1.進化史から見たヒトとトリ

海中に暮らす脊椎動物、要するに魚が陸上に上がり始めたのが3億5千万年前の話だ。

それはやがて両生類となり、3億2千万年前には単弓類と双弓類に分かれた。

単弓類は哺乳類となり、進化は緩やかになる。一方双弓類は爬虫類に発展し、生物進化の主流を担うようになった。

爬虫類の中から獣脚類(いわゆる恐竜)が分化し、その一亜型として鳥類が誕生するんは20億年前のこととされる。

哺乳類→霊長類→人類と進化が始まるのは、1億年前の隕石衝突→地球寒冷化以来のことである。

いったん進化の流れから取り残された単弓類が、継体天皇よろしく皇位につくのであるから、そことなく無様で、急拵えだ。

進化系統図

脳みそが大きいと言っても、実は電線だらけで本当に働く神経集団は多くはない。

そこに行くと進化の王道を歩んできた鳥の脳は美しい。おそらくBiomimetics に携わる人たちは実感しているのではないだろうか。

2.トリ脳のすごいところ

どう考えてもカラスの脳は人間それに勝るとも劣らない。哺乳類一般よりははるかに優れているのではないか。おそらく膨大な記憶装置を伴う言語能力だけが鳥にないものだろうと思う。

その能力をあの小さな脳の中にコンパクトに取り込んでいるのだからすごい。

鳥の脳をモデルに人工知能を形成して、記憶装置は外付けにしてファイブGでつないでやれば、大型コンピュータの機能は飛躍的にアップするのではないだろうか。

ということで、鳥の脳モデルを検討してみたい。

3.トリ脳の解剖学的構造

カラス基本脳構造

トリ脳の解剖図である。
基本構造は後脳・中脳・前脳の三脳構造である。前脳を視床と呼んだり間脳と呼んだりするのは、大脳こそ最高の産物と考えるマクリーン風の間違いである。発生学的には大脳は終脳ではなく前脳の突起物であり、眼球は中脳の突起物であり、小脳は後脳の突起物である。

それから上、大脳部分は人間と大きく様相を異にする。人間では髄質がその大半を占めるのに対し、トリでは髄質・皮質の構造は見当たらない。
その代わりに大脳そのものが階層構造を形成する。ある意味で、大脳すべてが皮質で構成されていることになる。これなら5Gもへったくれもない。電線ゼロの直つながりだ。

4.トリ脳の活動領域

カラス脳活動領域


一応、見た範囲で解剖図との対応関係をチェックしておくと

延髄~後脳: 脊髄の上行、脳神経の入力・出力。睡眠・覚醒

中脳: 背側 視覚、感覚統合  腹側 ドパミン作動性神経の中枢

視床: 前脳でのフィードバックループ

線条体: 視床の背側に淡蒼球という結節が付着し、その表面を覆うように形成される。
古皮質ないし原始皮質とも言うべき位置を占め、頭側から尾側に向けて音声学習などの機能が特定されている。最尾側は側坐核とも言われ、学習・意思決定など高次な機能を司るが、これは単独に行われるのではなく弓外套や巣外套の情報を統合した機能と見られる。

外套群: 線条体を弓外套と巣外套が包み、さらにその外側は中外套-高外套と積み上がっていく。


それぞれの階層間には前後関係において一定の機能のつながりが見られるようだ。しかしこの絵を見ただけで、それ以上のことは言えない。さらに学習を深めたい。