韓国考古学の時代区分体系には青銅器時代が設定されており、この時代は新石器時代と鉄器時代の間に位置している。

しかし、その時期区分は充分に設定されていない。

銅鉱山の開発、製錬・合金、鋳造などと関わる証拠がなく、名称が果たして適切なのかが疑問である。

日本の占領時代、先史時代は石器時代と金石併用時代に区分されていた。

60年代はじめ、北朝鮮考古学界は先史時代の分類として新石器時代と青銅器時代、鉄器時代を設定した。これは占領時代の先史体系を否定するためだった。そのために無理やり西洋文明の区分であるトムソン分類を適用したとも言える。

朝鮮の歴史学はきわめてナショナリスティックでイデオロギッシュで、主義主張のためには論理が破綻しても気にしない傾向がある。これもそういう議論の一つだろう。

彼らは支石墓出土遺物の組合せにより青銅器時代と鉄器時代を分けようとした。3つの根拠を上げているが、素人の私からみても相当無理がある。

韓国の学界も北朝鮮考古学を受け入れて青銅器時代を設定した。

その後発掘例が増加するにつれて、青銅器・鉄器時代の区分は深刻な矛盾を抱えるようになった。
土器、青銅器、鉄器のように特定の時代を代表する物質文化要素の交替および変化の時期が一致しないという矛盾である。

もう一つは青銅器そのものが自生的文化ではなく、西方からの輸入文化であるため、地域ごとにかなりの時差があり、絶対年代と連動しないことだ。
社会の発展段階とも照応しない。時代区分の指標としては使いづらい。

今世紀に入ってから、青銅器時代を理解するためには農耕社会の成立過程に注目しなければならないという意見が出始めた。

安在皓は、「青銅器時代は青銅器の使用によって始まったのではなく、農耕集落の移住定着から始まった」という点を明確にし、現在では多くの共感を得ている。

つまり平ったく言えば、定着農耕時代を青銅器時代と言ったって、それで通じるならいいじゃん、ということだ。

まぁ、いいけど、それならいっそ使わないほうがいいよね。

参考までに
「韓国 歴史地図」 2006年 平凡社
から先史時代の概略。韓国教員大学のスタッフの共著になるもの。

BC50万 旧石器時代が始まる。

BC1万~8千 古新石器時代が始まる。事実上中石器時代。原始無文土器などを使用。済州島高山里遺跡

BC8千 新石器文化が始まる。磨製石器・土器を使用。狩猟+採集生活。

BC6千 櫛目文土器使用。一部の地域で農耕開始。鍬・鎌・石犂使用。

BC1千 無文土器の使用が始まる。青銅器時代始まる。