ウソのようなホントのはなし

「血液型がO型ならコロナにならない」というので、てっきり都市伝説か、悪くすればフェイクかと思っていたが、なんとNEJMに載った論文なのだそうだ。(New England J of Medicine は世界で最高の医学雑誌と言われている。しかし時々先走ることもある)

出処は 7/25 日経Gooday 30+


イタリアとスペインの患者を対象に行われた臨床研究。

新型コロナで重症化するリスクは、血液型がA型の人で45%高く、O型の人では35%低いことが明らかになった。

「新型コロナの重症化にはどんな危険因子が関係しているのか」
それを探す研究が、世界中で行われている。

その一つが重症化群と非重症化群に分けてゲノム解析の比較をすることだ。

ゲノム解析と言っても、全ゲノムをチェックするような面倒な話ではない。

疾患関連SNPを見つけ出し、その近くの疾患感受性遺伝子を推定するという方法である。(ちょいと面倒なので詳細は略)

今回はイタリアとスペインの4都市の7病院で、呼吸機能の低下した1610人と健常者2200人を比較した。

その結果、A型の重症化リスクは、他の血液型(B型、AB型、O型)の1.45倍になることが明らかになった。

一方、O型の重症化リスクは、他の血液型の人の0.65倍にしかならないこともはっきりした。

これまでも武漢での疫学調査により「新型コロナウイルス感染者はA型の割合が有意に多い」ことが認められていた。

今回の研究ではそれがゲノム解析によって裏付けられた。