鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

カテゴリ: 31 対米従属/構造問題(国家・経済構造の分析含む)

今宮さんの記事の隣に、「経済コラム」という囲み記事があって、これは記者が交替で書くいわば経済面の「潮流」みたいなものだ。
本日は金子記者の署名で「表の主役と裏の主役」というもの。この場合安保条約第5条が表方で、第2条が裏方だということになる。
今回の安倍首相の訪米は、表が尖閣諸島で、安倍首相はこのために経済協力という名の手土産を差し出したという評価であるが、これを安保条約と結びつけた発想が新鮮だ。金子記者のオリジナルかどうかは知らないが。
以下引用
今回の首脳会談では、米国の「日本防衛」を定めた安保条約第5条の適用範囲に尖閣諸島が含まれる、とトランプが表明したことが注目されました。
これと並んで、「互いに利益をもたらす経済関係の構築」と、「(アジア太平洋地域での)市場障壁の削除」との文言も書き込まれました。
これは安保条約の第2条、「国際経済政策における食い違いを除くことに務め、両国間の経済的協力を推進する」との条文に照応するものです。
安保条約の条文を今一度おさらいしておこう。
第二条: 締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによって、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する
第五条: 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。(後段 略)

5条と2条のバーゲンという図式はレーガン政権発足時の「ロン・ヤス関係」に似ている。ともに癒着と従属を深める政策であることには変わりないが、どちらを売ってどちらを買うかという中身が逆になっている。
「ロン・ヤス関係」では日米貿易摩擦の中で5条を売って2条を買った。日本国憲法第9条に抵触することを知りながら、武力による貢献に一歩踏み出した。中曽根首相の「不沈空母」発言はこの時のものだ。これによって貿易摩擦を軽減しようと図ったが、それがムダだったことは歴史が証明している。
今回の安倍内閣は逆に2条を売ることで5条を買おうとしている。尖閣を安保の枠組みに組み込むことによって対中対決姿勢を確かなものにしようとしている。思えばそのためのTPPであった。そしてTPPでは不足だと蹴っ飛ばしたのがトランプ政権だ。
日米経済交渉という名の経済主権侵害が繰り返されてきた、その背景に安保条約第2条があることを、我々は忘れてはならない。日米同盟に追随することは、これまでにもまして屈服をもたらすことだ。それは日本経済の沈没へとつながっていく。それも過去の経験が明示するところだ。

この場をお借りして私の最近の勉強の一端を介する。

それは東芝問題。すでに2、3年前から大問題になっているが、私の調べたところでは東芝はだまされたといえる。(しかしそれは欲の皮が突っ張ったからで、同情の余地はない)

ウェスチングハウス社というのは、1970年代まではゼネラル・エレクトリックと肩を並べる総合家電メーカーだった。それが斜陽になり21世紀を迎えることなく消滅してしまった。しかしこの会社は軍事産業としてのもう一つの顔を持っていた。世界初の原子力潜水艦ノーチラス号から始まって、原子力空母エンタープライズなどすべての原子力艦の原子炉を生産している。この部門がいま問題になっているウェスチング原子力会社である。一応軍事産業部門は独立しているが、基本のノウハウは同じである。

この会社はえらく金食い虫で、単体での経営は困難だ。そこでイギリスの電力公社が買い取ったのだが、イギリスそのものがなかなかうまくいっていないこともあり、売りに出したのが事の始まりだ。

これに東芝が跳びついた。東芝としてはこれまでの軽水炉に加え加圧水型原子炉の技術も手に入るから、原発の一手販売が可能になる。その頃は『原発ルネッサンス』と言われ原発が成長部門と考えられていたこともある。買い取りの条件はウェスチングハウス社の持つコア技術には一切手を付けないということだ。東芝は経営責任を持つが、営業権のみの権限しかない、という誠に奇妙な合弁が成立した。

これには裏がある。米軍にすれば現代戦の最強の兵器である原潜や原子力空母の心臓部が他国のものとなるのは非常に困るのだが、維持するだけの金もない。そこで最初はイギリスに押し付けたが、イギリスが蹴ってしまった。そこで仕方なく日本に押し付けることにした。『金は出せ、しかしコア技術は渡さないぞ』ということだ。そこで経産省が乗り出した。『アメリカの要求を丸呑みしてもなおかつお釣りが出ますよ』という話で日本の各社に当たった。各社といっても原発に関して実績があるのは三菱重工、日立電機、東芝の3社しかない。

ここで登場するのがゼネラル・エレクトリックだ。実は一番WH社を欲しかったのはGEである。GE自体も決してただの電機メーカーではなく、原潜や原子力空母の原子炉を作っている。以前は軽水炉しか作れなかったのが最近では加圧水型の技術も身に着け、いまや原潜の原子炉はすべてGE製となった。しかし原子力空母では未だにWH社の後塵を拝している。だからWHは喉から手が出るほど欲しいのだが、米国の独占禁止法がそれを許さない。そこでダミーとして東芝を利用しようと考えた。東芝は軽水炉技術を通じて自分の子分になっていると考えたからだ。

此処から先は当て推量になるが、どうも東芝はGEに逆らったのではないか。さらに言えばGEの意向は米軍の意向だということを理解していなかったのではないか。

頭にきたGEは日立も巻き込んで価格操作した。これを当時のブッシュ大統領も後押しした。お陰で買取価格は数倍に膨れ上がりとてつもない『のれん料』を支払わされる羽目になった。

そこへもってきて福島原発だ。天井に登って梯子を外されて真っ逆さまに墜落してしまった。これが東芝の経営破綻の本質である。アメリカの軍産複合体の力をなめたのが命取りになったといえるだろう。

結局ヤクザな商売に手を出したのが東芝の命取りとなった、日本の電機産業のある意味では最後の砦と思われた東芝が潰れる場面を、我々は目前に見ている。ソニーもナショナルもシャープもすでにガタガタだ。今回の事件がなくても、いずれ遅かれ早かれ東芝も同じ道を辿ったかもしれない。それは日本電機産業の最後のあがきであったかもしれない。

