人権は国連の活動すべての中心にあります。
今まさに、その人権が攻撃にさらされているのです。
1.人権の中核的な理解
a.人権は人間の尊厳と価値に関わる
それは人類の「希望の地平」を広げ、可能性の範囲を拡大するものです。
人権は「人々の最高の願望」です(世界人権宣言)
b.人権は世界にとって究極的なツール
それは社会の「持続可能な開発」を前進させるためのツールです。
それは公平・公正な世界を構築するためのツールでもあります。
それは公平・公正な世界を構築するためのツールでもあります。
2.「世界人権宣言」以後の世界の変化
植民地支配とアパルトヘイトは克服され、独裁政権は倒され、民主主義が広がりました。
市民的、文化的、経済的、政治的、社会的権利をすべて詳しく定める画期的な規約も成立しました。
一世代の間に、10億人が貧困を脱しました。飲料水へのアクセスから幼児死亡率の大幅な低下が達成されました。
女性や若者、少数者、先住民その他が指導する人権運動も前進しました。
3.新たな人権の危機
それでも、人権は現在、ますます大きな課題に直面しています。どの国も例外ではありません。
法の支配は後退しています。
戦火の拡大、人身取引と奴隷化が横行しています。
戦火の拡大、人身取引と奴隷化が横行しています。
少数者や先住民、移民、難民、LGBTIコミュニティーは「他者」として中傷され、ヘイト行為の標的となっています。
こうしたギャップを極限にまで拡大しているリーダーもいます。人々を分断し、得票数を増やすというねじ曲がった政治的計算が当たり前になっているからです。
4.世界人権宣言の精神を実現すること
私たちの長年の課題は、世界人権宣言の野心を現実世界の場での変化へと転換することです。
経済的、社会的、文化的権利だけで人々の自由への希求に応えられるわけではありません。
国連としての多様な行動を推進していかなければなりません。
第一に人権の前進を目標とする社会開発です。
平和で公正な社会と、法の支配の尊重を軸とする人権に基づくアプローチは、より恒久的かつ包摂的な開発へとつながります。
人々が極貧状態を脱出するのを支援し、女児をはじめ、すべての人に教育を確保し、ユニバーサル・ヘルスケアを保障し、あらゆる人に平等な機会と選択へのアクセスを確保することです。
そのことで、人々はその権利を要求するためのスキルを獲得できます。
それは「誰一人取り残さない」という呼びかけに沿ったものです。あらゆる形態の不平等・差別を撤廃するために取り組みます。
第二に、危機の時代にあっても人権を守ることです。
危機の時代には人権が最も大きな試練にさらされます。
予防がうまく行かず、暴力がはびこってしまうこともあります。
私たちは「人権を最優先に」をモットーに各種危機に取組みます。
5.さいごに
人々は譲ることのできない固有の権利をもとめています。それは戦争や抑圧、貧困で尊厳を奪われている人々も同じです。
市民的、文化的、経済的、政治的、社会的な人権はいずれも、目的であると同時に、手段でもあります。
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