イングランド銀行カーニー総裁の講演 詳報
8月26日のブルームバーグ報道で、「ドル支配終わらせるデジタル基軸通貨体制を提唱」
Carney Urges Libra-Like Reserve Currency to End Dollar Dominance
と題されている。
リードは下記の通り
カーニー総裁はドルを基軸通貨とする世界的金融システムの抜本的改革を求めた。
そして極めて大胆な提言を行った。
最終的には「リブラ」のような仮想通貨が準備通貨としてドルに代わることになるとの考えだ。
以下本文
最初に現状認識
経済政策を巡る不確実性が高まっている。
あからさまな保護主義がはびこり、政策余地は限定的となり、今後は悪影響を打ち消せなくなるかも知れないとの懸念が広がっている。
これらの悲観的観測が組み合わされ、世界経済のディスインフレ傾向を悪化させている
「現状維持」思想は誤り
各国・地域の中銀が短期的にはこうした事態に対応することは必要だ。しかし現状維持の思想は誤りだ。最終的には劇的な措置が必要になる。
「通貨覇権の入れ替え」であってはならない
基軸通貨がドルから中国人民元に代わっても問題は解決しない。「長期的に見て、われわれはゲームを変更する必要がある」
合成覇権通貨(SHC)の構想
世界の準備通貨としてのドルの地位が終わったあと、グローバルなデジタル通貨が登場するだろう。
それはリブラのようなものとなるかも知れない。リブラは各中銀の直接的な管理から外れたものと構想されているが、SHCは各国中銀の「デジタル通貨ネットワーク」を通じて公的セクターによって提供されることになるだろう。
カーニー総裁の結語
このアイデアの初期バージョンは試行錯誤を繰り返すことになるだろう。
しかしいくつかの欠陥が立証されたとしても、SHCのコンセプトは魅力的だ。
それは世界貿易における米ドルの支配的影響力を弱めるかもしれない。
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