だがそれで良いのだろうか。日米軍事同盟路線が日本経済を奈落の底に貶めるのを、我々は傍観していてよいのだろうか。いまや独立・平和の政治・経済路線を真剣に考えるべきときなのではないだろうか。

カジノ法がひどいことになっているのだが、反対論の中にアメリカからの圧力を指摘した文章が少ない。
下記は赤旗からの引用だが、だいじな情報と思われるので紹介しておく。
要するにカジノとTPPは同根なのだ。その上にトランプの登場があって、ますます激しく尻尾を振っているわけだ。実に見苦しい。

これはTPP、とりわけISDS(投資家対国家紛争解決条項)の解釈をめぐっては死活的な課題となる。
この点に関して共産党の山添参院議員が鋭い質問を行っている。
TPP ISDS訴訟・損害賠償の実例  山添拓
11月16日でやり取りが視聴できる。(ただし、このYou Tubeには下記のやり取りはない)
条約だから、国内の司法を越える部分があるのは当然ではあるが、利害が真っ向からガチンコしたときどうなるか。
これが大問題になっているのがエクアドルで起きた出来事。
エクアドルで石油採掘を行っていたシェブロン社が不採算を理由に撤退した。それまでアマゾンのジャングル地帯で原油を垂れ流し続けていた。いまも環境汚染は続いている。これに対しエクアドルの地方裁判所が損害賠償を命じる判決をくだした。
シェブロンはこれを不服として国際仲裁裁判所に提訴した。仲裁裁判所はシェブロンの訴えを認めエクアドルの地裁判決を無効とし、効力の停止を命じた。これが認められると、エクアドル政府はシェブロンの撒き散らした環境汚染の尻拭いをしなければならなくなる。それどころか、シェブロンは不当に訴えられたことに対する高額の賠償金をエクアドル政府に要求している。
なんとも理不尽な話だ。
山添議員は日本において同様の事態が起きた場合、政府としてどうするのかを問いただした。
石原TPP担当相の答弁は明確だ。
条約を遵守する立場から、仲裁判断に従う
ということだ。つまり日本の司法権は国際仲裁裁判所の判断に対して劣位に位置づけられるということだ。これが最高裁の判決であっても原則は変わらない。
金田法務大臣は、異なる見解を、控えめに述べた。
日本政府が仲裁判断に従わず、投資家が強制執行をもとめた場合、国内裁判所が「公序良俗違反」などを理由に仲裁判断を覆すこともありうる。
間に立った岸田外相は次のような見解を述べた。
国際仲裁裁判所の仲裁裁定の趣旨と、国内裁判所の判断の双方を踏まえた代替的な対応を図る。これにより、ISDS手続きを無意味にしないようにする。
一見、中立的な意見のようだが、最後の結論は「ISDS手続きを無意味にしない」ことであり、そのために「代替的な対応を図る」ということだ。つまり石原担当相と基本的な立場は変わらないことになる。

この見解がもたらすのは多国籍企業の乱訴だ。現に世界中で起きている。そのうちのいくつかは彼らの勝利に終わっている。
これに対して国内の司法判断は無視され、国家の独立の柱である司法の独立は否定されることになる。
きわめて重大な発言であり、しかも閣内不一致である。統一見解が必要だ。

7月7日の赤旗に注目すべき記事が掲載された。

見出しはこうなっている。

反共・反野党の攻撃に答える
甲府・横浜 不破前議長の街頭演説(要旨)

藤野発言で逆ねじを食らって、自衛隊をどうするのかの議論が避けて通れなくなった時点で、発表されたものだ。

この記事のリードはこうなっている。

不破哲三前議長は、甲府市(5日)と横浜市(6日)での街頭演説で、安倍晋三首相と自民党の反共・反野党の攻撃に痛烈な批判を加えました。その要旨を紹介します。

こんなことは普通はしない。二つの演説の報道記事そのものでは、こんなことは喋っていない。これは間違いなく不破さん自身が筆を入れて整理した文章だろう。「前議長」という肩書もあまり聞いたことがない。

最大の論点は自衛隊問題だ。基本的にはこれまでの見解を踏襲したものだが、いくつかの注目する論点がある。

1.自衛隊と憲法9条との矛盾の問題は、もっとも大きな問題の一つである。

なぜならアメリカとの軍事同盟という9条に背く道に踏み出して半世紀が経ってしまったからだ。

このほかにも、長く自民党政治が続いてきた結果、憲法に合わない現実が多くある。

将来、革新的政府ができた際は、こうした現実をただすことが、大きな課題となる。

2.問題は一気に解決はできない

一つにはそれが軍事同盟という国家機構のあり方そのものに関わっているからだ。

もう一つはアジアの情勢が軍事的対決の危険もはらむ中で、対応しなければならないからだ。

したがって、まずは積極的な平和外交を進め、平和で安定した国際環境を自らつくり出していくことが必要だ。

その上で、日本自身が憲法9条を真剣に守る立場を明らかにすることが基本であり、これらの点については国民が一致しうる方向だろう。

3.自衛隊の段階的縮小から廃止へ

以下は、不破さんの言葉をそのまま書き写したものである。

そのなかで、国民の合意のもとに、自衛隊を段階的に縮小して憲法の完全実施に向かってゆく。

率直に言えば、「国民の合意のもとに」はいらない。当たり前だ。

「段階的」もいらない。一度にできるわけはない。「憲法の完全実施に向かう」というのはどういうことか。文脈で見れば、「自衛隊をなくす」ということになる。

これは現実の国民の中での「自衛隊=役立ち」評価の姿勢とは、やはり平仄が合わない。「役立ち」を評価するなら、その方向での自衛隊再構築という流れにならないと論理が詰まる。

