妻が死んで1年が経ち、かつて一家4人で暮らした家に、齢いいくばくもない男やもめが一人で暮らしている。
いつの日にか認知機能が落ち、足腰が弱り、尋ねるものさえいなくなる時代が来る。その日までの唯一の楽しみは飲むこと、それも誰かを相手に気炎を上げることである。
今回の外出禁止令はかなり強力で、下手をすれば数日間は誰とも顔を合わさずに日が過ぎていく。実はこの間にかなり強力な末梢神経性のラディカルペインの発作に悩まされている。

最低数秒、長ければ20秒ほどの下肢痛発作があり、その間は息もつけない。部位は決まっていて左大腿内側の手掌大の局面だ。突如焼かれるような灼熱痛が襲い、大転子外側に筋の強縮が起こる。そこから歯磨きのチューブを絞るように痛み物質が注入される。
独居とあれば一人もがいているほかない。原因はどうもヒマに任せてやった無理なストレッチにありそうだ。

昨日は一応採血して調べたがなにもない。むかし最後の苦し紛れ病名に使った“Painful Bruising Syndrome” ということになりそうだ。「ひょっとしてヒステリーかもしれない」と書いてある。アホか! 誰もいないところでそんな小芝居して何になろうか。

類似病名を探してみたら随分たくさんある。整形関係では「複合性局所疼痛症候群」(CRPS:
 Complex Regional Pain Syndorome) というようだ。
ビリっと電気が走るような激痛(電撃痛)や火で焼かれているような激痛(灼熱痛)が発生する。
多くは、疼痛部位に浮腫や皮膚血流の変化を伴い、交感神経の関与が疼痛を引き起こす一因と考えられる。
ということで、症状的にはほぼピッタリ適合する。「バーナー症候群」というニックネームもあるらしい。言い得て妙である。

リリカを処方してもらったのでしばらくはそれで様子を見ようと思う。なにかいちご状血管腫のようにインデラールが利かないだろうか、という気もする。

それにしても、仕事に行けば所構わずぶっ倒れるので、多くの方に心配をおかけしている。自分ではわからないが、呼吸が止まり、眼がうつろになり、顔面が蒼白になるようである。
自分としては、まったく正気で、痛みのために息もつけないでいるだけなのだが…

明日は整形受診してMR撮って貰う予定。結果はその時に。