トランプ時代とはなんだったのだろうか

アメリカ大統領終わろうとしている。
僅差だがバイデンの勝利に終わったようだ。何となく後数年もすれば「あれは悪い冗談の時代だった」ということになるのかもしれない。

今はまだそのように歴史的な出来事とするにはナマナマしすぎるが、そういう視点を持っておくことも必要だろうと思う。

2つの見方がある。一つはきわめて僅差であり、民主対共和という2つの勢力が伯仲していたという考えだ。

もう一つは唯一の超大国である米国で、超大国であるがゆえに生じた現象であり、世界の人々から見れば、歴史的・地理的にきわめて限られた現象だったという見方である。

私は後者の立場に立つ。

その上で、メディアやネット世界でくだされたこの民主対共和の二項対立的な評価を子細に見ていきたい。

というのはその二項対立的評価の世界史的再評価を通じてトランプ現象というものが浮かび上がってくるかもしれないとの思いがあるからである。

下記の評論から学ぶ。



第一の対立 思想的・文化的反動
中絶や同性婚などで、保守対リベラルの対立。ただしこれらは最高裁判決を経て、すでに社会的には容認されている。したがってこれらの主張は、保守主義というよりは反動思想というべきかもしれない。
「保守」はキリスト教原理主義と親和度が高いため、宗教戦争の色彩を帯びる。「宗教の自由」の名のもとに不寛容の雰囲気が支配する。

第二の対立 アメリカ第一主義
ポピュリズムは、従来からの南部プアホワイトと中西部の元産業労働者を基盤とする。白人の負け組集団である。
彼らは2つの攻撃目標を設定する。それは「エリート」と「移民」である。しかし反エリートは口先だけで、反移民は反途上国・反新興国まで広げられ、さらに反有色人種へと拡大した。そして最大の生贄として中国に攻撃が集中された。
攻撃対象が拡大され、攻撃内容が強化されるたびに人々は共感を強めた。

第三の対立 白人至上主義
第二の対立の裏返しとして白人至上主義がある。
この20年の間に、白人有権者の比率は76%から67%へと急激に低下している。フロリダ州とアリゾナ州ではとくに減少が著しい。
白人中間層を基盤とするティーパーティは、白人至上主義を公然と掲げ、社会的分断を促進した。

この3つの対立はいずれも偽りの対立でありトランプの側の主張には根拠がない。

彼らがリベラルとよんで敵視しているものは、法治主義、立憲主義、民主主義そのものである。

彼らがアメリカ第一主義の名のもとに敵視する有色人種とは、アメリカ人以外のすべての国の人々である。

「根拠」とされるものをすべて取り去れば、そこに残るのは憎しみ(ヘイト)だけだ。そこからはなにも生まれない。

中岡さんの議論を聞いていて、

第一の対立 思想的・文化的反動を「思想的・文化的反動」と括ることにいくばくかの違和感を感じざるを得なかった。トランプの思想的後退はもっと根深い、悪魔的なものがあるのではないか?
バイデン自身もここをもっと強調している。
それは科学と科学的真理、まっとうな「良心」に対する挑戦であったと…

今回の学術会議の問題を巡っても、一番の根っこは科学への軽視だ。「科学よりもガバナンスの重要性のほうが上だ」という発想を政府自身がしてしまうのは、とても深刻な問題だ。

とりわけ加藤官房長官の鉄仮面ぶりがとても気になる。彼は自分自身をひどく貶めている。彼は全裸になって股をおっぴろげているみずからに対する自覚がない。佐川の心性に限りなく近づいていくすがたは悲しくさえある。