経済学101 というサイトに

失敗してるピケティ批判 by ポール・クルーグマン

という文章が掲載された(June 6, 2014)

一見読みやすそうで、くだけた文章がかえって分かりにくいが、要約紹介する。

『フィナンシャル・タイムズ』の経済編集者クリス・ジルスがトマ・ピケティを批判した。その批判についてのクルーグマンの論評だ。

1.富の分布に関する2種類のデータ

所得と富の分布に関するデータは2種類ある:いくら稼いでどれくらい財産があるのかを人々に尋ねた聞き取り調査と,税金のデータだ.

ピケティ氏は,主に税金データで研究してる.
ジルスは聞き取り調査のデータを持ちだして、ピケティの論拠を批判する。そして富が少数に集中する明瞭な傾向はないと主張してる.

2.格差否定論の特徴

この否定論は、首尾一貫せず、とにかくいろんな論証を投げつける.

*「格差は開いていない」

*「格差は開いてるけど社会的な流動性で相殺されている」

*「貧困層への援助が大きくなったことで格差拡大は帳消しになってる」

*「ともあれ,格差はいいことだ」

証拠を目の前にしても,どれも放棄されず、繰り返し復活する。

【バックストーリー】ここではクルーグマンのコラムが書かれた背景をショーン・トレイナー記者が説明する

データの擁護 by ショーン・トレイナー

トマ・ピケティの『21世紀の資本論』英語版は驚異の売れ行きを見せている.

ピケティ氏が同書で主張しているのは,

1.資本主義には,格差を自然と生じさせる傾向がある.

2.これは資本の利益率は全体的な経済成長率よりもずっと高いからだ。

3.戦後に広く経済の繁栄が分かち合われたのは歴史上の異例である。

4.これは戦争で巨額の富が消し去られたためにもたらされた異例である。

5.その後は政治構造によって格差が抑制されてきた。

ピケティに対してクリス・ジルスが、ピケティ氏のデータを批判することでピケティを批判した。

1.ピケティが示した数字は,…「根拠薄弱なでっちあげ」だ。

2.ピケティは遺産税データを使っていて、調査データを使っていない。

3.調査データが示す格差は、それほど目立たつものではない。

ピケティは直ちに反論した。

1.調査データは、すべてオンラインで利用可能な「補論」で説明済みである。

2.データを比較するために行った調整については、この補論で詳しく解説してある.