1.90、ペルー  ー2.20などである。

たしかに多くの出国者がおり、その背後に経済困難がある
この間に少なからぬ人が経済困難を理由に国外へ逃避した。その経済困難はどのようにしてもたらされたのか。
その経済困難は封鎖によって強化された、ベネズエラの財政的包囲によって引き起こされた。 その経済封鎖と財政的包囲はトランプ政権が実行し、コロンビア、ペルー、ブラジル、アルゼンチンの大統領が支援しているものだ。
そして国外脱出そのものは、前国会議長のJulio Borgesが煽っているキャンペーンが影響している。先にも述べたとおりである。


いま、トルコとベネズエラは世界中で経済危機がスポットライトを浴びる東西の両横綱である。
さまざまな経済指標の中でもとりわけ通貨安が先行しているところに特徴がある。
しかも、アメリカ=トランプ政権による強引な干渉がその引き金になっているところにも共通点がある。金融グローバリゼーションはいまや為替操作という強力な武器を手に入れたことで無敵となりつつある。その国際金融資本の身勝手な投機が途上国を苦しめているという構図も同じである。
さらに言うなら、そのような攻撃をかけるときの口実が民主主義と人権であることも共通している。
その口実は、弱小国を弄ぶための囃子詞として使われる一方、世界の富を独占し99%の人から搾り取る不正には目をつぶる。プーチンのウクライナ侵略にも目をつむる。そういう大変身勝手な「ルール」の上に成り立っている。
読者の皆さんにはぜひ、この大前提に立って物事を見てほしい。
そのうえで、トルコとベネズエラの違いについても理解する必要がある。
ベネズエラでは通貨ボリーバルが大暴落している。しかし、その原因は政府が外貨を放出しないからである。外貨がないわけではない。トルコは経済が発展し離陸段階に入っている。こういう国では原材料やノウハウ・設備を買うために外貨がいくらでもほしい。だから常にインフレ傾向は必然である。
ベネズエラはそこまで行っていないから、石油を売ったお金で、その範囲で生活するだけだ。だからそれほど深刻な外貨不足ではない。石油価格が半分になったら生活を半分にすればよいだけの話だ。だから本来インフレは発生のしようがないのだ。
今までの生活を続けようと思ったら、仮に生活用品の100%を輸入してたとして、物価は2倍になるだろう。それだけだ。それが1万%に物価が跳ね上がるのはドルの国内流通量があまりにも少ないのでとんでもないプレミアが付いてしまうのだ。
国内の流通量が少ないのは政府が市場へのドル流出を妨害しているからだ。いわばドル鎖国をしていることになる。では政府は石油を売った富をどのように国民に還元するか。物とサービスの直接提供だ。つまり配給制度だ。
配給なんで日本でもつい先日まであったのだ。私が昭和40年に札幌に来たとき、母親が私に「お米の通帳」を渡した。「そんな物いらねえよ」と放置しておいたのだが、実はそれが住民票だったのだ。それを市役所に出さなかったばかりに、私は幽霊市民になっていた。選挙になっても投票権が来ないので、いろいろ調べているうちに、やっと配給手帳が住民票と同じだったのだということがわかった。
こういう分配システムのもとではどうなるか。政府の指示通りに働き暮らす限りにおいてはまったく不自由はないのだ。国内通貨は国内では普通に通用する。
別に不思議じゃないでしょう、
ドルが高すぎると言うが、団塊世代以上の人にとっては。あのとき1ドル360円だったのだが、それで困った記憶はありますか?
サザンのコンサートのチケットが50万円になっても別に困ることはない。ただ悪徳ダフ屋は取り締まるべきだろう。コンサート・チケットがドル札になったと思えば良い。ベネズエラのドル市場というのは完全に闇市場だから、闇ドルを禁止し摘発するのに躊躇することはないのである。
IMFが先頭に立って1万%とかいうのもどうかと思う。それは結局ドル換算で見た通貨価値の低下率の逆数である。しかも公定為替相場ではなく、素人が手を出さない闇相場を基準にしている。だから物価が上がってもデノミをすればそれで済むだけの話だ。

ただし経済制裁後は話は違ってきている。ドルがあっても物が買えない、売ってくれないという状況が出てきているからだ。つまりこの1年間におけるベネズエラのハイパーインフレは、経済問題ではなく、優れて政治問題なのだ。

もちろん固定相場制をいつまでも続けるということが、市場原理による資本の再配分、経済の自律的成長の確保に障害となることは間違いない。対立的な政治状況が長引く中で、このような恣意の入り込みやすい経済運営を続ければ、内部腐敗を招く危険は率直に言って高い。

個人的な感想としては、2008年の憲法改正のときがチャンスだったし、それが失敗した時にもっと率直に反省すべきだったと思う。マクロにばかり目を向けたチャベスの責任だ。
妥協というのは上り坂のときにこそできるのであって、マドゥーロに今それをやれというのはかなりきつい。しかしどこかでやらないと、必ずどこかでやられると思う。

“Turn on” は歯向かうこと

今朝、BS ワールドニュースを見ていてわからない言葉に出会った。
英語を翻訳していると、良くこの手の表現に出くわす。これを真面目に辞書で検索するか否かで翻訳文の出来栄えは俄然変わってくる。
以前、医学書を翻訳して医学書院から出してもらったことがある。その時は「こなれた良い訳だ」とほめられた。
それは半分はあたっているかも知れない。
日本語としてこなれた文章にするには、日本語の能力が問われる。
しかし、本当はその前に、ちょっとした言葉でもしっかりと訳語をパッチすることが大事なのだ。
これをやると翻訳の時間は3倍かかる。しかしこれをやっていくうちに、ネーティブの人よりよく読めるようになることは間違いない。しかし困ったことに、読むスピードはむしろ落ちていくのである。

話が横道に入った。
元の表現は
Turning on Donald Trump?
というので、グーグルの翻訳エンジンでは「オンにする」としかでてこない。
こういうときは、「辞書で探せ」と言っているのと同じだから、辞書で検索するしかない。
といっても、便利なもので、いまでは“turn on”と入れてグーグル辞書を見ればよいだけだ。
turn on
「他9件の翻訳」を左クリックすると候補が出てくる。
9件の候補のうち最後の方に
歯向かう
oppose, bite back, defy, turn on, rise against, strike at
というのが出てくる。
なぜか?
それは書いてない。それを調べ始めたら翻訳の仕事は20分は止まってしまう。

「歯向かう」に相当する英語に、“bite back”というのがあったのには笑った。「あるんだ!」ね。

It is not often that Fox News criticizes President Trump, but the network’s primetime hosts have now criticized Trump twice

というニュース。「歯向かう」を知らないと、どうしようもない。

以下の年表は北大大学院法学科の馬場香織さんの論文(メキシコの麻薬紛争に関する予備的考察)から作成したものである。この論文は「なぜ」という側面に迫ったものであるが、かなり話が難しいのでとりあえず端折らせてもらった。興味ある方は当該ページに当たられたい。

1960 年代 ヒッピー・ムーヴメントに乗って米国で麻薬の需要が急速に拡大。これにともないメキシコの麻薬生産も飛躍的に拡大する。

1976年 政府、米麻薬取締局(DEA)の協力を得て「コンドル作戦」を開始する。シナロア州を中心に徹底的な攻撃を加える。

1978 年 コンドル作戦が収束。グアダラハラに潜伏していたギャングが麻薬密輸を再開。

1980 年代 米政府、コロンビアからカリブ海を経てフロリダに至る密輸ルートを壊滅に追い込む。これに代わり、メキシコを経由するルートが主流となる。

1990 年代 コロンビアのカルテルが衰退。メキシコのカルテルがコカインを含む麻薬密輸の中心となる。グアダラハラを拠点としたカルテルと、メキシコ湾を拠点とするカルテルが勢力を伸ばす。

2000 年 大統領選。国民行動党(PAN)が勝利して政権交代が実現。民主化が達成される。

1990 年代 グアダラハラ系のカルテルは、フアレス・カルテル、シナロア・カルテル、ティフアナ・カルテルの3つに分裂する。

1995 年 メキシコで経済・金融危機。失業者の増加は、子分の調達を容易にする。

1996 年 ガルフ・カルテルのリーダーにオシエル・カルデナスが就く。シナロア・カルテルに対抗するため、対諜報活動に精通したメキシコ軍の精鋭メンバーを集め、超強力部隊「セタス」を創設する。

2003 年 ガルフ・カルテルのオシエル・カルデナスが逮捕される。これをチャンスとみたシナロア・カルテルが攻勢。これにセタスが応える。

2006 年 ミチョアカン州でミレニオ・カルテルに代わりファミリア・ミチョアカーナが台頭。住民に対する一定の支援を行う。

2006年 セタスの活躍を見た各カルテルが兵士のリクルートを活発化。6年間で5 万 6000 人が軍務を離脱。

2006 年末 カルデロン PAN 政権が発足。「対麻薬戦争」を宣言。

2007 年 セタスとシナロア・カルテルが休戦協定を結ぶ。

2009 年 フアレスを舞台にシナロア組織の内紛が激化。フアレスは世界でもっとも殺人率の高い街となる。

2011年 セタスはメキシコ湾カルテルから自立。メキシコ各地に支部を拡げる。カルテル間抗争は三つ巴となり、年間死者数が1万6千人を超える。

2011年 ミチョアカンでファミリア・ミチョアカーナが壊滅。住民への暴力を事とする「テンプル騎士団」が勢力を伸ばす。



ベネズエラ革命は勝利できるだろうか


これは今から10年前に書いた記事です。タンスを引っ掻き回していたら出てきました。
あの頃、まだチャベスは健在で、ベネズエラ革命は不抜のように見えました。しかしアメリカは諦めてはいなかった…その事がよく分かる記事です。



いまベネズエラ革命は、数々の困難を乗り越えて大きく前進しつつあります。しかしそれが長期に見て勝利を収めうるのかどうかは、依然として不透明です。

革命そのものが抱える困難は、おおきく言って外部的な困難と内部的な困難に分けられます。このうち内部的な問題については専門的になるし、意見も分かれるところがありますので、ここでは簡単に触れるにとどめます。

言うまでもなく外部的な困難のうち最大のものはアメリカとの関係にあります。というより、ベネズエラ革命が抱える困難の圧倒的な部分は米国の干渉がもたらしたものです。

チャベス下ろしの策動は、これまで大きなものだけでも、すでに3回も実行されました。1回目は2002年4月の失敗したクーデターです。2回目は同じ2002年の12月に始まり、2ヶ月にわたって続いた「ゼネスト」です。そして3回目が2004年8月に行なわれたチャベス解任を求めるリコール投票です。それらのもくろみは、そのたびに失敗してきました。

 

米国はベネズエラをあきらめていない

①ベネズエラ政府転覆の秘密作戦

昨年、調査ジャーナリストのエバ・ゴリンジャーは、情報公開法(FOIA)を通じて最高機密のCIA文書を入手しました。2002年4月のクーデターの2日前のものでした。それはCIAのクーデターへの関わりを証明し、複雑な経路をとった資金援助を明らかにしています。

これによると、クーデター組織への援助は2001年から始まっています。秘密資金は、米国議会の全額拠出する準政府機関の「国家民主主義振興会」(NED)および米国国際開発局(USAID)を通じて行なわれました。

これらの機関の資金は、最終的にチャベス反対派に流れました。それは暴力的な街頭抗議行動の準備・組織に用いられ、クーデター当日の大デモへとつながっていきました。さらに2002年末から翌年初めにかけての石油公社のストライキや、2004年8月のチャベスに対するリコール投票にも用いられました。

ゴリンジャーが入手した文書は、米国国務省、国家安全保障局、そしてホワイトハウスがこれら三つの陰謀を全面的に掌握し、それを是認していたことを、一点の曇りもなく明らかにしています。

②三つの政府打倒計画

2002年4月のクーデターについては私の別著「ベネズエラ…何が起きたのか?」をご参照ください。このときは企業連合が、武力挑発の後「虐殺事件」をデッチあげ、これに連動して軍の反チャベス派がクーデターを起こし、チャベスを逮捕・拘留しました。

しかし市民の反撃にあい、権力が維持できなくなり「新政府」はわずか2日間で崩壊してしまったのです。

二回目の計画は、企業が営業をストップさせ、これと連動して国営石油の操業を停止させる作戦でした。反政府派の労働組合が音頭をとり、表面的にはストライキのように見えますが、実体はアメリカの意を受けた生産サボタージュです。

30年前のチリではトラック運送業や、商店主の波状的なサボタージュがアジェンデ大統領と民主連合政府を痛みつけ、クーデターへとつながっていきました。しかしベネズエラでは軍と政府が石油生産を管理し、銀行などの敵対行為に対しては外国為替の取引を停止するという強硬手段で、押さえ込むことに成功しました。

政府は石油生産と金融機能を抑え、流通機構の統制にも乗り出しました。それがメルカル計画です。これらの措置により反チャベス派企業や労組の力は大幅にダウンしてしまいました。

三つ目の計画は大統領リコール投票です。これは大統領のリコール権を認めた新憲法を逆手にとって、チャベスを追い落とそうという、一見合法的な闘争形態をとりました。

しかし、それはリコール投票をキャンペーンの手段として利用することに目的がありました。反政府派はリコール要求署名を集め、それが法定数に達したとしてリコール投票の実施を求めました。ところが選挙管理委員会で署名をチェックすると、不正な署名が圧倒的に多く、そもそもリコール投票の実施に必要な要件を満たしていないことが明らかになりました。

選挙管理委員会が中間報告の形でそのことを明らかにすると、反政府派は政府と選管の違法な独裁を糾弾し、カラカスを中心に大規模な暴動を引き起こしたのです。この暴動で多くの人が犠牲になり、国際世論はチャベスを批判するようになりました。ここまではメディアを使った反政府キャンペーンが一定の成功を収めたといえます。

政府は、カーター元大統領や米州機構の調停を受け入れ、リコール投票の実施を受け入れることになります。

しかし、その裏にはこの国民投票に勝てるという、チャベスの絶対的な自信がありました。そして結果はそのとおりになりました。

③その後の政府打倒計画

これまで何回かの米国によるチャベス政権転覆策動はことごとく失敗してきました。かといって米国が手をこまねいているわけではありません。むしろ追い詰められれば追い詰められるほど、その凶暴さをむき出しにしてきているといえます。

 

ウーゴ・チャベスは、米国が彼の暗殺計画をもっていると確信しています。彼は、正しいかもしれません。

ニューヨーク州ビンガンプトン大学の名誉教授でラテンアメリカの専門家であるジェームズ・ペトラスは、以下のように述べています。

「米国はチャベスとカストロを軍事的に打倒する戦略を持っている。それは二段階に分かれている。まずチャベス政権を倒す。そしてキューバへのエネルギー供給をとめる。それから経済的締め付けを強め、最後に軍による攻撃へと進む。