そこで「自衛隊をなくす」と言わないで、「憲法の完全実施に向かう」と含みをもたせているのが、不破さんの発言の最大のポイントであろう。


4.個別自衛権の問題が避けて通れない

ここから先は、不破さんとはまったく関係のない私の個人的な思いつきである。大した根拠もないから、あまり気にしないでください。

A.個別自衛権と正当防衛権との関係

自衛隊というのはたしかに戦力であり、いざとなれば闘い、殺しあうことになる。

ただそれは文字通り「敵の出方」次第である。敵がむやみに撃ちまくってくるならば、正当防衛権を行使してこれに対応するのは人権に属する問題だ。

歴史的には難しい問題もあるのだが、戦後70年の中で国民大多数が個別自衛権を憲法違反とはせず、裁判所も事実上それを追認して来たという経過がある。

それをすべて米日反動のなせる工作としていても、事は進まない。

B.個別自衛権と安保体制との関係

もう一つ、個別自衛権を認めないということが安保とセットになっており、米国の軍事力の下に留まる最大の根拠になっている。これは今の憲法が成り立つ国際法的基盤でもある。

護憲・平和を貫けば貫くほどに日米安保は不可避のものとなる。これは平和運動のジレンマである。

それは60年安保の時は「戸締まり論」として議論の焦点となった。しかしその例え話は米国における銃砲規制の議論とガチンコするわけで、おたがい違う次元のことを想定しているから、すれ違ってしまう。

立憲的原理として個別自衛権は認めた上で、とりわけ憲法前文の精神と突き合わせながら、憲法9条の扱いを決めていくしかないのではないだろうか。

5.自衛隊の現状は違憲状態

専守防衛、自衛権の確保という自衛隊創設の理念を認めたとしても、それとはあまりにかけ離れた自衛隊の実態がある。

まずもって、自衛隊の違憲状態への厳しい指摘が必要である。現在の自衛隊は決して専守防衛に徹した立憲主義的な組織とはなっていない。ハード的に言えば、専守防衛という枠を越えた装備、指揮系統が日本政府と米国統合参謀本部の二系統にわたる問題がある。過去の大日本帝国陸海軍への傾倒は目に余るものがあるし、政治的中立の原則、人権尊重も順守されているとは言いがたい。エトセトラだ。

これらを考えれば、現在の自衛隊を理念的にポジティブに捉えることはきわめて厳しい。理念としての個別防衛権の是認と、現実の自衛隊の受容ということの間には、なお大きな隔たりがあると言わざるをえない。

自衛隊のまるごと承認を踏み絵とするなら、それには断固拒否の姿勢を貫かざるをえないだろう。

6.国政変革の大目標と自衛隊評価問題との関係

以上を踏まえて、自衛隊問題の解決方向をスローガンとして掲げるなら、次のようになるだろう。

自衛隊は憲法の趣旨に従って専守防衛とし、それと同時に安保条約を非軍事的なものに変えていく

このように考えると、当然9条への抵触が問題となる。「国権の発動たる」という表現、「国際紛争を解決する手段としては」という表現を最大限に読み込むことになるが、「抑止力の保持」はぎりぎりクリアーするのではないだろうか。「憲法の趣旨」というのは前文のことだ。憲法前文との適合性が吟味されるべきであろう。

とは言いつつも、一般論としての憲法の枠内での個別自衛権の確認ということが、結局現実への妥協ということになってしまう一面を持っていることは否めない。率直に言えば、「国民的定着」という現実を無視はできないのである。それは正直に言って良いし、言うべきだ。

議論のポイントは二つある。

A. 個別自衛権の原点から見た、あるべき自衛隊の姿

個別自衛権の確認は、自衛隊の現状の丸呑み承認ではない。個別自衛権の確保にふさわしい組織のあり方が、より根本的に議論されなければならない。

B. 憲法前文に示された国際平和構築の任務

しかし、この個別自衛権問題が「国民連合政府」の実現への足かせとなるものではない。その最大の理由は、日本が51年の警察予備隊に始まり、戦力を事実上保持しながらも、平和国家としての歩みを続けてきたという事実である。

歴史の歩みが示しているものは、平和日本への歩みは、自衛隊のあるなしに縛り付けられているものではないということである。それこそが憲法前文の「国際社会での名誉ある地位」の精神なのである。

こういう議論もふくめながらの「国民連合政府」の政策課題が積み上げられていくことが望まれている。

そのうえで、我々の本来の主張は少数意見としては留保すべきであり、国民連合政府から民主連合政府への展望をめぐる一つの道筋としては明確にされるべきだろうと思う。これは既に、象徴天皇制をめぐる綱領議論の中で確認された論理である。


選挙後の総括の中でこれらの理論・実践課題は浮上してくるだろうと思う。「野党は共闘」で突っ走ってきた様々な人々が、今一度立ち止まって議論すべき時がやってくるだろうと思う。不破さんのことだから、そのくらいのことは見通していると思う。


東芝 粉飾決算 その後の動き

2015年07月11日

を書いて以来数ヶ月が経過した。この間あまりまじめにフォローしてなかったので、かなり分からなくなってきた。

8月12日に下記の記事をまとめてアップした。

2015年08月12日 

2015年08月12日 

2015年08月12日 

2015年08月12日 

2015年08月13日  

結局、WH社との関係が一番の問題であることが分かった。もう一つはこの明らかな粉飾決算事件がどこまで指弾されるのか、どこからウヤムヤにされるのか、誰がもみ消そうとしているのか、あたりが今後の問題だろうと考えた。

その後戦争法反対の運動の中で、ちょっと頭が回らなくなった経過もある。

ということで、気を取り直して再チャレンジ。7月12日以降の動きをフォローしようと思う。

残念ながら前回最終日の7月12日よりかなり事実が経過してしまったため、かなりニュースが削除されてしまった。日時についても発生日時と掲載日時が微妙にぶれており、このため重複記載もあるかもしれない。

