まずはうつ病の本態。

病態生理学的には、意欲や気分を調整する「セロトニン」や「ノルアドレナリン」といった神経伝達物質が十分に機能しなくなると、感情をうまくコントロールできなくなった状態。 

ただしセロトニンについては薬屋の誇大宣伝で過大評価されている可能性有り。医者が作った病気という側面もある。

病理学的変化。本態に関わる変化については不明。したがって病因も確定はできない。

遺伝子レベルでの病変にもとづく脳の海馬領域での神経損傷とする有力な仮説があるが、実証されたとはいえない。

ストレス→コルチゾール過剰分泌→海馬の神経損傷は俗説に近いと思う。

細胞レベル、組織レベルで病気の座が目視できることが必要だ。

したがって、その多くは抑うつ症候群、「いわゆるうつ病」と見ておいたほうが良い。むかし言っていたノイローゼとか神経衰弱は、現在は全てうつ病にふくまれる。双極性障害(ヤバいうつ病)は特殊な病態であり別途考える。

診断基準についてはドイツとアメリカで考えの差があり、混乱のもととなっている。私としてはできるだけドイツ風に一つの病気としてみていくほうが良いと思う。

病気そのものよりは、周辺症状による社会的不適応が問題となるために、重症度のほうが重要な意味を持つ。

特に重症度が意味を持つのは、軽症に対し薬を使うか使わないかの判断である。イギリスでは使うなと言われるが、実際少量投与で劇的効果をもたらすことはしばしば経験する(逆に少量でも激しい副作用が出ることがあり、要注意だ)

ついで抗うつ薬の種類

ヨーロッパではMAO阻害薬が頻用されるが日本では使われていないため省略。

最初に主流となったのは三環系抗うつ薬で、1957年発売という相当古い薬だが、現在もなお頻用されている。代表的なのがトフラニール(イミプラミン)とトリプタノール(アミトリプチリン)である。

次に登場したのがセロトニンとり込み阻害薬(SSRI)で、1983年にルボックスが発売された。ついで92年にはパキシルが発売になっている。現在主流となっているのはセルトラリンという薬である。マイルドなのが売りだが、セブンスターかマイルドセブンかという違いでタバコには違いない。

適応症にうつ病・うつ状態のほか、パニック障害、摂食障害、過食嘔吐、月経前不快気分障害、強迫性障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害なども入っている。

セブンスターかマイルドセブンかという違いでタバコには違いない。

ほかにもSNRIとか四環系とかあるが、薬理学的にはさほどの差異はない。

厳密な抗うつ薬ではないが、ドグマチール(スルピリド)やリチウム(抗うつ薬との併用)も用いられることがある。

現在ではほとんどの患者がSSRIを投与されている(日本国内で100万人以上が使用しているとされる)と思うので、この作用機序について述べる。