チャベスを倒すために 、米国は「三角形の戦略」を使用するだろう。まずコロンビアから反革命軍部隊が侵入する。米国は空と海からベネズエラを攻撃し、さらに特殊部隊が政府幹部を暗殺するなど破壊工作を行なう。そして国内においては、潜入したテロリストと軍内の反チャベス派により反乱を引き起こす。これらの作戦はメディア、銀行界、石油会社幹部によって支持されるだろう。

これに先立ち、米国はコロンビアに軍事援助30億ドルを提供する。おそらく「麻薬戦争」のためという名目がつけられるだろう。この援助によりコロンビア軍の規模は現在の3倍以上、27万人に達するだろう。そして、新しいヘリコプターや爆撃機を加え、「先進的な軍事技術」を獲得するだろう」

②反チャベス宣伝の強化

クーデター、石油スト、リコール投票の全期間を通じて、米国は反チャベス・レトリックを強めました。それは、米国の民衆に、チャベスの除去を何か良い変化が起こったかのように受容させようとするものでした。

そのときと同じレトリックが、次のチャベス追放計画のときにも、それに先立って展開されるでしょう。実際、それはすでに始まっているともいえます。

2005年の初め、CIA長官ポーター・ゴスが上院情報委員会で証言しました。その中でゴスはベネズエラに言及し、「潜在的な不安定地域」であり「発火点」だと表現しました。彼はまた、ウーゴ・チャベスが「合法的な戦術を用いて彼の権力を強化し、敵対者を攻撃し、他の地域に干渉しようとしている」と非難しました。

他にも米政府当局者は、チャベスを「地域への否定的な力」であり、「新しい種類の権威主義である」と攻撃しています。そしていささかのためらいもなく、ベネズエラ政府を「権威主義的民主主義」、「民主主義に対する脅威」、「選ばれた独裁」と呼んでいます(何たる形容矛盾!)。

常に自発的で恥知らずな共謀者である米国メディアは、これらの反チャベス感情を増幅し続けています。それらのキャンペーンは米国の国益に対する脅威としてチャベスを描き出しています。

このタイプのレトリックが新しい年を迎えても続き、強化されるならば、それは何かが起きている鮮明な兆候であるかもしれません。



長年フォローしていると、明らかなのは「理由は後からついてくる」ということです。人権だろうと民主主義であろうと対外債務であろうと経済危機であろうと、とにかく理由はつけられるのです。問題はメディアがそれをあたかも真実のように報道することです。



ベネズエラのドローン・テロについて
いつもの通り、新藤ニュースのつまみ食いです。
「マドゥーロ大統領殺害未遂テロ事件とその背景」 8月6日

1.事件の概要
8月4日、カラカスで、国家警察創立81周年記念集会が執り行われた。 マドゥーロ大統領が演説中に、爆薬をしかけたドローンが飛来し爆発した。
ドローンの爆発により、国家警察の隊員7名が軽傷を負ったが、大統領に怪我はなかった。
大統領は演説を続け、「犯行の狙いはベネズエラ国民を分裂させることにある。行動は米国のフロリダにいる過激派集団に支持されている」と述べた。
キューバ、ボリビア、ニカラグア、エルサルバドルの元首は、直ちにこの無法なテロ行為を厳しく糾弾した。同時にベネズエラとの連帯、マドゥーロ大統領への支持を表明した。

2.事件の背景
この卑劣なテロ行為は、ベネズエラの反政府派が手詰まり状態に陥っていることが背景となっている。
反政府派は、昨年10月の一斉地方選挙、6月の大統領選挙で相次いで敗北し、最近の世論調査でも支持を激減させている。
トランプ政権の経済制裁と、マドゥーロ政権への執拗な攻撃もむしろ国民の反感を強めている。 野党連合から脱退する政党も続出している。「経済再建のために対決から対話に移るべきだ」との声も上がっている。
7月末の「Hinterlace世論調査」では野党連合(MUD)の支持率は8%にまで落ち込んでいる。

3.経済困難の打開のために
7月末、IMFはベネズエラの今年度インフレ率が1万倍に達するとの推計を発表した。 これは為替相場への介入が原因と思われる。通貨への売り浴びせにより輸入品価格が上昇している。
しかし輸入品の制限は以前から行われており、食料など基礎生活資料に関しては破綻状態とは言えない。ただしこの1年については「金を払っても売らない」制裁、「銀行決済を禁止する」制裁が課せられている。
対外債務の増加は短期資金ではなく中国からの信用増加によるものであり、原油とのバーターがメインとなっている(松浦さんの情報)。
経済パフォーマンスは原油価格の復調もあり、物価1万倍を説明できる要因がない。
状況は昨年8月のトランプによる経済制裁を契機としており、明らかに政治的要因によるものである。 したがって、経済再建の条件は政治的安定にかかっている。そのためには、破壊的勢力を除く与野党の対話とコンセサス形成が何よりも必要となっている。
米国政府は、ベネズエラの主権を尊重し、干渉や制裁を一日も早くやめなければならない。
(3節は私の意見です)

メキシコ大統領選挙について、新藤ニュースが送られてきた。

「メキシコ、左派勢力圧勝の背景」という、いつもながら凝縮されたレポートだが、いささか胃もたれするので、5分読み切りのダイジェスト版にして紹介する。

この記事は「背景」には踏み込まず、「圧勝」がどれほどの圧勝であったかを示すことに絞る。

今回のメキシコ総選挙は、大統領選挙と上下両院、首都メキシコ市などの首長選挙が一度に行われた。日食と月食が一度に来たみたいなことになっている。

大統領選挙でアムロ(ロペス・オブラドール)が勝利したのは既報の通りだが、ほかの3つの選挙でもアムロ派が“地滑り的な勝利を収めた”ようだ。

まず大統領選挙。
大統領選

こうやって並べると、あらためて53%というのがいかに“ありえない数字”であるのかが実感される。
アムロへの支持が半分、残りは「バスタジャン」(もうたくさんだ!)票なのだろう。

次に国会選挙。
上が上院議会選挙
上院
下が下院選挙
下院
(図上で左クリックすると拡大画面が見られます)

略称ばかりで見づらいが、右の3つが中道左派連合の構成政党。
MORENAがアムロの所属する「国家再生運動」で、PTが労働党、PESが社会合流党という。
この与党連合が上下院ともに過半数を握った。

次に地方選挙
これについてはあまり詳しく触れられていない。
地方選挙では、「共に歴史を」連合は、首都メキシコ市をはじめ、8 州のうち4つの州知事選挙で勝利を収めた。
ということである。

ついでに 女性進出も歴史的
国会上院議員の男女比率は63/65、下院議員の比率は男女246/254となり、ともに女性議員数が男性議員数を上回った。これは史上初めてのことである。
メキシコ市長に当選したのも女性であり、初代女性市長となる。
また新政府の閣僚は、男9人、女7人 と発表されている。

なお新藤さんはアムロ躍進の背景としてのメキシコ経済事情にも触れているが、マクロ指標で端的に言えばGDPの低下と激しいインフレが進行しているということだ。それは1984年とか90年の状況を思い起こさせる。
ただしあの頃の保護政策はすでに放棄され、市場開放と変動相場前は全面的に展開されているから、その性格はかなり異なったものであろう。
スタグフレーションと同時に失業率の低下とジニ係数の低下も進んでいると言うからよくわからない。
かなり背景の背景にまで迫らないと評価は難しい。

重大な訂正 7月13日
松浦さんから御丁寧な挨拶をいただきました。ありがとうございます。
なお「ベネズエラ投資代理業」というのは私の誤解に基づく虚偽情報でした。正確を期すため、松浦さんご自身の文章をそのまま転載します。
お願いしたいカ所は私の現在の仕事でして、投資代理業ではなく「日本企業向けのベネズエラ情報配信業」にご修正をお願いできますでしょうか。
弊社は日本企業にベネズエラの政治経済情勢は情報提供しますが、債券の売り買いの助言あるいは投資代理は行っていません。
投資業は基本的に金融機関での勤務経験や、コンプラ対応を行うことが出来る人員体制、預託金の支払いなど事業を行うにあたり一定の登録要件がございます。
無登録の業者は罰則の対象になってしまいますので、誤解を生むことがないようご修正をお願いできればと存じます。
今回のベネズエラ講演会のメインは松浦健太郎さんのレポートである。
話は2つあって、ひとつは2017年5月に松浦さんが発表したレポート。もうひとつはその後始まったトランプ政権の経済制裁の評価である。
その間に松浦さんの肩書きは変わっていて、17年5月にはジェトロのカラカス事務所勤務であったがが、現在は独立してベネズエラ投資代理業を立ち上げている。
会社名は株式会社 ベネインベストメント で役職名は代表取締役。会社の活動内容は以下の通り

ベネズエラは原油、金、鉄鉱石、ボーキサイトなどあらゆる資源が眠る大国。
極めて高いポテンシャルを秘める国でありながら不安定な政情、信頼できる情報の欠如、複雑な為替制度など先を見通すことが極めて困難な国でもあります。
ベネズエラでのビジネスは中立で客観的な情報を掴むことが何よりも重要です。
ベネインベストメントは現地に駐在し1,000件以上の投資貿易相談に応じてきた専門家の視点を通して現地の報道、法制度、経済統計などビジネスに必要な情報をお届けします。


まずは駐日大使館のホームページに転載された、「外国プレスが報じないベネズエラのもう一つの真実」という文章の摘要をとる。
これは「ラテンアメリカ時報 2017年 春号」に 「時事解説」として掲載されたものである。

はじめに 
ベネズエラの状況は極めて危機的で現政権が崩壊寸前のような印象を与える。
しかし、それについては疑問を感じている。

3重苦を乗り越えたベネズエラ
現在のベネズエラは一年前と比べると改善しつつある。
とくに2016年前期の状況が深刻だった。
1 つ目は原油価格の下落、2 つ目は電力不足、3 つ目は与党内部の混乱である。
1.原油価格の下落
原油市場は14年7月に急落した。そして15年12 月に2度目の急落があった。ベネズエラの原油
価格は1バレル24.25ドルまで下がった。
政府は財・サービスの輸入切りつめを迫られた。
2.電力不足
ベネズエラは電力の6割を水力発電で賄っているが、水不足で電力不足をきたした。
全国で一日 4 時間の計画停電が行われた。保冷設備が停止し食料品が腐った。
カードが使えず決済ができない。工場稼働も自粛を迫られるなどの影響がでた。
3.与党内の混乱
マドゥーロ政権は危機脱出のためアバッド経済担当副大統領に任命した。一連の引き締め政策は与党幹部議員の抵抗を招いた。
議会の2/3を野党がしめていたこともあり、政府の力は弱体化した。
この2016年三重苦は、政府が副大統領を辞任させ、経済緊急事態令という超法規的な措置をとることで終熄に向かった。
CLAP制度が作られ、生活必需品が直接市民へ低価格で販売されるようになった。

与党の権力基盤は強化傾向にある
17年現在、原油価格は1年前に比べ10ドル上昇した。雨量は多く停電の危険はない。与党の
内部分裂は回避された。
しかし一方で、物不足や高インフレは残っている。CLAPは状況を改善したが十分とは言えない。
世論調査では、マドゥロ大統領を評価する意見が増え始めている。その一方、野党統一党(MUD)の支持は激減した。
以下は松浦さんの所感で、おそらく大事なポイントである。
国会議員選挙で議席の 3 分の 2 を獲得しながら何も有効な対応ができなかった野党にする国民の失望は強い。

野党が国民の意見を代表するために
1.野党大勝の原因
2015年12月の国会議員選挙では、野党が大勝した。しかしこれは過大評価できない。
松浦さんの見方では、
チャベス元大統領は好きだが、マドゥロ政権は支持しないという態度がとられた。交代に重なって景気が悪化したためである。
2.野党はエリート集団である
松浦さんの見方では、
現野党はいつまでも一般大衆を代表する組織にはなれない。なぜなら彼らはエリート層の集団だからだ。
野党はリーダーの総入れ替えを含めた抜本的
な改革が必要だろう。
3.与野党間の三すくみ状況
世論調査では与党支持が3割、野党支持も3割、支持政党なしが4割となっている。

2017年のデフォルトは回避可能か
原油が1バレル60ドル以上なら債務危機は生じない。
45ドル以上なら条件付きで回避は可能。
特に必要なのは、外貨管理制度の維持をあきらめ自由相場制に移行することだ。
ただし自由相場制への移行は公共料金の急騰
をもたらし、与党の支持基盤である貧困層を直撃する。
これが現政権に実行できる可能性は薄い。

政局の見通し
省略

結論
短期的な展望は決して明るいものではない。しかし長期的には極めてポテンシャルの高い国だ。
①世界一の原油埋蔵量、天然ガス埋蔵量も世界8位
②金、ダイヤモンド、鉄鉱石、ボーキサイト、石炭など豊富な地下資源
③国民の消費意欲は旺盛で、必要不可欠な投資が山積している。
参入チャンスを逃さないために日本企業も引き続き同国の動きを注視していく必要がある。

先日、ベネズエラを知る会の勉強会に出席した。会場にたまたま奥様がいて、ご挨拶させてもらった。
イシカワ大使にはもったいないほどの方である。
まずは写真をお見せする。

大使夫人
左の男性は私ではない。日本AALA連帯委員会国際部長の田中靖宏さんである。いつもより少し鼻の下が長く写っているかもしれない。
大使夫人のお名前はコロン えりかさん。エル・システマ・ジャパンのスペシャルアドバイザーを務めている。有名なオペラ歌手なのだそうだ。
11月に大使が来札するとき一緒に来てコンサートをしてもらえないか聞いたが、残念ながらスケジュールが合わなかった。
で、勉強会の方だが、いずれまた報告する。

ついでにネットの画像。
歌う大使夫人
   被爆のマリアに捧げる賛歌 / 相馬子どもコーラス&コロンえりか
から拾ったもの。
石川コロンえりかさん
この歌は原水爆禁止2015年世界大会(la Conferencia Mundial en contra de las Bombas Atómicas e Hidrogeno)に参加したコロンえりかさんが歌い大好評を博した。
この歌ができた経過についてはエピソードがある。
東京都内の私大生だった頃、長崎市の浦上天主堂で賛歌の題材となったマリア像と対面した。
マリア像の由来だが、原爆投下でがれきの山となった旧天主堂から掘り出されたのがこのマリア像である。2メートルあった像は頭部だけが奇跡的に残ったが、目がくぼみ、頬が焼け焦げてしまった。彼女はこれを見て、
自分の知っている美しい姿ではなくショックを受けました。でも、傷ついた像は被爆者の祈りの対象になっていることを知りました。私はそれを生き抜く希望の象徴だと感じました。
この思いをベルギー人の父に伝えて、賛歌を作ってもらった。それがこの曲である。
彼女の挨拶
被爆70年の大切な年に、皆様とともに私もひとつの決意を表明できました。
そのことにくわえ、音楽によって、皆様とこの思いを共有できました。そのことを感謝します。
そして、
私にとってこれからの新たな力にして参りたいと思います
父の紹介が「ベルギー人の作曲家」となっているが、これはとんでもない冗談で、このコロンこそはヨーロッパを代表するアジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯活動家で、各国政府から睨まれている“札付き”である。この人の発言についてはおいおい紹介することにする。