後で訂正・補充できるものについては補充していきたいと思う。

15年7月

7.20 第三者委員会、自主チェックと合わせ1560億円の利益水増しがあったことを確認。「経営トップの過度な当期利益重視の姿勢に原因があった」と指摘。

1560億円という数字は、08年度以降の累積利益である約5,700億円の1/4に当たる。

5月時点で判明していた「工事進行基準の処理に関わる」粉飾に加え、「PC事業部の部品の押し込み販売」や「半導体事業部の在庫評価」でも粉飾が明らかになった。(粉飾の手口については近日出荷さんのブログに詳しい)

7.21 東芝が記者会見。取締役8人の辞任が発表される。前田CFOより「WHは安定的な収益をきっちりと上げており、買収当時に比べ利益は大幅に拡大している」との回答が行われる。

7.24 経済産業省、会社法の運用指針を公表。社外取締役の役割を明確にし、監督機能の強化を促す。(まことにとぼけた話です)

15年8月

8.19 第三者委員会の調査に追加した調査で570億円が追加される。(粉飾発覚にもとづく固定資産の減額分)

8.31 15年3月期の決算(および金融商品取引法に定められた有価証券報告書)の発表を再度延期する。新たに10件の不適切会計が発覚したためとされる。金融庁(関東財務局)は、9月7日まで再延期することを承認。

15年9月

9.07 東芝が15年3月期決算を発表。連結税引き後利益は378億円の赤字となる。

9.07 東芝、有価証券報告書を提出。過去7年間通算で、利益を2250億円以上かさ上げしていたとされる。これは第三者委員会の調査における1560億円から700億円。8月の追加調査から120億円増えている。これは累積利益報告の40%に達する。

9.15 東証、投資家に注意を促す「特設注意市場銘柄」に東芝株を指定。企業統治などの管理体制に深刻な問題があるとする。

9.30 臨時株主総会。取締役の過半数を社外取締役にするなど、経営陣を一新。

WHを含む原子力事業で5156億円の「のれん及び無形資産」を計上。一方でWHの売上高や利益、資産状況は明らかにせず。

15年10月

10.24 東芝、事業売却による本格リストラに着手。スマホ用画像センサーや赤字が続く白色LED事業からの撤退を検討。

10月 貸借対照表(B/S)に関して触れなかった第三者委員会に隠蔽共犯の疑い。さらに役員交代後も事実を隠蔽し続けた室町現社長が同罪である可能性も浮上。さらに沈黙を守る「社外取締役」の責任も問われることになる。

15年11月

11.07 4~9月期決算を発表。「サービスや燃料事業が着実で、福島第1原発事故以降は安全対策というビジネスが伸びている」とするが、数字は明らかにせず。

WH問題については、「この9月末でも減損の兆候は見当たらず、資産性があると判断した」と述べる。

11.09 東芝、「役員責任調査委員会」の調査報告書を公表(公表のお知らせと調査報告書:PDF)。歴代3社長と元最高財務責任者(CFO)計5人の責任を明確化する。しかし室町正志社長ら現執行部は免罪される。

役員責任調査委員会: 東芝の依頼を受け、弁護士を中心に構成される。新旧役員の法的責任の有無と、それに伴う東芝からの損害賠償請求の可能性を調査。

11.09 東芝は、「役員責任調査委員会」の報告を元に、旧経営陣5人への損害賠償請求訴訟を起こす。

11.12 日経、WHで1600億円の巨額減損が発生し赤字決算となっていたことを明らかにする。社内メールの漏洩から明らかになる。

11.13 東芝、ウェスチングハウス社単体の減損を開示。

11.16 東証、東芝は開示基準に違反する可能性があると指摘。12年度のWH単体決算で約762億円の「のれん代」の減損損失を計上したにもかかわらず、情報開示しなかったことが問題とされる。

11.17 東芝、東証の指摘を受け、WH単体の減損に至った経緯を開示。連結の減損処理を見送ったことについては、「公正価値は帳簿価格を上回っている」と強弁。

11.26 弁護士や大学教授らのグループの「第三者委員会報告書格付け委員会」、7月に東芝の第三者委が出した報告書を批判。東芝に頼まれた範囲に調査を絞ったことで「第三者性」が欠落したとする。

11.27 東芝社長が記者会見。内容は①ウエスチングハウスの減損の詳細。②あらたな「事業計画」に就いてである。

①減損の詳細: 06年の買収以降、WHの累積営業赤字は3億ドルに達していた。東芝はWHが計上した減損損失を、本体の連結決算(のれん料の減損)に反映しなかった。室町社長は、WHの経営状況を開示しなかったことを陳謝。

②「64基計画」と呼ばれる事業計画: “世界的に原子炉がどんどん建っていく”と予想し、“今後15年間で64基の原発受注”を骨子とし、“18年度以降は利益が3倍増”という荒唐無稽なもの。当面する経営苦境については、「売却できる事業は売却する」とのべる。

15年12月

12.01 証券取引等監視委員会、東芝に74億円前後の課徴金の納付をもとめる。旧幹部の刑事告発は見送られる。企業の統治がずさんなため誰1人全体像を把握できていなかった結果、個人の刑事責任を問えないとする。

12.04 東芝、富士通、VAIO(ソニー)の3社がパソコン事業を統合する検討に入る。

12.05 東芝、白物家電の分離でシャープとの統合案が浮上。

12.05 画像用半導体の大分工場をソニーに売却。従業員約1100人がソニーに転籍することとなる。他の半導体事業の従業員についても、配置転換や早期退職により約1200人を削減する計画。

 

東芝 粉飾決算 その後の動き

昨日の赤旗で、重い話題がふたつと書いたが、もう一つが東芝問題だ。

8月12日に下記の記事をまとめてアップした。

闇株新聞といういささか怪しげな名前のサイトがある。ダイヤモンド社がスポンサーで内容はしっかりしている

。その12月4日号に載った記事を引用しておく。

 それでも「名門企業だから刑事事件にならない」のか?

