ちょっと古い記事(20年03月26日)だがニッセイ基礎研究所のレポートでこんな物があった。

欧州の新たな危機-ドイツの大規模財政出動だけではコロナ危機は克服できない」というもので、筆者は経済研究部 研究理事の 伊藤 さゆりさんという方。


要旨の要旨

1.コロナ・ショックはリーマン・ショックを超えるおそれがある。EUの持続可能性が危ぶまれる事態も想定される。

2.ユーロ圏の債務危機でECBの初動には問題があった。流動性の危機への配慮が不十分であった。それは後に修正された。

3.しかしコロナ危機では資金供給という対策では不十分であり限定的である。事態を回避する鍵は危機対応での「連帯」と「協調」にある。

4.債務危機の際の経験は教訓化されているが、不十分だ。「コロナ対策投資イニシアチブ」は少額であり、回収を前提とする「投資」の枠にとどまっている。

5.新規募集する「コロナ債」の可能性は依然として不透明である。
前回も流産に終わった共通債構想は、南北間の対立の構図から抜け出せていない。
国際的にも自国主義の流れが強まるもとで、主要国の協調が難しくなっており、情勢は流動的である。