鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

カテゴリ: 16 国際政治/ラテンアメリカ

ベネズエラのドローン・テロについて
いつもの通り、新藤ニュースのつまみ食いです。
「マドゥーロ大統領殺害未遂テロ事件とその背景」 8月6日

1.事件の概要
8月4日、カラカスで、国家警察創立81周年記念集会が執り行われた。 マドゥーロ大統領が演説中に、爆薬をしかけたドローンが飛来し爆発した。
ドローンの爆発により、国家警察の隊員7名が軽傷を負ったが、大統領に怪我はなかった。
大統領は演説を続け、「犯行の狙いはベネズエラ国民を分裂させることにある。行動は米国のフロリダにいる過激派集団に支持されている」と述べた。
キューバ、ボリビア、ニカラグア、エルサルバドルの元首は、直ちにこの無法なテロ行為を厳しく糾弾した。同時にベネズエラとの連帯、マドゥーロ大統領への支持を表明した。

2.事件の背景
この卑劣なテロ行為は、ベネズエラの反政府派が手詰まり状態に陥っていることが背景となっている。
反政府派は、昨年10月の一斉地方選挙、6月の大統領選挙で相次いで敗北し、最近の世論調査でも支持を激減させている。
トランプ政権の経済制裁と、マドゥーロ政権への執拗な攻撃もむしろ国民の反感を強めている。 野党連合から脱退する政党も続出している。「経済再建のために対決から対話に移るべきだ」との声も上がっている。
7月末の「Hinterlace世論調査」では野党連合(MUD)の支持率は8%にまで落ち込んでいる。

3.経済困難の打開のために
7月末、IMFはベネズエラの今年度インフレ率が1万倍に達するとの推計を発表した。 これは為替相場への介入が原因と思われる。通貨への売り浴びせにより輸入品価格が上昇している。
しかし輸入品の制限は以前から行われており、食料など基礎生活資料に関しては破綻状態とは言えない。ただしこの1年については「金を払っても売らない」制裁、「銀行決済を禁止する」制裁が課せられている。
対外債務の増加は短期資金ではなく中国からの信用増加によるものであり、原油とのバーターがメインとなっている(松浦さんの情報)。
経済パフォーマンスは原油価格の復調もあり、物価1万倍を説明できる要因がない。
状況は昨年8月のトランプによる経済制裁を契機としており、明らかに政治的要因によるものである。 したがって、経済再建の条件は政治的安定にかかっている。そのためには、破壊的勢力を除く与野党の対話とコンセサス形成が何よりも必要となっている。
米国政府は、ベネズエラの主権を尊重し、干渉や制裁を一日も早くやめなければならない。
(3節は私の意見です)

メキシコ大統領選挙について、新藤ニュースが送られてきた。

「メキシコ、左派勢力圧勝の背景」という、いつもながら凝縮されたレポートだが、いささか胃もたれするので、5分読み切りのダイジェスト版にして紹介する。

この記事は「背景」には踏み込まず、「圧勝」がどれほどの圧勝であったかを示すことに絞る。

今回のメキシコ総選挙は、大統領選挙と上下両院、首都メキシコ市などの首長選挙が一度に行われた。日食と月食が一度に来たみたいなことになっている。

大統領選挙でアムロ(ロペス・オブラドール)が勝利したのは既報の通りだが、ほかの3つの選挙でもアムロ派が“地滑り的な勝利を収めた”ようだ。

まず大統領選挙。
大統領選

こうやって並べると、あらためて53%というのがいかに“ありえない数字”であるのかが実感される。
アムロへの支持が半分、残りは「バスタジャン」(もうたくさんだ!)票なのだろう。

次に国会選挙。
上が上院議会選挙
上院
下が下院選挙
下院
(図上で左クリックすると拡大画面が見られます)

略称ばかりで見づらいが、右の3つが中道左派連合の構成政党。
MORENAがアムロの所属する「国家再生運動」で、PTが労働党、PESが社会合流党という。
この与党連合が上下院ともに過半数を握った。

次に地方選挙
これについてはあまり詳しく触れられていない。
地方選挙では、「共に歴史を」連合は、首都メキシコ市をはじめ、8 州のうち4つの州知事選挙で勝利を収めた。
ということである。

ついでに 女性進出も歴史的
国会上院議員の男女比率は63/65、下院議員の比率は男女246/254となり、ともに女性議員数が男性議員数を上回った。これは史上初めてのことである。
メキシコ市長に当選したのも女性であり、初代女性市長となる。
また新政府の閣僚は、男9人、女7人 と発表されている。

なお新藤さんはアムロ躍進の背景としてのメキシコ経済事情にも触れているが、マクロ指標で端的に言えばGDPの低下と激しいインフレが進行しているということだ。それは1984年とか90年の状況を思い起こさせる。
ただしあの頃の保護政策はすでに放棄され、市場開放と変動相場前は全面的に展開されているから、その性格はかなり異なったものであろう。
スタグフレーションと同時に失業率の低下とジニ係数の低下も進んでいると言うからよくわからない。
かなり背景の背景にまで迫らないと評価は難しい。

重大な訂正 7月13日
松浦さんから御丁寧な挨拶をいただきました。ありがとうございます。
なお「ベネズエラ投資代理業」というのは私の誤解に基づく虚偽情報でした。正確を期すため、松浦さんご自身の文章をそのまま転載します。
お願いしたいカ所は私の現在の仕事でして、投資代理業ではなく「日本企業向けのベネズエラ情報配信業」にご修正をお願いできますでしょうか。
弊社は日本企業にベネズエラの政治経済情勢は情報提供しますが、債券の売り買いの助言あるいは投資代理は行っていません。
投資業は基本的に金融機関での勤務経験や、コンプラ対応を行うことが出来る人員体制、預託金の支払いなど事業を行うにあたり一定の登録要件がございます。
無登録の業者は罰則の対象になってしまいますので、誤解を生むことがないようご修正をお願いできればと存じます。
今回のベネズエラ講演会のメインは松浦健太郎さんのレポートである。
話は2つあって、ひとつは2017年5月に松浦さんが発表したレポート。もうひとつはその後始まったトランプ政権の経済制裁の評価である。
その間に松浦さんの肩書きは変わっていて、17年5月にはジェトロのカラカス事務所勤務であったがが、現在は独立してベネズエラ投資代理業を立ち上げている。
会社名は株式会社 ベネインベストメント で役職名は代表取締役。会社の活動内容は以下の通り

ベネズエラは原油、金、鉄鉱石、ボーキサイトなどあらゆる資源が眠る大国。
極めて高いポテンシャルを秘める国でありながら不安定な政情、信頼できる情報の欠如、複雑な為替制度など先を見通すことが極めて困難な国でもあります。
ベネズエラでのビジネスは中立で客観的な情報を掴むことが何よりも重要です。
ベネインベストメントは現地に駐在し1,000件以上の投資貿易相談に応じてきた専門家の視点を通して現地の報道、法制度、経済統計などビジネスに必要な情報をお届けします。


まずは駐日大使館のホームページに転載された、「外国プレスが報じないベネズエラのもう一つの真実」という文章の摘要をとる。
これは「ラテンアメリカ時報 2017年 春号」に 「時事解説」として掲載されたものである。

はじめに 
ベネズエラの状況は極めて危機的で現政権が崩壊寸前のような印象を与える。
しかし、それについては疑問を感じている。

3重苦を乗り越えたベネズエラ
現在のベネズエラは一年前と比べると改善しつつある。
とくに2016年前期の状況が深刻だった。
1 つ目は原油価格の下落、2 つ目は電力不足、3 つ目は与党内部の混乱である。
1.原油価格の下落
原油市場は14年7月に急落した。そして15年12 月に2度目の急落があった。ベネズエラの原油
価格は1バレル24.25ドルまで下がった。
政府は財・サービスの輸入切りつめを迫られた。
2.電力不足
ベネズエラは電力の6割を水力発電で賄っているが、水不足で電力不足をきたした。
全国で一日 4 時間の計画停電が行われた。保冷設備が停止し食料品が腐った。
カードが使えず決済ができない。工場稼働も自粛を迫られるなどの影響がでた。
3.与党内の混乱
マドゥーロ政権は危機脱出のためアバッド経済担当副大統領に任命した。一連の引き締め政策は与党幹部議員の抵抗を招いた。
議会の2/3を野党がしめていたこともあり、政府の力は弱体化した。
この2016年三重苦は、政府が副大統領を辞任させ、経済緊急事態令という超法規的な措置をとることで終熄に向かった。
CLAP制度が作られ、生活必需品が直接市民へ低価格で販売されるようになった。

与党の権力基盤は強化傾向にある
17年現在、原油価格は1年前に比べ10ドル上昇した。雨量は多く停電の危険はない。与党の
内部分裂は回避された。
しかし一方で、物不足や高インフレは残っている。CLAPは状況を改善したが十分とは言えない。
世論調査では、マドゥロ大統領を評価する意見が増え始めている。その一方、野党統一党(MUD)の支持は激減した。
以下は松浦さんの所感で、おそらく大事なポイントである。
国会議員選挙で議席の 3 分の 2 を獲得しながら何も有効な対応ができなかった野党にする国民の失望は強い。

野党が国民の意見を代表するために
1.野党大勝の原因
2015年12月の国会議員選挙では、野党が大勝した。しかしこれは過大評価できない。
松浦さんの見方では、
チャベス元大統領は好きだが、マドゥロ政権は支持しないという態度がとられた。交代に重なって景気が悪化したためである。
2.野党はエリート集団である
松浦さんの見方では、
現野党はいつまでも一般大衆を代表する組織にはなれない。なぜなら彼らはエリート層の集団だからだ。
野党はリーダーの総入れ替えを含めた抜本的
な改革が必要だろう。
3.与野党間の三すくみ状況
世論調査では与党支持が3割、野党支持も3割、支持政党なしが4割となっている。

2017年のデフォルトは回避可能か
原油が1バレル60ドル以上なら債務危機は生じない。
45ドル以上なら条件付きで回避は可能。
特に必要なのは、外貨管理制度の維持をあきらめ自由相場制に移行することだ。
ただし自由相場制への移行は公共料金の急騰
をもたらし、与党の支持基盤である貧困層を直撃する。
これが現政権に実行できる可能性は薄い。

政局の見通し
省略

結論
短期的な展望は決して明るいものではない。しかし長期的には極めてポテンシャルの高い国だ。
①世界一の原油埋蔵量、天然ガス埋蔵量も世界8位
②金、ダイヤモンド、鉄鉱石、ボーキサイト、石炭など豊富な地下資源
③国民の消費意欲は旺盛で、必要不可欠な投資が山積している。
参入チャンスを逃さないために日本企業も引き続き同国の動きを注視していく必要がある。

先日、ベネズエラを知る会の勉強会に出席した。会場にたまたま奥様がいて、ご挨拶させてもらった。
イシカワ大使にはもったいないほどの方である。
まずは写真をお見せする。

大使夫人
左の男性は私ではない。日本AALA連帯委員会国際部長の田中靖宏さんである。いつもより少し鼻の下が長く写っているかもしれない。
大使夫人のお名前はコロン えりかさん。エル・システマ・ジャパンのスペシャルアドバイザーを務めている。有名なオペラ歌手なのだそうだ。
11月に大使が来札するとき一緒に来てコンサートをしてもらえないか聞いたが、残念ながらスケジュールが合わなかった。
で、勉強会の方だが、いずれまた報告する。

ついでにネットの画像。
歌う大使夫人
   被爆のマリアに捧げる賛歌 / 相馬子どもコーラス&コロンえりか
から拾ったもの。
石川コロンえりかさん
この歌は原水爆禁止2015年世界大会(la Conferencia Mundial en contra de las Bombas Atómicas e Hidrogeno)に参加したコロンえりかさんが歌い大好評を博した。彼女の挨拶
被爆70年の大切な年に、皆様とともに私もひとつの決意を表明できました。
そのことにくわえ、音楽によって、皆様とこの思いを共有できました。そのことを感謝します。
そして、
私にとってこれからの新たな力にして参りたいと思います
とりあえずはこのくらいにしておく。えりかさんの祖国、心優しきベネズエラに幸多かれと望む。

日本語のネット情報だけで、「メキシコ総選挙」の情報を書いてみました。
1.アムロの勝利は「優しさ」の勝利
のっけからやや感傷的な感想で申し訳ないが、アムロの勝利はこの国の持つ優しさの勝利ではないかという気がする。
毎年何万人という人がカルテルの抗争で殺される殺伐とした国ではあるが、それはこの国の権力を握る者たちの腐敗を示すものであって、人の持つ優しさを否定するものではない。
アムロは30年前に政界入りして以来、一貫して貧しい人々、社会を支えて働く人々、女性や子供、若者たちの目線に自らを置いて闘ってきた。優しさを闘いに変えてきた。所属政党を変えたのでなく所属政党が変わって行ってしまったのであって、アムロは一貫している。
そのようにアムロの姿勢が一貫したものだったとしたら、どうしてその優しさがこれまでは伝わらず、今回突然に国民の圧倒的支持を得ることになったのだろう。
それが、メキシコ総選挙を教訓とする上での最大の眼目である。

2.アムロってどんな人
アムロはタバスコ州出身の政治家で、現在は64歳。1976年に当時の与党「制度的革命党」(PRI)に入党し政治活動をスタートした。
1988年に党内の進歩派が分かれ「民主革命党」PRDを結成すると、アムロもそちらに移りました。2000年から05年までメキシコ市長を務めたあと、2006年にはPRDから大統領選に出馬、このときは僅差で破れた。2012年にも出馬し敗れており、今回は3度目の正直ということになる。
メキシコの大統領は任期6年で、再選は禁止されている。
PRDの右傾化に伴いこれと袂を分かち、自らの主導する政党「国家再生運動」(モレーナ)を立ち上げた。去年、大統領選に立候補するに伴い党首を辞任したが、現在も強い影響力を保持している。
PRIを離れて以降、PRIの汚職腐敗を批判する姿勢は一貫している。メキシコ市長時代も清廉潔白を貫いた。アムロの愛車は日産の小型セダンの「ツル」(サニーの旧モデル)だった。

