ホメオボックス
「もうやめる」と書いたが、勝手に跳ね回っているのはこっちの方で、定義をしっかりしてから議論すべきだと考え直した。
そこでまずはお勉強から
1.脳科学辞典→挫折
脳科学辞典の「ホメオボックス」の項目からはじめる。2014年のだ。
のっけから文句だが、
180塩基対の塩基配列であり、…「ホメオドメイン」をコードする。
ところが、隣の説明図では「Homeobox domain」と記載されている。しかも説明の本文では「homeodomain protein」
と書かれている。
一体ナンノコッチャ。これでは説明用の説明が必要だ。
“ホメオボックス・ドメイン”、略して“ホメオドメイン”なのか、別の概念なのが分からない。
さらに定義には塩基配列だと書かれているのに、説明の方では蛋白だと書かれている。
定義に戻ると、こちらには「ホメオドメインは60アミノ酸から成る」と書いてあるから、蛋白なのだ。
とにかくできの悪い取扱説明書だ。話にならない。
2.ウィキペディア
ホメオボックス(homeobox)とは、発生の調節に関連するDNA塩基配列である。
というのが定義の中核。「動物、植物および菌類の発生」という冠がついているが、これって何か限定しているのだろうか?
「相同性の高い」という言葉は、出自のいかんを問わないということで、発生調節に関わる遺伝子一般ということだろうか?
これも分かったようなわからないような定義である。先が思いやられる。
次の文が以下の通り
ホメオボックスを持つ遺伝子はホメオボックス遺伝子と呼ばれる。
ということで、すこし話が見えてきた。定義の仕方が逆方向なのだ。
発生調節遺伝子にはいくつかが組み合わせセットになって、お裁縫セットのように箱に収まったような遺伝子グループがある。
それが珍しいので世間からは「お裁縫セット遺伝子」と呼ばれている、ということなのだろうか。
その中には最低、糸と針とはさみが入っている。この三点セットが「ホメオボックス遺伝子ファミリー」ということなのだろう。
だいたいこういう話は、「ホメオボックス発見物語」的な叙述をすると分かりやすいのだが…
難関はこれでは終わらない。
ホメオボックスはおおよそ180塩基対があり、DNAに結合しうるタンパク質部位(ホメオドメイン)をコードする。
さぁ、これが分からない。
このお裁縫箱にはタンパク質でできたフックがあって、これをDNAのどこか特定の場所に引っ掛ける。このかぎ穴式のフック部分を「ホメオドメイン」という。
というところまではわかるのだが、それを「コードする」というのが何なのかがわからない。
電線コードをつなぐことなのだろうか?IDをDNA本体に送ることなのだろうか?
ここまででおぼろげに見えてきたホメオボックスの実体は、外付けメモリみたいなものだ。中にはドライバーが内蔵されていて、自動的にプログラムが立ち上がる。
ここから話が蛋白=ドメインの話と核酸=遺伝子の話の入り混じりになってきて、ちょっと油断すると何の話をしているのかがわからなくなる。
ここで一旦話を切って、「ホメオボックス発見物語」の方に移動しよう。
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