(すみません。訂正の訂正です。エリカさんの父上は間違いなく音楽家でした。連帯活動家のコロンさんはとりあえず別の人物です。なんかの関係はあるともいますが、確認がとれていません。2019.5.01)

とりあえずはこのくらいにしておく。えりかさんの祖国、心優しきベネズエラに幸多かれと望む。

日本語のネット情報だけで、「メキシコ総選挙」の情報を書いてみました。
1.アムロの勝利は「優しさ」の勝利
のっけからやや感傷的な感想で申し訳ないが、アムロの勝利はこの国の持つ優しさの勝利ではないかという気がする。
毎年何万人という人がカルテルの抗争で殺される殺伐とした国ではあるが、それはこの国の権力を握る者たちの腐敗を示すものであって、人の持つ優しさを否定するものではない。
アムロは30年前に政界入りして以来、一貫して貧しい人々、社会を支えて働く人々、女性や子供、若者たちの目線に自らを置いて闘ってきた。優しさを闘いに変えてきた。所属政党を変えたのでなく所属政党が変わって行ってしまったのであって、アムロは一貫している。
そのようにアムロの姿勢が一貫したものだったとしたら、どうしてその優しさがこれまでは伝わらず、今回突然に国民の圧倒的支持を得ることになったのだろう。
それが、メキシコ総選挙を教訓とする上での最大の眼目である。

2.アムロってどんな人
アムロはタバスコ州出身の政治家で、現在は64歳。1976年に当時の与党「制度的革命党」(PRI)に入党し政治活動をスタートした。
1988年に党内の進歩派が分かれ「民主革命党」PRDを結成すると、アムロもそちらに移りました。2000年から05年までメキシコ市長を務めたあと、2006年にはPRDから大統領選に出馬、このときは僅差で破れた。2012年にも出馬し敗れており、今回は3度目の正直ということになる。
メキシコの大統領は任期6年で、再選は禁止されている。
PRDの右傾化に伴いこれと袂を分かち、自らの主導する政党「国家再生運動」(モレーナ)を立ち上げた。去年、大統領選に立候補するに伴い党首を辞任したが、現在も強い影響力を保持している。
PRIを離れて以降、PRIの汚職腐敗を批判する姿勢は一貫している。メキシコ市長時代も清廉潔白を貫いた。アムロの愛車は日産の小型セダンの「ツル」(サニーの旧モデル)だった。

3.暴力と腐敗根絶に高まる期待
アムロは汚職や免責の撲滅を新政権の最優先課題にすえた。
総選挙の期間中には130人以上の候補・党員が殺害された。「メキシコ近代史上、最も暴力的な選挙」だといわれる。
なお同じ時期、殺人事件による犠牲者の数は2万5000人を超えている。その多くが麻薬組織間の抗争によるもの。今年1~3月も前年同期に比し20%増と絶望的な状況にある。
どこが絶望的なのか。それは2万5千人が殺されたことではなく、殺された分が新たに補充されているという事実である。それはどこからリクルートされているのか。
アムロは治安悪化の根本的な要因として貧困を挙げており、貧困対策や雇用創出を通じて麻薬ビジネスを抑え込もうと主張する。貧困と失業がなくなれば、蛇口を開いてもギャング予備軍は出て来なくなるはずだ。
また犯罪組織との関係では、徹底抗戦よりも対話を重視した解決を目指すと主張している。具体的な内容は不明だが、とりあえずカルテルの内輪もめについては放置し、市民に影響を及ぼさないような一種の協約体制を目指す可能性もある。実のところ、国連・世界銀行データによれば、殺人事件の発生率は複数のラテンアメリカ諸国よりもかなり低いのだ。

4.青年がアムロ勝利の道を切り開いた
アムロ圧勝の道を切り開いたのはサンダースのアメリカ、コービンのイギリス、メランションのフランスと同じく若者の力だった。
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             アムロ支持派の集会
18歳から23歳の有権者約1300万人が今回初めて投票に参加した。彼らは前回選挙後の6年間に新たに有権者となった層である。彼らは少年期を汚職や薬物関連の暴力などにさらされて育った。
彼らは、既成勢力に深く幻滅しており、真の変化をもたらすことのできる道義心を持ったリーダーを切実に求めている。青年がもとめているのは社会正義であり、そのパワーを見誤ってはならない。
世論調査によると、30歳以下の有権者の47%がアムロを支持しており、分厚いアムロ支持層を形成している。アムロ現象はある意味で、サンダース現象が国境を越えて波及したものと言える。

5.経済政策とNAFTAの扱い
経済・通商政策では、アムロは「メキシコ第一主義」をとなえトランプの向こうを張るような大衆迎合政策を掲げた。他の政党はアムロを「ポピュリストで経済の舵取りは任せられない」と非難した。
農業などの国内産業の保護は譲れないが、それ以外では妥協の余地を残している。
選挙戦末期には対米避難の論調を多少緩め、米国との「友好的かつ協力的な関係」を目指すと発言し始めている。
アムロの経済政策をよく見ると、言葉上の過激主義とは異なり、成熟した政策展開が予想される。
彼は無論、市場メカニズム至上主義ともいえる新自由主義(ネオリベラリズム)には反対である。しかし市場メカニズムを完全には否定しているわけではない。民間資本や外資も有効に活用すべきと主張している。
マクロ経済政策については、公的支出の役割に重点を置いた新ケインズ的な計画となっているが、マクロ経済指標は重視し、均衡財政を維持することを大前提においている。
NAFTAについては原則として、「貿易と外国投資に対する法的信頼性を付与し、経済・通商関係の発展にとって有益な手段であった」ことを認めている。そのうえで相対的自立を目指そうとしている。
最大の資源関連イシューとなっている石油売却(ファームアウト)の契約についても、汚職の可能性を指摘し、見直しを訴えている。ただ国際入札自体を否定しているわけではない。ガソリン販売の自由化もそれ自体は否定していない。
(経済分析についてはジェトロの「AMLO氏旋風が舞うメキシコ大統領選挙」を参考にさせていただきました)

6.ラテンアメリカ情勢とアムロの勝利
アムロの当選、メキシコにおける左翼の勝利は中南米の進歩派にとって長年の夢だった。
リオグランデからフエゴ島までラテンアメリカ人の自主的国家が完成したかもしれない。
しかしアムロが当選したいま、中南米の進歩派は著しい退潮ムードの中にある。
おそらく政策的な舵取りはとても難しいものになるだろう。
逆に言えば、そのような政策選択の幅が狭い中でどうしてこれだけ多くの国民の期待が集中したのだろう、という話になる。
メディアの報道にはこの視点が欠如している。

AMLOについては過去に数多く言及しています。サイドバーの検索窓に“AMLO”と入れて検索してみてください。
振り返りをしようと思いましたが、ここ10年近くメキシコ年表が更新されていません。2,3日は更新作業に集中します。


赤旗が2日連続でメキシコの総選挙を報道している。
まずは紹介しておこう。
7月1日 メキシコ大統領選挙
アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)が過半数を獲得し勝利した。
赤旗の見出しは「新興左派が勝利」となっているが、現地でも使っている言葉なのか。AMLOは10年以上も前に大統領選に出馬して惜敗している(本人は勝ったと主張した)
ただ当時は中道左派のPRDをバックにしての出馬だったが、その後新党を結成して選挙に臨むことになったというのが経過である。

AMLO政権には2つの特徴がある
一つは汚職と治安の悪化が進む中で、清潔で誠実な政治を打ち出したことだ。
これまでの政党PRI もPAN も汚職まみれでカルテルとは骨絡みで癒着している。PRDさえも最近では疑問符がつけられるようになっている。
そのなかで国民の希望が集中したのであろう。
もう一つは反NAFTA・反自由主義の旗である。
ただこちらはそう簡単には行かないだろうと思う。
これは本気かどうかは知らないが、「メキシコは汚職でGDPの9%を失っているからこれを解決すれば財源問題は解決できる」と主張しているらしい。
こういうのは「政策」とは言えない。「汚職」は犯罪であり、それを防ぐのには財源が必要なのであって、少なくとも当面は収入ではなく出費の対象なのである。
まずはできるところから一歩一歩ということになるだろう。

議会・首長選の結果
これが3日付の報道、以下が4日付となる。
見出しがなんともふやけたもの
新興左派が議会・首長選でも躍進
脇見出しが
“民主主義の前進”との声も
だ!
議会選挙では、アムロの与党モレーナが下院で確実に過半数超え、上院も過半数に達する可能性があるとされる。
さらに首長選ではメキシコでモレーナ派の女性市長が当選。州知事選でも4/8州で勝利した。
これですべてだ。これにトランプがアムロ当選を歓迎しているとのワシントン発が添えられている。
見出しもふやけているが、特派員が張り付いているのに現場の生の声はまったく取り上げられていない。
報道各紙を読んでホルナーダの編集長の談話を摘まみ食いして終わりなんです。
それにしても
“民主主義の前進”との声も
ってなんでしょうか
“そうでもないとの声も”という意味でしょうか
それであなたはどうなんでしょうか、松島さん。

AALA国際部の新藤さんから下記のニュースが送られてきました(6月23日)。
要旨を紹介します。
なお先般、札幌にお越しいただいたアラーナ大使は、日本での勤務を終えられ、現在はチリのサンチャゴでご勤務と伺っております。

はじめに
ニカラグアでは大きな緊張状態が起きています。4月19日にニカラグア政府の年金改革を巡って広範な市民の抗議が生じました。
その後、過激な反政府行動が展開されました。報道では、警官8名を含め173名が死亡し、2,100名(うち警官200名)が負傷しているとされます。
人口630万人、GDP138億ドルのこの小国で何が起きているのでしょうか。

Ⅰ ニカラグア 社会の状況
最近のニカラグアは経済成長が著しく、失業率や貧困者も減少し、貧富の格差も改善しています。
病院・学校・電気・水道・通信などの社会・インフラ投資も順調で、殺人事故は中米中最低となっています。
国内政治では、労働者・資本家政府の協調姿勢が貫かれています。
これはサンディニスタ政府が内戦による損害を取り戻すために、社会の安定を最重視したためだといいます。
このやり方は IMF・世界銀行・米州開発銀行からも高く評価されていました。
外国投資も順調に増大し、ムーディズの格付けでもB2で「ポジティブ」 と評価されています。
オルテガ大統領の率いるサンディニスタ政府は、2006年以来3度の総選挙を勝ち抜いて政権を維持しています。
国際貿易収支は7億ドルの赤字ですが、海外からの家族送金が14 億ドルあります。
財政も比較的健全で、財政赤字は歳入の7%程度です。
要するに経済・社会のマクロ指標はバッチリです。

Ⅱ 何が起きたのか
今年4月、年金財政赤字の改善のため保険料引上げや年金支給額の減額を打ち出しました。
これは各団体との協議を経て提案されたものでしたが、企業団体と労働団体が強硬な反対に回りました。
抗議運動が各地に広がり、一部では暴力的な行動を伴いました。
contra
      グラネード・ランチャーを標準装備した暴力分子
政府は年金改革の撤回を打ち出し、対話をもとめ、司教会議に仲裁を要請しました。
しかし抗議は続けられエスカレートしていきました。火炎瓶、ロケット砲などが用いられ、公的施設、政府派人物の民家の焼き討ち、略奪、人への攻撃、道路封鎖が展開されました。
取締り警官隊への攻撃と挑発が繰り返され、火炎瓶、ロケット砲などが用いられるようになりました。
闘争目標も大統領の辞任、選挙法の改正、前倒し選挙の実施へと移っていきました。
5月に入ると抗議行動は一層エスカレートし、全国14の県で道路封鎖が実行されました。都市では商店の焼き討ち、公共バスの破壊、サンディニスタ事務所の放火などが繰り返された。
FSLN事務所の焼き討ち
            FSLN事務所の焼き討ち
Ⅲ アメリカの干渉
アメリカ政府は反政府勢力を支持して内政に干渉しています。キューバ、ベネズエラにくわえ、ニカラグアも「専制政治」の一員に加えられました。
ペンス副大統領は、「母の日の平和なデモに攻撃が加えられ、恐るべき暴力により数十名が殺され、数百名が負傷した」と非難しています。
今回のニカラグアの問題は、米国の意向が反映されたものであり、トランプ大統領、ペンス副大統領の言動が、大きな影響を及ぼしています。
新藤さんの本文はこの記事の数倍あり、最近の動きまで丹念にフォローされている。ぜひご一読を願いたい。


反政府派の暴力的妄動は、ベネズエラで見られた光景とまったく同じです。
違うのは、ベネズエラではそれが政権による弾圧として描かれ、民衆がそれに対して民主主義をもとめて戦っているように描かれ、アメリカが民主主義を支えるために支援を行っているように描かれていることです。
拉致者を焼殺
            FSLN支持者が焼き殺される
現在のところ、ニカラグアのような小国のケースは見過ごされているようですが、いずれサンディニスタも民主主義の敵として描かれるようになるのでしょうか。(すでにその兆候は現れています)

7/7緊急シンポジウムのお知らせ  

     ベネズエラで今、何がおきているのか
            ~経済危機の実情と背景~  

ということでベネズエラ大使館からお知らせが来ている。かなり急な話なので、参加できるかどうか確信が持てないが、皆さんにもお知らせしておく。

シンポジストは松浦健太郎さんというエコノミストの方、西谷修さんという立教大学教授のお二人、私はどちらも存じ上げていない。

<日時> 7月7日(土)13時~17時
<場所> 明治大学お茶の水校舎リバティータワー 1143教室 (14階)

で、完全オープンではないようなので、大使館に連絡入れておいたほうが良いだろう。
surugadai


ベネズエラ・ボリバル共和国大使館
大使秘書 寺山由美子
Tel: 03-3409-1501  ext.1
Fax: 03-3409-1505
e-mail: asistente.embajador@venezuela.or.jp
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布4-12-24第38興和ビル703号

となっている。


4月24日 「欧州議会有志による動議」
10名の議員の連名で発議されている。

以下は動議のうち行動提起部分のみ

1.ベネズエラ・ボリバリア共和国(以下ベネズエラ)に対する、継続的な外部からの干渉、および政治的、経済的、社会的不安定化工作を強く非難する。

2.ベネズエラの主権を犯す干渉戦略を適用することが、対話と平和のための空間を創造することにいかなる貢献もしていない。このことを強調する。

3.ベネズエラの国民は、発展の道筋について、外部の干渉や圧力をまったく受けることなく、主体的かつ平和的に決定する権利をもつ。このことを再確認する。

4.国際法にもとづく、「内政不干渉」の原則は全面的に尊重されるべきである。このことを表明する。

5.ベネズエラにおける「人道危機の疑惑」は、外部からの干渉を増大させ、政治介入のキャンペーンを強めている。このことを非難する。

6.米国、OAS、EU、その他の国が第三国の内政に干渉することを深く憂慮する。そして、すべての人々が自決権、すなわち政治状況をみずから決定する権利、経済的、社会的、文化的発展をもとめる権利を認め尊重するよう求める。