3.暴力と腐敗根絶に高まる期待
アムロは汚職や免責の撲滅を新政権の最優先課題にすえた。
総選挙の期間中には130人以上の候補・党員が殺害された。「メキシコ近代史上、最も暴力的な選挙」だといわれる。
なお同じ時期、殺人事件による犠牲者の数は2万5000人を超えている。その多くが麻薬組織間の抗争によるもの。今年1~3月も前年同期に比し20%増と絶望的な状況にある。
どこが絶望的なのか。それは2万5千人が殺されたことではなく、殺された分が新たに補充されているという事実である。それはどこからリクルートされているのか。
アムロは治安悪化の根本的な要因として貧困を挙げており、貧困対策や雇用創出を通じて麻薬ビジネスを抑え込もうと主張する。貧困と失業がなくなれば、蛇口を開いてもギャング予備軍は出て来なくなるはずだ。
また犯罪組織との関係では、徹底抗戦よりも対話を重視した解決を目指すと主張している。具体的な内容は不明だが、とりあえずカルテルの内輪もめについては放置し、市民に影響を及ぼさないような一種の協約体制を目指す可能性もある。実のところ、国連・世界銀行データによれば、殺人事件の発生率は複数のラテンアメリカ諸国よりもかなり低いのだ。

4.青年がアムロ勝利の道を切り開いた
アムロ圧勝の道を切り開いたのはサンダースのアメリカ、コービンのイギリス、メランションのフランスと同じく若者の力だった。
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             アムロ支持派の集会
18歳から23歳の有権者約1300万人が今回初めて投票に参加した。彼らは前回選挙後の6年間に新たに有権者となった層である。彼らは少年期を汚職や薬物関連の暴力などにさらされて育った。
彼らは、既成勢力に深く幻滅しており、真の変化をもたらすことのできる道義心を持ったリーダーを切実に求めている。青年がもとめているのは社会正義であり、そのパワーを見誤ってはならない。
世論調査によると、30歳以下の有権者の47%がアムロを支持しており、分厚いアムロ支持層を形成している。アムロ現象はある意味で、サンダース現象が国境を越えて波及したものと言える。

5.経済政策とNAFTAの扱い
経済・通商政策では、アムロは「メキシコ第一主義」をとなえトランプの向こうを張るような大衆迎合政策を掲げた。他の政党はアムロを「ポピュリストで経済の舵取りは任せられない」と非難した。
農業などの国内産業の保護は譲れないが、それ以外では妥協の余地を残している。
選挙戦末期には対米避難の論調を多少緩め、米国との「友好的かつ協力的な関係」を目指すと発言し始めている。
アムロの経済政策をよく見ると、言葉上の過激主義とは異なり、成熟した政策展開が予想される。
彼は無論、市場メカニズム至上主義ともいえる新自由主義(ネオリベラリズム)には反対である。しかし市場メカニズムを完全には否定しているわけではない。民間資本や外資も有効に活用すべきと主張している。
マクロ経済政策については、公的支出の役割に重点を置いた新ケインズ的な計画となっているが、マクロ経済指標は重視し、均衡財政を維持することを大前提においている。
NAFTAについては原則として、「貿易と外国投資に対する法的信頼性を付与し、経済・通商関係の発展にとって有益な手段であった」ことを認めている。そのうえで相対的自立を目指そうとしている。
最大の資源関連イシューとなっている石油売却(ファームアウト)の契約についても、汚職の可能性を指摘し、見直しを訴えている。ただ国際入札自体を否定しているわけではない。ガソリン販売の自由化もそれ自体は否定していない。
(経済分析についてはジェトロの「AMLO氏旋風が舞うメキシコ大統領選挙」を参考にさせていただきました)

6.ラテンアメリカ情勢とアムロの勝利
アムロの当選、メキシコにおける左翼の勝利は中南米の進歩派にとって長年の夢だった。
リオグランデからフエゴ島までラテンアメリカ人の自主的国家が完成したかもしれない。
しかしアムロが当選したいま、中南米の進歩派は著しい退潮ムードの中にある。
おそらく政策的な舵取りはとても難しいものになるだろう。
逆に言えば、そのような政策選択の幅が狭い中でどうしてこれだけ多くの国民の期待が集中したのだろう、という話になる。
メディアの報道にはこの視点が欠如している。

AMLOについては過去に数多く言及しています。サイドバーの検索窓に“AMLO”と入れて検索してみてください。
振り返りをしようと思いましたが、ここ10年近くメキシコ年表が更新されていません。2,3日は更新作業に集中します。


赤旗が2日連続でメキシコの総選挙を報道している。
まずは紹介しておこう。
7月1日 メキシコ大統領選挙
アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)が過半数を獲得し勝利した。
赤旗の見出しは「新興左派が勝利」となっているが、現地でも使っている言葉なのか。AMLOは10年以上も前に大統領選に出馬して惜敗している(本人は勝ったと主張した)
ただ当時は中道左派のPRDをバックにしての出馬だったが、その後新党を結成して選挙に臨むことになったというのが経過である。

AMLO政権には2つの特徴がある
一つは汚職と治安の悪化が進む中で、清潔で誠実な政治を打ち出したことだ。
これまでの政党PRI もPAN も汚職まみれでカルテルとは骨絡みで癒着している。PRDさえも最近では疑問符がつけられるようになっている。
そのなかで国民の希望が集中したのであろう。
もう一つは反NAFTA・反自由主義の旗である。
ただこちらはそう簡単には行かないだろうと思う。
これは本気かどうかは知らないが、「メキシコは汚職でGDPの9%を失っているからこれを解決すれば財源問題は解決できる」と主張しているらしい。
こういうのは「政策」とは言えない。「汚職」は犯罪であり、それを防ぐのには財源が必要なのであって、少なくとも当面は収入ではなく出費の対象なのである。
まずはできるところから一歩一歩ということになるだろう。

議会・首長選の結果
これが3日付の報道、以下が4日付となる。
見出しがなんともふやけたもの
新興左派が議会・首長選でも躍進
脇見出しが
“民主主義の前進”との声も
だ!
議会選挙では、アムロの与党モレーナが下院で確実に過半数超え、上院も過半数に達する可能性があるとされる。
さらに首長選ではメキシコでモレーナ派の女性市長が当選。州知事選でも4/8州で勝利した。
これですべてだ。これにトランプがアムロ当選を歓迎しているとのワシントン発が添えられている。
見出しもふやけているが、特派員が張り付いているのに現場の生の声はまったく取り上げられていない。
報道各紙を読んでホルナーダの編集長の談話を摘まみ食いして終わりなんです。
それにしても
“民主主義の前進”との声も
ってなんでしょうか
“そうでもないとの声も”という意味でしょうか
それであなたはどうなんでしょうか、松島さん。

AALA国際部の新藤さんから下記のニュースが送られてきました(6月23日)。
要旨を紹介します。
なお先般、札幌にお越しいただいたアラーナ大使は、日本での勤務を終えられ、現在はチリのサンチャゴでご勤務と伺っております。

はじめに
ニカラグアでは大きな緊張状態が起きています。4月19日にニカラグア政府の年金改革を巡って広範な市民の抗議が生じました。
その後、過激な反政府行動が展開されました。報道では、警官8名を含め173名が死亡し、2,100名(うち警官200名)が負傷しているとされます。
人口630万人、GDP138億ドルのこの小国で何が起きているのでしょうか。

Ⅰ ニカラグア 社会の状況
最近のニカラグアは経済成長が著しく、失業率や貧困者も減少し、貧富の格差も改善しています。
病院・学校・電気・水道・通信などの社会・インフラ投資も順調で、殺人事故は中米中最低となっています。
国内政治では、労働者・資本家政府の協調姿勢が貫かれています。
これはサンディニスタ政府が内戦による損害を取り戻すために、社会の安定を最重視したためだといいます。
このやり方は IMF・世界銀行・米州開発銀行からも高く評価されていました。
外国投資も順調に増大し、ムーディズの格付けでもB2で「ポジティブ」 と評価されています。
オルテガ大統領の率いるサンディニスタ政府は、2006年以来3度の総選挙を勝ち抜いて政権を維持しています。
国際貿易収支は7億ドルの赤字ですが、海外からの家族送金が14 億ドルあります。
財政も比較的健全で、財政赤字は歳入の7%程度です。
要するに経済・社会のマクロ指標はバッチリです。

Ⅱ 何が起きたのか
今年4月、年金財政赤字の改善のため保険料引上げや年金支給額の減額を打ち出しました。
これは各団体との協議を経て提案されたものでしたが、企業団体と労働団体が強硬な反対に回りました。
抗議運動が各地に広がり、一部では暴力的な行動を伴いました。
contra
      グラネード・ランチャーを標準装備した暴力分子
政府は年金改革の撤回を打ち出し、対話をもとめ、司教会議に仲裁を要請しました。
しかし抗議は続けられエスカレートしていきました。火炎瓶、ロケット砲などが用いられ、公的施設、政府派人物の民家の焼き討ち、略奪、人への攻撃、道路封鎖が展開されました。
取締り警官隊への攻撃と挑発が繰り返され、火炎瓶、ロケット砲などが用いられるようになりました。
闘争目標も大統領の辞任、選挙法の改正、前倒し選挙の実施へと移っていきました。
5月に入ると抗議行動は一層エスカレートし、全国14の県で道路封鎖が実行されました。都市では商店の焼き討ち、公共バスの破壊、サンディニスタ事務所の放火などが繰り返された。
FSLN事務所の焼き討ち
            FSLN事務所の焼き討ち
Ⅲ アメリカの干渉
アメリカ政府は反政府勢力を支持して内政に干渉しています。キューバ、ベネズエラにくわえ、ニカラグアも「専制政治」の一員に加えられました。
ペンス副大統領は、「母の日の平和なデモに攻撃が加えられ、恐るべき暴力により数十名が殺され、数百名が負傷した」と非難しています。
今回のニカラグアの問題は、米国の意向が反映されたものであり、トランプ大統領、ペンス副大統領の言動が、大きな影響を及ぼしています。
新藤さんの本文はこの記事の数倍あり、最近の動きまで丹念にフォローされている。ぜひご一読を願いたい。


反政府派の暴力的妄動は、ベネズエラで見られた光景とまったく同じです。
違うのは、ベネズエラではそれが政権による弾圧として描かれ、民衆がそれに対して民主主義をもとめて戦っているように描かれ、アメリカが民主主義を支えるために支援を行っているように描かれていることです。
拉致者を焼殺
            FSLN支持者が焼き殺される
現在のところ、ニカラグアのような小国のケースは見過ごされているようですが、いずれサンディニスタも民主主義の敵として描かれるようになるのでしょうか。(すでにその兆候は現れています)

7/7緊急シンポジウムのお知らせ  

     ベネズエラで今、何がおきているのか
            ~経済危機の実情と背景~  

ということでベネズエラ大使館からお知らせが来ている。かなり急な話なので、参加できるかどうか確信が持てないが、皆さんにもお知らせしておく。

シンポジストは松浦健太郎さんというエコノミストの方、西谷修さんという立教大学教授のお二人、私はどちらも存じ上げていない。

<日時> 7月7日(土)13時~17時
<場所> 明治大学お茶の水校舎リバティータワー 1143教室 (14階)

で、完全オープンではないようなので、大使館に連絡入れておいたほうが良いだろう。
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ベネズエラ・ボリバル共和国大使館
大使秘書 寺山由美子
Tel: 03-3409-1501  ext.1
Fax: 03-3409-1505
e-mail: asistente.embajador@venezuela.or.jp
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布4-12-24第38興和ビル703号

となっている。


4月24日 「欧州議会有志による動議」
10名の議員の連名で発議されている。

以下は動議のうち行動提起部分のみ

1.ベネズエラ・ボリバリア共和国(以下ベネズエラ)に対する、継続的な外部からの干渉、および政治的、経済的、社会的不安定化工作を強く非難する。

2.ベネズエラの主権を犯す干渉戦略を適用することが、対話と平和のための空間を創造することにいかなる貢献もしていない。このことを強調する。

3.ベネズエラの国民は、発展の道筋について、外部の干渉や圧力をまったく受けることなく、主体的かつ平和的に決定する権利をもつ。このことを再確認する。

4.国際法にもとづく、「内政不干渉」の原則は全面的に尊重されるべきである。このことを表明する。

5.ベネズエラにおける「人道危機の疑惑」は、外部からの干渉を増大させ、政治介入のキャンペーンを強めている。このことを非難する。

6.米国、OAS、EU、その他の国が第三国の内政に干渉することを深く憂慮する。そして、すべての人々が自決権、すなわち政治状況をみずから決定する権利、経済的、社会的、文化的発展をもとめる権利を認め尊重するよう求める。

7.不安定化キャンペーンは非民主的で暴力的な目的を持っている。それは米国の帝国主義的利益を補強している。それはベネズエラの石油資源へのアクセスを確保し、アメリカ・ボリーバル同盟(ALBA)諸国の利益を損なおうとしている。

8.米国はベネズエラに対する制裁を継続することを決定した。それはベネズエラを「米国の国家安全保障と外交政策」にとって「異常で異常な脅威」とみなしている。これを拒絶し即時廃止を要求する。

