多分、これは不破哲三の遺言だろうと思って受けとめる。
発言の冒頭に、日本共産党が成し遂げた最大の理論的貢献をこうまとめた。

1.20世紀論の核心は民族自決にある

20世紀論の核心は植民地国家の独立にあった。民族自決の原則が“世界の構造”の根本となった。

21世紀のさまざまな出来事は、この歴史認識の正しさを見事に実証した。

2.20世紀の構造変化が核兵器禁止条約を生み出した

この間の平和と社会進歩の最大の変化は、核兵器禁止条約の成立である。

それを生み出したのは“世界の構造”の変化であり、具体的にはアジア・アフリカ・ラテンアメリカの国々の独立と自決だ。

3.世界政治の主役は交代した

発達した資本主義国の政府は、世界平和を目指す人類的な意思に背を向けている。恥ずかしながら被爆国日本もその一員だ。

発達した資本主義国が政治的反動に向けて歩んでいるという事実は、世界政治の主役が交代したことをはっきりと示している。そしてこれも、“世界の構造”の変化がもたらしたものなのだ。

(中国問題への言及は省略)

4.発達した資本主義国の役割

では発達した資本主義国には反動的役割しかないのか。そうではない。

世界史的に見れば、遅れた資本主義から社会主義を目指す流れが続いてきた。ますます世界は単一の富裕層グループの支配下に入りつつある。
だから、その矛盾がとりわけ厳しくしわ寄せされる途上国において、今後も社会変革の道へ踏み出す国は、当然ありうる。

しかし旧ソ連や中国の苦闘の経験は、遅れた国からの社会変革の道もまた厳しいものであることを示した。

5.社会主義への道はさまざまだ

資本主義の危機が進行するなかで、資本主義に代わる次の体制として社会主義を目指す動きもさまざまな国で、さまざまな形で起こっている。

そうした運動状況の中で、日本共産党が「発達した資本主義国での社会変革」の運動の最前線に立っているのは間違いない。

6.「大道」の具体的内容

我々にとって「大道」とは、社会変革をめざし、社会発展の段階的任務を確実に成し遂げることである。それはまず何よりも日本における多数者革命の実践である。この大道を確信をもって前進しよう。



7.社会主義への道は当面の課題ではないが不可欠な議論だ

日本の当面する課題は、社会の変革と段階的発展を内容とする多数者革命だ。“社会主義への道”は今日ただいまの当面の課題として追求するものではない。

社会主義への道は日本共産党の独自課題だ。しかし多数者を結集する上でも、日本共産党が目指す社会について多くの人々の理解を得ることは大変重要である。

感想
私は、「冷戦終結論」のスコラ論争に不破さんが終止符を打ったときのことが忘れられない。不破さんは冷戦の本質がアメリカの反共戦略にあったことを指摘し、その本質は変わっていないという点を強調することで、「終結」論者も納得させた。不破さんの言う意味での「冷戦体制」は、まさに今も続いていることを私達は確認しなければならない。

その後このスコラ論争ははいつのまにか表舞台から消えた。

今回も不破さんは、「我々にとって大道だ」という形でまとめようとしている。同時に「道は多様である」ことを確認する。そして「実践的な大道は多数者革命の実現だ」という点を強調している。
「大道」論はこのようにして理解する必要がある。これが「科学的社会主義」というものだ。何も無理やりに「割り切る」必要はないだろうと思う。

下記もご参照ください
日本共産党綱領改定案(不破議長の報告レジメ)