日経ビジネスの証拠(メール)は、入手方法によっては「証拠能力」がなくなります。しかし捜査当局があらためて令状をとって入手すれば、十分な証拠となるはずです。あくまで捜査当局が「そうすれば」の話ですが。

 第三者委員会や東京証券取引所や証券取引等監視委員会(SESC)らの責任問題まで飛び出してくれば、今度は東芝を「徹底的に悪者」に仕立て上げなければならなくなり、刑事事件化する可能性もなきにしもあらずです。

 しかし当局は予定通り、金融庁による73億円の課徴金処分だけで、何事もなかったように済ませようとするはずです。

参考までに東芝のWH社買収に至る経過をおさらいしておく。

2005年6月 BNFL社がWH売却を決める。

7月 「ウエスティングハウスを三菱重工が買収か?」の情報が流される。これはこれとして、素直な流れだ。沸騰水型は三菱重工のオハコだということ もあるが、何よりも三菱重工が日本を代表する軍事産業であり防衛省と一体関係にあるからだ。アメリカが押し付ける相手としては最高だ。

にもかかわらず、BNFL取締役会の直前、奇妙な動きが出てくる。

2006年1月20日 GEが応札すると発表。これに日立製作所も組んで参加の意向を表明した。最終選定が予定されたBNFL取締役会のわずか1週間前である。まぁ率直に言えばジェスチャーだ。

1月22日 ブッシュ米大統領が米企業の支援をブレア英首相に表明した。米商務長官も「ブッシュ政権はGEを支援している」とする書簡を英貿易産業相に送った。

1月23日 イギリスのフィナンシャル・タイムズが「東芝が勝利した」と報道した。買収額は当初予想の2倍以上の50億ドル。どう考えても米・英政府が一体となった「アオリ」行為だ。

1月26日 BNFL取締役会が東芝売却を正式決定した。東芝はWH社の方針には干渉しないと発表した。この間に何があったかは想像に難くない。アメリカは三菱重工の態度を警戒したのだ。そして東芝に売るためにGEとつるんで一芝居うったのだ。

日本の三大重電企業である三菱重工、日立、東芝は米英両国に翻弄され、東芝が高値でジョーカーを掴まされたのだ。

東芝はそれでも「社長の愛人を名義だけ引き取れば余録がある」と踏んだから買ったのだろうが、その結果が今の体たらくである。御三方が頭に来て、べらべらと喋ってくれると有り難いが、そんなことをしたら命がいくつあっても足りないだろう。


あとから気づいたのだが、どうも最後の1週間の経過が変だ。

「どう考えても米・英政府が一体となった“アオリ”行為だ」と書いたのだが、値段を吊り上げるだけのためにそこまでするだろうか?

GEが突如応札の意向を表明し、日立が参加の意向を表明し、ブッシュ大統領が動き、商務長官も動いた。

これだけの駒が動いたら、もうひっくり返ったも同じだ。東芝が逆立ちしたって勝てっこない。

にもかかわらず、その翌日には「東芝が勝利」と報道された。

にもかかわらず、アメリカ政府は何の反応も示さなかった。

一体これはなんだろう。東芝と経産省がなにか重大な一札を入れたのだろうか?

そもそもGEが買えばアメリカにとっては何の問題もない。ところが、そこには独禁法抵触という問題が生じる。

したがって、GEは実質傘下の東芝に買わせようとした。これなら三菱を相手に東芝がしゃしゃり出てきた経過が説明できる。

とすれば、GEは土壇場になってなぜ東芝に回し蹴りを入れたのか? しかも同じ沸騰水型の日立をダシにして…

もう少し調べてみなければならない。

これは安倍首相の言葉だ。思わず目を疑う。
12月5日の英「エコノミスト」誌のインタビューでの発言。
* TPP交渉の参加国のなかで、私がもっとも強力に交渉を推進している。
*今年の日米首脳会談でも、交渉担当者に柔軟になるよう強く支持をした。だからこそ、早期の妥結は実現するだろう。これは強い決断だ。
*いまの交渉は全体として容易であり、最終段階に達しようとしている。
「TPP反対、自民党ウソつかない」と語ったあの舌はどこに行ったのだろう。これだけ誇らしげに、国民に嘘をついたことを自慢するような人物は、人間としての資質を疑わざるをえない。CTとったら前頭葉空っぽなのではないか。

井上議員の質問で提示された自民党のポスター。質疑応答は下記のアドレスで閲覧可能である。
https://www.youtube.com/watch?v=7Ouad-t0KWU
ウソつかない TPP断固反対 自民党
若干字余りだが、みごとな川柳ともとれる。

TPP_イノウエ
このポスター、次の選挙ではそっくり共産党のポスターに拝借してもよいだろう。

今度はカジノについてのウィキペディアの説明。

カジノは120ヶ国以上で合法化されており、国によって制限内容は大きく異なる。世界で2000軒以上のカジノが存在し、観光資源の1つとして競争が行われている。

スペインが1977年、デンマークは1991年、スイスは2000年から合法になった。

米国では、10の州では合法で、3つの州(アーカンソー州、ハワイ州、ユタ州)では禁止されている。ニュージャージー州では、1976年に保養地のアトランティック・シティー限定でカジノを合法化した。インディアン自治区におけるカジノは24以上の州に存在している。

アジアではマカオが有名だが、最近では新たにカジノが合法化されている国が増えている。韓国のカジノはほとんどが外国人専用で、客の9割が日本人である。

日本では、ギャンブル依存症の拡大、青少年への悪影響、治安悪化、暴力団などの犯罪組織の資金源になるなどの恐れがあることから、反対の動きが根強い。

ということでこの項目の著者はかなりカジノに前のめりな人のようだ。

まず第一に、現在行われている競輪、競馬など、また宝くじ等は賭博に該当するのか?

カジノはそれらと性質が異なるのか?