9.アメリカ南方軍司令官クルト・テッド提督の声明(4月6日)を非難する。これはこれは主権国に対する攻撃を予告するものである。

10.最近の米州機構(OAS)の動向は、組織の民主主義の欠如を示し、中南米の国民の主権に対する一貫した侵害者の役割を果たしている。これを批判する。

11.メルコスール内にはベネズエラが議長国となるのを阻止しようとする動きがある。これを批判する。

12.EUは政治的目的のために人権を見せかけの「道具」として利用しようとする動きがある。とくにベネズエラのケースで著しい。これを非難する。

13.EUはベネズエラと国民に対して制裁その他の措置を適用しようと試みている。これを断固として拒否する。

14.第三世界の国々との対話は、いかなる場合においても、国民の自己決定権を制限するものであってはならない。このことを強調する。

15.多くの国際メディアは、うわさ話を広げ、ニセ情報を流してベネズエラ政府への信頼を傷つけた。そして暴力的な雰囲気を煽った。この役割を指摘する。
報道の自由は人権の根幹をなす。このことを想起する。
そして、責任ある行動と、公正・正確でバランスの取れた表現でイベントをカバーするようもとめる。それは現在もなお、なされていない。

16.現在ベネズエラが深刻な経済危機に直面していることを認める。その原因は以下のごとく考える。
この経済危機は主に国外事情によって引き起こされている。それは経済制裁と石油価格の下落の両方によるものだ。そして野党と経済界の一部が指揮する組織的な経済不安定化戦略がこれに拍車をかけている。
彼らは商品の生産と流通を支配し、特に食品や医薬品の分野では、彼らの策動が商品の不足につながった。
経済界と手を結んだバチャケーロス(bachaqueros)はモノ不足を作り出し、商品を闇市場に横流しして法外な利益をむさぼっている。
この国のインフレを作り出しているのは高額紙幣の隠匿でもある。それらの高額紙幣の多くがコロンビアやパラグアイなどで発見されている。
この厳しい経済攻撃にもかかわらず、ベネズエラは対外債務に関して国際的な信用を維持している。また国家予算の70%を社会開発に配分し続けている。

17.ベネズエラ政府は憲法を遵守した。国会の多数を占める野党は憲法を無視し、違反することを厭わなかった。これは記録すべき事柄である。

18.「ラテンアメリカ・カリブ平和地帯宣言」にふくまれる諸原則は強調されるべきである。
この宣言にはいかなる国とも内政不干渉の原則を守ること、国家主権、国家間の平等、民族の自決権の原則が含まれる。
国際社会はこの宣言を十分尊重すべきである。

19.ベネズエラにおける社会政策の実施を歓迎する。それらは社会的責任と正義、平等、連帯と人権にもとづいており、国民のあいだの不平等を軽減するのに役立っている。
それは社会開発や教育の発展として、たとえば2005年の文盲の根絶や高等教育の学生数の大幅な増加に示されている。

20.ベネズエラはラテンアメリカの人々の協力と統合に大きな役割を果たした。その重要性を想起しなければならない。とくにALBAは健康、教育、文化、相互理解の分野で大きな足跡を残した。これは歓迎されるべきである。

21.ALBA-TCPの加盟国は、人権、司法、平和を促進するためにベネズエラ政府が払った努力を認識している。そのゆえにベネズエラに対する国際的介入が、兄弟国ベネズエラだけではなく、ラテンアメリカ・カリブ全体を不安定化させていることに気づいている。

22.ベネズエラのマドゥーロ大統領は、南米諸国連合(NNASUR)の支援を受け、野党代表との対話を進めている。これを支持する。
この対話にはスペインのサパテロ前首相、ドミニカのフェルナンデス元大統領、パナマのトリホス前大統領も加わっている。また特別代表として法皇フランシス猊下も参加されている。
UNASURの他にも国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(CELAC)やALBAのような組織が、福祉、平和、正義、真実、制度、経済的措置などに大きな役割を果たしている。これを支持する。
また法と民主主義の支配を支持し、国家の尊厳に敬意を払う。

23.ベネズエラの人々と連帯する。そしてベネズエラがこの間に成し遂げた社会的成果を再確認し、これを守るための闘いを支持する。

24.議長はこの決議を以下の部署に送致していただきたい。理事会、委員会、ベネズエラ政府、メルコスール議会、欧州・ラテンアメリカ議員集会、それにUnasur、ALBA、CELACなどの地域機構。
このことを勧告する。

TeleSur English Mar 26th 2018

国連人権理事会、ベネズエラに対する制裁措置を非難

「このような措置は、国家の経済社会開発の完全な実現を妨げる」

国連人権理事会(OHCHR)は、非同盟国(NAM)の運動が提案した決議を採択した。

これは、米国、カナダ、欧州連合(EU)とその同盟国によるベネズエラに対する経済制裁を非難するものである。

この文書は、金曜日にスイスのジュネーブで開催されたOHCHR会議に提出された。

決議は、このような一方的な措置を継続することを非難する。大国が政治的または経済的圧力を加えるために、その道具としてこのような方法を取ることは許されない。

決議はすべての国にたいし、 「このような措置は、諸国家の経済社会開発の完全な実現を妨げる」と喚起した。

決議はベネズエラの主張を認めている。それは「経済制裁は、貧しくて最も脆弱な階層に“度外れに”影響し、人権の実現を脅かす」というものだ。

そして、国際法に違反する一方的な強制的な措置を適用するのではなく、「対話と平和的関係を通じて相違を解決するべきだ」と強調している。 

先週、米国はベネズエラに対して新たな制裁を課した。今回は「ペトロ」というベネズエラが発行した仮想通貨である。

制裁措置は、「ベネズエラ政府によって発行されたあらゆるデジタル通貨でのすべての取引」を対象としており、米国人による、または米国内における取引が対象となる」

仮想通貨「ペトロ」はベネズエラ政府がとっている政策である。それは、米国と同盟国が輸入能力を制限するためにベネズエラに課した財政封鎖を迂回するためのものである。

ベネズエラのホルヘ・アレザザ外相は、Twitterを介して決議への共感を示した。

ドイツ、米国、英国、スペインを含む西側諸国は、この決定を拒否した。

一方、人権理事会は、この措置は「国家の主権を脅かす...」と述べた。

なぜならそれらの措置は自国の自由意志、政治・経済・社会的制度についての自決権を否認するものだからである。


下記の文章は私による要約ですので、引用はお控えください。本来の見出しは「制裁非難声明」とすべきであることをお断りいたします。
元の文章は
3月12日付の venezuelanalysis.com 掲載記事 を独立ジャーナリストの加治康男さんが訳したもので、駐日ベネズエラ大使館のホームページにアップされていると思います。
チョムスキーと並んで書かれている Danny Glover は映画俳優でリーサルウェポンでおなじみの人です。
ダニー・グローヴァー
   ウィキペディアより
ノーム・チョムスキーら150人がベネズエラ制裁を非難する声明
Noam Chomsky, Danny Glover & 150 Other Activists Slam US-Canadian Sanctions on Venezuela

<記事のリード部分>
米国とカナダの市民活動家が、ベネズエラに対する制裁措置に反対の声を上げました。
制裁はベネズエラの貧しい弱者を苦しめる、違法かつ威圧的な措置です。
私たちは、ベネズエラの心ある人たちとともに、トランプ大統領と議会に要請します。ベネズエラの諸勢力のあいだで行われている対話を支持し、制裁を解除してください。
この対話はサパテロ元スペイン首相、メディーナ・ドミニカ大統領、チリ、メキシコ、ボリビア、ニカラグアの外相が仲裁にあたっています。フランシスコ・ローマ教皇もこの協議を支持しています。
マドゥロ現大統領と4人の大統領候補は、5月20日に大統領選挙を実施することで合意しました。
米国、カナダ両政府はこのプロセスを支持してください。ベネズエラ国民が民主的に、外国から脅威を受けることなく投票するために協力してください。
オバマ米政権下での制裁措置に加え、トランプ政権による追加制裁措置は、ベネズエラの一般民衆に負担を強いています。この一方的制裁は国際法に違反しています。
150人を超える米国とカナダの活動家は国会議員に次のような手紙を送っています。


【公開書簡: 私たちは制裁ではなく、仲裁を支持します】

私たちは、米国とカナダの政府にもとめます。
ベネズエラに対する違法な制裁を直ちに解除してください。ベネズエラ政府と非暴力派の野党勢力とを仲裁する取り組みを支持してください。
私たちは南北アメリカのすべての国の人々が、主権の尊重に基づく関係を維持することをもとめます。
私たちは違法な制裁措置に深刻な懸念を抱いています。制裁の結果は貧しい、ぎりぎりの生活を送っている人々に最も重くのしかかります。
そしてその国の政治的及び経済的なあり方に、好ましくない変化を強要することになります。
ベネズエラの世論調査によると、大多数の人々が制裁に反対しています。それはマドゥーロを支持しようとしまいと同じです。
いまバチカン、ドミニカ共和国などの国が仲介し、ベネズエラの現状を解決しようと取り組んでいます。しかし制裁は深く分断された状況をより複雑にするだけです。
また制裁は、政府と制憲議会が危機的な経済課題に対処しようとする取り組みを壊しかねません。
アメリカとカナダの政府幹部は、「高尚な」言葉遣いにもかかわらず、ベネズエラ政府に対する好戦的な干渉姿勢を取り続けています。それは民主主義、人権および社会正義を本心では軽視しているからでしょう。
オバマ前大統領は「ベネズエラは米国を脅かす国家安全保障上の脅威である」との発言を残しました。
ニッキー・ヘイリー米国連大使は「ベネズエラは世界を脅かし、ますます暴力のはびこる麻薬国家である」と語りました。
これらの国際舞台での発言は、平和的な紛争解決にはほとんど寄与することがないでしょう。
ベネズエラの政治指導者は新自由主義モデルをきらっています。米国の覇権に異を唱え、米国がラテンアメリカに新自由主義モデルを導入しようとすることに抵抗しています。
だからこそ、ベネズエラは周知の通り、米国の体制転換に向けての努力の主要な対象になっています
もちろん、ベネズエラが世界最大の石油埋蔵国であることも、ワシントンから望まぬ注目を浴びる原因となっています。。
米州機構(OAS)の事務総長ルイス・アルマグロはならず者としか言いようがありません。彼はベネズエラの野党勢力によって任命された「対抗最高裁判所」を公然と支持しました。
この「裁判所」が宣誓式を行うのに、ワシントンDCのOAS本部を提供しました。
アルマグロはベネズエラで最も過激な勢力、暴力を是認する野党勢力をつけあがらせています。それは仲裁の取り組みを妨害するだけでなく、OASの合法的権威を失墜させています。
米国のベネズエラ経済制裁は、ベネズエラの主権を犯し人々の基本的人権を侵害しています。ベネズエラはハイパーインフレと基本物資の不足を解決しようと取り組んでいます。
そういう国に対して経済的な圧力を威圧的で鼻持ちならないやり方で押し付けています。民主主義と自由を前進させるとの名目はウソっぱちです。
私たちは米国の指導者に冷静な発言をもとめます。ベネズエラの政治、経済問題の本当の解決策を探してください。
経済制裁を取り下げ、ドミニカ共和国やスペインのサパテロ元首相、バチカンが主導する仲裁の取り組みを支援してください。

付属: 「米州機構憲章第4章第19条」
いずれの国家または国の集団も、理由の如何を問わず、直接または間接に、いかなる他国の国内または対外の事項に干渉する権利を有しない。この原則は、武力のみならず、国の人格または政治的、経済的および文化的要素に対する他のいかなる形態による干渉または脅威の企てをも禁止するものである。

署名者

米国
ノーム・チョムスキー 
ダニー・グローバー 市民アーティスト
エステラ・バスケス 「医療従事者労組」副議長
トーマス・ジャムブルン デトロイト大司教区司教
ジル・スタイン 米緑の党
ピーター・ノールトン 全米電気労組議長
アルフレド・デ・サヤス博士 元国連高等弁務官事務所 国連の独立調査官
メデア・ベンジャミン 「コード・ピンク」共同設立者
ダン・コヴァリック 連邦鉄鋼労働組合・顧問弁護士
クラレンス・トーマス ILWU(在サンフランシスコ労働組合)元専従職員
ナターシャ・リシア・オラ・バナン 全米弁護士会会長
チャック・カウフマン グローバル正義同盟・共同コーディネーター
ジェームス・アーリー ラテンアメリカ及びカリブ海諸国におけるアフリカ系人アーティキュレイション
グロリア・ラ・リーバ キューバ・ベネズエラ連帯委員会
カレン・ベルナル カリフォルニア州民主党・革新議員団議長
ケビン・ゼーズ、マーガレット・フラワー 「人民の抵抗」共同議長
クリス・ベンダー 在カリフォルニア州労組
メアリー・ハンソン・ハリソン 「平和と自由のための女性国際連盟」・米国支部長
アルフレッド・L・マーダー 米国平和評議会会長
タミー・ドラマー カリフォルニア州民主党執行委員
グレッグ・ウィルパルト ジャーナリスト
ジェリー・コンドン 「平和のための退役軍人」理事長
チアナ・オカシオ ラテンアメリカ・アドバンスメント・コネチカット州委員会委員長
レア・ボルジャー 「戦争を越えた世界」コーディネーター 
アレクサンダー・マイン 「経済政策研究センター」・上級研究員
ケビン・マーティン 「平和活動及び平和アクション教育基金」議長
ロバート・W・マッケスニー博士 イリノイ大学アーバナシャンペーン校 
バーソニー・デュポン 「ハイチ・リベルテ」取締役
フレデリック・B・ミルズ博士 (米メリーランド州)ボウイー州立大学哲学部
マルシャ・ルンメル (米ウィスコンシン州)マディソン市会議員
モニカ・ムーアヘッド 「労働者世界党」
キム・アイヴス 「ハイチ・リベルテ」記者
シンディ・シーハン Cindy's Soapbox
(聞き覚えのある名のこの人は、息子をイラクで失い、ブッシュの農場前で座り込みをやって有名になった活動家です)
クラウディア・ルセロ 「中南米問題シカゴ宗教指導者ネットワーク」議長
ウィリアム・カマカロ ベネズエラ活動家 ボルティモアフィル・ベリガン
デイヴィッド・W・キャンベル、USWカリフォルニア州カーソン事務局長
アリス・ブッシュ SEIU北西インディアナ支部ディレクター
テレサ・グティエレス 国際アクションセンター共同ディレクター
クレア・デロチェ ニューヨーク拷問に反対する異教徒間キャンペーン
エヴァ・ゴリンジャー ジャーナリスト兼作家 クロスボーダーネットワーク(カンザスシティ)
(ベネズエラ通の弁護士で、チャベス時代から活躍している人です)
アントニア・ドミンゴ ピッツバーク・ラテンアメリカ進出協議会
デイヴィッド・スワンソン 「戦争を克服した世界」ディレクター
(左翼のブロガーとして有名な人)
マットマイヤー 「和解フェローシップ」全米共同議長、
ダニエル・デール牧師 ディサイプルス派キリスト教教会CLRN理事会
キャスリーン・デスセルズ 「八日目の裁きセンター(8th Day Center for Justice)」
マイケル・アイゼンシュチャー 「戦争に反対する米国労組(USLAW)」全国連絡委員会
ポール・ドルダル博士 「解放と公平のためのキリスト教ネットワーク」ディレクター
ダラス・フリードマン博士 チャールストン大学国際学部理事
チャールズ・ダーム司教 「ドメスティック・バイオレンス・アウトリーチ」大司教区理事
ブラス・ボンペイン 南北アメリカ事務所理事長
ラリー・バーンズ 西半球問題評議会南北アメリカタスクフォース理事
シャラット・G・リン博士 「サンノゼ平和・司法センター」元議長
ダニエル・チャベス トランスナショナル・インスティテュート
スタンツフィールド・スミス シカゴALBA連帯
アリシア・ジャッココ 「キューバ平和、正義、尊厳ナショナルネットワーク国際委員会」米国コーディネーター
ディアナ・ボーン「地域行動ニカラグアセンター」コーディネーター
ジョー・ジャミソン クイーンズ・ニューヨーク平和評議会
ジェリー・ハリス 「北米グローバル研究協会」書記
チャーリー・ハーディ 「カラカスのカウボーイ」著者
ダン・シェア 「平和のための退役軍人」全国委員会
クリスティ・ソーントン博士 ハーバード大学ウェザーヘッド国際問題研究所フェロー
 以下略

