19.10.02
宮本眞樹子 「見て聞いて感じたベネスエラの今」

ベネスエラに行ってきました!

ハバナからカラカスまで直行便で3時間、お隣、という近さです。
12年ぶりのカラカスは、見たところ変わっていません。朝の通勤ラッシュ、夕方の雑踏、道端の物売り、美人でお洒落で魅力的な女性たち、普通の生活が見えます.
強いて言うなら、警備の人が増えた事でしょうか。

私がベネスエラを訪問していた時、首都カラカスでは、「ノー・モア・トランプ!大集会」と、「女性のための集会」が開かれ、スクレでは「ベネスエラ・キューバ相互連帯集会」が同時に開かれていました、なんとまあ精力的な事でしょう。

スクレ市まで行きました

今回は「連帯集会」に参加するために、カリブ海に面したクマナ県スクレ市に行ってきました。スクレはカラカスから東へ525キロ、海岸沿いのリゾート地でもあります。
島影が浮かび、絵のように美しい海と海産物の美味しいスクレ。ここはボリーバルとっともに南米を解放したアントニオ・ホセ・スクレが生まれた土地で、“栄光の地“と呼ばれています。

街の中心にある「フィデル・カストロ来訪記念彫刻美術館」を訪ね、スクレ像の建つ公園を散歩しました。
ショッピングセンターでお買い物して、ねっとり濃いガトーチョコレート(これが超美味!)にカプチーノのお茶タイム。
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      <買い物に来た女性たちと小さなお店の前で>

夜は海岸通りの公園で、毎週金曜の夜開催されるフィエスタ(お祭り)を楽しみました。
屋台の魚介類を賞味しながら、音楽が高鳴り、若者たちが盛り上がっているのを満喫しました。

”愛の高齢者“プロジェクト

ステージでは、”愛の高齢者“プロジェクトが開催されていました。
美しく着飾った年配女性の、それはそれは優雅で綺麗なダンスが披露されました。終わった後はやんやの喝さいを浴びていました。
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       <”愛の高齢者“プロジェクトの女性たちと>

曲が変わると誘われて、私も一緒に踊りました。日本人が珍しいのか、次々現れる男性を相手に、休む間もなく踊り続けてしまいました。

小腹が空いて、民芸品や手作りお菓子などがずらりと並んだ屋台を冷やかしながら食べ歩きました。
地元の人たちとお喋りしました。気になっていたことを訊いてみました。

「どこに餓死する人が?」

「ここでは食べ物がいっぱいあるけれど、日本のニュースでは食べ物が無くて餓死しそうな人がいるとか、病院に行かれなくて死にそうとか言われているの。本当にそういう人がいるのですか?」

たっぷり太った屋台の女性は笑いながら、「どこに餓死する人がいるのかね?」と聞き返してきました。
そして傍に立っていた二人の男性の太鼓腹を撫でました。このマッチョたちは私を物珍しげに見ていたのです。

周りにいた人たちも、どっと笑いました。そして「どこに餓死する人がいるのかね?」と、互いのお腹をさすりました。訊いた相手がふさわしくなかったかも(^^;)

フィエスタをやらないわけにはいかない

「失礼しました、日本ではそんな風に伝えられているものですから」
私はそう言い訳して謝りました。その女性は言葉を続けました。

「今年の3月、ベネスエラの発電所がテロ攻撃で壊されたの、知ってるでしょ? あの時、3日目が金曜日だった。フィエスタの日よ。
停電だったけど、フィエスタをやらないわけにはいかないもの。それが私たちのお愉しみなんだから。
それでみんなで車を集めて、車のライトで照らして、音楽をかけて、みんなで踊ったのよ」

感動で言葉を失った私、心の中で呟いていました。

「あっぱれ! ベネスエラ人よ!」

カラカスの庶民の生活事情

カラカスに戻ってから、お世話になった人や運転手さんたちにいろいろ質問してみました。
「インフレで物価高になって大変ですね?
 食べるものは調達できるのでしょうか?
 病院や教育費は?
 サラリーは平均どのくらいでしょう?」

答えは次のようなものでした。

「米国の封鎖強化で、インフレは酷い、サラリーが下がってお金は無い。今、サラリーの平均は6万5千ボリーバルだ。年金も少ない。私と同年齢の女性は4ボリーバルでまったく足りない。
 でも、食糧プロジェクトがあるから食べ物はある。政府からの食糧支援は2年前から更に増えた。
 例えば、お米、トウモロコシの粉(主食のパンケーキを作る)、卵、パスタ、油、砂糖、珈琲、ツナの缶詰…いろいろある、
 高齢者や障害者にはミルクなど更に多く支給される(安価で)」

キューバのリブレタ(食糧支援)と同じです。(真紀子さんはハバナ在住)

八百屋さんや小売店に行ってみました。食料品の品数は豊富、キューバは比べ物にならないくらいです。野菜や果物の価格はキューバと同じくらいです。珈琲はキューバの半額です。
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          <カラカスの街の八百屋さん>

* お店には、ベネズエラの側の案内で行ったのではなく、モールの前にあった小さな店にぶらっと寄ったとの宮本さんの説明です(新藤さんの注)

「病院は種類があって無料のもあります、教育費は大学まで無償です。

ガソリンは激安! だから、ヤンキーが狙う

移動中、スタンドでガソリンを入れました。運転手さんが「これで払う」といって、支払いのお札を私に見せました。500ボリバルです。
「え!まさか、それだけ?」 それではトイレチップと同じ金額です。

信じられない私、別の運転手さんに訊いてみました。
「ガソリンはリットル幾らですか?」
「ガソリン1リットルは0.0001米ドル、0.01セントだ」
(お店によって為替レートが若干違いますが、1USドル=20,000~23,000ボリーバル、9月末現在)
「は!そんな激安!?」
「いいかい、40㍑買うとする、100ボリバル払う、60㍑買っても100ボリバル、200㍑買ったとしても100ボリバルだ、要するにいくらでもないのだ、ここではオイルは水よりも安い」

計算が合わないだけでなく頭がついていけません。分かったのは
「だから、ヤンキーが石油を狙うのね」「シー!(その通り)」


宮本眞樹子(キューバ、ハバナより)