鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

カテゴリ: 16 国際政治/ラテンアメリカ

変な記事があった。
日付は去年の7月30日、立憲議会の投票当日、混乱の極にあった日である。
記事が載ったのは長者番付で有名な財界紙「フォーブス」である。
Congratulations To Venezuela - The Human Development Index Is Up
というもの。訳すと「おめでとうベネズエラ 人間開発指数が上がったよ」ということか。


ベネズエラは、いまや経済的ににっちもさっちもいかない状態だと考えられている。
ハイパーインフレが襲っている。この1ヶ月で物価は50%上昇した。すべての人の体重が食料不足で減少した。子供は医薬品の不足から死にかけている。トイレットペーパー、ビール、ビッグマックは使い果たされた。

しかし、「国民よ心配するな。人間開発指数は上昇したのだ!」 そう報道されている。
いや、違う。これははるか遠いヨーロッパの左翼の連中の所業だ。
ベネズエラはその歴史において最も重要な時代にあります。
私は最初から、ボリバルの革命を重視し、連帯してきました。
過去20年間の社会的成果は疑う余地がありません。
これを証明するためには、「人間開発指数の進歩」に関する2016年版国連報告書を参照するだけで十分です。
レポートは続く。
2015年のベネズエラの人間開発指数は0.767でした。これは188の国と地域のうち71位、トルコと同格にランクされます。人間開発の分野で高開発国に位置する数字です。
1990年代から2015年にかけて、ベネズエラのHDIは0.634から0.767へと増加しました。増加率は20.9%にあたります。
1990年から2015年にかけて、出生時平均余命(平均寿命)は4.6年増加しました。平均教育水準は4.8年に上昇しました。一般教育年数は平均値で3.8年増加しました。
1人当たり国内総生産(GDP)は1990年から2015年の間に5.4%増加しました。
もちろん、この報告はいろいろな読みかたができる。

私の場合、最初は、それが本当に真実であったのか、今も真実なのかをチェックすることから始まった。
(しかしそれは事実だった)
つぎに私のしたことは、HDIはライフスタイルや経済管理を評価するために果たして適当な方法なのか、ひょっとして違うのではないかという違うことだった。
なぜなら、もし経済が誤操作の結果、自由落下している状況のもとでも、HDIが「状況は良好だ」というのなら、それは社会状況の測定システムとしては使えないことになるのではないか?
(しかしそれも事実だった)
HDIは「状況は良好だ」と言っている。
GDPがこれだけ明らかに失敗を示している以上、HDI指標はすべてたんなる憐憫にしか過ぎない。もしHDIが「ベネズエラはうまくやっている」というデータを出すのなら、その測定システムに誤りがあるとしか考えられない。

エディターさん、ご苦労さま。ご同情申し上げます。紛れもない事実を前に思い悩む姿が目に浮かぶようです。もう少し事実に対して素直になれば、楽になると思うのですが。

ベネズエラのアレアサ外相、国連で米国の干渉を非難
Venezuela's Arreaza Condemns 'US Interventionism' in UN Speech

2018年2月26日 teleSUR

「20年近くにわたり、我々チャベス主義者は外国人の介入勢力に嫌われてきた。我々が石油、ガス、金、希少金属、ダイヤモンド、水、肥沃な土地の主権を取り戻すことを熱望し続けているからだ」

ベネズエラの外交トップは、スイスで人権理事会会議に出席し各国高官に語りかけた。

アレアサ外相は言った。ボリーバルの言葉を引用した。「アメリカ合衆国は自由の名のもとに、南北アメリカ大陸に悲惨を広げることを望んでいる」と。

アレアサは述べた。「トランプ米国大統領がベネズエラを脅かしている、そして我が国への制裁を課し、マドゥロ大統領を打倒しようとしている」と。

「この人権理事会が戦争を起こしたい人にハイジャックされることは許されない」

アレアサはティラーソン米国務長官の最近のコメントを指摘した。その中で彼は公然と、ベネズエラの民主党政権の打倒を提案し、次の選挙の結果を認めないと述べた。

アレアサ外相は、「それはベネズエラが今年受けた105の国際的な言葉による攻撃のほんの一部に過ぎない」と付け加えた。

マドゥロは、野党が「平和のための対話」に参加するよう400回以上も呼びかけている。しかし、彼らはそうしなかった。そうしたくないからだ。
アレアサは強調した。
野党は、4月22日の選挙に参加することにも同意しなかった。その日は彼らの提案した日だ。

彼はさらに、米国政府を非難した
「ベネズエラに人道的危機がある」という話を世界に信じさせたこと。それは南米諸国への介入を意図したものだということ。
一方で、国連の独立人権調査官アルフレド・デ・サヤスの最近のコメントの意味を強調した。

先週、サヤスは「ベネズエラに人道危機はなかった」と述べた。
「もちろん欠乏、不安、不足はある。しかし何十年も国連で働いて、アジア、アフリカ、中南米の国々の状況を知っている人なら誰でもわかる。ベネズエラの状況は人道的危機ではない」
サヤ発言の詳細は下記をご参照ください
2017年12月25日 ベネズエラ:国連人権専門家の最新報告

アレアサはこう付け加えた。「にも拘らず、メディアの報道がベネズエラは破滅の危機にあると報道するのは、なぜか。それは、ベネズエラが経済戦争を仕掛けられているからだ」

そして「さらにベネズエラは金融封鎖、法外な密貿易などに苦しめられている。これらの問題を解決するために国際連帯が必要・不可欠だ」と述べた。

アレアサはまた指摘した。
「ベネズエラの人々は給与増や年金制度などの社会計画の恩恵を受けている。障害者には奨学金が渡され、失業率は6%に低下した。600万人以上の家族が“供給・生産地方委員会”の恩恵を受け、200万の家が分配された」

「ベネズエラは、人権擁護のために国連と協調している。他の国々は人権を軽視し違反している。
人権は神聖でなければならない。私たちはそれらに違反することはできない。なぜならそれは人類の防衛にとって不可欠なものだからだ」

(ベネズエラ連帯キャンペーン 18年3月1日)

「フェイク・ニュース」という言葉はドナルド・トランプのおかげで2017年に有名になりました。

しかしミスリードし、ミスインフォームし、アンダーインフォームする企業メディアのパワーはもっと深い根っこを持っています。
それはメディア自身とその強力な同盟者の利益を守るために発揮されています。

それがラテンアメリカに適用される時には、一般市民により深刻な影響を与えます。それが3つの国の事例で示されています。

ブラジル

ブラジルでは、民間ニュースメディアが、ディルマ・ルセフ大統領に対する2016年の反政府ラリーをことこまかに報道しました。

これには、世界で2番目に大きな商用TVネットワークであるO Gl​​oboも含まれています。

民間メディアと右翼は、「ブラジルの腐敗」という蛇の頭にルセフ大統領を乗せました。腐敗の疑いや捜査が行われていないにもかかわらず、彼女に「予算操作」というレッテルを貼ったのです。

大規模なデモンストレーションは、ルセフを解任するための不正な弾劾行為に対して強力な政治的支援を提供しました。

テメル副大統領は選挙の洗礼を受けることなく大統領に就任しました。そして大衆の支持がない強硬な緊縮策が迅速に設定されました。

ルセフ糾弾デモとは対照的に、何百万人もの労働者の支援を受けて、2017年4月に全面緊縮策に対するゼネラル・ストライキが発生したとき、メディアの報道態度は変わりようがありませんでした。

報道されたことは、ストの規模の大きさではなく、むしろ「デモンストレーション、抗議、破壊行為」でした。

労働総同盟のスポークスパーソンは語っています。
「ストライカーとデモ参加者は決してインタビューを受けることはなかった。ゼネラルストライキの目的についての議論は決して聞かされなかった。主流メディアは、明らかにストライキは信用できないという報道傾向を持っていた」

同時に、ブラジルの私営メディアは、2016年9月にテメルがルセフの解任を承認した理由を無視しました。

テメルは、米国のビジネスリーダーや外交政策の専門家との会合に向けて語っています。

それは民営化へのルーゼフの反対と、彼の党とその大企業の支持者によって強要された弾劾でした。「予算犯罪」とはおよそ無関係の理由でした。

最近これらのメディアと右翼勢力は、10月の次期大統領選挙でルーラ元大統領の再立候補を阻止しようと必死です。

ルーラの顧問弁護士はこう語ります。

「ルーラや支持グループに関する報道には、根拠のない情報漏れが絶え間なく続いている。これらの情報はどれも証明することはできませんが、その人が有罪になるまで、報道に何度も繰り返し現れます」

ホンジュラス

ホンジュラスでは、2009年に、軍事クーデターでマヌエル・ゼラヤ大統領の進歩的民主主義政権が覆されました。

大資本所有のメディアは、クーデターと結合し好意的な広報とサポートを提供しました。

このクーデターは、ラテンアメリカ、EU、米州機構その他の地域ブロック、各国政府によって広く非難されました。

対照的に、米国では、バラク・オバマとヒラリー・クリントンはこの政治危機を軍事クーデターと呼びませんでした。

その後の選挙では、メディアの沈黙と、野党指導者を対象とした投票前の暗殺が実行されました。

国際機関は選挙を監視していません。

今日のホンジュラスのニュースメディアは、依然として強力なビジネスエリートの手に集中しています。

コミュニティのラジオ局の地位はあいまいで、特に野党の意見を報道するときにはみずからを危険に晒すことになります。

国境なき記者団は次のように報告しています。

「ホンジュラスではさらにプレスの自由度が低下している。
 ジャーナリストは、2014年1月以来、フアン・オーランド・ヘルナンデス大統領の下で恐怖と自己検閲の雰囲気が強まり、不法捜査、暴力、殺人の対象となり続けている」

昨年12月、ドナルド・トランプ氏は、選挙詐欺の多くの疑惑にもかかわらず、勝者として、保守派で親米のヘルナンデスを承認しました。

そうした中で、彼は選挙監視団の調査結果を無視し、米議会有志議員と「独裁政権に反対するホンジュラス同盟」によるやり直し選挙の求めを無視します。

言うまでもなく、フォックス・ニュースはエルナンデスを支持する物語を提供しました。

しかし「エコノミスト」誌(保守系)さえも、選挙前の投票談合計画とヘルナンデス賛成票の積み増しの両方を報道しました。

「エコノミスト」はこう書いています。
「国の最高選挙裁判所(TSE)が公表した結果には、依然として説明できないほどの投票終了の遅れがあった」

ベネズエラ

ベネズエラでは、強力な民間企業が報道メディアを支配し、ニコラス・マドゥロが率いる現政権に対して積極的に政治介入を行い、将来のクーデターのための条件を作り出そうとしている。

1998年のウーゴ・チャベス選挙の4年後、アメリカと同盟関係にあるビジネス・エリートの敵意が激化。2002年にはクーデターを開始した。民営メディアは全面的に支持した。

国際的な報道機関は、情報源を地元ジャーナリストに依存していた。そのため、世界中のメディア報道が歪曲させられた。

英国では、主流メディアが1998年以来のチャベスの成果についてはほとんど報告しておらず、抑圧された人々が権威主義的な軍事指導者に立ち向かう物語として安易に受け止められた。

英国の企業メディア報道には、チャベスに「民主主義者というよりは独裁者」とか「遊び場のいじめっこ」というレッテルを貼るなど、不正確で誤った特徴づけが数多く含まれていました。

クーデターの2日後、民衆的に選出された大統領として人気のある蜂起がチャベスを元通りにしたが、右派野党の物語は持続し、国際メディア、特に米国で増幅されました。

過激な野党の指導による暴力的な抗議は、2014年には40人、2017年には120人以上が死に至りました。

主流の国際メディアの多くの特徴は、犯罪的な放火、バリケード封鎖、看護師や病院への攻撃などを無視しており、これらの死者は非常に多くなっています。

すべて人生の喪失は悲劇です。責任者は説明する必要があります。ベネズエラ政府は、治安部隊員が不法殺人犯の加害者と疑われたり、積極的に特定された例を認定しており、逮捕や起訴は既に行われています。

それにもかかわらず、国際メディアが提示した印象は、ベネズエラの暴力は、極端に偏った政治的格差の片側のみに由来しているように描き出します。
国際的な非難を何ら受けずに暴力を使うベネズエラの右翼の過激派分子には青信号が灯されています。

ニュースのストーリーは、各派の利害を理解しつつ注意深く読む必要があります。

主流メディアの歪んだ抑圧的な物語は、ベネズエラ、ブラジル、ホンジュラスなどのラテンアメリカ諸国の社会正義のために苦労している人々を傷つけ、強力な人々の特権を維持しようとしています。

したがって、これらの闘争の実態を理解し、それに根ざした国際連帯の構築がより重要でしょう。

大阪AALAでのベネズエラ大使の講演内容です。新藤さんの配信を転載します。


大阪アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(Osaka AALA)主催

「ラテンアメリカとカリブ:危機の時代の機会と課題」シンポジウム

セイコウ・イシカワ大使講演

大阪 2018224

 

敬愛する大阪AALA理事長及び友人の皆さま、

カルロス・ミゲル・ペレイラ、キューバ大使及び私を、この貴重なシンポジウムにお招きいただき、ラテンアメリカの最近の情勢を共に語りあい、友好と連帯を祝うことを主催者の皆さんに感謝します。このシンポジウムは、特にベネズエラと日本の国交樹立80周年と、わが国への日本人移民開始90周年の機会に行われています。

 

来る35日は、ベネズエラにおいてはわれわれの最高司令官のウーゴ・チャベス・フリアス没後5周年を記念して祝います。したがって、今日のこの集会は、人類と社会的正義の遺産を思い出し、祝福するための絶好の機会となります。

 

ボリーバル革命に対して継続される攻撃

l  ウーゴ・チャベス・フリアス(Hugo Chávez Frías)司令官が、1998年に政権につき、その後透明性のあるいろいろな選挙に勝利して以来、ボリーバル革命は政治的・外交的・経済的、そして特にメディア、といったあらゆる角度から絶えず計画的で、系統的かつ継続的な攻撃にさらされてきています。

 

l  長年、一連の事件が起きてきました。アメリカ帝国が、米国を支配するグローバル企業グループの指示のもとに行動し、当初は隠蔽されたあらゆる干渉行動を実施してきたことの全容と詳細は、恐らく世界中で知られておりません。その目的は、ベネズエラ・ボリーバル共和国の合法的かつ主権ある政権を打倒することであります。最初は2002年にウーゴ・チャベス・フリアス大統領を拉致し、2013年以降は継続的にニコラス・マドゥーロ大統領の合法的政権に対して、そうした行為を行っています。

 

ベネズエラは脅威なのか?

l  多くの人が、同じ疑問を頭に浮かべます。「なぜベネズエラを攻撃するのか?」。オバマ大統領行政命令は、ベネズエラは、アメリカ合衆国にとって異常で異例の脅威であるとしていますが、ベネズエラは他の国々にとって脅威なのでしょうか。ベネズエラのような国が米国のような余大国を脅すなどというばかげたことが、信じられるでしょうか?