カナダ
ジェリー・ディアス UNIFOR会長
(UNIFORは運輸、自動車、通信業界などを網羅した一般労組。組織人員30万でカナダ最大の一般労組となっている)
マイク・パレセック カナダ郵便労働者組合議長
ハーベイ・ビスショフ オンタリオ州中学校教員組合連盟議長
マーク・ハンコック カナダ公務員労組連合議長
ステファニー・スミス ブリティッシュコロンビア州政府職員労組委員長
リンダ・マックイグ ジャーナリスト・作家 トロント
ラウル・ブーバノ 「共通のフロンティア」計画ディレクター 
ミゲル・フィゲロア 「カナダ平和会議」議長
 以下略

変な記事があった。
日付は去年の7月30日、立憲議会の投票当日、混乱の極にあった日である。
記事が載ったのは長者番付で有名な財界紙「フォーブス」である。
Congratulations To Venezuela - The Human Development Index Is Up
というもの。訳すと「おめでとうベネズエラ 人間開発指数が上がったよ」ということか。


ベネズエラは、いまや経済的ににっちもさっちもいかない状態だと考えられている。
ハイパーインフレが襲っている。この1ヶ月で物価は50%上昇した。すべての人の体重が食料不足で減少した。子供は医薬品の不足から死にかけている。トイレットペーパー、ビール、ビッグマックは使い果たされた。

しかし、「国民よ心配するな。人間開発指数は上昇したのだ!」 そう報道されている。
いや、違う。これははるか遠いヨーロッパの左翼の連中の所業だ。
ベネズエラはその歴史において最も重要な時代にあります。
私は最初から、ボリバルの革命を重視し、連帯してきました。
過去20年間の社会的成果は疑う余地がありません。
これを証明するためには、「人間開発指数の進歩」に関する2016年版国連報告書を参照するだけで十分です。
レポートは続く。
2015年のベネズエラの人間開発指数は0.767でした。これは188の国と地域のうち71位、トルコと同格にランクされます。人間開発の分野で高開発国に位置する数字です。
1990年代から2015年にかけて、ベネズエラのHDIは0.634から0.767へと増加しました。増加率は20.9%にあたります。
1990年から2015年にかけて、出生時平均余命(平均寿命)は4.6年増加しました。平均教育水準は4.8年に上昇しました。一般教育年数は平均値で3.8年増加しました。
1人当たり国内総生産(GDP)は1990年から2015年の間に5.4%増加しました。
もちろん、この報告はいろいろな読みかたができる。

私の場合、最初は、それが本当に真実であったのか、今も真実なのかをチェックすることから始まった。
(しかしそれは事実だった)
つぎに私のしたことは、HDIはライフスタイルや経済管理を評価するために果たして適当な方法なのか、ひょっとして違うのではないかという違うことだった。
なぜなら、もし経済が誤操作の結果、自由落下している状況のもとでも、HDIが「状況は良好だ」というのなら、それは社会状況の測定システムとしては使えないことになるのではないか?
(しかしそれも事実だった)
HDIは「状況は良好だ」と言っている。
GDPがこれだけ明らかに失敗を示している以上、HDI指標はすべてたんなる憐憫にしか過ぎない。もしHDIが「ベネズエラはうまくやっている」というデータを出すのなら、その測定システムに誤りがあるとしか考えられない。

エディターさん、ご苦労さま。ご同情申し上げます。紛れもない事実を前に思い悩む姿が目に浮かぶようです。もう少し事実に対して素直になれば、楽になると思うのですが。

ベネズエラのアレアサ外相、国連で米国の干渉を非難
Venezuela's Arreaza Condemns 'US Interventionism' in UN Speech

2018年2月26日 teleSUR

「20年近くにわたり、我々チャベス主義者は外国人の介入勢力に嫌われてきた。我々が石油、ガス、金、希少金属、ダイヤモンド、水、肥沃な土地の主権を取り戻すことを熱望し続けているからだ」

ベネズエラの外交トップは、スイスで人権理事会会議に出席し各国高官に語りかけた。

アレアサ外相は言った。ボリーバルの言葉を引用した。「アメリカ合衆国は自由の名のもとに、南北アメリカ大陸に悲惨を広げることを望んでいる」と。

アレアサは述べた。「トランプ米国大統領がベネズエラを脅かしている、そして我が国への制裁を課し、マドゥロ大統領を打倒しようとしている」と。

「この人権理事会が戦争を起こしたい人にハイジャックされることは許されない」

アレアサはティラーソン米国務長官の最近のコメントを指摘した。その中で彼は公然と、ベネズエラの民主党政権の打倒を提案し、次の選挙の結果を認めないと述べた。

アレアサ外相は、「それはベネズエラが今年受けた105の国際的な言葉による攻撃のほんの一部に過ぎない」と付け加えた。

マドゥロは、野党が「平和のための対話」に参加するよう400回以上も呼びかけている。しかし、彼らはそうしなかった。そうしたくないからだ。
アレアサは強調した。
野党は、4月22日の選挙に参加することにも同意しなかった。その日は彼らの提案した日だ。

彼はさらに、米国政府を非難した
「ベネズエラに人道的危機がある」という話を世界に信じさせたこと。それは南米諸国への介入を意図したものだということ。
一方で、国連の独立人権調査官アルフレド・デ・サヤスの最近のコメントの意味を強調した。

先週、サヤスは「ベネズエラに人道危機はなかった」と述べた。
「もちろん欠乏、不安、不足はある。しかし何十年も国連で働いて、アジア、アフリカ、中南米の国々の状況を知っている人なら誰でもわかる。ベネズエラの状況は人道的危機ではない」
サヤ発言の詳細は下記をご参照ください
2017年12月25日 ベネズエラ:国連人権専門家の最新報告

アレアサはこう付け加えた。「にも拘らず、メディアの報道がベネズエラは破滅の危機にあると報道するのは、なぜか。それは、ベネズエラが経済戦争を仕掛けられているからだ」

そして「さらにベネズエラは金融封鎖、法外な密貿易などに苦しめられている。これらの問題を解決するために国際連帯が必要・不可欠だ」と述べた。

アレアサはまた指摘した。
「ベネズエラの人々は給与増や年金制度などの社会計画の恩恵を受けている。障害者には奨学金が渡され、失業率は6%に低下した。600万人以上の家族が“供給・生産地方委員会”の恩恵を受け、200万の家が分配された」

「ベネズエラは、人権擁護のために国連と協調している。他の国々は人権を軽視し違反している。
人権は神聖でなければならない。私たちはそれらに違反することはできない。なぜならそれは人類の防衛にとって不可欠なものだからだ」

(ベネズエラ連帯キャンペーン 18年3月1日)

「フェイク・ニュース」という言葉はドナルド・トランプのおかげで2017年に有名になりました。

しかしミスリードし、ミスインフォームし、アンダーインフォームする企業メディアのパワーはもっと深い根っこを持っています。
それはメディア自身とその強力な同盟者の利益を守るために発揮されています。

それがラテンアメリカに適用される時には、一般市民により深刻な影響を与えます。それが3つの国の事例で示されています。

ブラジル

ブラジルでは、民間ニュースメディアが、ディルマ・ルセフ大統領に対する2016年の反政府ラリーをことこまかに報道しました。

これには、世界で2番目に大きな商用TVネットワークであるO Gl​​oboも含まれています。

民間メディアと右翼は、「ブラジルの腐敗」という蛇の頭にルセフ大統領を乗せました。腐敗の疑いや捜査が行われていないにもかかわらず、彼女に「予算操作」というレッテルを貼ったのです。

大規模なデモンストレーションは、ルセフを解任するための不正な弾劾行為に対して強力な政治的支援を提供しました。

テメル副大統領は選挙の洗礼を受けることなく大統領に就任しました。そして大衆の支持がない強硬な緊縮策が迅速に設定されました。

ルセフ糾弾デモとは対照的に、何百万人もの労働者の支援を受けて、2017年4月に全面緊縮策に対するゼネラル・ストライキが発生したとき、メディアの報道態度は変わりようがありませんでした。

報道されたことは、ストの規模の大きさではなく、むしろ「デモンストレーション、抗議、破壊行為」でした。

労働総同盟のスポークスパーソンは語っています。
「ストライカーとデモ参加者は決してインタビューを受けることはなかった。ゼネラルストライキの目的についての議論は決して聞かされなかった。主流メディアは、明らかにストライキは信用できないという報道傾向を持っていた」

同時に、ブラジルの私営メディアは、2016年9月にテメルがルセフの解任を承認した理由を無視しました。

テメルは、米国のビジネスリーダーや外交政策の専門家との会合に向けて語っています。

それは民営化へのルーゼフの反対と、彼の党とその大企業の支持者によって強要された弾劾でした。「予算犯罪」とはおよそ無関係の理由でした。

最近これらのメディアと右翼勢力は、10月の次期大統領選挙でルーラ元大統領の再立候補を阻止しようと必死です。

ルーラの顧問弁護士はこう語ります。

「ルーラや支持グループに関する報道には、根拠のない情報漏れが絶え間なく続いている。これらの情報はどれも証明することはできませんが、その人が有罪になるまで、報道に何度も繰り返し現れます」

ホンジュラス

ホンジュラスでは、2009年に、軍事クーデターでマヌエル・ゼラヤ大統領の進歩的民主主義政権が覆されました。

大資本所有のメディアは、クーデターと結合し好意的な広報とサポートを提供しました。

このクーデターは、ラテンアメリカ、EU、米州機構その他の地域ブロック、各国政府によって広く非難されました。

対照的に、米国では、バラク・オバマとヒラリー・クリントンはこの政治危機を軍事クーデターと呼びませんでした。

その後の選挙では、メディアの沈黙と、野党指導者を対象とした投票前の暗殺が実行されました。

国際機関は選挙を監視していません。

今日のホンジュラスのニュースメディアは、依然として強力なビジネスエリートの手に集中しています。

コミュニティのラジオ局の地位はあいまいで、特に野党の意見を報道するときにはみずからを危険に晒すことになります。

国境なき記者団は次のように報告しています。

「ホンジュラスではさらにプレスの自由度が低下している。
 ジャーナリストは、2014年1月以来、フアン・オーランド・ヘルナンデス大統領の下で恐怖と自己検閲の雰囲気が強まり、不法捜査、暴力、殺人の対象となり続けている」

昨年12月、ドナルド・トランプ氏は、選挙詐欺の多くの疑惑にもかかわらず、勝者として、保守派で親米のヘルナンデスを承認しました。

そうした中で、彼は選挙監視団の調査結果を無視し、米議会有志議員と「独裁政権に反対するホンジュラス同盟」によるやり直し選挙の求めを無視します。

言うまでもなく、フォックス・ニュースはエルナンデスを支持する物語を提供しました。

しかし「エコノミスト」誌(保守系)さえも、選挙前の投票談合計画とヘルナンデス賛成票の積み増しの両方を報道しました。

「エコノミスト」はこう書いています。
「国の最高選挙裁判所(TSE)が公表した結果には、依然として説明できないほどの投票終了の遅れがあった」

ベネズエラ

ベネズエラでは、強力な民間企業が報道メディアを支配し、ニコラス・マドゥロが率いる現政権に対して積極的に政治介入を行い、将来のクーデターのための条件を作り出そうとしている。

1998年のウーゴ・チャベス選挙の4年後、アメリカと同盟関係にあるビジネス・エリートの敵意が激化。2002年にはクーデターを開始した。民営メディアは全面的に支持した。

