「経済制裁」の歴史 年表
杉田弘毅 「アメリカの経済制裁」(岩波新書)より作成

経済制裁: 外交・安全保障上の目的を実現するために他国に課す経済的な強制手段。軍事力を使わない戦争。(杉田氏による定義)

年表と言っても全部を記入するのは、多すぎて不可能。

49 対共産圏輸出統制委員会(ココム)による東側への軍事戦略物資の禁輸措置が発効。

50 米国、朝鮮戦争の敵国となった中国に敵国通商法(TWEA)を適用。通称の禁止を命ずる。違反すれば資産凍結、国内での活動禁止、


79 ソ連のアフガン侵攻。米国など有志連合による制裁。

79 テヘランの米大使館占拠事件。米国は単独制裁で兵器輸出の禁止、金融サービスの停止、在米資産の凍結に踏み切る。

84 ヒズボラがレバノンの海兵隊兵舎に特攻攻撃。米国はイラン制裁を復活。

85 アパルトヘイトを続ける南ア政府に対し、国連安保理による制裁。


89 天安門事件。G7が対中制裁で合意。経済的には武器の禁輸、世銀融資の停止を課す。

90 イラクがクエートを占拠。米国は有志連合を組織しイラクを排除。

92 キューバ民主主義法が成立。米企業だけでなく外国の子会社も貿易を禁止。

96 イラン・リビア制裁法。国外企業もふくめ油田開発を禁止。後にリビアの制裁は解除される。

01 アルカイダによる世界貿易センター爆破。このあと、愛国者法が成立。資産凍結、外為取引の禁止、送金業務の禁止を柱とする。財務省の金融制裁が主流となる。

02 国際銀行間通信協会(SWIFT)が、アルカイダのテロを受け、関連する通信情報の提供に踏み切る。

05 マカオのデルタ・アジア銀行(BDA)、北朝鮮の資金保管先だとして米財務省が「主要懸念先」に指定。BDAは直ちにすべての北朝鮮関連講座を停止。

10 包括的イラン制裁法。これまでの制裁法に金融制裁が追加される。

14 ウクライナ自由支援法。ロシアのエネルギー、国防部門に制裁。

16 IS、国際金融協調により石油売却益の現金化が困難となり、急速に衰退。

16 北朝鮮制裁強化法。金融制裁で第三国をふくめて制裁強化。

18 19年度国防権限法。中国の先端5社の政府調達禁止。