 

l  ベネズエラには大量破壊兵器はないし、どこの国にも軍事基地を所有していませんし、どの国も爆撃したことも侵略したこともありません。19世紀に解放者シモン・ボリーバルが率いる部隊がスペイン植民地帝国から独立するために戦っていたコロンビア、ペルー、エクアドルとボリビアの国民とともに闘うために赴いたことがありますが、歴史を見てもベネズエラの軍は、兄弟国を守るためにしか国外に出たことはありません。ベネズエラは、平和主義の国であり、憲法は、目的の中に国家間の平和協力と核軍縮を明白に定めています。ベネズエラは原爆と水爆の存在が意味する危険に対する唯一の保障である核軍縮を擁護しています。

 

l  さて、米国の利害について語る際には、中でもベネズエラが持つ世界有数の石油埋蔵量とベネズエラの地政学的位置に触れることになります。最重要な2つの戦略的ファクターであり、社会主義国であると明確に認識していること、愛国的政権であることが、アメリカ帝国の懸念するところになっているのです。愛国者であるウーゴ・チャベスとニコラス・マドゥーロは、わが国の主要な天然資源である石油の所有権を行使するにあたり民族的な政策を維持してきました。しかし、それだけでなく、OPEC(石油輸出国機構)と団結する政策を推進してきました。ヘンリ―・キッシンジャーの時代からエネルギーの大量消費国は、OPECを破壊しようと策略を図ってきました。そして、もうすぐ目的を達成できる、という時期にウーゴ・チャベスが、世界の石油舞台に登場し、大量消費国に追従する諸国が奉仕していた計画を挫折させたのでした。

 

l  一貫した社会主義者であるチャベスとマドゥーロは、所得の分配に関するいろいろな政策を適用しました。それは、もはやベネズエラの特権層を豊かにするのではなく、ベネズエラ国民の生活条件を継続的に改善するためのものでした。

 

l  ボリーバル革命は、ベネズエラ住宅計画(Misión Vivienda Venezuela)によって立派で設備を備えた家を与え、約200万世帯の尊厳を回復しました。市民の治安組織を強化し、全国民に対して例外なく推進してきました。すなわち、無料の初等、中等、大学教育、キューバ共和国との二国間協定に基づいた支援を得ての無料医療、研究奨励策としての奨学金、高齢者に対して物価スライド制による年金の増額、国の機関や国営企業での市民の労働賃金の増加、共同体が主導しての食料供給・生産についての地域共同体評議会制度の導入、そのための中央政府の確固とした支援、ベネズエラ全国に及ぶ住民自治組織と住民自治評議会のネットワークの拡大、様々な文化集団に対する支援など、国民の過半数の条件改善を目指す、枚挙にいとまがないほどの活動を実行してきました。しかし、エリートや経済力のある人々の集団は、こういう活動をよく思わず、食料と医薬品のテーマについては、特にコロンビア共和国との国境地帯において一時的な供給不足や危機を作り出して、頓挫させようとしてきました。

 

l  ベネズエラ政府の特徴である、ベネズエラ国民の物質的条件の改善と主権を重視する政策によって、ベネズエラは、国の富によるのではなく、ボリーバル的不屈の精神によって強い国になりました。

 

l  しかし、ベネズエラの国の利益に関わる政策の他に、ウーゴ・チャベス司令官は、アメリカ大陸統合の種を文字通り蒔き、水を与えました。アメリカ大陸の統合は、ボリーバルの時代以降、休眠状態になっていました。こうして多中核的・多極的世界の実現に貢献するためにALBA(米州ボリーバル同盟)、Petrocaribe(ペトロカリブ)、UNASUR(南米諸国連合)、CELAC(中南米・カリブ海諸国諸共同体)が生まれました。チャベスの指導力のもとで、ボリーバルは、崇拝対象の遺物ではなくなり、新たに現実の命を獲得しました。これらの計画は、的確で非常に示唆に富んだ計画であったと同時に、具体的な行動でもありました。「われわれのアメリカ」は、再び孤立した個別の国、存在するだけで満足する国ではなく、団結が代表する巨大な潜在能力を益々自覚し、またみずからの国土も、また主として国民の想像力も宿している印象的な富を益々自覚した国と変わりつつあるのです。

 

反ベネズエラの同じ戦略の中での様々な戦術、

l  1999年以来ベネズエラが被っている様々なハラスメントは、ウーゴ・チャベスが死去した2013年以降、またその後2015年に野党が立法府で勝利してから激しくなっています。ここ20年間にベネズエラは、様々な形で攻撃を受けました。それらは、クーデター、石油スト、殺人と絡めた暴力的過激行動、政治裁判の試み、組織的な品物の供給不足と買占め、OAS(米州機構)やメルコスール原加盟国(メルコスールをベネズエラ迫害組織に換えた)など多国家機関の絶えざる干渉的表明、また米国による制裁や干渉的な脅迫です。

 

l  問題は、南米地域の他の政権と違って、エネルギー資源をものにすることが大国の行動日程に入っているという地政学的状況下で、外国企業による石油産業の全面的管理(おまけに世界有数の確認済み石油資源を不法に占有しようとしている)を受け入れない政権を終焉させようとしていることです。

 

l  米国政府の政治・情報機関が、在カラカス大使館を隠れ蓑に、NGO(非政府組織)を通じて種々の行動に資金を提供し、指導してきたことは火を見るより明らかです。こうした地政学的行動からは、カリブ・南米・ラテンアメリカの国であるベネズエラ(「われわれのアメリカ」における典型的な地政学的性質です)を再び自国の権力下におこうという絶望的かつ誤った意図が垣間見えます。天然資源、特に石油・石炭エネルギーやウラニウムに加え鉄、ボーキサイト、コルタン、金その他ほぼ無尽蔵の既存資源に対する覇権を維持しようとしているのです。

 

l  レックス・ティラーソン米国国務長官は、20171月にシンクタンクLatin America Goes Globalのインタビューで、ベネズエラの体制転換への支援を確認しました。同長官は、マドウーロ大統領のチャベス派政権を交代させるたに地域の右翼政権や組織とともに努力する、と語りました。

 

l  南方軍司令官のカート・ティッド提督は、20174月の米国上院軍事委員会に対してベネズエラの深まりゆく「人道的危機」が「最終的に地域レベルでの対応を要求するかもしれない」と断言したことを忘れてはなりません。

 

l  2017年ベネズエラの野党が招集し、鼓舞した抗議行動の間に無責任な野党のせいで100名を余える死者が出ました。暴力が激化し、経済戦争が相当数の国民の苦しめていたなか、組織的な集団が連続的テロの状況を作り出し、統治不能で人道的支援と介入を必要としている状況を世界に見せようとしました。

 

l  ベネズエラの変革プロセスに対する国際的圧力が強まる中、米国の南方軍は、ベネズエラ周辺地域で様々な「活動」を展開しました。中でも際立ったのがTradewinds 2017(ベネズエラ沿岸の正面で行った軍事作戦)、最近ペルー、ブラジル、コロンビア三カ国のアマゾン三地域国境地帯で行った「Operación América Unida」(統一アメリカ・オペレーション)と称する軍事演習、また、20162月にホンジュラスにあるPalmerola(パルメロラ)基地からベネズエラを進攻する目的で準備したFreedom II作戦です。

 

l  南方軍のカート・ティッド提督は、10月にはっきりと、こういいました。「10年間挑戦をしてきた反米体制は崩壊しつつある。ベネズエラにおける民主主義に対する継続的な攻撃は、われわれの共有する価値を防衛する国々を結束させた」。ベネズエラの問題は「反米」の立場であることが明らかなのです。換言すれば、世界最大の石油埋蔵量を持つ国において社会・経済・政治秩序が提起している変革の過程は、米国と「西側社会」が推進する自由市場の民主主義に合わないと考えているのです。

 

l  しかし、米国がベネズエラ周辺地域で軍事的プレゼンスを持ち、常時監視しているだけでは不十分なのです。したがって、1113日にEU加盟国の外相たちは、ニコラス・マドゥーロ政権に「法の支配と民主主義」を強化するよう圧力をかける「規制手段」と考えるものの一環として、ベネズエラに対する武器輸出禁止策を承認したのです。

 

l  実際には物質的・象徴的に見てこの禁輸措置は、ベネズエラが「孤立し」、「包囲されて」おり、変革過程は「失敗した」という誤った印象を与えようと国際社会が講じて来た一連の政策に新たに加わったものです。具体的な例としては、マドゥーロ大統領に対して米州民主主義憲章を適用しようという強迫観念に駆られたOAS(米州機構)のルイス・アルマグロ事務総長主導でベネズエラに対して長年行ってきた運動があげられます。これらの「手段」は、経済戦争においては、包囲という不可欠の手段なのです。

 

l  このことは、むしろOASのいくつかの加盟国によるOAS民主主義憲章の原則の違反にあたります。不思議なことにこれらの国々は、いかなる加盟国の国土が侵害された場合にも適用されるべきTIAR(米州相互援助条約)の精神に違反しようとしているのです。これは、OASの最高責任者による法律上、また、客観的にもあらゆる法的秩序からOASが外れた行為なのです。

 

l  ティラーソン国務長官は、2月のラテンアメリカ諸国歴訪の際、この地域におけるベネズエラの役割を崩そうと願って、当面の地政学的目標を探しました。歴訪中にティラーソンが、「リマグループとOAS を通じてベネズエラに民主主義を復活させるために」、地域の諸国で行った会談について述べたことを考慮すると、もし仮に民主主義憲章適用の是非を問う投票が行われたならば、OAS内でベネズエラを制裁するのに必要な票数を確保する上で基本的に重要なのがカリブ諸国であることが理解されます。昨年OASにおいて、正にカリブ海の同盟国がベネズエラを援護して、米国は敗北したことを思い出すべきです。

 

l  ティラーソン国務長官が、右翼政権諸国のカルテル、自称リマグループを利用してベネズエラに対し、来る4月にリマで開催される米州首脳会議において、ベネズエラ政府を孤立化させ、連携して圧力をかけることを期待していると結論づける証拠が多数あります。

 

l  213日に米国と密接な同盟関係を形成している国々が合意した米州首脳会議における反民主的なベネズエラ排除は、各国元首と政府首班による議論や決定の水準まで上げられていないので、現在有効な基準には違反しており、失敗する方向に向かっています。

 

l  ティラーソン長官は、更にベネズエラ紛争で道が開かれるような新たな図式の中でモンロー主義を蘇らせようとしています。この主義を蘇らせたティラーソンによれば、ラテンアメリカにおける中国とロシアのプレゼンスが「欧州植民地主義」を思い出させ、それを口実に米国政府は、膨張政策を用いて西半球を米国の地政学的・軍事的・経済的後衛にしようとしています。ティラーソンは、中国とロシアが、彼の基準では「警戒すべき」「憂慮される」影響力を、有名な「裏庭」にたいして一層行使するのではないかという懸念を表明しています。

 

l  一部の覇権的メディアにより、ベネズエラが債務不履行(デフォルト)に陥るという推測が流されました。これを後押ししたのはStandard & Poor’sのような国際的格付け会社の表明でした。しかしながら、ベネズエラ政府は、すべての金融債務を債権者に返済し、2017年と2020年までの国債を保障しましたので、2017年現在のすべての債務は返済されています。更にベネズエラ政府は、債務のリスケを予定しています。2018年には他の約90億ドルの国債の支払いをしなければならないからです。米国が科した最近の経済制裁は、ベネズエラでは大統領選挙が行われる年であることから、国際機関が米国の圧力のもとで債務のリスケを阻止、あるいは少なくとも邪魔をするかもしれないことを示しています。

 

制裁、さらに制裁

l  国務省ができる範囲内で「ベネズエラの状況に対処する」ために、「あらゆる経済的・政治的・外交的手段」を駆使する論理で、ベネズエラ経済に「悲鳴をあげさせる」目的で、米国による経済制裁は位置付けられています(サルバドル・アジェンデが率いる人民連合政権を懲らしめるためニクソンは、チリ経済に対して制裁を行うよう頼んだのでした)。このように、15日米国財務省は、海外資産管理局(OFAC)を通して、ベネズエラの4名の高官に新たな制裁を科しました。

 

l  数週間後の122日、EUが米国の政策に加わり、ベネズエラ社会主義統一党(PSUV)副党首デイオスダド・カベジョ、最高裁判所長官マイケル・モレノ、内務・司法・平和大臣ネストル・ㇾベロ、ベネズエラ・ボリーバル国家情報局長官グスタボ・エンリケ・ゴンサレス、全国選挙評議委員長テイビサイ・ルセナ、検事総長タレク・ウィリアム・サアブ及びベネズエラ国家警備隊元長官アントニオ・ホセ・べナビデス・トレス、といったベネズエラ政府のその他の高官に対して制裁を科しました。

 

l  制裁内容は、これらの人物の資産凍結及びEU の全加盟国への入国禁止です。これらの制裁に加えて、201711月以降EU が課した武器輸出禁止、「国内の抑圧に使用」できるかもしれないあらゆる物質の輸出禁止が加わりました。更に米国政府がPDVSA CITGOといったベネズエラの石油会社と米国におけるその子会社の役員と企業に対して、以前述べた制裁も加わります。

 

l  最近、マイク・ポンぺオCIA長官が、トランプ宛に政治的、経済的面について多数の報告書を作成したことを明かしました。それらの報告書が、ベネズエラ中央銀行(BCV)や国営石油公社(PDVSA)が新規に発行する債券所有を禁止した制裁のベースになりました。

 

l  ラテンアメリカについては、太平洋同盟加盟国の大統領たちが、カルテル、リマグループを結成して、ベネズエラ政府に対する執拗なハラスメントが継続しています。リマグループとして、あるいは個人として、メディアを通じて、ベネズエラが「自由、民主主義、法の支配と人権の尊重を回復し、ベネズエラ国民に悪影響を及ぼし、苦しめている深刻な経済的・人道的危機を克服する」必要性について、繰り返し公言しています。また、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領も、最近行ったEU歴訪中に同様の意味の声明を出しました。この筋書きは、ラテンアメリカやヨーロッパの著名な元大統領たちが参加し、これらの声明を補強し、OAS に対し米州民主主義憲章を適用するよう執拗に申し立てるというものです。

 

l  今述べたあらゆる行動や声明と並行して、Human Rights Watchのような一見進歩的な人権擁護団体やシンクタンクの報告書が、「中立性」を装って刊行されています。これらのアナリスト達は、以前に述べた内容と軌を一にして、「体制転換」に向けて圧力をかけるためにベネズエラにおける「人道的危機」、「人権」の弱体や「民主主義」の不在を議論しています。数か月前にベネズエラの選挙の前倒しを要求していた人々が、今度は2018422日の大統領選挙実施を拒否しているのです。 

 

l  ドナルド・トランプ大統領は、最近の一般教書で「私の政権もキューバとベネズエラで共産主義と社会主義の独裁に厳しい制裁を加えた」と断言しました。

 

l  ドナルド・トランプは、ベネズエラ経済を攻撃目標にした行政命令(オバマ大統領が前に出した条例を継続して)を発令しました。詳細に読めば、ベネズエラが、米国にいるベネズエラの友人と関わりを持つことを阻止すると同時に、対外債務の返済や対外債務への新たな資金供給の可能性を規制しようという意図した、明白な妨害行為であることが分かります。

 

l  国際金融システムの大半は、近年ベネズエラの金融活動に対する封鎖体制を進めてきました。つまり、いろいろなベネズエラ国内機関(公的及び私的)によるベネズエラへの輸出業者への支払い、入金、送金、投資案内の管理、債務返済、国際的な資金源へのアクセスを制限しているのです。ベネズエラに反対して銀行のコルレス(代理支払い)契約が、一方的に相次いでキャンセルされました。PDVSAが発行した債券の支払い代理店であるデラウェアは、20177月から同銀行の米国にあるコルレス(代理支払い)銀行が、PDVSAからの資金の受け入れを拒否すると連絡しました。一方ポルトガルのノボ銀行(Novo Banco)は、20178月に仲介業者が封鎖しているためベネズエラの公的機関によるドル建ての業務はできない、と通知してきました。ベネズエラ債権のかなりの部分を保管しているベネズエラの国債のかなりの部分を管理しているユーロ・クリアー(Euroclear)社は、「見直し」の過程にあるかなりの額の保留国債の取引を留保しています。それは、OFAC の圧力によるもので、12億ドル余となります。ベネズエラと提携しているチャイナ・フランクフルト銀行(Bank of China Frankfurt)は、カナダの鉱業会社Gold Reserveに対する1500万ドルに上る債務を支払を履行することができませんでした。

 

l  食料及びその他の基本物資の輸入支払いが、封鎖を受けています。例えば11月の第三週には食料の代金支払いに向けた23余の業務で3,900万ドの支払いが返金されました。といいますのは、輸出業者の仲介銀行が、ベネズエラからの資金を受け入れようとしなかったからです。似たような状況が、クリスマス用品の買物、医薬品(インシュリン、マラリア治療薬)、種子、ベネズエラのスポーツ選手の移動(ウエルズ・ファーゴ銀行Wells Fargoが業務を阻止しました)、通信(オランダ・ラボ銀行Rabobankが、送金名義人がOFACの制裁対象であるとして国際通信社テレスルTelesurの運営のための支払いを拒否しました)でも起きました。

 

l  トランプ政権は、ベネズエラ経済にとって石油輸出が戦略的価値を持つことを認識して、ベネズエラに対し石油禁輸措置の適用を考えています。公式には最初この考えは、昨年9月に米国の国連常任代表、ニッキー・ヘイリー大使から出されました。2月、ティラーソン国務長官がアルゼンチン訪問時に、「米国における石油の販売やベネズエラ製品の精製に制裁を加えることをわが国は考えている」と述べました。

 

カリブ海においてベネズエラの石油に対抗する米国

l  経済戦争は、エネルギー分野に対する圧力も含まれます。周知のように、ベネズエラは、2005年にペトロカリブ(Petrocaribeカリブ石油供給協定)の創設を推進しました。このイニシアティブには、カリブ15カ国余が加盟し、ベネズエラがこれら加盟国に助成価格で石油を販売し、支払いにも便宜を図る、という形で協力しています。問題は、ベネズエラから見れば、同盟国のエネルギー安全保障を確固なものにして、その発展を保障し、それまでとは異なる地政学上の協力の基礎を築いていることです。