国際的な報道機関は、情報源を地元ジャーナリストに依存していた。そのため、世界中のメディア報道が歪曲させられた。

英国では、主流メディアが1998年以来のチャベスの成果についてはほとんど報告しておらず、抑圧された人々が権威主義的な軍事指導者に立ち向かう物語として安易に受け止められた。

英国の企業メディア報道には、チャベスに「民主主義者というよりは独裁者」とか「遊び場のいじめっこ」というレッテルを貼るなど、不正確で誤った特徴づけが数多く含まれていました。

クーデターの2日後、民衆的に選出された大統領として人気のある蜂起がチャベスを元通りにしたが、右派野党の物語は持続し、国際メディア、特に米国で増幅されました。

過激な野党の指導による暴力的な抗議は、2014年には40人、2017年には120人以上が死に至りました。

主流の国際メディアの多くの特徴は、犯罪的な放火、バリケード封鎖、看護師や病院への攻撃などを無視しており、これらの死者は非常に多くなっています。

すべて人生の喪失は悲劇です。責任者は説明する必要があります。ベネズエラ政府は、治安部隊員が不法殺人犯の加害者と疑われたり、積極的に特定された例を認定しており、逮捕や起訴は既に行われています。

それにもかかわらず、国際メディアが提示した印象は、ベネズエラの暴力は、極端に偏った政治的格差の片側のみに由来しているように描き出します。
国際的な非難を何ら受けずに暴力を使うベネズエラの右翼の過激派分子には青信号が灯されています。

ニュースのストーリーは、各派の利害を理解しつつ注意深く読む必要があります。

主流メディアの歪んだ抑圧的な物語は、ベネズエラ、ブラジル、ホンジュラスなどのラテンアメリカ諸国の社会正義のために苦労している人々を傷つけ、強力な人々の特権を維持しようとしています。

したがって、これらの闘争の実態を理解し、それに根ざした国際連帯の構築がより重要でしょう。

大阪AALAでのベネズエラ大使の講演内容です。新藤さんの配信を転載します。


大阪アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(Osaka AALA)主催

「ラテンアメリカとカリブ:危機の時代の機会と課題」シンポジウム

セイコウ・イシカワ大使講演

大阪 2018224

 

敬愛する大阪AALA理事長及び友人の皆さま、

カルロス・ミゲル・ペレイラ、キューバ大使及び私を、この貴重なシンポジウムにお招きいただき、ラテンアメリカの最近の情勢を共に語りあい、友好と連帯を祝うことを主催者の皆さんに感謝します。このシンポジウムは、特にベネズエラと日本の国交樹立80周年と、わが国への日本人移民開始90周年の機会に行われています。

 

来る35日は、ベネズエラにおいてはわれわれの最高司令官のウーゴ・チャベス・フリアス没後5周年を記念して祝います。したがって、今日のこの集会は、人類と社会的正義の遺産を思い出し、祝福するための絶好の機会となります。

 

ボリーバル革命に対して継続される攻撃

l  ウーゴ・チャベス・フリアス(Hugo Chávez Frías)司令官が、1998年に政権につき、その後透明性のあるいろいろな選挙に勝利して以来、ボリーバル革命は政治的・外交的・経済的、そして特にメディア、といったあらゆる角度から絶えず計画的で、系統的かつ継続的な攻撃にさらされてきています。

 

l  長年、一連の事件が起きてきました。アメリカ帝国が、米国を支配するグローバル企業グループの指示のもとに行動し、当初は隠蔽されたあらゆる干渉行動を実施してきたことの全容と詳細は、恐らく世界中で知られておりません。その目的は、ベネズエラ・ボリーバル共和国の合法的かつ主権ある政権を打倒することであります。最初は2002年にウーゴ・チャベス・フリアス大統領を拉致し、2013年以降は継続的にニコラス・マドゥーロ大統領の合法的政権に対して、そうした行為を行っています。

 

ベネズエラは脅威なのか?

l  多くの人が、同じ疑問を頭に浮かべます。「なぜベネズエラを攻撃するのか?」。オバマ大統領行政命令は、ベネズエラは、アメリカ合衆国にとって異常で異例の脅威であるとしていますが、ベネズエラは他の国々にとって脅威なのでしょうか。ベネズエラのような国が米国のような余大国を脅すなどというばかげたことが、信じられるでしょうか?

 

l  ベネズエラには大量破壊兵器はないし、どこの国にも軍事基地を所有していませんし、どの国も爆撃したことも侵略したこともありません。19世紀に解放者シモン・ボリーバルが率いる部隊がスペイン植民地帝国から独立するために戦っていたコロンビア、ペルー、エクアドルとボリビアの国民とともに闘うために赴いたことがありますが、歴史を見てもベネズエラの軍は、兄弟国を守るためにしか国外に出たことはありません。ベネズエラは、平和主義の国であり、憲法は、目的の中に国家間の平和協力と核軍縮を明白に定めています。ベネズエラは原爆と水爆の存在が意味する危険に対する唯一の保障である核軍縮を擁護しています。

 

l  さて、米国の利害について語る際には、中でもベネズエラが持つ世界有数の石油埋蔵量とベネズエラの地政学的位置に触れることになります。最重要な2つの戦略的ファクターであり、社会主義国であると明確に認識していること、愛国的政権であることが、アメリカ帝国の懸念するところになっているのです。愛国者であるウーゴ・チャベスとニコラス・マドゥーロは、わが国の主要な天然資源である石油の所有権を行使するにあたり民族的な政策を維持してきました。しかし、それだけでなく、OPEC(石油輸出国機構)と団結する政策を推進してきました。ヘンリ―・キッシンジャーの時代からエネルギーの大量消費国は、OPECを破壊しようと策略を図ってきました。そして、もうすぐ目的を達成できる、という時期にウーゴ・チャベスが、世界の石油舞台に登場し、大量消費国に追従する諸国が奉仕していた計画を挫折させたのでした。

 

l  一貫した社会主義者であるチャベスとマドゥーロは、所得の分配に関するいろいろな政策を適用しました。それは、もはやベネズエラの特権層を豊かにするのではなく、ベネズエラ国民の生活条件を継続的に改善するためのものでした。

 

l  ボリーバル革命は、ベネズエラ住宅計画(Misión Vivienda Venezuela)によって立派で設備を備えた家を与え、約200万世帯の尊厳を回復しました。市民の治安組織を強化し、全国民に対して例外なく推進してきました。すなわち、無料の初等、中等、大学教育、キューバ共和国との二国間協定に基づいた支援を得ての無料医療、研究奨励策としての奨学金、高齢者に対して物価スライド制による年金の増額、国の機関や国営企業での市民の労働賃金の増加、共同体が主導しての食料供給・生産についての地域共同体評議会制度の導入、そのための中央政府の確固とした支援、ベネズエラ全国に及ぶ住民自治組織と住民自治評議会のネットワークの拡大、様々な文化集団に対する支援など、国民の過半数の条件改善を目指す、枚挙にいとまがないほどの活動を実行してきました。しかし、エリートや経済力のある人々の集団は、こういう活動をよく思わず、食料と医薬品のテーマについては、特にコロンビア共和国との国境地帯において一時的な供給不足や危機を作り出して、頓挫させようとしてきました。

 

l  ベネズエラ政府の特徴である、ベネズエラ国民の物質的条件の改善と主権を重視する政策によって、ベネズエラは、国の富によるのではなく、ボリーバル的不屈の精神によって強い国になりました。

 

l  しかし、ベネズエラの国の利益に関わる政策の他に、ウーゴ・チャベス司令官は、アメリカ大陸統合の種を文字通り蒔き、水を与えました。アメリカ大陸の統合は、ボリーバルの時代以降、休眠状態になっていました。こうして多中核的・多極的世界の実現に貢献するためにALBA(米州ボリーバル同盟)、Petrocaribe(ペトロカリブ)、UNASUR(南米諸国連合)、CELAC(中南米・カリブ海諸国諸共同体)が生まれました。チャベスの指導力のもとで、ボリーバルは、崇拝対象の遺物ではなくなり、新たに現実の命を獲得しました。これらの計画は、的確で非常に示唆に富んだ計画であったと同時に、具体的な行動でもありました。「われわれのアメリカ」は、再び孤立した個別の国、存在するだけで満足する国ではなく、団結が代表する巨大な潜在能力を益々自覚し、またみずからの国土も、また主として国民の想像力も宿している印象的な富を益々自覚した国と変わりつつあるのです。

 

反ベネズエラの同じ戦略の中での様々な戦術、

l  1999年以来ベネズエラが被っている様々なハラスメントは、ウーゴ・チャベスが死去した2013年以降、またその後2015年に野党が立法府で勝利してから激しくなっています。ここ20年間にベネズエラは、様々な形で攻撃を受けました。それらは、クーデター、石油スト、殺人と絡めた暴力的過激行動、政治裁判の試み、組織的な品物の供給不足と買占め、OAS(米州機構)やメルコスール原加盟国(メルコスールをベネズエラ迫害組織に換えた)など多国家機関の絶えざる干渉的表明、また米国による制裁や干渉的な脅迫です。

 

l  問題は、南米地域の他の政権と違って、エネルギー資源をものにすることが大国の行動日程に入っているという地政学的状況下で、外国企業による石油産業の全面的管理(おまけに世界有数の確認済み石油資源を不法に占有しようとしている)を受け入れない政権を終焉させようとしていることです。

 

l  米国政府の政治・情報機関が、在カラカス大使館を隠れ蓑に、NGO(非政府組織)を通じて種々の行動に資金を提供し、指導してきたことは火を見るより明らかです。こうした地政学的行動からは、カリブ・南米・ラテンアメリカの国であるベネズエラ(「われわれのアメリカ」における典型的な地政学的性質です)を再び自国の権力下におこうという絶望的かつ誤った意図が垣間見えます。天然資源、特に石油・石炭エネルギーやウラニウムに加え鉄、ボーキサイト、コルタン、金その他ほぼ無尽蔵の既存資源に対する覇権を維持しようとしているのです。

 

l  レックス・ティラーソン米国国務長官は、20171月にシンクタンクLatin America Goes Globalのインタビューで、ベネズエラの体制転換への支援を確認しました。同長官は、マドウーロ大統領のチャベス派政権を交代させるたに地域の右翼政権や組織とともに努力する、と語りました。

 

l  南方軍司令官のカート・ティッド提督は、20174月の米国上院軍事委員会に対してベネズエラの深まりゆく「人道的危機」が「最終的に地域レベルでの対応を要求するかもしれない」と断言したことを忘れてはなりません。

 

l  2017年ベネズエラの野党が招集し、鼓舞した抗議行動の間に無責任な野党のせいで100名を余える死者が出ました。暴力が激化し、経済戦争が相当数の国民の苦しめていたなか、組織的な集団が連続的テロの状況を作り出し、統治不能で人道的支援と介入を必要としている状況を世界に見せようとしました。

 

l  ベネズエラの変革プロセスに対する国際的圧力が強まる中、米国の南方軍は、ベネズエラ周辺地域で様々な「活動」を展開しました。中でも際立ったのがTradewinds 2017(ベネズエラ沿岸の正面で行った軍事作戦)、最近ペルー、ブラジル、コロンビア三カ国のアマゾン三地域国境地帯で行った「Operación América Unida」(統一アメリカ・オペレーション)と称する軍事演習、また、20162月にホンジュラスにあるPalmerola(パルメロラ)基地からベネズエラを進攻する目的で準備したFreedom II作戦です。

 

l  南方軍のカート・ティッド提督は、10月にはっきりと、こういいました。「10年間挑戦をしてきた反米体制は崩壊しつつある。ベネズエラにおける民主主義に対する継続的な攻撃は、われわれの共有する価値を防衛する国々を結束させた」。ベネズエラの問題は「反米」の立場であることが明らかなのです。換言すれば、世界最大の石油埋蔵量を持つ国において社会・経済・政治秩序が提起している変革の過程は、米国と「西側社会」が推進する自由市場の民主主義に合わないと考えているのです。

 

l  しかし、米国がベネズエラ周辺地域で軍事的プレゼンスを持ち、常時監視しているだけでは不十分なのです。したがって、1113日にEU加盟国の外相たちは、ニコラス・マドゥーロ政権に「法の支配と民主主義」を強化するよう圧力をかける「規制手段」と考えるものの一環として、ベネズエラに対する武器輸出禁止策を承認したのです。

 

l  実際には物質的・象徴的に見てこの禁輸措置は、ベネズエラが「孤立し」、「包囲されて」おり、変革過程は「失敗した」という誤った印象を与えようと国際社会が講じて来た一連の政策に新たに加わったものです。具体的な例としては、マドゥーロ大統領に対して米州民主主義憲章を適用しようという強迫観念に駆られたOAS(米州機構)のルイス・アルマグロ事務総長主導でベネズエラに対して長年行ってきた運動があげられます。これらの「手段」は、経済戦争においては、包囲という不可欠の手段なのです。

 

l  このことは、むしろOASのいくつかの加盟国によるOAS民主主義憲章の原則の違反にあたります。不思議なことにこれらの国々は、いかなる加盟国の国土が侵害された場合にも適用されるべきTIAR(米州相互援助条約)の精神に違反しようとしているのです。これは、OASの最高責任者による法律上、また、客観的にもあらゆる法的秩序からOASが外れた行為なのです。

 

l  ティラーソン国務長官は、2月のラテンアメリカ諸国歴訪の際、この地域におけるベネズエラの役割を崩そうと願って、当面の地政学的目標を探しました。歴訪中にティラーソンが、「リマグループとOAS を通じてベネズエラに民主主義を復活させるために」、地域の諸国で行った会談について述べたことを考慮すると、もし仮に民主主義憲章適用の是非を問う投票が行われたならば、OAS内でベネズエラを制裁するのに必要な票数を確保する上で基本的に重要なのがカリブ諸国であることが理解されます。昨年OASにおいて、正にカリブ海の同盟国がベネズエラを援護して、米国は敗北したことを思い出すべきです。