7.不安定化キャンペーンは非民主的で暴力的な目的を持っている。それは米国の帝国主義的利益を補強している。それはベネズエラの石油資源へのアクセスを確保し、アメリカ・ボリーバル同盟(ALBA)諸国の利益を損なおうとしている。

8.米国はベネズエラに対する制裁を継続することを決定した。それはベネズエラを「米国の国家安全保障と外交政策」にとって「異常で異常な脅威」とみなしている。これを拒絶し即時廃止を要求する。

9.アメリカ南方軍司令官クルト・テッド提督の声明(4月6日)を非難する。これはこれは主権国に対する攻撃を予告するものである。

10.最近の米州機構(OAS)の動向は、組織の民主主義の欠如を示し、中南米の国民の主権に対する一貫した侵害者の役割を果たしている。これを批判する。

11.メルコスール内にはベネズエラが議長国となるのを阻止しようとする動きがある。これを批判する。

12.EUは政治的目的のために人権を見せかけの「道具」として利用しようとする動きがある。とくにベネズエラのケースで著しい。これを非難する。

13.EUはベネズエラと国民に対して制裁その他の措置を適用しようと試みている。これを断固として拒否する。

14.第三世界の国々との対話は、いかなる場合においても、国民の自己決定権を制限するものであってはならない。このことを強調する。

15.多くの国際メディアは、うわさ話を広げ、ニセ情報を流してベネズエラ政府への信頼を傷つけた。そして暴力的な雰囲気を煽った。この役割を指摘する。
報道の自由は人権の根幹をなす。このことを想起する。
そして、責任ある行動と、公正・正確でバランスの取れた表現でイベントをカバーするようもとめる。それは現在もなお、なされていない。

16.現在ベネズエラが深刻な経済危機に直面していることを認める。その原因は以下のごとく考える。
この経済危機は主に国外事情によって引き起こされている。それは経済制裁と石油価格の下落の両方によるものだ。そして野党と経済界の一部が指揮する組織的な経済不安定化戦略がこれに拍車をかけている。
彼らは商品の生産と流通を支配し、特に食品や医薬品の分野では、彼らの策動が商品の不足につながった。
経済界と手を結んだバチャケーロス(bachaqueros)はモノ不足を作り出し、商品を闇市場に横流しして法外な利益をむさぼっている。
この国のインフレを作り出しているのは高額紙幣の隠匿でもある。それらの高額紙幣の多くがコロンビアやパラグアイなどで発見されている。
この厳しい経済攻撃にもかかわらず、ベネズエラは対外債務に関して国際的な信用を維持している。また国家予算の70%を社会開発に配分し続けている。

17.ベネズエラ政府は憲法を遵守した。国会の多数を占める野党は憲法を無視し、違反することを厭わなかった。これは記録すべき事柄である。

18.「ラテンアメリカ・カリブ平和地帯宣言」にふくまれる諸原則は強調されるべきである。
この宣言にはいかなる国とも内政不干渉の原則を守ること、国家主権、国家間の平等、民族の自決権の原則が含まれる。
国際社会はこの宣言を十分尊重すべきである。

19.ベネズエラにおける社会政策の実施を歓迎する。それらは社会的責任と正義、平等、連帯と人権にもとづいており、国民のあいだの不平等を軽減するのに役立っている。
それは社会開発や教育の発展として、たとえば2005年の文盲の根絶や高等教育の学生数の大幅な増加に示されている。

20.ベネズエラはラテンアメリカの人々の協力と統合に大きな役割を果たした。その重要性を想起しなければならない。とくにALBAは健康、教育、文化、相互理解の分野で大きな足跡を残した。これは歓迎されるべきである。

21.ALBA-TCPの加盟国は、人権、司法、平和を促進するためにベネズエラ政府が払った努力を認識している。そのゆえにベネズエラに対する国際的介入が、兄弟国ベネズエラだけではなく、ラテンアメリカ・カリブ全体を不安定化させていることに気づいている。

22.ベネズエラのマドゥーロ大統領は、南米諸国連合(NNASUR)の支援を受け、野党代表との対話を進めている。これを支持する。
この対話にはスペインのサパテロ前首相、ドミニカのフェルナンデス元大統領、パナマのトリホス前大統領も加わっている。また特別代表として法皇フランシス猊下も参加されている。
UNASURの他にも国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(CELAC)やALBAのような組織が、福祉、平和、正義、真実、制度、経済的措置などに大きな役割を果たしている。これを支持する。
また法と民主主義の支配を支持し、国家の尊厳に敬意を払う。

23.ベネズエラの人々と連帯する。そしてベネズエラがこの間に成し遂げた社会的成果を再確認し、これを守るための闘いを支持する。

24.議長はこの決議を以下の部署に送致していただきたい。理事会、委員会、ベネズエラ政府、メルコスール議会、欧州・ラテンアメリカ議員集会、それにUnasur、ALBA、CELACなどの地域機構。
このことを勧告する。

TeleSur English Mar 26th 2018

国連人権理事会、ベネズエラに対する制裁措置を非難

「このような措置は、国家の経済社会開発の完全な実現を妨げる」

国連人権理事会(OHCHR)は、非同盟国(NAM)の運動が提案した決議を採択した。

これは、米国、カナダ、欧州連合(EU)とその同盟国によるベネズエラに対する経済制裁を非難するものである。

この文書は、金曜日にスイスのジュネーブで開催されたOHCHR会議に提出された。

決議は、このような一方的な措置を継続することを非難する。大国が政治的または経済的圧力を加えるために、その道具としてこのような方法を取ることは許されない。

決議はすべての国にたいし、 「このような措置は、諸国家の経済社会開発の完全な実現を妨げる」と喚起した。

決議はベネズエラの主張を認めている。それは「経済制裁は、貧しくて最も脆弱な階層に“度外れに”影響し、人権の実現を脅かす」というものだ。

そして、国際法に違反する一方的な強制的な措置を適用するのではなく、「対話と平和的関係を通じて相違を解決するべきだ」と強調している。 

先週、米国はベネズエラに対して新たな制裁を課した。今回は「ペトロ」というベネズエラが発行した仮想通貨である。

制裁措置は、「ベネズエラ政府によって発行されたあらゆるデジタル通貨でのすべての取引」を対象としており、米国人による、または米国内における取引が対象となる」

仮想通貨「ペトロ」はベネズエラ政府がとっている政策である。それは、米国と同盟国が輸入能力を制限するためにベネズエラに課した財政封鎖を迂回するためのものである。

ベネズエラのホルヘ・アレザザ外相は、Twitterを介して決議への共感を示した。

ドイツ、米国、英国、スペインを含む西側諸国は、この決定を拒否した。

一方、人権理事会は、この措置は「国家の主権を脅かす...」と述べた。

なぜならそれらの措置は自国の自由意志、政治・経済・社会的制度についての自決権を否認するものだからである。


下記の文章は私による要約ですので、引用はお控えください。本来の見出しは「制裁非難声明」とすべきであることをお断りいたします。
元の文章は
3月12日付の venezuelanalysis.com 掲載記事 を独立ジャーナリストの加治康男さんが訳したもので、駐日ベネズエラ大使館のホームページにアップされていると思います。
チョムスキーと並んで書かれている Danny Glover は映画俳優でリーサルウェポンでおなじみの人です。
ダニー・グローヴァー
   ウィキペディアより
ノーム・チョムスキーら150人がベネズエラ制裁を非難する声明
Noam Chomsky, Danny Glover & 150 Other Activists Slam US-Canadian Sanctions on Venezuela

<記事のリード部分>
米国とカナダの市民活動家が、ベネズエラに対する制裁措置に反対の声を上げました。
制裁はベネズエラの貧しい弱者を苦しめる、違法かつ威圧的な措置です。
私たちは、ベネズエラの心ある人たちとともに、トランプ大統領と議会に要請します。ベネズエラの諸勢力のあいだで行われている対話を支持し、制裁を解除してください。
この対話はサパテロ元スペイン首相、メディーナ・ドミニカ大統領、チリ、メキシコ、ボリビア、ニカラグアの外相が仲裁にあたっています。フランシスコ・ローマ教皇もこの協議を支持しています。
マドゥロ現大統領と4人の大統領候補は、5月20日に大統領選挙を実施することで合意しました。
米国、カナダ両政府はこのプロセスを支持してください。ベネズエラ国民が民主的に、外国から脅威を受けることなく投票するために協力してください。
オバマ米政権下での制裁措置に加え、トランプ政権による追加制裁措置は、ベネズエラの一般民衆に負担を強いています。この一方的制裁は国際法に違反しています。
150人を超える米国とカナダの活動家は国会議員に次のような手紙を送っています。


【公開書簡: 私たちは制裁ではなく、仲裁を支持します】

私たちは、米国とカナダの政府にもとめます。
ベネズエラに対する違法な制裁を直ちに解除してください。ベネズエラ政府と非暴力派の野党勢力とを仲裁する取り組みを支持してください。
私たちは南北アメリカのすべての国の人々が、主権の尊重に基づく関係を維持することをもとめます。
私たちは違法な制裁措置に深刻な懸念を抱いています。制裁の結果は貧しい、ぎりぎりの生活を送っている人々に最も重くのしかかります。
そしてその国の政治的及び経済的なあり方に、好ましくない変化を強要することになります。
ベネズエラの世論調査によると、大多数の人々が制裁に反対しています。それはマドゥーロを支持しようとしまいと同じです。
いまバチカン、ドミニカ共和国などの国が仲介し、ベネズエラの現状を解決しようと取り組んでいます。しかし制裁は深く分断された状況をより複雑にするだけです。
また制裁は、政府と制憲議会が危機的な経済課題に対処しようとする取り組みを壊しかねません。
アメリカとカナダの政府幹部は、「高尚な」言葉遣いにもかかわらず、ベネズエラ政府に対する好戦的な干渉姿勢を取り続けています。それは民主主義、人権および社会正義を本心では軽視しているからでしょう。
オバマ前大統領は「ベネズエラは米国を脅かす国家安全保障上の脅威である」との発言を残しました。
ニッキー・ヘイリー米国連大使は「ベネズエラは世界を脅かし、ますます暴力のはびこる麻薬国家である」と語りました。
これらの国際舞台での発言は、平和的な紛争解決にはほとんど寄与することがないでしょう。
ベネズエラの政治指導者は新自由主義モデルをきらっています。米国の覇権に異を唱え、米国がラテンアメリカに新自由主義モデルを導入しようとすることに抵抗しています。
だからこそ、ベネズエラは周知の通り、米国の体制転換に向けての努力の主要な対象になっています
もちろん、ベネズエラが世界最大の石油埋蔵国であることも、ワシントンから望まぬ注目を浴びる原因となっています。。
米州機構(OAS)の事務総長ルイス・アルマグロはならず者としか言いようがありません。彼はベネズエラの野党勢力によって任命された「対抗最高裁判所」を公然と支持しました。
この「裁判所」が宣誓式を行うのに、ワシントンDCのOAS本部を提供しました。
アルマグロはベネズエラで最も過激な勢力、暴力を是認する野党勢力をつけあがらせています。それは仲裁の取り組みを妨害するだけでなく、OASの合法的権威を失墜させています。
米国のベネズエラ経済制裁は、ベネズエラの主権を犯し人々の基本的人権を侵害しています。ベネズエラはハイパーインフレと基本物資の不足を解決しようと取り組んでいます。
そういう国に対して経済的な圧力を威圧的で鼻持ちならないやり方で押し付けています。民主主義と自由を前進させるとの名目はウソっぱちです。
私たちは米国の指導者に冷静な発言をもとめます。ベネズエラの政治、経済問題の本当の解決策を探してください。
経済制裁を取り下げ、ドミニカ共和国やスペインのサパテロ元首相、バチカンが主導する仲裁の取り組みを支援してください。

付属: 「米州機構憲章第4章第19条」
いずれの国家または国の集団も、理由の如何を問わず、直接または間接に、いかなる他国の国内または対外の事項に干渉する権利を有しない。この原則は、武力のみならず、国の人格または政治的、経済的および文化的要素に対する他のいかなる形態による干渉または脅威の企てをも禁止するものである。