ということが問題になる。

次いで、競輪・競馬や宝くじで依存症になったり生活崩壊するケースがどのくらいあるのか。カジノはそれらに比べ毒性が強いものなのか。

あたりも、知っておく必要があるだろう。

まずはウィキペディアから

賭博は、金銭や品物などの財物を賭けて偶然性の要素が含まれる勝負を行い、その勝負の結果によって賭けた財物のやりとりを行なう行為の総称である。

ということで、どうも「偶然性の要素」というのが判断の基準になるようだ。

日本では、地方自治体などによって主催される「公営ギャンブル」およびパチンコなどのギャンブル的な要素を持つ各種遊技が行われている。

カジノが解禁されれば、ここに加わってくることになるのだろうか。

公営競技は長年にわたり地方自治体の貴重な財源となってきたが、近年では一般大衆の「ギャンブル離れ」の影響を強く受けて不採算化が著しい。

ということになると、カジノの是非以前に、そもそも営業が成り立つのかどうかという問題が浮上してきそうだ。

パチンコ、ゲームセンター、麻雀などは、「ギャンブル的な要素を持つ遊技」とされており、ギャンブルそのものとはみなされていない。しかし近年のパチンコのように射幸心を煽る傾向が強まれば、本格的な規制の対象となる可能性がある。

カジノバーはこれらのゲームとは明らかに区別されている。

カジノバーは「換金できないチップを用いて店内に設置したルーレットなどで遊ぶことでカジノ的な雰囲気を楽しむ」施設とされているが、合法的なカジノバーを隠れ蓑にヤミのカジノを開帳すれば、違法賭博として警察から摘発される。

業として行われるもの以外に花札、ポーカー、サイコロ、バカラなどもゲームと賭博との境界が曖昧である。地方によっては闘鶏、闘犬、闘牛もギャンブルの対象となる。

むかし勤めていた病院では、患者さんが大相撲の勝ち負けクイズをやって、大いに盛り上がっていたが、その筋のお達しにより止めになった。

厳密に言うと、「ジャンケンをして(一番)負けた人が(他の全員に)缶ジュースを奢る」等のレベルの行為も賭博にあたるそうだ。

と、ここまでがウィキペディアの解説だが、期待した質問への応えはない。

大門議員のいつもながら胸のすくようなセリフが炸裂する。
「国民の願いを胸に」という議員が交代で書くコラム。

賭博は犯罪を誘発するという理由により刑法で禁じられています。
…先月ある会合の席でカジノ推進派議員と議論になりました。
A議員「カジノは経済効果がある」
私「人のカネまきあげておいて、どこが経済対策か」
B議員「雇用は増える」
私「雇われた人の何倍もの人の人生が破壊される」
B議員「ギャンブル依存症対策は、カジノの収益金を使って行うことになっている」
私「依存症を作っていて、その対策をやりますなど、マッチポンプだ」
…民間企業の関係者も、家族もいれば子供もいるでしょう。お天道さまに恥ずかしくない堅気の商売に精を出してほしいものです。

ただ、残念ながら、私は賭博の実体を余り良く知らないので、当面はコメントできない。
賭博性の強いゲームはたくさんあるが、それらと賭博そのものとの質的差を少し勉強してみなければならない。

ふと思った。与謝野はトロイの木馬だ。

脇さんの演説を読んで、先日の藤井・与謝野の座談会を思い出した。

座談会の記事を読んだ感想で、藤井と与謝野の違いをメモしておいたが、いま考えるとこの違いには重要な意味があったのではないかと思うようになった。

民主党政権の後半期は間違いなく「連合」党であった。ということは限りなく「経団連」党であった。

そして経団連の意を体した切り札として送り込まれたのが与謝野ではなかったかと思う。

菅直人は、民主党御三家の一人ではあったが、だいぶ見劣りのするタレント幹部にしか過ぎなかった。

彼が首相になる時は「連合」の意向を最大限受け入れるしかなかった。もちろんその背後には経団連がいる。

菅は経団連会長の傀儡となることによってのみ首相になれたのである。その際、「お目付け役」として送り込まれたのが与謝野という構図なのだろう。

与謝野はどう間違っても民主党ではないし、リベラルでもない。それに経済理論家でもなければテクノクラートでもない。東電出身の叩き上げ政治家でしかない。たしかに毛並みは良いかも知れないが、尊敬されるほどの人格者でもない。

ただオシの強さだけで政界を生き抜いてきた人物だ。

もちろん、財政の改革も、社会保障の再確立も重要な課題だし、ともに金が絡む以上一体的にやってゆかざるをえないことも自明だ。

しかし普通に考えるなら三方一両損で行くのが政治の世界だ。これを全部国民負担としておっかぶせて、大企業がぬくぬくと儲けを貯めこんでいくような政策は、長期的に維持不可能だ。

何よりも国民が許さない。

その国民が許さないような政策を民主党は受け入れてしまった。文句をいうような幹部は潰された。だから民主党は潰れたのである。

そして与謝野はトロイの木馬となった。

アーミテージらを論じるブログはたくさんある。

そんな中から拾ったいくつかの事実を上げておく。

毎日新聞 9月30日 夕刊 特集ワイドに北沢元防衛相のインタビューが載っている。

防衛相在任中に当時のゲーツ米国防長官と8回会談したほか、米政府やシンクタンクの多くの要人に会ったけれ ど、公式・非公式問わず「日本政府は集団的自衛権行使を容認すべし」との意見は全く聞かなかった。

2005年まで国務副長官だったアーミテージさんだけは 「容認すべきだ」と言っていたけど。

有事の際の役割分担を含め、集団的自衛権を改めて持ち出さなくても困らないよう、きちんとすき間は埋められているんです。

米国は日本がアジア諸国から危険視されず信頼される国であってほしいと考えていることは間違いない。「特に中国、韓国とは仲良くしてほしい」という忠告は米国に行けば必ず言われます。