 

l  ティラーソン国務長官が、右翼政権諸国のカルテル、自称リマグループを利用してベネズエラに対し、来る4月にリマで開催される米州首脳会議において、ベネズエラ政府を孤立化させ、連携して圧力をかけることを期待していると結論づける証拠が多数あります。

 

l  213日に米国と密接な同盟関係を形成している国々が合意した米州首脳会議における反民主的なベネズエラ排除は、各国元首と政府首班による議論や決定の水準まで上げられていないので、現在有効な基準には違反しており、失敗する方向に向かっています。

 

l  ティラーソン長官は、更にベネズエラ紛争で道が開かれるような新たな図式の中でモンロー主義を蘇らせようとしています。この主義を蘇らせたティラーソンによれば、ラテンアメリカにおける中国とロシアのプレゼンスが「欧州植民地主義」を思い出させ、それを口実に米国政府は、膨張政策を用いて西半球を米国の地政学的・軍事的・経済的後衛にしようとしています。ティラーソンは、中国とロシアが、彼の基準では「警戒すべき」「憂慮される」影響力を、有名な「裏庭」にたいして一層行使するのではないかという懸念を表明しています。

 

l  一部の覇権的メディアにより、ベネズエラが債務不履行(デフォルト)に陥るという推測が流されました。これを後押ししたのはStandard & Poor’sのような国際的格付け会社の表明でした。しかしながら、ベネズエラ政府は、すべての金融債務を債権者に返済し、2017年と2020年までの国債を保障しましたので、2017年現在のすべての債務は返済されています。更にベネズエラ政府は、債務のリスケを予定しています。2018年には他の約90億ドルの国債の支払いをしなければならないからです。米国が科した最近の経済制裁は、ベネズエラでは大統領選挙が行われる年であることから、国際機関が米国の圧力のもとで債務のリスケを阻止、あるいは少なくとも邪魔をするかもしれないことを示しています。

 

制裁、さらに制裁

l  国務省ができる範囲内で「ベネズエラの状況に対処する」ために、「あらゆる経済的・政治的・外交的手段」を駆使する論理で、ベネズエラ経済に「悲鳴をあげさせる」目的で、米国による経済制裁は位置付けられています(サルバドル・アジェンデが率いる人民連合政権を懲らしめるためニクソンは、チリ経済に対して制裁を行うよう頼んだのでした)。このように、15日米国財務省は、海外資産管理局(OFAC)を通して、ベネズエラの4名の高官に新たな制裁を科しました。

 

l  数週間後の122日、EUが米国の政策に加わり、ベネズエラ社会主義統一党(PSUV)副党首デイオスダド・カベジョ、最高裁判所長官マイケル・モレノ、内務・司法・平和大臣ネストル・ㇾベロ、ベネズエラ・ボリーバル国家情報局長官グスタボ・エンリケ・ゴンサレス、全国選挙評議委員長テイビサイ・ルセナ、検事総長タレク・ウィリアム・サアブ及びベネズエラ国家警備隊元長官アントニオ・ホセ・べナビデス・トレス、といったベネズエラ政府のその他の高官に対して制裁を科しました。

 

l  制裁内容は、これらの人物の資産凍結及びEU の全加盟国への入国禁止です。これらの制裁に加えて、201711月以降EU が課した武器輸出禁止、「国内の抑圧に使用」できるかもしれないあらゆる物質の輸出禁止が加わりました。更に米国政府がPDVSA CITGOといったベネズエラの石油会社と米国におけるその子会社の役員と企業に対して、以前述べた制裁も加わります。

 

l  最近、マイク・ポンぺオCIA長官が、トランプ宛に政治的、経済的面について多数の報告書を作成したことを明かしました。それらの報告書が、ベネズエラ中央銀行(BCV)や国営石油公社(PDVSA)が新規に発行する債券所有を禁止した制裁のベースになりました。

 

l  ラテンアメリカについては、太平洋同盟加盟国の大統領たちが、カルテル、リマグループを結成して、ベネズエラ政府に対する執拗なハラスメントが継続しています。リマグループとして、あるいは個人として、メディアを通じて、ベネズエラが「自由、民主主義、法の支配と人権の尊重を回復し、ベネズエラ国民に悪影響を及ぼし、苦しめている深刻な経済的・人道的危機を克服する」必要性について、繰り返し公言しています。また、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領も、最近行ったEU歴訪中に同様の意味の声明を出しました。この筋書きは、ラテンアメリカやヨーロッパの著名な元大統領たちが参加し、これらの声明を補強し、OAS に対し米州民主主義憲章を適用するよう執拗に申し立てるというものです。

 

l  今述べたあらゆる行動や声明と並行して、Human Rights Watchのような一見進歩的な人権擁護団体やシンクタンクの報告書が、「中立性」を装って刊行されています。これらのアナリスト達は、以前に述べた内容と軌を一にして、「体制転換」に向けて圧力をかけるためにベネズエラにおける「人道的危機」、「人権」の弱体や「民主主義」の不在を議論しています。数か月前にベネズエラの選挙の前倒しを要求していた人々が、今度は2018422日の大統領選挙実施を拒否しているのです。 

 

l  ドナルド・トランプ大統領は、最近の一般教書で「私の政権もキューバとベネズエラで共産主義と社会主義の独裁に厳しい制裁を加えた」と断言しました。

 

l  ドナルド・トランプは、ベネズエラ経済を攻撃目標にした行政命令(オバマ大統領が前に出した条例を継続して)を発令しました。詳細に読めば、ベネズエラが、米国にいるベネズエラの友人と関わりを持つことを阻止すると同時に、対外債務の返済や対外債務への新たな資金供給の可能性を規制しようという意図した、明白な妨害行為であることが分かります。

 

l  国際金融システムの大半は、近年ベネズエラの金融活動に対する封鎖体制を進めてきました。つまり、いろいろなベネズエラ国内機関(公的及び私的)によるベネズエラへの輸出業者への支払い、入金、送金、投資案内の管理、債務返済、国際的な資金源へのアクセスを制限しているのです。ベネズエラに反対して銀行のコルレス(代理支払い)契約が、一方的に相次いでキャンセルされました。PDVSAが発行した債券の支払い代理店であるデラウェアは、20177月から同銀行の米国にあるコルレス(代理支払い)銀行が、PDVSAからの資金の受け入れを拒否すると連絡しました。一方ポルトガルのノボ銀行(Novo Banco)は、20178月に仲介業者が封鎖しているためベネズエラの公的機関によるドル建ての業務はできない、と通知してきました。ベネズエラ債権のかなりの部分を保管しているベネズエラの国債のかなりの部分を管理しているユーロ・クリアー(Euroclear)社は、「見直し」の過程にあるかなりの額の保留国債の取引を留保しています。それは、OFAC の圧力によるもので、12億ドル余となります。ベネズエラと提携しているチャイナ・フランクフルト銀行(Bank of China Frankfurt)は、カナダの鉱業会社Gold Reserveに対する1500万ドルに上る債務を支払を履行することができませんでした。

 

l  食料及びその他の基本物資の輸入支払いが、封鎖を受けています。例えば11月の第三週には食料の代金支払いに向けた23余の業務で3,900万ドの支払いが返金されました。といいますのは、輸出業者の仲介銀行が、ベネズエラからの資金を受け入れようとしなかったからです。似たような状況が、クリスマス用品の買物、医薬品(インシュリン、マラリア治療薬)、種子、ベネズエラのスポーツ選手の移動(ウエルズ・ファーゴ銀行Wells Fargoが業務を阻止しました)、通信(オランダ・ラボ銀行Rabobankが、送金名義人がOFACの制裁対象であるとして国際通信社テレスルTelesurの運営のための支払いを拒否しました)でも起きました。

 

l  トランプ政権は、ベネズエラ経済にとって石油輸出が戦略的価値を持つことを認識して、ベネズエラに対し石油禁輸措置の適用を考えています。公式には最初この考えは、昨年9月に米国の国連常任代表、ニッキー・ヘイリー大使から出されました。2月、ティラーソン国務長官がアルゼンチン訪問時に、「米国における石油の販売やベネズエラ製品の精製に制裁を加えることをわが国は考えている」と述べました。

 

カリブ海においてベネズエラの石油に対抗する米国

l  経済戦争は、エネルギー分野に対する圧力も含まれます。周知のように、ベネズエラは、2005年にペトロカリブ(Petrocaribeカリブ石油供給協定)の創設を推進しました。このイニシアティブには、カリブ15カ国余が加盟し、ベネズエラがこれら加盟国に助成価格で石油を販売し、支払いにも便宜を図る、という形で協力しています。問題は、ベネズエラから見れば、同盟国のエネルギー安全保障を確固なものにして、その発展を保障し、それまでとは異なる地政学上の協力の基礎を築いていることです。

 

l  米国は、伝統的に米国の影響下にあったこれらの小さく経済力が脆弱な国にとって、関係を多角化し、より自由に行動できるようになる通商協定を実現することは戦略的な意味をもつことを認識していました。それゆえ、バラク・オバマ大統領の政権時からPetrocaribeから石油を調達するのを止めて米国との新しい同盟国から調達するよう、カリブ海諸国に対し圧力をかけました。米国は、ベネズエラの対外政策の支柱の一つを壊そうとしたのです。このようなことから、20151月に米国は、CELAC(中南米・カリブ海諸国諸国共同体)の第三回首脳会議開催に合わせて、カリブ諸国を招集して会議を行いました。その会議の後、4月にCESI(カリブ・エネルギー安全保障イニシアティブ)が、設立されました。米国は、石油価格下落後ベネズエラが、経済危機に陥ったことを、またそれがペトロカリブの協力関係に影響を及ぼし得ることを利用して、カリブ海の島嶼国を自らにひきつけようとしました。Petrocaribeが不安定である、という考えは、Atlantic Councilのような米国のエスタブリッシュメントの複数のシンクタンクが事前に研究しており、2014年にはUncertain Energy: The Caribbean’s Gamble with Venezuela(不確実なエネルギー:カリブ海によるベネズエラへの賭け)というタイトルの報告書が公表されました。

 

l  米国の更なる戦略は、エネルギーの代替をアピールするものでした。表面的に環境保護を唱える議論の裏には、カリブ海のような米国にとって地政学戦略的に重要な地域において、ベネズエラの影響力をくつがえそうとする地政学的な議論が隠されています。この文脈において、昨年1115日に米国国務省は、「カリブのエネルギー多角化を支援する」ために430万ドルを供出すると発表したことが理解されます。この発表が、「米国・カリブ海の繁栄に関する円卓会議」の枠組みでなされ、資金は、CESIの推進とカリブのための2020年戦略のために役立てる、といっていることを強調することは、重要です。この計画には、国務省のエネルギー資源局、米国開発庁(USAID、近年類似の諸計画を既に持っている)と海外個人投資会社(OPIC)が参加しています。国務省自体の説明によると、その仕事は「エネルギーに関する技術援助、計画準備のための補助金、企業にとって新規機会並びに世界で競合できる米国エネルギー輸出」をもたらすことです。

 

 

干渉の可能性

l  こうして、都合により合同で、または単独で実行する様々な規模や戦略が、明らかになりました。すなわち、国際機関や外交を通じた政治的圧力、経済的圧力、破壊活動、市街での暴力的なシナリオの構築、軍部による決起の誘い、「不安定性が高度になった」場合での介入の脅迫(これは南方軍の役割でしょう)です。これらすべてに、国際報道が付け加わります。実際、英語メディアや、スペインにある大手メディアでベネズエラに関して偏った(悪い方に)報道をしないものはありません。世界の世論に干渉者側の表現(「人道的危機」「警察国家」「麻薬独裁体制」)を売り込むのは、報道企業のできあがった確認されている戦略なのです。ますます、追いつめられた無法の、破産した国家であると語るのです。すべては、ベネズエラが直面している「人道的危機」について、同意を得るためであり、そのことにより、様々な種類の干渉を正当化できるからです。

 

l  今述べたことに、ラテンアメリカ地域における米国軍のプレゼンスが増していること、最近カート・ティッド提督がコロンビアを訪問したこと、コロンビアとブラジルに駐屯していた複数の部隊がベネズエラとの国境地帯に移動したこと、他方ではベネズエラ移民の問題で悪印象を与えようとしていることを勘案しますと、最小限の口実でベネズエラに軍事介入するための完璧なシナリオが作られつつあるように思われます。後は挑発することで、虚偽であってもいいのです。コロンビアからの偶然の攻撃か、ベネズエラ国内での何らかの暴力行為か、それが、ラテンアメリカの1カ国または複数の国の軍隊の干渉を正当化する、というもので、そのことにより、米国南方軍が何らかの形で介入する状況が作られることになるのです。

 

l  先週、ベネズエラのネストル・ㇾベロル(Néstor Reverol)内務・司法大臣は、コロンビア陸軍が150名以上のベネズエラ人を徴兵したことを非難しました。これは、彼らにコロンビアの身分証明書を迅速に供与して、彼らに反コロンビア行動を行わせ、ベネズエラ=コロンビア国境地帯で偽の身分証明書であることが暴露される事件(虚偽の身分証明書をもった行動)をでっちあげるためです。 

 

制憲議会

l  国内外の構成員を使った帝国主義の攻撃が、強まるなか、ニコラス・マドゥーロ大統領は、201751日に国の平和と対話のための制憲議会選挙を招集しました。大統領直属の委員会が設立され、選挙基準案を策定し、地域別と分野別の投票を決定しました。制憲議会を招集する決定は、ベネズエラのテロリスト野党が引き起こした紛争と暴力のただ中で、高級の対話を行うことを提起したものです。日常的な厳しい批判という困難を解決し、わが国における経済、政治、社会モデルにおいて構造的な矯正を実現するために、制憲議会は必要な場なのです。

