私たちは基本的には国連中心主義をとっているから、国連で定められたさまざまな取り決めについては尊重していかなければならない。

しかし専門職に携わる多くの人にとっては、国連のさまざまなガイドラインが、しばしば根拠に乏しく恣意的で、あえて言えば非科学的でさえあることを知っている。

そして国連および関連機関に働く人々の利益に沿った偏向をふくんでいることを勘づいている。

彼らは国連ロビイストの圧力のもとにさらされている。そしてその場限りでは正しくても、世の中の全体のバランスからすれば正しいとは言えない立場を表明することがある。

そしてそれがしばしば途上国や後進国に不利益をもたらし、先進国に有利に働くことを知っている。

しかし私たちは「だから国連など無意味だ」と叫ぶ気持ちはサラサラない。

やるべきことは国連と諸機関が提出するさまざまのリコメンデーションに対し、眉にベッタリと唾を付けて臨むべきだということだ。

とくに人権、環境、医療などの「敵なし議論」で、上から目線のかさにかかった言い方をするときには注意を要する、とだけ言っておく。