現代民主主義をどう捉えるか

「現実の政治」論というのは三本セットになっています。
*現代政治というのはなにかということ、
*民主主義制度とは何かということ、
*そのなかで人間はどう扱われるのか、
ということの組み合わせです。

現代民主主義というのは現実の政治のあり方で、これは誰のため、なんのための政治なのという視点がまず必要です。

それが「現代」という言葉に凝縮されています。つまり古代でもなく、中世でもなく、近代でもなく現代という時代が要請している政治のあり方です。


民主主義には思想と制度がある

中世においては封建制と身分制度が支配していました。
イギリスやフランスの革命はそれを打ち破って新しい制度を作りました。

それが自由と平等の民主主義制度です。

革命が作り出したものはそれだけではありません。自由と平等は人間にとって何よりも大事なものだという考えです。

これが民主主義思想です。


民主主義思想はリベラリズムと呼ばれるようになってきている

これまで制度としての民主主義と思想としての民主主義は、しばしば混同して用いられてきました。

そのために議論がすれ違うこともしばしばありました。

しかし2015年の有事法制の際に、立憲主義という言葉が民主主義の土台の思想として持ち込まれました。
最近ではより幅広い「リベラル」という言葉も使われるようになりました。

ただあまりにも多くの言葉が一時に持ち込まれたために、頭の中が混乱しています。

例えば最近岩波新書で出た
樋口陽一「リベラル・デモクラシーの現在」
という本を読んでいると、さまざまな言葉が乱舞していて、めまいがしてきます。ちょっと言葉の遊びみたいな気もしてきます。

押さえておくべきは、「リベラル」という形容詞は現代民主主義の思想を表現しており、「デモクラシー」は制度としての民主主義だということです。

これで納まりは良くなるのですが、「リベラル」というのがちょっとうっとうしいのです。
すでに独特の色がついていて、「自由主義」みたいな言い方から、「進歩主義」あるいは「革新的」みたいなニュアンスまでスペクトルが広がっていて、論者ごとにイメージがずれてくる可能性もあります。
そこで「現代」民主主義にしてみたわけです。

「現代の」という形容詞にどう含意していったらよいか、作業としては難しいのですが、多くの人が参加しやすい作業仮説になるのではないでしょうか。