 

l  昨年730日に制憲議会の選挙当日、多数の国民の投票行動を困難にしたのは、暴力行動でした。問われていたのは、マドゥーロ大統領の政権が、2015年に投票しなかった200万人の一部のチャベス派を取り戻せるかどうかでした。しかしながら、攻撃と暴力が、チャベス派=マドゥーロ派及び批判派を制憲議会に関わって団結させるにいたったのでした。その時、選挙キャンペーンは、平和の呼びかけが設定されました。制憲議会により、議員たちが属する分野や地域に基づいた提案をもった、新たな基礎的指導層が出現したのです。

 

l  制憲議会が成立して以来、ベネズエラは、平和への道のりに戻ることができました。われわれは、国に対する極右分子が行う暴力による不安定化キャンペーンを打ち破りました。それは、彼らが外国の介入とニコラス・マドゥーロ共和国大統領に対するクーデターを正当化する計画を、再活性化しようとするものでした。

 

l  制憲議会は、本来、国民に存する権力を解き放ち、今やベネズエラ社会の重要な仲介者としての役割を果たす構えでいます。制憲議会は、最も多様な民主主義を現実的に行使するという精神を常に持ちつつ、論争に終止符を打つためには、欠かせない場なのです。国は、引き続き、他の各権力とその機関の権限と相互依存性を尊重しつつ、これまでの道を進んでいます。

 

l  全国選挙評議会の規定に沿って、選挙日程が決められました。ベネズエラでは7月末から1210日までの間の140日間に3つの選挙が実施されました。制憲議会選挙、県知事選挙及び基礎行政区選挙です。これらの三つの選挙で、チャベス派は、再評価され、再び選挙での力を増し、明白な勝利をおさめました。

 

l  10月におこなわれた県知事選挙は、投票率は54%で、チャベス派は54%の得票率を確保しましたが、野党は得票率45%でした。国内23県のうち18県でボリーバル革命が認められました。

 

l  基礎行政区選挙には、70余の政党が参加し、チャベス派は、6,517,605票(得票率70%)を獲得したのに、野党は2,749,778票(得票率29%)を得票しただけでした。ボリーバル革命は、305の基礎行政区長(92%)を獲得、野党は25の基礎行政区長(7%)、その他の政党が5の基礎行政区長(1%)を獲得しました。

 

l  同様に、来る422日に大統領選挙が招集され、12政党が候補者を出します(224日現在)。ニコラス・マドゥーロ大統領は、最近開催されたPSUV(ベネズエラ社会主義統一党)の全国大会においてチャベス派の候補者に任命されました。

政府と野党の対話

l  前述した判断材料を見れば、ドミニカ共和国における野党とベネズエラ政府の対話の場を崩そうと急いだ、米国とコロンビアの寡頭政治支配者の行動を理解できます。もし、両者が既に用意し、双方が承認していた合意書に署名していたならば、ベネズエラに対する介入の陰謀が少なくともしばらくの間は停止することになるはずですから。

 

l  2017年末、マドゥーロ大統領が推し進め、ダニロ・メディーナ(Danilo Medina)ドミニカ共和国大統領が後援者となり、スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテーロ(José Luis Rodríguez Zapatero)元首相が仲介者となり、ドミニカ共和国で政府と野党間の対話が行われました。フリオ・ボルヘス(Julio Borges)を団長とするベネズエラ野党代表団が、合意書の作成を作業しました。いつものように、ボルヘスは、様々な国や国際機関に対して、一方で対話を肯定しながら、他方で経済封鎖を更に厳しくし、制裁を拡大し、ベネズエラの内政に外国が介入するよう求めました。

 

l  このような状況を前に、サパテーロ元首相は、公開書簡によって、マドゥーロ大統領側は既に合意を果たしており、野党には最後の瞬間に態度を変えて攻撃するのではなく、これまで形成してきた合意を尊重するよう主張しました。結果として、ボルヘスは、何度も矛盾する表明を行ったあと、ベネズエラ全国選挙評議会により行われた選挙の呼びかけを拒否しました。ところが、この同じ評議会が、数度の選挙で野党が勝利したことを承認しているのです。

 

ベネズエラの同盟国

l  ベネズエラが国際的に孤立しているという考え方を押し付けるのは、基本的に、強力な経済権力に結びついたメディアによるプロパガンダによるものです。これらのメディアにとって、国際システムは、西側の中心的な大国の存在に限定され、中華人民共和国、ロシア連邦、インド、ブラジルなどのすべての新興国は無視されているようです。しかし、これはBRICSに限ったことではありません。ウーゴ・チャベス元大統領は、ベネズエラの外交政策を、ベネズエラの二国間関係においても多国間関係においても、また、影響範囲の多様化においても、それまではベネズエラ外交が開拓していなかった国や地方まで展望を広げました。その結果、ベネズエラ国家は、過去10数年間、国際的に第一級の積極的で精力的な国になりました。OPECの交渉においては、世界の確認済石油資源の主要な保有国として中心的な役割を果たし、国際的な反帝国主義の基準にもなっているという特徴からも、国際的孤立という図式は、偽りであることが分かります。

 

l  事実20169月から2019年までベネズエラは、NAM(非同盟諸国運動)の議長国を務めています。ベネズエラは、初めてこの国際組織の責任を負っていますが、海外で国が、大いに問題視されている時期だけに、大きな象徴的意味があります。また、ベネズエラは、2017年からカリブ諸国連合の議長国でもあります。

 

l  ボリーバル革命に対して虚偽の証言がなされたり、国内政治に不安定化が誘引されたりしても、それにもかかわらず、ベネズエラは、ここ重要な数カ月間に中国やロシアといった大国と通商協定に調印しましたし、これらの国の政治的支援を受けています。ロシア企業は、米国による制裁が行われているさなかに、PDVSAに前払いをして支援しています。

 

l  ベネズエラの変革プロセスに対して、日々軍事・政治・経済及びメディアによる包囲が行われており、包囲の当面の目的は、ベネズエラは孤立しており、強力な同盟国がなく、「出口が無い」という考え方を植え付けることです。しかしながら、ベネズエラ国民は、強さと自尊心があることを見せています。それは、去る7月の制憲議会選挙と2017年の県知事選、基礎行政区選での国民の参加に示されました。一方ベネズエラ政府も、引き続き、国際的な同盟を強化しています。包囲は現実にありますが、失敗しています。新自由主義のメディアの予測に反して、ベネズエラ国民が変革プロセスの強化を目指しているという「想定外」の現実がありますが、そのことは、来る422日の大統領選挙で再び示されることでしょう。

 

結論

l  帝国主義はベネズエラに対する干渉の水準を高め、ボリーバル革命への攻撃を強化するための条件を作り出そうとし、合法的なマドゥーロ大統領政権を不安定にし、「体制の転換」を招こうと企図しています。

l  この条件には、国際世論の前で、ベネズエラを否定的に画き、帝国主義の戦略を正当化する容赦ないメディア操作が含まれています。ベネズエラ人の近隣諸国への「想像上の大量の恒常的な移民」による人道的危機という場面が強調されています。

l  かくして、干渉の仕組みは、政治的、外交的、メディア的、経済的圧力を含むまでに拡大され、最も懸念されることは、軍事的オプションとなっています。

l  軍事介入の脅迫は、この恒常的な増大している強力な圧力に加えて、革命の過程に「制裁」を科すために、より不安定化を招く要因として使われています。

l  ワシントンにとって、唯一の解決は、今や、ニコラス・マドゥーロの交代及び「体制の転換」となっています。このオプションは、内戦と甚大な人的・経済的損失の危険を内包するもので、最近イラク、リビア及びシリアで適用された荒廃と悲惨なモデルと同じものです。

l  そして、ベネズエラの反政府派は、このオプションを支持して、ドミニカ共和国での対話で到達していた合意に署名することを拒否しました。この合意は、内部の政治的紛争を減少させるためには必要な一歩となっていました。この反政府派による拒否でもって、ベネズエラに対し金融的、経済的に最大限の包囲を進めるための必要な口実を作り出そうとしたのです。

l  帝国主義の攻撃は、ベネズエラを米州の政治的に重大な問題点と認識し、転覆する―それも急速に―必要性があるとするものです。というのは、ベネズエラは、米州において新興の多国間ブロック(中国、ロシア、2018年の国家安全保障戦略の地政戦略の視点に従えば)の導入のために地政学上の橋渡しとなっているからです。米国は、米州を専一的な地政学上の後衛と考えているのです。

l  日程と要因が組み合わされており、危険で憂慮されるものとなっています。こうした干渉行為を合法化することを支持し、推進している地域の右翼政府が果たしてきた悲しむべき役割がそれを代表しています。

l  帝国主義の増大する攻撃に対決するために、ボリーバル革命は、引き続き社会的成果を前進させ、参加型、国民が主人公の民主主義を改善し、住民共同体を通じた社会運動組織を拡大し、変革の過程を支持する政治勢力と団結し、疲れを知らぬほど努力しています。これは、フィデル・カストロ司令官が「思想の戦い」と呼んだ、国民の意識改革です。

l  ベネズエラにおいては、平和、民主主義、独立、主権、民族自決権を擁護する決定的な戦いが展開されています。

l  連帯は、ベネズエラ及びボリーバル革命が覇権主義大国に抵抗できるための道具です。独立、主権、民族自決権の擁護のために闘う人々の努力を結集し、相互の連帯を強化することが必要です。

 

終わりに当たり、永遠の司令官、ウーゴ・チャベスがわれわれに残したことば、皆さんとともに共有したいと思います。「帝国主義が存在するかぎり、ボリーバル革命は、危険、脅迫にみまわれる。というのは、われわれは、彼らの代替モデルを建設しており、もしわれわれが成功するなら、資本主義が一掃されるからである」。

 

ボリーバル革命との一貫した連帯に感謝いたします。

 

ベネズエラ医療危機の真実が叫ばれていますが、作られた危機だけが声高に叫ばれ、本当の危機は無視されています。これはその一端を報告した記事です。

CORAL WYNTER
Barquisimeto
September 25, 2017

この記事は、グリーン・ウィークリー・ウィークリーが、ララの州都バルキシメトで「命のための女性運動」をになっている活動家カトリーナ・コザレクから取材したものです。

今年の初めから、ここララ州で出産時に76人の女性が死亡しました。これはベネズエラの中で最悪の数字であり、他の国の死亡率の3倍にものぼります。

この州は貧しい黒人が多く住んでいますが、医者も看護師も、黒人女性の扱いは本当にひどいものです。彼らは女性の尻を叩き、名前を呼び捨てにしてこう言います。
「叫ぶんじゃない。お前がセックスをしていた最中にはそんなに叫んでいなかったろう」
これらは、産科病棟のホラーストーリーの一部にすぎません。
本当なら医師はこんなことをしたら免許を失ったり、停止処分を受けたり、刑務所に行く可能性もあります。しかしそのようなことは、これまでのところ起こっていません。

ベネズエラ医療危機をもたらした犯人
ベネズエラの保健システムは州単位に「分権化」されています。まずこのことに注意することが重要です。
保険医療のための資金と、医薬品などの供給は国からまわされて来ます。しかし、それにもかかわらず、州の健康に関する行政上の決定はすべて地方自治体が管理統制しています。
ここララ州の場合、知事は野党のアンリ・ファルコン、州保健部長も野党のルイ・メディナです。
この州の保険医療はひどいものです。薬の不法取引に関わる地下のネットワークが形成されています。それがマドゥロ大統領に対する経済戦争の一環を担っています。
ほとんどの医師や看護師は、上層階級に属しています。だから政府が社会と健康管理システムをどのように運営すべきかについて、私たちとは全く異なるビジョンを持っています。圧倒的に、彼らは野党=ララ州政府を支持するのです。

ベネズエラ人医師が抱える道徳的問題
看護師や医師は、例えば帝王切開を行うと称して、公立病院から出産用医療セットを譲渡するよう要求することがよくあります。しかし多くの医師たちが、その出産用医療セットをヤミ業者に横流ししてしまいます。
ではどうするか。医者や看護師は、患者に「あなたは自分の薬を見つけなければならない」と伝えます。そうすると患者・家族は薬局に行って必要な器具や薬を買い求めなければならなくなります。「まさか、ウソでしょう」と思うでしょう。
しかし本当です。カラボボ州(ララ州の隣)のバレンシア中央病院の病院長は、薬や器具をヤミ業者に横流ししたのがバレて逮捕されました。
メリダ州の病院ではさらにおぞましいことがありました。
ある看護師はある日、街頭での衝突で負傷したチャベス支持者が担ぎ込まれました。このとき一人の看護婦はこの患者に致死的な薬液を注入するよう強制されたといいます。

女性グループが立ち上がった
コザレクらバルキシメトに住む女性グループはこのような状況を打破するために立ち上がりました。彼女たちは、出産キットを医師と看護師を迂回して確保するためのシステムを作り上げました。それは「女性のための地域共同防衛隊」と名付けられました。
それは病院の労働組合が仲立ちするものです。帝王切開の症例が発生したとき、女性グループからの連絡を受けた労働組合が、当局に出産キットの払い出しを代理申請します。キットを受け取った労働組合から患者に手渡すというシステムです。
「私たちはこのシステムによっていくつかの正義をもたらすことができました」と、コザレックは述べています。「病院の労働者と一緒に、私たちはこの状況をコントロールすることができるようになりました」
この社会実験が行われたのはバルキシメト郊外La Carucienaの小規模公立病院でのことです。それは公立病院ですが、死亡事故や不審死の大部分が発生する州都の主要病院ではありません。
コザレックは振り返ります。「これは簡単なプロセスではありませんでした。医者たちはこの試みに反抗しました。先週には、病院の専門医2人が退職すると脅かしてきました」