 

l  米国は、伝統的に米国の影響下にあったこれらの小さく経済力が脆弱な国にとって、関係を多角化し、より自由に行動できるようになる通商協定を実現することは戦略的な意味をもつことを認識していました。それゆえ、バラク・オバマ大統領の政権時からPetrocaribeから石油を調達するのを止めて米国との新しい同盟国から調達するよう、カリブ海諸国に対し圧力をかけました。米国は、ベネズエラの対外政策の支柱の一つを壊そうとしたのです。このようなことから、20151月に米国は、CELAC(中南米・カリブ海諸国諸国共同体)の第三回首脳会議開催に合わせて、カリブ諸国を招集して会議を行いました。その会議の後、4月にCESI(カリブ・エネルギー安全保障イニシアティブ)が、設立されました。米国は、石油価格下落後ベネズエラが、経済危機に陥ったことを、またそれがペトロカリブの協力関係に影響を及ぼし得ることを利用して、カリブ海の島嶼国を自らにひきつけようとしました。Petrocaribeが不安定である、という考えは、Atlantic Councilのような米国のエスタブリッシュメントの複数のシンクタンクが事前に研究しており、2014年にはUncertain Energy: The Caribbean’s Gamble with Venezuela(不確実なエネルギー:カリブ海によるベネズエラへの賭け)というタイトルの報告書が公表されました。

 

l  米国の更なる戦略は、エネルギーの代替をアピールするものでした。表面的に環境保護を唱える議論の裏には、カリブ海のような米国にとって地政学戦略的に重要な地域において、ベネズエラの影響力をくつがえそうとする地政学的な議論が隠されています。この文脈において、昨年1115日に米国国務省は、「カリブのエネルギー多角化を支援する」ために430万ドルを供出すると発表したことが理解されます。この発表が、「米国・カリブ海の繁栄に関する円卓会議」の枠組みでなされ、資金は、CESIの推進とカリブのための2020年戦略のために役立てる、といっていることを強調することは、重要です。この計画には、国務省のエネルギー資源局、米国開発庁(USAID、近年類似の諸計画を既に持っている)と海外個人投資会社(OPIC)が参加しています。国務省自体の説明によると、その仕事は「エネルギーに関する技術援助、計画準備のための補助金、企業にとって新規機会並びに世界で競合できる米国エネルギー輸出」をもたらすことです。

 

 

干渉の可能性

l  こうして、都合により合同で、または単独で実行する様々な規模や戦略が、明らかになりました。すなわち、国際機関や外交を通じた政治的圧力、経済的圧力、破壊活動、市街での暴力的なシナリオの構築、軍部による決起の誘い、「不安定性が高度になった」場合での介入の脅迫(これは南方軍の役割でしょう)です。これらすべてに、国際報道が付け加わります。実際、英語メディアや、スペインにある大手メディアでベネズエラに関して偏った(悪い方に)報道をしないものはありません。世界の世論に干渉者側の表現(「人道的危機」「警察国家」「麻薬独裁体制」)を売り込むのは、報道企業のできあがった確認されている戦略なのです。ますます、追いつめられた無法の、破産した国家であると語るのです。すべては、ベネズエラが直面している「人道的危機」について、同意を得るためであり、そのことにより、様々な種類の干渉を正当化できるからです。

 

l  今述べたことに、ラテンアメリカ地域における米国軍のプレゼンスが増していること、最近カート・ティッド提督がコロンビアを訪問したこと、コロンビアとブラジルに駐屯していた複数の部隊がベネズエラとの国境地帯に移動したこと、他方ではベネズエラ移民の問題で悪印象を与えようとしていることを勘案しますと、最小限の口実でベネズエラに軍事介入するための完璧なシナリオが作られつつあるように思われます。後は挑発することで、虚偽であってもいいのです。コロンビアからの偶然の攻撃か、ベネズエラ国内での何らかの暴力行為か、それが、ラテンアメリカの1カ国または複数の国の軍隊の干渉を正当化する、というもので、そのことにより、米国南方軍が何らかの形で介入する状況が作られることになるのです。

 

l  先週、ベネズエラのネストル・ㇾベロル(Néstor Reverol)内務・司法大臣は、コロンビア陸軍が150名以上のベネズエラ人を徴兵したことを非難しました。これは、彼らにコロンビアの身分証明書を迅速に供与して、彼らに反コロンビア行動を行わせ、ベネズエラ=コロンビア国境地帯で偽の身分証明書であることが暴露される事件(虚偽の身分証明書をもった行動)をでっちあげるためです。 

 

制憲議会

l  国内外の構成員を使った帝国主義の攻撃が、強まるなか、ニコラス・マドゥーロ大統領は、201751日に国の平和と対話のための制憲議会選挙を招集しました。大統領直属の委員会が設立され、選挙基準案を策定し、地域別と分野別の投票を決定しました。制憲議会を招集する決定は、ベネズエラのテロリスト野党が引き起こした紛争と暴力のただ中で、高級の対話を行うことを提起したものです。日常的な厳しい批判という困難を解決し、わが国における経済、政治、社会モデルにおいて構造的な矯正を実現するために、制憲議会は必要な場なのです。

 

l  昨年730日に制憲議会の選挙当日、多数の国民の投票行動を困難にしたのは、暴力行動でした。問われていたのは、マドゥーロ大統領の政権が、2015年に投票しなかった200万人の一部のチャベス派を取り戻せるかどうかでした。しかしながら、攻撃と暴力が、チャベス派=マドゥーロ派及び批判派を制憲議会に関わって団結させるにいたったのでした。その時、選挙キャンペーンは、平和の呼びかけが設定されました。制憲議会により、議員たちが属する分野や地域に基づいた提案をもった、新たな基礎的指導層が出現したのです。

 

l  制憲議会が成立して以来、ベネズエラは、平和への道のりに戻ることができました。われわれは、国に対する極右分子が行う暴力による不安定化キャンペーンを打ち破りました。それは、彼らが外国の介入とニコラス・マドゥーロ共和国大統領に対するクーデターを正当化する計画を、再活性化しようとするものでした。

 

l  制憲議会は、本来、国民に存する権力を解き放ち、今やベネズエラ社会の重要な仲介者としての役割を果たす構えでいます。制憲議会は、最も多様な民主主義を現実的に行使するという精神を常に持ちつつ、論争に終止符を打つためには、欠かせない場なのです。国は、引き続き、他の各権力とその機関の権限と相互依存性を尊重しつつ、これまでの道を進んでいます。

 

l  全国選挙評議会の規定に沿って、選挙日程が決められました。ベネズエラでは7月末から1210日までの間の140日間に3つの選挙が実施されました。制憲議会選挙、県知事選挙及び基礎行政区選挙です。これらの三つの選挙で、チャベス派は、再評価され、再び選挙での力を増し、明白な勝利をおさめました。

 

l  10月におこなわれた県知事選挙は、投票率は54%で、チャベス派は54%の得票率を確保しましたが、野党は得票率45%でした。国内23県のうち18県でボリーバル革命が認められました。

 

l  基礎行政区選挙には、70余の政党が参加し、チャベス派は、6,517,605票(得票率70%)を獲得したのに、野党は2,749,778票(得票率29%)を得票しただけでした。ボリーバル革命は、305の基礎行政区長(92%)を獲得、野党は25の基礎行政区長(7%)、その他の政党が5の基礎行政区長(1%)を獲得しました。

 

l  同様に、来る422日に大統領選挙が招集され、12政党が候補者を出します(224日現在)。ニコラス・マドゥーロ大統領は、最近開催されたPSUV(ベネズエラ社会主義統一党)の全国大会においてチャベス派の候補者に任命されました。

政府と野党の対話

l  前述した判断材料を見れば、ドミニカ共和国における野党とベネズエラ政府の対話の場を崩そうと急いだ、米国とコロンビアの寡頭政治支配者の行動を理解できます。もし、両者が既に用意し、双方が承認していた合意書に署名していたならば、ベネズエラに対する介入の陰謀が少なくともしばらくの間は停止することになるはずですから。

 

l  2017年末、マドゥーロ大統領が推し進め、ダニロ・メディーナ(Danilo Medina)ドミニカ共和国大統領が後援者となり、スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテーロ(José Luis Rodríguez Zapatero)元首相が仲介者となり、ドミニカ共和国で政府と野党間の対話が行われました。フリオ・ボルヘス(Julio Borges)を団長とするベネズエラ野党代表団が、合意書の作成を作業しました。いつものように、ボルヘスは、様々な国や国際機関に対して、一方で対話を肯定しながら、他方で経済封鎖を更に厳しくし、制裁を拡大し、ベネズエラの内政に外国が介入するよう求めました。

 

l  このような状況を前に、サパテーロ元首相は、公開書簡によって、マドゥーロ大統領側は既に合意を果たしており、野党には最後の瞬間に態度を変えて攻撃するのではなく、これまで形成してきた合意を尊重するよう主張しました。結果として、ボルヘスは、何度も矛盾する表明を行ったあと、ベネズエラ全国選挙評議会により行われた選挙の呼びかけを拒否しました。ところが、この同じ評議会が、数度の選挙で野党が勝利したことを承認しているのです。

 

ベネズエラの同盟国

l  ベネズエラが国際的に孤立しているという考え方を押し付けるのは、基本的に、強力な経済権力に結びついたメディアによるプロパガンダによるものです。これらのメディアにとって、国際システムは、西側の中心的な大国の存在に限定され、中華人民共和国、ロシア連邦、インド、ブラジルなどのすべての新興国は無視されているようです。しかし、これはBRICSに限ったことではありません。ウーゴ・チャベス元大統領は、ベネズエラの外交政策を、ベネズエラの二国間関係においても多国間関係においても、また、影響範囲の多様化においても、それまではベネズエラ外交が開拓していなかった国や地方まで展望を広げました。その結果、ベネズエラ国家は、過去10数年間、国際的に第一級の積極的で精力的な国になりました。OPECの交渉においては、世界の確認済石油資源の主要な保有国として中心的な役割を果たし、国際的な反帝国主義の基準にもなっているという特徴からも、国際的孤立という図式は、偽りであることが分かります。

 

l  事実20169月から2019年までベネズエラは、NAM(非同盟諸国運動)の議長国を務めています。ベネズエラは、初めてこの国際組織の責任を負っていますが、海外で国が、大いに問題視されている時期だけに、大きな象徴的意味があります。また、ベネズエラは、2017年からカリブ諸国連合の議長国でもあります。

 

l  ボリーバル革命に対して虚偽の証言がなされたり、国内政治に不安定化が誘引されたりしても、それにもかかわらず、ベネズエラは、ここ重要な数カ月間に中国やロシアといった大国と通商協定に調印しましたし、これらの国の政治的支援を受けています。ロシア企業は、米国による制裁が行われているさなかに、PDVSAに前払いをして支援しています。

 

l  ベネズエラの変革プロセスに対して、日々軍事・政治・経済及びメディアによる包囲が行われており、包囲の当面の目的は、ベネズエラは孤立しており、強力な同盟国がなく、「出口が無い」という考え方を植え付けることです。しかしながら、ベネズエラ国民は、強さと自尊心があることを見せています。それは、去る7月の制憲議会選挙と2017年の県知事選、基礎行政区選での国民の参加に示されました。一方ベネズエラ政府も、引き続き、国際的な同盟を強化しています。包囲は現実にありますが、失敗しています。新自由主義のメディアの予測に反して、ベネズエラ国民が変革プロセスの強化を目指しているという「想定外」の現実がありますが、そのことは、来る422日の大統領選挙で再び示されることでしょう。

 

結論

l  帝国主義はベネズエラに対する干渉の水準を高め、ボリーバル革命への攻撃を強化するための条件を作り出そうとし、合法的なマドゥーロ大統領政権を不安定にし、「体制の転換」を招こうと企図しています。

l  この条件には、国際世論の前で、ベネズエラを否定的に画き、帝国主義の戦略を正当化する容赦ないメディア操作が含まれています。ベネズエラ人の近隣諸国への「想像上の大量の恒常的な移民」による人道的危機という場面が強調されています。

l  かくして、干渉の仕組みは、政治的、外交的、メディア的、経済的圧力を含むまでに拡大され、最も懸念されることは、軍事的オプションとなっています。

l  軍事介入の脅迫は、この恒常的な増大している強力な圧力に加えて、革命の過程に「制裁」を科すために、より不安定化を招く要因として使われています。

l  ワシントンにとって、唯一の解決は、今や、ニコラス・マドゥーロの交代及び「体制の転換」となっています。このオプションは、内戦と甚大な人的・経済的損失の危険を内包するもので、最近イラク、リビア及びシリアで適用された荒廃と悲惨なモデルと同じものです。

l  そして、ベネズエラの反政府派は、このオプションを支持して、ドミニカ共和国での対話で到達していた合意に署名することを拒否しました。この合意は、内部の政治的紛争を減少させるためには必要な一歩となっていました。この反政府派による拒否でもって、ベネズエラに対し金融的、経済的に最大限の包囲を進めるための必要な口実を作り出そうとしたのです。

l  帝国主義の攻撃は、ベネズエラを米州の政治的に重大な問題点と認識し、転覆する―それも急速に―必要性があるとするものです。というのは、ベネズエラは、米州において新興の多国間ブロック(中国、ロシア、2018年の国家安全保障戦略の地政戦略の視点に従えば)の導入のために地政学上の橋渡しとなっているからです。米国は、米州を専一的な地政学上の後衛と考えているのです。

l  日程と要因が組み合わされており、危険で憂慮されるものとなっています。こうした干渉行為を合法化することを支持し、推進している地域の右翼政府が果たしてきた悲しむべき役割がそれを代表しています。

l  帝国主義の増大する攻撃に対決するために、ボリーバル革命は、引き続き社会的成果を前進させ、参加型、国民が主人公の民主主義を改善し、住民共同体を通じた社会運動組織を拡大し、変革の過程を支持する政治勢力と団結し、疲れを知らぬほど努力しています。これは、フィデル・カストロ司令官が「思想の戦い」と呼んだ、国民の意識改革です。

l  ベネズエラにおいては、平和、民主主義、独立、主権、民族自決権を擁護する決定的な戦いが展開されています。

l  連帯は、ベネズエラ及びボリーバル革命が覇権主義大国に抵抗できるための道具です。独立、主権、民族自決権の擁護のために闘う人々の努力を結集し、相互の連帯を強化することが必要です。

 

終わりに当たり、永遠の司令官、ウーゴ・チャベスがわれわれに残したことば、皆さんとともに共有したいと思います。「帝国主義が存在するかぎり、ボリーバル革命は、危険、脅迫にみまわれる。というのは、われわれは、彼らの代替モデルを建設しており、もしわれわれが成功するなら、資本主義が一掃されるからである」。

 

ボリーバル革命との一貫した連帯に感謝いたします。

 

ベネズエラ医療危機の真実が叫ばれていますが、作られた危機だけが声高に叫ばれ、本当の危機は無視されています。これはその一端を報告した記事です。

CORAL WYNTER
Barquisimeto
September 25, 2017

この記事は、グリーン・ウィークリー・ウィークリーが、ララの州都バルキシメトで「命のための女性運動」をになっている活動家カトリーナ・コザレクから取材したものです。

今年の初めから、ここララ州で出産時に76人の女性が死亡しました。これはベネズエラの中で最悪の数字であり、他の国の死亡率の3倍にものぼります。

この州は貧しい黒人が多く住んでいますが、医者も看護師も、黒人女性の扱いは本当にひどいものです。彼らは女性の尻を叩き、名前を呼び捨てにしてこう言います。
「叫ぶんじゃない。お前がセックスをしていた最中にはそんなに叫んでいなかったろう」
これらは、産科病棟のホラーストーリーの一部にすぎません。
本当なら医師はこんなことをしたら免許を失ったり、停止処分を受けたり、刑務所に行く可能性もあります。しかしそのようなことは、これまでのところ起こっていません。

ベネズエラ医療危機をもたらした犯人
ベネズエラの保健システムは州単位に「分権化」されています。まずこのことに注意することが重要です。
保険医療のための資金と、医薬品などの供給は国からまわされて来ます。しかし、それにもかかわらず、州の健康に関する行政上の決定はすべて地方自治体が管理統制しています。
ここララ州の場合、知事は野党のアンリ・ファルコン、州保健部長も野党のルイ・メディナです。
この州の保険医療はひどいものです。薬の不法取引に関わる地下のネットワークが形成されています。それがマドゥロ大統領に対する経済戦争の一環を担っています。
ほとんどの医師や看護師は、上層階級に属しています。だから政府が社会と健康管理システムをどのように運営すべきかについて、私たちとは全く異なるビジョンを持っています。圧倒的に、彼らは野党=ララ州政府を支持するのです。

ベネズエラ人医師が抱える道徳的問題
看護師や医師は、例えば帝王切開を行うと称して、公立病院から出産用医療セットを譲渡するよう要求することがよくあります。しかし多くの医師たちが、その出産用医療セットをヤミ業者に横流ししてしまいます。
ではどうするか。医者や看護師は、患者に「あなたは自分の薬を見つけなければならない」と伝えます。そうすると患者・家族は薬局に行って必要な器具や薬を買い求めなければならなくなります。「まさか、ウソでしょう」と思うでしょう。
しかし本当です。カラボボ州(ララ州の隣)のバレンシア中央病院の病院長は、薬や器具をヤミ業者に横流ししたのがバレて逮捕されました。
メリダ州の病院ではさらにおぞましいことがありました。
ある看護師はある日、街頭での衝突で負傷したチャベス支持者が担ぎ込まれました。このとき一人の看護婦はこの患者に致死的な薬液を注入するよう強制されたといいます。

