拾った日経新聞日曜版 その2

2.ホルムズ緊張 LNGも影響 海峡通過は14%だが、原油連動がアダに

サウジの原油施設が攻撃され、11日にはイランのタンカーが紅海で攻撃された。

こうした中でLNGの価格も上がっている。16年の底値がトンあたり3万円余だったのが最近では5万円を超える価格にまで達している。

LNGは震災後の原発停止時の救世主となった。あのときはLNGを入手するために四苦八苦した。高いスポット買いを余儀なくされ、しかもパイプラインが不備なためにとんでもない輸送コストを強いられた。これが貿易赤字の大きな理由になった。

現在では日本の発電力の4割をになっている。さらに都市ガスのすべても担っている。

LNG価格は、購入3ヶ月前の原油価格をもとに決められることになっている。なにか変なのだが長年の商慣習らしい。

これはかつてLNG産出国が中東の石油産出国と重複していたことから形成されたらしい。しかし現在では日本のLNG調達先は随分と多様化している。

大まかに言うと豪州4割、東南アジア3割、中東2割、これにロシアとアメリカが合わせて1割という構成になっている。大変覚えやすい。

これだと原油にお付き合いする必要はないし、ホルムズ海峡緊張で右往左往する理由もない。

結局の所、日本は供給先(その多くが石油メジャー)からなめられているということなのだろう。

ただ20年の長期契約がまだ残っているので、これが切れた後は順次、原油非連動型になっていくのだろう。それまではとりあえずスポット外の比率を高めることで対応するものと見られる。