七飯町核兵器をなくす会は、町内のスーパー前で中宮安一町長を先頭に町内会や老人クラブの役員、ななえ9条の会の会代表ら20人が参加し、アピール署名行動に取り組みました。
町長らが「核兵器をなくす署名にご協力ください」と呼びかけると、107人が次々と署名に応じました。
同町では町長をはじめ連町会長、社協会長、老人クラブ連合会長、9条の会共同代表の5人が代表世話人になり、「七飯町核兵器をなくす会」を結成。町民の過半数署名を目指しています。
ということだ。
七飯町は函館郊外の農村地帯。労働者の街でもないし、決して革新的な街でもないが、こうやって草の根運動を展開することは可能なのだと納得させる実例だろう。
七飯町は駒ヶ岳と大沼を中心とする大沼国定公園を擁する町で、函館のベッドタウンでもある。人口2万8千人。
1988年に「核兵器をなくする平和宣言の町」を宣言している。
それ以来、平和教育等に取り組んできている。
毎年8月には町内中学生6名を広島市へ派遣している。次代を担う子供たちに「核兵器の廃絶と世界 の恒久平和を祈念し、また、原爆資料館等での研修を通じて、平和の尊さ、大切さを体験してもらう」のが狙いである。
2011年10月にはさらに進めて「七飯町核兵器なくす会」が結成されました。これは中宮安一町長はじめ、5人のよびかけによるものです。
中宮町長の発言要旨:日本は世界で唯一の被爆国です。しかし日本政府はきわめて静かです。私はそれをストレスに感じていました。
原子爆弾を落とした当事国アメリカの大統領が核兵器の廃絶をよびかけているときに何もしなくていいのか、何とかならないのかと考えていました。
そのとき(原水協の訪問団に)ご訪問いただき、署名にとりくむことを決意しました。
署名のとりくみはとてもすばらしいことだと思います。この七飯町で人口の半分、1万5千をやるとなると、なかなかの大仕事だ。目標達成のためには私自身が先頭を切ってとりくまないといけないと思いました。…今後、1万5千突破をめざしてがんばっていきたいと思います。
原水協通信より抜粋。以下同じ
その後の署名集めの形態は驚くようなもの。
七飯町核兵器をなくす会は12月15日、七飯町社会福祉協議会が主催する恒例の第6回赤い羽根チャリティカラオケ歌合戦で初めて署名を訴えました。中学生 も含めて168人から署名が寄せられました。七飯原水協代表理事の舟見洋三さんは、「ビラを200枚ほど持って行きましたが、あっという間になくなり 300枚必要だったと思います。署名はテーブルに4カ所置きましたが、ピーク時には行列ができるほど。幹事の人は署名で行列ができるのを見るのは初めてだ と驚いていました」と話します。
この町のえらいのは、勉強しながら、署名の意味、署名運動の意義を押さえながらやっていることで、しかも町長が率先して勉強していることだ。
核兵器NO! あなたの署名が世界を変える 2012年 核兵器のない世界へ扉を開こうをテーマに学習講演会が、1月20日七飯町文化センターで行われ私も参加してきました。
主催は七飯町核兵器をなくす会です。
講師は原水爆禁止日本協議会(原水協)事務局次長で国際部長の土田弥生氏。
学習講演会には、地元七飯町の中宮安一町長はじめ、社会福祉協議会会長、町内会長、老人クラブ会長などが参加していました。
本間かつみさん(函館市議)のブログ
下の写真は12年4月の街頭宣伝と署名活動。北海道新聞の報道だ。ikarruseijin さん
町長の署名活動はなくす会の結成前から行われている。署名活動には奥さんも参加し一緒に訴えたそうだ。これは本物だ。
中宮町長は函館高専を昭和50年に卒業、その後のほぼすべてのキャリアを七飯町役場で過ごしている。元町職労委員長。建設課長を経て、平成18年に民主・連合の支持を得て町長初当選。今年の4月から第3期目に入っている。
3回の選挙はみな大接戦だった。
初当選の時は反対派から「あいさつ一つ取っても中身がないし、途中で話が途切れたりしてひどい」「政策はないし、施策を全然話せないのでないか」「政策は後でなどと真顔でやっている」など糞味噌にやられたようだ。
2期目は同じ町役場の会計課長と対決し、264票差で勝利している。3期目は企画財政課長と対決しさらに薄氷を踏む勝利。
いずれにしても、反核運動は選挙に有利に働くとは思えない。中宮さんの信念だろうと思う。
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