だから現状では米国は行使容認の必要性は感じていない。

しかし北沢氏は知っていたのだろうか。
第3次アーミテージレポートの日本語訳が海上自衛隊幹部学校のHPに掲載されていることを。

民主党の一閣僚にすぎない防衛大臣は、完全にスルーされていた可能性がある。


左翼ブロガーは彼らを「ジャパン・ハンドラー」と呼んで、日本の生殺与奪の権力を握っていたかのように描いたかと思うと、いまは権力の中枢から弾かれて、一介の議会ロビイストに過ぎなくなたとこき下ろしたりと、どうも言うことが極端だ。

しかし、アーミテージはいまも、安倍首相の周辺や自衛隊制服組のあいだでは今でもマッカーサー並みの権威を持っている。

これを時代錯誤だと一蹴してはいけないだろう。国防総省・国務省・太平洋軍という表の権力とは別の権力(軍産複合体)が、今も動いていると見るべきではないか。


このあいだの在韓米軍幹部の発言だが、出処は時事通信だった。
重大発言の割りにはフォローがない。発言の背景が今ひとつ不明で、唐突な印象を否めない。
共同通信はこの発言をもう少しフォローしている。それが以下の部分。

この発言を受け、米国防総省のリトル報道官は「米国は日米韓の協力拡大に期待している」とする談話を発表し、日韓関係の改善による日米韓3カ国の安全保障面での連携を強化する重要性を強調した。

 また、ロックリア米太平洋軍司令官は同日の記者会見で、北朝鮮などによる脅威が高まった場合は、憲法9条の改正について「議論を行う必要が出てくる」と述べ、日本国内の動きに一定の理解を示した。(共同)

上記の記事で分かるように、在韓米軍幹部の発言は「つい喋ってしまった」という性格のものではない。国防総省の報道官も太平洋軍司令官も、在韓米軍幹部の発言を否定せず、それを前提として、日本側の衝撃を和らげるコメントを発している。

明らかにアメリカ軍・政府のチームプレーのもとで行われたものだ。

それは日米2プラス2会談の時期を狙って放たれた矢と考えるべきであろう。


ここで注目されるのがロックリア米太平洋軍司令官 の発言。これが良くわからない。憲法9条の改正について「議論を行う必要が出てくる」 とはどういうことだろう。誰と誰が議論するのだろう。

あるブログでは、これは誤訳ではないだろうかと指摘している。誤訳とすればゆるがせにはできない。しかし会見の全文はとりあえず見当たらない。定時の記者会見であれば、太平洋軍のホームページに行けば手に入るのかも知れないが…


時事通信の配信した文章全文があった。赤旗の省略した部分は以下のとおり。

ただ、この後ソウル市内のホテルで記者会見 したロックリア太平洋軍司令官は、北朝鮮をはじめとする脅威に対処するため憲法を変える必要があると感じた場合、「日本など地域各国の政府は議論を行う必要が出てくる」と強調。日本国内の動きに一定の理解を示した。 

つまり、「在韓米軍幹部」というのは、どうもロックリア本人の可能性が強い。

もうひとつ、ロックリアは「日本など地域各国の政府 は議論を行う必要が出てくる」と言っているのであって、日本国内に配慮したわけではないということである。むしろ「日本が憲法改正で突っ走るのなら、こちらは周辺国と対応を協議しますよ」という警告に近い。


ロックリア(Samuel Locklear)でグーグル検索してみると、下記のファイルを見つけた。

今年2月1日 電話記者会見 AFPの配信

米国は(アジア地域に)さらに基地を建設するつもりはない。(過去60年にわたって)この地域はいたって安定していた。戦略機軸の転換は基地新設を意味するものではなく、従来の同盟関係を強化し近代化していくことだ。

アジア太平洋地域における戦力バランスを米国が『再調整』するのではとの憶測や疑念が著しいが、これだけは言わせてもらいたい。再調整とは協調と協力の戦略だ。

尖閣問題は軍事介入なくして諸政府間で決定してほしい。最終的な帰属については、米国は判断を下す立場にはない。


日本関係情報 

国立国会図書館調査及び立法考査局
【アメリカ】 米太平洋軍及び戦略軍の態勢に関する下院公聴会
海外立法情報課・新田紀子

その一部

…ロックリア司令官は、次のように述べた。

第二次世界大戦後、米国は同盟国やパートナー国との関係を基本的には二国間関係の枠組みを中心に、ハブ・アンド・スポーク体制として構築・機能してきたが、一定の戦略環境の変化と多国間関係の重要性が増大している。

米国は、その意味で多国間枠組みを追求し、東アジア・サミットなどを支持しており、同盟国との関係においても、日米韓や日米豪といった3か国の活動も追求対象としている。

とすれば、「議論を行う必要性」は日本国内への配慮ではなく、韓国、場合によっては中国もふくむ議論の必要性と読み取るべきではないか。

次が7月11日の国防総省での記者会見

中国が経済大国化する中、中国海軍が自国領海から外洋へと進出してくるのは不可避だ。

しかしこれに伴い、(中国海軍の)若い司令官や指揮官が絡む誤算が生じる恐れ」は否定できない。

こうした衝突を回避するために米中の軍当局間で対話を進め、公海上などでルールを共有する必要がある

なお、ロックリアはこの会見で、「中国海軍の艦艇を米海軍基地に停泊させることを検討中だ」とも語っているようだが、産経新聞はこの部分をカットしている。(「人民網」には共同電によるとしてこの一文も掲載されている)




何れにしても、ロックリアの論調はアーミテージの第三レポートとは大分趣をことにしているようだ。どうもこのへんの事情が理解できていない。赤旗でもそういう論調はお目にかからない。

毎度読むたびに虫酸が走るが、読まない訳にはいかない。

経団連のコメント:
1.日本再興戦略の実行、大胆な規制改革、エネルギー政策の再構築、TPPを始めとする経済連携の推進など山積する課題を遂行せよ。
2.消費税率の着実な引き上げを不可欠の課題として最重視せよ。
3.(財界は)安倍政権の政策遂行に全面的に協力する。

