新型コロナ 各国比較は超過死亡が正確

感染者数は到底各国比較の対象にはならない
我が国のように、なんの理由か知らないが、検査をさせないために調査の何倍もの労力を割いた国もある。
なにせ原発事故のときもホ。甲状腺ホルモン検査させなかった国だから、コロナごときではびくともしないようだ。

貧困国ではそもそも検査セットさえ入手困難だろうから、当然、日本と同じように感染者は低く出る。

だから死者数で比較するのが良いと考えていたが、実はこれもかなりばらつきが出るようだ。

白状するが、私もむかしは何でも心不全だった。事故死や自殺でもない限り、最後は心臓が止まって人間は死ぬのだから、みんな心不全である。

むかしは人聞きが悪いと言ってガンを病名にするのを嫌ったものだ。なんせ本人に病名を告知しないのだから、ある意味自然の流れであった。

こういう風習は、伝染病ではもっと強いものがある。だから結核で死んでも死因は肺炎である。「何が悪い、心不全よりよほどまともな病名だろう」という具合だ。

これをうんとマクロに見てしまおうというのが超過死者数だ。

もちろんこれは理論上非コロナ死を含んでしまう。特に医療機関の受給が逼迫してくると、皺寄せ死や、関連死が乗ってくるからだ。

だがコロナ関連死も乗せることは決して悪いことではないだろう。

そこを指摘したのがBBCの「“超過死亡”という数え方は役に立つ」というニュース解説。


それでBBCが同一の方法で各国の超過死者数を調べた。

日本(3月)

日本の超過死者数は平年より 0.3% 高く、平年より 400 人が多く死亡した。

いっぽう政府発表による同時期のCOVID-19死者数は51人に過ぎない。超過死者数の8分の1だ。

ということはこれまでの公式死者数約千名とされているのは、超過死者数では8千人ほどになると予想される。

これを人口で割れば超過死亡率が出てくることになるが、世界水準に比うと、やはり間違いなく低いようだ。どう見ても非の打ち所のない、「世界の神秘」である(何も政府はしなかったのに)


米国(2月16日 - 5月02日)

大流行の前半分だけを切り取った形になっている。死者数は平年より 97300 人が多く死亡した。死亡率は平年より 16% 高かった。

政府の死者発表は7万266人でありかなり高率に捕捉されていると見られる。

分母が違うので比較は難しいが、超過死亡率は少なくとも日本の10倍を超えることは間違いない。


イギリス(3月07日 - 6月05日)

ほぼ全期間をカバーしていると思われる。

死者数は平年より 64500 人が多く死亡した。死亡率は平年より 43% 高かった。

政府の死者発表は51804人でありかなり高率に捕捉されている。

イギリスの人口は日本の3分の2,6千6百万人ほどであるから、単純計算で超過死亡率は日本の230倍ほどに達する。

まことに凄まじい数である。


韓国(2月01日 - 3月30日)

何かと比較されることが多いが、この期間に年より 2400 人が多く死亡している。これは平年に比し5%多い超過死者数である。

これに対し政府発表によるコロナ死者数は163人にとどまる。日本の3倍だ(期間は異なるが)

見事に日本と同様の文化習慣が認められる。しかもはるかに強力だ。日本で死因が公開されたのが8人に一人だが、韓国では15人に1人という計算になる。

東洋と西洋の死者数はまったく比較の意味がないことが分かる。これなら感染者数の比較のほうがまだマシだ。もし強引に比較しようとすれば、東洋諸国の死者数に10~15倍をかけた数字を念頭に置く必要がある。

これは統計学というより比較文明論の問題だ。とはいえ、東洋人が(平然と)ウソをついているのは間違いないので、決して良いことではない。できるだけ科学的に厳密な数字を出すようにしなければならない。

以下は省略。本文を参照されたい。