署名者

米国
ノーム・チョムスキー 
ダニー・グローバー 市民アーティスト
エステラ・バスケス 「医療従事者労組」副議長
トーマス・ジャムブルン デトロイト大司教区司教
ジル・スタイン 米緑の党
ピーター・ノールトン 全米電気労組議長
アルフレド・デ・サヤス博士 元国連高等弁務官事務所 国連の独立調査官
メデア・ベンジャミン 「コード・ピンク」共同設立者
ダン・コヴァリック 連邦鉄鋼労働組合・顧問弁護士
クラレンス・トーマス ILWU(在サンフランシスコ労働組合)元専従職員
ナターシャ・リシア・オラ・バナン 全米弁護士会会長
チャック・カウフマン グローバル正義同盟・共同コーディネーター
ジェームス・アーリー ラテンアメリカ及びカリブ海諸国におけるアフリカ系人アーティキュレイション
グロリア・ラ・リーバ キューバ・ベネズエラ連帯委員会
カレン・ベルナル カリフォルニア州民主党・革新議員団議長
ケビン・ゼーズ、マーガレット・フラワー 「人民の抵抗」共同議長
クリス・ベンダー 在カリフォルニア州労組
メアリー・ハンソン・ハリソン 「平和と自由のための女性国際連盟」・米国支部長
アルフレッド・L・マーダー 米国平和評議会会長
タミー・ドラマー カリフォルニア州民主党執行委員
グレッグ・ウィルパルト ジャーナリスト
ジェリー・コンドン 「平和のための退役軍人」理事長
チアナ・オカシオ ラテンアメリカ・アドバンスメント・コネチカット州委員会委員長
レア・ボルジャー 「戦争を越えた世界」コーディネーター 
アレクサンダー・マイン 「経済政策研究センター」・上級研究員
ケビン・マーティン 「平和活動及び平和アクション教育基金」議長
ロバート・W・マッケスニー博士 イリノイ大学アーバナシャンペーン校 
バーソニー・デュポン 「ハイチ・リベルテ」取締役
フレデリック・B・ミルズ博士 (米メリーランド州)ボウイー州立大学哲学部
マルシャ・ルンメル (米ウィスコンシン州)マディソン市会議員
モニカ・ムーアヘッド 「労働者世界党」
キム・アイヴス 「ハイチ・リベルテ」記者
シンディ・シーハン Cindy's Soapbox
(聞き覚えのある名のこの人は、息子をイラクで失い、ブッシュの農場前で座り込みをやって有名になった活動家です)
クラウディア・ルセロ 「中南米問題シカゴ宗教指導者ネットワーク」議長
ウィリアム・カマカロ ベネズエラ活動家 ボルティモアフィル・ベリガン
デイヴィッド・W・キャンベル、USWカリフォルニア州カーソン事務局長
アリス・ブッシュ SEIU北西インディアナ支部ディレクター
テレサ・グティエレス 国際アクションセンター共同ディレクター
クレア・デロチェ ニューヨーク拷問に反対する異教徒間キャンペーン
エヴァ・ゴリンジャー ジャーナリスト兼作家 クロスボーダーネットワーク(カンザスシティ)
(ベネズエラ通の弁護士で、チャベス時代から活躍している人です)
アントニア・ドミンゴ ピッツバーク・ラテンアメリカ進出協議会
デイヴィッド・スワンソン 「戦争を克服した世界」ディレクター
(左翼のブロガーとして有名な人)
マットマイヤー 「和解フェローシップ」全米共同議長、
ダニエル・デール牧師 ディサイプルス派キリスト教教会CLRN理事会
キャスリーン・デスセルズ 「八日目の裁きセンター(8th Day Center for Justice)」
マイケル・アイゼンシュチャー 「戦争に反対する米国労組(USLAW)」全国連絡委員会
ポール・ドルダル博士 「解放と公平のためのキリスト教ネットワーク」ディレクター
ダラス・フリードマン博士 チャールストン大学国際学部理事
チャールズ・ダーム司教 「ドメスティック・バイオレンス・アウトリーチ」大司教区理事
ブラス・ボンペイン 南北アメリカ事務所理事長
ラリー・バーンズ 西半球問題評議会南北アメリカタスクフォース理事
シャラット・G・リン博士 「サンノゼ平和・司法センター」元議長
ダニエル・チャベス トランスナショナル・インスティテュート
スタンツフィールド・スミス シカゴALBA連帯
アリシア・ジャッココ 「キューバ平和、正義、尊厳ナショナルネットワーク国際委員会」米国コーディネーター
ディアナ・ボーン「地域行動ニカラグアセンター」コーディネーター
ジョー・ジャミソン クイーンズ・ニューヨーク平和評議会
ジェリー・ハリス 「北米グローバル研究協会」書記
チャーリー・ハーディ 「カラカスのカウボーイ」著者
ダン・シェア 「平和のための退役軍人」全国委員会
クリスティ・ソーントン博士 ハーバード大学ウェザーヘッド国際問題研究所フェロー
 以下略

カナダ
ジェリー・ディアス UNIFOR会長
(UNIFORは運輸、自動車、通信業界などを網羅した一般労組。組織人員30万でカナダ最大の一般労組となっている)
マイク・パレセック カナダ郵便労働者組合議長
ハーベイ・ビスショフ オンタリオ州中学校教員組合連盟議長
マーク・ハンコック カナダ公務員労組連合議長
ステファニー・スミス ブリティッシュコロンビア州政府職員労組委員長
リンダ・マックイグ ジャーナリスト・作家 トロント
ラウル・ブーバノ 「共通のフロンティア」計画ディレクター 
ミゲル・フィゲロア 「カナダ平和会議」議長
 以下略

変な記事があった。
日付は去年の7月30日、立憲議会の投票当日、混乱の極にあった日である。
記事が載ったのは長者番付で有名な財界紙「フォーブス」である。
Congratulations To Venezuela - The Human Development Index Is Up
というもの。訳すと「おめでとうベネズエラ 人間開発指数が上がったよ」ということか。


ベネズエラは、いまや経済的ににっちもさっちもいかない状態だと考えられている。
ハイパーインフレが襲っている。この1ヶ月で物価は50%上昇した。すべての人の体重が食料不足で減少した。子供は医薬品の不足から死にかけている。トイレットペーパー、ビール、ビッグマックは使い果たされた。

しかし、「国民よ心配するな。人間開発指数は上昇したのだ!」 そう報道されている。
いや、違う。これははるか遠いヨーロッパの左翼の連中の所業だ。
ベネズエラはその歴史において最も重要な時代にあります。
私は最初から、ボリバルの革命を重視し、連帯してきました。
過去20年間の社会的成果は疑う余地がありません。
これを証明するためには、「人間開発指数の進歩」に関する2016年版国連報告書を参照するだけで十分です。
レポートは続く。
2015年のベネズエラの人間開発指数は0.767でした。これは188の国と地域のうち71位、トルコと同格にランクされます。人間開発の分野で高開発国に位置する数字です。
1990年代から2015年にかけて、ベネズエラのHDIは0.634から0.767へと増加しました。増加率は20.9%にあたります。
1990年から2015年にかけて、出生時平均余命(平均寿命)は4.6年増加しました。平均教育水準は4.8年に上昇しました。一般教育年数は平均値で3.8年増加しました。
1人当たり国内総生産(GDP)は1990年から2015年の間に5.4%増加しました。
もちろん、この報告はいろいろな読みかたができる。

私の場合、最初は、それが本当に真実であったのか、今も真実なのかをチェックすることから始まった。
(しかしそれは事実だった)
つぎに私のしたことは、HDIはライフスタイルや経済管理を評価するために果たして適当な方法なのか、ひょっとして違うのではないかという違うことだった。
なぜなら、もし経済が誤操作の結果、自由落下している状況のもとでも、HDIが「状況は良好だ」というのなら、それは社会状況の測定システムとしては使えないことになるのではないか?
(しかしそれも事実だった)
HDIは「状況は良好だ」と言っている。
GDPがこれだけ明らかに失敗を示している以上、HDI指標はすべてたんなる憐憫にしか過ぎない。もしHDIが「ベネズエラはうまくやっている」というデータを出すのなら、その測定システムに誤りがあるとしか考えられない。

エディターさん、ご苦労さま。ご同情申し上げます。紛れもない事実を前に思い悩む姿が目に浮かぶようです。もう少し事実に対して素直になれば、楽になると思うのですが。

ベネズエラのアレアサ外相、国連で米国の干渉を非難
Venezuela's Arreaza Condemns 'US Interventionism' in UN Speech

2018年2月26日 teleSUR

「20年近くにわたり、我々チャベス主義者は外国人の介入勢力に嫌われてきた。我々が石油、ガス、金、希少金属、ダイヤモンド、水、肥沃な土地の主権を取り戻すことを熱望し続けているからだ」

ベネズエラの外交トップは、スイスで人権理事会会議に出席し各国高官に語りかけた。

アレアサ外相は言った。ボリーバルの言葉を引用した。「アメリカ合衆国は自由の名のもとに、南北アメリカ大陸に悲惨を広げることを望んでいる」と。

アレアサは述べた。「トランプ米国大統領がベネズエラを脅かしている、そして我が国への制裁を課し、マドゥロ大統領を打倒しようとしている」と。

「この人権理事会が戦争を起こしたい人にハイジャックされることは許されない」

アレアサはティラーソン米国務長官の最近のコメントを指摘した。その中で彼は公然と、ベネズエラの民主党政権の打倒を提案し、次の選挙の結果を認めないと述べた。

アレアサ外相は、「それはベネズエラが今年受けた105の国際的な言葉による攻撃のほんの一部に過ぎない」と付け加えた。

マドゥロは、野党が「平和のための対話」に参加するよう400回以上も呼びかけている。しかし、彼らはそうしなかった。そうしたくないからだ。
アレアサは強調した。
野党は、4月22日の選挙に参加することにも同意しなかった。その日は彼らの提案した日だ。

彼はさらに、米国政府を非難した
「ベネズエラに人道的危機がある」という話を世界に信じさせたこと。それは南米諸国への介入を意図したものだということ。
一方で、国連の独立人権調査官アルフレド・デ・サヤスの最近のコメントの意味を強調した。

先週、サヤスは「ベネズエラに人道危機はなかった」と述べた。
「もちろん欠乏、不安、不足はある。しかし何十年も国連で働いて、アジア、アフリカ、中南米の国々の状況を知っている人なら誰でもわかる。ベネズエラの状況は人道的危機ではない」
サヤ発言の詳細は下記をご参照ください
2017年12月25日 ベネズエラ:国連人権専門家の最新報告

アレアサはこう付け加えた。「にも拘らず、メディアの報道がベネズエラは破滅の危機にあると報道するのは、なぜか。それは、ベネズエラが経済戦争を仕掛けられているからだ」

そして「さらにベネズエラは金融封鎖、法外な密貿易などに苦しめられている。これらの問題を解決するために国際連帯が必要・不可欠だ」と述べた。

アレアサはまた指摘した。
「ベネズエラの人々は給与増や年金制度などの社会計画の恩恵を受けている。障害者には奨学金が渡され、失業率は6%に低下した。600万人以上の家族が“供給・生産地方委員会”の恩恵を受け、200万の家が分配された」

「ベネズエラは、人権擁護のために国連と協調している。他の国々は人権を軽視し違反している。
人権は神聖でなければならない。私たちはそれらに違反することはできない。なぜならそれは人類の防衛にとって不可欠なものだからだ」

(ベネズエラ連帯キャンペーン 18年3月1日)

「フェイク・ニュース」という言葉はドナルド・トランプのおかげで2017年に有名になりました。

しかしミスリードし、ミスインフォームし、アンダーインフォームする企業メディアのパワーはもっと深い根っこを持っています。
それはメディア自身とその強力な同盟者の利益を守るために発揮されています。

それがラテンアメリカに適用される時には、一般市民により深刻な影響を与えます。それが3つの国の事例で示されています。

ブラジル

ブラジルでは、民間ニュースメディアが、ディルマ・ルセフ大統領に対する2016年の反政府ラリーをことこまかに報道しました。

これには、世界で2番目に大きな商用TVネットワークであるO Gl​​oboも含まれています。

民間メディアと右翼は、「ブラジルの腐敗」という蛇の頭にルセフ大統領を乗せました。腐敗の疑いや捜査が行われていないにもかかわらず、彼女に「予算操作」というレッテルを貼ったのです。

大規模なデモンストレーションは、ルセフを解任するための不正な弾劾行為に対して強力な政治的支援を提供しました。

テメル副大統領は選挙の洗礼を受けることなく大統領に就任しました。そして大衆の支持がない強硬な緊縮策が迅速に設定されました。

ルセフ糾弾デモとは対照的に、何百万人もの労働者の支援を受けて、2017年4月に全面緊縮策に対するゼネラル・ストライキが発生したとき、メディアの報道態度は変わりようがありませんでした。

報道されたことは、ストの規模の大きさではなく、むしろ「デモンストレーション、抗議、破壊行為」でした。

労働総同盟のスポークスパーソンは語っています。
「ストライカーとデモ参加者は決してインタビューを受けることはなかった。ゼネラルストライキの目的についての議論は決して聞かされなかった。主流メディアは、明らかにストライキは信用できないという報道傾向を持っていた」

同時に、ブラジルの私営メディアは、2016年9月にテメルがルセフの解任を承認した理由を無視しました。

テメルは、米国のビジネスリーダーや外交政策の専門家との会合に向けて語っています。

それは民営化へのルーゼフの反対と、彼の党とその大企業の支持者によって強要された弾劾でした。「予算犯罪」とはおよそ無関係の理由でした。

最近これらのメディアと右翼勢力は、10月の次期大統領選挙でルーラ元大統領の再立候補を阻止しようと必死です。

ルーラの顧問弁護士はこう語ります。

「ルーラや支持グループに関する報道には、根拠のない情報漏れが絶え間なく続いている。これらの情報はどれも証明することはできませんが、その人が有罪になるまで、報道に何度も繰り返し現れます」

ホンジュラス

ホンジュラスでは、2009年に、軍事クーデターでマヌエル・ゼラヤ大統領の進歩的民主主義政権が覆されました。

大資本所有のメディアは、クーデターと結合し好意的な広報とサポートを提供しました。

このクーデターは、ラテンアメリカ、EU、米州機構その他の地域ブロック、各国政府によって広く非難されました。

対照的に、米国では、バラク・オバマとヒラリー・クリントンはこの政治危機を軍事クーデターと呼びませんでした。

その後の選挙では、メディアの沈黙と、野党指導者を対象とした投票前の暗殺が実行されました。

国際機関は選挙を監視していません。

今日のホンジュラスのニュースメディアは、依然として強力なビジネスエリートの手に集中しています。

コミュニティのラジオ局の地位はあいまいで、特に野党の意見を報道するときにはみずからを危険に晒すことになります。

国境なき記者団は次のように報告しています。

「ホンジュラスではさらにプレスの自由度が低下している。
 ジャーナリストは、2014年1月以来、フアン・オーランド・ヘルナンデス大統領の下で恐怖と自己検閲の雰囲気が強まり、不法捜査、暴力、殺人の対象となり続けている」

昨年12月、ドナルド・トランプ氏は、選挙詐欺の多くの疑惑にもかかわらず、勝者として、保守派で親米のヘルナンデスを承認しました。

そうした中で、彼は選挙監視団の調査結果を無視し、米議会有志議員と「独裁政権に反対するホンジュラス同盟」によるやり直し選挙の求めを無視します。

言うまでもなく、フォックス・ニュースはエルナンデスを支持する物語を提供しました。

しかし「エコノミスト」誌(保守系)さえも、選挙前の投票談合計画とヘルナンデス賛成票の積み増しの両方を報道しました。

「エコノミスト」はこう書いています。
「国の最高選挙裁判所(TSE)が公表した結果には、依然として説明できないほどの投票終了の遅れがあった」

ベネズエラ

ベネズエラでは、強力な民間企業が報道メディアを支配し、ニコラス・マドゥロが率いる現政権に対して積極的に政治介入を行い、将来のクーデターのための条件を作り出そうとしている。

1998年のウーゴ・チャベス選挙の4年後、アメリカと同盟関係にあるビジネス・エリートの敵意が激化。2002年にはクーデターを開始した。民営メディアは全面的に支持した。

国際的な報道機関は、情報源を地元ジャーナリストに依存していた。そのため、世界中のメディア報道が歪曲させられた。

英国では、主流メディアが1998年以来のチャベスの成果についてはほとんど報告しておらず、抑圧された人々が権威主義的な軍事指導者に立ち向かう物語として安易に受け止められた。

英国の企業メディア報道には、チャベスに「民主主義者というよりは独裁者」とか「遊び場のいじめっこ」というレッテルを貼るなど、不正確で誤った特徴づけが数多く含まれていました。

クーデターの2日後、民衆的に選出された大統領として人気のある蜂起がチャベスを元通りにしたが、右派野党の物語は持続し、国際メディア、特に米国で増幅されました。

過激な野党の指導による暴力的な抗議は、2014年には40人、2017年には120人以上が死に至りました。

主流の国際メディアの多くの特徴は、犯罪的な放火、バリケード封鎖、看護師や病院への攻撃などを無視しており、これらの死者は非常に多くなっています。

すべて人生の喪失は悲劇です。責任者は説明する必要があります。ベネズエラ政府は、治安部隊員が不法殺人犯の加害者と疑われたり、積極的に特定された例を認定しており、逮捕や起訴は既に行われています。

