キューバ封鎖解除決議の内包する国家関係の原則

今年も国連でキューバ封鎖解除決議が解除された。
この決議は正式には「米国の対キューバ経済・通商・金融封鎖解除の必要性」に関する決議と言われる。

今までは米国とイスラエルだけの反対だったが、今回はブラジルとコロンビア、ウクライナが加わった。

かつてキューバから、チェルノブイリの子どもたちに対する献身的なケアーを受けたウクライナが、トランプとの取引のために民族の誇りと良心を売ったことは、残念でならない。

しかし、それにも拘らず圧倒的多数の国家がこの決議を支持しているという事実は、この決議に含まれた諸国間関係の原則が今や揺るぎないコンセンサスとなっていることを示す。

そういう観点からこの決議を読み解くことも、意味があることであると思う。

決議に示された国家間関係の4つの原則

そこに示された原則は以下の通りである。

国連憲章の目的と原則を遵守すること。すなわち

1.大小を問わず、すべての国の国家主権は平等であること。

2.いかなる国や国際機関も、他国の内部問題に干渉したり介入したりしてはならない。

3.国家間の通商は尊重されなければならない。交通・航行の自由は制限されてはならない。

4.いかなる国であっても自国の国内法を他国の政府・企業・個人に強制してはならない。

例外としての制裁について

国連は、以上の4つの原則が状況によって制限されることがありうることを認めている。
その際の手段が制裁である。

その内容、目的、手段は厳しく制限されている。それが2005 年の「国連首脳会議成果文書」に示されている。

制裁の意義

制裁は、国連憲章の下で、武力行使に頼ることなく国際問題を解決するための重要な手段である。
それは国際の平和と安全を維持する努力を行うにあたっての重要な手段である。

制裁の内容

制裁の対象は、慎重に選定されなければならない。その目的は明確でなければならない。

実施にあたっては、期待された結果を出すための実効性と、人民や第三国に起こりうる不利益とを厳密に比較することが求められる。
制裁の具体的内容は安全保障理事会で定められる必要がある。

制裁の内容に含んではいけないこと

以下の内容は制裁に含まれてはならない。すなわち内政不干渉の原則を侵犯すること、他国政府を実力で倒すことを目的とすること、テロ活動などを組織・支援・許容することである
(1970 年国連総会で「友好関係原則宣言」として採択)