ヤマト生命の項目では書ききれなくて、無理に突っ込んでも汚くなるので、別項にしました。
生命保険会社がこれだけ破綻していたとは知りませんでした。迂闊でした。
嫁さんの生命保険が意外に多かったのですが、昔は条件が良かったのだそうです。それだけ保険会社がつらい思いをしているのだということがわかりました。

1997年4月 日産生命が破綻。戦後初の生保破綻となる。超低金利から運用利回りが下がり、逆ざやが発生した。

1999年6月 東邦生命が破綻。債務超過額 は6,500億円。

2000年5月 第百生命が破綻。

2000年8月 大正生命が破綻。受け皿会社であるあざみ生命保険株式会社が設立された。

2000年10月 千代田生命が破綻。超過債務は 5,975億円。

2000年10月 協栄生命が破綻。超過債務は最大の 6,895億円。

2001年3月 東京生命が破綻。戦後7番目の生保破綻となる。その後金利、株価が上昇し、生保業界の財務内容が改善。

2002年4月 大和生命保険株式会社として出発した。株式会社の組織形態取得を目的とした操作。生保の株式会社化として話題になる。

株式会社は資金調達が容易で、M&Aが展開できるメリットがある。一方でハイリスク・ハイリターンな経営に向かう危険を持つ。

2002年 大同生命、2003年に太陽生命、2004年に三井生命が株式会社化。

2008年10月10日 中堅生保の大和生命が破綻。7年ぶり、8番目の生保破綻となる。サブプライムローンを抱え債務超過におちいる。

2010年4月 第一生命が株式会社化。株主数は137万1000人で、NTTの103万人を上回る。

経過を詳しく分析した研究として
が挙げられる。
ここではヤマト生命の資産運用の特徴として、
1.有価証券の割合が高く貸付金・不動産・動産の割合が低い
2.有価証券の中でも株式と外国証券の割合が高く、公社債の割合は低い。
3.株式の中でも株式投資信託や不動産投資信託、デリバティブや仕組み債などの比率が高い。
また人材としても、経営トップに異色の元大手証券会社の出身者をすえるなど型破りだった。

その上で、著者はこのままでは業界全体がジリ貧に陥る。経営の長期安定を考えれば株式会社化は必然である。そのうえで生保会社としてのモラルをどう担保するかを考えるべきだと主張している。