本日付の赤旗にバイデン就任が報道されている。その中で志位委員長の談話にちょっとだけ違和感を感じたので、素直に感想を述べたい。
志位コメント



一、民主主義への言及なし

私は今度の選挙の意義を、ともかくアメリカの民主勢力が一丸となって、トランプ政権の間違った政策を正すために立ち上がり、とても厳しい状況の中、民主主義を守り抜いたことにあると考えている。

もし敗北していれば、それは世界の民主主義にとって、今世紀最大の危機を招来していた可能性がある。

だから私はバイデンの就任を心から喜ぶものであり、アメリカの民主勢力、とくに進歩派の人々と青年達に敬意を表したいと思う。

その一言がない。これが一点目。


二、「力の政策」の放棄をもとめること

トランプ政権の対外路線を「国際協調に背を向け」たと一括しているが、不十分である。その本質は「アメリカ第一主義」ではなく、それを「力による圧迫」で世界に押し付けた野蛮さにある。

中東においても中南米においても、暴力支配と理不尽な経済・金融制裁が続き、大量の難民や失業者、暴力の連鎖を生み出した。この「力の政策」から脱却するかどうか、この点こそまさに「注目される」べきなのである。

ブリンケン新国務長官は「力の政策」の信奉者のように思われ、サンダースらも国内問題に力を集中すると見られることから、今後も国際情勢は厳しい見通しとなろう。


三、核問題にも触れること


ついでながら、オバマのプラハ演説以来、店ざらしになっている非核化政策にも触れるべきである。

アメリカ政府の態度次第で、北朝鮮、イランの核問題はすぐにでも片付く可能性がある。またイスラエルの核疑惑にも原子力調査機関の査察をもとめるべきである。世界各地に生まれている「非核地帯」に対して核の不使用を宣言すれば、その実効性が担保されることになる。


四、安保を日中問題の足かせにしないこと


おそらく米中対立は世界の覇権をめぐる対立だから、そうかんたんに解決するとは思えない。かなりの長期にわたり続くと覚悟しなければならない。日中問題にもそれが投影することは避けられない。

これは半ばは日本国内の問題である。なぜなら日中問題は日中両国で平和的に解決するしかないからである。日米安保体制についてはいろいろ議論のあるところではあるが、それと日中問題とは混同してはならない。このことは譲れないし、米国はこれを侵すべきではない。


ついでに、国際面にも一言。
特派員の署名入り記事は、いづれも格調高いものだ。ワシントン駐在の遠藤特派員は、あえて最初に17本の大統領令に触れ、逆にトランプの4年間がいかにひどいものだったかを浮き彫りにした。その上で就任演説の要旨を過不足なく伝えている。

なのになぜ?という記事が続く。時事通信の配信記事だ。全国の市民の声ということで4人の意見を載せている。それにつけた見出しが「根深い分断、祝賀ムードなく」だ。
4人の声は、
①67歳男性:バイデン氏は社会の分断を修復できない。②黒人青年 イデオロギー対立に嫌気し棄権。新政権への期待無し。④18歳女性: 必要最低限でも十分助けになる。④38歳白人男性: 「私達の国の敗北だ」と嘆く。

こんなクソ記事になんの意味があるというのだ。どうせ時事通信の記者だって、事務所でテレビ番組を見て書いたに違いない。「ニューヨーク、シカゴ、オークランド発」などと、よくもおこがましくも書いたものだ。