女性グループが立ち上がった
コザレクらバルキシメトに住む女性グループはこのような状況を打破するために立ち上がりました。彼女たちは、出産キットを医師と看護師を迂回して確保するためのシステムを作り上げました。それは「女性のための地域共同防衛隊」と名付けられました。
それは病院の労働組合が仲立ちするものです。帝王切開の症例が発生したとき、女性グループからの連絡を受けた労働組合が、当局に出産キットの払い出しを代理申請します。キットを受け取った労働組合から患者に手渡すというシステムです。
「私たちはこのシステムによっていくつかの正義をもたらすことができました」と、コザレックは述べています。「病院の労働者と一緒に、私たちはこの状況をコントロールすることができるようになりました」
この社会実験が行われたのはバルキシメト郊外La Carucienaの小規模公立病院でのことです。それは公立病院ですが、死亡事故や不審死の大部分が発生する州都の主要病院ではありません。
コザレックは振り返ります。「これは簡単なプロセスではありませんでした。医者たちはこの試みに反抗しました。先週には、病院の専門医2人が退職すると脅かしてきました」

州幹部を巻き込んだ大泥棒作戦
保険医療の戦線での「戦争」で使用された別の戦術は、泥棒作戦です。すなわち大型・高額医療機器の盗難です。
これらの機器は公的病院のためにチャベス政権が購入したものでした。しかしそれらを現場で使用するのは医師たちです。
医師の多くは個人開業医を兼ねていたり、あるいは転職して開業するつもりです。このような場合、医師は、個人開業のためにそれらの装置を盗むことが往々にしてあります。
何人かの医師は窃盗がばれて刑務所に行きました。しかし多くの医師はうまいことそれを手に入れました。もっとひどいのはそれを転売することです。
しかしそれは盗品買いがいないと成立しません。その先頭に立ったのが野党政治家です。
ララ州の知事も州都バルキシメトの市長も野党所属です。彼らこそが医薬品や医療機器の闇市場ネットワークを構築する主役となったのです。
全国女性連合の闘い
コザレックたちは「全国女性連合」(Unamujer)に結集して、これら野党勢力と対決することになりました。
「私たちは2015年に記者会見を開きました。ララ州での妊産婦の死亡率は高い、そしてさらに上昇しつつあると主張しました」
「私たちは州政府前の広場まで行きました。私たちのビデオカメラが撮影を開始した時、近くの野営事務所から50人ほどが出てきて、私たちに石を投げ始めました。私たちは20人くらいしかいませんでした」
「私たちは、投石者のうちの何人かが知事の有給秘書であることを確認しました」

このあと最後の一言を誰かに聞かせたい

これが現実です。しかしいつものように、この現実はどれも国際的なマスメディアで語られていません。
その代わりに富裕層相手の小商売を営む「庶民」が三段抜きの記事で取り上げられる(しかも外信の受け売り)。これでは創刊90年の歴史が泣こうというものでしょう。

インデペンデント オンライン 1月3日号


これはトランプがベネズエラへの武力侵攻を考えているとの発言に関してのもの

世界各国の政府は、ベネズエラ政府が政権の民主的移行を認めず、基本品目の価格急騰を放置していることを批判しているが、解決策として武力紛争を提起したものはいない。

EUや近隣諸国からいくつかの経済制裁が行われてきたが、マドゥロ氏の統治権力を否定するものはなかった。

しかし、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、パナマの閣僚は、マドロ氏の辞任を促すための「軍事的選択肢」に関するトランプ氏の提案を覚えている。
それは17年9月の米州会議後の首脳夕食会における一場面である。

「レックスは、あなたが『ベネズエラで軍事的な選択をしたくない』と言っていると、私に伝えていますよ」
夕食会の参加者によると、トランプは同席する首脳の一人にそういったそうだ。その時トランプの左にはレックス・ティラーソン国務長官が座っていた。

結局のところそのテーブルに座った人々は、トランプの意見に反して、武力干渉が極端な措置になるとの判断で合意した。その時トランプはこう言ったそうだ。

“Is that right ? Are you sure ?”

「夕食が終わる頃、ラテンアメリカ各国指導者たちはショック状態に陥りました。武力紛争はただの空想の話ではなかったのです。 
覚悟していたとはいえ、米大統領の就任以来の8ヶ月は、彼らの想像の範囲を全く超えていたのです」
こうPolitico紙はレポートしている。

元米国関係者は、「ラテンアメリカの指導者たちは、間違いなく、米国の広範な関与について再確認した。そして就任後8ヶ月であるにせよ、米国の関与に関するトランプの無知に驚いた。そして将来の恐るべき不確実さについて懸念を抱かざるを得なかった」


バーク・オバマ政権時代に国家安全保障理事会の西半球上級代表であったマーク・フェイエスタイン氏は12月の米州協会・米州会議で語った。

 トランプ政権の国家安全保障理事会は、ベネズエラを大統領の3つの優先事項の1つとしている。イランと北朝鮮は他の2つである。

9月の夕食よりわずか1ヶ月前に、国連総会の席上で、トランプ氏は語った。
「ベネズエラのための多くの選択肢があり、そこには軍事的選択肢も含まれる」

マドゥロ氏はこの不安を利用して支援を集め、この地域のアメリカの外交官は不安と緊張を和らげるために奮闘した。

一方で米国はベネズエラ国有石油会社に対し厳しい制裁を課している。

この記事はやや大雑把なところがある。別な記事ではこうなっている。
When President Donald Trump sat down for dinner on September 18 in New York with leaders of four Latin American countries on the sidelines of the annual United Nations General Assembly,

テレスール 23 December 2017

ベネズエラ政府と平和と団結の促進を目的とした野党間の会談は、1月11日と12日にドミニカ共和国で再開する予定です。

ベネズエラの制憲議会(ANC)のデルシー・ロドリゲス議長は、公衆に与えられた右翼の暴力に関する報告書を発表しました。

ロドリゲスは、土曜日に公表された「真実、平和、公共の平穏」委員会が作成したこの報告書では、「このような暴力行為の責任者は、地域社会の仕事に着かせるよう処罰されるべきだ」と勧告しています。

「同委員会は、4カ月を費やして、被告人を捜査し拘留者にインタビューしている。それは正義、被害者の理解、国民の和解に貢献するためだ」と彼女は述べている。

「ベネズエラを不安定化させようとする右派の暴力事件を防ぐために、加害者に被害者を補償させるべきだ」と報告書は述べている。

ロドリゲスは、この勧告をこう締めくくる。
「労働奉仕は平和に到達する道具」である。それは犠牲となった被害者が持つ「尊厳の権利の報酬算定式」を用いて算定される。

政府機関は、右翼暴力を犯した80人以上の人々をこのやり方で釈放するよう勧告している。

「ベネズエラ人の国民としての統一を通してのみ、ボリーバルの遺産を可能にすることができると我々は理解している」
ロドリゲスはこう書いています。 「ベネズエラで平和が構築されれば、それを排除できるものなどない」

この報告書は、現在ニコラス・マドゥロ大統領と司法機関に送られています。

ベネズエラ政府と平和と団結の促進を目的とした野党間の会談は、1月11日と12日にドミニカ共和国で再開する予定です。


「私たちはベネズエラをみどり児イエスに委ね、様々な人々の静かな対話が再開できるようにする」とフランシス法皇は述べた。

フランシスコ法皇は、クリスマスメッセージを使って、ベネズエラ政府と野党の間の継続的な対話の重要性について話した。
そして、永続的な平和を達成し、社会福祉を強化するために、交渉が政治的な裂け目を癒すのが不可欠であると述べた。

「ベネズエラをみどり児イエスに委ね、愛するベネズエラの人々の利益のために様々な社会的構成要素の間の穏やかな対話を再開できるようにする」とフランシスコ法皇は述べた。

会談は、ドミニカ共和国の首都サントドミンゴで1月11日と12日に再開される予定である。
そこでは国の政治的、社会的、経済的課題を解決する仕組みを作り出すことになっている。

アジェンダとしては次の6つのポイントが考慮されている。
すなわち
①真理委員会の設置。
②経済的保証;
③政治的および選挙的保証。
④全国制憲議会の承認
⑤制度的調和を達成する方法、
⑥経済的および社会的ニーズなどが含まれる。

教皇は、バチカン外交団のメンバーへのメッセージの中で、対話を進めるのを手伝う意欲を表明した。
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、右翼野党との会談を要請した多くの団体に手を差し伸べた。

関係改善は、地方選挙後、カラカスのミラフローレス宮殿で野党連合(MUD)の市長と面談した2013年に始まった。
しかし、17年4月、野党が暴動を誘発した。
100人以上が死亡した。その中には21歳のオーランド・ホゼ・フィゲイラのように、単に「チャビスタである」という理由で生きながら焼かれた人もいた。
その結果、公的・私的財産に何百万ドルもの損害をもたらした。
burned
   野党デモ隊によって焼かれたチャベス派の青年(その後死亡)
2017年9月には最新の平和協議が行われた。ドミニカ共和国で野党との予備調査会議が開催された。
ドミニカ共和国のダニロ・メディナ大統領とスペインの元首相ホセ・ルイス・サパテロが首脳会談を行い、2回目の協議を進めることになった。
2回目からはメキシコ、チリ、ボリビア、ニカラグアなどの代表団も同席することになっている。


もう一つのベネズエラ
OTRA VE


いろんな記事がブログに散らばるのはうっとうしいものです。自分でもそうだから、見に来る人はいっそう、うっとうしいと思います。

とりあえず、このページに全部放り込むことにしました。といっても実際にはサイト内リンク集です。

実際にはかなりの記事はリンク先に跳んで読んでもらうことになります。

これと同じものが私のホームページ「ラテンアメリカの政治」に載ります。ブログに書いた記事は同時にホームページのリンク集「もう一つのベネズエラ」に掲載されます。探しものがる場合はそちらに言ってください。

よろしくお願いします。


Ⅰ.最近のベネズエラ

ここ2,3年のベネズエラ関連記事です。「もう一つのベネズエラ」の本体部分です。

A.2018年前半

2018年01月18日 ベネズエラ共産党の現状分析

2018年01月11日 2017年、ベネズエラ人民はどう闘ったのか ③

2018年01月10日 2017年、ベネズエラ人民はどう闘ったのか ②

2018年01月10日 2017年、ベネズエラ人民はどう闘ったのか ①

2018年01月05日 ベネズエラ記事の紹介

2018年01月05日  ベネズエラの「ある左翼」

B.2017年後半

①2017年12月25日 ベネズエラ:国連人権専門家の最新報告

②2017年12月25日 大統領選への道は開かれている。

③2017年12月25日 変動相場制が絶対ではない

④2017年12月24日 封鎖されつつあるベネズエラ

2017年12月24日 ベネズエラ ハイパーインフレの原因

2017年12月23日 ベネズエラ側の言い分

2017年12月23日 ベネズエラ経済分析はとりあえず保留 

2017年12月22日 ベネズエラのカトリック教会は恐ろしく下品

2017年12月21日 ニューズウィークのほうがまだマシ

2017年12月21日 ある進歩的な新聞の「反ベネズエラ」報道

C.2017年前半

2017年05月25日 ベネズエラ 野党の行動をどう見るか

2017年05月25日 ベネズエラ 野党の行動記録

2017年05月22日  ベネズエラ野党の大統領辞任要求に道理はない

2017年05月17日 カラカス情報 心得るべきこと

D.2014~2016年

2016年07月21日 ラテンアメリカ人民の闘い: この間の動向

2016年07月20日 ラテンアメリカの方向は人民の戦闘性により規定される

2016年07月23日 ベネズエラの政治危機

2015年12月18日 ベネズエラの選挙結果についての見解 

2015年12月17日 ベネズエラ国会選挙 第二報

2015年12月17日 ベネズエラ国会選挙 第一報

2015年02月04日 原油安 誰が敗者となるか

2014年12月26日 OPEC決定の画期性

2014年11月26日 ラテンアメリカ、最近の動き(2014) その2

2014年11月26日 ラテンアメリカ、最近の動き(2014) その1

2014年06月16日 ラテンアメリカ左翼政権一覧表


Ⅱ.チャベスのベネズエラ

1990年のカラカソ(首都カラカスでの暴動)から、チャベスのクーデター。98年のチャベス当選から、反チャベスのクーデター、ゼネストやリコール作戦の失敗、チャベス改革の開始までがふくまれます。

2013年03月12日 石油生産、いらぬ心配はご無用

2013年03月12日 WSJはチャベス革命の死を願う

2013年03月12日 チャベスの死と資本家の大はしゃぎ

2013年03月10日  チャベス革命の道筋 その3

2013年03月10日 チャベス革命の道筋 その2

2013年03月10日 チャベス革命の道筋 その1

2013年03月07日 チャベスに関する私の過去発言

最近では、チャベス政権を正面から批判できなくなったため、経済運営に対する非難という変化球で攻めてきています。これに対する反論は、ブログの中で随時触れています。


2013年03月06日 チャベス、3つの功績

2013年02月22日 日本はマクロ指標が狂っている

2012年10月06日 ベネズエラ 最終盤の状況

2012年08月18日 チャベス政権の十年: 経済・社会指標の検討

2012年08月15日 ベネズエラ 世論調査の動向

2012年08月13日 赤旗「ベネズエラはいま」を読む

2012年08月13日 チャベスの対抗馬ラドンスキー

2012年08月12日 エコノミストはベネズエラを評価している

2012年08月11日 赤旗の「ベネズエラ特集」について

2012年05月25日 「これが世界だ」2012年版 その6 ラテンアメリカ: リーマンショックからの回復

2011年09月26日 南米を変えたこの十年 その5

2011年09月26日 南米を変えたこの十年 その4

2011年09月23日 ベネズエラ もう少し考えた

2011年09月22日 ベネズエラ経済: 立ち止まって考えた

2011年09月22日  ベネズエラ経済を、ふと考える

2011年05月11日 アメリカとベネズエラ、国民が感じる「幸福感」

Ⅲ.ベネズエラの歴史

ブログを始めたのが東北大震災の直後、2011年5月からなので、それ以前の記事は私のホームページ「ラテンアメリカの政治」にあげています。

チャベスについては下記の4本の記事が基本となっています。

ベネズエラ…何が起きたのか?