それにもかかわらず、国際メディアが提示した印象は、ベネズエラの暴力は、極端に偏った政治的格差の片側のみに由来しているように描き出します。
国際的な非難を何ら受けずに暴力を使うベネズエラの右翼の過激派分子には青信号が灯されています。

ニュースのストーリーは、各派の利害を理解しつつ注意深く読む必要があります。

主流メディアの歪んだ抑圧的な物語は、ベネズエラ、ブラジル、ホンジュラスなどのラテンアメリカ諸国の社会正義のために苦労している人々を傷つけ、強力な人々の特権を維持しようとしています。

したがって、これらの闘争の実態を理解し、それに根ざした国際連帯の構築がより重要でしょう。

大阪AALAでのベネズエラ大使の講演内容です。新藤さんの配信を転載します。


大阪アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(Osaka AALA)主催

「ラテンアメリカとカリブ:危機の時代の機会と課題」シンポジウム

セイコウ・イシカワ大使講演

大阪 2018224

 

敬愛する大阪AALA理事長及び友人の皆さま、

カルロス・ミゲル・ペレイラ、キューバ大使及び私を、この貴重なシンポジウムにお招きいただき、ラテンアメリカの最近の情勢を共に語りあい、友好と連帯を祝うことを主催者の皆さんに感謝します。このシンポジウムは、特にベネズエラと日本の国交樹立80周年と、わが国への日本人移民開始90周年の機会に行われています。

 

来る35日は、ベネズエラにおいてはわれわれの最高司令官のウーゴ・チャベス・フリアス没後5周年を記念して祝います。したがって、今日のこの集会は、人類と社会的正義の遺産を思い出し、祝福するための絶好の機会となります。

 

ボリーバル革命に対して継続される攻撃

l  ウーゴ・チャベス・フリアス(Hugo Chávez Frías)司令官が、1998年に政権につき、その後透明性のあるいろいろな選挙に勝利して以来、ボリーバル革命は政治的・外交的・経済的、そして特にメディア、といったあらゆる角度から絶えず計画的で、系統的かつ継続的な攻撃にさらされてきています。

 

l  長年、一連の事件が起きてきました。アメリカ帝国が、米国を支配するグローバル企業グループの指示のもとに行動し、当初は隠蔽されたあらゆる干渉行動を実施してきたことの全容と詳細は、恐らく世界中で知られておりません。その目的は、ベネズエラ・ボリーバル共和国の合法的かつ主権ある政権を打倒することであります。最初は2002年にウーゴ・チャベス・フリアス大統領を拉致し、2013年以降は継続的にニコラス・マドゥーロ大統領の合法的政権に対して、そうした行為を行っています。

 

ベネズエラは脅威なのか?

l  多くの人が、同じ疑問を頭に浮かべます。「なぜベネズエラを攻撃するのか?」。オバマ大統領行政命令は、ベネズエラは、アメリカ合衆国にとって異常で異例の脅威であるとしていますが、ベネズエラは他の国々にとって脅威なのでしょうか。ベネズエラのような国が米国のような余大国を脅すなどというばかげたことが、信じられるでしょうか?

 

l  ベネズエラには大量破壊兵器はないし、どこの国にも軍事基地を所有していませんし、どの国も爆撃したことも侵略したこともありません。19世紀に解放者シモン・ボリーバルが率いる部隊がスペイン植民地帝国から独立するために戦っていたコロンビア、ペルー、エクアドルとボリビアの国民とともに闘うために赴いたことがありますが、歴史を見てもベネズエラの軍は、兄弟国を守るためにしか国外に出たことはありません。ベネズエラは、平和主義の国であり、憲法は、目的の中に国家間の平和協力と核軍縮を明白に定めています。ベネズエラは原爆と水爆の存在が意味する危険に対する唯一の保障である核軍縮を擁護しています。

 

l  さて、米国の利害について語る際には、中でもベネズエラが持つ世界有数の石油埋蔵量とベネズエラの地政学的位置に触れることになります。最重要な2つの戦略的ファクターであり、社会主義国であると明確に認識していること、愛国的政権であることが、アメリカ帝国の懸念するところになっているのです。愛国者であるウーゴ・チャベスとニコラス・マドゥーロは、わが国の主要な天然資源である石油の所有権を行使するにあたり民族的な政策を維持してきました。しかし、それだけでなく、OPEC(石油輸出国機構)と団結する政策を推進してきました。ヘンリ―・キッシンジャーの時代からエネルギーの大量消費国は、OPECを破壊しようと策略を図ってきました。そして、もうすぐ目的を達成できる、という時期にウーゴ・チャベスが、世界の石油舞台に登場し、大量消費国に追従する諸国が奉仕していた計画を挫折させたのでした。

 

l  一貫した社会主義者であるチャベスとマドゥーロは、所得の分配に関するいろいろな政策を適用しました。それは、もはやベネズエラの特権層を豊かにするのではなく、ベネズエラ国民の生活条件を継続的に改善するためのものでした。

 

l  ボリーバル革命は、ベネズエラ住宅計画(Misión Vivienda Venezuela)によって立派で設備を備えた家を与え、約200万世帯の尊厳を回復しました。市民の治安組織を強化し、全国民に対して例外なく推進してきました。すなわち、無料の初等、中等、大学教育、キューバ共和国との二国間協定に基づいた支援を得ての無料医療、研究奨励策としての奨学金、高齢者に対して物価スライド制による年金の増額、国の機関や国営企業での市民の労働賃金の増加、共同体が主導しての食料供給・生産についての地域共同体評議会制度の導入、そのための中央政府の確固とした支援、ベネズエラ全国に及ぶ住民自治組織と住民自治評議会のネットワークの拡大、様々な文化集団に対する支援など、国民の過半数の条件改善を目指す、枚挙にいとまがないほどの活動を実行してきました。しかし、エリートや経済力のある人々の集団は、こういう活動をよく思わず、食料と医薬品のテーマについては、特にコロンビア共和国との国境地帯において一時的な供給不足や危機を作り出して、頓挫させようとしてきました。

 

l  ベネズエラ政府の特徴である、ベネズエラ国民の物質的条件の改善と主権を重視する政策によって、ベネズエラは、国の富によるのではなく、ボリーバル的不屈の精神によって強い国になりました。

 

l  しかし、ベネズエラの国の利益に関わる政策の他に、ウーゴ・チャベス司令官は、アメリカ大陸統合の種を文字通り蒔き、水を与えました。アメリカ大陸の統合は、ボリーバルの時代以降、休眠状態になっていました。こうして多中核的・多極的世界の実現に貢献するためにALBA(米州ボリーバル同盟)、Petrocaribe(ペトロカリブ)、UNASUR(南米諸国連合)、CELAC(中南米・カリブ海諸国諸共同体)が生まれました。チャベスの指導力のもとで、ボリーバルは、崇拝対象の遺物ではなくなり、新たに現実の命を獲得しました。これらの計画は、的確で非常に示唆に富んだ計画であったと同時に、具体的な行動でもありました。「われわれのアメリカ」は、再び孤立した個別の国、存在するだけで満足する国ではなく、団結が代表する巨大な潜在能力を益々自覚し、またみずからの国土も、また主として国民の想像力も宿している印象的な富を益々自覚した国と変わりつつあるのです。

 

反ベネズエラの同じ戦略の中での様々な戦術、

l  1999年以来ベネズエラが被っている様々なハラスメントは、ウーゴ・チャベスが死去した2013年以降、またその後2015年に野党が立法府で勝利してから激しくなっています。ここ20年間にベネズエラは、様々な形で攻撃を受けました。それらは、クーデター、石油スト、殺人と絡めた暴力的過激行動、政治裁判の試み、組織的な品物の供給不足と買占め、OAS(米州機構)やメルコスール原加盟国(メルコスールをベネズエラ迫害組織に換えた)など多国家機関の絶えざる干渉的表明、また米国による制裁や干渉的な脅迫です。

 

l  問題は、南米地域の他の政権と違って、エネルギー資源をものにすることが大国の行動日程に入っているという地政学的状況下で、外国企業による石油産業の全面的管理(おまけに世界有数の確認済み石油資源を不法に占有しようとしている)を受け入れない政権を終焉させようとしていることです。

 

l  米国政府の政治・情報機関が、在カラカス大使館を隠れ蓑に、NGO(非政府組織)を通じて種々の行動に資金を提供し、指導してきたことは火を見るより明らかです。こうした地政学的行動からは、カリブ・南米・ラテンアメリカの国であるベネズエラ(「われわれのアメリカ」における典型的な地政学的性質です)を再び自国の権力下におこうという絶望的かつ誤った意図が垣間見えます。天然資源、特に石油・石炭エネルギーやウラニウムに加え鉄、ボーキサイト、コルタン、金その他ほぼ無尽蔵の既存資源に対する覇権を維持しようとしているのです。

 

l  レックス・ティラーソン米国国務長官は、20171月にシンクタンクLatin America Goes Globalのインタビューで、ベネズエラの体制転換への支援を確認しました。同長官は、マドウーロ大統領のチャベス派政権を交代させるたに地域の右翼政権や組織とともに努力する、と語りました。

 

l  南方軍司令官のカート・ティッド提督は、20174月の米国上院軍事委員会に対してベネズエラの深まりゆく「人道的危機」が「最終的に地域レベルでの対応を要求するかもしれない」と断言したことを忘れてはなりません。

 

l  2017年ベネズエラの野党が招集し、鼓舞した抗議行動の間に無責任な野党のせいで100名を余える死者が出ました。暴力が激化し、経済戦争が相当数の国民の苦しめていたなか、組織的な集団が連続的テロの状況を作り出し、統治不能で人道的支援と介入を必要としている状況を世界に見せようとしました。

 

l  ベネズエラの変革プロセスに対する国際的圧力が強まる中、米国の南方軍は、ベネズエラ周辺地域で様々な「活動」を展開しました。中でも際立ったのがTradewinds 2017(ベネズエラ沿岸の正面で行った軍事作戦)、最近ペルー、ブラジル、コロンビア三カ国のアマゾン三地域国境地帯で行った「Operación América Unida」(統一アメリカ・オペレーション)と称する軍事演習、また、20162月にホンジュラスにあるPalmerola(パルメロラ)基地からベネズエラを進攻する目的で準備したFreedom II作戦です。

 

l  南方軍のカート・ティッド提督は、10月にはっきりと、こういいました。「10年間挑戦をしてきた反米体制は崩壊しつつある。ベネズエラにおける民主主義に対する継続的な攻撃は、われわれの共有する価値を防衛する国々を結束させた」。ベネズエラの問題は「反米」の立場であることが明らかなのです。換言すれば、世界最大の石油埋蔵量を持つ国において社会・経済・政治秩序が提起している変革の過程は、米国と「西側社会」が推進する自由市場の民主主義に合わないと考えているのです。

 

l  しかし、米国がベネズエラ周辺地域で軍事的プレゼンスを持ち、常時監視しているだけでは不十分なのです。したがって、1113日にEU加盟国の外相たちは、ニコラス・マドゥーロ政権に「法の支配と民主主義」を強化するよう圧力をかける「規制手段」と考えるものの一環として、ベネズエラに対する武器輸出禁止策を承認したのです。

 

l  実際には物質的・象徴的に見てこの禁輸措置は、ベネズエラが「孤立し」、「包囲されて」おり、変革過程は「失敗した」という誤った印象を与えようと国際社会が講じて来た一連の政策に新たに加わったものです。具体的な例としては、マドゥーロ大統領に対して米州民主主義憲章を適用しようという強迫観念に駆られたOAS(米州機構)のルイス・アルマグロ事務総長主導でベネズエラに対して長年行ってきた運動があげられます。これらの「手段」は、経済戦争においては、包囲という不可欠の手段なのです。

 

l  このことは、むしろOASのいくつかの加盟国によるOAS民主主義憲章の原則の違反にあたります。不思議なことにこれらの国々は、いかなる加盟国の国土が侵害された場合にも適用されるべきTIAR(米州相互援助条約)の精神に違反しようとしているのです。これは、OASの最高責任者による法律上、また、客観的にもあらゆる法的秩序からOASが外れた行為なのです。

 

l  ティラーソン国務長官は、2月のラテンアメリカ諸国歴訪の際、この地域におけるベネズエラの役割を崩そうと願って、当面の地政学的目標を探しました。歴訪中にティラーソンが、「リマグループとOAS を通じてベネズエラに民主主義を復活させるために」、地域の諸国で行った会談について述べたことを考慮すると、もし仮に民主主義憲章適用の是非を問う投票が行われたならば、OAS内でベネズエラを制裁するのに必要な票数を確保する上で基本的に重要なのがカリブ諸国であることが理解されます。昨年OASにおいて、正にカリブ海の同盟国がベネズエラを援護して、米国は敗北したことを思い出すべきです。

 

l  ティラーソン国務長官が、右翼政権諸国のカルテル、自称リマグループを利用してベネズエラに対し、来る4月にリマで開催される米州首脳会議において、ベネズエラ政府を孤立化させ、連携して圧力をかけることを期待していると結論づける証拠が多数あります。

 

l  213日に米国と密接な同盟関係を形成している国々が合意した米州首脳会議における反民主的なベネズエラ排除は、各国元首と政府首班による議論や決定の水準まで上げられていないので、現在有効な基準には違反しており、失敗する方向に向かっています。

 

l  ティラーソン長官は、更にベネズエラ紛争で道が開かれるような新たな図式の中でモンロー主義を蘇らせようとしています。この主義を蘇らせたティラーソンによれば、ラテンアメリカにおける中国とロシアのプレゼンスが「欧州植民地主義」を思い出させ、それを口実に米国政府は、膨張政策を用いて西半球を米国の地政学的・軍事的・経済的後衛にしようとしています。ティラーソンは、中国とロシアが、彼の基準では「警戒すべき」「憂慮される」影響力を、有名な「裏庭」にたいして一層行使するのではないかという懸念を表明しています。

 

l  一部の覇権的メディアにより、ベネズエラが債務不履行(デフォルト)に陥るという推測が流されました。これを後押ししたのはStandard & Poor’sのような国際的格付け会社の表明でした。しかしながら、ベネズエラ政府は、すべての金融債務を債権者に返済し、2017年と2020年までの国債を保障しましたので、2017年現在のすべての債務は返済されています。更にベネズエラ政府は、債務のリスケを予定しています。2018年には他の約90億ドルの国債の支払いをしなければならないからです。米国が科した最近の経済制裁は、ベネズエラでは大統領選挙が行われる年であることから、国際機関が米国の圧力のもとで債務のリスケを阻止、あるいは少なくとも邪魔をするかもしれないことを示しています。

 