経済同友会のコメント
1.少なくとも3年間の安定した政権となった。この3年間は日本再興の最後のチャンスだ。
2.経済政策のみならず、選挙制度、統治機構改革などの重要課題を遂行せよ。

ということだが、上記を見てはっきりしているのは消費税の引き上げが当面する最重要か愛として位置づけられていることだ。

しかも重要なのは、財政健全化という錦の御旗なしの主張となっていることだ。財政健全化を言えばアベノミクスと正面から衝突するので、この理屈は使えない。そうすると法人税引き下げのための財源ということになるのだが、そこは口が裂けても言えない。

米倉会長は、消費税で不況となっても「ある程度覚悟しなければならない」と強調しているようだ。

「我々が亡き後に洪水来たれ」とは、資本家の無節操ぶりを表すのによく使われる言葉だが、米倉会長は生きているいるうちに洪水を来たそうとしている。我が家はかすっていくだけだと踏んでいるからだ。

こういうのを「亡国の輩」というのではないかな、麻生さん。

片や米中首脳会談があり、片や防衛相の先制攻撃発言がある、これが現状です。
どちらがアメリカの本音か? 

言うまでもなく本音は対中関係です。
日米同盟はそのために役に立つ限りでの同盟なのです。
アメリカは対中関係を有利に進めるための手駒として日本を利用しているだけです。糟糠の妻・日本は、いまや「突き捨て歩」であり捨て駒です。

もう13年も前、アメリカのNMD構想について調べたことがあります。核弾頭ミサイルがアメリカ本土に飛んでくる時それをどう防ぐかという作戦であり、レーガン政権の打ち出したいわゆるスターウォーズの延長です。
やればやるほど、それが不可能であることが明らかになりました。
そこで打ちだされたのがTMDです。

(NMDはNational Missile Defense:国家ミサイル防衛。TMDはTheater Missile Defense:戦域ミサイル防衛の略)

ブッシュ戦略とNMD構想  北海道AALA2001年度総会のために
http://ha6.seikyou.ne.jp/home/AALA-HOKKAIDO/jousei/2001.htm

 NMD推進派の中でもっとも危険な主張は,元CIA長官ジェームス・ウールジーらのものです.NMDの最大の泣き所はおとりとの識別,弾頭分割型 ミサイルへの対処です.多弾頭ミサイルの場合,弾頭が八つに分かれるなら,それに対抗するためには8基の迎撃ミサイルが必要になります.さらにそれが多数 のおとり弾頭をばら撒けば,識別能力がない限り,それら一つ一つに1基の迎撃ミサイルが対応しなければなりません.

 これらの困難を解決する一番有効な方法は,攻撃ミサイルが発射された直後,未だブースト段階のミサイルを叩くことしかありません.ウールジーは北朝鮮の近くに迎撃ミサイルを配備せよと主張しています.こうなると果たして防衛なのか攻撃なのか分かりません.

 深刻なことに,ウールジーの主張はその技術的合理性とコスト上の利点が受けて,アメリカ政界に影響を広げつつあります.例えば,民主党軍縮派の理論家と言われるバイデン上院議員は,「北朝鮮のミサイルは,イージス艦搭載の迎撃ミサイルでブースト段階のあいだに打ち落とすのがいい」と発言してい ます.そしてまさにウールジーの主張の延長線上に,日本のTMD構想があるのです.

この時は日本は脇役でした。今度は日本に主役を演じさせようというのが米軍産複合体の思惑です。
中国とは今後仲良くやって行きましょう。しかし言うことを聞かない時は日本カードを切りますよ、というのがアメリカの本音だと思います。

こんなババ抜きカードでババを引いてはなりません。日本政府としては一刻も早くおさらばすべきです。身も心もグローバル化(無国籍化)した財界は、アメリカ・カードを握って離さないでしょうが…

ウォール・ストリート・ジャーナルがとんでもないニュースを発した。

小野寺五典防衛相がウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューでこたえたもの。

防衛計画の大綱の見直しで、北朝鮮のミサイルの脅威に関連して、敵基地に対する攻撃能力を持たせるなど自衛隊の役割を強化すると発言した。

攻撃が迫っていることが明らかになったりした場合には、日本が相手国を先制攻撃するのは自然なことで、国際的にも当たり前のこと であり、「憲法上も元々許されている と言われている」と強調した。

また、日本が防衛しなければならない海の面積が膨大であることを指摘し、米国の海兵隊に似た部隊を創設する必要性を訴えた。


どうも連中、鉄砲をぶっ放したくしくてしょうがないみたいだ。
中国はさすがに怖くて手が出せないが、北朝鮮ならやっつけてやろうと思っている。
そして北朝鮮への武力行使で、日本の本気度を示して中国を威嚇しょうと待ち構えている。
今私たちはとんでもない政権を抱いているのだ、ということを痛感せざるを得ない。
ドイツ国民は経済が良くなったといって、ナチスを歓迎した。実は良くなんかなっていなくて、莫大な負債を作り上げて、そのツケをチャラにするために戦争を始めたのだ。
今では、ナチスは最初から戦争で借金を踏み倒すつもりで政権についたのだということがはっきりしている。アベノミクスもどうもそれに近そうだ。

ヒットラーに似せた安倍首相の絵が、絵空事ではなくなっている。


都はるみのヒット曲で、「北の宿」という歌がある。

女心の未練でしょうか?
そうだ、そのとおりだ。

「仕方ない」という人もいるかもしれないが、時代劇の語りで言うなら「それは自分を棄てた男に対する未練であろうか」ということだ。

直視しなければならないのは、もはや彼は「私の彼」ではないということだ。カネを無心に来たらきっぱりと断ろう。

こんな曲もあった。
あの人は、行って行ってしまった。もう他所の人。

なんせ本人が、「おれっちはグローバルなマドロスさんだぜ」と言っているのだから間違いない。
ただそう言っておきながら、「居て貰いたいんなら、もっと金を出せ」というのは虫酸が走る。こういうのをやくざのヒモという。

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