2002年 ベネズエラ・ゼネストに学ぶ

2つの闘争に勝利したチャベスの政策については下記をご参照ください。

ボリーバル運動の展開: チャベスの挑戦

ベネズエラにおける憲法改正

ベネズエラではシモン・ボリーバルの南米解放からベネズエラの建国、石油開発、軍事独裁、ゲリラ闘争などが展開されました。そのあらましが年表などに記載されています。

#1 ~2001, 312kb  

#2 2002~ , 209kb 

#2 2004~ , 250kb 

 

ベネズエラ共産党の現状分析

(venezuelanalysis 2018.1.10  Venezuelan Communists Urge Radical Solutions to Current Crisis)

ベネズエラ共産党(以下PCV)はベネズエラにおいて組織労働者内の革新派を基盤とする政党です。教育・医療労働者、公共企業体などに根強い勢力を築いています。チャベス派の政党(PSUV)とは友好関係にあり、現在も政権に閣僚をおくっています。

概況

現在の状況は不確実性、絶望、国民間の憤りによって特徴づけられています。それは国の社会経済状況が悪化したことに基づいています。

インフレ、投機、売り惜しみは、人々の生活の問題になっています。人々はスーパーマーケットで長時間並び、高い値段で買わされています。

政府は、ベネズエラ社会に苦しんでいる一連の問題に対する効果的な措置に直ちに対応しなければなりません。

なぜなら、このような状況の悪化は、激怒、憤慨、絶望の蓄積につながります。そしてこの国は大きな社会爆発の門口にいる可能性があるからです。

いまこの国は深刻な経済的、社会的、政治的問題を抱えており、何か火花があれば、国に火をつけることができます。

 

輸送

カラカス地下鉄には輸送の問題があります。十分な保守システムを持たないためです。エスカレーターが壊れてドアが損傷したりして、路線がその影響を受け遅れたりします。

これは首都圏の人々の交通状況を悪化させます。民間輸送業者のコストが高いからです。

地元の民間バスの供給者も全国の交通の供給者も、銀行振込による融資を受けていません。

銀行は非常に最小限の資金しか出していません。現金にアクセスするのが困難なため、輸送システムを稼働できなくなっています。

交換部品の不足のためにバスが走れなくなっています。また燃料も不足しています。

 

食糧危機

スーパーマーケットでは主要製品の不足が続いており、入手可能な場合も法外な価格でしか見つかりません。

ベネズエラ共産党は、労働者への賞与としての給与を増やすことには反対していませんが、現在の最低賃金にも達しないようなボーナスには反対しています。

ボーナスは歓迎です。彼らはベネズエラの人々に利益をもたらし、私たちは、カーニバルのモモボーナスや復活祭のときのユダのボーナスを希望します。

しかし、これは問題の解決策ではありません。

私たちはバチャケーロを厳しく取り締まる必要性を強調します。そして主要製品の輸入とベネズエラ人への流通を担当するベネズエラ国営企業の設立を訴えます。

政府の「地方生産・供給委員会」(CLAP)の食品パッケージが月に1回以上人々に届かないケースがあります。

ジャラクイ州のエル・ビルヘン村では、村民が3ヶ月間にわたりガスも食品パッケージも受け取ることができませんでした。疲弊した村民が抗議に出むいたとき、政府の示した反応は村民を弾圧することでした。

私達は国家治安部隊による国民に対するこのような行動を拒否します。そして特に言っておきたいのですが、より良い労働条件、尊厳に値する給与、労働組合の団結権に対する攻撃には断固として反対します。 


新しいプント・フィホ条約を拒否する

PCVは、ドミニカ共和国の首都サントドミンゴで結ばれた「政府と野党の間の合意」について、ベネズエラ国民がその詳細を知るべきであると主張してきました。

この合意について、多くの人はすでに「ニューヨーク」協定と呼んでおり、かつてのプント・フィホ協定と同じ結果になるのではないかと危惧しています。

私たちはサントドミンゴ合意という新たなプント・フィホ協定に直面している可能性があります。

(プント・フィホ協定は1958年の立憲革命に参加した諸勢力が偽りの二大政党制を形成し、左派を排除することで合意。これにより資本家と地主による独裁が継続することになる。ベネズエラ年表を参照のこと)


経済

この間のベネズエラ危機において銀行が果たした否定的役割は大きい。それはブルジョアが富を蓄積するための最大の源泉となってきた。それはベネズエラ革命の全経過を通じても不変であった。

我々は、政府が外貨管理を統制下に置き、銀行を国有化することが必要だと主張する。

また我々は、税制を改革し、巨額で益々増え続ける銀行セクターの収益を規制することが必要だと主張する


産業と農業

国の重要な工業領域には修復の必要があります。政府の主要な努力は、生産を増やし、それによって国の経済問題を解決することを目指すことに集中されなければなりません。

食糧の問題に取り組むためには、農業関連産業計画が優先されなければなりません。私たちが消費するものをみずから生産しない限り、私たちは常に他の国に依存することになります。

 

医療問題

我々は、主要医療センターの修復を主張します。そして医薬品の供給が経済力のない人々に行き渡るようもとめます。そして病気になったときや生命の危機を迎えたときに医療が対応可能となるようもとめます。

民間部門の医療を利用した場合、人々はしばしば200万ボーバルもの支払いをもとめられます。これでは受診できないのが当たり前です。

 

労働組合運動

カラカス地下鉄の労働者が解雇されました。交通大臣は、その運動が野党の動きの一部であると非難しました。

しかし彼らは労働者の草の根に基盤を置く労働組合指導者です。彼らは政府寄り労働組合の官僚制に挑戦してきました。

彼らは、労働条件の改善についてはあまり問題にしていません。その代わり、 腐敗した、官僚的で、高給取りの組合幹部とのあいだには妥協はありません。そして彼らと競い合いながら新たな指導部を形成しようと努力してきました。

(文章はここまで)



これは1月2日のテレスール(TeleSur 通信)に掲載された文章の要約です。原題は“ベネズエラ大統領マドゥーロの12の勝利ー2017年版(The 12 Victories of Venezuelan President Maduro in 2017)”となっていますが、多少表現を変えました。訳者は記載内容に全面的に同意するものではありません。

14.第4世代の戦争

今もベネズエラは厳しい攻撃のもとにあります。ここではそれを「第4世代の戦争」と呼びます。
(訳者の理解としては、第一世代は1月から3月末の司法と議会との全面対決まで、第2世代は制憲議会設立の提案から7月末の投票までの街頭戦争の世代、第三世代は二つの地方選挙を挟んで12月上旬までの期間、そしてこれからが、反チャベス派の国際戦線が組織的・系統的・全面的な攻撃を始めるという世代の始まりということになるのでしょう)

ここで指摘しておきたいのは、ベネズエラに対する第4世代の戦争宣言にはいくつかの前線が想定されているということです。攻撃は主として次の4つの面から同時かつ連続的に行われるでしょう。

4つの前線とは

1)軍事的戦線

専門家によって設計された軍事的反乱です。破壊、サボタージュ、大衆扇動からなります。

多くの場合は傭兵が使用され、犯罪的な暴動(グァリンバ)の周期的な爆発とテロ攻撃が組み合わされます。

兵舎、軍事目標、および電力網、製油所、配水などのインフラ目標が設定されます。

2)メディア戦争

新聞、ラジオ、テレビ、ソーシャルネットワークは、宣伝の計画的使用を通じて新しい攻撃力に改造されました。それは人々の心をときに傷つけ、ときに誘惑しています。

3)外交戦争

いくつかの国際フォーラム、特にOASでの嫌がらせが目立ちます。

中南米の親米・反共国家群、いわゆる「リマ・グループ」の国々による攻撃を中核とし、米国、カナダ、欧州連合もつねにこの攻撃に加わっています。

4)経済・金融戦争

食糧と薬品の隠匿と演出された「品不足」

通貨の為替レートの操作により誘発されたインフレ、

国内取引銀行の口座封鎖

格付機関による国債リスクの歪み。
これら、軍事・メディア・外交・経済面での攻撃が複合され、もし弱点を見つければ集中的に攻撃を仕掛けることになるでしょう。1918年、大変厳しい闘いが待っていると言わなければなりません。


15.金融戦争の実相はベネズエラへの金融封鎖

これら第4世代戦争のうち、7月30日以降の攻撃の中心となっている経済・金融戦争について少し詳しく見ていきます。

ベネズエラのカントリーリスクに関して語る場合は、次のことを忘れてはなりません、

既に述べたように、 過去4年間に、カラカスは、すべての債務支払い請求を例外なく尊重しました。その総額は7400億ドル以上にのぼります。すべての債務を律儀に支払うため、ベネズエラへの融資にはリスクはないのです。
この行動はベネズエラのカントリーリスクを大幅に削減しています。

しかし、それにもかかわらずカントリーリスクは増加し続けています。JPモルガン銀行によれば、この国のリスクは4,820ポイント、すなわちチリの38倍の高さであります。チリの負債/ GDP比はベネズエラとほぼ同じ高さです。なぜこのように信用リスクが高いのでしょうか。

その理由は政治的なものにしかもとめることはできません。すなわちベネズエラはアメリカに逆らって中南米の自立を唱導しているからです。また社会主義的制度を積極的に採用し、貧富の差を攻撃し、金持ち優位の政治を否定しているからです。そのためにアメリカに嫌われているからです。
ベネズエラは社会主義的な政治制度を、民主的な方法で選んだために高いコストを払わされていることになります。

2017年に於ける国際銀行の金融封鎖に関して述べましょう。

ドナルド・トランプ制裁の発動後、 アメリカ籍企業による契約の一方的な解除は倍増しました。例えば、支払代理業のデラウェア社は、その特約銀行である米国のPNC銀行がPDVSAから資金を受け取ることを拒否したと報告しています。これは7月のことです。
ポルトガルのノボ・バンコ社は、ドルでの業務を実行できないことをベネズエラに通知してきました。米国の仲介銀行が対ベネズエラ金融封鎖に加わったことに起因しています。これが8月のことです。
ベネズエラと契約した中国銀行のフランクフルト支店は、カナダの鉱山会社であるゴールドリザーブに1500万米ドルを支払うことができませんでした。それはベネズエラ側が支払うべきものでした。

11月には、クリスマス休暇に向けられた食糧の23件の購買契約の支払い分がカラカスに戻ってきました。供給元の仲介銀行がベネズエラからの資金を受け入れなかったため購入契約が破棄されたのです。その総額は3900万ドル以上に登ります。
これらはWTOで締結されている国際自由貿易の原則をあからさまに侵害するものです。しかし問題はさらに深刻です。ことは人道問題に絡んできています。
9月上旬、ベネズエラ政府はアメリカの医薬品会社などに総額12億ドル相当の医薬品と食品を発注しました。米国企業の取引銀行はJPモルガン銀行の子会社であるユーロクリアでしたが、この銀行が12億ドルの受け取りを拒否しました。これにより、ベネズエラは患者の治療に必要不可欠な30万回分のインスリンを確保できなくなったのです。

もう一つ、ベネズエラはコロンビアのBSNメディカル(スエーデン)系列の製薬会社にマラリア治療薬であるプリマキンを発注しました。しかしこれも同じような理由で受注を拒否されました。

なぜこのような事態があいついで起きたのでしょうか。その目的は、ベネズエラが国民が必要とする食糧や医薬品を輸入するために外貨を使用するのを妨げることにあります。そうすれば人々が抗議し、医療システムに混乱を生み出すことでしょう。
11月に政府はインドからの重要なインスリン輸入の緊急到着を実現しました。死に至るリスクのある何百人もの患者が救われました。 疑いなく、これはベネズエラ人民の新たな勝利です。
(訳者が考えるには、これはあまりにも非人道的なやり方です。何千人もの患者さんの生命を危険にさらしています。もしそれにより糖尿病やマラリアの患者さんが命を落としたときは、誰が責任を負うのでしょう。たんなる有責ではなく、アメリカ国内法でも完全な有罪、それも人道に対する罪で有罪であると思われます。訴訟をおこすべきではないでしょうか)


16.奇策: デジタル通貨の発行

11月、金融封鎖を破るために、ベネズエラ政府はある計画を発表しました。それがデジタル通貨「ペトロ」の創設です。

この発表は仮想通貨投資家のコミュニティに多くの熱意を呼び起こしました。ベネズエラは技術とグローバル・ファイナンスの最前線に位置づけられ、大きな期待を集めまています。

さらに「ペトロ」の利点は、市場の気まぐれと投機の対象にならず金、ガス、ダイヤモンド、石油などの実質資産の国際価値に関連していることです。
外国の権力はドルの力を背景に資本の受け取りを拒否したりボイコットしたりと勝手なことをしていますが、ベネズエラはそのようなことをさせない革命的な資金調達メカニズムを持つことになります。その意味では「ペトロ」の発行はベネズエラにとって明らかな勝利です。

(流石にこれは訳者にも眉唾ですが)


17.社会福祉インフラへの投資を前進させる

ベネズエラ政府は、2017年にあっても社会福祉インフラへの投資を前進させたことに誇りを持っています。闘いの真っただ中であるにもかかかわらず、石油依存型経済モデルの全体的な不調・故障にもかかわらず、この間ベネズエラ政府は社会主義への関心を失いませんでした。

国民の誰もが学校、仕事、シェルター、医療ケア、所得、食糧へのアクセスを失っていません。そのことが証明されています。革命政府は基本的な公共事業への資金調達を止めず、住宅建設をやめませんでした。2017年には57万戸以上が納入されました。

住宅建設計画を始めすべての社会的ミッションが維持されました。農作物の栽培計画が維持されました。Sovereign Supplyミッションが拡張されました。Sovereign Field fairsが倍増した。
(これらの「計画」や「ミッション」の内容は訳者には不明です)

いくたの嵐のなかで、チャベス主義政府はベネズエラとベネズエラ国民を救うという社会的奇跡を達成しました。野党連合による反乱は福祉と社会主義の進歩を止めることはできませんでした。

社会主義の進歩を語る上で、「供給・生産のための地方委員会」(CLAP)の働きは特筆されなければなりません。それは生産点と都市とを結ぶ直接物流を中央統一化させ、全国的な進化をもたらし続けています。このシステムにより、400万人のベネズエラ人が経済戦争に由来するもの不足から守られました。

2017年、ベネズエラ政府は新しい社会イニシアチブを開始しました。なかでも最も壮大なのは、市民の社会経済的地位を特定するためにQRコードを使用する新しい身分証明書(カルネ・デ・ラ・パトリア)を発足させたことです。これを通じ、必要な家族のために社会福祉計画へのアクセスを提供することができます。

2017年12月末には、総数1650万人の市民がカルネ・デ・ラ・パトリアに登録しました。

大統領はまた、社会扶助の配分のプロセスをスピードアップするために、「ソモス・ベネズエラ」運動の創設を促進しました。「ソモス・ベネズエラ」の20万人のボランティアは、登録された家族のニーズを家ごとに識別します。彼らは実際のニーズに応じて家族に援助を割り当てます。

「ソモス・ベネズエラ」運動のもう一つの重要な目的は、全国の年金受給者の100%を保証することです。
(言葉通りに受け取ればマイナンバー制度ということになるが、土台が違いすぎてその是非は評価できません)

マドゥーロ大統領はまた、「青年非正規労働」計画を提案しました。これは15歳から35歳の若者を対象とした失業対策事業で、雇用分野に彼らを組み込むことを目的としています。

この計画は、特に、無職の大学生、学校に行っていない若者、家族の責任を負っているシングルマザー、そして路上生活の若者を対象としています。この新しい計画は約80万の雇用を生むと推定されています。

18.マドゥーロ政権の最近の成果

政府の最近の成果の一つとして、10月に行われたマドゥーロ大統領の外遊について言及します。

マドゥーロはこの外遊を通じて、金融封鎖の嫌がらせを振り払い、経済戦争に勝利することを目指しました。ベラルーシ、アルジェリア、ロシア、トルコを歴訪し、それぞれで重要な二国間協定の署名に成功しました。
また石油生産国(OPECおよび非OPEC)との不断の交渉により、2017年の原油バレルあたり価格の驚異的な復調(23%上昇)を可能にしました!

11月に始まった石油関係の腐敗に対する大規模な取締まりも、2017年の大きな成果でした。

ベネズエラ石油公社(Pdvsa)と石油販売公社(Citgo)の経営幹部のうち最高幹部を含む数十人の逮捕が発表されました。このような摘発は、百年間のあいだ、ベネズエラ石油産業に起きたことはありませんでした。これは間違いなく、2017年のベネズエラ政権の勝利であります。

19.結論

結論として、ベネズエラに破壊的な作用をもたらした最大の要因は国内外でのメディア攻撃にありました。
大手メディア企業が指揮する世界宣伝キャンペーンの主な目的は、チャベス派政権のイメージの破壊であります。このことは再度指摘する必要があります。

インターネット上の複数のプラットフォーム、たとえば Facebook、Twitter、YouTube、Instagram などのソーシャルネットワークを通じて闘われた、長期にわたる“デジタル戦争”も忘れてはなりません。

これらの大量世論操作の武器はすべて、ベネズエラ革命の姿を貶めようとして使われています。それらはベネズエラの現実を操作し、反政府派の運動に広範な支援を与え、野党の暴力をおおい隠しています。

反政府派の行動目的は、たんなる反マドゥーロというより、もっと構造的なものです。ベネズエラは地球規模でのシステムを変革しようという流れの主要な担い手であります。そのベネズエラを敗北させることは、単にその豊かな財産をふたたび我がものととするためだけではありません。ベネズエラが実現しつつある革命的な社会モデルを消滅させるためにこそ必要なのです。

反帝国主義勢力の先頭に立つベネズエラを敗北させることは、ラテンアメリカの地政学的見地から見ても重要です。

しかし今のところ、ニコラス・マドゥーロを破滅させるすべての計画は失敗しています。

彼自身が言ったように、「帝国主義はわたしたちの首に手をかけたが、私たちを窒息させることはできなかった。チャベス革命はそのどんな分野においても粉砕されなかった」のです。

反対に、ベネズエラ共和国は2017年を通じて強化されました。そして国の平和のための戦略的イニシアチブを再開することができました。大きな国益を守り、誠実さと謙虚さの原則を遵守することに成功しました。

マドゥーロ大統領は、野党に対し交渉の場に座り、尊敬と相互認知に基づいて対話を再開するよう提案しました。マドゥーロの要請を受けてサント・ドミンゴが仲裁国として中立的シナリオを提案しました。
それは、国論が分裂するのはベネズエラが革命のただ中にあるためであり、革命をどうすすめるかを巡っての政治的な立場の違いから生まれるのだと判断しています。
そしてだいじなことは国家の最善の利益を守り、紛争を規制するための民主的な方法を生み出すことだとしています。そしてまず最初の出発点として恒久的な国民対話を復活するようもとめています。

残忍な攻撃と果てしない暴力に耐えたこの英雄的な1年間に、チャベス主義は強さと生存力を発揮しました。それは支持基盤を拡大し、革命に有利な政治的状況とおよび社会的な力を増やすことができました。そしてこれまで以上に強固な確信を抱くに至っています。

