ニューヨーク・タイムズの記事をリンクしておきます。この記事は手続きなしに読めます(いまのところ)。
Sept. 16, 2019 Who Was Behind the Saudi Oil Attack? What the Evidence Shows


アラムコ爆撃の背後にいたのは誰? 
証拠写真の分析

当局は、イランの関与の証拠として衛星写真を発表した。そして無人偵察機と巡航ミサイルの組み合わせによる攻撃だとし、イエメンのフーシによる犯行声明を否定した。

しかし衛星写真以外の証拠は提供されていない。これでは攻撃がどこから来たのか、誰がそれらを発射したのかは証明できない。

分析家によれば、
①攻撃の巧妙さはこれまでのレベルをはるかに超える。フーシはドローン技術を急速に向上させているが、これだけの水準にはたっしていない。
②射入孔の建造物との関連、大きさの類似性から見て、その精度レベルは誘導ミサイルによるものであると予想させる。
③発表された衛星写真だけでは、爆撃の方向を特定できない。民間から独自に入手した衛星画像も同様所見で、貯蔵タンクは一貫したパターンで同じ方向から攻撃されている。

爆撃の発射元は未だ不明だ
saudi-460

当局は、イエメンからではなく北または北西からの攻撃だと述べている。しかし公開された衛星写真の一部は、施設の西側に損傷を示しているように見える。
direction-600
赤矢印が発射元方向で西北西に当たる。4時方向がイエメン、10時~11時方向がイラク・イラン

ただしそれは証拠にならない。巡航ミサイルは、発射方向と反対側の壁に衝突するようにプログラムすることもできるからだ。

爆撃精度は誘導ミサイルと一致する

アナリストは、「貯蔵タンクへの損傷の精度と一貫性は、ミサイルなどのある種の誘導弾薬と一致している」と述べている。

サウジのソーシャルメディアに投稿されたミサイルの残骸と思われるものの写真がある。アナリストはこれがQuds 1と一致していると推定している。
wreckage1-2000
これが弾頭であれば、フーシの犯行は否定される。Quds 1ミサイルの射程はイエメンから到達するには短すぎる。


以下は、この記事につけられたコメントの中から抜粋したもの。

コメント

① 写真は興味深いものです。ドローンが数百マイル離れた場所から発射され、4つの建造物の同一のポイントに的中したことです。米国のレーザー誘導ドローンでさえ、これほど正確であるとは思えません。
フーシーが数百マイル離れたところから打ち出す粗野なドローンが、これだけの水準の精度を実現できるという主張は信用できません。

② 私達は15年前、「大量破壊兵器」に一度だまされました。再びだまされることはありません。
イラクは飛行機をツインタワーに飛ばしませんでしたが、しかし彼らは“報復”爆撃されました。

③ 打ち上げ場所の方向を示す地図は、イスラエルを示唆しているように見えます。もちろん、記事に書かれているように、方向は偽装されたかもしれませんが。

④ もしミサイルがイランから来たのなら、ペルシャ湾で警戒している空母やイージス艦は何を見ていたのでしょうか。私たちの空母や艦船は、なぜ、これらのミサイルやドローンに関する情報を収集できなかったのでしょうか?  イランのミサイルは、彼らの頭上を通過したのではないのでしょうか?

⑤ 北か北西か? それとも地中海沿岸に、洗練された軍事能力を持っている国はないでしょうか? その国は米国の補助金によって保護されていることで知られている小さな国です。
その国は、攻撃された施設のやや北西にありませんか? そして、その小さな国はイランに対して熱狂的な反感を持っていませんか?

⑥ 衛星写真からの実際の損傷を実際に見ると、報道されているほど甚大な被害には見えません。損傷は非常に特徴的で、広範囲でもないように見えます。
施設は数日で操業体制に戻るでしょう。フル稼働までおそらく1週間か2週間。

⑦ 事件をでっち上げて、それをイランの挑発活動のように見せることは、イスラエルとサウジアラビアの間の秘密の共同作戦でしょう。米国をイランに対する直接作戦におびきだすためのフィッシング行動だと思います。

後略

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