制裁、さらに制裁

l  国務省ができる範囲内で「ベネズエラの状況に対処する」ために、「あらゆる経済的・政治的・外交的手段」を駆使する論理で、ベネズエラ経済に「悲鳴をあげさせる」目的で、米国による経済制裁は位置付けられています(サルバドル・アジェンデが率いる人民連合政権を懲らしめるためニクソンは、チリ経済に対して制裁を行うよう頼んだのでした)。このように、15日米国財務省は、海外資産管理局(OFAC)を通して、ベネズエラの4名の高官に新たな制裁を科しました。

 

l  数週間後の122日、EUが米国の政策に加わり、ベネズエラ社会主義統一党(PSUV)副党首デイオスダド・カベジョ、最高裁判所長官マイケル・モレノ、内務・司法・平和大臣ネストル・ㇾベロ、ベネズエラ・ボリーバル国家情報局長官グスタボ・エンリケ・ゴンサレス、全国選挙評議委員長テイビサイ・ルセナ、検事総長タレク・ウィリアム・サアブ及びベネズエラ国家警備隊元長官アントニオ・ホセ・べナビデス・トレス、といったベネズエラ政府のその他の高官に対して制裁を科しました。

 

l  制裁内容は、これらの人物の資産凍結及びEU の全加盟国への入国禁止です。これらの制裁に加えて、201711月以降EU が課した武器輸出禁止、「国内の抑圧に使用」できるかもしれないあらゆる物質の輸出禁止が加わりました。更に米国政府がPDVSA CITGOといったベネズエラの石油会社と米国におけるその子会社の役員と企業に対して、以前述べた制裁も加わります。

 

l  最近、マイク・ポンぺオCIA長官が、トランプ宛に政治的、経済的面について多数の報告書を作成したことを明かしました。それらの報告書が、ベネズエラ中央銀行(BCV)や国営石油公社(PDVSA)が新規に発行する債券所有を禁止した制裁のベースになりました。

 

l  ラテンアメリカについては、太平洋同盟加盟国の大統領たちが、カルテル、リマグループを結成して、ベネズエラ政府に対する執拗なハラスメントが継続しています。リマグループとして、あるいは個人として、メディアを通じて、ベネズエラが「自由、民主主義、法の支配と人権の尊重を回復し、ベネズエラ国民に悪影響を及ぼし、苦しめている深刻な経済的・人道的危機を克服する」必要性について、繰り返し公言しています。また、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領も、最近行ったEU歴訪中に同様の意味の声明を出しました。この筋書きは、ラテンアメリカやヨーロッパの著名な元大統領たちが参加し、これらの声明を補強し、OAS に対し米州民主主義憲章を適用するよう執拗に申し立てるというものです。

 

l  今述べたあらゆる行動や声明と並行して、Human Rights Watchのような一見進歩的な人権擁護団体やシンクタンクの報告書が、「中立性」を装って刊行されています。これらのアナリスト達は、以前に述べた内容と軌を一にして、「体制転換」に向けて圧力をかけるためにベネズエラにおける「人道的危機」、「人権」の弱体や「民主主義」の不在を議論しています。数か月前にベネズエラの選挙の前倒しを要求していた人々が、今度は2018422日の大統領選挙実施を拒否しているのです。 

 

l  ドナルド・トランプ大統領は、最近の一般教書で「私の政権もキューバとベネズエラで共産主義と社会主義の独裁に厳しい制裁を加えた」と断言しました。

 

l  ドナルド・トランプは、ベネズエラ経済を攻撃目標にした行政命令(オバマ大統領が前に出した条例を継続して)を発令しました。詳細に読めば、ベネズエラが、米国にいるベネズエラの友人と関わりを持つことを阻止すると同時に、対外債務の返済や対外債務への新たな資金供給の可能性を規制しようという意図した、明白な妨害行為であることが分かります。

 

l  国際金融システムの大半は、近年ベネズエラの金融活動に対する封鎖体制を進めてきました。つまり、いろいろなベネズエラ国内機関(公的及び私的)によるベネズエラへの輸出業者への支払い、入金、送金、投資案内の管理、債務返済、国際的な資金源へのアクセスを制限しているのです。ベネズエラに反対して銀行のコルレス(代理支払い)契約が、一方的に相次いでキャンセルされました。PDVSAが発行した債券の支払い代理店であるデラウェアは、20177月から同銀行の米国にあるコルレス(代理支払い)銀行が、PDVSAからの資金の受け入れを拒否すると連絡しました。一方ポルトガルのノボ銀行(Novo Banco)は、20178月に仲介業者が封鎖しているためベネズエラの公的機関によるドル建ての業務はできない、と通知してきました。ベネズエラ債権のかなりの部分を保管しているベネズエラの国債のかなりの部分を管理しているユーロ・クリアー(Euroclear)社は、「見直し」の過程にあるかなりの額の保留国債の取引を留保しています。それは、OFAC の圧力によるもので、12億ドル余となります。ベネズエラと提携しているチャイナ・フランクフルト銀行(Bank of China Frankfurt)は、カナダの鉱業会社Gold Reserveに対する1500万ドルに上る債務を支払を履行することができませんでした。

 

l  食料及びその他の基本物資の輸入支払いが、封鎖を受けています。例えば11月の第三週には食料の代金支払いに向けた23余の業務で3,900万ドの支払いが返金されました。といいますのは、輸出業者の仲介銀行が、ベネズエラからの資金を受け入れようとしなかったからです。似たような状況が、クリスマス用品の買物、医薬品(インシュリン、マラリア治療薬)、種子、ベネズエラのスポーツ選手の移動(ウエルズ・ファーゴ銀行Wells Fargoが業務を阻止しました)、通信(オランダ・ラボ銀行Rabobankが、送金名義人がOFACの制裁対象であるとして国際通信社テレスルTelesurの運営のための支払いを拒否しました)でも起きました。

 

l  トランプ政権は、ベネズエラ経済にとって石油輸出が戦略的価値を持つことを認識して、ベネズエラに対し石油禁輸措置の適用を考えています。公式には最初この考えは、昨年9月に米国の国連常任代表、ニッキー・ヘイリー大使から出されました。2月、ティラーソン国務長官がアルゼンチン訪問時に、「米国における石油の販売やベネズエラ製品の精製に制裁を加えることをわが国は考えている」と述べました。

 

カリブ海においてベネズエラの石油に対抗する米国

l  経済戦争は、エネルギー分野に対する圧力も含まれます。周知のように、ベネズエラは、2005年にペトロカリブ(Petrocaribeカリブ石油供給協定)の創設を推進しました。このイニシアティブには、カリブ15カ国余が加盟し、ベネズエラがこれら加盟国に助成価格で石油を販売し、支払いにも便宜を図る、という形で協力しています。問題は、ベネズエラから見れば、同盟国のエネルギー安全保障を確固なものにして、その発展を保障し、それまでとは異なる地政学上の協力の基礎を築いていることです。

 

l  米国は、伝統的に米国の影響下にあったこれらの小さく経済力が脆弱な国にとって、関係を多角化し、より自由に行動できるようになる通商協定を実現することは戦略的な意味をもつことを認識していました。それゆえ、バラク・オバマ大統領の政権時からPetrocaribeから石油を調達するのを止めて米国との新しい同盟国から調達するよう、カリブ海諸国に対し圧力をかけました。米国は、ベネズエラの対外政策の支柱の一つを壊そうとしたのです。このようなことから、20151月に米国は、CELAC(中南米・カリブ海諸国諸国共同体)の第三回首脳会議開催に合わせて、カリブ諸国を招集して会議を行いました。その会議の後、4月にCESI(カリブ・エネルギー安全保障イニシアティブ)が、設立されました。米国は、石油価格下落後ベネズエラが、経済危機に陥ったことを、またそれがペトロカリブの協力関係に影響を及ぼし得ることを利用して、カリブ海の島嶼国を自らにひきつけようとしました。Petrocaribeが不安定である、という考えは、Atlantic Councilのような米国のエスタブリッシュメントの複数のシンクタンクが事前に研究しており、2014年にはUncertain Energy: The Caribbean’s Gamble with Venezuela(不確実なエネルギー:カリブ海によるベネズエラへの賭け)というタイトルの報告書が公表されました。

 

l  米国の更なる戦略は、エネルギーの代替をアピールするものでした。表面的に環境保護を唱える議論の裏には、カリブ海のような米国にとって地政学戦略的に重要な地域において、ベネズエラの影響力をくつがえそうとする地政学的な議論が隠されています。この文脈において、昨年1115日に米国国務省は、「カリブのエネルギー多角化を支援する」ために430万ドルを供出すると発表したことが理解されます。この発表が、「米国・カリブ海の繁栄に関する円卓会議」の枠組みでなされ、資金は、CESIの推進とカリブのための2020年戦略のために役立てる、といっていることを強調することは、重要です。この計画には、国務省のエネルギー資源局、米国開発庁(USAID、近年類似の諸計画を既に持っている)と海外個人投資会社(OPIC)が参加しています。国務省自体の説明によると、その仕事は「エネルギーに関する技術援助、計画準備のための補助金、企業にとって新規機会並びに世界で競合できる米国エネルギー輸出」をもたらすことです。

 

 

干渉の可能性

l  こうして、都合により合同で、または単独で実行する様々な規模や戦略が、明らかになりました。すなわち、国際機関や外交を通じた政治的圧力、経済的圧力、破壊活動、市街での暴力的なシナリオの構築、軍部による決起の誘い、「不安定性が高度になった」場合での介入の脅迫(これは南方軍の役割でしょう)です。これらすべてに、国際報道が付け加わります。実際、英語メディアや、スペインにある大手メディアでベネズエラに関して偏った(悪い方に)報道をしないものはありません。世界の世論に干渉者側の表現(「人道的危機」「警察国家」「麻薬独裁体制」)を売り込むのは、報道企業のできあがった確認されている戦略なのです。ますます、追いつめられた無法の、破産した国家であると語るのです。すべては、ベネズエラが直面している「人道的危機」について、同意を得るためであり、そのことにより、様々な種類の干渉を正当化できるからです。

 

l  今述べたことに、ラテンアメリカ地域における米国軍のプレゼンスが増していること、最近カート・ティッド提督がコロンビアを訪問したこと、コロンビアとブラジルに駐屯していた複数の部隊がベネズエラとの国境地帯に移動したこと、他方ではベネズエラ移民の問題で悪印象を与えようとしていることを勘案しますと、最小限の口実でベネズエラに軍事介入するための完璧なシナリオが作られつつあるように思われます。後は挑発することで、虚偽であってもいいのです。コロンビアからの偶然の攻撃か、ベネズエラ国内での何らかの暴力行為か、それが、ラテンアメリカの1カ国または複数の国の軍隊の干渉を正当化する、というもので、そのことにより、米国南方軍が何らかの形で介入する状況が作られることになるのです。

 

l  先週、ベネズエラのネストル・ㇾベロル(Néstor Reverol)内務・司法大臣は、コロンビア陸軍が150名以上のベネズエラ人を徴兵したことを非難しました。これは、彼らにコロンビアの身分証明書を迅速に供与して、彼らに反コロンビア行動を行わせ、ベネズエラ=コロンビア国境地帯で偽の身分証明書であることが暴露される事件(虚偽の身分証明書をもった行動)をでっちあげるためです。 

 

制憲議会

l  国内外の構成員を使った帝国主義の攻撃が、強まるなか、ニコラス・マドゥーロ大統領は、201751日に国の平和と対話のための制憲議会選挙を招集しました。大統領直属の委員会が設立され、選挙基準案を策定し、地域別と分野別の投票を決定しました。制憲議会を招集する決定は、ベネズエラのテロリスト野党が引き起こした紛争と暴力のただ中で、高級の対話を行うことを提起したものです。日常的な厳しい批判という困難を解決し、わが国における経済、政治、社会モデルにおいて構造的な矯正を実現するために、制憲議会は必要な場なのです。

 

l  昨年730日に制憲議会の選挙当日、多数の国民の投票行動を困難にしたのは、暴力行動でした。問われていたのは、マドゥーロ大統領の政権が、2015年に投票しなかった200万人の一部のチャベス派を取り戻せるかどうかでした。しかしながら、攻撃と暴力が、チャベス派=マドゥーロ派及び批判派を制憲議会に関わって団結させるにいたったのでした。その時、選挙キャンペーンは、平和の呼びかけが設定されました。制憲議会により、議員たちが属する分野や地域に基づいた提案をもった、新たな基礎的指導層が出現したのです。

 

l  制憲議会が成立して以来、ベネズエラは、平和への道のりに戻ることができました。われわれは、国に対する極右分子が行う暴力による不安定化キャンペーンを打ち破りました。それは、彼らが外国の介入とニコラス・マドゥーロ共和国大統領に対するクーデターを正当化する計画を、再活性化しようとするものでした。

 

l  制憲議会は、本来、国民に存する権力を解き放ち、今やベネズエラ社会の重要な仲介者としての役割を果たす構えでいます。制憲議会は、最も多様な民主主義を現実的に行使するという精神を常に持ちつつ、論争に終止符を打つためには、欠かせない場なのです。国は、引き続き、他の各権力とその機関の権限と相互依存性を尊重しつつ、これまでの道を進んでいます。

 

l  全国選挙評議会の規定に沿って、選挙日程が決められました。ベネズエラでは7月末から1210日までの間の140日間に3つの選挙が実施されました。制憲議会選挙、県知事選挙及び基礎行政区選挙です。これらの三つの選挙で、チャベス派は、再評価され、再び選挙での力を増し、明白な勝利をおさめました。

 

l  10月におこなわれた県知事選挙は、投票率は54%で、チャベス派は54%の得票率を確保しましたが、野党は得票率45%でした。国内23県のうち18県でボリーバル革命が認められました。

 

l  基礎行政区選挙には、70余の政党が参加し、チャベス派は、6,517,605票(得票率70%)を獲得したのに、野党は2,749,778票(得票率29%)を得票しただけでした。ボリーバル革命は、305の基礎行政区長(92%)を獲得、野党は25の基礎行政区長(7%)、その他の政党が5の基礎行政区長(1%)を獲得しました。

 

l  同様に、来る422日に大統領選挙が招集され、12政党が候補者を出します(224日現在)。ニコラス・マドゥーロ大統領は、最近開催されたPSUV(ベネズエラ社会主義統一党)の全国大会においてチャベス派の候補者に任命されました。

政府と野党の対話

l  前述した判断材料を見れば、ドミニカ共和国における野党とベネズエラ政府の対話の場を崩そうと急いだ、米国とコロンビアの寡頭政治支配者の行動を理解できます。もし、両者が既に用意し、双方が承認していた合意書に署名していたならば、ベネズエラに対する介入の陰謀が少なくともしばらくの間は停止することになるはずですから。