2017年におけるベネズエラ革命の勝利と前進はラテンアメリカ全土の救済と希望を意味します。今やベネズエラ革命は決して倒すことのできないものとなっています。






2017年、ベネズエラ人民はどう闘ったのか ②

これは1月2日のテレスール(TeleSur 通信)に掲載された文章の要約です。原題は“ベネズエラ大統領マドゥーロの12の勝利ー2017年版(The 12 Victories of Venezuelan President Maduro in 2017)”となっていますが、多少表現を変えました。訳者は記載内容に全面的に同意するものではありません。


9.制憲議会の提起

世の中はあまりにも多くの恐怖に満ちており、それに抵抗することは容易ではありませんでした。人々は沈黙を守るほか手段がなくなろうとしていました。
しかし政府は公序良俗を回復させる方法を見出したのです。政府は民主的権威、三権の平等、人権の尊重という三つのビジョンを掲げました。それは暴力の迷路から脱出するための立憲的かつ合法的な方法でした。
そもそも野党勢力の言い分は、立法機関と司法機関という二つの正統な機関のあいだの不一致にもとづいたものです。両方の機関の筋を通しながら難局を脱する方法は、行政機関の長たる大統領が仲裁人となり、紛争解決のために行政的な手段を講じるほかありません。

これが三権分立の基本です。

そこで大統領は、憲法第347条、第348条および第349条に基づき、政府および最大仲裁人としての地位を利用して、5月1日に制憲議会の設置を中核とする和解プロセスを提示しました。ちなみにこの憲法は、1999年のチャベス大統領の時代に成立したものです。
このマドゥーロ解決案は、解決方向が三権分立のあり方まで立ち戻らざるを得ないという点で、妥当といえます。もちろんマドゥーロ大統領がいったん辞任するという選択肢もあるとは思いますが、マドゥーロの側から見れば辞める理由がありません。

10.制憲議会選挙の勝利

世界の報道陣から上がる大歓声の中で、野党は制憲議会選挙をボイコットすると宣言しました。そしてその代わりに選挙を実力で妨害することに専念しました。選挙の成立を阻止するため、バリケードを築き、選挙権を行使したいと思っている人たちを脅しました。

しかし彼らは失敗しました。彼らは、暴力と恐怖に負けず民主主義に向かおうとする人々の流れを止めることはできませんでした。
7月30日、制憲議会選挙が実施されました。選挙は過半数の投票率を得て成立し、全員が政府支持派である制憲議会が立ち上げられることになりました。
850万人以上の有権者が投票所に足を運び、市民的、政治的、倫理的、道徳的な義務を果たしました。武装組織や暴力集団に正面から向き合い、彼らにより閉鎖された街路を横切って、あらゆる種類の妨害・障害を乗り越えて人々は投票所におもむき、1票を託したのです。
これにともない、国会は新憲法成立までのあいだ、その存在意義を失うことになりました。野党勢力は絶望的な政治的失敗を確認せざるを得なくなりました。

8月1日、投票日の翌日、「グァリンバス」は散り散りとなり街路から姿を消しました。暴力は消えていました。平和が再び支配するようになりました。

このようにして人民とその政府は「グァリンバス」を倒し、明らかなクーデターの試みを中止したのです。人民は国内外の脅威に対して毅然と立ち向かいました。政府は政策の根拠を揺らぐことなく貫きました。

これは2017年の最も壮大な勝利でした。

11.二つの選挙での勝利

制憲議会とともに「平和の季節」がやってきました。それはベネズエラ革命が反革命主義者に政治的反撃を加えるチャンスを与えました。

その反撃は一斉地方選挙で2つの驚異的な選挙勝利をもたらしたのです。
(ベネズエラの一斉地方選挙は日本と同じで4年に1度行われます。前半と後半の2回に分けて行われ、はじめが州知事と州議会の選挙、次が市町村の長と議員の選挙です。制憲議会選挙と違いこちらの選挙は野党も参加しています)

まず最初が10月15日の地方選挙です。州知事選挙では23人の知事のうち19人が与党PSUVの勝利に終わりました。
そこにはこれまで野党が知事を務めていたミランダ州とララ州も含まれていました。また大きな人口学的重要性を持つ戦略的州であり、石油とガスの重要な資源があるスリア州(マラカイボ湖)でも勝利しました。
ベネズエラ 州
          ウィキペディアより
ついで12月10日の自治体選挙でもチャベス派が圧勝しました。首長選では335の市区町村のうち308で勝利しました。これは市町村の93%を占めています。

大カラカス首都圏は24都市よりなっていますが、チャベス派はこの内22都市を確保しました。いっぽう反政府派は得票数が激減し、21万票を失いました。彼らの行動は多くの国民から非人道的と認知されました。そのことが投票行動によっても確認されたといえます。

ベネズエラは、2017年に3回の全国規模の選挙を組織した中南米で唯一の国です。そしてその国で3勝したのがチャベス派です。


12.対外債務問題

反政府派は今や国内での影響力を大幅に減らし、活動力を失っています。しかし依然として国際的な保護者の支持を保持しています。その中で最も攻撃的なのが、新しい米国大統領ドナルド・トランプです。

トランプ政権はいろいろな問題をでっち上げて、ベネズエラに制裁を課してきました。とりわけ目立つのが、ベネズエラ政府と石油公社(PDVSA)が金融市場にアクセスするのを妨害することです。そうやってベネズエラの決済を妨害し、デフォルト(対外債務不履行)に押しやろうとしています。

米国はベネズエラに信用を提供することを妨げ、それによってベネズエラが外貨を得ることを妨げようとします。じつに下劣な嫌がらせです。

ジョージ・W・ブッシュ大統領下で国務長官をつとめたローレンス・イーグルバーガー氏は、フォックス・ニュースとのインタビューでこう答えています。(この段落は背景が不明です。イーグルバーガーは30年も前の国務長官であり、チャベスよりはるかに前の人ですが、国務省OBとしてベネズエラ転覆策動に関与しているのかもしれません)

ブッシュ政権のもとでも、ベネズエラに対する経済戦争がワシントンで効果的に計画されていた。我々はベネズエラ攻撃のために経済的ツールを使わなければならないと考えていた。

ベネズエラの経済を悪化させ、チャベス主義の影響を国や地域で減退させるようにしている。ベネズエラ経済を困難な状況に沈ませるための方策はうまくいっている。

新たな制裁が「ベネズエラをめちゃくちゃにする」ことになるだろう。

もちろん、ベネズエラ政府はそのような攻撃に対してしっかりと対応しています。

まず強調したいのは、ベネズエラは南米の他のどの国よりも多くの借金を支払っているということです。過去4年間だけで、ベネズエラは約740億米ドルを債務返済のために支払いました。たしかに対外債務の累積はありますが、その再編についても再交渉を目指して「常に明確な戦略を持つ」ています。

国外の反チャベス主義者はベネズエラ革命を財政的に孤立させようとねらっています。彼らは個人投資家に恐れを生じさせたいので、ベネズエラ国債を購入せず、ベネズエラ債務の再交渉にも参加しようとしません。このため新規投資はもはやストップされています。

積極的な貿易、銀行口座、金融への迫害が強められています。ベネズエラが直面するのは本物の「迫害」です。

13.債務スワップ交渉の成功

ベネズエラ政府は11月3日に借り換えを統合する委員会の創設を発表しました。メリカからの金融攻撃を跳ね返すために、対外債務の再編が計画されています。政府は「バランスを取るために外部からの支払いを完全に再フォーマットするつもりだ」とのべました。

数日後、大統領が提案した再交渉と再編への最初のアプローチの一環として、カラカスで債権者との話し合いが招集されました。そこにはアメリカの金融封鎖の目論見に反して、パナマ、英国、ポルトガル、コロンビア、チリ、アルゼンチン、日本、ドイツの債務者グループが集まりました。


(③に続く)

2017年、ベネズエラ人民はどう闘ったのか

これは1月2日のテレスール(TeleSur 通信)に掲載された文章の要約です。原題は“ベネズエラ大統領マドゥーロの12の勝利ー2017年版(The 12 Victories of Venezuelan President Maduro in 2017)”となっていますが、多少表現を変えました。「12の勝利」のすべてがはたしてほんとうに勝利なのかよくわからないのと、ニコラス・マドゥロ大統領個人の功績よりもベネズエラ人民の闘いを引き出す形で紹介したかったからです。
要約とは言え、解説的なフレーズを加えたりすると、かなり長くなりそうです。とりあえず、本日は第一部として掲載します。

1.最初の攻撃: 大統領解任の企て

今のベネズエラ政府ほど、不当に中傷され攻撃を受けた政府はありません。それは「ボリーバル革命」を標榜してベネズエラの政治改革を創始したウーゴ・チャベス(故人)への攻撃をも凌ぐものです。

今、ベネズエラ政府は国内の反体制野党と、国外の親野党勢力の共通の攻撃目標となっており、とりわけ米国のトランプ政府の主要攻撃目標となっています。

1年前、2017年が始まるとすぐに、大統領に対する攻撃が始まりました。最初の攻撃は国会内の野党が仕掛けました。1月9日に野党はマドゥロ大統領が「我が国の大統領としての立場を放棄した」と非難し、大統領を「解任」することを決議しました。

この「国会によるクーデター」というモデルは、2016年にブラジルでディルマ・ルセウ大統領を追い落とすために用いられた手段です。(ブラジルではオリンピック直前に、進歩派の大統領が“職権乱用”という曖昧な理由で弾劾され、財界代表が大統領になりました。これを機に南米の政治状況が一気に悪化しています)

しかしこのやり方はベネズエラでは成功しませんでした。最高裁がこの決議を却下したからです。理由は「憲法の下で、国会は国民によって直接選出された首脳を解任することはできない」という立憲主義的な判断です。

国会の動きに対抗して、1月14日に「不可欠な反帝国主義的行動」と呼ばれる大規模な市民治安訓練が組織されました。ベネズエラ人民は「2002年4月のクーデターの再現は許さない」という決意を示すことによって、国会クーデターの試みに応えようとしました。
「行動」には軍兵士、民兵、社会人など60万人が結集しました。それは軍と市民勢力、ベネズエラ統一社会党(政権与党。以下PSUV)との団結を印象づけるものでした。

これが2017年の最初の攻撃と反撃でした。

2.反政府デモと対抗デモ

1月20日にワシントンで就任したドナルド・トランプはベネズエラの右翼を励ましました。ベネズエラの野党はこれに応え、1月23日にカラカスで大規模な抗議デモをしてマドゥロ政府を脅かそうとしました。

1958年のこの日は、独裁者マルコス・ペレス・ヒメネスの崩壊した日でした。つまり野党はマドゥーロ政権を独裁者に、みずからを民主派に擬したのです。(「1958年革命」については私のベネズエラ年表をご覧ください)

しかし、彼らの試みはみじめに失敗しました。

同じ日、政府は58年革命の英雄たちをあらためて祀り、PSUVは祈りを捧げる集会を組織しました。数十万人のカラカス市民が首都の道を埋めました。そしてチャベス主義が街を支配していることをはっきりと見せつけました。(ベネズエラではボリーバル主義というが、この記事ではチャベス主義に1本化する)

これが2017年の年頭における、二度目の人民の勝利となりました。

3.国会の「任務放棄」という違憲状況

最高裁は、国会が2016年以来「違憲」の状態にあるとの判断を示しました。これは直近の2015年12月6日に行われた国会選挙の際に、アマゾナス州での不正選挙の疑いが認定されたためです。

アマゾナス州では州政府の書記が、野党候補者に投票をうながすために、複数の特定グループに金額を渡していましたが、その合計を提供した記録が証拠採用されたのです。

アマゾナス州には3議席が割り当てられていますが、それは大きな意味を持っています。なぜなら野党が大統領の行動を制限する権限を確保するために、議席の絶対多数を確保できるかどうかを左右するからです。
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  アマソーナス州(ウィキペディア)
全土が熱帯モンスーンの樹林。面積は日本の半分。人口は14万人。うち州都に10万人。気の遠くなるような田舎である。

ところで、議会と最高裁の緊張はすべての先進国の民主主義システムの中で比較的頻繁に起こっています。たとえば欧州では、司法と立法府間で憲法紛争が発生した場合、最高裁判所が議会の権限を引き継ぐのが一般的となってます。

そして米国でも、ドナルド・トランプのような強引な大統領でも、最高裁判所の決定を守らなければなりません。これは最近の報道でもおなじみです。

4.反政府国際キャンペーンと「メディア・リンチ」

しかし野党勢力は議会と最高裁の緊張を利用し、「ベネズエラにおける民主主義の欠如」という国際キャンペーンを再開しました。

米国の新政権もこれと共謀して、反ベネズエラ攻撃を強めました。こうしてベネズエラ政府に対する巨大でグローバルな「メディア・リンチ」が始まりました。

ラテンアメリカとカリブ海諸国の主要メディアだけではなく、ロンドンのBBCやCNN、フォックス・ニュースなどの支配的なメディアも動員されました。

5.米州機構の干渉

ベネズエラの野党勢力は、国内紛争を南北アメリカの協議機関である米州機構(以下OAS)に移管することで、問題を国際化しようと画策しました。

OASの事務局長であるルイス・アルマグロは、その動きを拡大させ、「ベネズエラに対するOAS民主憲章の適用」を引き出そうとする嘆かわしい役割を引き受けました。カラカスは直ちに反撃し、ラテンアメリカとカリブ海諸国の大部分との外交的連帯を確保しました。

アルマグロ事務総長は不当な虚偽の議論を繰り返しましたが、それにもかかわらず、ベネズエラは決して中南米諸国の支持を失うことはありませんでした。

4月にベネズエラ政府は「ベネズエラの主権に対する侵入的行為」と非難しOAS脱退を決めました。しかしそのことによってベネズエラが孤立することはありませんでした。これは1962年にキューバが米州機構を除名されたときとは全く異なる状況です。(キューバ経済封鎖については拙著「キューバ革命史」をご参照ください)
ワシントンを発信地とするベネズエラ革命の敵は、ベネズエラ政府の事実と政治的誠実さに裏付けられた堅実な戦略によって敗退しました。

これが2017年の第3回目の勝利です。

6.裁判所が議会の権限を行使し立法を代行

3月29日、憲法裁判所は「国会の司法への侮辱と政治的無能の状況が続く限り、法の支配を確実にするために憲法裁判所が議会の権限を直接行使する」と宣言しました。これは国会が本来の立法義務を果たさないことへの警告でした。

反チャベス野党はこれを待ち望んでいたかのように大声で叫び始めました。「我々が助けを求めれば、国際的な軍事支援が寄せられるだろう」そして反逆的な計画を推進しました。
こうして長くて悲劇的な「グアリンバの危機」が始まりました。
GUARIMBA-1
guarimba:ベネズエラで10年ほど前から使われ始めた新語。選挙の不正に抗議する手段として野党系若者のあいだで認められている。参加者はグァリンベーロとなる。
7.グアリンバの危機

4月から7月の4か月の間、反革命主義者たちは政府に対する絶望的で残忍な戦闘攻撃を続けました。主として、国際的パワーによってドルを提供された反チャベス勢力である「正義第一」党と、その戦闘部隊である「人民義勇軍」が暴力を振るいました。

これらの右翼組織は同時に「不規則な戦術」を展開しました。彼らは組織犯罪者による準軍事組織、テロリスト、傭兵を使用することを躊躇しませんでした。彼らは神経戦・心理戦・恐怖戦と「民主的な」宣伝を担当するエリート専門家と一緒に組んで行動しました。

これらすべての作戦は、ベネズエラで民主的に選ばれた政権を打倒するという、病的で歪んだ目的を持っています。

暴力で酔いしれた暴動犯は、次々とベネズエラの民主主義を襲いました。病院、保健所、保育園、学校、高等学校、産科病院、食料品店、官公庁、数百の民間企業、地下鉄駅、バス、公共インフラなどが攻撃されました。
彼らが支配したブルジョアの居住区では、いたるところに立入禁止のバリケードが増えていきました。モロトフのカクテルを投げつける暴力グループは、治安警察を標的にしていました。5人の警官が射殺されました。カラカスの西側が高級住宅地です。ここでは市長も警察も反政府派です。

多くの「グアリンベーロス」は、公共の道路にピアノ線を張ってをオートバイを攻撃しました。憎しみと人種的な差別心にあふれた彼らは、若いチャビスタ(チャベス派の活動家)をなぶりものにしました。合計29人がリンチにあい、うち9人が死亡しました。反革命主義者が歓喜のうちに過ごした4ヶ月のあいだに、全体では117人が死亡し数千人が負傷し数百万ドルが失われました。
反政府派は資産を持つ白人です。チャベス派は貧しい有色人です。反政府活動には人種差別的な色彩があります。そこでは日本人は「名誉白人」となっているようです。

グアリンバと並行して、狂気のメディアキャンペーンが国際規模で続けられました。そこでは無実の人を殺し学校を破壊した人々が賞賛されました。病院を焼いた人が「自由の英雄」と持ち上げられました。
July 31, 2017AFP
           2017.7.30 AFP

