シャボン玉

この歌を作った野口雨情は、小樽の新聞社に勤めてたそうです。
明治41年(1908)の3月に長女が生まれたのですが、生後8日で風邪をこじらせて死んでしまったのだそうです。

歌詞が出来上がったのは、それから十数年経ってからのことだそうですが、シャボン玉というのはこの女の子のことなのだそうです。

最初に浮かんだ歌詞は一番ではなくて、二番の方だったかも知れませんね。

シャボン玉 消えた
飛ばずに消えた
生まれて すぐに
こはれて消えた

この歌詞を鎮魂のフレーズだとすると

風 風 吹くな
シャボン玉 飛ばそ

と上を向いて歌う、密かな潔さがしみじみ感じられます。


啄木ほどではないが雨情も、伝記を読むと本を投げ飛ばしたくなるほどに醜悪な生き方だ。とくに北海道時代の貧乏暮らし、自堕落な博労もどきの生活には辟易とする。有島の「カインの末裔」を地で行っている。
よくわからないが、これが自然主義文学なのだろうか。