 

l  2017年末、マドゥーロ大統領が推し進め、ダニロ・メディーナ(Danilo Medina)ドミニカ共和国大統領が後援者となり、スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテーロ(José Luis Rodríguez Zapatero)元首相が仲介者となり、ドミニカ共和国で政府と野党間の対話が行われました。フリオ・ボルヘス(Julio Borges)を団長とするベネズエラ野党代表団が、合意書の作成を作業しました。いつものように、ボルヘスは、様々な国や国際機関に対して、一方で対話を肯定しながら、他方で経済封鎖を更に厳しくし、制裁を拡大し、ベネズエラの内政に外国が介入するよう求めました。

 

l  このような状況を前に、サパテーロ元首相は、公開書簡によって、マドゥーロ大統領側は既に合意を果たしており、野党には最後の瞬間に態度を変えて攻撃するのではなく、これまで形成してきた合意を尊重するよう主張しました。結果として、ボルヘスは、何度も矛盾する表明を行ったあと、ベネズエラ全国選挙評議会により行われた選挙の呼びかけを拒否しました。ところが、この同じ評議会が、数度の選挙で野党が勝利したことを承認しているのです。

 

ベネズエラの同盟国

l  ベネズエラが国際的に孤立しているという考え方を押し付けるのは、基本的に、強力な経済権力に結びついたメディアによるプロパガンダによるものです。これらのメディアにとって、国際システムは、西側の中心的な大国の存在に限定され、中華人民共和国、ロシア連邦、インド、ブラジルなどのすべての新興国は無視されているようです。しかし、これはBRICSに限ったことではありません。ウーゴ・チャベス元大統領は、ベネズエラの外交政策を、ベネズエラの二国間関係においても多国間関係においても、また、影響範囲の多様化においても、それまではベネズエラ外交が開拓していなかった国や地方まで展望を広げました。その結果、ベネズエラ国家は、過去10数年間、国際的に第一級の積極的で精力的な国になりました。OPECの交渉においては、世界の確認済石油資源の主要な保有国として中心的な役割を果たし、国際的な反帝国主義の基準にもなっているという特徴からも、国際的孤立という図式は、偽りであることが分かります。

 

l  事実20169月から2019年までベネズエラは、NAM(非同盟諸国運動)の議長国を務めています。ベネズエラは、初めてこの国際組織の責任を負っていますが、海外で国が、大いに問題視されている時期だけに、大きな象徴的意味があります。また、ベネズエラは、2017年からカリブ諸国連合の議長国でもあります。

 

l  ボリーバル革命に対して虚偽の証言がなされたり、国内政治に不安定化が誘引されたりしても、それにもかかわらず、ベネズエラは、ここ重要な数カ月間に中国やロシアといった大国と通商協定に調印しましたし、これらの国の政治的支援を受けています。ロシア企業は、米国による制裁が行われているさなかに、PDVSAに前払いをして支援しています。

 

l  ベネズエラの変革プロセスに対して、日々軍事・政治・経済及びメディアによる包囲が行われており、包囲の当面の目的は、ベネズエラは孤立しており、強力な同盟国がなく、「出口が無い」という考え方を植え付けることです。しかしながら、ベネズエラ国民は、強さと自尊心があることを見せています。それは、去る7月の制憲議会選挙と2017年の県知事選、基礎行政区選での国民の参加に示されました。一方ベネズエラ政府も、引き続き、国際的な同盟を強化しています。包囲は現実にありますが、失敗しています。新自由主義のメディアの予測に反して、ベネズエラ国民が変革プロセスの強化を目指しているという「想定外」の現実がありますが、そのことは、来る422日の大統領選挙で再び示されることでしょう。

 

結論

l  帝国主義はベネズエラに対する干渉の水準を高め、ボリーバル革命への攻撃を強化するための条件を作り出そうとし、合法的なマドゥーロ大統領政権を不安定にし、「体制の転換」を招こうと企図しています。

l  この条件には、国際世論の前で、ベネズエラを否定的に画き、帝国主義の戦略を正当化する容赦ないメディア操作が含まれています。ベネズエラ人の近隣諸国への「想像上の大量の恒常的な移民」による人道的危機という場面が強調されています。

l  かくして、干渉の仕組みは、政治的、外交的、メディア的、経済的圧力を含むまでに拡大され、最も懸念されることは、軍事的オプションとなっています。

l  軍事介入の脅迫は、この恒常的な増大している強力な圧力に加えて、革命の過程に「制裁」を科すために、より不安定化を招く要因として使われています。

l  ワシントンにとって、唯一の解決は、今や、ニコラス・マドゥーロの交代及び「体制の転換」となっています。このオプションは、内戦と甚大な人的・経済的損失の危険を内包するもので、最近イラク、リビア及びシリアで適用された荒廃と悲惨なモデルと同じものです。

l  そして、ベネズエラの反政府派は、このオプションを支持して、ドミニカ共和国での対話で到達していた合意に署名することを拒否しました。この合意は、内部の政治的紛争を減少させるためには必要な一歩となっていました。この反政府派による拒否でもって、ベネズエラに対し金融的、経済的に最大限の包囲を進めるための必要な口実を作り出そうとしたのです。

l  帝国主義の攻撃は、ベネズエラを米州の政治的に重大な問題点と認識し、転覆する―それも急速に―必要性があるとするものです。というのは、ベネズエラは、米州において新興の多国間ブロック(中国、ロシア、2018年の国家安全保障戦略の地政戦略の視点に従えば)の導入のために地政学上の橋渡しとなっているからです。米国は、米州を専一的な地政学上の後衛と考えているのです。

l  日程と要因が組み合わされており、危険で憂慮されるものとなっています。こうした干渉行為を合法化することを支持し、推進している地域の右翼政府が果たしてきた悲しむべき役割がそれを代表しています。

l  帝国主義の増大する攻撃に対決するために、ボリーバル革命は、引き続き社会的成果を前進させ、参加型、国民が主人公の民主主義を改善し、住民共同体を通じた社会運動組織を拡大し、変革の過程を支持する政治勢力と団結し、疲れを知らぬほど努力しています。これは、フィデル・カストロ司令官が「思想の戦い」と呼んだ、国民の意識改革です。

l  ベネズエラにおいては、平和、民主主義、独立、主権、民族自決権を擁護する決定的な戦いが展開されています。

l  連帯は、ベネズエラ及びボリーバル革命が覇権主義大国に抵抗できるための道具です。独立、主権、民族自決権の擁護のために闘う人々の努力を結集し、相互の連帯を強化することが必要です。

 

終わりに当たり、永遠の司令官、ウーゴ・チャベスがわれわれに残したことば、皆さんとともに共有したいと思います。「帝国主義が存在するかぎり、ボリーバル革命は、危険、脅迫にみまわれる。というのは、われわれは、彼らの代替モデルを建設しており、もしわれわれが成功するなら、資本主義が一掃されるからである」。

 

ボリーバル革命との一貫した連帯に感謝いたします。

 

ベネズエラ医療危機の真実が叫ばれていますが、作られた危機だけが声高に叫ばれ、本当の危機は無視されています。これはその一端を報告した記事です。

CORAL WYNTER
Barquisimeto
September 25, 2017

この記事は、グリーン・ウィークリー・ウィークリーが、ララの州都バルキシメトで「命のための女性運動」をになっている活動家カトリーナ・コザレクから取材したものです。

今年の初めから、ここララ州で出産時に76人の女性が死亡しました。これはベネズエラの中で最悪の数字であり、他の国の死亡率の3倍にものぼります。

この州は貧しい黒人が多く住んでいますが、医者も看護師も、黒人女性の扱いは本当にひどいものです。彼らは女性の尻を叩き、名前を呼び捨てにしてこう言います。
「叫ぶんじゃない。お前がセックスをしていた最中にはそんなに叫んでいなかったろう」
これらは、産科病棟のホラーストーリーの一部にすぎません。
本当なら医師はこんなことをしたら免許を失ったり、停止処分を受けたり、刑務所に行く可能性もあります。しかしそのようなことは、これまでのところ起こっていません。

ベネズエラ医療危機をもたらした犯人
ベネズエラの保健システムは州単位に「分権化」されています。まずこのことに注意することが重要です。
保険医療のための資金と、医薬品などの供給は国からまわされて来ます。しかし、それにもかかわらず、州の健康に関する行政上の決定はすべて地方自治体が管理統制しています。
ここララ州の場合、知事は野党のアンリ・ファルコン、州保健部長も野党のルイ・メディナです。
この州の保険医療はひどいものです。薬の不法取引に関わる地下のネットワークが形成されています。それがマドゥロ大統領に対する経済戦争の一環を担っています。
ほとんどの医師や看護師は、上層階級に属しています。だから政府が社会と健康管理システムをどのように運営すべきかについて、私たちとは全く異なるビジョンを持っています。圧倒的に、彼らは野党=ララ州政府を支持するのです。

ベネズエラ人医師が抱える道徳的問題
看護師や医師は、例えば帝王切開を行うと称して、公立病院から出産用医療セットを譲渡するよう要求することがよくあります。しかし多くの医師たちが、その出産用医療セットをヤミ業者に横流ししてしまいます。
ではどうするか。医者や看護師は、患者に「あなたは自分の薬を見つけなければならない」と伝えます。そうすると患者・家族は薬局に行って必要な器具や薬を買い求めなければならなくなります。「まさか、ウソでしょう」と思うでしょう。
しかし本当です。カラボボ州(ララ州の隣)のバレンシア中央病院の病院長は、薬や器具をヤミ業者に横流ししたのがバレて逮捕されました。
メリダ州の病院ではさらにおぞましいことがありました。
ある看護師はある日、街頭での衝突で負傷したチャベス支持者が担ぎ込まれました。このとき一人の看護婦はこの患者に致死的な薬液を注入するよう強制されたといいます。

女性グループが立ち上がった
コザレクらバルキシメトに住む女性グループはこのような状況を打破するために立ち上がりました。彼女たちは、出産キットを医師と看護師を迂回して確保するためのシステムを作り上げました。それは「女性のための地域共同防衛隊」と名付けられました。
それは病院の労働組合が仲立ちするものです。帝王切開の症例が発生したとき、女性グループからの連絡を受けた労働組合が、当局に出産キットの払い出しを代理申請します。キットを受け取った労働組合から患者に手渡すというシステムです。
「私たちはこのシステムによっていくつかの正義をもたらすことができました」と、コザレックは述べています。「病院の労働者と一緒に、私たちはこの状況をコントロールすることができるようになりました」
この社会実験が行われたのはバルキシメト郊外La Carucienaの小規模公立病院でのことです。それは公立病院ですが、死亡事故や不審死の大部分が発生する州都の主要病院ではありません。
コザレックは振り返ります。「これは簡単なプロセスではありませんでした。医者たちはこの試みに反抗しました。先週には、病院の専門医2人が退職すると脅かしてきました」

州幹部を巻き込んだ大泥棒作戦
保険医療の戦線での「戦争」で使用された別の戦術は、泥棒作戦です。すなわち大型・高額医療機器の盗難です。
これらの機器は公的病院のためにチャベス政権が購入したものでした。しかしそれらを現場で使用するのは医師たちです。
医師の多くは個人開業医を兼ねていたり、あるいは転職して開業するつもりです。このような場合、医師は、個人開業のためにそれらの装置を盗むことが往々にしてあります。
何人かの医師は窃盗がばれて刑務所に行きました。しかし多くの医師はうまいことそれを手に入れました。もっとひどいのはそれを転売することです。
しかしそれは盗品買いがいないと成立しません。その先頭に立ったのが野党政治家です。
ララ州の知事も州都バルキシメトの市長も野党所属です。彼らこそが医薬品や医療機器の闇市場ネットワークを構築する主役となったのです。
全国女性連合の闘い
コザレックたちは「全国女性連合」(Unamujer)に結集して、これら野党勢力と対決することになりました。
「私たちは2015年に記者会見を開きました。ララ州での妊産婦の死亡率は高い、そしてさらに上昇しつつあると主張しました」
「私たちは州政府前の広場まで行きました。私たちのビデオカメラが撮影を開始した時、近くの野営事務所から50人ほどが出てきて、私たちに石を投げ始めました。私たちは20人くらいしかいませんでした」
「私たちは、投石者のうちの何人かが知事の有給秘書であることを確認しました」

このあと最後の一言を誰かに聞かせたい

これが現実です。しかしいつものように、この現実はどれも国際的なマスメディアで語られていません。
その代わりに富裕層相手の小商売を営む「庶民」が三段抜きの記事で取り上げられる(しかも外信の受け売り)。これでは創刊90年の歴史が泣こうというものでしょう。

インデペンデント オンライン 1月3日号


これはトランプがベネズエラへの武力侵攻を考えているとの発言に関してのもの

世界各国の政府は、ベネズエラ政府が政権の民主的移行を認めず、基本品目の価格急騰を放置していることを批判しているが、解決策として武力紛争を提起したものはいない。

EUや近隣諸国からいくつかの経済制裁が行われてきたが、マドゥロ氏の統治権力を否定するものはなかった。

しかし、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、パナマの閣僚は、マドロ氏の辞任を促すための「軍事的選択肢」に関するトランプ氏の提案を覚えている。
それは17年9月の米州会議後の首脳夕食会における一場面である。

「レックスは、あなたが『ベネズエラで軍事的な選択をしたくない』と言っていると、私に伝えていますよ」
夕食会の参加者によると、トランプは同席する首脳の一人にそういったそうだ。その時トランプの左にはレックス・ティラーソン国務長官が座っていた。

結局のところそのテーブルに座った人々は、トランプの意見に反して、武力干渉が極端な措置になるとの判断で合意した。その時トランプはこう言ったそうだ。

“Is that right ? Are you sure ?”

「夕食が終わる頃、ラテンアメリカ各国指導者たちはショック状態に陥りました。武力紛争はただの空想の話ではなかったのです。 
覚悟していたとはいえ、米大統領の就任以来の8ヶ月は、彼らの想像の範囲を全く超えていたのです」
こうPolitico紙はレポートしている。

元米国関係者は、「ラテンアメリカの指導者たちは、間違いなく、米国の広範な関与について再確認した。そして就任後8ヶ月であるにせよ、米国の関与に関するトランプの無知に驚いた。そして将来の恐るべき不確実さについて懸念を抱かざるを得なかった」


バーク・オバマ政権時代に国家安全保障理事会の西半球上級代表であったマーク・フェイエスタイン氏は12月の米州協会・米州会議で語った。

 トランプ政権の国家安全保障理事会は、ベネズエラを大統領の3つの優先事項の1つとしている。イランと北朝鮮は他の2つである。

9月の夕食よりわずか1ヶ月前に、国連総会の席上で、トランプ氏は語った。
「ベネズエラのための多くの選択肢があり、そこには軍事的選択肢も含まれる」

マドゥロ氏はこの不安を利用して支援を集め、この地域のアメリカの外交官は不安と緊張を和らげるために奮闘した。

一方で米国はベネズエラ国有石油会社に対し厳しい制裁を課している。

この記事はやや大雑把なところがある。別な記事ではこうなっている。
When President Donald Trump sat down for dinner on September 18 in New York with leaders of four Latin American countries on the sidelines of the annual United Nations General Assembly,

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