7月30日の制憲議会の議員選挙が迫ると、野党はますます戦術をアップし過激な行動を提起するようになりました。彼らは軍事基地を攻撃するよう呼びかけました。さらに軍隊を正統な政府に立ち向かわせ、大統領宮を襲撃するよう呼びかけるなど、事実上の政府転覆作戦まで提起するようになりました。

クーデターを意図する極右集団は、内戦を開始し、市民連合を破壊し、ベネズエラの民主主義を破壊するためにすべての可能性を試みました。

それは裏返しの世界、すなわちポスト・トゥルース(事実を否定する真実)とオルタナティブ・トゥルース(事実でない真実)の世界でした。

(続く)

最近書いた記事です。

ベネズエラの「ある左翼」

少し前の記事です。

しばらく前の記事です

だいぶ前の記事です

ベネズエラでは野党連合に「左翼勢力」の一部が加わっていることから、さまざまな憶測を呼んでいます。
オーストラリアの左翼活動家が、この点に関して包括的なレポートを発表しています。
ものすごく長くて、とても訳すことはできませんが、最初のところだけちょっと紹介しておきます。


著者は社会主義オルタナティブ・オブ・オーストラリアの活動家と言うことです。

1. ベネズエラにおける実験
商業メディアでベネズエラ政府について何かを読んだことがある人は、気づいているだろうと思います。
そこでは過去17年間、ベネズエラ政府は抑圧的な独裁政治として特徴付けられてきました。
しかし、ボリバル革命の支持者たちは、別な物語を語ります。
彼らは今、急進的な民主化を達成し、貧困を大幅に削減しつつあると主張しています。
この間に展開された生産拠点における労働者の管理への参加、協同組合組織の普及と拡大、地域コミューンの活性化の試みなどは、いまもなおボリーバル革命の重要な礎石であり続けております。
しかし、2000年代の最初の10年を通じて進行した急進的変化は、いま大きな挫折に直面しています。
ボリバル革命は資本主義国家に打撃を与えたかもしれないが、 社会主義の生産方式を確立するには至っていません。逆に深刻な経済的、政治的危機に直面しています。
ボリバル革命の未来への可能性は残っていますが、強力で多様な右翼の野党の台頭も進行しています。
それは民主円卓会議(MUD)として知られています。
さらに米国は「ベネズエラの脅威」を騒ぎ立て、演出しています。
 MUDの目的は明確です。 それはボリバル革命を破壊するための政府を設置することです。それは米国の利益に準拠しています。
今の政府は革命の成果をまもり、革命の基盤を広げ、そのことで危機に対処しようとしています。
7月30日、ベネズエラで新しい制憲議会(ANC)が選出されました。制憲議会を立ち上げるための選挙は、国内外の強い妨害に会いました。野党の支持者が200ヶ所の投票所を攻撃し、10人以上が死亡しました。海外の右翼メディア、特に米国とスペインではマドゥロ政府の暴力を非難して「非民主的で抑圧的だ」と宣伝しました。
ベネズエラのブルジョア・プレスは、恐怖とヒステリーという広範な雰囲気を引き起こし、「新議会がニコラス・マドゥロ大統領に独裁権力を与える」と主張し、選挙の有効性に疑問を呈しました。

2.反政府合唱に加わった「左翼」
このような反政府の合唱に一部の左翼も加わっています。
米国人のマイク・ゴンザレスのようなマルクス主義者です。ゴンサレスはグラスゴー大学の教授で歴史家、文学評論家です。
不確実性と米国の介入という状況の中で、彼らは連帯を促進するかわりに「権威主義と抑圧」という右翼と同じ言葉を使って政府を非難しています。

ゴンサレスらは、「社会主義潮流」(MS)というベネズエラ内の一派閥を無批判に支持しています。MSは与党の「統一社会主義党」(PSUV)から分かれ、右派連合に加わったグループです。
 3月27日に公表された声明の中で、MSは「最も広い統一行動」を求めています。
彼らは右派の抗議者の行動をこうやって擁護しました。
「国家が市民権の行使を侵犯したときに、デモ参加者が正当防衛権を行使することは正当です」
彼らは抗議の性質について嘘をつきました、デモ関連死のほとんどが国家警備隊の手によるものであったと主張しました。
野党がボリーバル革命支持者へのテロとリンチを実行していた時に、MSは「それは人々の抗議の声である」と主張しました。
ボリバル革命支持の集会に出席していた公務員に野党勢力が発砲したとき、MSは「彼らは "偶然"殺されたに過ぎない」と主張しました。
ゴンザレスとその仲間が分析を引き出すのは、これらの反革命家です。彼らは一貫した革命的な路線を持っていないが、政府とボリバル革命を体系的に非難します。

3.「左翼」のふりをした反革命勢力
彼らは「マドゥロが問題である」と述べ、「政府は非民主的であり、トップダウンであり、抑圧的である」と主張します。そして事実上、右翼の野党の主張を繰り返しています。
彼らは、政府が労働者階級によって打ち倒される必要があることを叫びます。
ここで私が強調したいのは、社会主義者には、商業メディアが主張する主張を批判的に分析し評価する責任があるということです。
ゴンサレスらは、「ベネズエラ政府は非民主的かつ抑圧的である」と述べています。そうやって野党や企業メディアの主張を繰り返します。
国家と民族の尊厳が危機に瀕しているときに、そこでは国際連帯の原則が放棄されています。彼らは米国の帝国主義的介入をカバーする役割しか提供していません。
ベネズエラの社会主義の主な敵は政府ではなく、米国の支援を受けているベネズエラのブルジョアジーです。
彼らこそが、ベネズエラにおける貧困の根絶と労働者階級の解放のための、主な障害であるのは彼らです。

まぁ、政府側にもいろいろ誤りはあると思いますが… お互いの話も聞いた上で、これまでの経過も勘案して判断してはいかがでしょうか。

国連人権専門家のアルフレッド・デ・サヤス氏が最近(11~12月)ベネズエラを訪問し、国家危機の政治化の危険性、政府に対する「心配なメディアキャンペーン」についてコメントしています。

要約を紹介します

私たちの仕事は、政府を非難することではない

民主的かつ公平な国際秩序の促進に関する人権理事会の専門家として、私は1か月にわたり現地調査し、総会のための6つの報告書を作成しました。

私たちは人権をより良く実現するために来ています。そうするために、私たちは政府にアドバイザリーサービスと技術支援を提供します。

一部のオブザーバーや市民社会の活動家は、わたしたちを特別な特使や弁護士として誤って捉えているようですが、私たちの仕事は政府を非難することではありません。

私たちのミッションは人権侵害の告発ではなく、人権の確保と発展です。社会の進歩とより一貫した生活水準を促進するための共同努力の検討に焦点をあてています。

権限の範囲内で実行可能なソリューションを推奨することであり、私のアプローチは常に結果指向です。

今回の訪問には、両国の大臣、大使、外交官、教会指導者、学者、経済学者、教授、学生、市民団体とあいました。

ま私は、NGO、先住民、個人たちと会いました。市民社会組織は非常に有用な文書を提供してくれました。た拘留中の人の親戚との多くの会合が含まれています。 適切な担当者に向け請願書を送付しました。

私はたんなる情報の受け取り役ではありません。異なるグループ間のバランスをとり、真実の探求と目標とする積極的な情報収集を行いました。

民主主義に関する総論部分は省略

民主主義にとって、国際的な経済問題は避けて通れない

通貨投機は、目標とする経済を不安定化させるためのツールの1つです。

民主的正当性を持たない信用格付け機関の活動も、債券を発行し資金を調達する財務能力に重大な影響を及ぼします。

税回避は、それぞれの国の資源が不法に持ち出されたものです。それは国家の財政義務の履行能力に悪影響を及ぼします。

また国際的な犯罪グループは、公的資金、食料品、医薬品の盗難、人権の享受に影響を及ぼします。

ベネズエラでは、公共財産の破壊、公共建物、病院やその他の施設に対する放火、電気や電話回線の破壊など公共暴力が続いている問題があります。

私への中傷キャンペーン

残念なことに、カラカスに到着する数週間前に、私の使命に反対するキャンペーンが開始されたようです。私の任務を「偽の調査」と呼んでいる人もいます。

ソーシャルメディアでは、私の人間的信用度が疑問視されました。メディアが私を攻撃しました。あらゆる種類の侮辱や告発を含んでいました。それがジャーナリストと話したり、記者会見をしたりする前から始まったのです。

オブザーバーに先入観を強いる心配なメディアキャンペーンがあります。例えば ベネズエラに「人道的危機」があること、「人道危機」は終末であると言ったことです。私たちは、それが軍事介入と政権交代のための口実として誤用される可能性があることを念頭に置いて、誇張や過激さに注意する必要があります。

「人道危機」とその対応

ベネズエラの状況は人道危機の限界に達していません。しかし いくつかの分野では栄養不足、不安、苦悩がみられます。政府がこれらの問題に取り組んでいますが、改善策を提案しました。

食糧や医薬品の現在の不足を緩和するために、ベネズエラへの食料や医薬品の自由な流れが必要です。そのような援助は本当に人道的なものでなければならず、政治的目的を持つべきではありません。国際赤十字委員会および他の組織は、援助の輸入と分配を調整する上で確実に手助けをすることができます。

いくつかのセクターで受け入れがたいレベルの苦しみがありますが、そのことを繰り返すだけでは役に立たない。重要なことは建設的な提案をすることです。そのためには、問題の原因を多角的に研究することが重要です。

とくにサボタージュ、退蔵、闇市場の活動、誘発されたインフレ、食品や医薬品の封鎖の影響を知ることは重要です。

(米国のように)国を孤立させてボイコットしてはいけません。

重要なことは、包括的措置を通じて国際的な連帯のレベルを立証することである。UNDP、ユニセフ、FAO、UNAIDSなどの国際機関を通じた協力の努力を支援します。

私は特に、ベネズエラに国連からの助言や技術援助を求めるよう要請しましたが、この呼び出しは耳を傾けられています。


エクアドル関連記述は略


答えはノー

Venezuelanalysis.com Dec 22nd 2017

ベネズエラは、野党が来年の大統領選挙に出るのを正式に禁止している。少なくとも西側のメディアによると間違いない。ニュースはどこにでもあり、見出しはすべてそう言っている。

The Independent: ベネズエラ大統領選挙:ニコラス・マドゥロ政権が野党候補の出馬を阻止

ABC News: ベネズエラの3野党、出馬を阻止される

The Economist: 民主主義の名において、ベネズエラは野党を禁止

DW: ニコラス・マドゥロ大統領、野党の大統領選出馬を阻止

ニューヨークタイムズ紙とワシントンポスト紙も同じ話をしていたので、それは真実に違いない。確かに読めばそうだ。
「ベネズエラの国会議会は、水曜日、来年の大統領選挙に参加する最も影響力の強い野党の3人を効果的に取り除いた」
ニューヨークタイムズ紙の見出しににはそう書いてある。

しかし記事の本文は最初から食い違っている。記者(AP)は説明し始める。
「議会は、12月初旬の市長選挙をボイコットした野党が法的地位(立候補のための)を獲得するために再申請することを要求する声明を採択した」
のである。

したがって、問題は「法的地位のために再申請する」ことを強制されたことが、事実上の「禁止」を意味するのか、ということである。

制憲議会がどう言っているのか見てみよう

「国家または地方の選挙に参加するためには、政治組織は、憲法の定める直前の国家または地方の選挙に参加していなければならない」

これは野党よりの「エルナシオナル」紙から転載したものだから、間違いないだろう。

一体どうなっているのだ?

つまり、基本的な考え方はこういうことである。一般的に言えば、各当事者は各選挙に際して基本的な要件のセットを登録し、満たすことが求められるということである。

ただし、このプロセスは、前回の選挙に参加し投票の少なくとも1%を得た当事者に対しては免除される。しかし「直前の」選挙に参加しなかった場合、当事者は再申請プロセスを経なければならない。

だから、前回の選挙(一斉地方選)をボイコットした場合、次の投票に出馬するためには、大量の書類を通す必要がある。

明らかに、この動きは地方選挙をボイコットした野党を対象としている。

これには、民主円卓連合(MUD)の主要三政党、すなわち民主行動党(AD)、「人民の意志」(VP)、そして「正義第一」(PJ)が含まれる。

「彼らが選挙に参加することを拒否したのだから、彼らは再び検証されなければならない」と、制憲議会の議長は語る。
「これが合理的な措置であるかどうかは、あなたが決定することです。議論があるでしょう。
有権者であろうと候補者であろうと、民主主義への参加行動に対するいかなる障害も非難されるべきであるかもしれません。
反対に、野党は勝てる選挙にしか出馬しない、負ける選挙はボイコットするという習慣が悪いと考える人もいます。
しかし、これはただの「負け犬戦略」ではありません。むしろ、ベネズエラの民主主義を非合法化し攻撃することを目的としたシニカル・ショーです」
いずれにせよ、問題はこのことに尽きる。この決議は、主流のメディアが主張しているように、野党の出馬を事実上禁止しているのだろうか?

検証要件はどれぐらい厳しいのか?
ANCの決定が、事実上野党の出馬禁止を構成するほどに厳しいものなのか。それを理解するためには、申請プロセスをより詳細に見る必要があります。
まず、選挙活動を再開するためには、少なくとも0.5%の有権者の支持を得ていることを示す必要があります。
これは政党・政治活動法の第2章、第10条に記載されています。
この要件は、米国に比べて特に煩わしいものではない。例えばカリフォルニアでは、政党資格を得るには登録された有権者の0.33%の支持が必要です。
しかしフロリダでは、閾値は5%とかなり高いです。 それにもかかわらず、フロリダは独裁者だと主張する人はいないでしょうか?

登録プロセスの本当の問題

以上のごとく、制憲議会の決定を「野党」当事者の「禁止」と表現したすべてのメディアは、基本的な事実レベルでは間違っていた。
野党にとっては、新しい要件は、少なくとも今のところは彼らに何の影響も与えてはいないようです。
選挙が近づくにつれ、ANCやマドゥロ政権がいくつかの障害を投げつけようとする可能性を否定するわけではない。たしかに2018年の投票では、両派の中に多くの不届き者を見るかもしれない。

左派の小政党にとっては再登録は非民主的に見える可能性がある。これが登録法の本当の問題だ。

共産党は、かつてPSUVの密接な同盟者であったが、制憲議会の要件は、プライバシーに対する攻撃であると主張している。
オスカー・フィゲラ書記長は「将来の政治的迫害の基礎を築く可能性がある」と批判する。
登録プロセスは、大規模な野党に対する包括的禁止ではなく、実際には革命家や草の根の候補者が立ち向かうのを困難にする可能性がある。

後略

ベネズエラ封鎖の4つの効果

金融封鎖は、財やサービスの日常的な国際支払いに直接影響を与える

By Misión Verdad

Dec 4th 2017

1.インスリンの輸入資金が凍結される

8月に、ドナルド・トランプ大統領が金融制裁を課してから、ベネズエラは、国内で生産されていない医薬品や食料品の輸入の際にさまざまな困難に直面しています。

金融封鎖は、財やサービスへの日常的な国際決済に直接影響を与えています。

ベネズエラ政府はこれを繰り返し非難しています。ニコラス・マドゥロ大統領は、「ドナルド・トランプ=フリオ・ボルゲス条約」のおかげで、30万単位を超えるインスリン貨物が国際港湾で動けなくなっていると非難しました。

米国の金融機関シティバンクが、糖尿病患者のインシュリン貨物を輸入するために入金した資金を受け取ることを拒否したためです。

その結果、インスリンの輸送は何日間も港湾で待たされました。マドゥロ大統領は、「私たちがお金を支払っても、彼らはそれを受け取らない」と説明しました。

マドゥロ大統領は、「今週から、私はトランプとボルジスが薬の封鎖の責任者だと非難する」と述べました。そして今年はじめの「正義第一党」によるボイコットの要請を引用した。ボルジスはこの党の代表者としてトランプにベネズエラ制裁をもとめたのです。

2.コロンビアによるマラリア薬の封鎖

11月3日、タレク・エル・アイサミ副大統領が非難しました。

ベネズエラは、コロンビアで抗マラリア薬であるプリマキン(Primaquine)を購入しました。しかし、「製薬会社が最終目的地はベネズエラ保健省と知ったとき、コロンビア大統領の命令でこの薬の配送が意識的に阻止された」と述べました。

マドゥロ大統領は、「すでに薬を購入するためのお金があり、それを支払うために行くとき、コロンビア政府はこれらの抗マラリア薬のベネズエラ国民への販売を禁止した」ことを明らかにしました。

同時に「これらの薬はどこかで買うことができる。ベネズエラの人々は、これらの疾病と戦うための医薬品が不足していない」と述べました。とはいうものの、実際には、プリマキンおよび慢性疾患のための他の薬は、インドで購入しなければなりませんでした


