征韓論の思想的背景

征韓論の動きは現在の安倍政権の行動ときわめて類似している。

① 朝鮮側に落ち度はない
最大の類似点は、朝鮮政府側に、少なくとも武力干渉を受けるような落ち度はまったくないということである。
もっぱら日本政府側が難癖をつけ、それを口実に韓国に口出しし、手出ししようとしていることである。

② 日本側には下心がある
もう一つの類似点は、日本側の行動の理由が下心があってのものだということだ。朝鮮のためとか東アジアのためとかいうのはおためごかしに過ぎない。
初期の木戸孝允らがあけすけに語っているように、それは戊辰戦争後の失業武士や兵士の不満の、イデオロギー的はけ口として期待されている。もちろんそれは成立したての新政府の基盤強化に役立つであろう。

③ 朝鮮は橋頭堡
そして三つ目の類似点が、真の敵である中国やロシアなどとの衝突に備えた橋頭堡としての朝鮮半島の確保である。
これらを一言で言えば、軍国主義・帝国主義の強化だ。

④ 帝国主義時代の世界政治の論理
大久保も木戸も西郷と変わるところはない。その攻撃性においてまったく一致している。それをいかに実現するかという手法の違いだけだ。
平たくいうと「食われないためには食うしかない」ということで、それが19世紀後半の世界政治の論理だったというほかない。ただ、「朝鮮人民にはまことに相済まないことであった」という反省は持たなければならない。これがないと、いくら未来志向と言っても、そもそも話は始まらない。


をご参照ください。