ウィキの「群れ」の項目でいくつかのポイントが分かった。

1.群れの正式術語

まず「群れ」の英語は、一般的には「group」を用いる。草食動物の場合は「herd」、オオカミなどでは「pack」、鳥の場合は「flock」、魚類の群れは「school」である。
スクールというのがいかにもめだかの学校で面白い。

英辞郎ではもっと詳しい
assemblage(人や物の)
band(動物の)
bevy(ヒバリやウズラなどの)
cete(アナグマの)
flock(ヒツジ・ヤギ・鳥などの)
group(人や物の地理的に近い)
herd(牛などの大きな動物の)
huddle(人や動物の)
murder(カラスなどの)
pack(犬やオオカミの)
parliament(フクロウの群れ)
pride(ライオンなどの)
pride(ライオンなどの)
school(魚などの)
shoal(魚の)
troop(人・動物の)
wisp(シギの)

何故かアリやハチなどの群れは群れに含まれないようだ。


2.目的による分類(ただし本当はよくわからない)

それはたんなる集団ではなく、「群れる」という目的で群れているので、なぜ群れるのかという目的によって分類するのが普通である。

捕食、防衛、生殖のための群れに分けられるが、捕食以外の目的は外的形態からの推測にとどまり、目的合理性に乏しい。
(現に、「群れ化」の欠点をあげつらう注釈をつけた論文もたくさんあるが、にもかかわらず、それらの論文が「群れ化」の目的をまったく疑おうとしないのは驚くべきことである)

したがって狼・ハイエナの「Pack」以外の行動は、偶発的な集団行動と捉えておくべきであろう。
(この点をアイマイにした工学的発想の論文があまりにも多い。例えばライオン家族の狩りを群れ行動として分析したり、昆虫の集団行動とチンパンジーとを比較したりするむちゃくちゃがまかり通っている)

なおサイズで分ける人もいるが、サイズは目的によって変わるので本質的ではない。

言語が発達するのも、この「群れ」においてのことだと思われる。


3.群れの反対は縄張り行動

捕食行動+共同活動は犬科の行動を特徴づける。これに対し家族を単位とする捕食行動がネコ科の行動スタイルだ。

縄張り行動にも群れと同様に捕食、防衛、生殖のための行動という分類がなされる。

ただし縄張りが確保できるのは条件的、一次的であり、それ以外の状況においては群れ行動を取らざるを得ない。

家族が大きければ、それ自体が群れではないかと言うが、群れでは子殺しはない。ボスは家長ではない。

両者は絶対的な対立ではなく、相互のあいだに移行が見られる。


4.群れに関する学術的検討は依然として初歩的である

最初にも述べたように、本当のところ何故群れるのか分かっているわけではないので、かなり恣意的な分類となる。

定義も特徴づけも各人各様であり、使用目的に合わせ自分なりに定義立てする他ない。ただ定義を厳密化していくと、結局狼の群れを念頭に置くしかないであろう。