3.食糧購入資金の停止

地元産品供給委員会のフレディ・ベルナル事務総長は、1年前から、ベネズエラは食糧輸入の激しい封鎖に苦しんでいると述べました。

国際的な銀行は、ベネズエラで食品を加工して生産するのに必要な備品を運ぶコンテナ船の到着を遅らせました。その結果29隻の輸送船が3ヶ月にわたり到着が遅れました。その間銀行から輸送業者への支払いは行われませんでした。

これがベネズエラとの金融戦争の一環です。

ベルナルは「私たちは業者に経費を支払う方法を探して68日もかかりました。もちろん、現在の深刻な食糧配給に影響を与えていることを国に伝えなければなりませんでした」

ついに私たちは支払い方法を見つけました。

ベネズエラの当局は、食品をベネズエラに持ち込むために、さまざまな同盟国と協力して三角貿易の支払い方式を生み出す必要がありました。

この方式は通貨に対する攻撃と経済的な攻勢によるインフレとモノ不足を劇的に縮小させました。

しかし、この9月には、またも支払いがブロックされたため、1800万のパッケージを配布することができませんでした。

さらに、支払い契約が成立したとしても、今度は運輸契約が困難になっています。出荷ボイコットが組織されました。600個のコンテナが、一回の出荷ではなく6度に分けられなければなりませんでした。

これらの障害は明らかに、ベネズエラに反対する強力で覇権主義的な国家によってもたらされたものです。

4.ベネズエラのスポーツチームによる旅費支払いの妨害

しかし、ベネズエラの人々に課せられた封鎖の主要な表現は、医薬品や食品だけではありません。スポーツも影響を受けます。

9月6日、某国際的銀行が、ベネズエラから米国の金融機関への支払いが「不可能」であるとボリビア政府に通知してきました

ベネズエラの様々なアスリートの航空券、宿泊施設などのために、スポーツ省から150万ドルを譲渡することを拒否したのです。

マドゥロ大統領は、選手団の処分に政府航空機を配置することを決定しました。特に、ベネズエラの女子バレーボールチームは、2017年の南米選手権への参加が危うくなった。


ベネズエラは、米国の覇権争いに挑んでいる国との国際連合によりアメリカに対抗しようとしている。それなしにはチャベス主義政府の維持を図るのは困難である。


とりあえずリンクを貼っているヒマがないので、検索窓に「ベネズエラ」と入れてください。20篇くらいは出てくると思います。

ハイパーインフレの原因についてはベネズエラ大使館は下記のように説明している。正確には下記のように説明した論文を紹介している。

日本語訳がややわかりにくいが、英語を読むよりはまだ良いかと思って読み始める。

1.おおっぴらなダフ行為

ベネズエラは為替相場は固定されている。昔の日本のように1ドルが360円なのだ。ところが公定レートあるところかならず闇レートが存在する。

闇レートは、行列に横入りするようなもので、そもそも犯罪であるが、強烈な需要がある場合は必要悪ともなる。

闇レートはその成り立ちからして、それほど大きな規模ではない。したがって乱高下はするがだからといって表経済にはさほどの影響はないはずである。

たぶん、そういう常識はもはや通じなくなっているのであろう。

文章は最初から意味がわからないが、

政府はGDPの35%を年間輸入可能量とし、これに相当する外貨を輸入業者に割り当ててきたらしい。ところが輸入業者が輸入した商品をいくらで売るかは輸入業者に委ねられている。

そこで輸入業者はこういうことをする。

輸入に必要なドルを確保するときは、公定レートで政府から受け取る。しかしそれを販売するときは闇レートに換算して値付けして、販売するということである。

ごく普通に聞けば、これは犯罪である。どのような価格設定をしようと売れなければ仕方ないので、そのへんは普通には(ルイビトンを百ドルで売ろうが千ドルで売ろうが)市場の論理であるが、ドルの割当というのは誰でも獲得できるわけではないので、そこには競争原理は働いていない。

これだと、許認可をめぐる関係の不透明性が強く疑われ、元売りから小売に至る流通のいたるところに恣意的契機が存在するであろう。

ついで論文は、状況をわかりやすくするために例を上げているが、そこにはありえない話が展開されている。

自動車のスペアを輸入する会社が、国から公定ルート、つまり1ドル=10ボリバルで外貨を受け取って製品を購入したとする。(文章では公定ルートではなく「優先的な為替レート」と書かれている)これを国内で販売するときには、闇ルートである1ドル=1,000ボリバルを使用する。

もうこれだけで唖然とする話だ。

しかし話はこれで終わらない。話はさらに進む。


2.ヤミ社会が金融を仕切る

これは以前より続く状況である。しかし2006年以降、事情は変わった。

ブラックマーケットでの推定為替レートが一般社会に拡散されるようになった。3つから4つのウェブ・サイトが毎日、ヤミ為替レートを公表するようになったのだ。

このレートは、実体経済の動向にも、外貨準備の水準にも、通貨ボリバルの供給量にも応じていない。それは恣意的で、操作された、不均衡なレートである。

論者はこう言って嘆く

2006年以降、為替レートの変動理由とされてきたのは、変わりやすい政治である。ベネズエラで何らかの選挙プロセスの日程が示されただけで、この種の為替レートは急騰し始める。選挙が終わると、変動はまだ収まりはしないものの緩やかとなる。同様の動きが、政治情勢に合わせて観測される。

3.ちょっと私の意見

私はここまでの論者の為替相場論には賛成できない。気持ちとしては分かるが、為替相場というのはそういうものだからである。方程式の解ではなく生き物として扱わなければならない。それがどう動くのかをよく研究して対応していくしかないものだ。

固定レートなど一時の杭にしか過ぎないので、それを永久的なものと捉えるのは許せない間違いである。

ただし、投機資本の介入による売り浴びせなどに対しては、国際協調のもとで一定期間の為替レートの凍結も必要となる。ただしそれは97年のマハティールのごとく、国家主権をかけた大勝負となる。

ベネズエラにはそのような選択肢はないから、いずれデノミと変動相場への移行が必要になるだろう。

4.為替レートとインフレ

為替レートの変動を経時的に見たグラフがある。以下の説明がある。

次のグラフを見ると、「違法な対ドル闇レート」の政治的なサイクルがわかる。2012年から変動が激しくなっており、さらに2015年12月の国会議員選挙直前にはさらに大きく動いている。

これらの影響とダメージがインフレ率に及んでおり、2012年8月から現在までで14,640%と犯罪的に上昇している。

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この為替操作は、物価上昇を引き起こすだけではない。生産水準、したがって雇用水準にも影響する。

5.べつに「供給ショック」でも何でもない

著者はこのあと、次のような議論を展開していく。

この為替操作が経済を歪めるメカニズムは、供給ショックとして知られており、次のように起こる。

1.違法なマーケットで為替レートを不均衡に操作する。

2.輸入を行う大規模な独占企業や寡占企業が、操作され違法にウェブ公開された為替レートを参照して国内価格を決定する。

3.経済の中で生産・輸入されるあらゆる財やサービスのコストが上昇する。

4.コスト上昇に伴い物価が上昇する。つまり誘導されたコスト増による、誘導されたインフレである。

5.労働者の実質的な給与が減少する。つまり、家庭の購買力が低下する。

6.家庭は家計の見直しを余儀なくされ、優先順位がさほど高くないもの(娯楽、衣服、靴等)から順に、多くの財やサービスの需要を縮小させる。インフレの程度と場合によっては、生活必需品の必要量まで縮小する。

7.需要の縮小により中小規模の事業者、特に生活で優先順位があまり高くない財・サービスを提供する事業者が影響を受ける。

8.これら事業者は従業員者数を減らす必要に迫られ、雇用水準に影響が出る。

9.家庭の購買力はさらに低下する。これはインフレ率の誘導された上昇だけでなく、失業にも起因するものである。

10.経済に多大な影響を与える悪循環が始まる。違法な為替レートの犯罪的操作により、物価が急騰し、生産が減少し、中小規模事業者の損失、ひいては失業に繋がるサイクルである。

わかったようなわからないような話である。

たぶん、こんな「風が吹けば桶屋が儲かる」式の話は意味がない。

要するに新手の犯罪なのだ。経済学的事象ではないのだ。主犯は大手輸入業者であり、闇レートの作成者ではない。
大手輸入業者は、金融官僚のおろかさにつけ入り、固定レート制度の弱点を利用し、闇レートの作成者に値を吊り上げさせ、その値段で商品を売りまくっているのだ。にも関わらず財務警察も独禁制の運用者も知らぬふりしているのだ。こんなにひどい犯罪はないのだ。
6.犯罪は罰せられなくてはならない

基本的に相互の善意に基づいて成立している商契約を、一方が明らかに悪意を持って裏切っているのだから、契約は破棄されるべきだ。他に代替業者がいないのなら、仕方がないので条件をつけて再契約するしか無いだろうが、その際にはいったん預けたドルをドルのまま返却させるべきだ。あるいは闇レートの現在の時価(ボリーバル)で返納させるべきだ。

わからないのだが、生活必需品の海外での購買と国内での販売を業者に託す時点で、入札は行われているのだろうか。契約内容は公開されているのだろうか。

論者も最後にこう書いている。

国、つまり政府だけでなく国が、外貨割り当てを受けている大規模な輸入業の独占企業に対してより大きな統制と管理を敷くことが急務である。国民が外貨割り当てに関する情報について、どの企業が割り当てを受け、どのような製品を輸入するのにどれだけ費やしたのか、どのレートで外貨を受け取ったのか、知ることが重要である。輸入事業者に対して、国からどのレートで外貨を受け取ったのかを包装に明記することを課した公正価格法第6条を守らせる必要がある。緊急に独占禁止命令を適用しなければならない。

この記載は十分正しい。だから以下の結論は逆に納得がいかないのである。

ベネズエラ国民に対する大規模かつ犯罪となる違法為替レートの操作と戦うことは、今日では単なる経済課題ではない。平和と民主主義の安定を確保する手段であり、平等と社会的正義のモデルに向けて歩み続けられるという希望である。

私にいわせれば、「違法為替レートの操作と戦うこと」は、実はどうでも良いことなのだ。むしろ大規模輸入業者の不正を取り除いたあとでは、「必要な悪」だとさえ言える。このような不正の土壌を形成したのが、不自然・不必要かつ長期にわたる固定為替制度なのだから、経済担当者はそのことを肝に銘じるべきである。

「ベネズエラ: 隠された動機」というビデオがある。
大使館ご推薦のものだ。
全部で37分、政府側の言い分を一通り網羅している。
ただし全部を見ろというのは一般の方にはしんどいだろう。
とりあえず、紙上ダイジェストみたいな形で紹介しておく。画像はビデオの静止画像を読み込んだものなのできわめて低クオリティーであることをお断りしておく。

最初がベネズエラの石油専門家のインタビュー。ここでは1980年までベネズエラが世界一の産油国だったことが語られる。彼はベネズエラが今なお世界の埋蔵量の17%をしめると言うが、それはどうでも良い。
ついで歴史学者が歴史から語り始めるが、ここは省略。
いろいろ語られたあと、チャベスによるクーデター未遂事件が語られる。
ついでロック歌手が登場し、なぜチャベスが嫌われるのかを語る。ここからが見どころだ。

チャベスは貧者(国民の8割)の英雄
チャベスは影の人々に光を当てました。8割の人が貧しく、4割は極貧でした。
チャベスは彼らに発言権や投票権を与えました。
それが彼らには我慢ならなかったのです。
チャベス漫画
これがベネズエラ政治を考える上での一番の基本だ。そこを分かっていない人は討論の場からは外れてほしい。(これは私の独り言)

反政府デモと暴力
ついで、反政府派のデモの実態を告発する。
野党は直接暴力に訴え、軍隊にクーデターを呼びかけています。それが祖国への愛だと若者を洗脳しています。
反対派のデモは憎しみや叫び、侮辱・破壊行為、焼き討ちばかりです。以前はこんな狂気の沙汰はありませんでした。
クリニック襲撃

反政府派は犯罪者の武装集団にお金を払って混乱状態を作り出しています。
若者や仲間までもが自家製の武器で殺されています。
バス焼き討ち
地下鉄や学校が攻撃され、大学が破壊されました。

メディアとでっち上げ
画面は代わって、国内外のメディアに対する批判に移る。メディア関係者の女性の発言。
すべての情報源の中に偽のベネズエラ像があります。多くの「ベネズエラ専門家」が誕生しました。
メディア批判
新聞記者たちはこう指示されます。「ベネズエラに行って、飢餓や食料品をもとめる人々の列、医薬品の不足を記事しなさい。
メディア批判2
外国人特派員は命じられた記事を書くために来るのです。高速道路やカラカスの幹線道路で、反対派が行っているデモ行進の映像もそうです。メディア批判4

国際メディアの報道しないこと
でも国際メディアの報道しない多くのことが起きています。報道されない理由は特派員たちの能力不足ではありません。彼らは別の指示を受けてベネズエラに来ているからです。
でもこの国で唯一のことを見逃しています。それは底辺に生きる人々のエンパワーメントです。
だからこそ、マドゥーロ政権やチャベス前政権は転覆されなかったのです。
今の政治になってからの変化で、もっとも重要な点は、人々が政治について理解するようになったことです。
ベネズエラ周辺の他の国で、人々が政治について議論することはありません。
国際メディアがそのことについて報じないのは、明確な意図があるからです。
この国への攻撃あるいは介入の次の段階のための世論を構築するためです。
それはもう始まっています。

モノ不足と人道問題
ついで別の人物とのインタビューで人道問題について語られる。
反対派が人道危機のテーマに固執する理由は、人道国際法には人道的介入という概念があるからです。
つまり深刻な飢餓やテロ災害に苦しんでいる国には、「人道介入」という名の介入が許されるからです。
モノ不足
ボリーバル大学の経済学者は語る
ただしいくつかの基礎食糧についてはその生産の8割が2~3社の手に委ねられています。とうもろこしの粉、米,コーヒー、砂糖などです。
1980年代や90年代に比べてベネズエラの生産レベルは向上しました。
食料品をもとめる列や価格高騰の原因は生産量が減ったからではありません。
もし生産量が問題ならなぜ闇市場では手に入るのでしょう。誰かがそれを生産したか、輸入したかでしょう。
国は外貨の95%を石油の輸出から得ています。
そして民間部門の輸入用に外貨を優遇レートで提供しています。
しかし民間部門は輸入価格を国内通貨に変える際に、優遇レートではなく、一番高い闇市場のレートを使用します。
闇市場の相場は不正に操作され、選挙など重要な政治日程に連動して動きます。
医薬品の話をしよう
国は2014年に医薬品業界に対して医薬品の輸入費用として25億ドルを提供しました。その前の年から医薬品が不足していたからです。
その10年前、2004年の提供額は9億ドルでした。医療予算は3倍近くに膨張しましたが、10年間で病人がそれだけ増えたわけではありません。これは外貨の割当の問題でも外貨不足の問題でもありません。
2012年以降、石油価格の下落により外貨は減っていますが、民間への外貨割当はずっと高いレベルに維持されています。つまりモノ不足の原因は別なのです。
モノ不足2
こうした経済攻撃は国民に向けられたものです。経済にではありません。政治的意図が込められています。
薬が入手できないと人々を不安にさせ、社会を不安定化するのです。

モノ不足3
まず「事実」を作り上げる
この経済戦争は心理的な戦争と情報による戦争を伴っています。まず「事実」をつくりあげ、次にその責任を転嫁します。
社会主義モデルが失敗したからだと心理的に訴える情報を流すのです。その際、市場を操作したことは隠したままです。
おなじことがアジェンデ政権下のチリでも、1970~73年に起きました。生活必需品をもとめる長蛇の列。
しかし生産も輸入も滞ってはいませんでした。アジェンデ政権が倒されるとモノ不足は解消されたのです。
ニクソン大統領自身がこう語っていました。「政権を弱体化するために経済を破壊する」と。
資本主義とは異なる体制の政府が強化され、成果を上げることを拒むためでした。

次のインタビューはスペイン人で欧州議会議員の人。
反チャベス勢力は「失敗した国家」というイメージだけでなく、暴力的な反対勢力を支援しました。経済戦争も仕掛けました。
わたしたちの主張は「陰謀妄想論」ではありません。彼らはアジェンデ政権に行ったのと同じ経済戦争を仕掛けています。
ベネズエラはキチンと代価を払ってきています。しかし製薬業界や大企業は国民に医薬品を供給していません。
高血圧症など国民が必要な薬がなくなっています。
それは「失敗した国家」だと烙印を推して介入するための準備です。地域統合という、ベネズエラの政治計画を拒むためです。

このあと反米宣伝が続くが、ここは省略する。

ゴールはチャベス政治の破壊
そして、謎の人物が出てきて政権打倒の計画を明かす。
政権を内部から倒せなければ、「人道的な危機」を作るのです。
これ以上の流血や隣国への拡大を防ぐため、善良な人々はこういうでしょう。「広域の安全に関わる問題だ。すぐに行動しなくては!」

最後はチャベスの演説の一説。
「もうたくさんだ。我々はいかなる犠牲を払っても自由になると決めたのだ」

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