州幹部を巻き込んだ大泥棒作戦
保険医療の戦線での「戦争」で使用された別の戦術は、泥棒作戦です。すなわち大型・高額医療機器の盗難です。
これらの機器は公的病院のためにチャベス政権が購入したものでした。しかしそれらを現場で使用するのは医師たちです。
医師の多くは個人開業医を兼ねていたり、あるいは転職して開業するつもりです。このような場合、医師は、個人開業のためにそれらの装置を盗むことが往々にしてあります。
何人かの医師は窃盗がばれて刑務所に行きました。しかし多くの医師はうまいことそれを手に入れました。もっとひどいのはそれを転売することです。
しかしそれは盗品買いがいないと成立しません。その先頭に立ったのが野党政治家です。
ララ州の知事も州都バルキシメトの市長も野党所属です。彼らこそが医薬品や医療機器の闇市場ネットワークを構築する主役となったのです。
全国女性連合の闘い
コザレックたちは「全国女性連合」(Unamujer)に結集して、これら野党勢力と対決することになりました。
「私たちは2015年に記者会見を開きました。ララ州での妊産婦の死亡率は高い、そしてさらに上昇しつつあると主張しました」
「私たちは州政府前の広場まで行きました。私たちのビデオカメラが撮影を開始した時、近くの野営事務所から50人ほどが出てきて、私たちに石を投げ始めました。私たちは20人くらいしかいませんでした」
「私たちは、投石者のうちの何人かが知事の有給秘書であることを確認しました」

このあと最後の一言を誰かに聞かせたい

これが現実です。しかしいつものように、この現実はどれも国際的なマスメディアで語られていません。
その代わりに富裕層相手の小商売を営む「庶民」が三段抜きの記事で取り上げられる(しかも外信の受け売り)。これでは創刊90年の歴史が泣こうというものでしょう。

インデペンデント オンライン 1月3日号


これはトランプがベネズエラへの武力侵攻を考えているとの発言に関してのもの

世界各国の政府は、ベネズエラ政府が政権の民主的移行を認めず、基本品目の価格急騰を放置していることを批判しているが、解決策として武力紛争を提起したものはいない。

EUや近隣諸国からいくつかの経済制裁が行われてきたが、マドゥロ氏の統治権力を否定するものはなかった。

しかし、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、パナマの閣僚は、マドロ氏の辞任を促すための「軍事的選択肢」に関するトランプ氏の提案を覚えている。
それは17年9月の米州会議後の首脳夕食会における一場面である。

「レックスは、あなたが『ベネズエラで軍事的な選択をしたくない』と言っていると、私に伝えていますよ」
夕食会の参加者によると、トランプは同席する首脳の一人にそういったそうだ。その時トランプの左にはレックス・ティラーソン国務長官が座っていた。

結局のところそのテーブルに座った人々は、トランプの意見に反して、武力干渉が極端な措置になるとの判断で合意した。その時トランプはこう言ったそうだ。

“Is that right ? Are you sure ?”

「夕食が終わる頃、ラテンアメリカ各国指導者たちはショック状態に陥りました。武力紛争はただの空想の話ではなかったのです。 
覚悟していたとはいえ、米大統領の就任以来の8ヶ月は、彼らの想像の範囲を全く超えていたのです」
こうPolitico紙はレポートしている。

元米国関係者は、「ラテンアメリカの指導者たちは、間違いなく、米国の広範な関与について再確認した。そして就任後8ヶ月であるにせよ、米国の関与に関するトランプの無知に驚いた。そして将来の恐るべき不確実さについて懸念を抱かざるを得なかった」


バーク・オバマ政権時代に国家安全保障理事会の西半球上級代表であったマーク・フェイエスタイン氏は12月の米州協会・米州会議で語った。

 トランプ政権の国家安全保障理事会は、ベネズエラを大統領の3つの優先事項の1つとしている。イランと北朝鮮は他の2つである。

9月の夕食よりわずか1ヶ月前に、国連総会の席上で、トランプ氏は語った。
「ベネズエラのための多くの選択肢があり、そこには軍事的選択肢も含まれる」

マドゥロ氏はこの不安を利用して支援を集め、この地域のアメリカの外交官は不安と緊張を和らげるために奮闘した。

一方で米国はベネズエラ国有石油会社に対し厳しい制裁を課している。

この記事はやや大雑把なところがある。別な記事ではこうなっている。
When President Donald Trump sat down for dinner on September 18 in New York with leaders of four Latin American countries on the sidelines of the annual United Nations General Assembly,

テレスール 23 December 2017

ベネズエラ政府と平和と団結の促進を目的とした野党間の会談は、1月11日と12日にドミニカ共和国で再開する予定です。

ベネズエラの制憲議会(ANC)のデルシー・ロドリゲス議長は、公衆に与えられた右翼の暴力に関する報告書を発表しました。

ロドリゲスは、土曜日に公表された「真実、平和、公共の平穏」委員会が作成したこの報告書では、「このような暴力行為の責任者は、地域社会の仕事に着かせるよう処罰されるべきだ」と勧告しています。

「同委員会は、4カ月を費やして、被告人を捜査し拘留者にインタビューしている。それは正義、被害者の理解、国民の和解に貢献するためだ」と彼女は述べている。

「ベネズエラを不安定化させようとする右派の暴力事件を防ぐために、加害者に被害者を補償させるべきだ」と報告書は述べている。

ロドリゲスは、この勧告をこう締めくくる。
「労働奉仕は平和に到達する道具」である。それは犠牲となった被害者が持つ「尊厳の権利の報酬算定式」を用いて算定される。

政府機関は、右翼暴力を犯した80人以上の人々をこのやり方で釈放するよう勧告している。

「ベネズエラ人の国民としての統一を通してのみ、ボリーバルの遺産を可能にすることができると我々は理解している」
ロドリゲスはこう書いています。 「ベネズエラで平和が構築されれば、それを排除できるものなどない」

この報告書は、現在ニコラス・マドゥロ大統領と司法機関に送られています。

ベネズエラ政府と平和と団結の促進を目的とした野党間の会談は、1月11日と12日にドミニカ共和国で再開する予定です。


「私たちはベネズエラをみどり児イエスに委ね、様々な人々の静かな対話が再開できるようにする」とフランシス法皇は述べた。

フランシスコ法皇は、クリスマスメッセージを使って、ベネズエラ政府と野党の間の継続的な対話の重要性について話した。
そして、永続的な平和を達成し、社会福祉を強化するために、交渉が政治的な裂け目を癒すのが不可欠であると述べた。

「ベネズエラをみどり児イエスに委ね、愛するベネズエラの人々の利益のために様々な社会的構成要素の間の穏やかな対話を再開できるようにする」とフランシスコ法皇は述べた。

会談は、ドミニカ共和国の首都サントドミンゴで1月11日と12日に再開される予定である。
そこでは国の政治的、社会的、経済的課題を解決する仕組みを作り出すことになっている。

アジェンダとしては次の6つのポイントが考慮されている。
すなわち
①真理委員会の設置。
②経済的保証;
③政治的および選挙的保証。
④全国制憲議会の承認
⑤制度的調和を達成する方法、
⑥経済的および社会的ニーズなどが含まれる。

教皇は、バチカン外交団のメンバーへのメッセージの中で、対話を進めるのを手伝う意欲を表明した。
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、右翼野党との会談を要請した多くの団体に手を差し伸べた。

関係改善は、地方選挙後、カラカスのミラフローレス宮殿で野党連合(MUD)の市長と面談した2013年に始まった。
しかし、17年4月、野党が暴動を誘発した。
100人以上が死亡した。その中には21歳のオーランド・ホゼ・フィゲイラのように、単に「チャビスタである」という理由で生きながら焼かれた人もいた。
その結果、公的・私的財産に何百万ドルもの損害をもたらした。
burned
   野党デモ隊によって焼かれたチャベス派の青年(その後死亡)
2017年9月には最新の平和協議が行われた。ドミニカ共和国で野党との予備調査会議が開催された。
ドミニカ共和国のダニロ・メディナ大統領とスペインの元首相ホセ・ルイス・サパテロが首脳会談を行い、2回目の協議を進めることになった。
2回目からはメキシコ、チリ、ボリビア、ニカラグアなどの代表団も同席することになっている。


もう一つのベネズエラ
OTRA VE


いろんな記事がブログに散らばるのはうっとうしいものです。自分でもそうだから、見に来る人はいっそう、うっとうしいと思います。

とりあえず、このページに全部放り込むことにしました。といっても実際にはサイト内リンク集です。

実際にはかなりの記事はリンク先に跳んで読んでもらうことになります。

これと同じものが私のホームページ「ラテンアメリカの政治」に載ります。ブログに書いた記事は同時にホームページのリンク集「もう一つのベネズエラ」に掲載されます。探しものがる場合はそちらに言ってください。

よろしくお願いします。


Ⅰ.最近のベネズエラ

ここ2,3年のベネズエラ関連記事です。「もう一つのベネズエラ」の本体部分です。

A.2018年前半

2018年01月18日 ベネズエラ共産党の現状分析

2018年01月11日 2017年、ベネズエラ人民はどう闘ったのか ③

2018年01月10日 2017年、ベネズエラ人民はどう闘ったのか ②

2018年01月10日 2017年、ベネズエラ人民はどう闘ったのか ①

2018年01月05日 ベネズエラ記事の紹介

2018年01月05日  ベネズエラの「ある左翼」

B.2017年後半

①2017年12月25日 ベネズエラ:国連人権専門家の最新報告

②2017年12月25日 大統領選への道は開かれている。

③2017年12月25日 変動相場制が絶対ではない

④2017年12月24日 封鎖されつつあるベネズエラ

2017年12月24日 ベネズエラ ハイパーインフレの原因

2017年12月23日 ベネズエラ側の言い分

2017年12月23日 ベネズエラ経済分析はとりあえず保留 

2017年12月22日 ベネズエラのカトリック教会は恐ろしく下品

2017年12月21日 ニューズウィークのほうがまだマシ

2017年12月21日 ある進歩的な新聞の「反ベネズエラ」報道

C.2017年前半

2017年05月25日 ベネズエラ 野党の行動をどう見るか

2017年05月25日 ベネズエラ 野党の行動記録

2017年05月22日  ベネズエラ野党の大統領辞任要求に道理はない

2017年05月17日 カラカス情報 心得るべきこと

D.2014~2016年

2016年07月21日 ラテンアメリカ人民の闘い: この間の動向

2016年07月20日 ラテンアメリカの方向は人民の戦闘性により規定される

2016年07月23日 ベネズエラの政治危機

2015年12月18日 ベネズエラの選挙結果についての見解 

2015年12月17日 ベネズエラ国会選挙 第二報

2015年12月17日 ベネズエラ国会選挙 第一報

2015年02月04日 原油安 誰が敗者となるか

2014年12月26日 OPEC決定の画期性

2014年11月26日 ラテンアメリカ、最近の動き(2014) その2

2014年11月26日 ラテンアメリカ、最近の動き(2014) その1

2014年06月16日 ラテンアメリカ左翼政権一覧表


Ⅱ.チャベスのベネズエラ

1990年のカラカソ(首都カラカスでの暴動)から、チャベスのクーデター。98年のチャベス当選から、反チャベスのクーデター、ゼネストやリコール作戦の失敗、チャベス改革の開始までがふくまれます。

2013年03月12日 石油生産、いらぬ心配はご無用

2013年03月12日 WSJはチャベス革命の死を願う

2013年03月12日 チャベスの死と資本家の大はしゃぎ

2013年03月10日  チャベス革命の道筋 その3

2013年03月10日 チャベス革命の道筋 その2

2013年03月10日 チャベス革命の道筋 その1

2013年03月07日 チャベスに関する私の過去発言

最近では、チャベス政権を正面から批判できなくなったため、経済運営に対する非難という変化球で攻めてきています。これに対する反論は、ブログの中で随時触れています。


2013年03月06日 チャベス、3つの功績

2013年02月22日 日本はマクロ指標が狂っている

2012年10月06日 ベネズエラ 最終盤の状況

2012年08月18日 チャベス政権の十年: 経済・社会指標の検討

2012年08月15日 ベネズエラ 世論調査の動向

2012年08月13日 赤旗「ベネズエラはいま」を読む

2012年08月13日 チャベスの対抗馬ラドンスキー

2012年08月12日 エコノミストはベネズエラを評価している

2012年08月11日 赤旗の「ベネズエラ特集」について

2012年05月25日 「これが世界だ」2012年版 その6 ラテンアメリカ: リーマンショックからの回復

2011年09月26日 南米を変えたこの十年 その5

2011年09月26日 南米を変えたこの十年 その4

2011年09月23日 ベネズエラ もう少し考えた

2011年09月22日 ベネズエラ経済: 立ち止まって考えた

2011年09月22日  ベネズエラ経済を、ふと考える

2011年05月11日 アメリカとベネズエラ、国民が感じる「幸福感」

Ⅲ.ベネズエラの歴史

ブログを始めたのが東北大震災の直後、2011年5月からなので、それ以前の記事は私のホームページ「ラテンアメリカの政治」にあげています。

チャベスについては下記の4本の記事が基本となっています。

ベネズエラ…何が起きたのか?

2002年 ベネズエラ・ゼネストに学ぶ

2つの闘争に勝利したチャベスの政策については下記をご参照ください。

ボリーバル運動の展開: チャベスの挑戦

ベネズエラにおける憲法改正

ベネズエラではシモン・ボリーバルの南米解放からベネズエラの建国、石油開発、軍事独裁、ゲリラ闘争などが展開されました。そのあらましが年表などに記載されています。

#1 ~2001, 312kb  

#2 2002~ , 209kb 

#2 2004~ , 250kb 

 

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